2024年の始まりは元気に
元旦に能登半島地震、2日には羽田にて航空機衝突炎上等々不穏なことばかり続く2024年の始まり、日本の安全神話を脅かすような物騒な事件も毎日のニュースに出現しております。世界に眼を向ければ烏克蘭、ガザ問題など悲惨な状況継続中。こちらそれとは無関係にな引退生活、例の如くだらだらと一ヶ月過ごしました。先月外での酒は4回、2回は爺友としっかり、2回は女房殿と軽く呑んで、ほか餃子を作った時に自宅缶ビールを一本のみ。健全なものでっせ。昨年末、市立体育館年末年始休み時期に始めたYouTubeエアロビクス短いのは毎日実施、トレーニングルームに筋トレマシン+エアロバイク有酸素運動は隔日に通って14回皆勤賞、幸い体調は維持できて、風邪やインフルエンザ、コロナとも縁はありませんでした。元旦は65.5kg、一ヶ月後は65.0kg、結果ほぼ変わらない。
お仕事引退大阪へ転居して丸2年、ようやく節約生活を基本に、細(ささ)やかな贅沢も時に入れ込んで生活リズムが見えてきました。昨年2023年は数ヶ月に渡り体調不良に苦しんで、今年2024年はまず体調管理、そして現役時代に貯め込んだへそくり放出して、旅行に出掛けようと考えております。まず2月早々に名古屋へ先輩と酒。わざわざ名古屋に寿司喰いに(涙)・・・それはさておき、4人の大学時代先輩と馬鹿話するのが主眼、うっかり油断すると永遠に会えなくなってしまう世代。それはあながち悪い冗談に非ず、数年前学生時代一番親しかった4歳上の先輩をガンで亡くしました。せめて年に一度くらいはお互い生存確認をしておかなくっちゃ。
3月は30年以上前担当だった乾物屋の先代専務(86歳)を訪ねて宮崎・高千穂迄出掛けるつもり(女房殿は残念、付き合ってくれないとのこと)。現在旅程検討と先方のご都合を伺っております。近場だけど桜の時期にはさくら夙川に久々に訪問したい。4月にはキシダさんの呼びかけに応じて「北陸支援」するつもり。残念ながらこちら被災者ボランティアするほどの体力気力技量はなくて、お客の減った温泉などに入って上手いもん喰うのみ、なんせ現役時代は週に一回5年間出張した馴染みのところですから。被災地ど真ん中にもかつてお仕事で出掛けたことがありました。美しいところでしたよ。
明石在住息子一家は4歳2歳の幼子を抱え、お嫁さんはとうとう産休育休期限切れ退職、保育所には落選して社会復帰叶わず残念。実家である天草には行ったことはないので、今年はお邪魔しようと考えております。(女房殿は初孫誕生時に訪問済)それもこれも健康、体調管理がまず前提でしょう。昨年2月は膝に痛風発作を起こして、これが散々な一年の呼び水でした。ムリのない運動継続、工夫した食事を続けてこの先充実した一年にしたいものです。これ以上の社会不穏な事件や災害も起こりませんように。
ご近所の梅一本、既に満開です。
● いつもの前月分拝聴音楽の振り返り。
■J.StraussUワルツ「ウィーンの森の物語」/芸術家のカドリーユ/エジプト行進曲/鍛冶屋のポルカ/喜歌劇「ジプシー男爵」序曲/シャンペン・ポルカ/ワルツ「酒、女、歌」/ポルカ・シュネル 「観光列車」〜アーサー・フィードラー/ボストン・ポップス管弦楽団(1966年以前)・・・(昨日来)新年はこれ。いつからでしょう、ウィーン本場物を求めなくなって、現在の耳にはウィリー・ボスコフスキー(Willi Boskovsky, 1909ー1991墺太利)のDecca録音はユル過ぎと感じるし、ヨハン・シュトラウス管弦楽団は音質、アンサンブルとも満足できなくなりました。かと云ってロリン・マゼール以降のニュー・イヤー・コンサートはかっちり細部描き込みが堅苦しい〜なんて云うほど熱心には聴いておりません。こんな亜米利加の維納円舞曲なんて!そんな先入観は無用、愉悦感たっぷり、オーケストラも上手いし、ちょっと立派過ぎだけど、たっぷりゴージャスなサウンド、音質も極上。これはLP復刻音源みたいだけれど、現役音源じゃないのが不思議なほど。誰でも知っている「ウィーンの森の物語」はちゃんとツイターが入って優雅な風情、ヴァイオリン・ソロで代替していないのが立派。