京都にて

世相も気候も寒々しい日々


 年末年始正月休みは遠い昔のように感じます。こどもの頃のワクワク感はもちろん、お仕事現役中の休みのありがたさもすっかり忘れました。お仕事引退して既に丸三年、なんせ毎日盆と正月休みですから。ぼちぼちもっとも冷える季節を迎えて、世間ではインフルエンザとコロナが流行ってタイヘン、息子一家孫も感染いたしました。幸いあまり重症化せず、快方に向かっているよう。受験生は気が気じゃないでしょう。

 こちら酔狂にも名古屋遠征も含め酒は4回(自宅では基本呑む習慣はない)贅沢なのは自覚してますよ。我流ストレッチとYouTube鍛錬は毎日休まず実施、市立体育館にゆる筋トレは隔日14回/月、一度もサボっていないけれど、体重はずっと+1kg増量傾向。昨年既に増えていたので状況はますます悪化して、掛かり付けの医師には高血圧を指摘されております。減量は必須の課題、ま、微妙な風邪症状はぎりぎり土俵際にこらえて悪化しておりません。Dr.Stretchお試し壱時間初体験して、いかに自分のストレッチが我流に効果の薄いものだったか自覚いたしました。腰を痛めた婆さん(95歳)介護に女房殿は付き添っている関係で、ほとんど孤独に気儘な俄独身生活は自堕落になりがち、菓子などばりばり喰ってしまって自業自得です。食事のバランスもよろしくない。これが体重増につながります。

 Netflixはいろいろ話題のドラマを見倒してたっぷり愉しんで、解約しました。なんせだらだらと見続けてしまうんで。キリがなくて、シリーズ一気見しようものなら深夜へ至る〜生活リズムは乱れる・・・これではいかん!世間ではフジテレビ問題の話題で持ちきり、爺友は「芸能界なんてそんなもんやろ。覚悟の上で入ったんやろ」とは云うけれど、10歳代中盤、世間のことを知らぬこどもにそれは酷でしょう。そしてそんな風土に育って、売れて、ちやほやされて、挙げ句世間常識良識から外れたことが刷り込まれて常態化する・・・内容はリアルには知らんけどね。いずれ昨日迄の売れっ子大スターが、明日には奈落の底〜テレビ業界は自分には縁のない虚業に感じます。ま、こちらも毎日無為無策な虚しい生活、夢は売れないけれど、世間様にできるだけ迷惑は掛けぬよう逼塞して生きてますよ。なんとか冷たい2月を凌いて、早く春がくることを願いましょう。

 2025年に入っても変わらず前月分拝聴音楽の振り返り。

蘭PHILIPS 6542793/799Dvora'k 交響曲第9番ホ短調「新世界より」(1969年)/序曲「オテロ」(1970年)/劇的序曲「フス教徒」(1971年)〜ヴィトルド・ロヴィツキ/ロンドン交響楽団・・・2016年拝聴。中低音充実してキンキラしない魅惑のPHILIPS音質良好。誰でも知っている心躍る旋律続く名曲は古典的二管編成+ティンパニ、トライアングル、シンバル入り。Witold Rowicki(1914ー1989波蘭)が西側に客演して全集録音したもの。第1楽章「Adagio-Allegro molt」第1楽章提示部繰り返し有。速めのテンポ、前のめりなアツい躍動、思いっきりヴィヴィッドなテンション高い演奏に久々、ラストのアッチェレランド決まって”心躍る”演奏也。(11:33)著名な第2楽章「Largo」はサラリと流れよく、しみじみ懐かしい風情に溢れました。ホルンは深みのある響き、以前木管の音色にやや不満を感じる・・・と書いたけれど、別に不満はない。但し、プレヴィン以降のスーパー・オーケストラではない感じ。(11:34)第3楽章「Scherzo. Molto vivace」は風雲急を告げる緊張感ただようスケルツォ。金管のパワフルな爆発に不満はありません。ノンビリとしたトリオや次楽章に、金管と打楽器の有機的な掛け合いの緊張感、魅力を初めて知りました。(757)終楽章「Allegro con fuoco」序奏のタメ表現がこれほど決まるのも久々、あとは第1主題の緊張感最高!弦はテンション高く維持して快速、ホルンの厚み先頭に金管はアツく鳴りきって文句なしの感動!のうちに全曲を締め括りました。(10:56)
序曲「オテロ」静謐荘厳な始まりはデリケート、やがて悲劇的な物語を予感させる陰影豊かにパワフルな作品。(14:26)劇的序曲「フス教徒」も深遠に抑制された始まり。快活な躍動に至って劇的。(15:01)

