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音楽日誌

これはなんという花ですか?2008年3月ご近所にて/「おそらく木瓜(ぼけ)ではないでしょうか?春先、梅、海棠とともに開く可憐な花ですよね」とのメール有

●2008年4月某日

巷ではGW連休中、4月ラスト出勤で著しくお仕事テンションダウンしております。今朝の朝日新聞、第1/2面特集で「ルポにっぽん」/細切れ派遣労働の悲惨な実態、大卒でもまともに正規で就職できた経験がない39歳、資格も経験もなくまともなお仕事を探せない女性のこと・・・ワタシの世代は「選ばなければどこでも就職できた」時代だし、もっと下のバブル世代は”内定決まったら海外旅行で囲い込み”だから、なんか悲惨です。「女はさっさと嫁に行け!」的価値観が崩れたのは僥倖だろうが、じゃ、それだけで幸せな時代になったのか、というと(おそらく)大間違い。「永久就職」という言葉も死語でしょう。だって稼ぐべき男だって大苦戦ですから。

ブツクサ言いつつ存分にお仕事させて下さる自分の境遇に、感謝。

昨夜、ご近所Syuzoさんのブログを拝見して、Vanhal(1739-1813)の話題があったので棚中よりCD取り出し、コントラバス協奏曲ニ長調〜クラウス・トランプ(cb)/ストラカ/カメラータ・ムジカ((c)1984)取り出し、無骨ユーモラスなる妙技堪能したが、大問題は次のMichael Haydn ヴィオラ、チェロとコントラバスのための嬉遊曲 変ホ長調〜レーチェル(va)/デーラー(vc)/バーブラ・ザンデルリンク(cb)を聴いているときに発生!第1楽章典雅なる「アダージョと変奏曲」途中で、進まないんです。あわててひっくり返すと、盤面汚れ(だけだったら良いのだけれど)+傷は修復不可。泣きながら廃棄へ。じつはVanhal、それにそのあとに収録されるSPERGER コントラバス、フルート、ヴィオラとチェロのための四重奏曲ニ長調と併せ、まったく同じ音源収録のCDをダブり買いしており、M.Haydnのみが唯一の音源であった・・・残念。

音楽ちょろ聴き落ち穂拾い。(もちろん)あちこち摘み聴き。不遜なるヴェテラン音楽ファン故、スピーカーの前に身じろぎもせず、小一時間集中すべき音楽経験なんて(最近)滅多にありません。

Beethoven 交響曲第9番ニ短調「合唱」〜デイヴィッド・ジンマン/トーンハレ管弦楽団(1998年)・・・久々の聴取だったが、第1楽章ラスト迄(集中力続かず)聴けない。残念。Tchaikovsky 交響曲第5番ホ短調〜ヨーゼフ・クリップス/ウィーン・フィル(1958年)・・・今月入手後3度目の聴取。これはちゃんと最後まで全曲聴取。ワタシは耳あたりの良い演奏を求めていて、都会的に洗練され、できれば音質良好で愉しみたい。柔らかく芳醇、こじんまりとした演奏との評価だけれど、そうでしょうか。骨太大仰なる汗水系絶叫ではないが、やはり燃えるような情熱を感じます。音質は少々劣化してしまったけれど。気品があるのだな。

Dvora'k 交響曲第9番ホ短調 作品95「新世界より」〜ジュゼッペ・パターネ/ハンガリー国立管弦楽団・・・これも久々。第2楽章途中迄。これはしっかり、じっくり全曲を別途味わいたいため。さっくりさっぱりとした速めのテンポで開始され、エエところではテンポを落としてしっとり歌うんです。第1楽章提示部繰り返しはワタシの望むところ。録音は記憶よりずっと良好で、ハンガリー国立管弦楽団のアンサンブルもヴィヴィッドかつ精緻なもの。これって、今となっては珍しいCDですよね。(p)1987HUNGAROTONはSANYO製のCDでした。

YedangClassics YCC-0107Bach ヴァイオリン・ソナタハ短調BWV1017/ヘ短調BWV1018/ト長調BWV1019〜イーゴリ・オイストラフ(v)/ナタリア・ゼルツァロヴァ(cem)(1987年ライヴ?)・・・敬愛する大Bach の作品だけれど、ここ最近優秀スマートなる古楽器演奏ばかり聴いていて、現代楽器、それも少々古風旧態とした演奏は久々、というか、メタボ警告!ダイエット礼賛!時代に(あえて)メガマック!みたいな豊満たっぷりジューシーなサウンドは(ある意味)逆に新鮮!快感!音質もYedangClassicsとしては、ややオンマイクで粒子が粗いがワリと良好でした。

Bach ピアノ協奏曲集 ホ長調BWV1053/ニ長調BWV1054/イ長調BWV1055/ヘ長調BWV1057〜アンドレイ・ガブリーロフ(p)/ユーリ・ニコラエフスキー/室内管弦楽団(1982年)・・・正真正銘のMELODIYA録音だけれど、なぜか廉価盤怪しげボックスセットの音源に使われたりして不思議です。情けない話しだけれど、ワタシはBach の現代ピアノによる協奏曲は”どれも同じ”的先入観を(長く、ずっと)持っておりました。今回、ようやく”見えた”という手応え有。

ガブリーロフのタッチは洗練され、現代楽器によるニコラエフスキーのバックも思わぬ充実を見せております。”Bach のピアノ”って、浪漫派以降の作品と違って、旋律の詠嘆じゃなくて淡々粛々とした流れじゃないですか。微妙なる個性をちょっとだけ感じられるように・・・なりつつあるのか。

これにて、長い、なが〜い一ヶ月終了。前月が遙か昔のよう。


●2008年4月某日

昨夜、しこたま酒呑んでへろへろ状態にて帰宅、ケーブルテレビ回線にてネット接続されているのを確認、さっそく無線LANの構築を開始するが、どこがどう悪いのか接続不可。無線LANルーターに有線にて接続してもアウト〜5年程前3,000円ほど激安購入した機器(既にメーカーも存在しない)だから相性悪いのか、深夜まで(酔眼状態にて)奮闘するが、ついに睡魔に負けて断念!・・・で、なぜ「音楽日誌」の更新可能なのか〜結果つながったから。

早朝決起、昨夜と同じ手順を踏むがやはり接続不可。じっくり(薄い/ほとんど内容のない)パンフレットを熟読すること一時間〜とうとう発見しました。「別なルーターなどと接続するときはモデムを再起動せよ」と。再起動もなにもスイッチはないから、電源を抜くんでしょうなぁ、一度。で、つながりました。それだけ。人生の貴重なる5時間をムダに・・・いえいえ、人生にムダなんてなくて、エエ勉強になりましたよ。設定確認に直接ノートにつないでみたけれど、ずいぶんと速いみたい・・・(速度表記は無知なのでわからず)でも、無線LANが安物だから(結果)それなりの速度に落ち着くんでしょう。でも、安定しております。ネットゲームみたいなものとは無縁なので、これで充分。

ああ、Yahoo!BBの解約届けは昨日夕方到着、女房が速達で送り返しました。これで(おそらく)今月迄の請求で納まるはず。NTTさん、さようなら。いまどきネットさえつながれば固定電話なんて要らんのですが、ケーブル電話みたいなのが付きました。電話番号変わらず。(料金格安)

オークション出品「露西亜編」けっこう入札ありますね。苦戦予想したもの(小品集)が先になっていて、売れ筋と睨んだ著名交響曲の動きが鈍く思えます。ま、未だ出品一日目ですから。あと三週間、残り時間たっぷりあります。

無条件幸福Mozart 中でも極め付けFavaritなるピアノ協奏曲全集だけれど、ゲーザ・アンダ全集盤面劣化(涙)でアウト、バレンボイム旧録音を処分し、とうとうイェネ・ヤンドーまで一昨日落札され(でも未だ連絡ないんです/ちょっと不安)在庫整理続きます。でも、棚中には3種の在庫残有〜無事ネットにもつながった喜び胸に聴いたのは、CASCADE am@do clasiccs 01022Mozart ピアノ協奏曲第15番 変ロ長調K.450/第20番ニ短調K.466〜カルメン・ピアッツィーニ(p)/ミハイル・ガントヴァルク/レニングラード・ソロイスツ(1990年)・・・この全集はどれも同じような印象であって、明朗快活、ストレート、元気溌剌、ニュアンスとか陰影で聴かせる方向じゃない、ということ。

ちょっと乱暴すぎるようなタッチ(喧しい?)に聞こえるが、かなりの強靱打鍵も健康的であって、これはこれで悪くないラテン系。優しい部分との対比(陰影じゃない)もあって、速めのイン・テンポ、揺れません。けっこうお気に入りです。音質良好。オーケストラの感じも、ソロに似た推進力+燦々と降り注ぐ陽光を感じさせます。この40枚組はピアノ協奏曲12枚分だけで充分ペイするどころじゃなか、お釣りが来ちゃうほどの価値有。第1〜27番+2曲のロンドも含んで収録も万全也。

本日、お休み。とびとびのGWで、お仕事の集中力切れがち。

オークション落札されたCDは無事連絡(やはり【♪ KechiKechi Classics ♪】読者でした/送料計算がエエ加減なのでサービス過剰になっているな)があり、Yahoo!BBのモデムも返送しなくっちゃ、ということで、西宮の郵便局へ。ついでにラーメンも喰ってきました。旨かったですよ、トンコツの塩加減が。

Vivaldi 協奏曲集 作品8/1〜4「四季」〜ジョヴァンニ・アントニーニ/イル・ジャルディーノ・アルモニコ(1993年)・・・子供の頃ベストセラーだった「イ・ムジチの四季」にはほんまに感動したもの・・・7年ほど前には”今更「四季」”という駄文も更新いたしました。←その中で棚中に残っているのは、シュナイダーハン盤(1960年頃)+ピノック盤(1978年)のみ、他はぜんぶ処分しちゃいました。でも、著名なるアーノンクール盤(1977年)も入手したり、で、ようはするに”古楽器”化が進んでいるだけか。

先鋭なるリズム、曰くありげな「間」、揺れ動くテンポ、切れ味ある技巧、テオルボ、オルガンの響きも新鮮だけれど・・・まったく感動できないのは感性の摩滅でしょう。ここ最近、Vivaldiはまったくココロの琴線に触れません(あくまで個人の嗜好です)。余白に作品8/9ニ短調(オーボエ協奏曲)+作品8/8ト短調が含まれ、前者は彼(か)のヘルベルト・ケーゲルの一枚の冒頭を飾る”悲痛なる”作品です。ま、演奏でここまで印象が違う、といった代表です。

Boccherini ギター五重奏第4番ニ長調「ファンダンゴ」〜ペペ・ロメロ(g)/アカデミー室内アンサンブル(1978年)・・・最近、棚をひっくり返していて気付いたけれど、3種の録音があったんですね・・・(まったく認識していなかった!)アイオナ・ブラウン(v)を先頭に、超絶的高音技巧のチェロはデニス・ヴィゲイ担当ながら、弦のアンサンブルは少々”雰囲気重視”っぽいか。でも、ギターの迫力、リズムのキレは凄く、トドメは熱狂的なカスタネットの乱入〜ほとんどクラシック音楽とは遠く離れた、ノリノリの名曲でありました。(ナマで聴きたいですね、フラメンコダンサー付きで)


●2008年4月某日

これを更新したら、Yahoo!BBのモデム類取り外さないと。無線LANも別途つながってますし。本日(遅い)帰宅後、無事ネット環境が整うでしょうか。オークション落札された分、一件連絡が未だなんです。

昨日、4年程前オトナ買いした韓国YedangClassicsの露西亜音源を(オークション出品すべく)整理していたけれど、かなり未開封もあり、まったく興味を持てない音源、一度聴いて(演奏/音質的に)愕然として死蔵させたCD、いろいろとあって深く反省いたしました。入手したもの100%が自分の嗜好に合うかどうかの保証はないけれど、それにしても酷い〜たしか、当時泡銭が入って一気購入したハズだけれど、新たな出会いを物量で求める(=”下手な鉄砲も数打ちゃ当たる”的発想)のも安易な姿勢であった、と。音楽ファンの嗜好も様々、日本中の音楽ファンに引き取っていただきましょう。

DOCUMENTS223500-321/D(第2巻) ヘルシンキ・ライヴ1969年配慮された選曲/音質はまぁまぁ・・・ヲタク話を一発。アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリの激安10枚組ボックス計2巻分は、音質の不備乗り越えタップリ愉しんでいるが、収録の一部がダブり?第1巻CD7に愛聴するScarlatti ソナタ集7曲収録され、後半5曲は「1969年」録音(録音場所不明)とのこと。ところが第2巻CD4はヘルシンキ・ライヴ1969年であって、まったく同じ作品/収録順(ハ短調K.11/ハ長調K.159/イ長調K.322/ニ長調K.9/ロ短調K.27)なんです。ま、彼のレパートリーは意外と狭いから、似たような演目で世界を旅していた可能性も有。

