●2008年5月某日
エエ本を読んだせいかよう眠れました・・・って、ほんまは4時半頃覚醒して腹筋運動+ピラティスを寝床で実行(これは毎日)したんだけれど、そのまま”至福の二度寝”へ。いつもはこれができないんです。オークション昨夜は思わぬジミな英国ものが売れて下さって有り難い。ああ、そういえば本日で(長い、長〜い)5月終了か。サイト用原稿なんとかせぬと。
昨日、短時間だけれど博多駅前BOOK・OFF訪問。ここは年に一度ほど点検するが、クラシックCDの品揃えはダメなんです。昨夜はそれなりにブツはあって、一枚購入。大ベストセラーであり、一時はクサるほど中古で出回った「2002年NEW YEAR CONCERT」〜小澤征爾/ウィーン・フィル(@250税込)・・・この価格だったら聴いてあげないと。喝采盛大だけれど、途中団員による各国語による「新年ご挨拶」に於いて、日本語が一際大きな反響あったのは日本よりの観客大動員があったことの証明でしょう。神経質に細部アンサンブルを整え、間が足りず、優雅ではない、”自然なリズム感”とも言えない。が、生真面目で一生懸命、オーケストラ・コントロールに優れて集中力があり、悪くないなと感じました。ポルカが中心で(CD一枚分収録だから、実際はいろいろ演っているんでしょ)その溌剌とした勢いは魅力だから、選曲も適切です。
新幹線中、そして帰宅して計2回聴きました。結論的には翌年(2003年)のアーノンクール盤の躍動に及ばない・・・というのはワタシの主観嗜好ですから。
Schubert ピアノ五重奏曲 イ長調「鱒」〜ナッシュ・アンサンブル((p)1987)・・・シュナーベルの太古録音は別にして、(あまりに馴染み故)CDは持っていなかったじゃないか?と金沢BOOK・OFFにて@250入手したもの。(かなり逡巡して/帰宅して確認したらBRILLIANT盤を棚中に発見)虚心に聴けば、平易な旋律と歌に溢れて楽しく、名曲に間違いはない。コントラバスの動きに注目しましょう。イアン・ブラウンのリリカルなピアノも美しい。で、このCDの眼目は次に収録される「岩の上の羊飼い」〜フェリシティ・ロット(p)/マイケル・コリンズ(cl)/イアン・ブラウン(p)・・・お気に入りの作品であり、ロットの涼やかな声質も大好きなんです。クラリネットの絡みが絶妙やなぁ。やはりSchubert の神髄は”歌”ですか?
Stravinsky バレエ音楽「火の鳥」(1910年版)/幻想的スケルツォ/幻想曲「花火」〜シャルル・デュトワ/モントリオール交響楽団(1984年)・・・先日オークションにて”ジャンク品まとめて!”落札したしたものに含まっていたもの。やや傷っぽいがほとんど問題なし。先日来、どーも著名で評価定まったものばかり聴いているようで【♪ KechiKechi Classics ♪】も堕落したか?と少々不安にならんでもない。ワタシは穏健派のバランス、”いかにも耳当たり佳し”風仕上げ丁重なデュトワ/モントリオール響という往年の名コンビを(意外と)避けていて、たったいま現在も棚中放置プレイ数枚有。師匠アンセルメ最晩年の自然体とは個性が異なるが、細部迄美しく磨き上げられたメルヘンに賛辞を惜しまないわけにはいかぬ・・・完成度。音質含め、ヴェリ・ベストか。華麗なる加齢を重ねて来た身としては、いつまでも”怪しさ”狙いでもないでしょ。
幻想的スケルツォ/幻想曲「花火」は文句なく、いままで聴いた中で最高の完成度。コンピレーションも完璧です。これで220円。
今朝、Chopin ピアノ協奏曲第1番ホ短調〜マウリツィオ・ポリーニ(p)/パウル・クレツキ/フィルハーモニア管弦楽団(1960年)・・・18歳でショパン・コンクールに優勝直後の録音であり、この後長い休養(研鑽)生活を送る直前の(誰でも知っている)もの。少々苦手系の作品故、今まで聴く機会を得ませんでした。クリスティアン・ツィマーマン(p)(1975年)をご希望により譲ってしまってから、これといって気に入った演奏もないんです。知的に組み立てられた完璧技巧の演奏!かなりクールであって、美しい完成度+雄弁に間違いはないが、若者らしい昂揚感ではない・・・ような?
フィル・アップは夜想曲第4番ヘ長調/第5番嬰へ長調/第7番嬰ハ短調/第8番変ニ長調/バラード第1番ト短調/ポロネーズ第6番変イ長調op.53「英雄」・・・これも”情”より”知や計算”が勝ったような、とても良くできた(「バラード」は決まり過ぎ)、でもなんとなく?状態なのは、ルービンシュタインの刷り込みでしょうか。
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出張続き、酒席続きだったせいか、女房より風邪をもらってしまいました。鼻水と頭痛。終日どこにも出掛けられません。おとなしく弐時間ドラマの再放送でも眺めて過ごしましょう。どんより曇り空の5月終了です。
●2008年5月某日
今朝の「音楽日誌」休止のつもりで、定例サイト更新も昨夜済ませておいたのに、超・早朝覚醒しちゃいました。耳鳴り相変わらずだけれど、体調悪くなく(毎日飽きもせず)腹筋運動繰り返しております。こらえ性なく金沢BOOK・OFFでCD4枚購入しちゃった(やや安易な選定/価格ともかく)し、昨夜帰宅したらオークション落札分3枚到着。5月はいったい何枚購入したんだ?200枚くらいか。処分は40枚くらいかな。(もっと売れてくれ!)最近出張増えて”泡銭”もあるからなぁ・・・
到着CD中にMahler 交響曲第5番 嬰ハ短調〜ブーレーズ/BBC交響楽団(1970年)含まれます。てっきりダブり買いとばかり思っていたら、ワタシが所有していたのは1968年録音だったんですね。ま、あまりよろしからぬ音質を確認したのみ。1968年盤は2005年購入当時、ずいぶんと聴いて愉しんだ記憶有。後年のDG正規録音よりずっとエエじゃないか、と思います。
昨夜、出張移動中CD拝聴ラスト、Scho"nberg 「6つの無伴奏混成合唱曲」(ロバート・クラフト/サイモン・ジョリー・シンガーズ2006年)/弦楽四重奏曲第2番(フレッド・シェリー弦楽四重奏団/ウェルチ・バビッジ(s)2005年)/弦楽のための組曲 ト調(ロバート・クラフト/20世紀クラシックス・アンサンブル2004年)・・・合唱作品はどんな難解複雑な作品が聴けるのか、と期待したが、民謡をベースとして声部を複雑に味付けして、平易で明るく、楽しいもの。誰でも好きになっちゃうんじゃないか。弦楽四重奏曲は悲劇的で妖しく、これもけっして難解ではない。最終楽章のソプラノの歌詞はどんな意味合いなんでしょうね。「組曲」も晦渋な旋律ではなく、一見シンプルだけれど、じつは演奏困難とのこと。いずれ肌にフィットする音楽也。Stravinskyも大好きだけど、(聴く機会の少なかった)Scho"nbergにも大いなる共感有。
では、行ってきます。お取引先の”現場研修”の立ち会いで博多まで日帰り。塩豆大福でも買ってくるか。
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どこをどう間違ったのか、なんと集合場所に30分遅刻。コーディネーター(スケジュール組んだだけだけれど)自ら遅れる大失態・・・(冷汗/涙)ま、トータル滞りなく、スケジュール通り終了いたしました。JR西日本の新幹線は一年ぶりで、N700系リニューアル、全席にコンセント完備、なにより「全車禁煙」が素晴らしい!大英断!賞賛!夕方帰る前、博多駅筑紫口方面居酒屋「ひかり」へ(ちょっとだけ/一昨日飲み過ぎたので)・・・”クエ(アラ)の煮付け”は”アブラボウズの煮付け”に変わっておりましたね。以前のは偽装だったのか・・・?すぐ側の博多ラーメンもマズかったな、精神的なものか。店の選定を誤ったか。
なだいなだ「不眠症諸君!」(文春文庫)・・・これは画期的な著作です。睡眠/覚醒のメカニズムは未だに明らかにされておらず、睡眠不足による健康に対する影響も科学的には証明されていない。睡眠のリズムは社会的に形成されており、それがちょっと狂うと精神的な不安があるのではないか・・・”自称・不眠症”の患者との遣り取りのなかで、次第に明らかにされる”不眠”の実態、解決法。ワタシもずいぶんと苦しんできたが、体調さえ良ければ気にしないことにしております。
Stravinsky バレエ音楽「春の祭典」「ペトルーシュカ」〜ズデニェク・コシュラー/チェコ・フィル(1989年)・・・今月2度目。指揮者もオーケストラも立派だけど、結論的にこの作品との相性が悪いのか。大好きな作品がまったく魅力的に響きません。音楽は嗜好品だし、求めて下さる人に譲るべくオークション出品するか・・・同作品をピエール・ブーレーズ/クリーヴランド管弦楽団(1991年)・・・待望の入手也。1969年録音に比べれば、全然ダメになった、との評価もあるようだけれど、より表現が自然に、そして精緻を増し、しかも音質が改善されている(大太鼓の迫力!)と感じます。彼のMahler (DG録音)だと、抜け殻のような脂っけのない表現が気になるが、こちら細部精密な技術を極めればすなわち、官能へ至る、との手応えを得ました。熱狂的リズムではないけれど、正確なノリ有。「ペトルーシュカ」の神妙なるメルヘンも魅力的(ピアノが素晴らしい/クレジットなし)。こちらはダブったから処分しないと。
Bach 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第1〜3番〜アルテュール・グリュミオー(v)(1961年)・・・最高。表現はあくまで端正、虚飾もタメも細部弾き崩しも、抜いた表現もない(むしろ)ストレート系なんだけど、そうは聞こえない理由有。驚くべき水も滴るような豊かな美音です。惚れ惚れしちゃう。「人類の罪をすべて担った」”シャコンヌ”が”悲劇”に感じない不思議。背筋をぴん!と伸ばし、居住まいを糺し、朗々と楷書で歌います。味わい系でもない、陰影狙いでもない、正攻法の、ほんまもん正真正銘の美女、みたいな演奏。音質も極上。
(ここまでで力尽きました)
●2008年5月某日
昨夜、なんとお迎え送り付でご当地幹部に接待(?)されちゃいました。こちらで払うつもりだったのに。かなり呑みましたね。ホテルに戻った記憶はあるけれど、どう眠ったかも記憶なし。歯磨きフェチのワタシだけれど磨いたかどうかもわからない。やや二日酔い、頭痛薬買わんと。これから商談一本、昼から会議。
南木佳士「臆病な医者」(朝日文庫)・・・幼くして母を亡くし、祖母に育てられ、やがて父と継母と東京に暮らすがついに馴染めない。安易な考えで医者を目指した、というのはあながち謙遜でもないらしい。鬱病で苦しんでいらっしゃるようで、全編に静謐な、日常の些事が自らの経験(人生)と照合され、ルーツをさぐりつつ語られます。エエ本やなぁ。説教臭皆無。
昨日聴いた音楽の続き。Elgar ヴァイオリン協奏曲 ロ短調/チェロ協奏曲 ホ短調〜ピンカス・ズカーマン(v)/ヤーノシュ・シュタルケル(vc)/レナード・スラットキン/セントルイス交響楽団/ロンドン・フィル・・・前者は何度か聴いて違和感が拭えなかったもの。ようはするに”Elgarにしては”艶がありすぎ、渋さが足らぬということなんでしょう。虚心に聴けば、これはこれで立派なもの、但し、ワタシの嗜好ではないということです。(このボックスには録音情報がない)
チェロ協奏曲のほうは、シュタルケルもオーケストラも抑制が効いていて”ジミで内向的”。細部の音形に至るまで(じつは)驚くべき正確な技巧の冴えがあって、ちょろ聴きには気付かない。ヴェリ・ベストか?と、問われればやはり先日聴いたデュ・プレに軍配を上げたくなっちゃうが。
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午前中の商談を終え、昼飯にかなり強烈なるにんにくが効いた焼肉定食をいただいたら体調回復、昼からの会議はかなり紛糾したが有意義なものでした。(・・・と、ここまで列車中で書いていたら気分悪くなったので中止)
板東興「心臓外科医」(岩波新書)・・・合理的であり、民主的な外科医育成システムのあるアメリカで学んだ著者の画期的著作。興味深くぐいぐいと読み進んだけれど、どうも記憶がある・・・と思ったら再読でした。こんなダブり買いだったら大歓迎の105円也。専門を極めること、謙虚であり、厳しく学び続けること、人の命を預かる医者の慎重な姿勢に感動。頭が下がります。なんとワタシと同年齢。エラい違いだ。
Beethoven 交響曲第4番 変ロ長調(1957年)/Tchaikovsky 交響曲第4番ヘ短調(1950年)〜ウィレム・ヴァン・オッテルロー/レジデンティ管弦楽団・・・先週この一枚とまったく同じ演目のアマオケ演奏会がご近所であったんだけれど、ちょっとご遠慮。苦手作品系なので。いずれバランスよく、中庸なテンポ、清涼なるクリアな響きを誇るのは(どの作品演奏でも)同じなんです。木管が朗々と美しい。金管に威圧感はなく、耳あたりはとてもよろしい。
Tchaikovsky 幻想序曲「ロメオとジュリエット」(1992年)/Mussorgsky/Ravel 組曲「展覧会の絵」(1993年)〜セルジウ・チェリビダッケ/ミュンヘン・フィル・・・「ロメ・ジュリ」がこれほどの名曲に感じるとは!ホルンがエエ音で豪快に鳴っております。遅いテンポながら、じょじょに熱気が乗っていく凄演。「展覧会の絵」は(その昔)FMエア・チェックで散々聴いた演奏です。記憶以上に遅いテンポ・・・が少々もたれます。集中力が途切れるような?そんな印象は出張疲れの聴き手の責任か。いまひとつ共感できず。
