音楽日誌
ひょっこりひょうたん島とその他仲間たち
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2004年6月某日


通常出勤、通常お仕事をするが、どうも体調よろしくない。地元取引先へ商談へ行って、やっぱりこりゃ痛くていけん・・・食欲まったくないどころか、戻してしまう有様。(電話して無理矢理頼んで)病院へ。腹部レントゲンに「石」写らず、CTでも探せない。腎臓の機能も正常・・・しかし、胆嚢が〜胆石ですな。炎症起こしているとのこと。切りましょう、と。じゃ、即やってくれ!

当面の出張すべて(ホテルも)キャンセル、商談キャンセル、最低限実務こなしてお客様にメールで挨拶して一週間消えます。病院はインターネットは使えないからね。ちょうどいいや。鋼鉄の胃袋(>ワタシ)なのに、ほどよく食欲もないし、ダイエットだな。おとなしくしてましょう。

2004年6月某日


やはり台風は相当の被害だったらしい・・・瀬戸大橋でも4トン車トラック横転。死者も怪我人も出てエラいことだけど、これで水不足はないでしょう。良い天気です。夜中から今朝に掛けて断続的に腹部方面に少々痛み(尿路結石原因と思う)があり、本日はヤク持参して出勤しないと。

昨夜、Mozart 「音楽の冗談」〜カンテッリ/フィルハーモニア管(1955年)を。次の交響曲第29番ともども、オーケストラがとても美しい。もともと美しいオーケストラではあるが、どちらかというとクセが少なくて指揮者の個性に従うような印象のある団体のハズだったが、カンテッリの手腕なのか?交響曲の方は、速めのテンポ、明快でスッキリ勢いのあるもの。若々しい。今朝、(けっこうな量のCDを所有しつつ、少々苦戦気味の)アーベントロートを。

彼の音源としては一番最初に買ったR.Strauss「ドン・ファン」(1952年)「死と変容」(1949年)「ティル」(1950年)〜オーケストラはライプツィヒ放響(TAHRA)を。強面で、重量感のアクセント明快で、音質も比較的良好でこれは楽しめます。少々強引なる勢いも健在・・・(と、ここまで書いてエディター落ち。但し、最近「Ctrl+S」キーにてマメに上書き保存しているので被害なし)ワタシのサイト最初期原稿として掲載されているが、見るに耐えないので書き換え必要だけれど、R.Straussはまだまだお勉強中です。

あちこち文句ばかり付けているショルティ/シカゴ響だけれど、「ツァラ」(1974年)を確認。ああ、録音が素晴らしい。英DECCAの音質は、PHILIPSやらDGの自然体とはかなり方向性が違って少々人工的っぽいが、これはこれとして完成度が高くて、昨日聴いたライナー盤(1954年)より(録音も演奏も)「自然」に聞こえますね。ワタシがR.Strauss云々するには少々ココロ苦しいが、以前「大地の歌」での比較と同印象でして、旋律の歌わせ方の息の長さ、とか、オーケストラの怒濤のラッシュぶりとか、いかにも「どうだい?このオーケストラの腕の冴え!」みたいな感激は先輩に一日の長があるような・・・

2004年6月某日


台風上陸。この季節に雨は必要だけれど、商売上では本日の雨は痛い。昨日で6月は締めでして、まだ確定数値は見ていないがかなり落としていると途中予測してました。昨夜、「プライド」で小川直也の完全勝利に満足しつつ床についたけれど、ちょうどヤクが切れたのかまた腹部方面に激痛が・・・30分ほどガマンしているウチに治まって助かりました・・・また(苦しい)一週間の始まり。体調が心配です。今朝は雨で風も強いし、通勤荷物持参なしだな。

今朝、Dvora'k 交響曲第8番ト長調〜インバル/フィルハーモニア管(1991年)を。前半のみ。この作品は大好きだけれど、セル新旧盤のイメージが脳裏にこびりついているせいか、少々薄味に感じます。この人はもっと重いオーケストラとか、濃厚なる作品が似合っているかも知れません。引き続きR.Strauss「アルプス交響曲」〜カラヤン/ベルリン・フィル(1982年ザルツブルク・ライヴ)を。モノラルの怪しげ音源(ANFのLIVE CLASSICS)でして、いつまで経っても自分なりの聴取スタンスが定まらないR.STARUSS 大管弦楽作品のお勉強+あまりヨロシからぬ音質CDとトランジスタ・アンプの相性確認です。

ここしばらく使っていた小さなエレキット真空管アンプと、いわゆる「歴史的録音」の相性はあまりよろしくなかったかな?「良質でない音源を正直に表現した」のか「隠されている真の音源を引き出し切れていないのか?」〜ワタシにはわからない世界であります。カラヤンの「アルプス交響曲」は意外と楽しめました。優秀なオーケストラ、勇壮な語り口・・・まだまだお勉強です。

2004年6月21日拙宅マンションより台風一過。CASIO LV-10 31万画素で撮影

今朝、バスは20分ほど遅れて到着、ズボンびしょびしょ〜意外とあっけなく台風は行きすぎて、昼からは晴れ間も。各地の被害はどうだったんでしょうか。仕事先ではなんとか発作も起きず、無事遣り過ごしました。R.STARUSS 大管弦楽作品お勉強引き続きで、「ツァラ」〜ライナー/シカゴ響(1954年) を。う〜む、と声も出ない。この年代には信じられない音質、集中しきったアンサンブル、高いオーケストラのテンション。50年前でっせ。20年後のショルティ盤よりずっと気持ちよく、素直に入り込めちゃう・・・

DG1950年代前半の珍しいフランス音楽録音〜「ローマの謝肉祭」「ファウストのごう罰」より二曲(フリッチャイ/ベルリン・フィル)、「カルメン」第1組曲/「アルルの女」第1/2組曲(ライトナー/バンベルク交響楽団)、「魔法使いの弟子」(フリッチャイ/ラムルー管)、そしてHonegger ピアノ協奏曲はマルグリット・ウェーバー/フリッチャイ/RIAS交響楽団・・・という一枚を。ほとんど好事家の世界ですな。どうしてもコレでなくちゃ!という演奏ではないか。

2004年6月某日


昨夜、夜ノンビリ音楽を聴いていたら胃が痛い。「鋼鉄の胃袋」を誇るワタシとしては珍しい症状でして、胃薬を飲みました。しかし、快復しない。それどころか、痛みは背中に移動し、その勢いを増し・・・これは?〜と気付いたのが11時半頃。数年ぶり(2000年以来?)尿路結石の再発(2002年にもちょろりと症状有)に間違いない。これは「三大激痛病」のひとつなんです。女房にクルマで前回行った大きな病院(カルテが残っている)に送ってもらうが、そのころにはかなり治まっていて、座薬をいただく程度でOK。

血尿もほとんど出ていないそうで、レントゲンでも見つけられないくらい石は小さいらしい。ワタシのは尿酸性の結石なんで写りにくい、ということも有。ところが帰宅してまた痛み復活(石がどんどん移動しているんだろうね)〜しかし、ヤクが効いてそのまま眠りへ・・・今朝はどんよりしているが、ほぼ痛みはありません。このまま治まってくだされば・・・台風近づいているが、今朝は何故か快晴!お布団干しました。

昨夜(激痛直前に)聴いたのがBrahms ヴィオラ・ソナタ集でして、エマニュエル・ヴァーディ(va)の演奏。これは遣る瀬ない旋律の宝庫だけれど、ヴィオラ自体が地味な楽器だし、ヴァルディの演奏もそれに輪を掛けてます。クラリネット版のほうが、いっそう楽しめるかもね。(サイトに加筆しました。そのうち更新予定)

今朝、Marc-Aantoine Charpentier (マルカントワーヌ・シャルパンティエ) オラトリオ「聖女チェチーリアの殉教」「放蕩息子」「マニフィカト」〜クリスティー/レ・ザール・フロリサン(1979年録音 HM HMC 90066)を久々に確認。「花咲ける芸術」とはなんと美しい団体名か。ワタシはこの「マニフィカト」H.73がお気に入りでして、ほんのり哀しげな歌の旋律やらリュートやガンバのシンプルな繰り返しを聴いていると、深い夜の安らぎを感じます。じつはニケの4枚組(NAXOS)を購入してあるので、その再予習でもあります。

数日間探索していた、「真夏の夜の夢」(クーベリック)発見しました。なんと「スコットランド」〜クレンペラー/バイエイルン放響(1969年ライヴ)に抱き合わせ収納。Mendelssohn+バイエルン放響という括りでいっしょくたにしたんだろうね。犯人は自分なのに、記憶壊滅状態。録音も自然体で理想的だけれど、演奏がしっとりと抑制され、気品と深みに充ちたもので、例の如く虚飾とか、強面的表現が存在しません。この味わい深さ〜ヘルビッヒ盤以来の感動でしたね。

ああ、幸せを絵に描いたような「結婚行進曲」だ。尊敬するジョージ・セルだけれど、この作品だけはいけんかったなぁ。

午前中、電器屋数軒再び廻り、DVD-R関係購入断念。まだ、どんよりとあちこち痛く、大人しく自宅でオーディオ組み替え。音の雰囲気ずいぶんと変わりました。無駄な出費なし。健全です。ご近所BOOK・OFFには、ワタシの処分品(の更に売れ残りカス)在庫しかないし。

Bruckner 交響曲第4番〜ベーム/ウィーン・フィル(1973年)を、これはオーディオ的な効果確認のため。このウィンナ・ホルンはベルガーでしょ?びりびりするくらい痺れました。正直、苦手系の作品ながら、この奥行きと深さ、ベームのほとんど木訥で、真っ正直な解釈もこの場合まったく好ましい。最後まで、ひたすら絶好調時のウィーン・フィル・サウンドを堪能しました。音質確認の意味で、ヴォルフ・ハーデンのBach パルティータ集(1985年)を。

時に厳しい音質評価をされるNAXOSだけれど、これに限っては絶品です。ほっこりと柔らかく、暖かいピアノ(おそらくベーゼンドルファー)が自然体で収録されます。虚飾のない、ゆったりとした解釈はもちろん魅力的。引き続き、Brahms ヴァイオリン協奏曲〜ガライ/ケーゲル/ライプツィヒ放響(1961年モノラル)を。聴きやすい音質だと思います。やや神経質で、細身のソロ+集中力あるバック・・・「ハイドン変奏曲」「運命の歌」は居眠りしてました。(すまん)