いずれ濃密、時に快速、時に纏綿と芯のあるサウンドを堪能いたしました。

Dvora'k ロマンス ヘ短調 作品11〜キアン・ツォウ(v)/エドゥモンド・バタスビィ(p)(1998年)・・・わずか10分ほどの作品、この演奏をなんど聴いたことか。清潔で真っ直ぐ、ちょっと緊張気味のヴァイオリンが、懐かしくも馴染みの旋律に映えて、嗚呼ワタシゃこの辺りの旋律が好きだなぁ、と。昨日も(サイト更新原稿用に)Smetanaのピアノ作品を集中して、たっぷり、なんども聴いたことを思い出しました。

Schumann ピアノ協奏曲イ短調〜クララ・ハスキル(p)/オッテルロー/レジデンティ管弦楽団(ハーグ1951年)・・・棚中何枚あるか数えたこともない〜作品だけれど、燃えるような情熱演奏!一気呵成にラスト迄!的推進力であります。女流の柔軟浪漫的演奏を想像すると少々異なっていて、かなりがっちりと構成されたスケール有。そこはハスキルのこと、強靱強面一方でもない・・・たしかPHILIPS音源でしたっけ?所有の怪しげ復刻(50'sレーベル)ではちょっと音の粒が粗いような気もするが、オリジナルを知りません。

では、無事のネット環境構築を祈って行って参ります。明日も休み。


●2008年4月某日

昨夜は女房かなり快復、ということで夕方より(お隣)JR尼崎の飲み屋に出掛けてみました。なかなか安くておいしかった。それ以外は無為無策、オークション終了分の送付、再出品くらいか。落札者、またまた【♪ KechiKechi Classics ♪】読者であること連絡有。ありがたいことです。音楽にはあまり集中できておりません。

「An English Celebration」(RPO CRCB-2005)数日前金沢購入分一枚、じつは(迂闊にも)2003年入手のチャールズ・グローヴス/ロイヤル・フィルによる「An English Celebration」(RPO CRCB-2005)とまったく同じ音源であることに気付きました。で、さっそくオークションに出品。収録はElgar 弦楽セレナード/Britten ブリッジの主題による変奏曲/RVW「タリス幻想曲」/Tippet コレルリの主題による協奏的幻想曲〜とくにラストの作品がCorelli 合奏協奏曲 作品6-2からの引用が妙に懐かしく、そして彼らしい少々破壊的なサウンドに埋め尽くされます・・・とはサイト内検索の結果也。

Bruckner 交響曲第7番ホ長調〜エフゲニ・ムラヴィンスキー/レニングラード・フィル(1967年)・・・ちゃんと全曲聴取。一連の作品中、特異に美しい旋律連続だけれど、音質問題、金管の異様な突出、緊張感続く厳しい集中力〜結果としてやはり”好事家向け”か、と思います。日常、折りあるごとに取り出して味わうべき音源ではない。Mahler 交響曲第5番ハ短調〜ゲンナジ・ロジェストヴェンスキー/放送大交響楽団(1973年)・・・こちら音質はかなりまともだけれど、やはり”好事家向け”、指揮者特有の大柄粗削りな個性を味わうべき演奏でしょう。オークションはぼちぼち露西亜系音源の放出を開始すべき時期に至っているみたい。

IMP/CarlTON 30367 02602  @250Krommer ファゴット、2台のヴィオラ、チェロのための四重奏曲 変ロ長調 作品46-1/ファゴットと弦楽のための五重奏曲 変ホ長調 作品46-2/Reicha ファゴットと弦楽四重奏のための五重奏曲(調性不明)〜ジョン・ハード(fg)/ヴェロニカ弦楽四重奏団/マリー・ハリス(va)(1997年/IMP/CarlTON 30367 02602)・・・アメリカはオハイオ州での録音だそうです。現代楽器による演奏であって、ファゴット・ソロは超絶技巧と呼んでよろしいでしょう。ユーモラスな雰囲気満載、愉快軽快なる旋律リズム連続でありました。Krommerは1759-1831だからMozart 世代か、Reichaが1770-1836でHaydnの弟子であり、Liszt、Berliozの先生に当たるとのこと。

前者の古典的に均整の取れた(+茫洋とした)作風に比べ、Reichaはもっと自在でリズミカルな印象がありました。この一枚でようやく音楽が愉しめた、といった感じ。

女房風邪を言い訳にスポーツクラブもサボり。終日家でごろごろ。上記、チャールズ・グローヴス盤はさっそくオークション入札あって未送付分と同じ人だったので早期終了させ、一緒に送ることにしました。いよいよ数年間棚中に死蔵させてきた(オトナ買い)YEDANDCLASSICSを(第1次)大量出品へ。主に音質問題(+コンピレーション・センスが変)なんだな。知名度的に低い演奏家にはなかなか入札ないだろうな。著名演奏家は早速入札数件有〜良心価格だから。

明日、ケーブルテレビによるネット回線工事だそうで、Yahoo!BBの解約書(郵送じゃないとダメなんだそうです)とうとう届かず、おそらくは一ヶ月分ダブり払いでしょう。明日の到着に望みを掛けます。

Bach フーガの技法〜ルドルフ・バルシャイ/モスクワ室内管弦楽団(1969年ライヴ)・・・伝説のアンサンブルを誇った団体だけれど、演奏スタイルが時代を感じさせるフツウの現代楽器演奏也。音質もいまひとつ。収録83:42は驚異的で、おそらく所有中もっとも長いものでしょう。これもいずれ出品しなくては。


●2008年4月某日

お仕事はほぼ予定通り(なんとか)消化している(つもりだ)が、いろいろビミョーに違和感というか、人間関係がムズかしい。上司との面接課題は適切であって、とくにチームのヴェテランの(まだるこっしい/まわりくどい)話しを”いったんは”ちゃんと聴け、との指令。ワタシは気が超・短いですからね。そこそこ許容範囲の残業にて帰宅、女房が風邪で苦しんでおりました。とにかく一週間終わった。オークション締め切り分はそれなり落札有〜本日送付。CD追加出品もしておきました。

ああ、狙っていた古楽器によるMozart ピアノ協奏曲全集は(自分感覚では)法外に値が釣り上がったので入札断念。手持ち古楽器録音を再確認いたしましょう。慌てなくても聴くべき音楽は棚中に溢れかえっている!

VENEZIA CDVE03215 オークションにて総経費込890円ほど通勤音楽にもビミョーに集中できず。Bruckner 交響曲第8番ハ短調〜エフゲニ・ムラヴィンスキー/レニングラード・フィル(1959年)・・・結論的には途中までしか聴けなかったが、心配された音質はワリとましでそうひどいものでもない。昨日聴いた第7番ほどの剥き出し金管の違和感もなく、意外とスリムで緊張感と推進力に溢れた快速演奏であった・・・やや厳しく硬質なシューリヒトの風情かな?両曲2枚ともちゃんと、全部再聴しましょう。

Locatelli ヴァイオリンの技法 作品3〜ロドルフォ・ボヌッチ(v)/サンタ・チェチーリア室内管弦楽団(1990年)・・・全4枚4時間にも及ぶ協奏曲集だけれど、1枚目を聴いて処分を決意・・・いえね、ボヌッチの超絶技巧(各協奏曲両端楽章にすさまじいカデンツァが入る)に文句はないが、オーケストラの(現代楽器)アンサンブルが昨今の古楽器系優秀な集中力とはかなり隔たったものであって、しかも、平板で奥行きも残響も全然足りない。作品の風情を確認した、ということで残3枚聴く意欲を失いました・・・残念!もしかして、先日もVivaldiに全然集中できなかったから、この辺りの音楽が自分にフィットしないだけかも。

EMI 5036032 30枚組 6,608円Elgar 交響曲第2番 変イ長調〜ジョン・バルビローリ/ハレ管弦楽団(1964年)・・・待望の入手、というか、この一枚が欲しいために30枚組セットを購入した、といったのが正直なところ。もともと”狙って集める”という習性はなかった(安ければ買う、という基本)んだけれど、最近廉価盤が巷にごろごろしているので”狙える”ようになったんです。第2番担当は手兵ハレ管弦楽団(マンチェスター)だったんですね。この作品はエドワード・ダウンズ盤ですっかりお気に入りとなり、今年2008年1月にレナード・スラットキン盤を入手したところ。”ハレ管のマジック”とは、バルビローリが指揮すると瑞々しい立派なサウンドに変貌するということです。

非常に雄弁で柄が大きく、わかりやすく、甘美悠然。ほとんど別な作品に聞こえるほどであって、第2楽章「ラルゲット」の官能的な葬送行進曲、ここが白眉。第1番(もそう人気はないが)に比して録音(演奏)が機会が少ないと思うが、これはほんま黄昏の名曲です。間違いない(時代遅れのギャグにもならぬ・・・)


●2008年4月某日

昨夜遅く帰宅。湖西線強風のため、サンダーバードは米原経由という荒技でかなりの延着、車中は(職場では少数派の)禁煙派である若い者と話していて音楽も読書もできず。昨日の会議は依頼していた基本資料にミスがいっぱい(点検もれです)で恥をかいたけれど、ま、概ね順調でした。二日間盛り沢山な出張で、疲れた!散財した!本日、上司との面接含め宿題多数・・・当面乗りきるが、むしろ先行きの段取りをしっかり組まないと5月はそうとう(スケジュール)キツそうな・・・ま、なんとかしましょ。

取引先側のBOOK・OFFに再び訪問、CD4枚購入(計1,000円也)、帰宅したらぼちぼちオークション落札していた4枚到着〜また、未踏峰「ミチョランマ」状態更新へ。オークションというのはどうもアカンなぁ、買う立場としては到着した途端熱が醒める感じは(時に)あって、そんな時は即再出品となることも有。本日〜明日に掛けて出品分締め切りが来ていて、まぁまぁの入札が入っております。

IMP PCD 2044 @200一昨日購入分より一枚。Hindemith 「弦楽のための5つの異版」 作品44/Barber 「アダージョ」作品11/Puccini「菊」/Warlock 「キャプリオル組曲」/Bartok「ルーマニア民族舞曲」〜アイヴィン・オードラン/ヨーロッパ・コミュニティ室内管弦楽団(1991年)・・・演奏者表記がどーも怪しい。ヨーロッパ室内管弦楽団とは違うのか?指揮者(EIVIND AADLAND)はノルウェイのヴァイオリニストらしく、そこでは「ヨーロッパ・ユニオン室内管」の音楽監督となっているが・・・オン・マイクな音質印象もあって、整った、骨太のアンサンブル(やや大味)を聴かせて下さいます。HIDEMITHは初耳でした。注目は「菊(CRISANTEMI)」であります。これは聴き手の胸を鷲掴みするような哀愁のメロディ(7:13)でありまして、CDでは未入手だったもの。(FMエア・チェックで出会った名曲)これで200円也〜持ってけ!

昨日到着のCDより、Bruckner 交響曲第7番ホ長調〜エフゲニ・ムラヴィンスキー/レニングラード・フィル(1967年)・・・第8番(1959年)との2枚組600円(諸経費全部込でも1,000円しない)なのに誰も入札がなかったので、締め切り直前に落札成。音質の厳しさは知っておりました。さっそく第1楽章をさっくりと拝聴。金管が異様なヴィヴラートで前面に出て、厳しい表情〜好事家向け録音でしょう。こうしてみると、ロジェストヴェンスキーは”RUSSIAN Bruckner”の歴史を引き継いでおるのだなぁ、と妙な感慨ありました。美しい作品に美しい演奏を・・・といった趣向ではない。

さて時間切れ出勤です。なんとか一日乗りきります。明日は休むつもり。


●2008年4月某日

(在金沢ホテル)昨日夕方商談2発、メーカーさんと打ち合わせ一本の予定が、商談一本分今朝にずれ込んで30分ほど余裕が・・・で、ご当地BOOK・OFFへ。折りしも@350CD2枚で@500セール中+前回購入時の割引券50円*4枚有、ちょっとエエ感じの(廃番済)英国音楽中心4枚購入して合計800円也。総在庫抑制計画は遅々として進みません。

昨日の音楽落穂拾い。Mozart 「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」/Offenbach「ホフマンの舟歌」*/Chabrier「スペイン」*/Smetana「モルダウ」/Mendelssohn「フィンガルの洞窟」/Sibelius 「フィンランディア」/Tchaikovsky「1812年」*〜ヘルベルト・カラヤン/ベルリン・フィル/フィルハーモニア管弦楽団(*)・・・う〜む、とんでもない残響ムーディ+ゴージャスな「アイネ・ク」に(いきなり)仰け反っちゃう。「モルダウ」は小学生だったワタシが17cmLPで聴いた「おもちゃの交響曲」のB面に収録され、エエ曲やなぁ、と目覚めた懐かしいもの。(真空管モノラル・ラジオにプレーヤーつないだ環境で)全体として、語り口が上手く、やや抜き加減のリラックスした(やや雑?)演奏が好悪を分けるでしょう。ワタシはそれなり、です。