BIS CD 861Sibelius 交響曲第1番ホ短調(1996年)/交響曲第4番イ短調(1997年)〜オスモ・ヴァンスカ/ラハティ交響楽団・・・瑞典BISはSibeliusの交響曲を定期的に録音して、この前はNeeme Jarvi第7番/第2番このあとはOkko Kamu、そしてサントゥ=マティアス・ロウヴァリ(Santtu-Matias Rouvali)が一番新しいはず。ラハティとは芬蘭土にある12万ほどの都市なんだそう。Osmo Vanska(1953ー芬蘭土)は1985年より首席客演、1988年より音楽監督(-2010年?)この時期に有名となって三度来日して話題になっておりました。北欧の清涼なサウンドが堪能できるSibeliusは大好きですよ。
初期の作品である交響曲第1番ホ短調は1899年初演、二管編成だけど+ハープ、4種の打楽器がけっこうな迫力に鳴っている浪漫情緒漂う劇的名曲。Tchaikovskyの影響を受けているとのこと。
第1楽章「Andante, ma non troppo: Allegro energico」詠嘆に雄弁な始まりはけっこうな快速。録音のマジック?との声もあったラハティ交響楽団は意外なほどパワフルな勢いを感じさせて、アンサンブルも立派と聴きました。(9:51)
第2楽章「Andante (ma non troppo lento)」シミジミと懐かしい穏健な旋律が続くデリケートな緩徐楽章。Sibelius に独墺系分厚い響きは必要ないでしょう。旋律の歌わせ方も大仰な節回しを伴わぬもの。(8:58)
第3楽章「Scherzo: Allegro」さっぱりとした語り口に颯爽、ここもテンポは熱狂的に速めでした。この辺りの激しいリズム、ティンパニの呼応はBrucknerの影響とのこと(Wikiによる)。牧歌的なトリオもリズミカルに軽快。(4:30)
第4楽章「Finale (Quasi una Fantasia) - Andante - Allegro molto」幻想曲風にという指示、弦による詠嘆の始まりから木管が静かにそれを受けて、ここも熱気に充ちて速いテンポに疾走します。クライマックスに向けて詠嘆の節回しは劇的な爆発。金管も誠実に精一杯の演奏でしょう。(12:09)
交響曲第4番イ短調は前曲とは一転、鬱々と内省的な個性溢れる作品。これも二管編成+ティンパニ、最終楽章にグロッケン(Glocken)登場、チューブラーベルに替わることもあるけれど、ここではグロッケンシュピール(鉄筋)使用。
第1楽章「Tempo molto moderato, quasi adagio」暗鬱に蠢くようにゆっくりとした始まり、チェロによる暗い主題も印象的。暗い波がゆっくり上下するような風情にやがて悲痛な金管と弦が叫びます。掴みどころのないうねうねした難解な楽章。(11:40)
第2楽章「Allegro molto vivace」スケルツォ楽章だけど、さらさらと安寧の軽い息抜きのような風情を感じさせるところ。途中不安げな暗転もありました。(4:38)
第3楽章「Il tempo largo」沈思黙考する静かな、そして相変わらず暗い楽章。テンポは遅く、細部描きこみは入念にいっそう内省的な緩徐楽章。ここがこの交響曲のクライマックスなのでしょう。かなり難解な風情にラストには悲痛な金管の叫びがありました。(14:04)
第4楽章「Allegro」ちょっぴり明るい軽妙な始まり、チェロのソロに金管が呼応して、グロッケンも登場。明るいような寂しいような微妙な疾走が続きます。金管の動きがリアルに聴こえる優秀録音。(9:41)