CORETTO「NOEL ALLEMANDE」(クリスマスのいったいなんでしょう?訳不明)ポーラー(fl)/ケール/マインツ室内管〜フルートの暖かい旋律が出色です。Haydn リュート四重奏曲〜これって Hob.3:6の「リュート,ヴァイオリン,チェロのためのカッサシオン ハ長調」のことでしょうか。リュートはSCHA"FFERという人。ノンビリとした牧歌的な作品です。VOX音源を使用したTIMの三枚組「Romanze」というCDに収録されたもの。

BBS書き込み絡みで「ハーリ・ヤーノシュ」〜セル/クリーヴランド管(1969年)の優秀録音を確認し・・・というか、演奏の濃密さが何とも言えない。おクニものですもんね。更に、Mahler 交響曲第4番〜ケーゲル/ライプツィヒ放響(1976年)を。録音は奥行きがあって、かなりオフ。そのせいかオーケストラは繊細でていねいだけれど、線が細くあまり鳴らない感じがあります。いつになく神妙なるケーゲルだけれど、やはりこれはメルヘンではない。神経質な、しかし静謐な演奏ではあります。

カサピエトラってケーゲル夫人でしたっけ?クーベリック盤といい、こういう共働き共演パターンって多いですか?やさしく、暖かい声はかなりワタシの理想に近いものでした。

**

さて、ゆっくりテレビでも見るべか・・・と、思ったら発作発生。昨夜は右上方背中激痛だったが、こんどはお腹でした。しばらく耐えていたけれど、どーしょーもなくてヤク使用・・・あっと言う間に痛みは消えました。これでプライドをゆっくり楽しめます。

2004年6月某日


混沌昨夜、いくつかのCDを部屋中探索し、目標のほとんどを発見し、とうとう「真夏の夜の夢」(クーベリック)がみつけられない・・・という惨状の一部画像です。(CASIO LV-10にて撮影)整理整頓が悪い!う〜む、否定できないが、じつは一連の駅売海賊盤を、ビニール・スリーヴから救出したときに、プラ・ケースの不足から「関連性のある正規盤」に(それなりに考えて)一緒に入れ込んだんです、かなりの量。この「関連性」というのが問題でして、あっという間に忘れちゃうからとうとう発見できない。情けない。

ワルター/コロンビア響の「英雄」は、第九正規盤から出現。バーンスタイン/ニューヨーク・フィルの「田園」は、正規盤「運命」「未完成」より出現・・・これは、まぁ、なるほど、と納得。シェルヘン/ウィーン響によるMahler 交響曲第9番は、バルビローリ/ベルリン・フィルのところに抱き合わせてありました。クーベリックの「スラヴ舞曲」は、「新世界」正規盤とともに〜これは常套です。Bruckner 交響曲第8番(1963年)〜クーベリック/バイエルン放響は、第九(1975年)とともに。これは発見に少々苦戦しつつ、「真夏の夜の夢」がみつからない。

今朝、朝比奈/シカゴ響でBruckner 交響曲第5番(1996年ライヴ)MDにて。荒々しく、チカラ強い豪放演奏。ワタシのはテレビ→VHS(安物モノラル・デッキ)→MDなので、理想的な音質とは言い難いし、オンマイク気味(奥行きがない)だけれど、雰囲気はよ〜くわかりましたよ。

・・・右下奥歯ブリッジ入れてきました。まだ、仮入れで数日間馴染んでみて来週正式接着とのこと。8,130円也。ま、ボーナスも出たことだし。先日、フルネの「英雄」(オーケストラ不明。日本の団体と思う)MDいただいて、ちゃんと聴いていない(というか、集中できなかった)のは心苦しいが、やや苦手系作品です。先週、ワルター/シンフォニー・オブ・ジ・エア(1957年ライヴ)を入手〜LP以来久々聴いたけれど、その激しい緊張感に驚愕。大物評論家U氏絶賛、音質含め賛否両論なんですね、知らんかった。ワタシはずいぶんと楽しめましたが。

 で、コロンビア響との録音は海賊盤の表記で「1963年録音」だと信じてきたが、実は1958年1月20/23/25日録音だそうで、シンフォニー・オブ・ジ・エア盤と時期的にそう変わらない。かなり以前にいい加減なコメント(いかにも作品演奏に情愛が薄い)したが、数年ぶりの感想は録音が優秀なこと、穏健派、豊満で暖かくスケールが大きい、語り口が上手い、ということです。なぜ1957年ライヴが賛否両論になるか、これで理解できますよね。いわゆる「慈愛に充ちたワルター」とは違いますもの。

ようやく探し当てたBruckner 交響曲第8番(1963年)〜クーベリック/バイエルン放響を。以前ORFEOから出ていたライヴの海賊盤(モノラル録音)です。前任者のヨッフムが1961年迄で、かれは引き続きDGにBrucknerを録音していたから、クーベリックのほうは「Mahler の録音分担」だったんでしょうか。(1979年第4番のCBS録音が唯一存在)これは音質的にはそう悪いものではないし、やや速めのテンポ、虚飾ないストレート系の演奏は、イメージ通り。但し、ライヴならではややざわついた、落ち着かない、アツめの味わいが付加されました。

野暮用で数時間外出。夕方早々に帰宅して、ご近所電器屋数軒回ってDVD-R/HDレコーダーの相場を見ておく。ずいぶん売れているみたいだね。ほとんどVHSビデオ在庫はないし、ふだんあまり画像も見ないけど、息子の保育所の映像とかいくつか保存しておきたいし、NHKの素晴らしい番組数点も残しておきたいな、と。まだどうするか最終的に決めておりませんが。

外出はバスを使ったので、Berlioz 劇的交響曲「ロメオとジュリエット」(抜粋)〜ミトロプーロス/ニューヨーク・フィル(1952年)から。正直、モントゥー/ロンドン響(1962年〜これは残響ほぼ皆無の録音故か)でも、インバル/フランクフルト放響(1988年)でも集中できなかった作品なんです。それが!なんという集中力、切れ味、骨太で暖かいオーケストラの音色、すっかり目覚めちゃいました。音質も(モノラルながら)優秀。引き続く「海」(1950年)「サロメ・7つのヴェールの踊り」(1956年)も同様の熱気とテンションがあって圧倒されました。(Great Conductors of 20th Century二枚組シリーズ)

帰宅し、テレビを見つつうたた寝〜夕食〜テレビ・・・(ノーミソ空状態が気持ちヨロシ)定評高(かった、と言うべきか)い、リリー・クラウス(1904-86年)/スティーヴン・サイモン/ウィーン音楽祭管(このオーケストラの実体は?)によるMozart ピアノ協奏曲第20/21番(1965年)を。これはCBS録音(たしか全集になっているはずだけれど、ペライア盤に取って代わられた)だけれど、ワタシはコンサート・ホール録音の第9/26番が気に入っておりました。

録音がややボンヤリとしていること、バックが伴奏の域を出ない水準であること〜それはともかく、淡々とした、イン・テンポで虚飾ない、というか、ほとんど素っ気ない演奏風でもあります。細部がやや粗い気もします。あちこちのカデンツァはとても華やかな旋律に彩られた、かつて聴いたことのないもの。それでもワタシはMozart を聴けば必ず幸せになれる。これはこれで@250の至福であります。

2004年6月某日


6行ほど書き出したらエディターが落ちて、執筆意欲喪失。きょう乗り切っていちおう一週間のお仕事終了・・・って明日も野暮用あるけど。ミトロプーロス/ケルン放響のMahler 交響曲第6番(1959年)の集中力、切迫感に驚き。サイト更新。在庫原稿尽きてきました。

ああ、一週間終わった。どう考えても来週はかなりいろいろ締め切りやらなんやら種々雑多なお仕事目白押しだし、諸行事も内部体制変更もはじまるし・・・で、悩んでも仕方がない。そういえば!7月中旬に仙台まで行くので、この際「第1次夏休み」で北海道帰省に決めました。電話してみたら親父が出てきて、ボケて弱っているか?と心配していたけれど全然元気いっぱい、声にもハリがある。しばらく大丈夫みたい。

今朝はなにも荷物を持ちたくなくて、手帳とサイフのみ・・・だから通勤で音楽聴いてません。クルマで地元お取引先と打ち合わせ〜事務所への帰り、リサイクル・ショップをちょっと覗いてみたら・・・CASIO LV-10が税込1,000円で売ってました。コレ、以前たしか壱万円くらいで購入所有していたもの(オークションで2,000円くらいで売却。画質が悪くて)だけれど、日常使いのカメラ(いつでも鞄に入れておいて・・・的)が欲しくって。以前持っていた小さいカメラは息子が持って行ってしまったしね。衝動買い。

ところが、このカメラのPC接続で「XP」は認識しないのね。ネットで検索しても、既にメーカーはドライバを提供していないみたい・・・メール出しておきました。ま、ノートパソコンが「Me」だからなんとかなるけど。(あまり評判はよろしくない)帰宅後、Bruckner 交響曲第3番ニ短調〜シューリヒト/ウィーン・フィル(1966年)を。オーケストラが美しいし、気品ある演奏と感じました。但し、テンションはやや低いかな?おとなしい。枯れている感じはあります。録音も例の如しのコシのない、いまひとつの水準か。

終楽章には少々胸はアツくなりました。先日、驚愕の説得力だったセルのBruckner 交響曲第8番〜「セルのブルックナー、その主張が煩わしいのです。贅沢だけど」とのBBS書き込み有。なるほど。たしかに自分の色に染め上げてしまわないと気が済まない、巨匠世代か。

2004年6月某日


梅雨の中休み続き、爽やかです。本日、明日はいつもよりは切迫していなくて、身辺整理(もう机の上魑魅魍魎混沌阿鼻叫喚状態)+ちょっと先のことをしっかり考えて・・・事務所移転も近いので。上司、チームメンバーとも少々相談だな。

3日ほど前に購入したCDをいくつか・・・自分の経済的に許す範囲だし、昨年末よりかなり在庫売却も進んでいて、トータルでは(枚数的には)変わっていないんじゃないか?と自分を慰めております。そういえば「コリアン世界の旅」(野村進 講談社+α文庫)心身共にずっしり読み応えありました。ワタシ個人は差別意識はない(つもり)だし、前世代のひどい仕打ちにたいする真摯なる反省もある(つもりだ)が、コトの複雑さ、屈曲した二重三重の矛盾には声を失うばかりに、再考を余儀なくされました。「冬のソナタ」大人気万歳!