これから商談2発。昼から会議2発。帰宅は遅くなりそうです。


●2008年4月某日

途中覚醒の癖(へき)時々出現、でも体調良好だから良しとしましょう。職場では風邪で休んだやつもおります。気を付けなくっちゃ。チームメンバーのお仕事ぶりが徐々に様子見えてきて、異動一ヶ月の若い者は仕方がないが、ヴェテランの”手続き論重視/内容なし”が見えて参りました。それに”現場”(商談も)をいやがるのだな。本日より金沢出張なのに、商談約束が取れていない(?)のには少々驚きました。いずれ自責として早急に叩き直します!いままでこんなんで通用してきたのか・・・4月予算は達成したが、これは前任の余禄です。

dhm 88687 281822/1DURANTE マニフィカト 変ロ長調/D'ASTORGA スターバト・マーテル/Pegolesi 「主よ、あなたに告白します」〜トーマス・ヘンゲルブロック/バルタザール・ノイマン合唱団/フライブルク・バロック管弦楽団(1995年)・・・いずれ初耳の作品ばかりであり、前2曲は作曲家として名前のみ、作品は初めての聴取となります。著名なるヘンゲルブロックもこうして廉価で登場して下さって、はじめて聴く機会を得ました。Bach を連想させつつ、いっそう大衆的に明るく、わかりやすい旋律連続であって、これは楽しいなぁ。演奏はすこぶる生き生きとしたものであって、神妙に重苦しいものとは無縁。清涼で、よく整った合唱(ノン・ヴィヴラート系)の素晴らしさ。リューシンク/オランダン・バッハ・コレギウムによるBach カンタータ全集は稀有なる価値を持つことに間違いないが、現代古楽器演奏の器楽声楽水準はもっと別なところに至っている、と比較可能かも知れません。

Bach モテト 「主に向かいて新しき歌を歌え」BWV225/「御霊はわれらが弱きを助け給う」BWV226/「イエス、我が喜び」BWV227/「恐るるなかれ、われ汝と共にあり」BWV228/「来たれ、イエス、来たれ」BWV229/「もろもろの国よ、主をほめ讃えよ」BWV230〜コンラート・ユングヘーネル/カントゥス・ケルン(1995年)・・・Bach のモテト集は古くからのお気に入りであって、LP時代はフィリップ・カイヤール、CD時代にはハンス・マルティン・シュナイト(日本ではコンサート指揮者としてすっかり人気となったが、もともと宗教声楽作品の録音が多かった/このCDは処分済)で楽しんでおりました。BRILLIANT全集中のミシェル・コルボ盤(1995年?これはぐっと、ソフトマイルドで甘い繊細演奏)のみ棚中に残。久々の聴取故か、これほど旋律の深さを痛感したのは初めて!との手応えしっかりありました。「イエス、我が喜び」が、リズミカルに躍動するのを初めて聴きました。

では行ってきます。

(在金沢ホテル)ヴェテラン・チームメンバーが案内してくれた片町の飲屋(みせ)はバカ高くって、割り勘といってもワタシが(かなり、相当)多い割合を負担せざるを得ず・・・ま、仕方がない。本日の商談はエエ雰囲気でした。

しっかし金沢は遠いなぁ、二時間半でっせ。でも通勤時間含めたっくさん音楽聴けました。ネス・カフェ景品「なごむ」NGB102中古100円にて購入J.Strauss.J. 皇帝円舞曲/南国のバラ/アンネン・ポルカ/春の声/ピツィカート・ポルカ*/鍛冶屋のポルカ*/メリー・ウィドウ・ワルツ*/トリッチ・トラッチ・ポルカ/無窮動/芸術家の生活〜アルフレッド・エシュベ/バウワー・トイスル*/ウィーン・ヨハン・シュトラウス管弦楽団(ネス・カフェ景品「なごむ」NGB102中古100円にて購入)・・・久々の聴取であり、あちこちのBOOK・OFFやオークションで(法外に高価で/売れるはずないじゃん)見掛ける一枚。びっくりしたが、ものすごく雄弁で上手い演奏也。でもさ、どこの音源か知らんが、妙に決まりすぎて、オン・マイクに押し出し立派で、表情付けがいろいろあって・・・鬱陶しいこと限りなし。困ったもんです。もっと素朴になれんのか。

Bach 小プレリュードと小フーガ〜タチアナ・ニコラエーワ(p)・・・作品詳細の出目はよく調べていない(購入して何年経ったの?)んだけれど、硬質でリリカルなタッチがけっこう淡々と味わい深いもの。いつの間にか忘れられたようなピアニストだけれど、この人のBach はピカイチだ。

Mozart ピアノ協奏曲第17/24番〜アンドレ・プレヴィン(p)/ボウルト/ロンドン交響楽団(1973年)・・・秘蔵CDでんな。嫌いでもヘロ演奏でもないが、ビミョーな違和感というか、個性を感じます。明るく軽快、華やかで、馴染みの作品がすっかり別な印象に変貌しております。この組み合わせはどうやって実現したんでしょうね。ロンドン交響楽団はちょうどプレヴィン時代でしたっけ?


●2008年4月某日

先月辺りから通勤にポータブルCDプレーヤーを持参(時代遅れですか?)しているが、出張時も含めずいぶんな使用時間にもかかわらずけっこう電池の保ちが良いのに驚かされております。(充電に非ず/乾電池のほうがどこでも補充可能)お仕事に精神的余裕ができたこと、SONYのイヤホンが絶好調であること、そんなきっかけで音楽を心安らかに堪能出来るようになる・・・女房がマンション付属のケーブルテレビ回線による電話とネット接続を訊いてきて、これがなかなか安い。なんといっても(憎き)NTTの基本料金がバカ高いんです。ほとんど使わないのに。ネットがなければ即解約したいくらい。加入権云々は20年前のことだから水に流しましょう。月末に切り替え間に合うかな?

EMI CD-EMX9512今朝、Vaughan Williams 組曲「野の花」(ヴィオラ・ソロと合唱を伴う)/交響曲第5番ニ長調〜ヴァーノン・ハンドリー/ロイヤル・リヴァプール・フィル/合唱団(1986年)・・・今月金沢で偶然入手した全集だけれど、じんわりと胸に染みる毎日であります。「FLOS CAMPI」(野の花)は初耳だったか?抑制と含羞、静謐に溢れるこれぞ英国音楽!的ジミなヴィオラ・ソロ(クリストファー・バルマー)+歌詞のない清涼な合唱が絡み合う22分の感涙。交響曲第5番ニ長調は、前作第4番ヘ短調の”怒り”とはうって変わって全編”祈り”の安寧に充ちた作風となっております。どちらも戦時中の厳しい時代の産物なんだけど。中世の賛美歌より霊感を受けたコラール風旋律頻出、透明感があって、油断するとつかみ所のない作品?と誤解するような、素敵な音楽也。

第4番との対比で組み合わせるのも悪くないが、「野の花」との連続が優しい味わい継続してエエ感じでしょう。清潔な音楽も録音もGood!

さて、明日よりの金沢出発に向けて、いろいろ本日は詰めたお仕事必要です。今朝はお仕事予告編の夢見ておりました。

ほぼ予定通りのお仕事消化、しかしまだまだすっきりしない。無事資料関係は半日の余裕で完成しました。明日から金沢だけれど、連休中女房と訪問すべくホテルと指定券を取りました。お仕事じゃないからね。5月末に博多訪問の用事ができるかも知れません。嬉しいな。

通勤音楽はBrahms 。交響曲第3番ヘ長調〜ベルナルト・ハイティンク/コンセルトヘボウ管弦楽団(1970年)・・・(p)1991の中央公論社「世界の名曲」(14)国内プレスのせいか音質に少々不満有。乾き気味で残響少なく、左右の分離強調し過ぎ。オーケストラの深くマイルドな響きに乗って、ストレート系虚飾ない真面目表現が聴かれます。若い頃は”なんとツマらん!”と感じたものだけれど、じわじわこんな方面も良いな、と。交響曲第4番ホ短調(1972年)・・・これもPHILIPSの国内プレス盤だけれどぐっと良質な音質で、コンセルトヘボウの各パートがマイルドに混じり合います。当たり前だけれどベイヌム盤にそっくりで、より素直で録音改善、といったところか。

これは文句なし。コンセルトヘボウのひさびさのちょ魅力たっぷり堪能。珍しく値札が残っていないが、250円か300円。(第3番は450円也)


●2008年4月某日

昨日は朝から(定例)スポーツ・クラブへ通い、昼から通勤靴を一足購入。夜外食・・・いろいろと喰いすぎました。金曜日は歯医者通いで早退したから、ずいぶんと体感長い週末休み、(ケータイに転送される)メールが6通溜まっております。さて、今週は金沢ウィークリィでして、現地にて会議があるのでその資料準備を早々に終えたいところ。自分の領分は早々に終えて、チームメンバーのもめごとやら不備フォローに回らなくっちゃ。メール中一件、鬱陶しいのがあったような気がする・・・ま、たいしたことはない。

SUPRAPHON 58C37-7724→25/オークションにて諸経費込760円ほどだったかSmetana 連作交響詩集「わが祖国」〜ヴァーツラフ・ノイマン/チェコ・フィル(1975年)・・・お気に入りの作品だけれど、全6曲隅から隅まで愉しませて下さる演奏は少ないものです。手持ち在庫はけっこう処分してしまいました。棚中ではターリヒの1941年盤は音質的に少々悩ましく、クーベリック/ボストン交響楽団(1971年)は表情が厳し過ぎると(時に)感じ、ススキンド/セントルイス響(1974年)に至ってはしばらく聴いていなくて、どんな演奏だったか?の記憶もない・・・ノイマンはこの旧録音のほうが、しっくり胸に落ちました。優しく、暖かく、やや田舎臭いサウンド。後半には思わぬ激しい音楽が頻出するが、あくまでバランスを旨として最後まで厭きさせません。2枚目に「リチャード三世」「ヴァレンシュタインの陣営」「ハーコン・ヤール」「シェイクスピア祭のための祝典行進曲」(1974年)という聴く機会の少ない作品が収録されており、魅力に於いて「わが祖国」に劣るものではありません。

Bach 音楽の捧げもの〜バルトルド・クイケン(fl)/シギスヴァルト・クイケン(v)/ヴィーラント・クイケン(vc)/ロベール・コーネン(cem)(1994年)・・・これです。たしか、同時期に来日していて、FMで流れるこの演奏(ライヴだったかも)に心酔し、エア・チェック・テープを何度聴いたことでしょう。もともとニコレ(fl)/ルツェルン音楽祭の演奏で出会った作品(未CD化?FMでした/ニコレの緊張感が凄かった)でして、古楽器での再会は衝撃でしたね。おそらくはワタシの古楽器好きの原点でして、十数年ぶりの再会印象も寸分違わない・・・後の古楽器隆盛を予見する(なんせ現世代の先生達だから)研ぎ澄まされた技術と集中力、練り上げられた表現に慄(おのの)くばかり・・・

春の陽気に充実した一日だった・・のか、どうなのか。まだまだチームとしてのお仕事の質は低いと思います。ま、一朝一夕には改善されませんな。5月連休明けに福井〜東京転戦の会議有。先月に7年間務めた毎月の東京会議より引退したが、来月より隔月にて別途の会議メンバーに招集されました。ちょっと重いなぁ、あまり行きたくない。以前の会議は年に2回ほど仙台とか札幌とか楽しみがあったけど、今度のはもっぱら東京ばかりだし。

通勤音楽しっかり聴きました。Mozart ピアノ協奏曲第22番 変ホ長調K.482/第23番イ長調K.488〜マルコム・ビルソン(fp)/ジョン・エリオット・ガーディナー/イングリッシュ・バロック・ソロイスツ(1987年)・・・繊細であり、軽快なリズム。細部ニュアンスと陰影に富んで、馴染みの旋律が思いっきり新鮮に響きました。ガーディナーの古楽オーケストラはティンパニの打鍵強靱に鋭く、木管もホルンも良く歌って思わぬ雄弁であります。(交響曲聴いてみたいですね)ビルソンのフォルテピアノは素朴かつていねいな語り口で、テンポもけっこうゆらゆら揺れます(浪漫風ではないが)。変ホ長調協奏曲K.482の快活明快な作品がスタイルに似合って映えるのか、と思ったら、優しいイ長調協奏曲K.488の夢見るような憧れだって、ちゃんと楽しくウキウキ聴かせて下さいます・・・じつは、長年リファレンスとして愛聴してきたイェネ・ヤンドー全集をオークションに出したのは、古楽器での全集購入を検討しているからなんです。

CAPRICCIO SMU12(10 804/3) 1,000円で購入Mozart ピアノ協奏曲第17番ト長調K.453〜クリスティーネ・ショーンスハイム(fp)/ブルクハルト・グレッツナー/新バッハ・コレギウム・ムジクム(1989年)・・・ビルソンとの比較対照として(通勤往復で余った時間を利用して)持参したCDだけれど、クールな技術のキレという点で、ソロ/管弦楽とも立派で見事な演奏也。但し、やや線が細すぎて神経質なところがあり、陰影、揺れ、歌ということでは前者に軍配が上がるでしょう。


●2008年4月某日

春の嵐といった全国的天候であり、気温も低かったり、雨(曇り空)模様だったりで床屋+歯医者(定例歯石除去)に行ったのみ。終日音楽を聴き、書籍を読み、二時間ドラマの再放送を見ておりました。運動不足のせいか、睡眠不如意甚だしい。オークションは一部売れ残り再出品はあるものの概ね買い手が付いて、本日/明日送付、更にCD追加出品しておきました。じつはもう一件やや大物の入札悩んでおり、一週間後の決断(経済的な問題でもなく、この場合物量増殖問題でもなく、自らの音楽を聴く姿勢を考えるべき存在として)が必要です。ワタシの場合、入札競合があればすぐに諦めるが。いつまで経ってもCD在庫総量抑制計画は進捗しない・・・