(10:45)「芸術家のカドリーユ」は有名旋律メドレー/Mendelsshon 結婚行進曲/Mozart 交響曲第40番ト短調K.550第1楽章「Molt Allegro」/Weber 歌劇「オベロン」よりアリア/Chopin ピアノソナタ第2番変ロ短調の一部旋律/Paganini ヴァイオリン協奏曲第2番ロ短調「ラ・カンパネルラ」より/Meyerbeer 歌劇「悪魔ロベール」よりアリア/Ernst ベニスの謝肉祭/Weber 歌劇 「魔弾の射手」よりアリア/Mozart 歌劇「魔笛」よりアリア「私は鳥刺し」/Beethoven 「トルコ行進曲」/ヴァイオリン・ソナ タ第9番イ長調「クロイツェル」より第2楽章「Andante con variazione」が次々と登場します。(4:52)「エジプト行進曲」には団員のスキャットが入り(4:12)「鍛冶屋のポルカ」は蹄鉄の音も賑やか(2:46)有名な「ジプシー男爵」も最高(7:08)「シャンペン・ポルカ」にはもちろんコルクを抜く音も盛大(2:50)ゴージャスに華やかな「酒、女、歌」はちょっと立派過ぎだけど(9:30)ラスト「観光列車」の元気いっぱいな疾走+警笛もユーモラスでした(2:40)最高。
■Brahms 交響曲第1番ハ短調+第2楽章「Andante」初稿/大学祝典序曲〜チャールズ・マッケラス/スコットランド室内管弦楽団(1997年)・・・Brahmsの交響曲は不遜にもいささか食傷気味、それはあくまで個人的な嗜好の問題です。モダーン楽器室内オーケストラ編成による演奏は引き締まって、薄さ迫力不足を感じさせぬスッキリマイルドな響き、充実した推進力を誇って、意外とテンポも浪漫に揺れ動きます。わずかにポルタメント奏法も出現。いつもはものすごく立派に仰々しい第1楽章「Un poco sostenutーAllegro」出足はさっぱりと軽快な始まり、提示部はもちろん繰り返し。(15:33)第2楽章「Andante Sostenuto」も勿体つけた詠嘆に非ず、流れはスムースにていねいな歩みに、涼し気な地味渋系のサウンド。ヴァイオリン・ソロもホルンも味わい深いもの。(8:55)第3楽章「Un poco Allegretto e grrazioso」はスケルツォに非ず間奏曲的な楽章とのこと。ここはさらりと流して抑制気味、中間部もあまり大きく詠嘆いたしません。(4:16)第4楽章「Adagio-Allegro non troppo,con brio」軽過ぎず速すぎず、そしてあわてず、しっかりと間をとって入念なフィナーレへ。推進力はあるけれど重すぎない流れ。(16:37)初耳の第2楽章初稿が収録されるのも配慮あるものでしょう。出足はほとんど同じ、やがて途中平穏素直な聴き慣れぬ旋律に変化するものでした。ヴァイオリン・ソロは出現しません。(8:42)序曲はどういう加減か金管がずいぶんと古雅に響いて、ほとんど古楽器風に素朴、すっきりと勢いのある演奏でした。(9:46)
■Couperin 葦/神秘のバリケード/ティク・トク・ショク/修道女モニク/Lameau 優しい訴え/未開人/Boismortie 蚤/Danan かっこう/Royer スキタイ人の行進/D.Scarlatti 3つのソナタ (変ホ長調 K.193/ニ短調 K.9/ハ長調 K.159)Galuppi ソナタ ハ長調/Soler ソナタ 第25番 ニ短調〜中野振一郎(cem)(2011年新川文化ホール/富山県魚津市)・・・2枚組の一枚目、こちらはフレンチ・スタイルのチェンバロ使用、記憶では大型に装飾を施したゴージャスな楽器だったはず。優秀録音。Couperinのclavecin(仏蘭西語)作品はロベール・ヴェイロン=ラクロワによる色彩の変化、陰影豊かな演奏(モダーン・チェンバロですか?1967-70年)にずっと馴染んで、それに比べるとぐっと控えめな響き、ジミに優雅な華やかさがありました。「神秘のバリケード」は思索的な味わい深い名曲と感じます(3:29-2:12-2:48-3:32)。Lameauの「優しい訴え」はもの哀しく優雅、そして「未開人」は有名な劇的旋律となります。(3:06-1:58)Boismortieは題名からは意外なほどにちょっぴり寂しげ(1:45)Dananは初耳作曲家、どこが「かっこう」なのか?