DG 4790342Berio シンフォニア(8人の声と管弦楽のための/1968)/エクフラシス(管弦楽のためのコンティヌオU/1996)〜ペーター・エトヴェシュ/エーテボリ交響楽団/ロンドン・ヴォイシズ/アン・デ・レナイス(s)/ウェンディ・ニーパー(s)/ジュディス・リース(ms)/キャロル・カニング(ms)/フィリップ・シェフィールド(t)/マイケル・ロビンソン(t)/マーク・ウィリアムズ(br語り)/パトリック・アーダー・ウォルター(b)/合唱指揮 テリー・エドワーズ/ペール・エノクソン(v)(2004年)・・・Peter Eo"tvo"s(1944-2024洪牙利)は昨年亡くなった現代音楽のスペシャリストでした。音質極上。オーケストラも好調です。
Sinfoniaは1968/69年の作品。8人の声楽、三管編成、三人の打楽器奏者が21種の楽器を操り、ハープ、ピアノに電子ピアノ電子オルガン迄必要な編成。第3楽章「In ruhig fliessender Bewegung(穏やかに流れる動きで)」はMahlerの交響曲第2番ニ短調第3楽章の見事なコラージュ、R.Strauss「薔薇の騎士」も登場します。自在にフクザツな声楽はスウィングル・シンガーズの演奏でお馴染み、いったい楽譜はどうなっとんのか!いつも不思議に思っていたけれど、London Voicesでも変わらず(当たり前)好き勝手に歌い語っているように見えて、ちゃんと指示があるのですね。但し、ノリノリのスウィング感にはちょっぴり足りない。他の楽章もデリケートかつ衝撃的にキレッキレのサウンド、自在に会話するような声楽が続いて破壊的な喧騒雑音とは無縁。
第1楽章「生のものと火を通したもの」(仏蘭西語/6:01)第2楽章「キング牧師」(4:44)そして第3楽章「In ruhig fliessender Bewegung」(11:31)第4楽章「(第1楽章抜粋)」(3:16)第5楽章「(第1-4楽章再編制)」(6:52)
「Ekphrasis」とは「絵画や彫刻といった視覚芸術を文章で描写する行為」という意味なんだそう。65人のオーケストラのためのサウンドスケープ?〜との情報もなんの説明になっておりません。緊張感の高い、神秘的な混沌の波が幾度も繰り返されるような研ぎ澄まされた、冷たく美しい音楽。(18:23)

PHILIPS PHCP3505Bach 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番ト短調BWV1001/第2番イ短調BWV1003/第3番ハ長調BWV1005〜フェリックス・アーヨ(v)(1974-75年)・・・「イ・ムジチの四季」に有名な名手Felix Ayo(1933ー2023西班牙)のBach。伊太利亜の眩しい陽光を感じさせるカリッとした歯切れのよろしい音色は、アナログ録音は最盛期に残響豊か、明快な音質に記録されております。とても明るく中低音充実して、背筋が伸びて美しい細部迄明快なBach、決然と曖昧さない音色、ボウイングに作品旋律がとてもわかりやすい。ヴァイオリン一挺から巨大な宇宙空間を作り出す奇跡的名曲、幾度聴いても頭が下げて聴き入るばかり。
第1番ト短調BWV1001「Adagio」はたっぷり哀愁の詠嘆は凛として(4:37)「Fugue」はもの哀しい旋律が粛々、リズミカルに追いかけます(5:51)「Siciliana」はゆったりと落ち着いて表情豊かにデリケートな詠唱(4:04)「Presto」は決然としたフィナーレ、目まぐるしい音型が変幻自在な劇性を感じさせるところ。テクニックのキレに些かの曖昧さもありません。(2:55)
第2番イ短調BWV1003「Grave」は控えめに抑制した哀歌(4:24)「Fuga」決然と雄弁、劇的旋律が繰り返し追いかけて、ここは長い楽章。締め括りがコッコ良いですよ(8:20)「Andante」低音部がリズムを刻んで、気分が落ち着いた歌が静謐(5:56)「Allegro」風雲急を告げる劇的旋律は表情が多彩、この辺りBachはメロディーメーカーの面目躍如、どうしてヴァイオリン一挺からこんなドラマが生まれるのか。スムースな技巧の冴えが聴かれます。(7:30)
第3番ハ長調BWV1005「Adagio」深呼吸するような落ち着いた始まり。延々と静かな歌が続きます。(5:29)「Fugue」ここは有名な旋律。重音を上手く扱って、アクセント明確に決然とした旋律が姿を変えつつ次々と追いかけました。ここも長いですね。(11:50)「Largo」落ち着いて清明な精神を感じさせるところ。(4:01)「Allegro assai」破顔一笑、明るく躍動するフィナーレ。(3:59)

