春がやってきます
あと数日で高千穂に旅行、旧知のお年寄り(86歳)と久々に会ってまいります。その帰り、博多駅前の昔馴染みの店でいつもの(大阪より酔狂な)爺友と待ち合わせ、67歳の誕生日を祝ってクエを喰ってきましょう。ここ2年節約が過ぎたと反省、自分の身の丈に似合った贅沢をしようと考えております。前月は一年ぶり左膝に痛風症状発生(前年は耐えきれぬ激痛!)幸いたいしたことはなく2-3日でほぼ症状は治まって、日常生活に不便があったのは一日ほど。学生時代の先輩との名古屋日帰り酒席も無事思った通りのスケジュールをこなしました。梅田駅前ビル地下激安居酒屋には3度ほど通って、なんやかんや週に一回ほど呑んだ計算になります。市立体育館トレーニングルームへは14回、途中左膝激痛に一度休んだのみ、毎朝のYouTubeエアロビクスは継続中、一日のみ一番症状のひどい日は座ったままの「リンパ・マッサージ」に変更したものです。
月初、ちょっぴり頭痛があったり、先の膝痛はあったけれど、基本体調良好。呑んだ翌日はできるだけトレーニングをするようにして、昼くらいには体調は戻りました。まだまだ気温は乱高下する季節の変わり目、体調には気をつけましょう。今月は高千穂/博多の旅のあと、春は接近して花粉症はツラいけれど、桜が開花すればさくら夙川に出掛けるつもり。女房殿が映画「90歳。なにがめでたい」のチケットを入手しております。体重は64.5kg。一ヶ月で▲500g。この調子で健康を維持すべく努力もして、なんとか楽しく春を迎えたいものです。お嫁さんが待望の再就職成ったけれど、下の孫(2歳)の保育所が決まりません。来月以降どうするか、悩ましいところ。若い人たちの力にできるだけなりたいけれど、婆さん(94歳)の介護問題もあって、ちょっと先が見えません。
● 恒例前月分拝聴音楽の振り返り。ネットより音源新規入手は抑制して、在庫も減らそうと心掛けても、結果的にずいぶんと増えてしまって、もちろん聴き切れません。廃棄を心掛けましょう。
■Mahler 交響曲第10番 嬰ヘ長調(デリック・クック版第3稿第1版)〜リッカルド・シャイー/ベルリン放送交響楽団(1986年)・・・当時若手33歳の記録、13年ぶりの拝聴。Deryck Cooke(1919ー1976英国)による全曲完成版は妖しい風情大好きですよ。第1楽章「Adagio」期待の英DECCAにしてはいまいちな音質?印象か、オーケストラもちょっぴり潤いに足りぬ?ここは転調を繰り返してやがて激高!狂気を孕んで危うい始まり、聴き進むに連れて音質音色云々の疑念は晴れて、その集中力構成の上手さに引き込まれました。ここのみでも充分な完成度。(25:55)第2楽章「Scherzo」は無遠慮に無骨かつユーモラスな舞曲、闊達なパワーに賑やかな躍動、金管の切れ味も凄い。新ウィーン楽派に接近している手応えがありました。(11:53)第3楽章「Purgatorium(煉獄)Allegretto moderato」ここはジョージ・セルの演奏で昔から馴染んでいたところ。(20年前に絶賛していたけれど現在の耳で聴くのが少々怖い)間奏曲ですか?途方に暮れたような、重苦しく巨大に大仰なのに妙に短いところとか、やはり新ウィーン楽派を連想させます。(4:43)第4楽章「Scherzo,Allegro pesante」はスケルツォと呼ぶにはあまりにヒステリックに不協和音が叫んで、途中は優雅に雄弁、切れ味ある明るい表現最高。ラストの大太鼓重低音ズドンと一撃!そのまま(12:51)第5楽章「Finale(Langsam, schwer)」へ。大太鼓ズドンは不気味にとっても怪しく、重苦しい金管とともに連続して、これは殉死した消防士の葬列から霊感を得たものとか。それはやがて哀しいフルートの歌に引き継がれ、Mahlerのフィナーレに相応しい万感胸に迫る高揚・・・そこに葬列の大太鼓と低音金管が不気味に遮ります。このあたりに至ると音質云々の疑念は消えました。管楽器の饗宴はオーケストラの技量を証明しております。ラスト纏綿たる弦の静かな締め括りに満足いたしました。弦も一流の響き。(25:11)
■Grofe 音の旅(A Tone Journey)「ミシシッピ組曲」/組曲「グランド・キャニオン」/組曲「ナイヤガラ大瀑布」〜ウィリアム・ストロンバーグ/ボーンマス交響楽団(1998年)・・・William Stromberg(1964-亜米利加)は映画音楽畑の人らしい。これは華やかなデーハーな作品にド迫力音質、大音量が有名な録音。幾度も聴いているはずなのにサイト内検索には出現しません。「ミシシッピ組曲」はかつてクイズ番組のテーマとして使われておりました。懐かしくも神秘的な物語を思わせる「水の神」(3:15)ユーモラスに可愛らしい行進曲風「ハックルベリー・フィン」(2:22)/しっとり懐かしい「いにしえのクリオールの日々」(3:04)「マルディ・グラ(懺悔の火曜)」はゆったりムーディな雰囲気いっぱいにゴージャスなフィナーレを迎えました。(4:52)ミシシッピー川にまつわる物語。こどもの頃に読んだ「ハックルベリ・フィンの大冒険」は「トム・ソーヤ」より好きでした。creoleとはちょっと微妙なニュアンスを含んだ意味がありそう。