自分の好みの作品であるなしを別として、我が国が誇るべきオーケストラ・アンサンブル金沢/岩城の「運命」「第7番」(2002年)は、一度は聴いておくべきでしょう・・・と購入。出たばかりのCDだから、先日の「マタイ」(メンゲルベルクのNAXOS復刻)と一緒で「購入→一度拝聴→即売却」という方が存在する!ということですね。「音録り」の思想なのか、石川県立音楽堂の音質問題なのか、オーケストラの各パートの質感がうまく捉えられていないと思います。(悪い音ではない)「運命」には「間」が足りない。第7番のほうは威圧感なく、美しい演奏(少々弱い?)と感じました。もう少し聴き込んでみましょう。

Beethoven「英雄」〜ワルター/シンフォニー・オブ・ジ・エア(1957年ライヴ)。コレLP時代に所有していた音源でして、トスカニーニ追悼演奏会でしたかね。気力充実した、かなり激しい演奏でして、録音水準を凌駕して、その推進力に圧倒されます。同年にニューヨーク・フィルとの「復活」録音が開始され(その後心臓病で中断)、ワタシは「病気でテンション低いのか」なんて勝手なことを思っていたけれど、間違いみたいですね。コロムビア響とのステレオ録音を再確認しないと。

さて、大問題はBruckner 交響曲第8番〜セル/クリーヴランド管(1969年・・・嗚呼、最晩年だね)〜いや、これは欲しかったCDなんです。いつぞやワタシのサイトBBSで「ヨッフムとかセルとか旧世代の人々はBrucknerの音楽の中に強引にまでメロディーを追い求めているように」旨の発言が、ありましたね。ヨッフムでは「なるほど」と納得したが、セルは少々違うんじゃないの?(趣旨は同じかな?)

結論的にワタシは先日体験したハイティンク/シュターツカペレ・ドレスデンとは、全く別世界の感動(正反対?)を受け取りました。主張が明快、音楽の隅々にまで「こうしたい」という指揮者の意志が透徹していて、曖昧さ皆無。ワタシは(少なくともこの時期の)クリーヴランド管の「音色」は好きではない〜そのものだけで美しいとは思えない。(録音問題か?)それなのに!このわかりやすさ、驚くべき説得力はなんでしょう?

スケルツォの遅いテンポ、かつてないタメのあるリズム感の個性。集中力と緊張感連続の高い水準のアンサンブル。「強引にまでメロディーを追い求めて」というのは一理あるが、「メロディ=自分の色」と言うことでしょうか。正直、主張と個性に充ちた82分に圧倒されっ放しでゾクゾクしました。これはいままで思い続けてきた「無為の為」などとは別世界の強烈なる主張。

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お仕事上の急な来客有〜酒席9時頃まで。なんかぼんやりした一日でした。もう風呂入って寝ます。明日、朝定例更新だったな。どうしよう。

2004年6月某日


東京二泊。帰って参りました。ほんま岡山-東京は遠いんです。お仕事上では数年ぶりの絶不調で(他の人はもっと悪いから目立たないが、そんな問題ではない)今回の会議でかなり考えを抜本的に変革するキッカケとなったし、閑話休題、移動中の音楽でもたくさん目覚めました。一昨日夕方、新幹線に乗る直前、岡山駅前Groovin'をちょろりと覗いたのが運の尽き。先週の今週なのに、またまた数枚購入・・・

ちょっと中途半端な時間に東京着。今回のホテルは巣鴨でした。もちろん初訪問。ワタシ、東京はほとんど馴染みがないが、この間数ヶ所訪問したところではけっこう「都会」ではなくて、かなり場末のウツクしくない、高度成長のなれの果て・・・的情景があちこち沢山〜「すがもラーメン」おいしくいただきました。背脂系のトンコツ醤油かな?けっこう濃い味。やや太縮れ麺。ネットで検索すると移転してきれいな店になって味が少々落ちた・・・とのこと。それにしても、巣鴨のフーゾク街ですか?あれはそうとうに怪しいですね。ワタシは当然行かないが。

(以下、自宅より持参CD)平均律第1巻〜コルゼンパ(1982年)がチェンバロ/クラヴィコード/オルガン(ポジティヴ・オルガンだと思う)で演奏したもの。そういえば、一時ずいぶんと話題になったけど第2巻は録音しなかったはず。クラヴィコードのたどたどしくも素朴な響きに対して、チェンバロ使用時にはとても流麗な演奏に変わります。ワタシはオルガンの暖かい音色が好きだなぁ。大勝 秀也/シュトゥットガルト室内管による、Schubert 序曲ハ短調/ドイツ舞曲集/Mozart 「アイネ・ク」「セレナータ・ノットゥルナ」(1994年)を。

う〜ん、さっぱりとして端正でちゃんとした演奏だけど、もう少し豊満さを望みたいところか。頑張れ!日本の若手。(DISCOVER DICD920217)Bach 「結婚カンタータ」〜トー・ファン・デル・スレイス(s)/メンゲルベルク/コンセルトヘボウ管(1939年)→笑っちゃうくらいアクが強くて、時代を感じさせる大仰なる表情でした。正直、同じ録音年の「マタイ」とはまったく印象が異なります。Brahms 交響曲第3番(1944年)のほうは、音質ともかくモウレツにアツく、聴いていて興奮させられました。XXCM(History)の1932年録音とは別物みたいです。

同じコンセルトヘボウながらベイヌム指揮、Debussy「春」(1942年)Reger「舞踏組曲 作品130」(1943年)そしてBartok「管弦楽のための協奏曲」(1948年DECCA録音)は、戦前のメンゲルベルク時代でもスタイルはとてもモダーンで、バランス感覚もあり、響きもふっくら豊かでした。(どう聴いても優秀録音!とは評価できないが、とても聴きやすい音質)おそらくはコレギウム・アウレウム合奏団最終盤録音であるはず(1984年)の「バロック名曲集」(DENON ナント定価3,300円を中古で250円購入)。保守的で穏健派で、柔らかくて、素朴でほのかにヴィヴラートも掛かって、とてもキモチよろしい演奏。

前回もちょっと触れたアリシア・デ・ラローチャのRavel ピアノ作品集(1969年 SONY)は、華やかで自由闊達な・・・まさにその通りで、神経質に作ったところのない演奏で、とても好きです。緻密ではないが、べつに粗いわけでもなんでもなし。楽しい。アンセルメ/スイス・ロマンド管の「海」「夜想曲」(1964年)「牧神」(1957年)〜但し、Pigeonの海賊盤なので正確な録音年特定できず(新旧録音有?)オーケストラのメカニック云々言われるが、音質共々このホンワカとした薄っぺらくも明るい響きに味がある。とても楽しみました。

The50'sのPuccini「ボエーム」〜エレーデ/聖チェチーリア音楽院管/テバルディの1951年盤です。いやはや、まず音質極上なのに驚き、モノラルとは信じられない。Pucciniの音楽が素晴らしく現代的で、オーケストラの自信に満ちあふれた響き、テバルディの眼前に情景が浮かぶような「巧さ」に、正直胸が締め付けられます。先日の「オネーギン」といい、オペラに不勉強なるワタシだけれど、時にココロの琴線に触れることもあります。

苦手系Beethoven の最晩年ピアノ・ソナタ集第30/31/32番も時には襟を正して聴きましょう。この3曲だけ、大昔LP時代からお気に入りでした。・グート(1986/89年)は、盤石であり充実していて、オーソドックスで存分に強靱だけれど威圧感はない〜というか、やはりセンスが昔気質とは違うんでしょうか。弱音のデリカシーはオルゴールを彷彿とさせます。新たに購入したCD分は、また明日。

2004年6月某日


涼しく、爽やかな朝。これから二日間の東京方面の気候を調べて、傘持参の最終判断をしましょう。昨夜はギーゼキング/カラヤン/フィルハーモニア管(1951年)の続きで、Franck 「交響的変奏曲」を聴いて寝ました。Franck は、有名なる交響曲ニ短調がやたらと手許に貯まるので食傷気味だった(最近ミュンシュ盤でやや開眼)が、それ以外の作品はほとんど気に入っていて(特に室内楽)、この作品に於けるウェットな味わいも悪くないと思います。

これThe 50'sレーベルの二枚組(税込935円)でして、もう一枚はチェルカスキーとなります。カラヤン/ギーゼキングは有名な音源だけれど、Tchaikovsky ピアノ協奏曲第1番〜ルートヴィッヒ/ベルリン・フィル(1951年)の音源は初耳。(どのレーベルの録音だろう?ちなみに+Liszt ピアノ協奏曲第1番〜フィストラーリ/フィルハーモニア管1952年も。これはEMIでしょうが)言うまでもなく晩年の録音より技術的に安定しているが、重心の低い、慣性の利いたゆったりとした勢いみたいなものがあって、一種特有の落ち着いた味わいがありました。音質良好。

昨年後半くらいからか、以前の書籍乱読復活してます。ここ数年、ぼちぼち・・・という感じであまり本は読めなかったからね。常に数冊、読むべき本を自宅に滞留させておく、切らさない、というのが鉄則でして、こどもの頃からの習慣です。但し、もっぱらBOOK・OFFですが・・・って、以前から古本屋さんは好きだった記憶有。但し、ノーミソのほうは草臥れてきていて、読み進めてかなり来てから「ああ、これ以前に読んだ」みたいなことは頻発してます。

加賀野井秀一「日本語の復権」(講談社現代新書)〜ああ、この本読み忘れていたな・・・なんて実はあちこち明快なる記憶がある。世界に冠たる「標語国家」(毎日バスに乗るたび「危険物は持ち込まないでください」と機械的にテープは鳴るが、ほんまにバスを燃やしてやろうと考えている輩はそれを聞いて逡巡するだろうか?と、いつも思う)、氾濫する「親父ギャグ」(・・・というか、ダジャレが多い理由)・・・暗黙の了解がすべて前提となった、老若男女世代地域問わず「曖昧な言い回し(暗喩)」を好む日本語。「前向きに善処」(な〜んもせんよ)的紋切り型言い回し・・・

それがダメ、と全否定するのではなく、主語がはっきりしなくても通ずる言語の優秀性、漢字仮名交じり言語の機能性〜かずかずの日本語賞賛も含みつつ、1999年出版とは思えぬ現状そのまま(ああ、現在なら「2ちゃんねる用語」が例示されるだろうな)の鮮度ある一冊でした。

今朝、朝食をとりながら「マタイ受難曲」(当然最初の方のみ)〜メンゲルベルク(1939年)を。ワタシ如き無宗教の人間にさえ、一種敬虔なる濃厚な「思い」が通じる凄い演奏であり、音楽です。

2004年6月某日


昨日は断続的に雨だった(で、なにもしなかった)が、昨夜来天候回復して爽やかに良い天気。ずいぶんと涼しいが昼は気温が上がることでしょう。いつものようにBOOK・OFFに通ったが、CD処分に出物なし〜というか、自分が先日処分したCDがさっそく店頭に出ているのを確認。正直、かなりの比率でワタシの売ったもの(だれか買ってくれ!)状態が続いております。本数冊購入。HARD-OFFへ回って、かなり高級スピーカー(一部スピーカーが凹んでいるのでジャンク扱い)が売れておりました。