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明日早朝博多へ出発なので、先行定例サイト更新しておきます。日付先付け偽装だけれど。
●2008年5月某日
最近、早寝早起きでワリとよく眠れます。本日通常出勤〜一時間以内で宿題一気消化して金沢に出張。商談4発+会議対応。雨が降るみたいですね。
昨日出張音楽の続き。Bizet 「カルメン」組曲(7曲)/「アルルの女」組曲(5曲)〜シャルル・ミュンシュ/ニュー・フィルハーモニア管弦楽団(1967年)・・・ミュンシュ晩年、珍しい英DECCA(フェイズ4)録音(駅売海賊盤だけれど)。時代錯誤的左右不自然なる分離を強調した録音だけれど、このようなポピュラーな作品には似合っているかも知れません。演奏は熱気に溢れて溌剌!珍しい顔合わせだけれど、クリアで明るいオーケストラのサウンドと相性よろしい。
Haydn ピアノ・ソナタ第52番 変ホ長調(1995年)/Schumann 幻想曲ハ長調/アベッグ変奏曲/蝶々(1990年)〜ミヒャエル・シュトゥーダー(p)・・・Bach では「恐るべき恬淡クールな風情であって、正確な技巧」、Mozart では「ノリノリ、けっこう濃密なソロ」「細部まで描き込んでしかも神経質な印象を与えない」との印象でした。作品のテイストに相応しい表現を身につけているのか、”ノリノリ、濃密”系の演奏となります。Haydnのソナタは名曲(懐かしい旋律)であるとの手応えますます有。Schumannは最近、イエルク・デムスの「とつとつとした”味わい系”であり、華やかさには欠ける」演奏ばかり聴いていたので、浪漫の色濃い、かなり線の太い演奏の説得力は相当なもの。甘美な旋律は確信を以て、楷書の太字、芯のある深い音色で表現されました。
今朝、Vaughan Williams 交響曲第3番(田園交響曲)/第4番ヘ短調〜ヴァーノン・ハンドリー/ロイヤル・リヴァプール・フィル(1991年)・・・彼(か)の交響曲全集は計4種棚中に存在する(他一枚物少々)が、最近聴くのはハンドリーばかり。この人に掛かると音楽が分かりやすくなるんです。淡彩静謐なる「田園交響曲」はもちろん、かなり激しい曲調の第4番も響きが混沌に陥らない。ヒステリックにならない。ロイヤル・リヴァプール・フィルって、実際のところどんな感じなんでしょう。ワタシは英国音楽、英国団体が好きで購入機会も多いが、アンサンブルの精緻さ、迫力と清涼な響きに於いて期待を裏切られたことはありません。
さて、出張準備をして出掛けなくっちゃ。
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在金沢ホテル。(御当地幹部より)夜のお誘いのお迎えを待っているところ。今朝一番の作業、辛くも乗り切って車中の人に〜商談3本、エエ感じでしたね。明日も商談+会議対応(主催)。
移動中の音楽。R.Strauss 「薔薇の騎士」より管弦楽組曲/「サロメ」より"7つのヴェールの踊り"〜ゲンナジ・ロジェストヴェンスキー/モスクワ・フィル(1966年ライヴ)/「ブルレスケ 」リヒテル(p)/ロジェストヴェンスキー/ソヴィエット国立交響楽団(1961年)/「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」 〜ダヴィッド・オイストラフ/ソヴィエット国立交響楽団(1966年)・・・昨日の続き。YedangClassicsらしい”寄せ集め”だけれど、いずれも聴き応え充分。音質はモノラルながら意外と聴きやすいもの。ロジェストヴェンスキーは濃厚で彩り鮮やかな(と、いうより極色彩)表現で、たっぷり愉しめます。
リヒテルが強烈!強靭に叩き付けるようなタッチが壮絶であって、この技巧のキレは並じゃない。Lisztを思い出しました。自然体で粛々・・・なんてふだん求めているけど、この迫力にぐうの音も出ない。脱帽。指揮者・オイストラフはあまり好んで聴くことはないけれど、この「ティル」は鮮やかなる推進力に溢れたもの。
Gershwin 「ラプソディ・イン・ブルー」「パリのアメリカ人」〜アンドレ・プレヴィン(p)/ロンドン交響楽団(1971年)・・・久々の再聴。最高です。ジェルヴァース・ド・ペイエの冒頭クラリネットから細部ニュアンスのこもった、繊細ノリノリの演奏です。プレヴィンの演奏はどれもエエなぁ。
●2008年5月某日
これより一時間早く三重県下のメーカーに出立。とくにどーの、といった課題ではなくお付き合いなんです。近鉄に乗るのは久々で、ちょっと切符買うのが不安〜ほんまは直帰したいんだけれど(鶴橋で焼き肉でも)・・・明日の朝小一時間でクリアできるほどの残務となるか?いえいえ、事務所に戻りましょうね、サボらず。
昨夜もちょっとずつ音楽愉しみました。Enescu 管弦楽組曲第1番ハ長調 作品9〜クリスティアン・マンデール/”ジョルジュ・エネスコ”ブカレスト・フィル・・・3月に入手した4枚分(@340ほど)より。前奏曲は響きが薄くやや印象薄かったが、続くメヌエット、間奏曲、そしてフィナーレ、いずれも極上の静謐な旋律いっぱいの魅力溢れます。初期の作品はこんな床しい浪漫に溢れているんですね。ルーマニア勢の演奏も、ジミながら誠実に整ったもの。音質も良好。
R.Strauss 「薔薇の騎士」より管弦楽組曲〜ゲンナジ・ロジェストヴェンスキー/モスクワ・フィル(1966年ライヴ)・・・音質どんより、アンサンブルもやや粗いが、雰囲気と起伏豊かであり、ヴィヴラートたっぷりのホルンが堪能できる珍しい録音也。残り、リヒテル(p)の「ブルレスケ」(1961年)とかオイストラフの「ティル」(1966年)などが収録されるが、昨夜は聴いておりません。
MARTUCCI ヴァイオリン・ソナタ ト短調 作品22〜ロドルフォ・ボヌッチ(v)/バッチェリ(p)(1988年)・・・今月金沢BOOK・OFFにて@250入手したもの。明るくかりっと歯切れの良いヴァイオリンが、しっとり愛らしい、夢見るような旋律を奏でます。世の中にはまだまだ美しい作品が隠れているな、感極まりました。
オークション、CD一枚は確信的に、3枚セットは試しに〜と入札したら最低価格で落札出来。う〜む、未踏峰「ミチョランマ」状態悪化。”CD総量抑制計画”は完全に破綻しているのだけれど、処分のほうが動き鈍いんです。
では行ってきます。
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十数年ぶりの近鉄でした。お仕事じゃないと一生行かないだろうなぁ、鶴橋は乗り換えただけだったが、ゆっくり街の様子を楽しみたいもの。夕方には職場に戻って残務意欲的に消化、ヴェテラン・チーム・メンバーはいろいろご不満のようでブツクサ。聞き流して自分の作業に没頭、明日出発まで短時間での消化見切ってさっさと帰宅へ〜じつはあまり体調よろしくない。頭痛と(珍しく)胃腸の調子が・・・風邪かな?明日は(間違いなく)金沢で酒席なので、少々心配です。
移動時間は快適でしたよ。音楽もしっかり聴けました。Elgar オルガン・ソナタ第1番ト長調(ジェイコブ編)/「こどもの魔法の杖」組曲第1番/第2番〜ヴァーノン・ハンドリー/ロイヤル・リヴァプール・フィル(1988年)・・・30枚組も徐々にマニアックな選曲になってきて、演奏もハンドリー登場とは嬉しい。この人は英国音楽を数多く録音していて、いずれ聴いたものに外れがありません。実力派だけれど、ポストに恵まれないのはあまりに練習が厳しくて、団員に人気がないとか?ほんまでしょうか。アンサンブルの集中力、オーケストラの鳴りっぷり迫力にも不満なし。
Bach フルート、ヴァイオリンとピアノのための協奏曲イ短調BWV1044/3台のピアノのための協奏曲ニ短調BWV1063/ハ長調BWV1064〜アンドラーシュ・シフ/ピーター・ゼルキン/ブルーノ・カニーノ(p)/オーレル・ニコレ(fl)/塩川悠子(v)/カメラータ・ベルン(1993年)・・・現代楽器によるBach にも違和感はまったくなくて、生真面目で飾りのない演奏が繰り広げられます。でもね、味わいちゃんとあります。これもBach 。ソロでは塩川悠子さんのヴァイオリンが絶品の典雅な響き。3台の協奏曲ハ長調BWV1064はワタシの大のお気に入り・・・
(残りは明日に)
●2008年5月某日
本日、明日夕方以降の残務一気処理を除けば、ほとんど西東あちこち出張ウィークリィに突入。移動時間たっぷりなので読書、音楽も選定しておかなくっちゃ。昨夜、オークションは一件落札有、ほかも入札ちょろっとあるが、露西亜もの苦戦は相変わらず状態也。昨夜、女子バレーはセルビアに逆転されて残念無念。
SCH"ONBerg セレナード 作品24(20世紀クラシックス・アンサンブル1994年)/管弦楽のための変奏曲 作品31/フーガ 変ホ長調 BWV552「聖アン」/「装いせよ、わが魂よ」BWV654/Bach コラール前奏曲「来たれ創り主、聖霊なる神よ」BWV631〜ロバート・クラフト/フィルハーモニア管弦楽団(1998年)・・・HMVの宣伝で見掛けたときに興味を持ったものだけれど、7枚分ほぼ定価の半額で入手成。「セレナード」はマールボロ音楽祭のメンバーによる演奏(1966年)で聴き知った作品であって、難解な旋律(12音技法の走り)がギターなど「窓辺の音楽」的楽器によって奏でられる超・硬派な作品。こうしてみると30年の隔たりは大きいですね。こちら正確、クール冷酷に、ハードな音楽はハードなままに表現しております。マールボロのメンバーのほうが”暖かい””わかりやすい”感じ。後半はフィルハーモニア管弦楽団の(これまた)正確で練り上げられたアンサンブルが洗練されて、どきどきする魅力に溢れました。(ジャケットの絵が美しい)
Brahms クラリネット五重奏曲ハ短調〜ヨースト・ミヒャエルス(cl)/エンドレス弦楽四重奏団(ミュンヘン)・・・鮮明な音質だし、クラリネットが雄弁かつ表情が千変万化して、更にバックの弦の繊細なこと!とは3年程前のコメント検索結果也。VOX録音なんだけど、例外的に音の状態がよろしくて、 ヨースト・ミヒャエルスはデトモルト音楽大学の教授(現役がどうか不明)だそうで、知名度ともかくこんな名人がいらっしゃるんですね。静かな夜の音楽にぴったり。
Ravel 「道化師朝の庭」「クープランの墓」「高雅で感傷的なワルツ」「ボレロ」〜ベルナルト・ハイティンク/ボストン交響楽団(1996年)・・・先日来数回聴いているもの。ようやく優秀録音、細部丁寧な描き込みとオーケストラの上手さ、キレを実感できました。しかし、きっちり神経質真面目に表現し過ぎるあまり、時々旋律表現がヤボに聞こえるのはたしか。リズム感の洗練問題か。でも、嫌いじゃないですよ。個性と価値観の問題です。
Stravinsky バレエ音楽「ペトルーシュカ」(1911年版)〜シャルル・デュトワ/モントリオール交響楽団(1986年)・・・真面目に再聴。効果的な録音ですね。ロンドン交響楽団との旧録音(1976年)も自然体のしっとりとした音質なんだけど、英DECCAの効果的で華やかなサウンドはいっそう作品に似合っていると思います。今回比較対照をしていないのでなんとも言い難いが、軽快、粋で、夢見るような華やかな響きを実現してモダーンです。洗練されたメルヘンであり、師匠筋のアンセルメとか、大先輩モントゥーよりアンサンブルの精査に優れております。モントリオール交響楽団の実力はほんものでしょう。
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本日は”上司のいない月曜”〜会議も中止でお仕事一気にいろいろ進みました。これで明日早朝出張より夕方職場戻ってフォロー程度で済むでしょう。ほんまに暑い春でした。
岩波明「狂気という隣人〜精神科医の現場報告」(新潮文庫)・・・衝撃の一冊。題名から連想されるほど語り口はセンセーショナルではなく、しかし”事実”が衝撃なんでしょう。鬱病が(ある意味)ありふれた病気として認知されるに至った(日本先進国中もっとも自殺が多いそうだけれど、その原因はかなりの比率で鬱病らしい)が、また統合失調症といかに社会的に対峙していくか、という点で、まだ「隠す」ことが一般的だと思います。犯罪を繰り返す患者の存在。その対応の実践報告となります。結局、「座敷牢」の発想からあまり変わっていないんじゃないか?解決策は簡単には見えず、これは重苦しい”現場報告”であります。
通勤音楽はStravinsky ヴァイオリン協奏曲(ジェニファー・フラウチ(v)2006年)/カンタータ「星の王」(グレッグ・スミス・シンガーズ/聖ルカ管弦楽団1992年)/管楽器のためのサンフォニー(20世紀クラシックス・アンサンブル2001年)/バレエ音楽「春の祭典」(1967年版フィルハーモニア管弦楽団2007年)〜ロバート・クラフト指揮の一枚。これはまったく凄い集中力。ジェニファー・フラウチは亜米利加の別嬪はんだけれど、濃厚かつ正確な技巧、神経質な細さはなくて、クールな情熱+骨太さを感じさせるもの。いままで聴いたなかでは最高じゃないか、と。「星の王」はこのCDにて初耳作品だけれど、グレッグ・スミス・シンガーズが驚異のアンサンブルと集中力を誇って圧倒されました。「サンフォニー」は最近聴いているなぁ・・・誰のだったっけ?
「春の祭典」は再録音であって、1997年録音のロンドン交響楽団(1947年版)盤には、いまいち”味”が足りない・・・との感触あった(再聴して確認しなければ!)が、こちらいっそうの洗練と集中力を加えて、充分満足いたしました。「版」の違いはシロウトにはまったくわかりまへんが!
