Brahms 交響曲第1番ハ短調 
(シャルル・ミュンシュ/ボストン交響楽団 1956年)


エールディスク(RCAの海賊盤)  GR-554
Brahms

交響曲第1番ハ短調 作品68

シャルル・ミュンシュ/ボストン交響楽団

エールディスク(RCAの海賊盤)  GR-554  1956年録音 中古250円で購入

 またぞろ海賊盤・・・すまぬ。シャルル・ミュンシュ/パリ管の演奏こそNo.1との世評も高いが、聴く機会を持ちません。残念。1961年のライヴは凄いよ!との噂も有〜でも高くてCDに手が伸びません。で、ひょっこり出会ったこのCD、お店から連れて帰らざるを得ない切ない心境〜250円だし〜を・・・だれも察して下さらないでしょう。全45分。絵に描いたような熱血演奏が楽しめます。こりゃ若い人向けだな、わかりやすいけど。まあまあのステレオ録音。時代を考えれば御の字ですよ。

 ま、典型的な煽り系演奏も嫌いじゃない、こんなBrahms 。気むずかしくて髭面内向的スケベ爺さん(音楽室に貼ってあった作曲家の顔のイメージ先入観)風じゃなく、堂々と女性も口説きまっせ!的若さと精力。冒頭からグイグイ推進力に溢れて、前のめりであって、アツくて爆発して・・・それがずっと、ラストまで続くわけですよ。そりゃ、心臓悪くするわな、こんな演奏ばかりしちゃ。オケのキレもよろしい。やや粒が粗いようなサウンドだけれど、このオケは充分上手い。これだけテンポが動いても、技術に破綻はありません。ティンパニがばんばん叩いても乱暴にならない。

 明るいですよね。オケがアメリカだから、というんじゃなくて、指揮者のラテン気質というか、ネアカ、なんです。辛気くささ皆無。「煽り系」と言ったって単純じゃなくて、第1楽章の「前のめり」は想像つくでしょ?でも、第2楽章「アンダンテ・ソステヌート」で、詠嘆の表情を煽るんです。これが旋律に大きな起伏を作って、深呼吸でもしているように爽快で雄大。ありがちと言えばそうだけれど。スケルツォ楽章は、楽しげに、優雅に始めて、途中から同じ旋律を何度も繰り返すでしょ?その度に加速度つけてヴォリュームも興奮も上げるわけですよ。

 終楽章。ゆっくりゆっくり、ああ良い感じだ。ほらぁ、そろそろ来るぞぉ、なんて構えていると、ちゃんと上手い具合にスピード・アップして高速道路に乗っちゃいます。あとはひたすら興奮の坩堝に身を投じて下さいね。いやほんま、絵に描いたようにピタリと決まって、体調のよろしい時に聴くと最高。青春のBrahms 、若気の至りか。雄弁な演奏だと思うが、妙にカッコ付けた貫禄、みたいなものはなくて、良くできた元気な演奏、と思います。

 どのパートにも不満はないが、例えば終楽章のホルン、そしてフルート、またホルンはココロに染みいるような主題を引き継ぐでしょ?ここで盛り上がらないのは録音の鮮度問題か?それとも、微細なるオケの音の変化、響き、ニュアンスを主眼としない演奏だからでしょうか。ラスト「喜びの歌」風弦楽器主題もシミジミ美しいとは感じませんね。おそらく次のテンポ・アップが予想できるからであって、その来るべき熱にカラダが受け身で構えているのか。

 単にわたしがもう”若くない”ということだけないのか。悔しい。(2004年5月27日) 


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written by wabisuke hayashi