それより先日来気になっていたけれど、LPが大量入荷。1970年中盤のバロック廉価盤(懐かしい!好みも一緒)+1960年代と類推される名曲全集効果解説付き二枚組各ボックス収容(PHILIPS、RCA辺りの音源。日本ビクターかな?)もありました。ワタシがまだLPを一生懸命集めていた時期から、この類は安かったんです。ああ、欲しい!でも、(断腸の思いで)買わない。買えない。

昨夜来Bach 無伴奏チェロ組曲第1〜3番を。ヤーノシュ・シュタルケル(アメリカが長い人だからスターカーが正しいのかな?)の1957-59年EMIモノラル録音。敬愛する大Bach ながら、この作品は少々苦手なんです。重苦しいし、親父に説教をされている気分〜が、精神が落ち着いた(込んだ?)深夜、空気清冽な早朝に聴くとずいぶんとキモチがよい・・・でも、演奏の良し悪しなどワタシにはわからない。

そういえば、この5枚組(マルツィの無伴奏ヴァイオリンとのセット)は1999年岡山に引っ越してきて最初に買ったCDじゃないかな。4,120円(税込)は(今思えば)割高だったが、そんなこと問題じゃない。ブランデンブルク協奏曲〜マリナー/アカデミー室内管(1971年)にて(先日に引き続き)第1/2/6番を。第1番の姿がかなり違うし、第2番には(あの甲高い)トランペットではなくホルンが使用されている意欲的な録音はナント購入当時@1,750。でも、これは欲しかったんですよ。10年ほど前のこと。

いま聴けば「良くできたフツウの演奏」でしょうか。小中学生の時にドキドキしながら聴いた「ブランデンブルク」(カラヤン、マゼール、レーデル、リヒター等々)の感動は記憶でしか残っておりません。大好きな作品だし、聴けば間違いなく幸せになれるが、あの妖しい興奮は蘇りません。もしかしてあれは青春の昂揚だったのかな。

行って来ましたBOOK・OFF〜10数枚のCDを処分しました。今年に入って300枚くらい売っているんじゃないかな。別にこれで儲けよう!ということではなくて、どなたかに購入され、聴かれればCDにとって幸せでしょう。ワタシが聴かない以上、市場に出してあげるしかない。サイトに掲載して送料のみでプレゼント差し上げるのも悪くないが、手間暇がメンドーだし、一気に棚の隙間が空くのも嬉しい。「CDを売る」と言う行為は、いっそう「音楽を楽しむ」といった行為につながります。

そのうち気が変わって「ああ、あのCDまた聴きたいな」と思ったら、買えばいいんです。それだけ。再び二度と出現しない、みたいなものもないではないですが、ワタシは固執はありません。CD入手は所詮出会いなんです。出会えなければ聴けない、それだけ。ムリして高い経費と手間暇掛けて探そうとか、そんなことしなくても、いくらでも手許に聴くべき音楽はゴロゴロしておりました。

・・・ちょっとネットを探っていたら、なんだバボラークってベルリン・フィルのホルンの主席じゃない。チェコ・フィル〜ミュンヘン・フィル主席〜ベルリン・フィル主席って、まだ30歳になっていない天才。一枚だけCDを持っていて、滅茶苦茶上手いと思ったんだよ・・・ほんま。

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夕方、女房と買い物に出掛け、そのまま外食・・・というか飲み屋へ。数日後、女房の誕生日なんです。(同い年なんで、めでたくない)そのお祝いも兼ねて。帰りにイチゴ・ケーキも買いました。Grieg ピアノ協奏曲イ短調〜ギーゼキング/カラヤン/フィルハーモニア管(1951年)を。語り尽くされた定評ある名演奏だけれど、聞きしにまさる凄演か。ワタシはこの作品を気に入っていて、どれを聴いてもたいてい感動するが、これは桁違いにソロが燃えております。決然とした、断固とした表情も凛々しい。カラヤンのバックが肌理細かい。語り口が上手い。音質も想像以上に快調でした。

明日は切迫感溢れる仕事上の締め切りはないはずで、切迫感ないそれなりの作業をこなして夕方には東京へ!・・・また東京だよ。しかも遅くに到着。二泊。もう勘弁して!

2004年6月某日


歯医者に行って来ました。やっぱり歯は健康というか、日常生活の基本ですね。右下ブリッジ入れ直しのため数日間外していたけれど、不便でしたね。本日、仮にかぶせて(素材はなんだろう?)硬いものは噛めないが、少なくとも日常生活に当面不自由はなし。一週間後に新しいブリッジができて完了です。楽しみですなぁ。

昨日あちこち移動中、落ち着かないまま聴いた音楽。Bartok 管弦楽のための協奏曲〜ドホナーニ/クリーヴランド管(1988年)〜ひじょうに整って集中したアンサンブルで、オーケストラの技量はセル時代に負けないと思います。しかし、まるで蒸留水のように味がない・・・というのは、世評のみならず、彼の様々活躍した実績を見てもワタシの先入観やら不勉強なのでしょう。閑話休題。

このCDは「Liberta'」という名前が付いていて(LONDON正規盤でっせ)名曲シリーズものらしく、なんとフィル・アップは「パリのアメリカ人」「ラプソディ・イン・ブルー」〜シャイー/クリーヴランド管/ラベック姉妹(1985年)・・・う〜む、時期的にはそう違いはないが、この違和感そうとうです。正直、集中できませんでした。時期を改めて再挑戦しないと。

ここ数年購入CD中、かなり上位順で気に入っているWebern作品集〜湯浅卓雄/アルスター管(2000年)を。静謐で妖しくて官能的で・・・でも、新幹線の騒音中で聴くべき音楽ではないか。引き続き「英雄の生涯」〜カラヤン/ベルリン・フィル(1974年EMI録音の海賊盤)には、不覚にも感動して・・・と前回書いたけれど〜

どうも味が薄い。上手いオーケストラでさらりと流しました・・・みたいに感じちゃいましたね。Wagner 管弦楽曲集〜ショルティ/シカゴ響(1977年DECCA録音の海賊盤)・・・これはショルティは流石Wagnerに習熟していて、オーケストラの威力万全で気持ちが良い。爽快。しかし「名歌手」前奏曲の感銘は、先日聴いたロベブ/ソフィア・フィルのほうが上・・・などという戯れ言はワタシの体調のせいかもね。

昨夜遅く〜今朝、イギリス音楽集〜バレンボイム/イギリス室内管(1975年)で。今となっては彼にとっては珍しいレパートリーだけれど、ほとんどしっとり静謐な味わいが深い。贅沢言えば「春、初めての郭公を聞いて」はやや粘着質でやや重い。粋で淡泊な味わいに少々不足するでしょうか。しかし、「グリーンスリーヴス」「オーボエ協奏曲」「雲雀は飛んでいく」(ズッカーマン)の端正な味わいは清潔で、美しい。

4月に中古屋で購入したNAXOSの某コンピレーションもの〜ああ、これはいけない。演奏も収録も、録音もよくない・・・と思い出したらもうダメで、数枚処分候補を選び出しました。どこかで歯止めを掛けないと、手持ちCD半分くらいなくなってしまいそうです。Debussyのピアノ全集は誰のを持っていたっけ?5年ほど前にギーゼキング全集は処分したし(抜粋一枚のみ海賊盤で保存・・・罰当たりが!)しばし考えて、ああBRILLIANTでファーガス・トンプソン盤(1989年。ポール・クロスリーCRD旧録音のRavel 1983年録音込計7枚組 2,000円くらいだったか?)を数年前に買ったっけ。

さっそく「ピアノのために」(コレお気に入り)より。メカニックがどうの、ということじゃなくて、少々雰囲気で聴かせてませんか?もっと細部までキッチリ弾ける人だと思う(「こどもの領分」〜「ゴリウォークのケイクウォーク」なんか)が、どうもホンワカ狙いが時に目に付くのは録音のせいでしょうか。ピアノの線が、ある人は繊細と評価するだろうし、ワタシは少々細すぎで弱いか、とも感じました。誰の演奏が念頭にあるのかな?

2004年6月某日


風邪はすっかり治まっているハズだけれど、咳のみ残っちゃって・・・昨夜も難渋しました。今朝も雨。マンション裏の空き地は、ふだん乾いているが雨が降り出すとかえるが鳴く・・・どこから出てくるのかな?

ジェイムス・ジャッド/ニュージーランド響で、Vaunghan Williams(ラルフ・ヴォーン・ウィリアムス)を三度。こういう穏健で変化の少ない、淡々とした静かな世界が今現在一番しっくりくるかな。Mahler 、BrucknerはCD時代、ディジタル録音で新たな地平を開いた(つまり新たなファンを獲得した)が、こういう微細な音の動きを楽しむのにも効果があると思います。でも、演奏会ではイギリス音楽はほとんど出てこないから、人気ないんだろうね。

それにしても(あちこちの演奏会〜とくに海外からの来日オーケストラで)「英雄」「田園」「Brahms 交響曲」ばかりの演目というのはいかがなものでしょうか。さて、週末ラストのお仕事は立て込んでおります。

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 ふる里へは朝方の便で帰る。飛行場から我が家へと続く、青々とした田園を走り抜けるときのとろけるような甘い空気の匂い、車の窓をいっぱいに開けて鼻をひくひくさせながらいつまでも変わることのない安らぎを胸いっぱいに吸い込む。
 通り過ぎる日々のなかで私とつながったいくつかのゆるぎないもの。信頼できるこころ。愛情を注ぐ対象。そういうものの在り処に人は帰っていく。私たちは抽象的とも思える現代の街や暮らしにも、何だかんだと日々不満はあっても、愛情をかんじている。
 暮らすことを楽しむ人が好きだ。自分のまわりのそんな素敵な人たちを私は誇りに思う・・・
(津田晴美「小さな生活」ちくま文庫)より

   これぞ日本語の美しさ。ムダのない表現。適切な句読点。朝早くから一日中バタバタと走り回って、新幹線中で音楽聴きつつ、駅弁喰いつつ、こんな素敵な一冊に癒されました。遅く帰宅して、一週間のお仕事終了。

2004年6月某日


今朝はご近所歯医者に行くので朝はゆっくり・・・昨日の朝、東京のホテルでは起きるのがおっくうなくらい眠ったのに、やはり眠りが浅い・・・寝る前に詳細「音楽日誌」など書いてノーミソを酷使するからいかんのか。

