Rimsky-Korsakov 「シェエラザード」
(コンスタンティン・シルヴェストリ/ボーンマス交響楽団/ジャーヴィス(v))


ROYAL CLASSICS ROY6426 このCDは処分済
Rimsky-Korsakov

交響組曲「シェエラザード」作品35

Mussorgsky

交響詩「禿山の一夜」

Borodin

交響詩「中央アジアの高原にて」

コンスタンティン・シルヴェストリ/ボーンマス交響楽団/ジェラルド・ジャーヴィス(v)

ROYAL CLASSICS ROY6426 1966年録音 中古で600円で購入


Disky Communications BX 707482 10枚組4,980円で購入したウチの一枚へ〜上記CDはダブったので、プレゼント済み。
Glinka 「ルスランとリュドミュラ」序曲/フィルハーモニア管 が追加されました。2002年再聴。

 相変わらず自分の好みがどんどん変わっていくようで、以前の文書を見るのもいやになっちゃう。なにもわかっちゃない、と思います。まず、あまり録音がよろしくない。曇りがち。でも、そこは致命的な弱点ではなくて、けっこう(いや、もの凄く)楽しめる演奏と思いました。

 これ、やっぱり演歌ですね。テンポがクサいくらい揺れて、タメがあって、鼻歌のように流して〜って、なんでもあり。この名曲のエキゾチックな旋律に焦点を当てて、もうとことん喉を回して歌ってやろう、と決意を固めた演奏です。ま、いろいろとやりかたもあろうが、これがワタシの生きる道、思い切って行きまっせぇ〜風な演奏。

 これでいいんです。けっこうホロリと来ちゃいます。オケの響きは、英国にしては異色でしょうか。肌理がザラリとしていて、シルヴェストリの個性でしょうが骨太。野太いダミ声おじさんの演歌か。岡千秋とか、ピンカラ兄弟、殿様キングスとか。それはそれなりにキマっている歌ってあるでしょ?

   「カレンダー王子の物語」における、しみじみとした歌い口。これはジャーヴィスのヴァイオリンが上品で涙モンだし、オーボエの楚々とした表現も、金管の荒々しい大爆発と対比されて聴きもの。「若きプリンスとプリンセス」の甘い旋律(弦)も、どうも表現がクサい〜クサ過ぎて、決まりすぎて、快感へと至ります。

 木管の細かいオブリガートなんか、流し気味なんですけどね。そのラフさがなんとも言えない説得力を伴う。そして、フィナーレにおける圧倒的なスピード・アップは怒濤の興奮。粗削りで、リミッターのないグイグイとした勢いは、先日感動したチェリビダッケ/シュトゥットガルト放響(1975年)とは対局にある演奏だけれど、これはこれで「いかにも」といった快感がありました。

 「禿げ山」「中央アジア」は、ここ最近(個人的に)見直しているんです。これはある意味、哲学的な作品だと。どんな演奏でも楽しめる。先入観を滅却して、西欧の洗練されたとものは一線を画した、田舎臭い旋律を純粋に楽しみましょう。そういった意味ではシルヴェストリはベストの人選なんです。

 「禿げ山」の怒濤のラッシュ、「中央アジア」における、とことんワン・パターン旋律への執着。これに感動できるようになれば「クラシック音楽通」。この2曲は音質も良好でした。「ルスラン」は、オケの響きが軽快でボーンマス響との対比が楽しめます。(2002年6月6日)


 ボーンマス管はシルヴェストリが当時主席指揮者を務めた手兵。日本でもお馴染みのジャーヴィスはコンマスで、ヴァイオリンの美しさはピカイチです。

 「この曲になにを求めるか」は難しい。リムスキー・コルサコフは「管弦楽の大家」で、効果的にオケを鳴らすことにかけては職人だったんでしょう?ロシア風にカロリー高く、いかにもクドく表現して欲しいようにも思うし、「オーケストレーションの魔術」をクールに聴かせて欲しい気もします。

 骨太な旋律の歌わせ方、叩き付けるようなリズム、演歌並みの音のツブシ、その対局にあるやさしい抑えたところの美しさ。ボーンマス響は洗練された響きではありませんが、その泥臭さがかえってこの曲の一面を強調して、面白いこと限りない。

 よく鳴るオケだと思います。各パートはそんなに上手いとは思いませんが、旋律の味わいにピタリとハマっている。(第2楽章「カレンダー王子の物語」冒頭には泣けます。続くオーボエ・ソロもチェロも絶品)つまり、これはシルヴェストリの指示。クサイ旋律を、とことんクサく演奏してくれればいうことなし。金管の荒々しい爆発と、ジャーヴィスのヴァイオリンの楚々とした歌の対比の妙。テンポのゆれもかなりあり、スケールも大きい。

 でも、美しくないなぁ。オケが全力で爆発すると著しく音が濁る。静かだと良いんですけどねぇ。もう少し時期的には後だけど、ベルグルンドとの録音ではこんなにガサツではない。最後まで聴くと少々聴き疲れしました。(ワタシも年齢か?)

 かつて学校で聴いた残りの2曲は、つまらない曲と思っていて、めったに聴くこともありません。でもね、最近メンゲルベルク/コンセルトヘボウの「中央アジア」(1941年)聴きまして、これがもう最高。なんの工夫もないような旋律だけど、けっこうジ〜ンと来ちゃうんですよ。あらためてシルヴェストリを聴くと、けっこう堪能しました。バカにしたもんじゃありません。

 もともと、ボロディンのワン・パターンの節回しは好みだったんです。この演奏は「シェエラザード」より良いかも知れない。シミジミと年の瀬を感じました。でも、「禿げ山」はストコフスキー以外は認めたくない。素晴らしくオケはよく鳴っているけれど。(この2曲なぜか音質良好)

(2000年12月30日再聴。改訂)


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written by wabisuke hayashi