SONY 82876787472ussorgsky/Rimsky-Korsakov 編 歌劇「ボリス・ゴドゥノフ」第1幕第2場「戴冠式の場」/第2幕「最高の権力を手にして」/終結部「時計の場」/第4幕「ボリスの死」(ジョージ・ロンドン(b:ボリス)/ハワード・フリード(t:シェイスキー)/ミルドレッド・アレン(ms:フョードル)/スタンリー・コルク(t:フルショーフ)/トーマス・シッパーズ/コロムビア交響楽団/合唱団(1961年ニューヨーク録音)/Mussorgsky/Ravel 編 組曲「展覧会の絵」(ユージン・オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団/1966年)・・・2015年来の再聴。George London(1920-1985亜米利加)この人は残念、47歳で発声障害を発症してキャリアを断念したんだそう。ショルティのリングに於けるヴォータンとか忘れられないなぁ。ここでのボリスも当たり役、圧巻の重量級神々しい存在感にThomas Schippers(1930ー1977亜米利加)のオーケストラ(東海岸録音用)も合唱も抜群に上手い。抜粋は残念だけど、エキゾチックな旋律サウンド、リアルなオペラの臨場感を堪能できて、音質も極上。
Prologue, Scene 2- Prince Shuiski- Long live Tsar(1:53)Even as glory to the radiant sun(2:49)My soul is torn with anguish(3:17)Glory(1:28)Boris' Monologue from Act II- I have attained(6:01)Dialogue and Hallucination Scene from Act II- What(1:02)Mighty lord(5:53)It is not death that is hard to bear(1:45)God, how stifling it's become(3:45)Bori's Farewell to his Son and Death of Boris from(6:34)Listen_ It's ringing- The funeral bell is ringing(4:11)
Eugen Ormandy(1899-1985洪牙利→亜米利加)「展覧会の絵」はこれが3度目?1973年録音もあるけれど、音質やテンション含めてこれが最高の完成度でしょう。淡々とした中庸のイン・テンポを基調に語り口の上手さ、フィラデルフィア管弦楽団は圧倒的に華やか、輝かしい響きに充たされて、力みのない緊張感継続。パワフルだけど余裕と自信を感じさせてアンサンブルも音質も極上でした。たっぷり瑞々しい弦、管楽器の微細なニュアンス連続に名人の集まりを実感、打楽器はデフォルメしたように突出せず、トランペットはGilbert Johnson(1927-2002亜米利加)ですか?艶のある音色はフィラデルフィアの象徴のような感じ。ラスト「キーウの大門」の打楽器はズレていない楽譜採用。
Promenade(1:33)Gnomus(2:37)Promenade(0:55)Il vecchio castello(4:32)Promenade(0:31)Tuileries(1:01)Bydlo(2:16)Promenade(0:42)Ballet des petits poussins dans leurs coques(1:14)Samuel Goldenburg and Schmuyle(2:21)Limoges- le marche(1:26)Catacombae(1:41)Cum mortuis in lingua morta(1:43)Hoy of Baba Yaga(3:44)La grande porte de Kiev(4:52)

SFS 82193600032Mahler 交響曲第3番ニ短調(2002年)/亡き子を偲ぶ歌(2001年)〜マイケル・ティルソン・トーマス/サンフランシスコ交響楽団/合唱団女性メンバー/パシフィック少年合唱団/サンフランシスコ少女合唱団/ミシェル・デ・ヤング(ms)・・・Michael Tilson Thomas(1944-亜米利加)は闘病中。自分にとっては永遠の若手指揮者なイメージも80歳を超えました。このオーケストラは歴代佳きシェフを揃えて、MTTは四半世紀に及んでサンフランシスコ交響楽団の音楽監督を務めておりました。(在任1995-2020年)このMahler全集録音は大きな成果でしょう。デイヴィス・ホールの音響も優秀。これはロンドン交響楽団1987年以来の再録音。ウキウキするような旋律連続、自分にとって一番お気に入り作品も、そのギネス級長さ故に拝聴機会はあまり多くありません。ちょっと聴き始めるのに根性が必要だけど、音が鳴り始めればステキな旋律リズム連続、一気呵成に快い時間が過ごせる名曲。四管編成にティンパニ3台*2人+打楽器は他10種ほど、鐘は4乃至6必要+ハープ2台=長いし大きいし・・・演奏もタイヘンですよ。軽快に明るいキレのある金管が魅力的。