一昨日、東京へ出発直前に覗いた駅前中古屋Groovin'にて発売されたばかりの「マタイ」全曲購入〜メンゲルベルク1939年ライヴ〜NAXOSオーバート・ソーン復刻三枚組発見!税込2,080円、タワーで2,780円くらいだったので、ちょっとだけ値引きか。ま、以前から買おうかと逡巡していた音源(LP時代は抜粋一枚物当然廉価盤で所有)で、PHILIPS二枚組は何度見掛けたことだろう・・・でも、今更こんな旧い録音で聴かなくっても・・・と、その都度あきらめ、昨年はヴィンシャーマンをナマで聴いたし、さらに3月頃だったかな?オランダPHILIPSのが1,600円くらいで見掛けてレジ近くまで持っていったが、やはり「ヤンピ!」で棚に戻し・・・ある日ネットで「NAXOSで復刻する」との情報が。

その矢先の出会いでしょ?カットがたくさんある演奏だけれど、PHILIPS盤では更に収録上の関係でいくつかカットがある・・・とのことで、NAXOS盤は「録音の残っているものはすべて収録!」+余白に管弦楽組曲第2番とか入っていてお買い得!そろろろ買おうかね、いつ発売か、なんて考えていたところに出会うでしょ。もちろん全部聴いたワケじゃないが、この味付けの濃さ、感情入魂の表情〜いやもうとことんやりまっせ!的徹底した詠嘆とぼうだの涙には痺れます。「おお、頭は血潮にまみれ」のコラールのクサすぎるルバートと粘着質節回しにハマると、ちょっとヤバい興奮に包まれました・・・(音質かなり良好)

Great Conductors of 20th Century二枚組シリーズの、我らがジョージ・セル(IMG)を。セルはそんなに持っていないからダブりません。有名なるDvora'k 交響曲第8番ト長調〜有名で定評あるな最晩年1970年EMI録音だけど、1958年旧録音だってそんなに遜色ないと思うが。演奏になんの不満もないが、音質が少々薄い感じ・・・って以前聴いた国内盤より改善されているでしょうか。「海」〜1962年のケルン放響とのライヴは初耳だけれど、驚くべき熱狂と集中力とアンサンブルの完璧さに圧倒され、もうこれはDebussyではない・・・ホンワカとした曖昧さを否定したブーレーズ(旧)盤でも、このほどの威圧感はなかったはず。1957年のルガノ・ライヴ(ERMITAGE)をのちほど確認してみましょう。

ここ最近、「CD購入基準は@500くらい」となっているので、先のマタイでも少々逡巡はあったんです。(@700弱)ましてやNAXOS新譜@1,000〜ヘタすると税込みで1,050円のところも・・・で、ここ最近中古でしか買っていないような・・・(また、これがけっこう出回っているんですよ)しかし、このレーベルの、とくにイギリス音楽に対する集中した録音には敬意を表していて、東京からの帰りに数枚買いました。(@924税込)「最近、どこ行ってたんだ?」状態のジェイムス・ジャッド(たしか英国の中堅)がニュージーランド響(という地味で大人しいオーケストラ)で、Vaunghan Williamsを録音(2001年)してます。「タリス」「ノーフォーク」「湖沼地方」「グリーンスリーヴス」「合奏協奏曲」〜イギリス系の若手はカナダとか、オセアニアとかの英語圏(旧女王国文化圏か)にけっこう赴任するんですよね。アンドルー・デイヴィスもトロント響で活躍しましたっけ。

このオーケストラ、正直これまでの録音印象から「響きにコシがなくて、穏健すぎ元気ないオーケストラ」と思っていたけれど、素晴らしくしっとりとしたアンサンブルでして、作品も体質に合っているのかな?選曲も配慮されて、これほど疲れたココロにしっくりくる音楽も滅多にありません。ここ最近のワタシ英国音楽急接近嗜好の代表的一枚に。引き続き、「English String Miniatures, Vol.3」(2000年)〜これはデヴィッド・ロイド・ジョーンズ(この人NAXOSで大活躍!)/ロイヤル・バレエ・シンフォニア(このオーケストラが聴きたかった!バーミンガムのオーケストラらしい)にて。

Finzi、Holstはともかく、Blezard、Hurd、Haydn、Monningomeryなんて聴いたことない作曲家ばかり。だいたい近現代の人々みたいですね。これがけっこう泣ける穏健派旋律連続で、例えばMichael Hurdの「協奏交響曲」の美しさ(ソロ・ヴァイオリン;ロバート・ギブス)は筆舌に尽くしがたい。知名度のないオーケストラを聴くのはワタシの楽しみのひとつだけれど、どう考えても機能的に超優秀とは類推できない「ロイヤル・バレエ・シンフォニア」の弦は、意外と瑞々しい、味わいのある響きで楽しませてくださいました。

出張ラスト〜駅からバスで自宅迄聴いたのがアルゲリッチ。1980年にどこかのマイナーレーベルに録音した協奏曲二曲がRCAから廉価盤で出ていて、Beethoven の第2番/Haydnニ長調を。オーケストラは弾き振りでロンドン・シンフォニエッタ。正直苦手系作品でして、ウワサは聴いていたけれど二枚組1,030円じゃなかったら買ってません。いや、これはまったく凄い。はちきれんばかりの躍動感、輝かしい快速、一点の曖昧さもない爽快なるテクニック、陰影に富んだ表情・・・小編成のオーケストラは細部まで配慮があって、素晴らしきアンサンブル。

Beethoven なんてなんども聴いているが、これはHaydnの快活さと率直さを備えた楽しい曲!に変貌しましたね。Haydnは、正直かつてミケランジェリの濃密すぎる演奏を敬遠してCDも処分した、という曰く付きの作品。喜びが疾走する両端楽章はもちろんだけれど、アダージョの幻想的な美しさは俄にHaydnとは気付かせない。アルゲリッチの天才をまざまざと・・・時に抜いた薄っぺらな音色も駆使して、ドキドキするような世界でした。

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・・・なんだよ、あの本部からのわかりにくい(言語不明瞭)説明は〜酒席も気を遣いっ放しで、飲んだんだかどうなんだか〜状態。ああ、そういえば今朝歯医者行って来ましたよ。奥歯にセメント詰めて、残った旧ブリッジぜ〜んぶ剥がして・・・そこまで。被せるために健常なる歯を削るから、ナント次回は麻酔を掛けて削って(痛いんですよ、きょうも痛かった)型取り〜それから完成まで10日だから、まだ完治まで2週間は必要か?食生活不便だから、ダイエットだな!(いちおう決意のみ)

お仕事の資料できました。諸作業もほぼ順調。明日、地元取引先と会議〜昼から広島です。通勤で(やや苦手方面の)Franck 交響曲ニ短調〜ミュンシュ/ボストン響(1957年)〜LP以来の再会だけれど、この鬱陶しい旋律はカラリとメリハリあるこういう演奏が望ましい。ドイツ風Bruckner方面演奏はどんよりしてキラいです。うんうん。ミュンシュにしてはやや抑制方面演奏だけれど、ネアカで気持ちヨロシ。続くRoussel「バッカスとアリアーヌ第2番」(1952年)もテンション高く、文句なし。モノラル録音だけれど音質も優秀。続くHONGGER「三つのレ」(1952年)の暴力的サウンドにも痺れました。

人生出会いというか、なんというか、ワタシが学生時代に既に労働者で、かわいがっていただいた大先輩に東京で再会しました。京都の人なんだけどね、いまは大津に住んでいて、お仕事はともかく相変わらず自由闊達に楽しく過ごされているのは彼のサイト「琵琶湖オオナマズの趣味の部屋」を見れば一目瞭然!二十数年ぶりの再開かな?顔は厳つい深海魚みたいだけれど、ココロ優しい人なんです。嬉しい。

2004年6月某日


いやはやこう連続東京行きだとツカれ果ててしまう。ところが来週も東京。明日、朝は歯医者(右下奥歯十数年前にかぶせたものが擦り切れ、かぶせ治し)〜急ぎ未完成翌日会議資料完成させ〜昼から来客会議〜5時30分〜酒席。ま、8時半迄くらいだろうね。きっと宿題がこんもりと溜まっているだろうし。

出張でたいへん・・・とかなんとか言いつつちゃっかり昨夜サントリーホールへ行ってまして、さっきBBSに書き込みそのまま再掲「我らが同世代(つまり若手)のホープ・大植英次/ハノーファー北ドイツ・フィル演奏会にご招待いただきました!しゅう様ありがとうさん。ま、ドレスデンと比べちゃいけないが、若々しい素直な響きのオーケストラだったし、ナタリー・シュトゥッツマンのコントラルトは現代最高のMahler だし、なんと言っても大植さんの全身全霊を駆使した燃えるような指揮ぶりにココロ奪われました。おっかけのおばさま達の花束攻撃!アンコール三曲!ああ!楽しい!
休憩時間、小山実稚恵さんに会えたし(美しい!しゅうさん顔広い!)「となりのオトコは誰やねん?見たことあるけど」と、あとでしゅうさんと考えたら赤川次郎でした」〜そのうち、ちゃんとサイトに整理しておきましょ。

東京行き帰りはもちろん、その前にもけっこう移動時間があって音楽いっぱい聴きました。寝ていた時間もかなりで全部集中していなかったが、今回は発見が多かったですね、いろいろと。Wagner「名歌手」〜1995年に日本コロムビアから出た1000円盤オペラ・ハイライツで、ロベブ/ソフィア・フィルの前奏曲(予想外に立派でスケールもある)から始まって、ヴェスとかフェレンチーク、パテルノストロ、ジークフリート・クルツ、オーケストラ様々ながら、正直これほどこのオペラを楽しんだのは初めて・・・って、全曲は誰のCDを持っていたっけ?・・・ああ、1937年のトスカニーニ/ウィーン・フィルじゃないの。やっぱりちゃんとした音質のものを常備しないといけないなぁ。

オペラといえば、これまた久々「エフネギー・オネーギン」〜ハイキン/ボリショイ歌劇場の1955年録音ながら音質は非常に良好。例の如しでいい加減なコメント付けているが、じつはこのいい加減な一文はけっこうあちこちで引用され、メールも数通・・・世の中ワカラんもんでっせ。閑話休題。ワタシはTchaikovskyの交響曲には少々苦戦気味だけれど、ここでの旋律にはココロ奪われる!というか、切なく甘い雰囲気に安心して身を任せられる・・・ということです。歌手(硬質で強靱なロシア風ソプラノの魅力)もオーケストラの妖しい響きも・・・エエCD買ってますなぁ、10年ほど前か。