●2008年5月某日
昨夜、法事から戻った女房が料理はいやだ、とのことでご近所寿司屋へ。美しく春らしい料理をいただき、ちょっと酔った勢いで更に帰り道の「養老の滝」へ(赤ワインいただきました/安かったなぁ)。雨模様のせいか、どこも空いておりました。酒席続いたせいか、酒に弱くなったせいか、帰宅してフロも入らず9時過ぎには就寝〜音楽ちょっと聴いていたんだけれど、目を開けていられない・・・女子バレーも見ていない。今朝、早朝に入浴し、体調は悪くないが、耳鳴りは日々酷くなるばかり。
ここ最近オークションの人気急激ダウン・・・なのは何故か?ちっとも入札がありません。音楽ファンも懐具合が寂しいのか。
Scarlattiのソナタ集(ピーター・ヤン・ベルダー(cem))は3枚目(K.31〜48/1997年)に入っているが、どれも耳当たりがよろしく聴き続けるのが苦痛になりません。この楽器の実物はなんどか拝聴しているが、とても音量が小さく、現代楽器のアンサンブル中ではほとんど埋もれちゃうんですよね。ナマでソロを聴くのなら、小さいホールだろうなぁ。音量やニュアンスの変化を付けにくいそうで、それを微妙なリズムの揺れで表現するのがキモ(奏法)らしい。「そこが鬱陶しい」といったネット上のコメントも拝見したが、ワタシは充分堪能して愉しんでおります。
サイト原稿絡み(比較)で取り出した、Mozart ピアノ協奏曲第27番 変ロ長調K.595〜アンネローゼ・シュミット(p)/マズア/ドレスデン・フィル(1970〜77年)・・・久々拝聴。2000年に2,700円(税込)にて全集購入、とのレシート残っておりました。現在もスリム仕様となって現役。ここ最近古楽器で素朴粗野スマートな演奏ばかり聴いていたけれど、こちらしっとり瑞々しい浪漫の風情溢れて素敵、ちょっと陶然としちゃいました。名曲は様々なスタイルで愉しめますね。
Chopin 前奏曲集 作品28〜マルタ・アルゲリッチ(p)(1977年)・・・もちろん現役、名盤中の名盤だけれど、ワタシは1990年頃「駅売海賊盤」で購入しておりました。正直(以前は)世評高いアルゲリッチもポリーニもChopin は苦手、ワタシゃルービンシュタイン一本ですよ、的感想だったもの。現在の耳で聴けば、躍動感溢れて元気で若々しいタッチは魅力一杯です。Chopin そのものに少々苦手意識もあって、もうちょっと聴き込まないと、せっかくのニキタ・マガロフ全集も棚中で寂しく泣いております。
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ウチの真ん前はうどん屋であって、けっこう流行っているんだけれど、女房とちょっと遠出してしてきました。門真市の「饂飩倉」〜大昔、独身時代ご近所に住んでいたんです。リンク先の評価は様々だけれど、甘いダシ、巨大などんぶり、少々お高い値段含め昔通り・・・贅沢堪能いたしました。
また忘れておりました、昨日聴いた音楽。知られざるスペイン・バロック ANTONIO DE LITERES(アントニオ・デ・リテレス1673〜1747年)Seguidillas/Los Elementos/El estrago en la fineza o Jupiter y Semele
作者不詳 Ruede la Vola/Discurso de ecos/Cancion Franzesa/Diferencias sobre la gayta
SEBASTIAN DURON(セバスチャン・ドゥローン)Veneno es de amor la envidia/El impossible mayor en amor le venze Amor
〜エドゥアルト・ロペス・バンゾ(cem)/アル・アイレ・エスパニョール(1994年)・・・作曲者の名前も、もちろん音楽も初耳の古楽器によるバロック。いわゆる(素人考えだけれど)フラメンコ風のリズム、カスタネットも入って楽しいもんですよ。粗野なオーボエ先頭に古楽器の技量も優れていて、生き生きとしたアツい演奏が続きました。(50枚組オトナ買いの余録です)
●2008年5月某日
一ヶ月が長いなぁ、未だ一週間もある。本日も休み・・・ここのところずっと土曜は出ておりません。週末休みを愉しみましょう。まずは床屋だな。そろそろ降りそうだけれど。
毎日飽きもせず「音楽日誌」更新しているが、ここ数年急激に衰えた「短期記憶」(意味がちゃうか)のせいか、”ちょろ聴き”音楽を失念します。ま、「長期記憶」のほうも怪しくて、久々棚から取り出したCDをネットで検索したら、自らのサイトが登場することも再々〜驚くこともしばしば。ムリヤリ思い出して、いくつかコメントしておきましょう。
Bartok 管弦楽のための協奏曲〜ダニエレ・ガッティ/ロイヤル・フィル(1997年)・・・1961年生まれの新鋭で、現在ではメジャーオーケストラの常連(バイロイトにも登場)のはず。発売時話題にもなっていたと記憶するが、ちょうど驚異のフリッツ・ライナー盤を再聴していた時期に重なって、いかにも分が悪い。もっと現役世代を聴いてあげなくっちゃいけいないな、とは思いつつ、ま、パワーと経験がちゃいます。時を改めて対峙させていただきましょう。
Bach /Scho"nberg編 コラール前奏曲「来たれ創り主、聖霊なる神よ」BWV631/「装いせよ、わが魂よ」BWV654/フーガ 変ホ長調 BWV552「聖アン」〜エド・デ・ワールト/シドニー交響楽団(1994年)・・・リンク先の著者は何故か?1995年から2004年までのデ・ワールト在任に言及しておりません。これはずいぶんと以前、FMで聴いてお気に入りとなって(誰の演奏だったか失念)いた作品です。これもまったくの聴き流しで、純粋に聴き手責任(集中力欠如)で印象なし。ロバート・クラフト/フィルハーモニア管弦楽団のCD(1998年)が届くから、との自覚で棚中から取り出したがあきまへんな。
Stravinsky バレエ音楽「ペトルーシュカ」(1911年版)〜シャルル・デュトワ/モントリオール交響楽団(1986年)・・・ロンドン交響楽団との旧録音(1976年)をとても気に入っていたので、それとの比較を楽しみにしていたもの。これも、ぼんやりしていて記憶なし。深く反省。仕切直しへ。
先日入手のマルセル・メイエ(p)の2枚目、Chabrier「ロマンティックなワルツ」(これはPoulencとの共演)/Stravinsky 「ペトルーシュカからの三章」/ラグタイム/セレナード/ピアノ・ラグ・ミュージック/ソナタ(1949/55年)・・・これは最高!作品も大好きだし、粋で色気がある。「ペトルーシュカ」はピアノ版のほうがお気に入りで、超絶技巧を要求されるし、事実メイエの技量になんの疑問もないけれど、それ以上に「粋で色気」を感じさせるんです。Chabrierは”粋そのもの”のような作品ですから。これは”当たり”だったなぁ。最高。
今朝、Debussy 「イベリア」「牧神の午後への前奏曲」「夜想曲」〜ジャン・フルネ/オランダ放送フィル(1973年)・・・これは数年前入手であり、オーケストラの響きに深みが感じられなくて、ちょろ聴きして棚中に眠っていたもの。この度の印象は、オーケストラに不満は感じないけれど、聴き手の集中力が続きません。
そんなこんなでサイト更新用原稿執筆に苦戦しております。
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北海道の両親は健在で、毎年12月には母親がやってまいります。北海道人にとって”雪のない冬”は夢なんです。こちらの人にとって、信じられないほどカラっと爽やかな梅雨時(ワタシはこどもの頃「梅雨」という言葉そのものを知らなかった)、日陰が涼しい夏休み、みたいなものか。その要望で買い物(現物より送付料の方が高くつく!)、床屋にも行きました。
”ちょろ聴き”まだ思い出しました。Bach 無伴奏チェロ組曲〜鈴木秀美(vc)・・・1995年の旧録音先日聴き残した分全部。第3番ハ長調BWV1009は快速です。正確な技巧、柔軟なるリズム、美しい音色(あながち素朴ともいえない)を誇って、かつての”眉間に皺”系謹厳なる表現とはずいぶんと異なります。躍動する舞曲としてのBach 。エエですね。
●2008年5月某日
最近早寝早起きが続いて、睡眠不如意状態より、ずっとよろしい。本日で今月ワン・クールのお仕事ケリ付けましょう。来週末に博多日帰り予定があって、旧知の友人と終電まで呑もうと思ったら、昨夜電話があって急遽東京出張が入ったとのこと。残念。なんとか定例サイト更新(原稿在庫払底)。オークション出品は、本日最終締め切り迎えるものがあって、どーしても一枚売れ残りそうです。ギレリスってそんなに人気ないのか。相変わらず英国ものも不人気ですな。
昨夜、Sibelius 交響詩集「クッレルヴォ」作品7〜パーヴォ・ベルグルンド/ボーンマス交響楽団/コスティア(s)/ヴィータネン(br)/ヘルシンキ大学男声合唱団(1970年)・・・この作品最初の録音であり、待望の入手(わざわざボックスを入手し直したのは、この理由も有)だったもの。大好きSibelius 作品中、やや全貌が掴めない?印象を拭えず。ヨルマ・プヌーラ盤(1996年)、ネーメ・ヤルヴィ盤(1985年)いずれも世評高いものを経、ようやく”見えてきた”感じです。ベルグルンドの表現は雄渾であり、スケール大きくメリハリがあり、なにより”わかりやすい”。音質も良好。全曲70分に及ぶ大曲だけれど、(後年の作風より)ちょっと硬派で劇的な「交響詩」(時々声楽が入るのも色付けが楽しい)連続して、各々楽しめます。筋がやや晦渋陰惨だけれど、そんなことは気にしなくても、旋律サウンドだけで充分感じ取れるアツいものがありました。
Scarlatti ソナタ全集(36枚)〜ピーター・ヤン・ベルダー(cem)は昨夜も聴いているが、コメントのしようがない。
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本日も早々の帰宅。女房法事で不在。当面の宿題はモウレツな勢いで消化済み。データ生成の関係であとは月曜の一気作業となります。その後は(移動時間ともかく)怒濤の出張ウィーク也。帰宅したらScho"nberg7枚分(ロバート・クラフト)届いておりました。総経費込3,350円ほどだから(【♪ KechiKechi Classics ♪】 相場では)そう安くない〜が、NAXOSは最近値上がりしておりますから。到着を楽しみにしていたものだけれど、最近CD溜(貯)まってますからねぇ、少々悩ましい。
オークションワン・クール終了して、とうとう一枚のみ売れ残り・・・Beethoven ピアノ・ソナタ第12/16番〜エミール・ギレリス(1976年)〜人気ねぇなぁ。どーしてかね。少し間を空けて再出品しましょう。
通勤音楽は、Mahler 交響曲第8番 変ホ長調〜ネーメ・ヤルヴィ/エーテボリ交響楽団/エーテボリ歌劇場管弦楽団/合唱団/王立ストックホルム・フィルハーモニー合唱団/エストニア少年合唱団/ブルンシボ少年合唱団/グスタフソン(s)ヘガンダー(s)サンドグレン(s)テンスタム(a)ギェファンム(a)ルーホウネン(t)パーソン(br)ティリ(b) (1994年ライヴ)・・・こんな華々しい音楽をすっきりした気持ちで聴取できるのも、心身共に前向きな証拠か。素晴らしい臨場感溢れる音質。緻密精密なアンサンブル、集中力ある声楽、大柄な作品を大味に仕上げない、細部迄クリアなサウンドを作り上げるヤルヴィの実力。
●2008年5月某日
昨夜は、尼崎大黒にて、職場有志による「予算大幅達成祝勝会」+東京本丸へ異動していく若手の(第1回)お別れ会。楽しく、おいしく、元気に、たくさん呑み、喰いました。いつもは9時過ぎには(酒席辞去して)帰るんだけれど、昨夜はラストオーダーまで。たまにはエエでしょう。本日明日と所定の資料完成見込み立ちました。お仕事絡みで一件難物発生(組織的対応問題にて)、オークション送付にて(これはワタシのミス)で送付トラブル発生させました。結果的に無事届いたんだけれど、緩衝材有要望を(他のものと混同して)簡易包装で送ってしまいました。深くお詫び。相変わらず入札反応は鈍いな。
届きましたCD計弐萬円分(ポイント2,500円値引済)。数日前ポイント活用衝動買いのツケ。素敵な音楽にはなんの罪もないが、やや憂鬱と後悔有。DOMENICO Scarlatti ソナタ全集(36枚)〜ピーター・ヤン・ベルダー(cem)(1997-2003年)は、バラ売りでボチボチ出ていた時から欲しかったんです。やがて全集が格安スリムで出るだろう、と予測して購入控えていたもの。1980年代、FM「朝のバロック」にて延々カセット20本分エア・チェックして愛聴していたけれど、21世紀には処分済。ちょうどスコット・ロス全集が出た頃か。ロスを中心に様々なピアニストによる演奏が連日放送されたものです。待望の入手なんだけど、いかにも時期が悪い「未踏峰ミチョランマ」状態也。ちゃんと聴けるかヒジョーにビミョー。
今朝、K(カークパトリック番号)1〜17番(1997年)拝聴。さっそく聴き知った躍動旋律いくつも出てきますね。演奏云々にコメントはムリだなぁ、ワタシゃ(楽器スタイル問わず)ほんま名演奏ばかり聴いてきたんです。だからScarlattiは(良い意味で)”こんなもんだろう”と。Haydn交響曲全集と並ぶ大物ですなぁ、全部聴くのに何年掛かるんだろう。
(昨日通勤音楽に言及する時間なくなりました)
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お仕事は溜まっているんだけれど、そこそに消化して、あちこちフォローにも入って、残ったお仕事の消化計画が立ったので定時に職場出。つまりやる気が出ないのと、切羽詰まっていないということですな。明日で宿題きっちり仕上げます。
通勤音楽は(再び)Elgar ヴァイオリン・ソナタ ホ短調〜ヒュー・ビーン(v)/パークハウス(v)(1971年)・・・ミスター・ビーンは美音でも濃厚な表現でもないけれど、Elgarの神髄をつかんでいるようで、ほの暗い旋律に説得力が深い。続いてヴァイオリン協奏曲ロ短調〜チャールズ・グローヴス/ロイヤル・リヴァプール・フィル(1972年)・・・物静かな詠嘆は、激昂したり叫んじゃいけない作品也。粛々と起伏の少ない旋律は淡彩で静謐で、ワタシは大好きです。お気に入りはドン=スク・カン(v)であり、時にちょっとかすれたような音色も決まっていたけれど、ビーン/グローヴス盤はいっそう地味で、しかし滋味溢れ、くすんだ世界が広がりました・・・(好き嫌いは別れそうだ)
昨日の通勤音楽。Bach 前奏曲とフーガ ハ長調BWV531/ニ長調BWV532/ホ短調BWV533/ヘ短調BWV534/ト短調BWV535/イ長調BWV536/ト長調BWV541/イ短調BWV543〜ヘルムート・ヴァルヒャ(or)(1952/1950年)・・・旧録音は当然モノラルだけれど、ややノイジーながら残響豊かな雰囲気を誇りました。作品演奏とも厳しい精神性を誇って、魂を揺さぶられるような圧巻の感動に充たされました。
●2008年5月某日
本日はいろいろ、あちこちから”ブツ”が到着予定。三度目の小夏ともかく、勢い余って購入したCDが問題・・・閑話休題(それはさておき)お仕事にちゃんと集中しなくては。ぼんやりしていて、自分が立てた宿題をいろいろと失念しておりました。昨夜も早寝、早起き。女子バレーのシリーズ始まって、ここ数年ほぼ唯一楽しめるスポーツ観戦です。高橋みゆきは髪染めないほうがエエな。元気一杯いただきました!