Vivaldi 協奏曲 ホ長調「恋人」RV271/シンフォニア ロ短調「聖なる墓に」/協奏曲ニ長調「不安」RV234/協奏曲ト長調「コンチェルト・ア・ラ・ルスティカ(田園風)」RV151/協奏曲ニ短調「マドリガレスコ」RV129/フルート協奏曲第2番ト短調作品10-2「夜」RV439(ブラウ(fl))〜ヘルベルト・カラヤン/ベルリン・フィル(1970年/1983年)・・・Vivaldiはそれこそ”聴かない”作品の代表になってしまって、カラヤンの豊満優雅なるスタイルでも正直愉しめません。以前はもっと素直に耳に入り込んだんだけどなぁ・・・CDを安く見掛けても触手が伸びることはないんです。あかんなぁ。

NAXOS 8.111048Holst 組曲「惑星」〜作曲者/ロンドン交響楽団(1926年)・・・サイト内検索するとなんども拝聴しており、その度に苦戦を強いられているような・・・もともとオーディオ映えのする作品であって、流石にこの時代の録音(年代を勘案すれば驚異的な水準であるにせよ)では貧弱なる印象を拭えない・・・でも、ボウルト/BBC交響楽団1945年録音は手応え充分でした。「身を乗り出すほどの演奏でもないか。所謂、よくある”自作自演”風さっぱり淡々とした風情」(以前の「音楽日誌」より)〜この感触を基本として、当時の素朴な演奏技術(スタイル)を意外と堪能いたしました。

それにしても「惑星」は棚中いったい何種存在するのか・・・先日、プレヴィン/ロンドン交響楽団(1973年)処分し、カラヤン/ウィーン・フィル(1961年)は随分と以前に手放したが、サイト内検索すると存在さえ忘れていたものが次々登場して暫し唖然。ウォルター・ススキンドやらペーター・マークやら・・・オーマンディは入手したっきりでまともに聴いていないんじゃないか。(罰当たり)

Elgar 交響曲第1番イ長調〜ジョン・バルビローリ/フィルハーモニア管弦楽団(1962年)・・・あまりに濃厚なる感銘になんどか繰り返し聴いております。フィル・アップは序奏とアレグロ 作品47(弦楽四重奏と弦楽のための)〜アレグリ弦楽四重奏団/シンフォニア・オブ・ロンドン(1962年)であって、これは未聴でした。纏綿と良く歌う”決まった”演奏であることともかく、ある疑問が氷解〜Vaunghan Williams「タリス」「グリーンスリーヴス」幻想曲は昔馴染みだけれど、どうしてこんな中途半端な量の音源が残っているんだろう?つまり、これと併せてLP一枚分だったんですね、きっと。

「未踏峰ミチョランマ」状態に陥る要因として、ワタシには”関連聴き”のクセがあるんです。このElgarだったらロッホラン盤(1983年)、プリッチャード盤(1983年)、そしてNAXOSのジョージ・ハースト盤(1992年)と比較対照したい・・・そうなるとボックスものはなかなか先に進めない状態に〜贅沢な状況であります。それは幸せであることを自覚いたしましょう。

NAXOS 8.554128 1996年録音今朝、Bruckner 交響曲第4番 変ホ長調〜ティントナー/ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団(1996年)・・・かつてのエエ加減コメントが残っているが、日本のBrucknerサイトの権威・Syuzoさんより、”ティントナーの「ロマンティック」はKechiKechi Classicsと、斉諧生音盤志で、両極端のログを読むことができる。どちらも、小生なるほどと読んでしまった”とのコメントを(かつて)いただいたものです。恥ずかしい!ワタシなぞ斉諧生さんの足下にも及ばず!ましてやワタシはその後ティントナーへの混迷深めて、かつてのコメントもトップページから行けないように(封印)しちゃっております。

”オーケストラの力を完全(いや、いつも以上に)に引き出し、アンサンブルの高さは舌を巻くほど。RSNOはいままであまり聴く機会のなかったオーケストラですが、ここでの響きはどう聴いても完璧に超一流”・・・というのはどー考えても言い過ぎ。”第3楽章スケルツォ・・・金管が遠い原野からじょじょに近づいてきて、やがて最高潮の迫力に達しても音が濁らない。途中途中に挟まれる、弦と木管の優しいこと。テンポの頻繁なゆれも自然体”〜これが間違いであって、いかにもオーケストラが弱いんです。響きが薄い、リズムにコシと粘りが足りない。それでも清涼なる響きはそれなりに味わいがある・・・というのが正しいところでしょう。嗚呼、恥ずかしい。加筆修正の機会を伺います。


●2008年4月某日

睡眠不如意、早朝覚醒継続、体調維持。昨夜オークションCD出品分の締め切りが(一件、レヴァイン12枚組の大物)始まっており、期待通りの落札成。(ワタシにとって、演奏録音内容は期待通りではなかった)本日夜が本格的な締めとなります。金額が釣り上がることより、”キレイさっぱり嫁に行く”ことが重要なんです。昨日巨峰「ミチョランマ」大量入庫したのに、また一件落札しちゃいました・・・「購入意欲=聴取意欲」的なところがありまして、ワタシの場合、その関連CDの再聴もするから見聞は数倍に広がる!(・・・こともある)。

昨日HMVより到着分より、スイスのピアニスト、ミヒャエル・シュトゥーダー(p)6枚組(これで新品2,000円某だから中古オークション出品はもっと安くしないと!)より、一枚目。Bach パルティータ第1番変ロ長調BWV.825/イタリア協奏曲ヘ長調BWV.971/イギリス組曲第2番イ短調BWV.807/フランス組曲第6番ホ長調BWV.817(1987年)・・・恐るべき恬淡クールな風情であって、正確な技巧を基調としつつ滋味深くも品の良い演奏連続。昔馴染みの作品ばかりだけれど、押しつけがましさ皆無、粛々と聴き手を包み込む新鮮なる味わいと優しいタッチ。所謂”鮮明な!”音質ではなく、豊かな残響に酔いしれる〜系のサウンド。これは”購入CD消化”ではなく、何度も寄り道して味わいたい演奏に間違いなし。

DHM 88697 281822/3 @105円ほどDHMの大物50枚組から引き続きBach ゴールドベルク変奏曲〜グスタフ・レオンハルト(cem)(1976年)・・・この人の演奏は多く聴いていないが、LP時代からお気に入りでした。bachleonhardt.htm" TARGET="_blank">”謹厳実直強面”系と思います。昨今の軽妙なリズムを誇る古楽器とは世代が違うのか。ここではそこまでの頑固さとは言えぬが、いずれ強靱なる表現には揺れるような余裕や、歌、遊びを感じさせるものではない。全曲でなんと47:19〜つまり繰り返しなし。既に消滅してしまった金属的大柄現代チェンバロではないが、ヤワな響きでもなし。しっかり背筋が伸び、緊張感と集中続く立派な演奏也。個人的嗜好からは少々外れるが、拝聴すべき完成度の高さでありました。

今朝、クララ・ハスキル3枚分残り、全部拝聴。Mozart ピアノ協奏曲第13番ハ長調K.415+第20番ニ短調K.466(フリッチャイ/RIAS交響楽団1954年ライヴ)/第19番ヘ長調K.459(フリッチャイ/ケルン放送交響楽団1952年ライヴ)/第23番イ長調K.488(パウル・ザッヒャー/ウィーン交響楽団1954年/PHILIPS音源かな?)+Beethoven ピアノ協奏曲第4番ト長調(カルロ・ゼッキ/ロンドン交響楽団1947年/英DECCAで出ていた音源)・・・哀愁さえ漂う(あくまで清純)濡れたように美しく、粒の揃ったピアノ。音質ともかく、先に聴いた2曲含め、演奏の質にバラつきもなく、どれも聴き手の胸を揺さぶります(ぼんやり聴いていても、おおっ!?と惹き付けられる)。

フリッチャイのライヴは(表記を信じれば)初耳だけれど、あと2曲はLP時代からお気に入りでした。せたキッカケであります。カルロ・ゼッキとの第4番って、こんな素敵な演奏だったとは・・・クララ・ハスキルの音源もかなり棚中に揃ってきたが、一度整理整頓しようかな?(DG録音が入手できてない)先日、音質改善を確認したWESTMINSTER盤はやはり処分を決意いたしました。同じ音源をいくつも持っていても仕方がない・・・人生は短いんです。


●2008年4月某日

昨夜、早々に帰宅予定だったが、異動してきた若い者のお仕事苦戦をを見て、教育的指導実施。やっている作業の意味を理解していなくて、ムダで余計なことをしていたのは仕方がないかな(慣れていないし、説明すればすぐわかる)。でも、作業手順が整理できてないこと、送られてきた詳細企画書チェックに赤ボールペンを使っていた(あとでそのままファックスで送り返すんですよ/消せないじゃない)のには唖然。誤りのチェック、修正のみお相手に先行して(まず、さっさと)送付、内部の修正やそれに関連する作業はあとで期日までにまとめてやれば良いじゃない。一件一件、すべて内部修正まで一気同時にやろうとするから、いつまでも仕事に区切りが付かず、膨大なる残業になる・・・

ちょっと遅くなったし、彼も落ち込んでいたので奢ってあげました(CDボックス買える分の散財也)。若いからね。もともと性格的にバランス良い人だし、優秀ですから。将来はワタシの年金稼いでいただかないといけないし。帰宅したらHMVさんから「CD送付しました」とのメール有〜う〜む、ついに90枚分到着か。読者レビューに「ミチョランマ間違いなし」(未聴の山、ということでしょうな/巧い!)というのがあったが、どーなるのか。この間入手した、ウィレム・ヴァン・オッテルロー、アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリヴァーノン・ハンドリーのVaunghan Williams全集も全部は未だ聴いていないし、集中して愉しんだか?と問われれば、CD在庫量が増えるほど聴き方が粗雑になりがち・・・という反省もあります。

CD在庫総量抑制計画に従って、オークション出品を続けてきて、本日より締め切り発生。今回はいつになく苦戦続きで、一見入札けっこうあるようだけれどじつは”いつものお得意さま”ばかりなんです。【♪ KechiKechi Classics ♪】読者力か。「電網郊外散歩道」にて、「音楽ブログの困りごと」という興味深いコメントがありました。

曰く、「新しい曲や演奏を記事にすることに追われ・・・大好きな曲を・・・何度も聴くことが難しく」「CDの枚数がどんどん増殖していき、ますます聴く時間が減少」「多過ぎるコメントへの対応」〜なるほど。ワタシは浮気性だし、あまり固定した”好み”を持たないし、新しい曲や演奏をどんどん聴いております(比較対照も”ちょろ聴き”ながら実施)、ま、コメントはブログじゃないからあまりありませんし。但し、CD増殖はその通り。この対策はCD在庫総量抑制計画しかない!

ワタシがこんなコメント日々継続しているのは、音楽を安易に聴き流さない、基本はすべて文章にして残す、といった決意からです。つまり、よりいっそう、深く音楽を愉しみたい、といった原点であります。本日も無事定例サイト更新出来。

CHALLENGE CC72142/8  13枚組総経費込6,500円今朝の音楽。Ravel 「逝ける女王のためのパヴァーヌ」(1952年)/DE FLLA「三角帽子」(3曲1954年)/Gould「アメリカン・コンチェルテット」(コル・デ・グルート(p))「スピリチャル」(1951年)/Prokofiev ピアノ協奏曲第3番ハ長調(ウニンスキー(p))〜ウィレム・ヴァン・オッテルロー/レジデンティ管弦楽団(ハーグ)・・・やや雑多な?でも聴いていて違和感のない一枚也。モノラルながらPHILIPSの録音は優秀で、やや軽量なるオーケストラの響きが爽快です。激しさとか爆発とは無縁の品の良さ。de FallaやProkofievだったら、もっとノリノリに弾(はじ)けても良いと思うが、あくまでバランス良く淡彩な響き。ピアノ・ソロに技巧的な不足はないが、強烈なる個性を前面に出したものでもない。

さて、雨の中、元気で出勤しましょう。

お仕事集中力失っており(それでも辻褄合わせて)、左上の奥歯が浮いている感じがいつまでも抜けないので早退(というか、本来フレックスタイムですから)通院。歯医者の見立ては「異常なし」。体調悪くはないんだけれど、これは風邪ひき掛けの症状なんです。歯磨き熱心だし、煙草は吸わないし、で、歯の状態は悪くないとの見立てでした。結局定例歯石取り(あと3回有)してもらって帰宅〜巨峰「ミチョランマ」到着しておりました。約90枚分、CD在庫総量抑制計画崩壊。

「ドイツ・ハルモニア・ムンディ50周年記念ボックス(50CD)」・・・一枚辺り100円ちょっとですから。千里の道も一歩から〜早速、Bach オーボエとヴァイオリンのための協奏曲ハ短調BWV1060/オーボエ協奏曲ヘ長調(BWV49/169による)/オーボエ・ダ・モーレ協奏曲イ長調BWV1055/オーボエ協奏曲ト短調BWV1056〜ハンス・ペーター・ヴェスターマン(ob)/カメラータ・ベルン/ウテガー(v)(1992年)・・・期待通り想像通りの古楽器+各パート一人の編成、粗野で素朴で切り詰められた響きと優秀な技術がバランスしております。作品的には細部まで馴染みの旋律ばかりだけれど、古楽器は初めてかも。音質も過度に残響を強調しない、優秀なもの。エエですな。ワタシは古楽器(熱心なる)支持者ですから。