一昨年前くらいに買ったままで聴き残しのSaint-Sae"ns交響曲第3番ハ短調〜小澤征爾/フランス国立管(1986年)。ああ、これは素直でフランスのオーケストラの軽くシックな味わいにマッチした演奏ですね。悪くない。続く「だったん人の踊り」(1969年)、Lutoslawski「管弦楽のための協奏曲」(1970年)はシカゴ響だけれど、こちらのほうがアツくノリノリでしかも爽やかで存分に楽しめました。続いてプラド音楽祭ライヴでBach チェロ・ソナタ ト長調(ホルショフスキ1956年)、Brahms ピアノ・トリオ ロ長調(メニューイン/イストミン 1955年)、クラリネット・トリオ(オッペンハイム/イストミン1955年)〜もちろんチェロはカザルス。(Music & Arts CD-1113)

一種独特の「時代の熱気」みたいなものが横溢して、音質を越えドキドキしますね。チェロがひたすら濃い!馴染みの作品だけど、技術とか歌がどうとか、ほかの録音と同列に置けません。ピアノはホルショフフスキーの淡々とした枯れた味わいが、もう最高。LP以来の再会vel ピアノ作品集〜ウェルナー・ハース(1964年)を確認。ああ、失敗した!全集探して買うべきだったな。こんなに雄弁で明快な演奏だったとは・・・

ここ最近、ほんわか雰囲気系(ペルルミュテールが代表例)ばかり聴いていて、「雄弁で明快」はいけんね、なんて思っていたけど、ハースは乱暴じゃないの。聴いていてけっこう圧倒され、どきどき興奮します。録音も驚くほど鮮明。先日来、少しずつ集めているモントゥーのBeethoven 交響曲集〜「英雄」(1957年)第8番(1960年)はウィーン・フィル担当です。演奏は、いや、もうぎんぎんに燃える、明快な「英雄」!文句なしだけれど・・・

録音が異常に悪い。オン・マイクで奥行きなく、響きは濁りまくり・・・って、これ国内プレスだけど、オリジナルはいかがですか?第8番はかなりマシな音質で、知的で粋な演奏だと思います。あと、数枚・・・ツカれたので明日へ。

2004年6月某日


梅雨らしい雨。しかも気温が低い。洗濯物がカラリと干せない。昨夜、「ER」みながら一気に通信教育1/5終了。昔取った杵柄で「ながら勉」は得意でっせ。普段使わないノーミソを活用したせいか、昨日の睡眠不足なのによう眠れません。本日新幹線で・・・遅い昼飯でも喰いつつビールで寝ようかな?

昨年購入したCD中、もっとも聴取苦戦しているアーベントロート(クロアチアVIRTUOSO 3セット計16枚)・・・音質問題なのか、それとも彼の音楽のスタイルなのか、とにかく楽しめません。正直8年ほど前に購入したBerlinClassics5枚組でも似たような状態で、相性悪いみたいです。「フィンランディア」(シュータツカペレ・ベルリン 1936年 「クラシック・プレスという雑誌の付録」)は唯一、妙に重量感ありすぎの圧迫感が個性的で「聴ける」といった感想有。

今朝もBrahms 交響曲第1番ハ短調(ベルリン・フィル 1941年)も最初から最後まで、重苦しくどんよりしていて音楽が楽しめない。ま、この作品自体がワタシにとって少々苦手方面なんですけどね。雰囲気変えて・・・ということでRavel ピアノ協奏曲ト長調〜ワイセンベルク(p)/小澤/パリ管(1970年)を。この辺りの小澤征爾、とくにパリのオーケストラとの相性はよろしくて、爽やかでかっちりとしたアンサンブルが魅力的です。誠実なフレージングとアンサンブルの神経質な整え方が、華やかでカルい響きのオーケストラに似合っております。

ワイセンベルクは今年に入って集中的に聴いているが、(自分にとって)評価ビミョーですね。技術的には鋭角的な切れ味が個性的だし、冷たいタッチも悪くないと思うが、妙に素っ気ないことがあって、しかも”粋”とか”ユーモア”とか、そんなものに欠ける場合もあります。引き続き収録の「クープランの墓」(1971年)「上品でセンチメンタルな円舞曲」(1964年)含め、透明で美しいとこに間違いはないが、表情の微細なる変化に乏しい・・・

2004年6月某日


昨夜、回転寿司から帰り、お気に入りの「鉄腕ダッシュ」(リーダーの大ファン)〜野球中止で「劇的ビフォー・アフター」(おそらく一番好きな番組)〜期待の映画「クリムゾン・リバー」(まったくオモロくない。がっくり時間の無駄)〜「K1」(ボクシングの元チャンピオン達はルール的に可愛そうだよね)〜で、トドメは「NHKアーカイヴス」の「ヨーロッパピクニック計画〜ベルリンの壁はこうして崩壊した」を、感動の共感を込めて夜更かし。1989年と言えば既に15年前で、ワタシが現在の勤め先に移籍したときなんです。

学生時代語学をちゃんとしなかったので、ジャーナリストになれなかった。学生時代から現代に至るまで「激動する現代史」の渦中に立ち会えた驚きを、この番組でまざまざと再実感しましたね。先日亡くなった還暦のジャーナリスト・橋田さんの生き方には痺れておりました。ココロからの尊敬と哀悼の意を表します。彼は「戦場を語るが、戦争を語らなかった」と。

昨日購入の「ピアノ名曲物語」〜ヴァーシャリのDebussyは多彩で雄弁。彼の持ち分12曲はまったく弛緩せず厭きさせません。+デムスの「こどもの領分」(二曲のみとは寂しい。全曲録音は存在するんでしょう?)+コンタルスキー兄弟による「牧神」が珍しい。

梅雨らしい雨模様。今週は本日定例会議〜合間を縫って諸作業+資料完成〜明日、東京へ(演奏会?)〜東京で会議(遅く帰宅)〜事務所で会議(夜、お客と酒席)〜地元で会議→そのまま昼から広島へ・・・となります。

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はは、資料完成せず、明日東京前に地元取引先へ・・・と予定ビミョーに変わりました。本日、通勤バス中行き帰りはMendelssohn「真夏の夜の夢」(1967年)「イタリア」(1962年)〜セル/クリーヴランド管。もの凄くオンマイクで、奥行きも残響も少ない音質で、緊張感とテンション高過ぎのカタさモロ、でメルヘンの欠片もない。「真夏の夜」の「スケルツォ」はまるでSchumannの交響曲第2番でっせ。こんな厳つい「結婚行進曲」だったら新郎新婦も喜び半減か。「イタリア」はその路線いっそう強化され、カチカチの推進力で、これほど甘さのない演奏も滅多に味わえないでしょ・・・

・・・って、つまり録音がよろしくない(ように聞こえる)。残念ながらワタシのCDはFICの海賊盤でして、コピー(なんのコピーだか)盤なんです。(もうしわけなし中古250円)これSACDで正規盤が出ております。スーパーオーディオに仕立てるに足る音源と言うことですよね、元は。どなたか感想をいただきたいところ。でもさ、やっぱり「真夏の夜の夢」はヘルビッヒ盤のオーケストラの美しさが忘れられない。

棚をひっくり返したら、またセル登場〜Brahms ピアノ協奏曲第1番ニ短調(1962年)を。以前から絶賛していた録音だけれど、バック・ソロとも賛辞に不足がある。千変万化する心情を、ある時は断固と、またある時はそっと抜いて愛撫するように、オーケストラの微に入り細に渡る一分の隙もない、完璧なる配慮に驚愕の大型台風接近中!ああ美しい、とか、よくできた、などというヤワな世界じゃありまへんで。弱音の意味深さ、奥深さ、幅広さ。強さが空虚に至らない。

カーゾンは哲学ですな。熟考し、納得し、難しい言葉はやさしく、やさしいところは楽しく、楽しいところはより深く・・・そんなピアノです。リリカルでクールで、けっしてアツくならない。リキみすぎず、ひ弱さの影すらもない。ワタシはこの演奏で、深く、静かに、ココロを沈静させました。

2004年6月某日


体調はほぼ完調のハズだけれど、寝る前に咳き込んでしまってまだまだかな?今朝は(珍しく)ゆっくりお寝坊。昨日、この間断続的に再読していた吉田秀和さんの「世界の指揮者」を「本で聴く音楽」(実際上、ほとんど更新できてないうち捨てられたサイト)に更新。多くの読者がいらっしゃって、ワタシ如き浅学の徒が云々すべきこともないのだけれど、ほんまにお勉強になるし、ある意味、毎朝テレビで繰り返される「星占い」的「自分にとって都合の良いところだけ信じる」みたいな使い方でもありますが。

クーベリック DG 429 042-2ワタシはクーベリック/バイエルン放響のMahler 全集(DG 429 042-2 10枚組 購入価格失念〜おそらく購入価格壱万円以上)が(長い10年以上の)お気に入りでして、あまり注目というか、評価されないでしょ。それを「草いきれのむんむんするような野趣にみちたクーベリック」とのコメント。嬉しいねぇ。(これもまた評価の芳しくない)ハイティンク/コンセルトヘボウ管の全集(1962年〜1971年 PHILIPS 442 050-2 10枚組 これは中古3,250円税抜で購入)と並んで、ワタシの「日常座右に置いて楽しむMahler 」となっております。

今朝、Beethoven 交響曲第2/4番〜モントゥー/北ドイツ放響(1959年)を。なんという若々しい推進力、すっきり暖かいアンサンブル・・・よく考えたらかなり以前にサイト更新していて確認すると、そう的外れでもないか・・・。引き続いてBach ブランデンブルク協奏曲〜マリナー/アカデミー室内管(1971年)久々。マリナー最初の意欲に充ちた録音で、例えば第5番のチェンバロ・ソロ(マルコム)が短い版使用とか、第4番のリコーダーはオクターブ高いソプラノを使用しているとか。サーストン・ダートが途中で亡くなるという、彼のラスト録音でもあります。

じつはこれ、1990年頃大阪心斎橋タワーレコード〜当時、外資系大型量販店の衝撃的登場時期でクラシック売り場も大きかった〜で@1,750(一枚分)。いまじゃこの価格だったら二枚組でも購入に逡巡する価格でしょう。「そういう問題じゃない!」と自ら声高に叫びつつ、この録音、今じゃPHILIPSのボックスで安く買えることも知っている・・・から、音楽の価値とは別の次元で聴いていて胸が少々切ない。現代楽器使用で、今となっては穏健派演奏だけれど、この瑞々しいアンサンブルはマリナーの全盛期だったのか・・・。