第1楽章「力強く、決然と (Kraftig. Entschieden.)」30分を超える長丁場も、わかりやすい旋律と沸き立つような感興の連続に飽きさせぬワクワク連続!冒頭ホルン8本によるわかりやすい、ぶちかまし旋律はBrahms 交響曲第1番ハ短調終楽章や「大学祝典序曲」にインスパイアされたものらしい。誰が云ったか?「メーデーの行進」とは言い得て妙、賑やかに大人数の行進は祝祭的風情に充ちて愉しげ、テンポもあまり動かさずクールに過不足のない力感に、洗練された響きが続きました。オーケストラのパワーも余裕。(36:16)
第2楽章「きわめて穏やかに (Tempo di Menuetto. Sehr masig. Ja nicht eilen!)」落ち着いて穏やかな楽章。多彩優雅な旋律とオーケストレーションは入念に描き込んでデリケート。テンポは揺れ動いてもそれは自己陶酔に非ず、クールな佇まいを崩さない。(10:10)
第3楽章「急がずに (Comodo. Scherzando. Ohne Hast.)」ここはハ短調にちょっと不安な始まり。スケルツォらしいユーモラスな木管のリズムと不安な気持ちが交互に出現します。一貫して音量は控えめにそっとしたした足取り、そして爽やかに決然とした金管の爆発もやってくる・・・中間部は牧歌的なポストホルンの遠い響きも魅惑(ここ大好き)。ホルンの静かな合奏も文句なし。(19:02)
第4楽章「きわめてゆるやかに、神秘的に 一貫してppp(ピアニッシシモ)(Sehr langsam. Misterioso. Durchaus ppp.)」神秘的なホルンや牧歌的に静謐なオーボエに乗って、女声ソロが深い思索のように歌います。この楽章も魅惑のデリカシー。細部迄クリアな響き、こんなところにオーケストラの技量ははっきり出ると感じます。(10:26)
第5楽章「快活なテンポで、大胆な表出で (Lustig im Tempo und keck im Ausdruck.)」ここは天使の歌声、全曲の白眉と思います。ちょっとしっとり過ぎて、少年合唱の無垢さはちょっぴり足りぬ神妙さ。(4:25)
第6楽章「ゆるやかに、安らぎに満ちて、感情を込めて (Langsam. Ruhevoll. Empfunden.)」ここは人生を振り返って、万感胸に迫る長大なる変奏曲。自分の葬式に流して欲しい音楽候補No.1。極端に抑制した弱音を駆使してていねいに、慈しむように描き込んで基本姿勢はクール。一貫して熱狂的な入れ込みや情念の高ぶりは感じられぬ表現が続きました。金管のパワーと深み、弦の清涼な響き、サンフランシスコ交響楽団は一流の技量を証明しております。(26:32)
「亡き子を偲ぶ歌」はMichelle De Young(1968-亜米利加)はメトロポリタンを皮切りに全世界の一流オペラで活躍した人とのこと。現在はコロラド州ボルダー交響楽団の指揮者としてデビューしているらしい。歌曲には言葉の壁があるけれどMahlerは別格。こどもを失った哀しみ嘆きが静かに伝わるしっとりとした深みのある声。「いま晴れやかに陽が昇る」(6:14)「なぜそんなに暗い眼差しだったのか、今にしてよくわかる」(5:02)「きみのお母さんが戸口から入ってくるとき」(4:54)「いつも思う。子供たちはちょっと出かけただけなのだと」(3:19)「こんな嵐のときに」(7:17)

(2025月2月1日)

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written by wabisuke hayashi