昨夜、Debussy 前奏曲集第2巻〜アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ(p)(1988年)・・・完璧。漆黒の艶に輝くピアノ、当時68歳衰えない精緻な技巧、明快なリズムと旋律表現、クリアな音質。中学生の時に聴いたリヒテル盤(CDになっていない?)には歯が立たず、社会人になってFMで聴いたときには仰け反りました。怪しげライヴ(1982年シュトゥットガルト)も良かったが、こちらなんせ正規セッション録音(DG)ですから。しばし陶然としました。
今朝、Chopin スケルツォ第1番ロ短調 作品20〜ミケランジェリ(p)(1990年ライヴ)・・・件(くだん)の”怪しげライヴ”より。彼の演奏はほとんどがお気に入りなんだけど、Chopin のみ肌合いに合わないような・・・でも、世評は(ネット検索すると/知らなかったが)高いんですね。劇的で大柄で、やはり音質問題か?未だ答えは出せない感じ。
Elgar30枚組は遅々として消化進まないが、7枚目チャールズ・グローヴス/ロイヤル・リヴァプール・フィルによる管弦楽作品集(1969/70年)に至っております。ウィリアム・ボートン3枚組に含まれない「セヴァーン川組曲」/「印度の王冠」組曲/戴冠式行進曲(他収録は「こども部屋」組曲)含む。この巨大ボックス(大きさはそうでもないが)を購入したひとつの眼目であって、しっとり穏健派ジミな旋律、演奏を堪能いたしました。
●2008年5月某日
昨夜、HMV通販のポイントが貯まっており、しかも既にいくつか使わず消失し、更に明日付けでかなりの金額消失することに(偶然)気付きました。前回購入時に使えば良かったんだけれど・・・意地で注文!数日後到着するであろう大枚ボックスにはなんの罪もないが、未踏峰「ミチョランマ」状態のワタシには後悔の嵐が・・・金額も相当だけれど、夜のお姉さんに貢ぐ癖(へき)あるわけでもなし、パチンコ、煙草、競馬競輪競艇、夢蔵宝くじ/LOTOにも一切縁がないから・・・というのは自分への空しい言い訳也。低迷する日本経済に些細なる貢献をしてしまいました。泡銭(あぶくぜに=バブル・マネー)収入も(ちょっとだけ)あったし、そういうのはキレイさっぱり存在を消すべき(=人生の楽しみのため!)なんでしょう。
昨夜、Chopin アンダンテ・スピアナートと華麗なるポロネーズ 作品22(1990年)/「ドン・ジョヴァンニ」の主題による変奏曲 作品2(1984年)〜ヴィクトリア・ポストニコーヴァ(p)/ロジェストヴェンスキー/ソヴィエット国立文化省交響楽団・・・いずれもライヴ拝聴〜できずに、ヴィルティオーゾ型のピアニスト(Liszt辺りが似合うのか)、骨太粗野系のロジェストヴェンスキーの個性にも似合わず、少々大味の演奏にがっかり・・・何度も聴いていたんだけれど、オークションに出品することにしました。「アン・スピ」管弦楽伴奏版は意外と少ないし、なんとか売れてくれんか。
この作品は「伴奏なし」で充分、というか、ルービンシュタインの演奏が極上なんです。その刷り込みあります。(駅売海賊盤で恥ずかしいが)
Schubert 即興曲集(全曲)〜マルティン・ファン・デン・フック(p)(2000年)・・・この作品はお気に入りだけれど、ずいぶんと聴いていなかったような?BRILLIANTのボックスものは(随分と安かったので/最近値上がり気味)ここ数年ずいぶんと購入し、いくつか処分済み。ピアノ作品集11枚組は寄せ集め演奏家だけれど、どれもけっこう愉しめます。このピアニストもようワカランがオランダ・ロッテルダムでの録音。流麗な技巧、素直な表現を誇って、名曲を堪能するのになんらの問題もなし。歴史的録音は数種棚中に存在する記憶あるけれど、時にひっそり名曲を愉しむにはこれで充分じゃないか・・・(CD収集初期に揃えた)イェネ・ヤンドー盤(NAXOS)は既に処分済みのようでした。(記憶なし)
●2008年5月某日
昨日は伊丹まで出掛けて下着などを購入後、注目すべき演目のアマオケ・コンサートに出掛けました。(←別項コメント番外編だけれど、開始前のサロンコンサート/チェロ・アンサンブル中、お隣のおじさんおばさん〜金持ち風/話題も高級マンション購入の件〜おしゃべり詰めで閉口しました)伊丹って、素敵なところですね。行きはJR経由だったので、帰りは阪急にて武庫之荘まで戻り、スーパーにて赤ワイン+旨いもん購入して帰宅、小一時間くらいで調理。手間さえ惜しまなければ外食よりずっと安いし、味にもそう間違いはない。オークションはついに”売れ残り”ばかりに。あと一週間、引き取り手は現れるでしょうか。@300の良心価格なんだけど、値段だけではない判断基準があるのだな、きっと。
昨夜。Beethoven 交響曲第9番ニ短調〜ユージン・オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団/モルモン・タバナクル合唱団/アマーラ(s)/チョーカシアン(con)/アレクサンダー(t)/マカーディ(b)(1964年)・・・30年ぶり以上の邂逅也。第1楽章、ざっくりとして厚みのあるサウンドは記憶通りだけれど、繊細さに欠けるような気が・・・失敗だったかな?想い出だけのための購入は、と、一瞬思ったが、明るく躍動する第2楽章、豊満で悠々とした第3楽章と進むにつれ、嗚呼これだな、少年の胸を震わせた演奏は〜納得。陰影とか凄み、揺れ動く浪漫みたいなものとは無縁、鳴り響く充実したネアカ・サウンド。終楽章はやや急いたテンポで貫禄に不足するが、祝祭的な(というより目出度い!)雰囲気横溢して、巨匠然としない日常親しい”合唱”也。異様に明るい声楽陣も熱演です。
原点ですから。愉しむべき音楽に、いろいろ屁理屈付けすぎている今日この頃であります。@380円の再会に感謝(女房がぱるるで振り込んでくれたら手数料無料であった/盤質ケースも良好/もう一枚の「運命」「田園」はケース汚れ有しかも総経費込700円也)。
Sibelius 「フィンランディア」「トゥオネラの白鳥」「悲しきワルツ」「タピオラ」〜ヘルベルト・カラヤン/ベルリン・フィル(1984年)・・・先日”まとめてジャンク26枚!”オークション落札(既存所有ダブり無事処分済)した中に含まれていたもの(盤面ちょっと傷有/聴取に問題なし)。ここ数年カラヤンのSibelius は苦手方面(雰囲気あり過ぎ、ノーコー過ぎ?)なんだけど、意外と重苦しさはなくて、(それこそ)雰囲気たっぷり〜「タピオラ」の”つぶやき戦術”は馴染みの作品が、別種の雄弁なる幻想曲に変貌しました。オーケストラは上手いですね。
では、一週間乗り切りましょう。今週は宿題少ないハズなんだけど・・・
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自分なりに大きな区切りにしている月次の会議終了しました。あとは今週数日で提案書清書のみ、来週商談の準備。余裕です。日常通常作業がほとんど苦痛にならぬ水準に至ったので、ラクラク。先読みしたお仕事が出来るようになるなんて・・・半年前から考えたら夢のようだ。早々に職場を出て帰宅しました。なんせサイト更新がピンチなので。
本日通勤音楽。R.Strauss 「薔薇の騎士」第3幕のワルツ〜カール・ベーム/ベルリン・フィル(1963年)/「死と変容」〜クラウディオ・アバド/ロンドン交響楽団(1982年)/ホルン協奏曲第2番 変ホ長調〜ノルベルト・ハウプトマン(hr)/カラヤン/ベルリン・フィル(1973年)/「四つの最後の歌」〜アンナ・トモワ・シントウ(s)/カラヤン/ベルリン・フィル(1985年)・・・収録盛り沢山の「BASICシリーズ」の2枚目。カラヤンを除くとビミョーにマイナーな音源(寄せ)集めて、興味深いものですな。やや生真面目でしっかり細部まで描き込んだ「薔薇の騎士」ワルツ。アバドがもっとも精気に満ちてて、勢いあるロンドン響時代の「死と変容」(ベルリン・フィルと比べると、やや響きが薄いというか素直で個性が違う)、これ以上ない!というくらいスムースで美しいホルンを堪能できるハウプトマン、カラヤンの練り上げられた甘美なアンサンブルが堪能できる(もちろんシントウも立派な歌唱だけれど)「最後の歌」。
一枚目がスタインバーグの「ツァラ」でしょ。カラヤンの「ティル」「ドン・ファン」「サロメ」は旧録音ですね。ここ最近、基本「寄せ集め」は聴かないんだけれど、DGの一連のシリーズにはどれも捨てがたい”味”有。
●2008年5月某日
相変わらず睡眠不如意だけれど、昨夜の要因は咽に痰が絡んで咳き込む、ということ。生来煙草は吸ったことはないんだけれど、なにかのアレルギーか、はたまたご当地尼崎の幹線道路の排気ガスが原因か。いつか診てもらわないと。でも、体調は悪くないんです。本日、(睡眠不足故)スポーツクラブは断念して、昼からアマオケ演奏会に行くつもり。ポイントは興味ある演目なんです。Beethoven 、Tchaikovskyがやたらと多いのだな、フツウ。そればかりじゃ会場へ向かう気持ちも萎えてしまう・・・
オークション出品分は、昨夜から今夜に掛けてめぼしいものの入札があって、残りはほんまに不人気盤ばかりとなります。問題は「落札」でして、昨夜も以前より欲しかったワルター・クラフトのScho"nberg7枚分、締め切り直前に入札してみたら行けちゃいました。(NAXOS)定価の半額くらいだから、ワタシの相場より高いんだけれど〜”CD総量抑制計画”完全に崩壊か。ワタシの出品は相場@300、高くても@400ながら、小銭が貯まるんですよね、なんせ数をこなしているから。新年度より出張増えて、出張手当という泡銭増も要因で、軍資金枯渇することはないんです。ま、もともと小遣いに苦慮するほどの浪費家じゃないが。
そういえば、正規入手などの関係で放出した「駅売海賊盤」(ワルター、カラヤンなどの非・正規ライセンス盤)@100で出品してみたら、ちゃんと入札ありました。嬉しくて即早期終了、連絡待っております。道義的問題さておき、ちゃんと良い状態で音楽を楽しめるものだし、心ある音楽ファンの元へ届けられることを嬉しく思います。金額の多寡じゃないんです。
5月も後半に向かいつつあるが、「音楽日誌」再読すると今月は音楽に集中できていないなぁ。CDたくさん購(あがな)い過ぎか。中途半端な”ちょろ聴き”ばかり。サイト更新用原稿書き貯めたい(再来週はほとんど出張出ずっぱり故)のに、そんな集中力は失せております。今朝、(落札CD絡みで)Scho"nberg「グレの歌」〜ルネ・レイボヴィッツ/パリ新交響楽協会管弦楽団/合唱団/リチャード・ルイス(ヴァルデマール)/エセル・セムサー(トーヴェ)/ネル・タンジェマン(森の鳩)/フェリー・グルーバー(道化師クラウス)/ジョン・ライリー(b)/モリス・ゲゼル(語り)・・・1953年伝説の録音技師アンドレ・シャルラン録音(びっくりするほどの音でもないが)。5管編成の大管弦楽と、300人の合唱団による壮大なる作品。
粗筋は(例の如しで勝手にネットより引用抜粋/すまぬ)
実在のデンマーク国王ヴァルデマール(在位1157-1182年)には嫉妬深くわがままな妃がおりました。嫌気がさしたヴァルデマールは、トーヴェという美しく気立ての良い女性を愛人とし、グレの地にある狩猟用の城郭で逢瀬を重ねます。
しかし、道ならぬ行為はは妃に知られてしまい、トーヴェは毒殺されます。ヴァルデマール王は神を呪い、そのため天罰によって命を落とし、魂は昇天することが許されず、大勢の兵士の幽霊を引き連れトーヴェの魂を求めてグレの地を徘徊することに。(これが題名の由来か?)
時は流れ夏の嵐〜実りの秋が到来。農夫も登場し、やがて道化師と語り手も登場して、幽霊たちの壮絶な合唱を交えながらも、二人の魂の救済に向けて盛り上がりをみせます。最後は混成8部合唱による壮大な太陽の賛歌へ。
後期浪漫を色濃く残した甘美な作品であって、ほとんどWagnerを連想させます。1932年のストコフスキー盤に次ぐ太古録音かな?(あちらはライヴだから、正規録音としては初)後年のスリムで晦渋な作品からみるとずいぶんとわかりやすい。レイボヴィッツの明快かつ、細部まで描き込んだ演奏も素晴らしいのでしょう。オーケストラはパリ音楽院の変名ですか?凄い迫力有。歌い手にも不足はない。先日、(この作品も含まれる)ジエイムズ・レヴァイン/ミュンヘン・フィル12枚組ボックスを処分したが、2001年(ライヴ)という新しい録音なのに、ぴん!と来なかったんですよね。ユーザーレビューでは評価高いようだから、ワタシの聴き方と嗜好の問題だった、と思われます。
パーヴォ・ベルグンルト/ヘルシンキ・フィルによるSibelius 交響曲全7曲拝聴。10年以上前より所有していた(当時の価格相場はほぼ倍)音源ながら、ずいぶん久々の確認となりました。この類の作品のキモは飾りすぎない、色を強調しすぎない(例外許容はバルビローリのみ)、そして重厚巨大に仕上げないこと。英国音楽の性癖に似るが、日本では例外的に人気があるのは不思議です。オーケストラの知名度など気にしたこともないが、ヘルシンキ・フィルは1982年来日公演をFMで熱心に聴いたこと(やはりSibelius であった。オッコ・カム+渡辺暁雄)以外、出会いはないんです。
作品に対する共感なのか、ベルグルンドの統率力なのか、アンサンブルの緩さや各パートの説得力の不足などまったく、どこにも見られない。弦と木管の粛々とした表現、そして金管の大爆発にも文句なし。一番のお気に入り(中学生以来)は第7番ハ長調だけれど、ストレート系表現なのに幻想的な雰囲気は濃霧のように立ちこめました。フィル・アップのカンタータ「故国」作品92(アカデミック合唱協会)/「火の起源」作品32(ハンニネン(br)/エストニア国立アカデミー女声合唱団/ヘルシンキ大学女声合唱団/以上1985年録音)は初耳。期待通りの爽快なる、美しい作品也。
わざわざ既存交響曲4枚分処分して8枚ボックス別途購入したのは、こんな新しい出会いを求めていたから。
●2008年5月某日
ここ二日、完全に睡眠リズムが狂ってしまって早々に眠くなります。でも、昼間は大丈夫(ちゃんと生活可能)だし、12時頃寝て、夜中2時半頃覚醒パターン〜よりずっと健全なる”早寝早起き”状態。体調は悪くない(耳鳴り)。昨夜もサイト原稿執筆を狙ったが、アルコールも入ったし眠くて眠くて・・・ここ数日、春らしい適度な気温で過ごしやすい。
この間の”音楽落ち穂拾い”(ほぼちょろ聴き状態/あきまへんなぁ)。Ravel 「夜のガスパール」「クープランの墓」〜ポール・クロスリー(1983年)・・・CRD録音BRILLIANT発売の旧録音。1944年イギリス生まれのヴェテランです。知的で緻密な演奏であり、雰囲気で聴かせないのはRavel の精密な音楽表現として似合っていると感じます。ま、お気に入りの作品なので文句なし。エエ曲です。
Bach 無伴奏チェロ組曲第1番ト長調/第3番 変ホ長調〜鈴木秀美(vc)・・・1995年の旧録音〜新録音が話題となっていて、こちらが既に入手困難になっているとは知らなかった。アネル・ビルスマ旧録音購入数年、未だまともに聴いた記憶がない(おそらくはなんどか音にしているはずだけれど・・・)ので古楽器によるこの作品初体験となります。この時点、古楽器演奏の技術的な問題は完全にクリアされて美しい(個性ある)音色、ヴィヴラート(少)なく、美しく引き延ばされた旋律末尾の効果。威圧なくのびのびとした軽快なるリズム感。この作品に新機軸を持ち込んでいると思います。