一番人気な「グランド・キャニオン」はディズニー番組のテーマなどで有名、雄大爽快な情景、山道を行くノンビリとしたロバの蹄の音、オーケストレーションの効果は「惑星」、雷鳴の描写はアルプス交響曲に匹敵して最高に楽しい!作品であり演奏。なぜか英国南部のボーンマス交響楽団が起用された経緯は不明、これが金管打楽器鳴りきって賑々しいサウンド最高に絶好調。日の出(5:27)赤い砂漠(5:21)山道を行く(7:39)日没(5:10)豪雨(8:22)。
「ナイヤガラ大瀑布」も凄い。「瀑布の轟き」はその通り、喧しいほどの重低音な轟音(3:35)「デビルズ・ホールの大虐殺」は1763年先住民族が英国軍の民族浄化に対抗して戦った悲惨な出来事の哀しい描写(4:29)「新婚旅行者(ハネムーン)たち」は平和な時代に若いカップルが観光に来ている風景なのでしょう。甘い安寧の旋律が静かに流れます(4:25)「ナイアガラの力」、風雲急を告げる切迫した旋律が押し寄せました。途中コラール風金管が入って、まるで冒険大活劇のめでたいフィナーレ風締め括りもわかりやすい(9:42)■Haydn 交響曲第94番ト長調「驚愕」/第1番ニ長調/第64番イ長調「時の移ろい」〜飯森範親/日本センチュリー交響楽団(2019-2020年)・・・山形交響楽団とのMozartにも驚いたけれど、こちらのHaydnも凄い。全集録音進行中ですか?(完成していたらごめんなさい)音質、小編成オーケストラの技量、洗練されムダのない引き締まったサウンド、スパッと切れ味と躍動を感じさせるいきいきスマートな表現も音質も最高。弦はノンヴィヴラートが基本でしょうか。軽快なリズム感は過激にならず、洗練を感じさせます。
第94番ト長調は円熟の名曲、誰でも知っているフルート2本+オーボエ2本+トランペット2本+ホルン2本+ティンパニも加わった堂々たる作品。爽やかな目覚めからリズミカルに躍動する「Andante cantabileーVivace assai」はオーボエの音色も軽快(8:57)「Andante」ここが有名な変奏曲+びっくりするところ。聴き慣れぬヴァイオリン・ソロは演奏上の工夫ですか?(6:29)シンプルにユーモラス、ヴィヴィッドな舞曲である「Menunuet」を経(4:28)「Allegro di molt」デリケートなフィナーレがやってきました。ティンパニが躍動します。(4:13)
第1番ニ長調はオーボエ2本+ホルン2本+低音にファゴットが加わって意外と厚みのある響きでした。シンプルだけど晴れやかに躍動して暗転もある「Prest」(5:08)リズミカルに牧歌的な「Andante」(5:57)「Prest」上機嫌に歩みを進めるフィナーレもステキ。(2:19)
第64番イ長調の編成は第1番ニ長調と同じ。かなり変化陰影に富んで表情豊かな「Allegro con spirito」はなかなかの名曲。ホルンの高音も印象的でした。(9:05)「Largo」は洗練された弦がすっきりと歌い(5:55)「Menuet;Allegro」はいきいきとした舞曲(2:27)「Prest」もシンプルだけの疾走に非ず、転調や雰囲気の暗転が頻繁に飽きさせません。(3:04)■Elgar 交響曲第1番 変イ長調/弦楽セレナード ホ短調/夕べの歌/朝の歌〜エイドリアン・ボウルト/ロンドン・フィル(1976年)・・・関連話題のみ、サイト内にこの名演奏の言及はないのは意外でした。いやもうこれは絶品!大好きな作品だけど、その抑制の効いた重厚さ、神々しさに打ちのめされましたよ。風情はBrahmsの鬱蒼に似て、そこから色気や押し付けがましさを抜いて、含羞を加えたようなテイストは大好きですよ。交響曲初演は1908年だから時代を勘案すると保守的な作品、この一枚は名曲揃えて、盤石の横綱相撲!遠い遠雷のようなティンパニから悠々と静かに歩み始める第1楽章「Andante nobilmente e semplice - Allegro」。唐突に雰囲気が変わる第2主題はうねうねとして激しい金管にクライマックスを形作りました。そして落ち着いた冒頭がスケール大きく回帰(18:40)第2楽章「Allegro molto」はカッコよく進撃する行進曲、ここの金管のパワーもみごとなもの(7:14)第3楽章「Adagio − Molto espressivo e sostenuto」前楽章より途切れなく続く緩徐楽章。深呼吸のように雄大なる黄昏風情、第1楽章の「モットー」も登場します(10:54)第4楽章「Lento − Allegro − Grandioso」またまた鬱蒼と慎重な始まり、やがて徐々に熱と緊張感を高めて力強い金管の咆哮(これはロンドン・フィルの技量が圧巻)と弦の疾走、そして圧巻のクライマックスへ。(12:03)やっぱ、この作品はボウルト翁でっせ。楚々として哀しいセレナード(3:47-5:21-3:09)優しさが胸に迫る「夕べ」「朝」も絶品(4:25-3:02)。
(2024月3月1日)
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