「EDWARD Elgar THE COLLECTOR'S EDITION」(EMI 30枚組)・・・これはHMV・(以下、データ転送時に吹っ飛んでしまったらしい・・・)/以下、Googleのキャッシュより復元、画像、リンクは復元不可

「EDWARD Elgar THE COLLECTOR'S EDITION」(EMI 30枚組)・・・これはHMVがダントツに安いんです。じつは3枚ほどダブり所有だけれど、とうとう我慢できずに発注したもの・・・壱枚目は交響曲第1番イ長調〜ジョン・バルビローリ/フィルハーモニア管弦楽団(1962年)から。そもそもバルビローリの交響曲入手を狙っていて、このボックスに行き着いたという経緯であります。文句なく、想像通りの世界であって、纏綿と雄弁優雅な歌がまさに”バルビ節”のデフォルメ詠嘆であります。上手いなぁ、わかりやすいなぁ。第3楽章「アダージョ」の感極まった世界は滅多に出会えるものではない、終楽章の昂揚は稀有な存在・・・この演奏でこの作品に出会っていたら、他のは聴けなくなっていたかも。(出会いは、ジェームス・ロッホラン/ハレ管弦楽団〜愛情薄きコメントが残っております)

じつは2枚ともダイニング・コンポにて、しかも飯を喰い”ながら聴き”であって、このGWにはお籠もりで(ちゃんと)聴かなくっちゃ。佳き週末休みになることを祈りましょう。


●2008年4月某日

睡眠不如意状態継続。ま、体調維持しておりますから、大丈夫。今週クリアすべき資料関係は八割出来ているから、今週は余裕のはず。旧担当分応援と身辺の整理、日常作業合理化用システム(んな大げさなものではないが)作りに着手しましょう。あとが楽になるので。

今朝、Haydn ピアノ協奏曲ニ長調/ト長調〜ペーター・レーゼル(p)/ギュンター・ヘルビッヒ/ベルリン交響楽団(1979/80年)拝聴・・・Mozart とほぼ同時期なのにシンプルでストレート、曲想がこれほど違うとはっ!ニ長調協奏曲は唯一フォルテピアノのために作曲されたものらしい。ミケランジェリ得意の作品であり、その濃厚なる演奏(1975年)で馴染んできたが、レーゼルのやや地味で着実なるスタイルが似合います。でも、これは古楽器でいっそう映えると想像可能。

Stravinsky バレエ音楽「火の鳥」(1910年版)〜ロバート・クラフト/フィルハーモニア管弦楽団(1996年)・・・一年半程前(2007年1月)に入手、その緻密クールな演奏に感銘を受けた記憶有。ワタシの貧弱オーディオの件は何度も触れたが、これは”佳き相性”の代表であって、全体としてクールなブルー系、残響豊かであり、細部まで解像度が高い録音であります。好みの暖色系ではないが。演奏は緻密を極め、ほんわか華やかなるメルヘンで聴かせない、怜悧モダーンな切れ味を誇ります。フィルハーモニア管弦楽団は絶好調!44:52あっと言う間。

演奏はもちろん、製品としてのCDの完成度も賞賛されるべきもの。作品(当たり前だ!)や録音情報が完備され、解説も完璧(英語だけれど)、プラケースにも配慮があり、カヴァーデザイン絵も秀逸。これで898円也。(HMV通販にて/既に値上げ済)


●2008年4月某日

さて、きょうも頑張りまっしょい。本日は午後から職場行事のお手伝い(気楽なものです/主催じゃないので)があるけれど、予定の資料作成完了を狙いましょう。相変わらず睡眠不如意っぽいが、体調良好です。先日の風邪症状が深刻にならぬうちに快復したのは、キモチが前向きなせいか。今週分締め切りのオークション大苦戦だけれど、例の如しで”馴染みのお得意さま”(知り合い)がごっそり入札して下さるご配慮有/感謝。恐縮。

到着のCD聴いておりました。Mozart ピアノ協奏曲第9番 変ホ長調K.271「ジュノーム」〜クララ・ハスキル(p)/カール・シューリヒト/シュトゥットガルト放送交響楽団(1952年)・・・十数年前に購入したPRELUDIO盤と同一音源だけれど、少々音の粒が粗いような気もして、いずれ記憶ほど良い音質ではない。ライヴらしいですね。ハスキルって、ころころと玉を転がすような美音、とても暖かく優しいピアノでした。この作品は(先入観バリバリで)女流演奏家に限るなぁ・・・ついでにピアノ協奏曲第19番ヘ長調K459〜ハスキル(p)/シューリヒト/シュトゥットガルト放響(1956年/これは3枚組に収録されず)ノリの良くて軽快、さっぱりした風情のバックでハスキルの繊細な歌を支えておりました。

昨夜ちょろ聴きして”かつての感動蘇らず”と勝手なことをコメントした、Tchaikovsky 交響曲第5番ホ短調〜ヨーゼフ・クリップス/ウィーン・フィル(1958年)今朝より再聴・・・英DECCA録音と(何故か)相性よろしいダイニング・コンポにて。なるほど、これは熱血演奏でんな。ソフト、マイルド、穏健派クリップスながら、悠然たる歌心から最終楽章の熱狂的大団円へ〜もちろん露西亜系濃厚脂肪タップリ路線ではないけれど。1999年発売の国内盤(POCL-90089)だけれど、もっとまともなCD復刻できなかったのか。ちょっと音質が気になります。NAXOS辺りで、良質初期LPからの忠実な再生して下さらぬか。

Haydn 交響曲第94番ト長調「驚愕」〜クリップス/ウィーン・フィル(1957年)併録。昔馴染みの演奏だけれど、じつは初購入であったことに気付きました。これぞ理想の(良い意味での)オールド・スタイルであって、おそらくはヴェリ・ベストの優しさ、典雅さ。熱血チャイコとの組み合わせはムリムリだけれど、なんともしっくり落ち着きます。

とにかくいろいろ、次々と思わぬお仕事が押し寄せるが、それでも(自分でも気付かぬうちに)消化している?状態。数年前の”延髄でお仕事している”(前頭連合野はほとんど使っていない)感じか。それとも全体を見るようになったお仕事の質の違いなのか。宛名を書かずに宅急便出したり(当然、係りの人が差し戻し)商品の追加発注に数量入れ忘れたり、相変わらずボケかましつつ楽しんでおります。

通勤ではBeethoven ピアノ協奏曲第3番ハ短調/Mozart ピアノ協奏曲第20番ト短調K.466〜クララ・ハスキル(p)/スヴォボダ/ヴィンタートゥーア交響楽団(1950年)・・・WESTMINSTER正規盤だけれど、この度購入したANDROMRDA盤/50's盤で各々ダブり所有、従って処分すべきか、の判断のため。結論的にはこのモノラル録音は奥行き豊かであって、当面座右に置くべきものと判断しました。(でも、やっぱり処分しようかな?)帰宅してからBeethoven を(ANDROMRDA盤にて)再聴〜やや(かなり)くぐもった音質が、劇性と臨場感を強めるような錯覚を得ました。オーディオ印象の差も大きいですね。

ト短調協奏曲K.466は、聴き手の胸を揺さぶる演奏です。馴染みの旋律を、ピアノがタメを以て凛と歌わせたら”きゅっ”と来ませんか。ヘンリー・スヴォボダはけっこうテンポを揺らせて、やや時代遅れの大仰浪漫表現が決まっております。ハスキルは涙を溜めながらけなげに生きていく〜激しさがあって、甘美かつ清純なる感銘に溢れます。なんという瑞々しい音色!


●2008年4月某日

久々の職場だったが、そう滅茶苦茶お仕事溜まっていたワケではない。やはり昨年度のお仕事は異常だったな。いろいろ細かいところでの(引き継いだ)お仕事が不満であって、つまり十数年の旧態としたやり方かたからの脱却狙い。わずか半年前に赴任したヴェテランが一番の経験者で、たった半年なのに”旧態”を引きずっている、という驚くべき事実。ワタシはそういったマンネリ、悪しき保守主義が大嫌いです。手順にいろいろこだわるクセに、肝心の内容が全然ないじゃないの。今年赴任で奥様初出産後、調子悪かったのがようやく無事退院、ごっそり出費した若者に(おめでとう!と)奢るべく飲み屋へ〜上司を誘ったら合流して、結局全部支払ってくださいました。

オークションにてクララ・ハスキルのMozart /Beethoven 協奏曲集3枚組到着。(ANDROMRDA ANDCD5003)全部諸経費込み込みで1,900円ほどだから、そう安くはないんだけれど、既に廃盤みたい。Beethoven ピアノ協奏曲第3番ハ短調(スヴォボダ/ヴィンタートゥーア響1950年)はWESTMINSTER正規盤所有でダブり音源、Mozart ピアノ協奏曲第9番 変ホ長調「ジュノーム」(シューリヒト/シュトゥットガルト放響1952年ライヴ)は十数年前に購入したものと同じでしょう。他、5曲は所有していないはずだけれど、どうも出目(表記)が怪しい・・・今朝、さっそく「ジュノーム」から聴いているが、明快かつ典雅、上品なタッチは記憶通り。音質はもっとマシだったような?比較必要です。

昨日の通勤音楽。しつこくVaughan Williams ロンドン交響曲(第2番)〜オウェイン・アーウェル・ヒューズ/フィルハーモニア管弦楽団(1988年)・・・かつてのコメントはひどい手抜きでんなぁ。カルヴァーハウスの極上名録音でして、豊かな残響、清涼なる会場空気や奥行きがはっきり感じられます。”茫洋として、全体像がつかみにくい演奏かも”、”保守的というか、ずいぶんとおとなしく、そして美しい”とは6年前の感想だけれど、まさにその通り。なんかすっかりこの作品はお気に入りになっちゃいました。

今週は出張なし。諸課題やら資料作り一気に仕上げましょう。やる気有。

いろいろ些事様々あったが大きなトラブルなく、予定通りのお仕事進捗でさっさと帰宅。どんどん本格的な春模様で、エエ感じです。

通勤音楽はSchubert ヴァイオリンと管弦楽のための作品集/ロンド イ長調/小協奏曲ニ長調/ポロネーズ ニ長調/5つのメヌエットと6つのトリオ〜ズザーネ・ラウテンバッヒャー(v)/イェルク・フェルバー/ヴュルテンベルク室内管(1977年)/弦楽三重奏曲 変ロ長調D.581/D.471〜(ラウテンバッヒャーを中心にした)ベラルテ・トリオ(1973年)・・・これは珍しい作品勢揃い、まさに”秘曲集”っぽい一枚。ジミだけれど着実なる実力者であるラウテンバッヒャーがじっくり、のんびり美しい旋律を堪能させて下さいました。「ロンド」は先日聴いたばかりでしたね。Schubert は交響曲より、こんな短い、小粋な作品が個性に似合っているんじゃないか。

帰宅したらCD一枚到着。Tchaikovsky 交響曲第5番ホ短調〜ヨーゼフ・クリップス/ウィーン・フィル(1958年)・・・これは「いつでも買えるワイ」と油断していて、なかなか入手できなかった待望のもの。たった今聴いているが、かつての感動が蘇りません。音質の劣化もちょっと気になります。お仕事疲れのせいかな?


●2008年4月某日

さてどんより天候続きの週の始まり〜これから晴れるようです。久々のエアロビクスは夫婦共々あちこち疲労が・・・エエ感じですな。よく眠れました。昨夜締め切りのオークション(出品分)は、あまり無用に競合高値が付かず、適性に落札者が現れました。今朝まで全員連絡有。問題は来週締め切り分だな。ここ数年出品し続けていると、おおよそ”売れ筋”は見えてくるもんです。

(おそらくは世間で全然人気のない)Vaughan Williams ロンドン交響曲〜ヘンリー・ウッド/クイーンズ・ホール管弦楽団(1936年)・・・何度も聴いていて、3年程前のコメントでは・・・”同じ作品とは思えない(事実一部カットがあるらしいが)劇的雄弁な旋律の激情迸(ほとばし)って、もの凄い浪漫的な説得力がありますね。”わかりやすさ”では、圧倒的にこの太古録音に軍配が上がって、音質の不備が弱点になっておりません。(この録音はたしか初録音ではなかったか?)”〜とサイト内検索を発見いたしました。この印象と寸分違わない・・・というのも、ワタシには珍しいこと。

Schubert /Liszt編 「さすらい人」幻想曲〜クリフォード・カーゾン(p)(1936年)・・・ワタシはLisztを(おそらくはもっとも)苦手としていて、せっかくの幻想的に美しい旋律が台無しになっている作品と感じます。上質な国産大豆使用の豆腐にケチャップを掛けるようなものか。ヘンリー・ウッドは巨匠世代だし、後期浪漫の人なんですね。Elgar 威風堂々(名訳だなぁ)第1/4番(1940年)・・・これは文句なしのアツい演奏也。

では行ってきます。


●2008年4月某日

昨日は無為無策無駄遣い(女房外出したので、夕飯を喰いにご近所に行ったがマズくって一食分人生をムダにした)ほとんど自宅内でごろごろ。ケータイが鳴っていたことに気付かず、夕方あわてて返信。本日は久々のスポーツクラブへ出掛ける決意です。オークションは本日締め切りだけれど、昨日のウチに次の出品しておきました。なんせ油断すると、CD枚数じわじわ増えちまうので。昨夜、二時間ドラマ「法律事務所〜十字架型に重なる二つの死体・乗馬クラブ殺人事件!」(水谷豊主演)久々手応えある(ちゃんと筋の整った/配役演技もしっかりとした)作品でした。鈴木杏樹は品があって素敵な若奥様(役柄ではないが)です。珍しい島田陽子の検察役も凛として、背筋が伸びております。ここ最近、妙にエッチな役どころばかりだったような? 石橋蓮司をユーモラスな息抜きに使うなんて贅沢な!