Elgar ヴァイオリン・ソナタ ホ短調〜ロレイン・マッカスラン(v)/ジョン・ブレークリー(p)・・・録音情報不明だけれど(c)(p)1985となっております。10年程前に購入(個人輸入)、イギリスのヴァイオリニストとのこと。ほの暗く劇的な旋律であって、マッカスランはやや神経質な集中力を以て少々激情に過ぎる表現・・・かどうかは、作品全体に馴染んでいないので即断できません。第2楽章「ロマンツェ」の纏綿たる歌はなかなかエエではないか。(ASV CDDCA548)引き続き同作品を往年の名手ヒュー・ビーン(v)/パークハウス(v)(1971年)にて。例のElgar30枚組中に含まれるもの。彼はフィルハーモニア管弦楽団のコンマスとしての印象強いが、2003年74歳で亡くなっているんですね。
こちらのほうが知的な抑制が感じられて、件のロマンツェの陰影はずっと深い。詠嘆の彫りも、歌も、スケールも。
昨日の通勤音楽。Brahms 悲劇的序曲/Beethoven 交響曲第9番ニ短調「合唱」〜ウィレム・ヴァン・オッテルロー/レジデンティ管弦楽団/アムステルダム・トーンクンスト合唱団/スプーレンバーグ(s)/イロスファイ(a)/フルーンス(t)/シャイ(b)(1952年)・・・この辺りの音源はステレオ黎明期前であり、オッテルローも太古巨匠世代とは認識されないから、注目されないと思います。スタイルとしてはまったくモダーン。緊張感+ヴィヴィッドな「悲劇的序曲」は、この作品をはじめて名曲!と認識させて下さいました。「合唱」はすっきりクリアな響き、適性バランスを誇るテンポ、全曲集中力が続いて厭きさせません。Beeやんの交響曲を堪能したのは何年ぶりだろう・・・音質はかなり良好なるモノラル録音。
●2008年5月某日
週末です。お仕事はほぼ予定通り進行していて、本日もその方向でゆるゆるクリアしたいもの。今朝、なんとか定例サイト更新済。体調少々ぼんやり気味だけれど、一頃のような不調に非ず。
ちょろ聴き状態だけれど、Ravel スペイン狂詩曲/古風なメヌエット/マ・メール・ロワ/ラ・ヴァルス〜ベルナルト・ハイティンク/ボストン交響楽団(1995年)・・・”なんと地味な演奏”、”色気なく生真面目実直”印象そのままだけれど、数日前の印象のような違和感はなくて、誠実で良い演奏だと思います。Ravel には、まず正確なる演奏というのが前提か。棚中には沢山!音源在庫しているので、しっかり比較対照愉しみましょう。未だ、きちんとした自分なりの評価付けられない。
R.Strauss アルプス交響曲〜ハルトムート・ヘンヒェン/オランダ・フィル(1999年ライヴ)を(ずいぶんと久々)聴いて、ああ少々表現が野暮ったくても素直な響きじゃないの、と、しばし感心。で、比較のためシューリヒト/シュトゥットガルト南ドイツ放送交響楽団(1955年)取り出したら、仰け反っちゃいました。熱気、テンション、ノリの桁が違う。音質(なかり良好なるモノラルだけれど)とか、オーケストラがどうの、ということではなくて、作品全体の見通しよさ、わかりやすさ、ということでしょう。ちょっと驚き。
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(傍目にはともかく)お仕事まったくやる気出ず。予定狙いのお仕事こなし、昨年所属していたチームのお仕事お手伝いし、ほとんど定時で職場を出ました。自宅で酒〜とはワリと珍しいパターンなんです。今月も(先月に続き連続)予算達成のメドも立って、こんなヨロコビも久々の感触であります。帰宅したら(前述の)オーマンディのCD2枚到着しておりました。
Beethoven 交響曲第5番ハ短調〜ユージン・オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団(1966年)・・・うむ、これこれ。第1楽章提示部繰り返しなし(終楽章も)。豊満に鳴り響いて、表現的にはストレートで虚飾がない。ストイックな厳しさではなく、バランス感覚とメリハリ明快な響き、中庸なテンポ、良く整ったアンサンブルこそ「運命」との出会いであります。物々しい貫禄とか、陰影を期待するとはぐらかされるネアカに鳴り響くサウンドは、独墺系大人気の日本では評価されんでしょうな、きっと。
好き嫌いを超えて、これこそ”刷り込み”なんです。違和感まったくなし。録音もそう悪くない。
オークションはエミール・ギレリス3枚分2巡目でも入札まったくなし、いよいよ最終再出品週へ。人生何もかもは上手く行きまへんなぁ。サイト用原稿在庫切れているので、なんとか執筆したい週末休みであります。スポーツクラブも、演奏会にも顔を出したいところ。
●2008年5月某日
昨日の肉体(”系”ではない)労働は夕方無事終了。定時には職場に戻ったが、事務所に顔出さずそのまま酒場へ。(顔を出せばパソコン立ち上げ、机上の宿題片付け・・・キリがない)その後、数人カラオーケストラに突入したが、ワタシは健全なる時間に帰宅しました。「二次会引退宣言」そろそろ7年目か。あちこち疲労が残っているが、痛みはありませんね。明日以降に発生か?次は来週、夜〜深夜の作業有。たまのことであれば、作業現場の空気は悪くない。なんせ毎日、ディスプレイとにらめっこだから。
Elgar 「海の絵」〜ジャネット・ベイカー(ms)/バルビローリ/ロンドン交響楽団(1965年)・・・素晴らしき訳詞はリンク先で。初耳。印象としては「アルト・ラソディ」に似て、5曲に及ぶ多彩かつ憂愁雄渾なる世界が広がりました。ベイカーの貫禄は盤石であって、高貴。バルビローリのオーケストラも厚みがあって輝かしく、ロンドン交響楽団は絶好調です。チェロ協奏曲ホ短調〜ジャクリーヌ・デュ・プレ(vc)(1965年)が一緒に収録されるのがオリジナルらしくて、こちらのほうが有名で評価の定まったものでしょう。
リンク先のユーザーレビューでは音質の不備を指摘していますね。うちの真空管コンポとの相性か、英国プレス?30枚ボックスのマスタリングの成果か、聴き手を困惑させるような録音ではないように感じます。演奏は・・・哀切極まりない!雄弁だけれど(ロストロポーヴィチのように)妙な色気が前面に出ない、決然朗々として清潔。抜いたところの絶妙な対比、流れの良さ・・・バルビローリの陰影彫りの深いバックとの相性もぴたり!
これほどの演奏にはなかなか出会えません。
さて今週もあと二日、当面の資料完成+大きな調整宿題(スケジュール/内容)+細かい宿題(こんなものは延髄お仕事=条件反射)ちゃんとこなしましょう。
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肉体疲労が抜けないのと、狙いのお仕事(かなり大量に)消化ができたので早々に定時退社。明日で今週のお仕事一段落、サイト用原稿在庫尽きております。どーもあきまへんな、執筆集中力失せております。
通勤音楽選定少々誤ったか、Sibelius 交響曲第3番ハ長調(1987年)/第4番イ短調(1984年)〜パーヴォ・ベルグルンド/ヘルシンキ・フィル・・・非常に繊細であり、清涼な空気が充ちる演奏(優秀)録音だけれど、体調万全じゃないと少々内向的鬱々方面に・・・仕方がないよなぁ、そういう音楽だから。(ハ長調交響曲ラストでもそう感じる)熱気に溢れ、前向きなSibelius !って、バーンスタイン(旧録音)/オーマンディ辺りか、それも悪くないかも。淡彩静謐なサウンドだから、部屋中でヴォリュームを上げて愉しむのがよろしいでしょう。時に大爆発の対比にも驚かされました。交響曲番号順に収録され、律儀な全集だこと。
Holst 組曲「惑星」〜ヘルベルト・カラヤン/ウィーン・フィル(1961年)・・・再聴。ヘッドホンで確認すると驚異の効果的録音(英DECCAマルチマイクのマジック)であり、金管の豪快な爆発、艶々の弦(ヴァイオリン・ソロはボスコフスキーですか?)、効果的に決まった打楽器、とにかく凄い色彩!”細部粗雑”〜という印象はどーしてか?フレージングが清潔でないこと、旋律表現にわざとらしさが・・・巧いけどね。ワタシみたいに”紳士の国=英国音楽好き”でなければ、効果的な近代管弦楽の精華として存分に楽しめるとこでしょう。ウィーン・フィルが当時、この作品に慣れていたはずはないんだけれど、カラヤンの見事な統率、アンサンブルは盤石の自信であります。
●2008年5月某日
今朝は倉庫にて純粋肉体労働終日なので、いつもより30分=定時より一時間速く出社、数人セットでクルマにて兵庫県下郡部へ。昨夜、CDオークション一件落札有(最低価格一件のみ入札は理想的/今朝迄に連絡なし)、ちょっと興味あるもの一件入札入れたが、締め切り直前に高値更新があったので深追い止めました。ムリしません。未踏峰「ミチョランマ」沢山在庫有。
昨夜の流れでSibelius 交響曲第2番ニ長調〜パーヴォ・ベルグルンド/ボーンマス交響楽団(1976年)・・・3種ある全集中、最初のもの。どこでも買える、と思ったら最近見掛けませんか。時代が良かったのか、1970年代、この組み合わせで録音がたくさん残っております。骨太、粗野な推進力を生き生きと誇って、それでも荒涼たる爽快さを失わないのは昨日のヘルシンキ・フィル盤と同様。但し、こちらのオーケストラは北欧のオーケストラほど大人しくはありませんな。ザラリとした感触に迫力充分。ベルグルンドはオーケストラ・コントロールに優れ、表現的にはストレート系で”飾り/色付け”が少ないもの。バルビローリの”詠嘆一杯”と好対照でしょう。(個性の違いであって、優劣に言及せず)音質も悪くない。
では行ってきます。8枚組再購入したため放出したベルグルンド/ヘルシンキ・フィル全集は、明日オークション締め切りです。(後述/無事望みの金額で入札されました)
●2008年5月某日
なんとなくここ数日肌寒いですね。きょうの天気予報では気温は上がるらしい。昨夜2件CD(凝りもせず)オークション落札。オーマンディの「運命」「合唱」2枚組LP2,500円(当時激安!)は忘れもしない小学校6年生のクリスマス、自分で貯めた小遣いで購入、それこそ”すり切れるまで!”(すり切れなかったが)聴いたものです。こどもの刷り込みは一生もんだから、ワタシの嗜好を方向付けた決定盤!のはず。おそらくは大学入学時、京都に転居する時に処分したっけ〜爾来幾星霜を経、30年以上ぶりの邂逅となるでしょう。
でもさ、落札した「運命」「田園」/「合唱」各々(別々落札)300円は+梱包送料200円(!)+簡単決済使えず振り込み料で200円某〜手数料の方が高い計@700ほどとはあまりに殺生な・・・ワタシが先日出品処分した某Brahms 交響曲全集4枚は、本体500円+送料160円(良心価格設定)+振り込み料でっせ。ま、ちゃんと聴いて堪能すれば、些細なる金額の多寡など枝葉末節なことなんだけど・・・
今朝、Holst 組曲「惑星」〜ヘルベルト・カラヤン/ウィーン・フィル(1961年)・・・2度目の入手(例の”ジャンクまとめて26枚!”に含まれたもの)だけれど、印象は前回と同様、旋律表現のカッコ付けがいやらしくワザとらしく、オーケストラに馬力があり細部粗雑・・・もう少し、比較対象も含め検討してみましょう。Ravel 「道化師朝の庭」「クープランの墓」〜ベルナルト・ハイティンク/ボストン交響楽団(1996年)・・・一枚分の半分のみ確認したが、なんと地味な演奏か!という感慨しきり。この組み合わせによる「ダフニスとクロエ」(1993年)には数年前”いやはや”極上”と言い切ってよろしいでしょう。コンセルトヘボウとは異なる切れ味と華やかなオーケストラの響きが、ゾクゾクするような鮮明な音場となって再現されます”とのコメント有。数年後の続編は未だ”ちょろ聴き”だから即断禁物だけれど、色気なく生真面目実直〜だけれど、違和感とか嫌悪感はありません。ふむ、やっぱりハイティンクだ!といった手応えあって、愉しみが増えました。
ご近所Syuzoさんが、1920年代のクレンペラー/ベルリン国立歌劇場管弦楽団(シュターツカペレ・ベルリンと呼んでよろしいですか?)録音に言及していて、ああNAXOSで復刻されていたのか、うちにもあったなと「クレンペラー10枚組」(HISTORY/XXL 203184 324)を久々棚中より発掘。NAXOS盤に存在する「トリスタン」前奏曲/「大学祝典序曲」が含まれないが、他(+α)珍しいものも含めて収録されます。Offenbach 「美しきエレーヌ」序曲(1929年)、そして今朝Brahms 交響曲第1番ハ短調(1928年)・・・これが音質含め驚愕の出来。時代的にとんでもない主観的巨魁大仰演奏か?と思ったら、堂々としてかつ颯爽とバランスの良いモダーンな表現であって、現代の耳にもまったく違和感のないもの。
購入5年くらいか。以前聴いていないはずはないんだけれど、記憶なし。聴き手の胸をアツくさせる立派な演奏です。
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お仕事は乱高下気味で、良かったのか、悪かったのか?状態。通勤でRavel 「道化師朝の庭」「クープランの墓」「高雅で感傷的なワルツ」「ボレロ」〜ベルナルト・ハイティンク/ボストン交響楽団(1996年)・・・ラストまで。”なんと地味な演奏”、”色気なく生真面目実直”印象変わりません。非常に正確で曖昧さのない演奏であり、色気とかふくよかさに欠けるような・・・「ダフニス」(1993年)の感激が蘇りません。(再聴必要だけれど)ややお疲れ気味体調のせいか。ハイティンクのRavel はもう一枚(1995年)到着しているんです。もう少し聴き込まなくては。
パーヴォ・ベルグルンド/ヘルシンキ・フィルによるSibelius 交響曲全集+α(8枚組)到着。贅沢三昧未踏峰「ミチョランマ」行為だけれど、交響曲以外の4枚未聴だったため。(交響曲4枚はオークション出品して既に入札が入っている/それを頭金にして購入した感じ)
早速交響曲第1番ホ短調(1986年)拝聴・・・Sibelius 演奏には特別なマジックが必要で、馬力があって濃厚なオーケストラが必ずしも成果を上げるとは限らない。ベルグルンドは剛直ストレート系の人だけど、強引剛腕ではないんです。あくまで爽快、涼やかなサウンドを失わない。ボーンマス響(1974年)との演奏もなかなか粗削りな感じに好意を持ったもの(←初期更新のため再聴再コメント必須)だけれど、やや非力で響きも薄く淡彩なヘルシンキ・フィルも作品にぴたり!味わいフィットしております。ラスト、壮絶なる迫力のツボもちゃんと押さえているんだなぁ。
●2008年5月某日
昨夜、久々に出た頭痛に悩みつつNHKスペシャル「セーフティーネット・クライシス〜日本の社会保障が危ない〜」拝見。この国の将来に対して暗鬱なる気分に落ち込みました。健康保険制度、介護保険制度、生活保護制度の崩壊。ワーキング・プア問題を精力的に取り上げていたNHK渾身の続編です。一昨日病院で拾い読みした週刊文春が、朝日新聞の(この類の)記事に対して揶揄していたけれど、事態は深刻です。貧乏学生が苦学して出世する〜というのは、もう過去の伝説なのか。自助努力に限界ある社会的弱者の救済はどうなるのか。ここ10年ほど所得とともに物価は下がり続けたが、ここに至って値上げラッシュ。出産も含め、医療崩壊でしょ。団塊の世代が引退して、”秀才は医者を目指す”時代はとっくに終わっているから、こんなことは予測が付いたはずなのに。