ようわからぬ、これもちょっぴり哀愁を感じさせます(2:03)。Royerとやら?も初めて、これは泥臭い旋律に迫力と勢いを感じさせる大きな作品(6:34)。馴染みのD.Scarlattiは弾むような躍動と明るいリズム感に溢れて、ひときわ光放つもの(3:43-3:32-2:38)GaluppiはAndante-Allegro-Allegro assaiの3楽章。これも意外と有名なデリケートに穏健な作品でした。A-B-ミケランジェリが好んで演奏したのはこれでしたっけ?(5:42-2:53-3:05)。ラストはSolerの作品、師匠筋であるD.Scarlattiに似た躍動のリズムが豊かに響きました。(4:50)
■Prokofiev 交響曲第5番 変ロ長調(パウル・クレツキ/フィルハーモニア管弦楽団/1963年)/組曲「三つのオレンジへの恋」(コンスタンティン・シルヴェストリ/ウィーン・フィル/1960年)・・・驚異の音質。自分の守備範囲外だけど高品質CDにもなっているそうな。Paul Kletzki(1900ー1973波蘭→瑞西)による、ちょっとウケ狙い過ぎに大衆的な変ロ長調交響曲は、思いっきりヴィヴィッドに活気があってキレキレッのリズム感、フィルハーモニア管弦楽団も滅茶苦茶上手い!怪しくもウネウネと力強く、夜明けを感じさせる第1楽章「Andante」(11:41)ノリノリの勢いはヒステリックに疾走する第2楽章「Allegro marcato」(8:14)暗鬱な風情を漂わせつつ、たっぷりと歌ってやがて狂気も感じさせつつ盛り上がる第3楽章「Adagio」(10:45)第1楽章の風情を回顧しつつ、曇ったヴィオラを呼び水に管楽器がユーモラスに呼び交わしつつ駆け抜け、やがて打楽器全開のうちにあっという間にフィナーレへ雪崩れ込む第4楽章「Allegro giocoso」(9:36)わかりやすくカッコ良い作品、そして演奏。シルヴェストリによる「オレンジ」は昔馴染み。これもまずまずの音質にオーケストラの個性的に厚みあるマイルドな響き、演奏はなかなかメリハリはっきりして立派なものでした。(2:54-3:15-1:45-1:28-5:06-2:23)
■Bolodin 歌劇「イーゴリ公」より「序曲」(1963年)「ダッタン人の踊りと合唱」(1974年)「ダッタン人の行進」(1966年)/Mussorgsky/Ravel編 組曲「展覧会の絵」(1974年)〜エフゲニー・スヴェトラーノフ/ソヴィエット国立交響楽団/放送合唱団・・・Yevgeny Svetlanov(1928-2002露西亜)の音源は露西亜の怪しげなサイトよりごっそり音源を入手したまま10年ほど?放置。ほとんど聴いておりませんでした。(写真はこの作品の組み合わせに非ず、ネットでスヴェトラーノフ「展覧会の絵」を検索して適当に出現したもの)Bolodinは別々な録音の組み合わせ、音の感じも微妙にテイストは違うけれど良好な音質でした。沸き立つような気分高揚する「序曲」、速いテンポに躍動する「踊りと合唱」にはパワフルな推進力、合唱も同様にアツい。「行進」は粗野な重量感たっぷり(10:16-11:0-5:37)。名曲「展覧会の絵」も音質良好。冒頭ヴィヴラートたっぷりの強烈トランペットからギラギラするようなエネルギー満載、重量級のリズムに手応え充分。どの金管も他では聴けぬ異様にセクシーな音色漂って、オモロさ際立つ個性的演奏でしょう。グノームの低音、古城のシミジミとした寂寥、ビドロの絶望的に息苦しい重さ、卵の殻をつけた雛の踊りラストの絶妙なタメ。シュムイレのトランペットは予想外に弱く控えめ、ゴールデンベルクの威圧感の対比は凄い、カタコンベに於ける金管はかつて経験したことのない雄弁なド迫力でした。「バーバ・ヤガ」は意外と渋め、たっぷり重くテンションを上げて〜ラスト「キーウの大門」も抑制から始まって、やがて朗々と徐々にテンポを遅くして圧巻の結末を迎えました。この色彩、重量感は貴重な体験、名曲のヴェリ・ベストを争う出来でしょう。