Bruckner 交響曲第9番ニ短調〜ロヴロ・フォン・マタチッチ/チェコ・フィルハーモニー(1980年ライヴ)・・・ライヴとは俄に信じがたい優秀なるアンサンブルであり、チェコ・フィルの草の香りがするような金管の魅力(とくにホルンのヴィヴラート)を堪能。美しいオーケストラやなぁ、繊細だなぁ・・・とは思いつつ、おそらくはワタシの(貧弱)オーディオとの相性故か、線が細い?印象がありました。マタチッチで線が細い!なんて・・・再聴必要です。(今朝再聴/線が細いのじゃなくて、自然なる歌心と呼吸が繊細なんですな。音質も良好)

Bruckner 交響曲第8番ハ短調〜カール・シューリヒト/北ドイツ放送交響楽団(1961年ライヴ)・・・ウィーン・フィルEMI録音より8分も長い79分だけれど、印象としてはそう”遅い”感じはありませんね。アンサンブルかなりラフなライヴ(ミスタッチなど気にせぬが)ながら、いきいきとした明るい表情、かなり揺れ動きつつもさっぱりとした(でもアツい)表現は、やはりシューリヒトの魅力であります。あちこち楽譜の改変あるそうだけれど、ワタシには理解できぬ世界〜ラスト数小節の唐突なる抜け落ちは編集ミスでしょう。北ドイツ放響は中低音に厚みがあって、録音不如意でもちゃんとラストまで愉しめました。

R.Strauss 交響詩「ドン・ファン」/「ティル」/「ツァラトゥストラはかく語りき」〜アンタル・ドラティ/デトロイト交響楽団(1980/82年)・・・一昨日、福井BOOK・OFF成果の一枚也。ワタシには未だ”R.Straussはわからぬ!”ところがあるんです。つまり、どんな演奏が好みなのか、が見出せない。先日の「春の祭典」同様、この時期のデトロイト響は第2の黄金時代を迎えていて、オーケストラの高い技量がたっぷり堪能できました。録音がエエですね(ワタシの安もんオーディオとの相性か)、これほど分離良く各パートの存在をはっきり認識できた経験は初めてでした。

久々の(初心者向け)エアロビスクへ。快い汗とその後の風呂がキモチよろしい。充分カラダを動かしたので、昼飯にはカツ丼をいただきました。藤沢周平「よろずや平四郎活人剣(上)(下)」(文春文庫)読了。中村俊介(平四郎役)の若く頼りない雰囲気の時代劇イメージが先入観となっているが、読み進でもあまり違和感ありません。「驟り雨(はしりあめ)」に比べ、ずいぶんと明るく、エンターティメントな雰囲気に溢れていて、登場人物の描写も生き生き。嗚呼、楽しい!

Vaughan Williams ロンドン交響曲/交響曲第8番ニ短調再聴〜ヴァーノン・ハンドリー/ロイヤル・リヴァプール・フィル(1992年)・・・気持ちやや速め、淡彩緻密な表現、クールなアンサンブルを実現しております。録音が極上。中低音が薄い(弱い)EMI系ながら、奥行きや会場の空気が良く捉えられてひんやり清涼な雰囲気タップリ。ロンドン交響曲(第2番)は物憂い、捕らえどころのないような作品だけれど、両端楽章にビッグ・ベンの密やかな響きを忍ばせて、一度ハマればさぁたいへん!第8番はバルビローリの濃厚劇的表現にも驚いたけれど、こちらあくまで”淡彩緻密な表現、クール”であって、別な作品を聴くかのようでした。「スケルツォ」の金管も抑制が前提なんです。終楽章の「キンコンカン」(なんの楽器?)もエキゾチックに美しい。ようやく金管が壮麗に爆発しました。

じつはこの7枚組全集(EMIeminennce 7243 5 65458 2 3)は2,600円(金沢BOOK・OFF)であって、仮に先々週に出会っていなくてもオークションで入手していたでしょう。収録作品が格段に多いcfp盤全集が1,900円(ちょっと悔しい!)〜おそらくは送料諸経費込みで2,400円ほど・・・でも、全然人気ないみたいで誰も入札ありませんね。RVWの不人気ぶりは徹底していて、昨日出品した交響曲第3/6番(バケルス/ボーンマス響/これもエエ演奏なんだけど〜)ほとんどアクセスさえありません。


●2008年4月某日

桜は散ってやや肌寒い春〜体感的に時が過ぎるのが遅い4月であります。半年続いた土曜野暮用がお役ご免となり、スポーツクラブもサボり放しだからノンビリした休日也。昨夜、渋滞する高速道バス中にて藤沢周平「驟り雨(はしりあめ)」(新潮文庫)読んでおりました。

題材内容が暗くて、重くて切ない短編集。”救い”が少ないんだなぁ。時々、いったん閉じて嘆息しておりました。トロくて親に見放され、奉公先でも虐待され、ひょんなことから(やや)遊び人の女房になんとなく治まった女。結局捨てられ、亭主は他の女に走るが、島から帰ったダンナを殺してしまって遠島。やがて島から戻って、捨てた女房を捜すが切ない想い出ばかりでどこにいったやら・・・(「捨てた女」)片足の悪い女房をもらったが、師匠の出戻り娘に誘惑され三行半・・・あっさり出ていっちまって、その瞬間激しくも空しい後悔で、折しも降り出した雨に傘を持って追い掛け・・・(泣かない女)嗚呼、切ない。ダメ男、ダメ女ばかり出てきちゃうんだな。ユーモアとか爽快感に欠けるが、感情移入一際!名作。人生って平凡で、人間は弱く、すべてが上手く運ぶワケじゃない。

なんせ高速渋滞〜新大阪下車から自宅まで更に小一時間ほど掛かったから、持参CD全部聴破!なんせ移動時間、待ち時間がたっぷり!

激安イル・ジャルディーノ・アルモニコ11枚ボックス(発売2年未だ現役なのだね/購入時より800円ほど値上げ)より「バロック期ナポリの室内楽作品集」。SARRI 協奏曲イ短調(リコーダー、2つのヴァイオリン、ヴィオラと通奏低音のための)/D.Scarlatti ソナタ ニ短調 K.90(マンドリンと通奏低音のための)/DURANTE 協奏曲ト短調(2つのヴァイオリン、ヴィオラと通奏低音のための)/A.Scarlatti ソナタ イ短調(リコーダー、2つのヴァイオリンと通奏低音のための)/MANCINI ソナタ ニ短調(リコーダー、2つのヴァイオリンと通奏低音のための)以上1993年録音・・・Scarlatti父子以外は馴染みの薄い作曲家だし、作品すべてこのCDが初耳。古楽器の名手達が切れ味たっぷり、ノリノリ!クリアに弾き進めていくが、なぜか全部短調の作品なんですね。(こういった存在が、棚中NAXOS在庫〜じわじわ集めてきたのにね〜を苦戦に追い込んじゃう)

Mahler 交響曲第4番ト長調(1956年)/Rachmaninov パガニーニ狂詩曲(1955年)・・・ウィレム・ヴァン・オッテルロー/レジデンティ管弦楽団(ハーグ)/テレサ・スティッヒ・ランダル(s)/アビー・サイモン(p)・・・お気に入りMahler 作品中、苦手というわけではないが、演奏云々コメントしにくかった第4番であります。モノラルながら奥行き残響豊かな音質良好。このオーケストラは清涼で明るい響きが持ち味であって、ホルンの軽妙な音色にも慣れました。テンポを変幻に動かして、素晴らしい”歌”に溢れます。爽やかな浪漫、みたいな感じ。テレサ・スティッヒ・ランダルの上品な歌も聴きもの。「パガニーニ狂詩曲」は名手シモンの達者な技巧を堪能できるが、濃厚方向ではなく、あくまで爽やかな印象を残しました。

Elgar 交響曲第2番 変ホ長調〜レナード・スラットキン/ロンドン・フィル・・・これも”マイ・ブーム”也。第1番と同様だけれど、ロンドン・フィルの金管がいっそう活躍して、豊かな会場残響に支えられ、豪放に鳴り渡りました。素晴らしき迫力、明快なるフレージング、そして英国音楽に相応しい抑制と矜持を感じさせます。切ない音楽だなぁ。

Dvora'k 交響曲第7番ニ短調(1962年)/Brahms セレナード第2番イ長調(1961年)〜ハインツ・ボンガルツ/ドレスデン・フィル・・・忘れ去られたようなジミな(旧東)独逸の名匠だけれど、残された録音どれを聴いても外れなし。録音は少々広がり感に不足するが悪くなく、扱い難物なるドレスデン・フィルもよく鳴って、まことに立派な演奏。第7番は個人的に”なんだか?”的印象が抜けきれない作品だったが、しっかりBrahms 方面に振って盤石なる貫禄演奏であります。お気に入りセレナードとの組み合わせもGood!

出張移動中ラスト(現地購入)Purcell 弦楽のためのファンタジア(1680年全15曲)〜ハンス・グルス/カペラ・フィディチニア((p)1973)・・・古楽器初期のドイツ録音だと思います。こういったマニアックな作品は地方都市では売れ残って(なんせ絶対人口が少ないからマニア=ワタシの類も少ない)300円処分〜ワタシは若く貧しかった頃、FMエア・チェックをたくさんしていて、1980年代にはDATも購入しておりました。結果として”エア・チェック”そのものを止めてしまったが、この作品は当時の新録音でたっぷり堪能しておりました。ちょっと懐かしい。

”シンプルな「フーガの技法」”または、古楽版「家具の音楽」といった趣でして、リズムも色彩も変化が少なくて(一聴)退屈(眠くなる)かも。それに(先ほどのイル・ジャルディーノ・アルモニコが良い対比例だけれど)古楽器の技巧が未だこなれ切っていない・・・と、エラそうなことを書いたけれど、どんな楽器を使っているんだろう。たしかヴィオールじゃなかったか。でも、ノーミソ空にしてノンビリするには最適の作品也。

帰宅後、深夜に相応しい音楽 Debussy 前奏曲第1巻/こどもの領分〜アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ(p)(1971年)・・・これです。それこそFMエア・チェックで出会った作品演奏であって、何度聴いたことでしょう。これ以上の濃密妖しい演奏には出会っていない・・・十数年ぶりの再会に、寸分の印象記憶の狂いもなし。贅沢は敵だなぁ、こんな音質条件の整った演奏聴いちゃうと、怪しげライヴの意味合いがほとんどなくなっちまう・・・


●2008年4月某日

(在福井ホテル)毎週の定例更新の日だけれど、出張中のため本日帰宅後へ延期ご容赦。取引先訪問迄少々時間があって、鬱陶しい雨模様也。昨夜、勢いでまたCDオークション落札。どーも既存所有分とダブった予感有〜また処分の繰り返しか。新年度(春)を迎えテンション高まっております。高まりすぎ。

昨日聴いた音楽続き(なんせ移動時間が長いので)。Bruckner 交響曲第4番 変ホ長調〜ウィレム・ヴァン・オッテルロー/レジデンティ管弦楽団(ハーグ/1953年)・・・モノラルながら奥行きがあって分離良く、瑞々しい音質を誇ります。低音だって豊か。清涼でクリアなサウンドは相変わらずで、爽快で明るく、のびのび素直な演奏であります。どーしてステレオ時代に録音が激減しちゃったのか?不思議なほど。

で、フィル・アップが序曲ト短調(1954年)・・・これが存在さえ知らなかった作品であって、出先で収録詳細を持たないで聴いていたから「あれ?Schumannかな」なんて、ボケたことを考えておりました。少々音質は(前曲より)落ちるが、貴重なる録音です。

Elgar 序曲「南国にて」/交響曲第1番 変イ長調〜レナード・スラットキン/ロンドン・フィル(1988〜92年)・・・Elgarはかなり以前よりのお気に入りだけれど、2008年はいっそう深まった感じ。1月に到着して何度も楽しんだ4枚組〜ワタシの貧弱オーディオには相性があるみたいで、ポータブルCDプレーヤー/イヤホンで聴くと残響も奥行きも豊かで、低音が良く効いて素晴らしき臨場感に間違いなし。(茫洋たる空気の再生は難しいのか)スラットキンはアメリカの指揮者だけれど、英国音楽に対する造詣の深さ、抑制を旨とする資質は充分なる魅力であります。時に”響きが薄い?”と感じないこともないロンドン・フィルは、鳴り切って絶好調(とくに金管)。細部まで入念に描き込んだ、素晴らしきElgarであります。