厚生労働省の優秀なる官僚は、団塊の世代がごっそり社会保障費を食い潰すこと恐れているんでしょう、きっと。自分の将来の在り方含め、慄然としました。
一連の”著名なる音源”引き続き確認〜Ravel バレエ音楽「ダフニスとクロエ」全曲〜シャルル・デュトワ/モントリオール交響楽団(1980年)・・・たしかこの組み合わせ最初の英DECCA録音(これにて彼の人気評価が確定)のはずで、最初っからディジタル録音だったのだな。西ドイツ・プレス/定価3,500円トラック分けなしが時代を感じさせる、四半世紀前のCD?(p)1981となっているが、実際の発売は少々あとでしょう。(F35L-50078)別途第2組曲のみが発売されているが、録音年月日が一緒だし、スコア的にも一緒だから同じもの(全曲からのカット)なのでしょう。
就任わずか3年で、あまりぱっとしない地方オーケストラをここまで洗練させ、技術的にも盤石なアンサンブルに仕上げるマジック。淡彩で軽快、上品だけれど、師匠のアンセルメ盤よりしっかりとした、雰囲気だけではない完成度を誇る涼やかサウンドです。2度繰り返して聴きました。55:57一気。
Rimsky-Korsakov 交響組曲「シェヘラザード」〜小澤征爾/ボストン交響楽団(1977年)・・・”ジャンクまとめ買い”到着して、これはダブったかな?と思ったら棚中にあったのはシカゴ交響楽団との1969年盤(EMI)でした。後にウィーン・フィルと再々録音するから得意作品なのでしょう。ヴァイオリン・ソロはなつかしいジョセフ・シルヴァースタイン(ナマで聴いている)。これが思わぬ拾いものでして、しっとり落ち着いたボストン交響楽団のサウンド(ややジミ)が素晴らしい。小澤はあまりにオーソドックスで、細部ていねいな安全運転的印象あるけれど、最近この時期の録音を見直しております。派手さはないけれど、こんな(虚飾のない)演奏こそ飽きがこないもの。
フィル・アップは「スペイン奇想曲」(ヤルヴィ/エーテボリ交響楽団1987年)であり、立派な演奏だけれど組み合わせとしては安易な編集でしょう。天下のDGも最近こんなパターン増えてますね。”小澤/ボストン”でまとめるべき。
引き続き、同曲を小澤/シカゴ交響楽団(1969年盤EMI)にて確認。ボストン響盤に比べ、テンポやや速め、コシが落ち着かない印象があるけれど、ストレート系の熱気=若さが溢れて推進力タップリ。ちょっとやかましいくらい。LP以来の再会みの演奏でした。「シェヘラザード」は半年分くらいまとめて聴いたな、といった感触あって、もうしばらくエエですワ。
本日(朝食抜き)健康診断。今週途中、トラブル対応現場系肉体労働挿みつつ、月次の諸資料締め切りを迎えます。なんとかなるでしょ、きっと。
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思ったほど体重増えておらず、あとは血液検査結果を待つのみ。こどもの頃からずっと低血圧だったが、ここ数年(最低)血圧が高目なのは華麗なる加齢によるものでしょう。健康診断、昼から長い会議〜でほとんど無為無策な一日だったが、なんとなく無意識のうちにお仕事をいろいろこなしている不思議。やたらと疲れて、早々に帰宅しました。オークション落札された分、ようやくすべて連絡があってほっとしたところ。相変わらず入札の動きは鈍いが。ベルグルンド/ヘルシンキ・フィルによるSibelius 交響曲全集を放出したのは、別途8枚組(未聴だった4枚分含む)を入手できたからなんです。
通勤音楽はDvora'k スラヴ舞曲全曲〜ジョージ・セル/クリーヴランド管弦楽団(1962〜65年)・・・これもオークションに出しているのは、先日届いた”ジャンクまとめて26枚!”でダブり入手したため。クーベリック盤と並んで双璧の名演奏也。←駅売海賊盤と比べちゃ可哀想だけれど、音質はあちらのほうがずっとよろしい。セルの背筋が伸び、曖昧さの一切ないアンサンブルは、郷愁をそそる旋律を生かすためにあるんです。でも、奥行き不足でカタい音ですな。この人は録音水準で損してますよ、絶対。甘さ、緩さはなくて、きりりとしたリズム、バランス抜群の集中力。硬派、厳しくも、美しい舞曲集也。
●2008年5月某日
昨夜、健康診断前(明日)の禁を破って尼崎「大黒」へ。女房が(少々遠方の)歯医者(形成歯科っていうのか?矯正歯科か)に行っていて遅くなったので、合流指示。リンク先に「土曜日は比較的空いている」となっているが、その通り。新鮮なる魚貝の品揃え最高でして、値段も安いんです。酒も旨い。油断すると”端麗辛口”と称して、スカみたいなのを出されることもあるからね。オークション出品は昨夜一件落札有(但し、今朝までに連絡が来ない)。本日分もちょっとだけ、といった感じ。ま、エエけど。”CD総量抑制計画”は国の財政再建計画(または年金)並に破綻していて、ま、経済的には辻褄合わせているんだけれど、問題はそんなことじゃなくて、聴くべき時間、聴き手(=ワタシ)の集中力なんです。
昨日届いたCDは「ツァラ」「展覧会の絵」「幻想交響曲」といった作品が集中していて、少々「う〜む」状態也。R.Strauss 交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」「マクベス」〜エリアフ・インバル/スイス・ロマンド管弦楽団(1995/96年)・・・これがジミで内省的、オーケストラも上手くないんじゃないか?幸先悪い・・・と感じたのが昨夜。今朝、再聴して印象一変〜こんな作品に何を求めるのか、ということでしょう。カラヤン/ウィーン・フィル(1959年)以来、グラマラスな響きや表現を(意識せずに)求めるのが前提になっていたのか。知的な集中力を感じさせ、オーケストラの威力ともかくアンサンブルも整ってアンセルメ時代とはエラい違いです。
エリアフ・インバルは、馴染みの作品に新機軸を狙ったんじゃないか。勢いとかゴージャス満杯なる響きじゃなくて、もっと繊細で細部を描き込んで”知的”な世界。スイス・ロマンド管弦楽団の各パートは、かつてのような軽快軽妙なる(エエ加減+セクシーな)個性ではなくなっているし、独墺系の深い音色に主張するものでもないから。ほんま”ジミ”っぽいが、じわじわ作品の神髄が見えてくる感じ。優秀録音です。それと詳細インデックスもCDの作りとしては賞賛したいところ。
Beethoven 交響曲第8番ヘ長調(1959年ステレオ)/「献堂式」序曲(1956年)〜ウィレム・ヴァン・オッテルロー/レジデンティ管弦楽団(ハーグ)・・・おそらくはベイヌム時代のコンセルトヘボウと並んでオランダで活躍していたのでしょう。PHILIPSの録音はすべてコンセルトヘボウ(会場)での録音であって、おそらくは「アムステルダム定期演奏会」みたいのがあるんじゃないか。ライヴァルほどの厚み、深みは期待できないけれど、すっきりと明るく清明な響き、オッテルローの表現は素直でムリがない。テンポ設定にエキセントリックなところ皆無。
昨日から交響曲第5番、そして第8番と聴いてきたけれど、やっぱりBeeやんを続けると少々ツラい・・・ワタシの嗜好じゃないんだな。「献堂式」序曲のほうが爽快なるノリがあって、けっこう愉しめました。
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昨日到着分より、ワリと最近メジャーなる音源を・・・R.Strauss 交響詩「ドン・キホーテ」〜アシュケナージ/マイスキー(vc)/チェコ・フィル(1999年)・・・作品演奏家とも「ジャンクまとめ買い」じゃないと一生聴かないであろう音源也。正直”ようワカラン!作品”と感じるのは、聴き込みが足らんのでしょう、きっと。極上の、静謐なる音質だ、ということは理解できます。もう、ほとんどそれだけで快感。チェコ・フィルの非・都会的な(安易に洗練ばかりではない)サウンド、マイスキーの甘美浪漫なるチェロ、それ意外なことにを望みますか?(スリーヴに水分を含んでカビ有/それ以外問題なし/激安入手感謝)
で、同作品をフリッツ・ライナー/ピアティゴルスキー(vc)/ピッツバーグ交響楽団(1941年)の戦前太古録音で再確認。先ほどの鮮明録音での”音楽の形”が耳奥に残っているから、古くさい音質なんのその、しっかり硬質の推進力はこの時期から既に全開でした。
●2008年5月某日
雨模様の週末。これから病院だけれど、朝飯をしっかり喰ってしまったので血液検査不可。ヤクをもらってきましょう。どーせ月曜は職場で健康診断だし(中年サラリーマンの意味のない風習で、健康診断前だけは酒を飲らない)。きょうは通販で注文した靴とか、偶然落札成ったCD(大量!)に到着するでしょう。オークションは相変わらず露西亜ものが人気がない、というか、人気がないものが売れ残っている、ということでしょう。先週ずいぶんたくさん送付しましたから。
昨夜Boccheriniを少々。チェロ協奏曲第5番ニ長調G478+α〜エミール・クライン(vc)/ハンブルク・ソロイスツ(1996年)・・・購入後かなり長期に放置プレイしていたCD2枚組には「900円ワルツ堂」の値札有。エミール・クラインはルーマニアのチェリスト/指揮者であって、初期ARTENOVAでは大量の録音を残しておりました。(おそらくは現在、中古でしか入手できない)これが驚きの引き締まって自在なる技巧と推進力、切れ味を誇っておりました。作品も馴染みの変ロ長調(グリュツマッヒャー編)だけをイメージしてはあかん!といった新鮮なる旋律連続。
この演奏家はネットではあまり探せないが、中古でけっこう見掛けるから”買い”かも。この2枚組、ちゃんと聴きましょう。
藤沢周平「竹光始末」(新潮文庫)〜例の如く下級武士とかちょっと身を持ち崩し加減の町人が主人公の短編集也。いつもよりちょっと”爽快感”とか”救い”が足りないかな?ラスト「遠方より来る」は他でも読んだような?単発ものの時代劇にぴたり!のオモロい筋書きです。厚かましい(見かけ倒し)訪問者には渡辺徹で如何か。あちこち女房が数種登場するが「恐妻の剣」に於ける”いけず妻”の描写は生々しくて、まっこと恐ろしいくらい。
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朝通院済。前回検査結果良好(一ヶ月前だけど)。昼からオークション落札CD26枚組(ジャンク/総経費込5,700円=@220)到着〜思ったより盤質良好。完全ダブりは3枚。ハナっから気に入らない作品もあって、それと併せて処分しましょう。それにしても・・・著名有名なるメジャー音源ばかりで、まず(激安じゃないと)絶対に買う機会を得ません。エエ機会なのでしっかり愉しませていただきます。
往年の著名音源にはあまり興味はなくて、一般に入手したっきりあまり聴かない〜安易な気がしてね。Beethoven ヴァイオリン協奏曲ニ長調〜ヘンリク・シェリング(v)/シュミット・イッセルシュテット/ロンドン交響楽団(1965年)・・・「ジミに鳴っていて、ま、オーソドックスというか、こういうのが永く聴き続けるには一番なのですよ、と言いたい。あわてず、騒がず、激高せず、粛々淡々」「低音の効いた堂々たるオーケストラに乗って、ヴァイオリンは高貴で滋味であります。格調高く、味わい深く、安定しているが技術のみが表面を湖塗することはない」これが以前のコメントの検索結果であり、付け加えることはない・・・・
Beethoven 交響曲第5番ハ短調〜シュミット・イッセルシュテット/ウィーン・フィル(1968年)・・・これも往年のベストセラー(だったもの/若い人は知らんでしょ)。ホルンと木管が美しいなぁ。ワタシは最近の古楽器系演奏の支持派だし、リズムが軽快に弾むようなスタイルを好むけれど、こんなオーソドックスでバランスの良い演奏を愉しめるようになるのも年齢(とし)故か。徒に緊張感を強いない、巨魁にスケールを広げない、豊かに響くBeethoven 。物々しい雰囲気に至らない穏健派「スケルツォ」。終楽章の盛り上がりも強圧ではない。第1楽章提示部には繰り返しがあり、最終楽章は繰り返さない。きっと昨今の正確な楽譜とも異なるのでしょうね、ワタシには無縁な話題だけれど。
●2008年5月某日
昨夜、神戸空港着が夜9時45分頃でして、自宅到着がほぼその一時間後。空港便は拘束時間を勘案すると、思ったほど速くはない。乗っている時間は居眠りするしかないし。新幹線(在来線特急でもそうだけれど)の方がまとまった時間で音楽やら読書やら、飯喰ったりできるからエエかも。とにかく本日一気にお仕事宿題仕上げなくっちゃ。連休出張続きだったので、明日出勤予定を入れたが持病のヤクが切れたし、なんとか本日中ケリを付けたいところです。今朝、なんとかサイト定例更新済み。なんか、休みだったのか?お仕事だったのか、出張だったのか、ビミョーなるGWは終了しました。
羽田待ち時間、神戸空港〜自宅移動時間利用して音楽聴きました。
Mozart ピアノ協奏曲第9番 変ホ長調K.271「ジュノーム」(ティボール・ヴァルガ/室内管弦楽団1972年)/第11番ヘ長調K.413/第12番ト長調K.414(ヘルムート・ミュラー・ブリュール/ケルン室内管弦楽団1977年)〜ミヒャエル・シュトゥーダー(p)・・・全体として奥行きが足りない、ソロ中心にオン・マイクな録音。Bach では”恐るべき恬淡クールな風情であって、正確な技巧を基調としつつ滋味深くも品の良い演奏”との印象得たが、ここではもっとノリノリ、けっこう濃密なソロであります。表現的には浪漫ではなくて”恬淡クール”ではないにせよ、細部まで描き込んでしかも神経質な印象を与えない。ヴァルガのオーケストラがアンサンブルの緻密さより”歌”を重視しているようで、滅多に聴けぬ楽しげ「ジュノーム」に仕上がりました。ケルン室内管のほうが集中力があって、内声部の思わぬ旋律の絡み合いの効果(さすが我らがヴォルフガング!)も鮮明。
Dvora'k 交響曲第8番ト長調〜ヴァーツラフ・ノイマン/チェコ・フィル(1982年)・・・一連の全集録音は音質が特殊、というか、おそらくは超・優秀録音。奥行きやら管の息遣い、位置関係も鮮明であって、チェコ・フィルの草の香りがするようなサウンドを堪能可能。但し。弦が〜美しい響きを誇りながらも〜弱い。薄いとか味がない、アンサンブルがよろしくないのではなくて、ひたすら音量的に弱いんです。「プラハ芸術」の家って、実際こんな響きなのか。全体バランスはわるくないし、おそらくは部屋中にボリュームを上げて響かせれば大丈夫なのか。演奏は(音質印象からか)とても大人しい穏健派のようなイメージだけれど、じわじわ感動が染みこんでくるような味わい深いものでした。
一昨日の「春の祭典」よりずっとこちらが似合っている!(時間切れ/出勤です)
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一日充実していた、というべきか、なんというか・・・疲れました。先週金沢に遊びに行ってから一週間経ったんだな、あっと言う間だ。明日、出勤の当番だけれどサボって、ゆっくりしましょう。先ほど締め切りだったオークションには全然入札ありませんでした。う〜む。良心的出品者としては残念なところ。