10枚ほど「ダブり」「う〜む、もうこれは絶対に聴かないなぁ」と言うのをセレクトしてBOOK・OFFへCD在庫供給。その後、HARD-OFFへ移動して二百数十万円のスピーカーなどを見物し(ワタシの激安オーディオって?)、シリーズで出ていたらしい「ピアノ名曲物語」を三枚購入。高橋悠治の「主よ、人の望みの喜びよ」ほか寄せ集めバロックをピアノで〜ケンプのゴールドベルク変奏曲「アリア」が、他の方となんか旋律が違うのは何故?ほか、(LP時代愛聴した)ウェルナー・ハースのRavel ピアノ作品集、ヴァーシャリを中心としたDebussy・・・。

昨夜の残り物で丼を作って昼食〜夜は外食予定です。クーベリック/バイエルン放響でMahler 交響曲第4番(1968年)を堪能し、久々なんとかサイト原稿へ。引き続き太古の昔SP時代の「シェヘラザード」「ペトルーシュカ」〜ストコフスキー/フィラデルフィア管(1934/37年)の、鮮やかにクッサい節回しの演奏に痺れ、こんなんではいかんなぁ、と反省。結局、この休み、通信教育には手を付けず。

明日に会議資料の締め切りは迫っているが、ほぼ八割方できてまっせ。今週、また東京。来日演奏団体のコンサートに誘われております。

2004年6月某日


今朝も良い天気だ。夜更かししたのに、ちゃんと早朝起床。ジョギングはしなかったが、ご近所散歩+体操+深呼吸〜これでも充分キモチがよろしい。休みらしい休みで、精神的な解放感がある。昨夜、執筆したしょうもない最近のCDダブり買い報告サイト・アップ。これも精神衛生上必要なんです。

最近、「ブログ」というのが流行っていて、ネット上のお知り合いも開設されてます。様子がわからなかったが、いくつか拝見するうちに「なるほど」と・・・デザインのテンプレートが用意されていること、更新が「掲示板投稿」風である(らしい)こと、更新記事ごとに読者が自由にコメントを付けられること、あと(まだ理解が足りないが)リンクはもちろん「逆リンク」みたいなこともできる・・・ようはするに、簡便・フレキシブル・サイトみたいなものか。本サイトの更新履歴みたいにして使っている人もあるし(これは宣伝に良いかも知れない)、ワタシも一瞬導入を考えたが、ちょっと逡巡。

たとえばこの「音楽日誌」など「ブログ向け」最適のコンテンツだろうが、基本サラリとさっさと執筆しているように見えて、グズグズ書いていますもの。つまり行ったり来たり、一度更新した後に(誤字脱字は当然だけれど)修正加筆入れ替えすることも日常茶飯事。月ごとにまとめて別ファイル保存しているし、背景(今月は評判えっらく悪い)変更してみたり・・・って、やっぱ自由自在にデザインもいじりたいし、更新日時が詳細出て時系列にしか並ばない・・・というのはちょっと気になります。

それに、それにどんなサイト形態であれ基本「コンテンツ」ですから。「コメント」もいつもいつも付くものではないでしょうし。これ以上、サイト更新の幅を広げるのも苦痛で、むしろ縮小指向傾向。でも、様々な方が、自由に、気軽に、よりハードル低くネット上に自分の考えを発表できることは素晴らしいことなんです。長崎の哀しい事件契機に「だからインターネットは危ないって前から言ってたんだ」的短絡的意見が蔓延しそうで怖い今日この頃。

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昨日の出張は移動時間が異様に長くて「いくらでも音楽聴けまっせ!」的条件だったはずが、トラブル処理で昼飯喰い損ね岡山駅駅弁/夕食時間なし広島駅駅弁連続攻撃だったり、いろんな人からケータイに電話(列車中って、けっこう席移動してデッキに行ったりで気を遣う。しかも騒音で誰だかわからんまま話しが一方的に始まったり)連続、で、正直集中できてません。でも、ま、それなりに。

Schubert 交響曲第9番ハ長調〜クーベリック/ロイヤル・フィル(1958年)を。ワタシは最近、この作品を聴くことに少々抵抗がある(ハズすとダルな気持ちになる)が、オーケストラも爽やかで音質も意外と悪くありません。1960年以前頃のクーベリックを「不調」と厳しく評価される方もいらっしゃるようだけれど、先日確認したBartok「管弦楽のための協奏曲」(1958年ロイヤル・フィル)、Tchaikovsky 交響曲第4番ヘ長調(1960年ウィーン・フィル)も気持ち良い演奏でした。(上記、5年ほど前のコメントは加筆が必要ですね)

SAN-16最近、何故か気に入って連続聴きしている「シェヘラザード」〜マタチッチ/フィルハーモニア管(1958年)を。1990年頃購入した新星堂の1000円盤(EMI録音)だけれど、それ以来聴いていなかった記憶がある。ナント10数年ぶり?正直、ノーミソのなかでシルヴェストリ盤(1966年)と混乱していて、いえいえ、けっこうまとも、というかしっかりとしたアンサンブル、しっとり呼吸の深い美しい演奏でした。音質も意外と悪くない。

BBC MM137「モルダウ」〜トースキー/BBC響(1976年)、「イベリア」〜レパード/BBC北部響(1976年)、Delius「ノルウェイ組曲」(「フォルケラーデット」の幕間音楽)〜アシュリー・ローレンス/BBCコンサート管(1974年。この曲のみダブり買い)。かなり以前に購入(?個人輸入)したものだけれど、いかにも雑誌の付録風寄せ集め的珍しい演奏です。Vilem Tausky(1910-2004)はチェコ生まれ、イギリスで活躍し、BBCコンサート管の指揮者などを務めたそう。(トースキーではなく、タウスキーかもね)けっこう、アツく美しい演奏でした。レパードのフランスものというのも珍しいみたいだけれど、至極まっとうな透明感のあるもの。(ローレンスはコメント済)

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昼、ご近所「小紫」のラーメンをずいぶんと久々。トンコツ塩味で個性的・・・というか、有名なる鹿児島の「こむらさき」にスープが似ているから、関係あるのかな?でも、岡山のは麺が(この辺らしく中太)違います。あちらは細くて、たしかコシのない無カンスイ麺だったはず。キャベツの使い方(鹿児島のはもっと煮込んで大量)も違う。けっこう、熱狂的なファンがいらっしゃっいますね。

モントゥーの寄せ集めCDを断続的に確認〜まったくセンスがモダーンで、粋で感心するばかり。ロシア系の放送録音のサンプラー的CDを摘み聴き〜オイストラフ/ソヴィエット国立響の「ティル」など(録音年不明)・・・う〜ん、こんなもんかな?R.Straussはどうもようワカラン。Mahler 交響曲第5番〜ハイティンク/コンセルトヘボウ管(1970年)を。穏健であり、オーケストラの余裕もある、そして虚飾のない演奏。アムステルダムの市民はこういった音楽を日常として育成した、ということでしょう。ワタシはMahler でさえ、こういったタイプの演奏が最近気に入っております。

2004年6月某日


梅雨入りしたのに、爽やかで気持ちの良い朝。体調もかなり改善方向です。

長崎では先日来こども同士の悲惨な事件が発生してます。やはり時代はおかしい。BBS上での確執で殺人にまで至ってしまうものなのか。それほど入れ込んじゃうのか。昨夜読んだ 平井富雄「心のトラブル」(中公文庫)は少々以前(インターネット普及前の1990年)の出版であるが、ほぼ現在の老若男女のココロの悩みを見事に表現した書籍と感じました。時代はこの方向で、ますます悪い方向に深化しているかんじ。ここに引用された若者世代は、現在おそらくワタシの世代になっているが、世代論として(当時の社会構造として、また一般的な「最近の若いもんは」的世代論としても)違和感なし。(部分からの引用は誤解を生みそうだけれど)こどもに現れたなんらかの重大なる問題に直面したとき、その親に「中年の熟成を感じないことがある」との部分には少々ドキリとしました。(「中年の熟成」には別途深い分析がある)

かなり以前から意識していたジャン・フルネのCDを先月入手。Debussy 管弦楽作品〜オランダ放送フィル(1973年。国内盤オランダ放送管との誤訳はなんだ?)にて。ここ最近、続けてアンセルメばかり聴いていたし、少し前にはクリュイタンスのモノラル時代の録音に集中していたせいか、このフランス音楽には「色気が足りないか?オーケストラの問題か」と正直感じました。朝食時TEAC〜エレキット真空管に戻って再聴すると、ああ、なるほど、クールで微妙な細部のこだわりが少しずつ・・・

他のサイト上で、ワタシのサイトでも久々、吉田秀和さんの「世界の指揮者」(新潮文庫〜なかなかもう入手困難らしい。全集買うしかないのか)が話題になったので、言及あったライナーの部分を確認。1987年の文庫化だからね、もうすっかり記憶は消えているけど、件の「運命」(1960年)の論評には納得。知らず影響を受けているのかな。

一方でバルビローリ/ウィーン・フィルによるBrahms 交響曲第2番ニ長調(1966年)には、深く失望したと。別なサイト上で彼の第3番(1967年)が話題になっていたし、吉田さんも高く評価していたことをキッカケに(CDを取り出す動機とはそんなものでしょう)期待も込めて聴いてみました。吉田秀和氏曰く「初めの第1楽章〜もう、いけないのである」〜ちゃんと譜例引用・分析・理由もありますから、それが正しい評論なのでしょう、きっと。

知らず影響を受けている〜かもしれないが、ワタシの耳では数年ぶりに聴いたバルビローリはますます快調なんです。曲が進むに連れ、その詠嘆の表情がゆったり、適度の粘着質を保ってますます甘い。余力が感じられる。ウィーン・フィルが美しい。先に引用した2001年の拙文では音質に厳しい評価(方向やら性質が気に食わない)をしているが、集中を妨げる水準ではありません。

本日は昼から広島行き。そのまま帰宅して一週間終了です。サイト定例更新済。

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広島の出張なんてちょちょいのちょい、さっさとお好み焼きでビールでも飲んで中古屋覗いて・・・なんて、人生甘くない。昼前に商品の納品トラブル発生・・・これが広島県海沿いの地方都市でして、そこのエラいさんから激怒の電話有〜ええ?ワシの責任範疇なの?って、今日のことだけじゃなくて、積もり積もった半年くらいの微細なトラブルの集積が背景にあるのはワタシだけが知っているし、顔見知りはワタシだけだ・・・から、下請けの責任者道連れ(ゴメンね。間が悪かったから・・・と)に、広島商談後に別路線へ・・・鈍行だし、あちこちゆっくり停車するしで、どえらく時間掛かりましたよ。