染みました。黄昏ました。

(以下、ご商談待ち時間に執筆/更新は帰宅後)お約束の時間まで余裕があったので、タクシーを使わず(ネットで地図を調べ)”えちぜん鉄道”にて訪問。(美麗車掌さん同乗)じつはご当地BOOK・OFFを覗いてやろうと。帰りの本も欲しかったしね。結果としてCD出物3枚取得。全国地方都市の音楽ファンは油断しておりますな。

昨夜の福井駅前印象はあまりぱっとしない印象だったが、車社会である地方都市は、郊外にピカピカの超大型ショッピングセンターができているんですね。最寄の駅から歩くには少々根性必要でした。昨夜のオークション落札といい、BOOK・OFF購入といい、ま、少額とはいえ浪費続きました。

帰りはバスにして少々交通費浮かすか?でも、一時間半ほど帰宅が遅くなる・・・ほんま【♪ KechiKechi ♪】でんなぁ。

更に福井にて帰りの待ち時間発生。ま、商談も順調だったし、Kechiなこと言わんでさっさとサンダーバードで帰ろうと切符も買い、改札を通った時点で「事故で一時間は来ない」とのこと。そりゃないぜ、払い戻して(それこそ否応なく)バスに変更して出発を待っているところ。CDも書籍もたっぷりあるから、時間つぶしには最適状況也。

本日ご当地BOOK・OFF取得物を早速拝聴。Stravinsky バレエ音楽「春の祭典」(1984年)/Respighi 交響詩「ローマの松」(1982年)〜シャルル・デュトワ/モントリオール交響楽団・・・”いかにも”的選曲+定評ある演奏家+英DECCAの効果的録音と三拍子揃った(ワタシにとっては)安易な選択であります。結論的に録音のマジックではなく、間違いなく優秀マイルドで洗練されたアンサンブルだ、ということでしょう。粗野な原始主義ではなく、耳当たりもバランスも良い、現代の「ハルサイ」。

意識はしていないんだけれど、このサイトはやっぱ”マイナー道”なのか・・・他の人気高いクラシックのブログを拝見すると、世評高い著名な演奏家、録音がずらり〜ワタシなんぞ、デュトワで少々気恥ずかしいですもん。「ローマの松」含め、どこにも傷のない完璧なる現代管弦楽の精華を見る感じ・・・ヘソまがりだから、う〜むとうなりながらどこか不満が・・・

Mozart 交響曲第38番ニ長調K.504「プラハ」/第39番 変ホ長調K.543〜ペーター・マーク/パドヴァ・エ・デル・ヴェネトー管弦楽団(1996年)・・・これはもの凄い演奏です。メリハリとパンチが効いたリズム、粗野な金管のバランスが強烈であって、鮮烈な輝きに溢れる新鮮サウンド。オーケストラのアンサンブルや、鳴りっぷりになんも不満もない、どころか聴き慣れぬ内声部まで強調して鮮やか。いきいきとした躍動とはこのことを指すんです。編成としてはそう小さくはないが、古楽器の素朴なテイストもちょっとありますね。

推進力に溢れた「プラハ」がとても若々しい。第39番はやや遅めのテンポが堂々たる貫禄とスケールを作り上げます。繰り返しもうれしい。今月のヴェリ・ベスト候補か。


●2008年4月某日

内部連絡の行き違いからお仕事サポートして下さっている派遣さんが激怒、責任感でしょうね。ヴェテラン・メンバーがその尻馬に乗って(妙に)丸く治めようとするし職場内雰囲気ビミョーです。(上司の)曖昧な指示はアカンな、週明けに明快な結論を出しましょう。どーも正確な情報(経過経緯)が集まらない。昨日もワタシが現職就任前の会議決定のことを云々言われても?状態〜鬱陶しいが仕方がない。本日明日の富山/福井訪問も商売問題より、昔年の矛盾隠蔽(先延ばし)に火中の栗を拾うような感じか?試練続きます。睡眠不如意状態はいつものこと。体調悪くありません。終日雨模様らしい。菜種梅雨と呼ぶのか。美しい日本語です。

昨日通勤音楽(なぜか誰も他の入札者がいなくて激安落札できた)ブーレーズ2枚。Scho"nberg 「浄められた夜」(1973年)/Berg「叙情組曲」(1974年)ヴァイオリン協奏曲(1984年)〜ピエール・ブーレーズ/ニューヨーク・フィル/ズカーマン(v)/ロンドン交響楽団・・・妙に貯まってしまったお気に入り「浄められた夜」だけれど、リズムの正確さに於いてこれを凌駕する演奏はなかなか存在しない。ニューヨーク・フィルのアンサンブルの改善にも既に成功していて、複雑な声部の表現は精緻を極め”官能”へと至ります。Berg「叙情組曲」も同様だけれど、これはもっと美しい演奏が可能と思います。

先日、Elgarでイマイチな感触を持ってしまったピンカス・ズカーマンだけれど、ここでも同様の〜つるりとして神妙で?マル〜いヴァイオリンは好みではない。誰の演奏が脳裏にあるだろうか、クレーメルだったか。これはCDを所有していないはず。

Stravinsky 管弦楽のためのサンフォニー/詩編交響曲/三楽章の交響曲〜ブーレーズ/ベルリン・フィル/ベルリン放送合唱団(1996年)・・・これは出品者が放出した理由理解できました。彼(か)の分厚いベルリン・フィルが完全抑制され、ほとんど爆発しない。印象としては弱音の連続。ぱっと聴きすかすかの響き。そこはそれ、天下のベルリン・フィルだからブーレーズの精緻な指揮の元、よ〜く聴けば濃密なサウンドを実現しているんだけれど、これほどクールで”抜いた”演奏は滅多に聴けるものではない。ちょっと脂っけが抜けすぎてしまったような気もするが、ワタシは新鮮に感じました。

今朝、Schumann イエルク・ デムス・ボックスを開けて確認したら「ウィーンの謝肉祭の道化」が探せない・・・で、「謝肉祭」を聴いていたんだけれど、じつは10枚目に収録されていることに気付いたのは曲が終了してからでした。で、改めて追加聴き。ま、ミケランジェリの才気走って強烈な演奏とは対照的な、穏健派、いかにも馴染みの雰囲気であって、演奏メカニック的に少々ユルい感じもあります。リズムも響きの洗練にも足りない〜でも、暖かさとか、優しい旋律はちゃんと感じられて存在感を主張しました。

在福井ホテル。富山も福井もおそらく18年ぶり。富山は昼飯を喰って、二時間ほど打ち合わせをして、そのまま特急車中の人となったから印象薄いが、夜に入った福井駅前はまだ再開発途中、といった感じ。今朝、書籍持参を忘れたのは痛恨でした。

今朝、自宅から出発(途中職場に寄って野暮用)、なんせ富山は遠いからタップリ!音楽聴けました。Bach ブランデンブルク協奏曲第1〜5番〜カール・リヒター/ミュンヘン・バッハ管弦楽団(1967年)・・・これも小学生時代からの馴染み也(西ドイツ直輸入盤4,600円!)。久々の聴取は感慨じつに深い・・・基本路線として、きっちりと少々堅苦しい厳格なるリズムを刻んで、これはミュンヒンガー、ヘルムート・コッホ、バウムガルトナー辺りと共通する几帳面なる独逸伝統のテイストを感じさせます。そこはそれ、名手リヒターのこと、まるでトスカニーニを思わせる快速テンポ、集中力推進力が素晴らしい。名手たちのソロも惚れ惚れするほど(とくにトランペット)。

・・・でもね、時代は遷りました。懐かしいし感銘も深いが、古楽器演奏の経験を経て、もっと軽快柔軟に、自在なるリズムを誇る(しかもクールな)演奏に耳慣れました。”ノリ”の意味合いがちゃうんです。ちょっとだけ窮屈な感じ。それに、意外とソロの表情付けが気になります。音質良好。

Mozart ピアノ協奏曲第13/15番〜アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ(p)/コード・ガーベン/北ドイツ放送交響楽団(1990年ライヴ)・・・初耳。だけれど予想通り、期待通りのアク、癖、タメの表情。我らがヴォルフガングには相容れない表現だけれど、これはソロの個性をたっぷり堪能すべき演奏なんです。好き嫌いは分かれるだろうなあ、やり過ぎっぽくて。全面賛同じゃないがワタシ、かなり好きです。この個性。

Beethoven 交響曲第7番イ長調〜ジエイムズ・レヴァイン/ミュンヘン・フィル・・・例のライヴ・ボックス12枚組より。Beeやんの交響曲中もっとも苦手な作品也、閑話休題(それはさておき)スタイリッシュでモダーン、オーソドックスでカッコ良い演奏に間違いない。でもね、音質が問題なのか(オフ・マイク/残響に音の芯を失いがち)整ったアンサンブルなのに”響きが薄い”〜とくに弦がよろしくない。じつは12枚全部そんな感じで、妙に薄味なんです。う〜む、処分検討するか・・・

Stravinsky 交響曲 変ホ長調 作品1〜作曲者/コロムビア交響楽団(1966年)・・・初期の親しみやすい、明るい旋律連続!だからこそ、ありきたりでツマらぬ作品。私見では派手派手しい打楽器がいっぱい欲しいところ。なんか近代露西亜無名の秘曲みたいな印象か。オーケストラのアンサンブルも録音も上々。


●2008年4月某日

当たり前の話しだけれど、春の色濃い季節となってきて、職場の派遣さんが季節の変わり目故か?風邪をひいて(休んで)しまいました。さて、本日は集中作業日也。体調良好だけれど、耳鳴りが続きます。明日は朝一番から(遠い)富山へ出発。先週金沢BOOK・OFF取得成果全部聴けないウチに、昨日オークション落札CD到着・・・アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリのDG正規8枚組。冷静に考えれば通販購入と200円くらいしか(振り込み料その他考えると)安くないんだけれど、こんなものは出会いというか、勢いですから。(新品未開封也/【♪ KechiKechi Classics ♪】としては、分不相応なる買い物したような後ろめたさが・・・ちゃんと聴いて愉しめば安い!)

怪しげライヴ激安ボックス計20枚分は、ここ数年散々愉しみました(継続中)。6枚目1957年のBBC録音ともかく、ちゃんとした音質で聴きたかった(若い頃FMエア・チェックで馴染み)ということです。苦手作品と公言している、Beethoven のピアノ協奏曲第1/3/5番(ジュリーニ/ウィーン交響楽団)含みます。これも記憶では鮮烈な演奏だったはずで、なんとか克服したいな、と。ほか、漆黒の濃密さに打ちのめされたDebussyも再確認したい・・・(怪しげライヴも良かったが)

早速、Beethoven のピアノ協奏曲第1/3番〜ミケランジェリ(p)/ジュリーニ/ウィーン交響楽団(1979年ライヴ)を・・・結論的には、未だぴん!ときていない〜ジュリーニのバックが立派やなぁ、という感触はあるんだけれど、若い頃の新鮮なる印象が蘇りません。第3番ハ短調の終楽章はこの演奏で目覚めたハズなんだけど・・・安易に結論出しませんよ。なんども確認させていただきましょう。

Schumann 謝肉祭 作品9(1957年)・・・なぜか知らぬが昔からDG出ている放送録音であって、これは文句なく強烈鮮烈な勢いと躍動+変幻自在を誇る演奏であって、馴染みの作品印象一変!でありました。「ウィーンの謝肉祭の道化」作品25も同様・・・って、この作品初耳だったか?いや、怪しげ激安ボックス第1巻に1973年ライヴが収録されておりました。この人はレパートリーを安易に広げないんです。比較対照が楽しみ。デムス全集の演奏はどうだったかな?