昨夜の音楽の続き。
Vivaldi 歌劇「オリンピア」序曲/弦楽のためのシンフォニア イ長調RV.158/協奏曲 変ロ短調 作品3/10(4台のヴァイオリンのための)/Bach 管弦楽組曲第4番ニ長調BWV.1069(初版でトランペット、ティンパニが入らない)/3台のヴァイオリンのための協奏曲ハ長調BWV.1064/カンタータ第42番「同じ安息日の夕べに」〜シンフォニア〜トーマス・ヘンゲルブロック(v)/フライブルク・バロック・オーケストラ(1992年)・・・実際はVivaldiとBach 交代で演奏されます。最近流行の超・過激なリズムがVivaldiでは空虚に、時にやや耳障りに輝きます。ところがっ!Bach だと誇り高く胸に響いて感動が一杯に広がる・・・馴染みの問題かな?協奏曲 変ロ短調 作品3/10(調和の霊感)だったら、心底楽しい〜のはBach の編曲で聴いてきたからか。最高です。
今朝、Mahler 交響曲第1番ニ長調〜ハンス・シュミット・イッセルシュテット/北ドイツ放送交響楽団(1962年ライヴ)・・・これもいただきもの。(ARL194)これは文句なく音質が優れていて、怪しげライヴにもいろいろありますなぁ。こども時代から馴染みの作品だし、ここ最近どーも安易に聴き流してしまっていたけれど、久々文句なく悠然!かつ凛とした演奏を聴いた手応え有。やや敬遠していた指揮者だけれど、ちょっと見直しつつあります。
通勤音楽はElgar、です。エニグマ変奏曲/威風堂々第1/4番(フィルハーモニア管弦楽団1962年)/第2/3/5番(ニュー・フィルハーモニア管弦楽団1966年)/セレナード ホ長調(シンフォニア・オブ・ロンドン1962年)〜ジョン・バルビローリの文句ない蕩々たる歌。エニグマはダブちゃったけど、仕方がないなぁ。お気に入り作品故、ずいぶんとたくさんの音源を抱え込んじゃったが、バルビローリは特別。(ハレ管弦楽団との1956年録音だって素晴らしい)これは英国の黄昏なんです。最高。
「威風堂々」について、先日ネットをぼんやり眺めていたら、第1番以外は全然ツマらん作品、というハナ持ちならぬご意見が・・・いるんだよな、そういう手合いが。どれも、間違いなく、名曲であります。万感胸にせまります。セレナード ホ長調も、1962年シンフォニア・オブ・ロンドンとの一連の録音だったんですね。
●2008年5月某日
(在東京ホテル)これより終日会議、スカイマーク(もっぱら節約の意味)の最終便で神戸に戻るから帰宅は10時過ぎか。(飛行機だと音楽は聴けません)な〜んもしていない感じだけど、出張連ちゃんは疲れます・・・GW中に送付したCDはぼちぼち到着連絡が来ているが、売れ残ったCDにはさっぱり入札がありません。大苦戦。ギレリスの人気のなさには驚かされます。ヴィクトール・トレチャコフ(v)なんかも全然。
昨夜、寿司(少々)、鯨ベーコン(贅沢!)、氷下魚(こまい)、湯葉豆腐(濃厚!)旨かったなぁ、喰ったものがおいしいとしみじみ幸せ。心身ともの調子に影響されますね、音楽といっしょだ。
●2008年5月某日
(在福井ホテル)昨夜チームの若い者合流。ほとんど夜の店は開いていなくて焼き鳥を少々。連日なので酒も抑制気味。これより午前中御当地にて肉体系労働午前中、昼から東京へ移動(会議前泊)。福井のお取引先とは付き合い方に少々悩ましいな。精神的にゆるゆるのGW終えて、今週末には宿題一気に消化必要です。
オークションにはほとんど入札なし。露西亜系音源は世間的に人気ないのか。
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東京馴染みのホテルに入りました。もうお世話になる機会も減るんだろうな、と2ヶ月前に感慨したものだけれど、なんやかんや会議ありますね。福井〜米原経由〜品川〜五反田と意外と早めに到着したので、BOOK・OFF〜でも、とくに出物はないなぁ。いや、ないことはないんだけれど、未踏峰「ミチョランマ」、そして一昨日いただいたCD数枚、更に偶然落札できてしまった(著名なる音源ばかりジャンク)CDも数日後に到着しますから。
今年度5年に渡る単身赴任を終え、九州に戻った同僚とこれから情報交換予定。到着を待っているところ。
新幹線中は(午前中の肉体系労働故)居眠りしていたけれど、ちょっと音楽聴けました。Stravinsky バレエ音楽「春の祭典」「ペトルーシュカ」〜ズデニェク・コシュラー/チェコ・フィル(1989年)・・・う〜む、大好きなチェコ・フィルだけれど、作品の味わいと似合っていないんじゃないか。各パート素朴な味付けは好き好きだろうが、メカニック的に少々弱くありませんか。もっとハードでクール、切れのあるリズムを望みたい。「ペトルーシュカ」は熟睡しておりまして、記憶なし。
いただきものMahler 「大地の歌」〜ハンス・シュミット・イッセルシュテット/ハンブルク北ドイツ放送交響楽団/メリマン/ヴンダーリヒ(1961年となってるが1964年じゃないの?1965年というのも見掛けるが)・・・怪しげCD(ARL181)だけれど、想像よりずっと聴きやすいモノラル。ヴンダーリヒは輝くように劇的な歌唱であって、イッセルシュテットの雄渾でスケールの大きな表現は全曲、聴き手を飽きさせません。独逸語に無縁なワタシがなんだけど、メリマンの言語が非常に明快だと思います。
嗚呼、この作品はワタシのお気に入りだったよな、と痛感したものです。
●2008年5月某日
昨日は通常出勤だったが、ズルしてネクタイもせず休日スタイルで出勤、職場にほとんど誰もいないどころか、周辺の食堂もほぼ休み。通常最低限業務(なんとか、辛くも)こなして本来の提案資料作りに着手するが、完了せず。更にやるべき宿題を失念していたことに気付いてぼちぼち〜前任からの引継内容が気に喰わなくて”そもそも論”提案に2時間〜メール送信したところで気力尽きました。30分早く出勤したし、と言い訳して30分早く職場辞去、JR尼崎駅集合の加齢なる親父の集いへ。狙いの飲み屋は残念ながらお休み。人生に悩み尽きぬ親父同士の詠嘆3時間ほど〜けっこうへろへろ。CDいただきました。ワタシも別途おみやげ持参。
Bach ロ短調ミサ曲 BWV232〜トーマス・ヘンゲルブロック/フライブルグ・バロック管弦楽団/バルタザール・ノイマン合唱団(1996年)・・・2枚目ラスト迄。こんな清涼かつ充実した躍動演奏聴いちまうと、手持ち数枚分の既存音源(ロバート・ショウとかミシェル・コルボとか)処分したくなってヤバいっす。大仰に構えたところはどこにもなくて、合唱の親密で整った技量(声楽ソロも団員らしい)が素晴らしい。この作品、ナマで聴いたことがないんじゃないか。
昨夜いただいたCDをさっそく拝聴。Haydn ピアノ・ソナタ第47/33/55/46/54/12番〜ヤコヴ・カスマン(p)(1997年)・・・自分にとって宿題のひとつになっているHaydnの作品であります。これが手持ち古楽器全集(BRILLIANT 99671 10枚組全52曲)ともバックハウスとも異なって、明快でわかりやすい語り口はまるで別作品みたいな溌剌印象。HaydnはMozart ほど演奏も、録音機会も多くないから表現の可能性はまだまだあるでしょ、と想像されます。
それにしても、自主的にはまず買わないCDだろうな、ありがたいこと。
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(在福井ホテル)前泊というのは落ち着かなくて、休みになりませんな。オークションにて落札された分は無事すべて連絡があって、ご近所酒屋よりヤマト・メール便+梅田の郵便局にてゆうメール便送付済。昨日”ものは試し”とCDまとめてごっそり!(おそらくジャンクっぽい/安かったので)入札してみたら、他に誰にも参加しなくて、落札成・・・う〜む、おそらくはいくつかダブりもあるし、様子を見つつ処分しないといけないかも。
昨夜も睡眠不如意だったので福井迄はほとんど眠っておりました。Kalinnikov交響曲第1番ト短調/Glinka 「ルスランとリュドミュラ」より「舞曲」/「ホタ・アラゴネーサ」〜サミュエル・フリードマン/ロシア・フィルハーモニー(1996年)・・・オーケストラがいまいち怪しいし、世評もよろしくない(終楽章がユルい)が、懐かしい旋律をけっこうじわじわ堪能させて下さいます。「ホタ・アラゴネーサ」って、カスタネットなかったでしたっけ?居眠りしていて気づかなかったかな。
Khachaturian ピアノ協奏曲 変ニ長調〜オクサナ・ヤブロンスカヤ(p)/ヤブロンスキー/モスクワ交響楽団(1995年)をしつこく再聴。ヤブロンスカヤの壮絶ピアノはたしかな技巧に間違いないが、録音がオフ・マイクなせいか、説得力に欠けます。2種類の棚中CD在庫を確認したし、オークションに出してしまいました。
●2008年5月某日
本日出勤、というか職場お留守番。残務整理+先行きの提案書完成をもう少し進めたいが、精神的テンションは下がってどーしょーもありません。定時で上がってJR尼崎にて”加齢なる親父の集い”へ。昨夜はオークションにごっそり入札あって(残りは人気ないものばかり/追加ちょっとだけしました)、連絡先来ていないのは4件〜きっとGWだし、ご家族でどこか出掛けていらっしゃるのでしょう。明日の午前中くらい迄にきて下さると助かるんだけれど・・・明日、夕方より福井〜東京のツァーとなります。
昨日、映画「相棒」(劇場版)行きました。塚口サンサン劇場満員。テレビで見慣れたメンバー、たっぷり時間、CMもなく、凝った筋、大画面、大音響で・・・涙が出るほど感動する・・・ほどでもないが、堪能いたしました。意外と健全。高樹沙耶が素敵だなぁ、和服姿も良いけれど、スポーツ・ウェアがお洒落。
音楽に集中できず。読書はまったく・・・状態。昨夜(棚中より)発見したKhachaturian ピアノ協奏曲 変ニ長調〜ミルカ・ポコルナ(p)/ホルスト・フォルスター/ドレスデン・フィル(1964年)・・・購入10年以上放置プレイとはどんな趣味か。たしかチェコのピアニストであって、これが(ヤブロンスカヤ盤には申し訳ないほど)強烈で迫力と説得力に溢れて”名曲は名曲であった!”と実感させて下さいます。第2楽章には残念ながらフレクサトーン入らぬが、静謐かつ芯のある、重心の低いソロが粛々と進軍していく説得力の凄さ!エキゾチックでクサい旋律にしっかり感銘有。
あわててオベルリン(p)/ネーメ・ヤルヴィ/ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団で、フレクサトーンの怪しい音色を確認したが、演奏そのものはとても繊細で細部入念なデリカシー豊かなもの。重ね重ねヤブロンスカヤには申し訳ないが、ヤブロンスカヤ(p)/ヤブロンスキー/モスクワ交響楽団(1995年)は、乾いて飾りのない音質印象ですか?比較するとややスカっぽい・・・かも。
Mozart ピアノ・ソナタ第7番ハ長調K.309/幻想曲ハ短調K.475/ピアノ・ソナタ第14番ハ短調K.457/第17番 変ロ長調K.570〜カルメン・ピアツッィーニ(p)・・・いろいろと処分しちゃって、バルト・ファン・オールトの古楽器と併せてワタシの”リファレンス”全集へと至った演奏。ピアノ協奏曲同様、前向きで明確、歯切れ良く明るいタッチであって(全曲中の白眉)幻想曲〜ソナタ第14番ハ短調K.457へ至る、かなり深刻な曲想でも軽快さを失いません。この40枚組、ほんま至福やなぁ。
●2008年5月某日
ほんまはスポーツクラブに行くべきなんだけど、スタジオ・メニュー改変があったらしく、本日初心者メニューがありません。以前「ビランクス・ヨーガ」とやらの教室に迷い込んで苦痛苦渋に充ちた経験(ゲロ出そうなほど)があったので、ムリはしたくない・・・映画行こうかな、と考えております。昨日一昨日のオークション締め切りはほとんど入札なく、自動再出品〜いつもの【♪ KechiKechi Classics ♪】読者(というか知り合い)が義理で数件入札して下さったのみ・・・本日分よりかなりの入札となっております。ギレリスのBeethoven (旧ソヴィエット時代)やら、ロジェストヴェンスキーのBrucknerなんて全然人気ないのだね。良心価格設定のつもりなんだけど。
音楽の嗜好について考えちゃいました。Elgar 序奏とアレグロ 作品47〜ジョン・バルビローリ/シンフォニア・オブ・ロンドン(1962年)を再確認。好みの代表とでもいうべき作品であって、大物Elgar30枚組に収録されるもの。ネットで検索すると1905年初演、演奏技術の問題から初演より再演まで30年を費やして、ようやく近代管弦楽技術の発展により日常レパートリーとなった、との由。劇的に激昂する弦楽合奏に対して、テンポを落として静かに詠嘆する弦楽四重奏の懐かしい旋律(ウェールズ地方の民謡風ですか?)の対比が極上の世界。バルビローリの表現が悪いはずもないが、昨日聴いたクリストファー・シーマン率いる若者の演奏を大きく凌駕する、ということでもないんです。これは録音水準が影響するのかも。
Khachaturian ピアノ協奏曲 変ニ長調/コンチェルト・ラプソディー 変ニ長調〜オクサナ・ヤブロンスカヤ(p)/ドミトリー・ヤブロンスキー/モスクワ交響楽団(1995年)・・・こども時代の刷り込みである「ガイーヌ」ともかく、土俗的に洗練されない旋律は好みから外れ(ワン・パターンだし)どうも愉しめません。一昨日BOOK・OFF@250入手したものだけれど、たしかこの作品一枚も持っていなかったよな、と帰宅したら、協奏曲はオベルリン(p)/ネーメ・ヤルヴィ/ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団((p)(c)1987)が棚中に眠っておりました・・・思い出した。第2楽章にフレクサトーンという特殊楽器(”ひよ〜ん”という)が使われたエキゾチックに激しい作品。
オクサナ・ヤブロンスカヤは息子と一緒に無事里帰りしたんですね。モスクワ交響楽団は1989年の新しい団体だけれど、実力充分。残念なのは(肝心の)「フレクサトーン」が省略されていること。もっと残念なのは聴き手の感性と作品個性が噛み合わないことです。強靱な技巧が素晴らしいし、飾らない自然体の音質も良好なんだけど、ココロ震える瞬間はやってこない・・・慣れでしょうか?(先ほど更にミルカ・ポコルナ(p)/ホルスト・フォルスター/ドレスデン・フィル1964年盤を発見!しかも、この購入がもっとも歴史があって、記憶はまったくない・・・)
Schumann 序奏とアレグロ・アパショナート ト長調 作品92/序奏とコンサート・アレグロ ニ短調 作品134〜パーヴェル・クビカ(p)/アルノルト・エストマン.南西ドイツ放送交響楽団(1994年)/4本のホルンと管弦楽のためのコンツェルトシュテュック ヘ長調 作品86〜ヘルマン・バウマン・ホルン四重奏団/ハンス・フォンク/南西ドイツ放送交響楽団(1985年)/交響曲第1番 変ロ長調 作品38「春」〜マレク・ヤノフスキ/南西ドイツ放送交響楽団(1994年)・・・盛り沢山で演奏家寄せ集めの一枚也。演奏はどれも手堅く、作品も馴染みなんだけど・・・「序奏とアレグロ〜」はリヒテルにて、「序奏とコンサート・アレグロ」は「赤とんぼ」くりそつの旋律で(一部の好事家に)有名だし、残りの作品のお付き合いも長い・・・が、どーも苦手意識が抜けません。(バーンスタイン/ウィーン・フィルの交響曲全集購入数年、とうとう馴染めずこの度処分済)