Prologue(1:47)Gnom(2:50)Prologue(0:50)Old Castle(5:15)Prologue( 0:33)Tuileries Garden(1:11)Bydlo(3:19)Prologue ( 0:44 ) Ballet of the unhatched chicks(1:18)Two Jews , rich and poor(2:17)Limoges . Market ( big news ) (1:30)Catacombs ( Roman tomb ) . With the dead in a dead language(4:03)Hut on Chicken Legs ( Baba Yaga )(3:38)The Great Gate ( In the Capital in Kiev ) (6:04)
■Bridge 狂詩曲「夜の始まり」/交響詩「イザベラ」/管弦楽のための2つの詩曲/交響詩「真夜中」〜リチャード・ヒコックス/BBCウェールズ・ナショナル管弦楽団(2000年)・・・Chandosというレーベルは自国の作品を執拗に取り揃えてその姿勢は立派なものと思います。 Frank Bridge(1879-1941英国)はBrittenの師匠筋、日本では知名度薄く自分も名前を聞いていた程度、まとまった管弦楽作品を拝聴するのは初めてでした。Richard Hickox(1948-2008英国)は60歳の寿命が残念、現在でも現役でおかしくない世代でしょう。作品の経緯は理解していないけれど、どれも保守的にわかりやすい旋律ばかり。これから夜の馬鹿騒ぎが賑やかに楽しそうに華やかな「夜の始まり」(18:38)しっとりと甘い「イザベラ」(18:03)「詩曲」は静謐な神秘、そして剽軽な木管の乱舞(8:39-4:19)「真夜中」は漆黒の闇からやがて静かに激情が高まっていく情熱的な作品でした。(26:12)オーケストラは上手いもんですよ。すっかり作品を気に入りました。
■Beethoven ヴァイオリン・ソナタ第1番ニ長調/Brahms ヴァイオリン・ソナタ第1番ト長調/Bach 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ ニ短調 BWV.1004〜ヘンリク・シェリング(v)/エウジェニオ・バニョーリ(p)(1975年9月/アスコーナ・ライヴ)・・・貴重な室内楽10枚組ライヴは2006年来の拝聴、臨場感のある音質良好なことに驚きました。Henryk Szeryng(1918ー1988波蘭→墨西哥)のヴァイオリンは気品漂って端正極まりない。Eugenio Bagnoli(1920-2009伊太利亜)は初耳ピアニストだけど、驚くべき息の合ったサポートぶりでした。Beeやんの初期作品であるニ長調ソナタは、ピアノに重点が置かれているんだそう。第1楽章「Allegro con brio」から明るく躍動すして、愉悦に満ちた青春の息吹を感じさせるもの(9:07)第2楽章「Andante con moto」は優雅な主題と変奏曲(8:11)第3楽章「Rondo,Allgro」は晴れやかな笑顔に疾走して、シェリングのヴァイオリンは清潔そのものでした。(4:47拍手有)
Brahmsはト長調だけど、思索的に鬱蒼暗鬱として滋味深くも切ない第1楽章「Vivace ma non troppo」は囁くような静謐が絶品(10:56)第2楽章「Adagio」蠱惑的な音色がかすかな吐息のように呟きます(7:54)第3楽章「Allegro molto moderato」は歌曲「雨の歌」「余韻」を主題としているそう。ここも遣る瀬ない風情満載、微妙に胸が痛むような旋律が続きました。(8:58)名曲でんなぁ、すっかり作品に目覚めましたよ。名曲を自覚させる素晴らしい演奏。Bachも技巧的な冴えはもちろん、どこにも力みや響きにの濁りを感じさせぬ演奏。ヴァイオリン一挺から宇宙の広がりを表現する至高の名曲「シャコンヌ」も煽ったり、激情に走らぬ端正。Allemanda(2:59)Corrente(2:08)Sarabande(3:51)Giga(3:23)Ciaconna(13:59)これは最近聴いた室内楽中屈指の一枚でした。(2024月2月1日)
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