で、子会社の支店長とともに小一時間くらいお詫びして、ま〜るく収めて(さすがヴェテラン!)笑顔で酒席を振り切り(だって帰れなくなるもの)つつ、岡山駅にたどり着いたのは夜の10時過ぎでっせ。人生いろいろあります。音楽はいろいろ聴いたけど、断続的にケータイが鳴りっ放しで、なんか集中できません。この件、明日、朝のジョギングをしてから(ほんまか?)。

2004年6月某日


昨日、出勤バス中で少々(のみ)聴いたのが、Bartok 管弦楽のための協奏曲〜ドホナーニ/クリーヴランド管(1988年)。この組み合わせは1980年代以降のディジタル時代の人気ブランドで録音も大量でした。が、ほとんど聴いておりません。驚くべき精密さ緻密さ集中力を誇る演奏(録音も極上)だけれど、例えば昔日のセルとは意味合いがどうも異なる。例えばシカゴ響におけるライナーとショルティとの相違も連想されます。最近、「味(がないこと)」について考えさせられるのは、単なるノスタルジーの世界でしょうか。慣れの問題か。安易に結論出せず。

アンセルメ/パリ音楽院管との「シェヘラザード」(1954年)を再確認。洗練とか、粋とか、明るさとか、上品とか、そういう演奏です。ここでもデュトワとの表現対比を連想してしまって、彼に味がない、なんつうと叱られるが、するりとスムースで美しすぎ、上手すぎ、決まりすぎ、みたいな印象ですね。つまりワタシはデュトワの「シェヘラザード」(29年後の1983年録音)をそれほど楽しめない、ということです。ああ、作品はとてもいいですね。

きょうは一日、どこにも出掛ける予定はないので、身辺整理と資料作り、諸作業消化に務めましょう。いろいろと一気に終わらせたい。

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それなりに思い通り、作業ははかどりました。机上は大混乱のままだけれど、明日午前中でかたづけましょう。親しいメーカーの営業(飲み友達でもある)の若い人が「じつは糖尿病なんです。劇症の」とのこと。遺伝じゃなくて、膵臓がいかれるやつかね。ああ、たいへんだ。そういえば昨年急激に痩せたもんな。気を付けながら大切に生きていかないと。自分の健康のことも真剣に考えましょう。こう、いつもいつも風邪ばかりひいていちゃいけない。

通勤ではアシュリー・ローレンス/BBCコンサート管によるDeliusの管弦楽作品(1974年 BBC RADIOCLASSICS 243円で購入とメモ有)を。細部、よく聴くといい加減なアンサンブルだったりするが、雰囲気あるんです。ちょっと寂しくて、曖昧模糊として、さらりとして。「夏の庭園にて」は(第1版)となっているが、ネットで検索してみました。「夏の庭園にて第1版 改版に認められる中間部分散和音に乏しいが、前半と終わり近くの和声の移ろいが、オーロラの色の変化を感じさせる」〜ようわからん。つまり改訂版が存在する、ということだね。そちらがフツウなのか。

「夏の庭園にて」は他に?と探したら先日のアンソニー・コリンズ/ロンドン響(1950年代録音〜ああ、これは陰影に富んだ良い演奏だ)、リーパー/スロヴァキア放響(1989年 NAXOS)のがありましたね。最近、こんな薄味の音楽ばかり聴いております。

2004年6月某日


さて、きょうは地元のお客様へ出掛けるが、基本事務所出勤だから久々身辺整理机上お掃除を大々的にしないと。体調相変わらず。眠りも浅い。でも、良い天気。

先日来聴いているGriegピアノ作品全集Vol.4〜ステーン・ノックレベルグ(1993年)にすっかり心酔しちゃう。この懐かしい旋律、躍動するリズムの魅力はなんたることでしょうか。イギリス音楽中屈指の規模を誇る音楽・Elgar 交響曲第2番変ホ長調〜ダウンズ/BBCフィル(1993年)にて。録音が優秀で、茫洋として雄大、そしてどんよりとした味わいがたまらない魅力〜若向け音楽ではないかもね。

朝一番早めに出勤、溜まったメールやらファックスを次々と処理(と思ったら、さきほど残務思い出し・・・エラいこっちゃ!)、疾風のように地元取引先へ・・・なかなか難物・・・のようでもあり、一方で「こんなもんか」とあきらめつつ、更に現場一軒訪問〜そのまま帰宅。仕事上の憂鬱を抱えたまま音楽を聴いたせいか、Shostakovich 交響曲第5番ニ短調〜ザンデルリンク/ベルリン交響楽団(1982年)は全然楽しめず、文句ばかり付けたくなっちゃう。もともと苦手系の音楽ではあるが。

仕事上のワタシのチームが、全体の人事玉突きで人員変更有〜それはそれでかまわないが、少々分担を変えてやろう、といったスケベ根性も出して(珍しく)悩みます。体調、もう一歩かな?

2004年6月某日


しばらく職場に顔を出していない(出張やら週末休みやら結婚式休みとか)ので、30分早く出勤(そういえばほぼ一年ぶりに、下水道工事終了でバス路線元の停留所に)〜資料だけ取り出し、散乱する机上のファックスから「ああ、こりゃヤバい」という数枚のみ抱えて山口へ。(移動中ほぼ居眠り)ほかのメンバーより一本早い「のぞみ」に間に合ったので、新山口構内でノートパソコン開き先ほどの急ぎ事務処理を〜まるでビジネスマンみたい!でも、体調はいまいちなんです。ずっと風邪ひき放し。天気良いのに寒気がするし、冷や汗?もある。鼻水も。

XXCMの歴史的録音10枚組はシリーズ全部買っているわけじゃないし、とくに最近価格上昇気味(4,000円弱?)だし、手持ちダブりがひどいし・・・でちょっと腰が引けてました。でもさ「KLEMPERER MAESTRO MISTICO」が税込1,980円だったら少々のダブりなんのその!えいや!っと先日購入しました。4.5枚分既所有ながら。いや、もう、これが最高。一連のシリーズではメンゲルベルクが一番楽しめたが、それを凌駕する魅力横溢か?

Corelli「ラ・フォリア」〜シゲティ(v)の気高い気品とスケール感(1945年ロサンゼルス・フィル)、Mozart 「魔笛」序曲の推進力(1930年ハンガリー国立歌劇場)、交響曲第25/38番の速いテンポによる切迫感(1950年RIAS響)・・・音の旧さなんのその。

新幹線移動中は全部が全部集中できたわけじゃないが、激しい針音の中から濃厚なる官能性をぷんぷんさせる「牧神」(1938年ロサンゼルス・フィル)、当時最先鋭の音楽であったと想像されるWeill 「三文オペラ」の音楽(1931年ベルリン国立歌劇場と表記されるが、まちがいなくクロール劇場管)の脂粉にむせるような濃密で妖しげな音楽、かつて聴いたことのない茫洋としたスケールが驚愕のJanacek「シンフォニエッタ」(1951年コンセルトヘボウ管)・・・

特定の演奏家のCDは集めない・・・などと日頃公言していた禁を破って集中注文した一枚〜Brahms 交響曲第1番ハ短調〜セル/クリーヴランド管(1966年。嗚呼、これであと第2/3番を探すだけだ)を。先入観として存在するBrahms の重量感、立派すぎる威圧とは一切無縁で、ひたすら誠実な音楽として鳴り渡る神髄。劇的に旋律を煽ったり(例えば先日聴いたミュンシュか。フルトヴェングラーも)、とろとろの官能的な音色で耳を惹き付けたり(カラヤン?)ではない、正確に、ストレートに無駄なく、余録なく鳴り響く感動。

続く「ハイドンの主題による変奏曲」(1964年)もまったく同じ姿勢だけれど、余白のハンガリー舞曲第17〜21番(1957年オーマンディ)とは違和感多すぎて、例の如しのこのレーベルの配慮ないコンピレーションには呆れるばかりでした。

2004年6月某日


とうにネタは尽きてはいるが、必殺ワン・パターンでちゃんと「近況」更新。あっ!という間に一年の半分に至ってしまって、う〜む、状態。風邪はまだ少々グズグズ状態。でも、またきょうは山口迄〜遅くなりそう。全国の真面目なサラリーマンお父さんの末席を汚す者としては、ま、しかたがないでしょ。

BOOK・OFF 高知駅前店で購入した@250CD確認続きます。たしかLP時代はとても評価の高かった(そして現在では少々忘れられた感のある)Mozart ピアノ協奏曲第20/21番〜リリー・クラウス/サイモン/ウィーン音楽祭管弦楽団(1965年 SONY)を。やや速めのテンポ、コロコロとよく粒が揃った快活な音色が美しい。バックが正体不明(昔から気になっていた)で雑然としていて、全体としてやや仕上げがていねいじゃないようにも聞こえます。

Mozart /Brahms クラリネット五重奏曲〜アルフレート・ボスコフスキー/ウィーン八重奏団員(1961/1963年 DECCA)。アルフレート・ボスコフスキー/ウィーン八重奏団員文句なしの名曲だけど、例えばBrahms の第2楽章アンダンテ・・・そっと秘密の約束を囁き合うような、息をひそめた静けさが溶け合います。この作品はどんな演奏でも好きだけど、クラリネットがウェットで、弦が泣いている感じがもうたまらない!アリシア・デ・ラローチャのRavel ピアノ作品集(1969年 SONY)は、華やかで自由闊達な演奏なんです。「緻密で正確で・・・妖しい」といったイメージじゃなく、もっと思い切って、楽しく音楽を!といった風情か。

Chopin ピアノ協奏曲第1番ホ短調〜持っているようで持っていなかった定評あるアルゲリッチ/アバド/ロンドン響(1968年 DG録音の海賊盤)・・・いや、まったく凄い、素晴らしき躍動感。この名曲はクサるほど聴いてきたが、これほど新鮮でやりたい放題の奔放な魅力は筆舌に尽くしがたい・・・「英雄の生涯」〜カラヤン/ベルリン・フィル(1974年EMI録音の海賊盤)には、不覚にも感動してしまいました。(ご批判覚悟の上)

八分のチカラでまったく余裕綽々、バランスがよくて威圧感さえ必要としない圧倒的説得力。美しい「英雄」か。Wagner 管弦楽曲集〜ショルティ/シカゴ響(1977年DECCA録音の海賊盤・・・もうコレばっか!)オーケストラの輝かしい威力爆発的で、これはこれで快感があります。録音も最高。曲は違うが、1959年にライナーが同じオーケストラで録音していて、その重量感・威圧感に驚いたものだけれど、この耳当たりの良さはなんでしょうか?先日聴いたドラティ盤より完成度は高い!とは思うが、無条件礼賛判断には少々時間を掛けてから・・・といったところでしょうか。

 

【♪ KechiKechi Classics ♪】

●愉しく、とことん味わって音楽を●
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written by wabisuke hayashi