演奏はどれも手堅く、音質よろしく、ちゃんとしたものなんだけど・・・これも@250也。苦手克服計画遂行中。
●2008年5月某日
金沢にて贅沢三昧・散財(体重増/おそらく尿酸値も)の挙げ句、昼過ぎのサンダーバードにて帰宅。女房ご満悦。エエ天気ですな。これぞ行楽日和!昨日は昼過ぎに取引先へ到着、ちょっと難しいお話を2件ほど終えたらもうお仕事モード終了也〜ご近所BOOK・OFFで4枚ほどCD+藤沢周平一冊仕入れたら女房殿お迎えに駅に舞い戻ります。
時間は少々早いが、おみやげ物を物色し(購入は帰る直前)つつ、ご当地美味をたっぷり+超・辛口日本酒も。で、折しも「ラ・フォルジュルネ金沢」真っ最中でっせ。今回のお仕事配置決まった途端に狙っていたもので、前回出張時チケット2枚入手済み。題して「能舞とベートーヴェン」〜県立音楽堂邦楽ホールは満員です。Beethoven ピアノ・ソナタ第14番 嬰ハ短調「月光」/ヴァイオリン・ソナタ第5番 変ホ長調「春」〜田島睦子(p)/西澤和江(v)/藪 俊彦(宝生流能楽師)/
古今亭志ん輔(ナビゲーター)・・・見物は能舞でして、「月光」第1楽章の幻想的な旋律に乗って、会場真っ暗、もちろん拍手もなく、演者がせり上がります。演目は「井筒」。これがぴたりと音楽/会場雰囲気に似合ってしまう。
藪さんが引いたところで会場拍手、そのまま軽快なる第2楽章、怒濤の終楽章へ。少々響きが濁るのは会場の個性でしょうか。こぢんまりしてエエサイズだと思います。で、引き続いて、西澤和江さん(v)登場、いずれ若い別嬪はん。これがしっとりと抑制の効いた、むしろジミな音色が出色なんです。技巧に不足はない。ヴィヴラートも控え目であって、清々しく気持ちの良い演奏でした。第2楽章に能舞登場〜「羽衣」(衣装が華やかで作品に似合っている)。やはり、ここで拍手とは聴衆は、よ〜くツボを心得ていらっしゃる。スケルツォ、フィナーレとほんま春めいて気持ちの良い季節を感じさせます。
チケット代1,000円也。約1時間の濃密な演奏会でした。古今亭志ん輔さんの司会はどうなのかな?「月光の逸話」はウソっぱちだから、言わずもがなと思いました。(「コンサートに行こう!」に再掲予定)
移動中聴いた音楽の件は、のちほどゆっくり執筆しましょう。午前中、兼六園〜近江町市場を冷やかして、お土産ごっそり買って・・・帰宅いたしました。
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Bruckner 交響曲第8番ハ短調〜エフゲニ・ムラヴィンスキー/レニングラード・フィル(1959年)・・・1967年録音の第7番よりこちらのほうが聴きやすい(いずれたいした音質ではないが)。やや速めのイン・テンポで(かなり壮絶なる)集中力持続しており、金管の異様な突出も少なくて違和感はありません。期待の第3楽章は「天国的」ではなくて、聴き手に厳しい集中力を要求する辛口演奏也。ここ最近、オークションにて「購入即処分」というパターンも結構あるんだけれど、これはしばらく棚中に生き残りそうです。
Bach 無伴奏チェロ組曲第4/5/6番〜藤原真理(vc)(1982年)・・・ことし2008年2月にオークションにて入手(通常通販の方が安かった!しかも盤質あまりよろしくない/当時定価5,600円!)、入手の経緯と藤原さんの演奏芸術とは別の次元。「荘厳で生真面目系であり、少なくとも”踊るように、歌うように軽快”ではない。音色は深く、技術的な問題も一切なし」とは入手当時の印象だけれど、細部までていねいに描き込んで、そのテクニックたるや壮絶です。お気に入りBach 中では少々”肩が凝る”系の音楽だけれど、荘厳な世界に思わず背筋も伸びます。録音優秀。
Holst 組曲「惑星」〜リコ・サッカーニ/ブダペスト・フィル(1999年ライヴ)・・・大枚22枚組ボックス中の一枚だけれど、そのレパートリーの広さに驚かされ、どれもそれなりの水準に至っている(ライヴ!)ことに感心もします。この「惑星」もややさっくりとしている(緻密ではない)が、速めのテンポと勢いがあって、明るく立派なもの。陰影とか詠嘆ではないから、作品によっては苦しい演奏もないではない。
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今回ご当地BOOK・OFFにて仕入れたCDをさっそく拝聴しました。(前回は8枚入手し、既に5枚処分済/情けない)Elgar 序奏とアレグロ 作品47/交響的習作「フォールスタッフ」/Bach (Elgar編)幻想曲とフーガ ハ短調 作品86〜クリストファー・シーマン/イギリス・ナショナル・ユース管弦楽団(1989/88年)・・・若者の団体らしいが、技術的にはそうとうに優れたアンサンブルとなります。最近バルビローリを聴いたばかりだけれど、練り上げられた味わい、みたいなものはムリとしても、”黄昏てなんども振り返る”切ない旋律たっぷり堪能させて下さいました。泣けるなぁ。「フォールスタッフ」はさすがにヴェテランの手練手管にはちょっと敵わない・・・Bach の編曲は(この時点)初耳でした。
エエ一枚@250入手!
Smetana 連作交響詩集「わが祖国」〜ヴァーツラフ・ノイマン/ゲヴァント・ハウス管弦楽団(1965年)・・・じつは「モルダウ」処分してしまい、少々高かった(2枚組総経費込1,250円ほどでオークション入手/国内ではもちろん廃番済)が、どーしても欲しかったもの。チェコ・フィル盤(1975年)も良かったなぁ。でもね
、ヴァーツラフ・ノイマンはゲヴァントハウスとの相性がとてもよろしいんです。ワタシはコンヴィチュニーとのBeethoven の良さを理解できない粗忽者だけれど、これを聴いちゃうと”ゲヴァントハウス250余年伝統の響き”の手応え、たしかに感じます。チェコ・フィルよりもう少し芯があって、重い。渋い。(出来映えは甲乙付け難し)例の1968年「プラハの春」事件の直前の録音。
「高い城」「モルダウ」の著名なる旋律もちろん、知名度的に落ちる後半4曲にも、同様の感動を保証する”優しくも厳しい歌”が胸に迫ります・・・
●2008年5月某日
これから金沢へ。職場にいったん寄れば小一時間くらいお仕事可能だけれど、中途半端になるのでゆっくり余裕で直接サンダーバードの人となります。いくら超小型とはいえ荷物になるのでノート・パソコン持参しません。今晩オークション出品分締め切りある(思ったほど入札ありまへん)けど、連絡は一日遅れになって申し訳ない。きょうも気温はかなり上がるみたいです。昨夜はよく眠れました。
Bach ロ短調ミサ曲 BWV232〜トーマス・ヘンゲルブロック/フライブルグ・バロック管弦楽団/バルタザール・ノイマン合唱団(1996年)・・・溌剌精気に溢れた(ロ長調か?まるで)お気に入り作品であり、聴く機会も多い作品。お気に入りはジョシュア・リフキン/バッハ・アンサンブル(1981/82年NONESUCH)による、”声楽も各パート一人”の清新極まりない演奏・・・だけれど、さすがに”リファレンス”(参照の基準)とするには躊躇う特異個性でした。じつは数日前より聴き進めていて、古楽器演奏の到達点に感銘深く聴き入っておりました。声楽ソロは合唱団のメンバーだそうだけれど、なんらの不満もなし、ウキウキするような躍動と推進力、ノリノリのリズムがかつてない興奮を呼びます。巨匠世代のみならず、1960年代以降の”専門家”(現代楽器)によるものが、少々重く、堅苦しく感じてしまうほど軽快かつ鮮烈な演奏です。
あとはあちこち”ちょろ聴き”〜シュナーベルのBach に意外なる感銘があったので、その流れでBach 平均律クラヴィア曲集第1巻〜エドウィン・フィッシャー(p)(1933-36年)を最初のほうのみ・・・LP時代(赤盤!)より馴染みのもの。”ドライで素っ気ない印象でした。ところがやはり「聴き手であるワタシの変容」か、妙にココロに染みます。テンポが速いのはSP収録の都合なのかな。細部まで入念に配慮・味付けされ・・・方面の演奏ではないにせよ、一見淡々としながら、じつは微細に変化する表情、推進力、流れの良さがひたすら快く、途中で止められません”(音楽日誌2004年4月)”音質条件乗り越え、淡々と乾いた情感を愛します〜時代的に思いっきり浪漫的なものを想像すると大違いで、けっして大時代異形なる解釈ではなくて、端正で敬虔な味わいか”(音楽日誌2006年8月)〜なるほど。ここ数年、自分なり評価の揺らぎなし。
ついでに、平均律第2巻の最初の方のみレオン・ベルベン(cem)(1999年BRILLIANT)にて。2ちゃんねるだったか、クソミソ論評を見掛けて驚いたけれど、旋律の揺れがあって味わい深く、これも古楽表現の新たな可能性を感じさせるもの。件のコメント氏は平均律になにを求めていたんでしょうか。「史上最悪の演奏。 数え切れないミス。信じがたい」???ミスタッチなど存在しないし、かっちり四角四面厳格な(堅苦しい?)演奏(例えばヴァルヒャ、リヒター辺り?現代チェンバロによる)を前提としているのか。
それにしても・・・Bach の平均律全曲盤を何種も所有できるなんて!こどもの頃を考えれば、なんという贅沢三昧。
●2008年5月某日
暖かい5月に入りました。相も変わらず睡眠不如意状態続きます。でも体調良好なので気にしないことにしましょう。連休中でテンションが上がらないこと、職場残業削減指示が厳しいこと(ワタシには残業手当など関係ない!が)で、昨日は早々に職場を出て歯医者(定例歯石取り)へ。本日も同様で今回のクール終了。明日、午後半休で女房と金沢漫遊予定だったが、上司指示(商品調達上の大問題発生)により急遽出張!って、ようはするに半日速くワタシが先に(出張経費にて)出掛けるだけ・・・オークションのほうは(先週処理分)ぼちぼち到着御礼が届きだして、現状入札は半分弱ほど?とにかく最低価格でエエから、全部動いて下さるとありがたいんだけれど。(ここ最近到着連絡がないのが増えているなぁ、不安でしょうがない)
ここ数日、入札狙っていた物件(CD)は、値が動き出したからすべて途中断念〜未踏峰「ミチョランマ」CDたくさん棚中にありますから。贅沢は敵だ。
昨日通勤音楽はElgar 交響的習作「フォールスタッフ」(ハレ管弦楽団1964年)/序曲「コケイン」(フィルハーモニア管弦楽団1962年)/序曲「フロワッサール」(ニュー・フィルハーモニア管弦楽団1966年)〜ジョン・バルビローリ指揮・・・陰影に富んで、旋律のふくらませかたが雄弁なこと、オーケストラが異なってもいずれ絶好調に鳴りきって自信満々の語り口であります。SONY製イヤホンの成果か、各々別時期の音源ながらどれも自然体で録音も良好。「コケイン」は大好きな作品で、「パリのアメリカ人」に対する「ロンドンの英国人」なのだな。落ち着いて、ちょっとセンチに気位が高い紳士。まさにヴェリ・ベストの演奏也。(以前よりボウルトの「エニグマ」にプラス収録されていて聴いていた)
帰りの時間余白で+「悲歌」「ソスピーリ(溜息)」(ニュー・フィルハーモニア管弦楽団1966年)は、”非常に雄弁で柄が大きく、わかりやすく、甘美悠然”なる交響曲第2番 変イ長調(ハレ管弦楽団1964年)のフィル・アップとなります。これぞバルビローリのためにある”密やかな涙”であります。
Ravel ピアノ協奏曲ト長調/夜のガスパール/ソナチネ〜マルタ・アルゲリッチ(p)/クラウディオ・アバド/ベルリン・フィル(1967年/1974年)・・・ここ数日繰り返し聴いていて、少々悩ましい演奏。録音、テクニックの切れ、才気、オーケストラの技量、いずれ間違いなく凄いのだけれど、どーもぴん!と来ない感じ。世評高いものだし、昔馴染みでもあるのだけれど、ワタシが求めているもの(先入観?)とどこか違う・・・曖昧模糊とした音質のペルルミュテールVOX旧録音を、久々聴いてみましょうか。
Bach 2台のピアノのための協奏曲ハ長調BWV1061(1936年)/イタリア協奏曲(1938年)/トッカータ ハ長調BWV.911/ニ長調BWV.912/半音階的幻想曲とフーガ ニ短調BWV903(1948年)〜アルトゥール(+ウィルリヒ)・シュナーベル(p)/ボウルト/ロンドン交響楽団・・・ピアノの味ってなんだ?録音の良し悪しってどーいうこと?考えさせられる演奏です。つまり、技術的には少々細部が粗く、勢いで弾いちゃう感じ・・・でも、かなりの危うい揺れも含めてけっこう”味”も”ノリ”もあるんです。聴いていて楽しい。太古録音ながら、音質も鑑賞に差し支えない水準であって、これなら現代に生き残って価値があると確信いたしました。
シュナーベルのBeethoven ピアノ・ソナタ全集(10枚)は、購入価格で処分しちゃったんですよね。折しも昨日無事(神戸のお医者さんへ)到着「迅速、丁寧、良品。多謝」とのありがたい評価をいただいたばかり。
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なんとなくざわざわとして、落ち着かない(世間は)連休中だけれど、それなりに諸課題(かなり大量に)消化して明日、金沢へ。半分(厳しい)お仕事、半分遊び。夜のコンサート一発予定入れてます。精神的にはすっかり休み。歯石取りも終了。
通勤音楽は(苦手と公言する)Beethoven ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調「皇帝」〜レオン・フライシャー(p)/ジョージ・セル/クリーヴランド管弦楽団(1961年)・・・音質ともかく、フライシャーのピアノは重心低く強靱、そして明快なテクニック+セルの盤石なる集中力アンサンブルで強烈な「皇帝」に仕上がっておりました。所謂独逸的暗い響きではないのは亜米利加勢の特徴でしょうね。日本では人気さっぱりだけれど、適性中庸なテンポを誇って、名曲を名曲たらしめるオーソドックスな演奏(・・・自分で書いていて、どーも筆致に愛情が滲み出ないことを自覚)。
もう一曲、ピアノ、ヴァイオリン、チェロの協奏曲ハ長調〜ユージン・イストミン(p)/アイザック・スターン(v)/レナード・ローズ(vc)/ユージン・オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団(1964年)・・・こちら作品的にずっと好みだし、オーマンディ率いるオーケストラの豊かな余裕、親密で巨匠然としないソロも息が合って楽しいものです。録音もこちらのほうがよろしい。
帰宅して(やはり)Beethoven ヴァイオリン・ソナタ第9番イ長調「クロイツェル」〜レオニード・コーガン(v)/スティーヴン・クレオバリー・ギンズブルグ(p)(1952年ライヴ)・・・これは現在集中的に処分している米PIPELINE音源/YedangClassicsには含まれない、BRILLIANT10枚組中一枚のもの。当然モノラルしかし鮮明かつ瑞々しい音質であり、コーガンの凛と背筋を伸ばしたヴァイオリンが生々しく捉えられておりました。第2楽章「アンダンテと変奏曲」に於ける気品ある、しっかり芯の感じられる音色に魅了されました。旧ソヴィエット録音は玉石混淆なんです。