年寄り(としょり)化が進んで、早朝覚醒だから朝から(少々ボリューム抑えて)音楽聴けます。こうして「音楽日誌」も。通勤も都会に住んでいるワリにはゆっくり目の出発、但し職場には30分早く到着するようにしているのは残業が(基本)嫌いだから。Vaughan Williams 「海の交響曲」〜ヴァーノン・ハンドリー/ロイヤル・リヴァプール・フィル/合唱団/ロジャース(s)/シメル(br)(1988年)・・・おそらく(まったく同じものを全集にて)再購入。ジャケット絵にも記憶有。壮大なる4章からなるオラトリオであって、20世紀には交響曲と呼んでも誰も文句言わない。この場合ちゃんと4楽章だし。シロウト耳には「英国版”千人の交響曲”」的印象が壮大なる、そして旋律が大衆的でわかりやすい名曲也。

英国栄光の大航海時代への賛美(かどうかは知らぬが)は、ひたすら希望と前向きの姿勢に充ちて、Beeやんの「第九」よりずっとワタシにフィットするんです。先日聴いたWalton オラトリオ「ベルシャザールの饗宴」も然りだけれど、英国系声楽への嗜好ですな。ハンドリーの演奏は、強面にならず、重くなく、爽快かつ緻密であって、声楽の扱いも抜群!二人のソロもエエですね。「第九」並の演奏時間だけれど、30分に迫る終楽章「探求者」達の穏健なる昂揚に感極まる・・・


●2008年4月某日

昨夜花見は雨で中止。で、もともと「ノー残業デー」のはずが、ちょっと掟破り〜上司含め数名にて「花なし花見」へ。お仕事は思うように進捗していないが、仕方がない。本日明日で勝負掛けましょう。

昨日通勤音楽。Debussy 「牧神」/「夜想曲」〜「祭」(クリーヴランド管弦楽団1993年)/Bartok「ハンガリアン・スケッチ」(シカゴ交響楽団1992年)/Webern「協奏曲」(アンサンブル・アンテル・コンタンポラン1992年)/Ravel 「道化師朝の庭」(ベルリン・フィル1993年)/Stravinskyバレエ音楽「ペトルーシュカ」(1911年版クリーヴランド管弦楽団1991年)〜ピエール・ブーレーズのよくできた「スペシャル・サンプラー」(国内盤1,200円)也。彼の演奏は(Mahler 以外)どれも個人的絶賛状態でして、DGに移った最近のものも例外ではありません。但し、なかなかお安くなって下さらないのが残念。そろそろ録音後十数年を経たから、中古市場相場下落で出現するでしょう(事実数日後に「詩編交響曲」他が届きます)

この人の表現には「詠嘆」「タメ」「節回し」など存在しないのに、出現する音楽がセクシーなんです。クリーヴランド管弦楽団は正確さと同時に”官能”が存在して、これはブーレーズとだけに出現するマジック。「知的な野蛮」を感じさせるBartokも同様で、ワタシはオーケストラとの相性ではシカゴ響が一番かと。硬質なサウンド+非情な精密さ+突き抜けた明るさ有。

Webernでは”音”がつながらず、点描され、散逸し、透徹した静謐が支配する厳しい世界が・・・硬派で歯応え充分なる”美しい”音楽は大好き。”ベルリン・フィルのRavel なんて!”という先入観ぶち破って、極上のセクシーが待っておりました。ブーレーズの統率力にオーケストラの”重さ/色彩”がマッチして極上の成果を上げております。(ライヴFMエア・チェックにて、その成果はずいぶんと以前より確認済み)

問題はメインを張る「ペトルーシュカ」でして、この作品はもっとハジけて粗っぽく、安物みたいな響きも良いんじゃないか?という個人的嗜好があるんです。立派だし、精密だし、リズムは正確だし、響きも美しい・・・それと録音が悪いなぁ。ディジタル録音も軌道に乗ったメジャー録音だけれど、奥行き定位とも不満。時代が下ればどんどんよくなる、とはいかないところが不思議なものです。できればいつかオリジナル収録入手して、処分したい一枚。

Stravinsky バレエ音楽「春の祭典」〜アンタル・ドラティ/デトロイト交響楽団(1981年)・・・定評ある往年の名演奏が@250とは・・・感慨深いもの。英DECCAのマルチ・マイク録音なのだろうが、先の「ペトルーシュカ」よりずっとわかりやすい、聴き映えのする音質となります。デトロイト交響楽団といえばポール・パレーの黄金時代(1952〜63年)を思い出すが、ドラティ時代(1977〜81年)の黄金の成果もここに残されていて、バランスとリズムの的確さ、各パートの優秀な技術とアンサンブルの集中に於いてひとつのヴェリ・ベストに間違いなし。爽快です。

(ここにて時間切れ/出勤へ)

お仕事は、ま、それなり粛々と進んでほぼ定時退社は持病のヤクが切れたための通院。明日で狙いのお仕事を終わらせたいですね、明後日から富山〜福井(宿泊は福井で)連戦なので。18年ぶりくらいか?主たる商談先は金沢だから訪問頻度は少ないだろうが、ちょっと楽しみではあります。できればそのまま週末休みに到着したい目論見(もくろみ)。移動時間タップリで、禁煙車両はワタシのみなので、音楽も読書もたくさんできるでしょう。そろそろ春休みも終わっているでしょうし。

待望のオークション落札CD無事到着、計9枚でなかなか総量削減できず、ぎりぎり現状維持か。再来週にはHMVより90枚ほど一気到着だし・・・贅沢三昧。

今朝、出勤前聴いたのは、Schubert 交響曲第8番ロ短調「未完成」+「ロザムンデ」より2曲/Mahler 「亡き子をしのぶ歌」〜ウィレム・ヴァン・オッテルロー/レジデンティ管弦楽団(ハーグ)/ヘルマン・シャイ(br)(1951年)・・・「未完成」はほんま難物でっせ。数えたこともないがおそらく棚中にはクサるほどCD有。Schubert の豊かな歌心を生かしつつ、指揮者の個性を刻印させるのはとてもたいへんじゃないか。「嗚呼、エエ曲やなぁ」とは思っても「心底感銘が押し寄せる〜」経験は希有なものです。個人的にはヴァント/ベルリン放響(旧西)1993年ライヴのFMエア・チェックくらいかな・・・これは並の深さではない・・・で、我らがオッテルローだって、端正かつ清涼な響きがけっこう深く歌って、並の水準ではない。ハーグ・フィルってこんな軽快かつ暖かい音だったんですね。ヘルマン・シャイは器用で肌理細かい表現をする人じゃないが、これもちょっと古風で味わい深いもの。

通勤音楽はHolst 組曲「惑星」〜コリン・デイヴィス/ベルリン・フィル(1988年)・・・英国の紳士が独墺系最高峰の厚みと重低音、艶を誇るオーケストラを駆使して”掟破りな英国音楽”実現しております。驚異的にオーケストラが上手く、そしてPHILIPSの中低音重視+奥行きの自然なサウンドに酔いしれましょう。未聴ながら、これがカラヤンだったらもう耐えられない。ヴィルトゥオーゾ音楽としてギリギリの土俵際であって、おそらくは現代の管弦楽演奏の精華としてもっとも評価の高いものとなるでしょう。ある意味ヴェリ・ベスト。ワタシは”お国もの”に執着しないが、それでもボウルトを支持したいな。先月先々月と「惑星」ばかり聴いてきたが、ハイティンク/ロンドン・フィル(1970年)に再会したい!なんせLP時代の馴染みなので。


●2008年4月某日

本日職場の花見(=ノー残業デー。エエですね)だけれど、雨模様みたい。昨日夕方よりちょっと神戸方面に出掛けて、女房殿のバッグと服を購入、阪急で武庫之荘まで戻って(転居時若い不動産屋営業マンが教えて下さった)「安くて旨い」焼鳥屋へ。間違いなく、その通り!「安い」「旨い」本格的炭火焼だけれど、さすがに混んでいて、しかも焼き手の親父が火の管理に苦戦しているのかやたらと「遅い」!物足りなさガマンしつつ早々に(といってもそれなり時間喰って)退出、もう一軒うどん屋に寄ったものです。昨日追加出品しておいたオークションは順調に買い手が付いているようですね。(でも、購入の方も続いているのでなかなか総在庫は減らない)

今朝、Haydn 交響曲第91番 変ホ長調/第92番ト長調「オックスフォード」〜アダム・フィッシャー/オーストリア・ハンガリー・ハイドン管弦楽団(1990/91年)・・・漫画家の砂川しげひささんが興味深いコメント(全曲分)しております。ワタシは昨日来、どうも集中力を欠いていて彼の音楽がぴん!と来ません。続く、協奏交響曲 変ホ長調(ヴァイオリン、チェロ、オーボエ、ファゴットのための)はとても楽しく、多彩な響きをもった作品を楽しみました。(1988年)

さて、今週もお仕事どーなるのか?たしか富山/福井訪問会議、打ち合わせの予定があったが、こちら訪問機会は少ないんです。チームはひとりお休み中だし、次月の提案書を一気完成させなくっちゃいけないし、日常定例の作業の様子は全貌が見えないし・・・で、ま、なんとかなるっしょ。


●2008年4月某日

左膝が思わしくなくて、ほとんど外出不可。今週は金沢でCD一杯購入したし、読むべき書籍、見るべきテレビ(ノーミソ空にして眺める二時間ドラマ再放送)もあるし、ということで引き隠り状態。そういえば、昨夜「SP」スペシャル(岡田准一主演)2時間仕立てには騙されました。いままでのハイライツ+αで映画化の宣伝をしたのみ。ま、すっかりファンになった真木よう子が出たから許す。

サイト更新用コメントに努力していて、いろいろ音楽聴いているが、精神的にざわざわしていて集中できません。CD在庫総量抑制計画は、売れ残れば知人(ウチからしか買わない固定客)が引き取って下さる、という情けない状況続いております。先月購入したばかりのウィンナ・ワルツ集(カラヤン/ベルリン・フィル1980年)もあっと言う間に処分(同時購入したアーノンクール盤があまりに素晴らしかったため)〜到着連絡とともに「送っていただいたシュトラウスのワルツ(カラヤン)は、銀座の高級クラブに行ってきました(1回しか行ったことないけど)!! といった演奏で堪能しました。CDだと 銀座の高級クラブも 戦前のミルクホールも 大衆酒場も ほぼ同一価格というのがおもしろいですね」とのコメント有。

オークションにて大きなトラブルはないけれど、送付後の到着連絡(または評価)がないこと、逆に落札/入金後の送付アクションが少々遅いのは不満ですね。ま、ちゃんと届けば文句ないんやけど。昨夜、ブーレーズを2枚落札しちゃいました。送料が高めなので「まとめて送付したらいくらになりますか」と質問を入れているところ。「土日は仕事で対応できません」とちゃんと書いてあるのが良心的。もちろん出品価格も(競合なし)。

Schubert 交響曲第9番ハ長調〜ジョン・バルビローリ/ハレ管弦楽団(1966年)・・・しばらく聴いていない演奏であり、作品でもあります。以前は大好きだったんだけどねぇ、なんか最近敬遠しがち。なんせ”グレート”な作品だし、年齢(とし)重ねて(いっそう)短気になったか、最終盤には少々飽きちゃうんです。ハレ管はヴィルトゥオーゾ系ではないだろうが、ホルンも茫洋としてエエ感じで鳴っているし、ゆるゆると味わい深く急がない歩み。結論的に数年前の印象とあまり変わっていなくて、切迫感とか大爆発とは無縁の横流れ演奏でした。バルビローリがこの作品と似合っているかどうかは微妙かな?この旋律には少々薄味が過ぎる(メリハリが足りない)でしょうか。音質はまぁまぁといったところ。(1953年旧録音も棚中にあったはずだから比較してみましょう)

同じく作品を、チャールズ・マッケラス/啓蒙時代管弦楽団(1987年)の古楽器演奏でも確認いたしました。「天国的に長い・・・」といったのはSchumannだったか、これは全楽章楽譜通り繰り返すとほんまにそうなるらしい・・・ワタシは楽譜とは無縁だから自信はないが、これは少なくとも終楽章はたっぷり繰り返して15:22。ワタシ、繰り返し大好きですから。古楽器の粗野でスリムな響き、キレのある軽快なるリズム感、さっくり素朴な旋律表現〜どれも好みにピタリ!音質もGood。これ、オークションにて安く入手(送料込300円/競合なしだからいかに人気がないかの証明)したが、意外と知られていないCDですよね。(VIRGIN VC7 9078-2)

Rachmaninov 交響曲第3番ヘ短調(1947年ライヴ)/交響詩「死の島」/ヴォカリーズ(1945年ライヴ)+Prokofiev 交響曲第5番 変ロ長調(1945年ライヴ)〜セルゲイ・クーセヴィツキー/ボストン交響楽団・・・巨匠世代だけれど、クーセヴィツキーとかミトロプーロスとかアメリカで活躍した指揮者は(少なくと日本では)人気ないですね。10枚組セットを購入したのはもう6年前なんだな。おそらくは半分くらいしか聴いてない・・・音質よろしからぬ太古録音ながら、モダーンかつ颯爽として、とてもわかりやすい演奏でした。どれも馴染みの作品だけれど、音質乗り越え感銘非常に深い。


●2008年4月某日

未だ全体実務の流れ把握、作業の合理化、ツボも押さえていないのに、二日も職場を空けたものだからお仕事大苦戦。更に、祝・ご長男誕生のチーム若者の若奥様が出産後調子よろしくなく、実家近く神奈川の病院に駆け付け休んでおります。大幅人員入れ替えたチーム中、唯一残ったヴェテランが「新人の机上に締め切り作業が残っている」とのご指摘有。流石だけれど指摘のみ、な〜んもせず消化するのはワタシであります。営業的には7月度のご提案だけれど、「ほんとうはここから全部やっていただかないと」と恩着せがましくいろいろ言ってくるが、ジョーダンじゃない!ワタシは旧担当7月分まで資料完全に仕上げ、引継の商談まで付き合って来たのに、こちら提案書さえ未完成じゃないの。(現在も旧担当取引先より連絡あるし、お仕事フォロー続いて・・・これは光栄なことです)

結論的に久々ド残業!でも、精神的に追いつめられていなくて、純粋に物量をこなしただけ。一瞬、さっさと帰って明日休日出勤するか?と逡巡したが、それなりほとんど消化して帰宅いたしました。ま、世間フツウのサラリーマン並です。飲んだくれるより健康的かも。ケータイは電源切って職場に置いてきました。(あとで云々言われたら、充電したまま忘れたと言い訳するつもり)右足少々痛いが、それを除けば体調良好。でも、残念ながら【♪ KechiKechi Classics ♪】更新原稿追加ならず。休日の楽しみな宿題として残りました。

通勤往復では、Delius ダンス・ラプソディー第2番/夏の夕べ/2つの小オーケストラのための小品(春、初めての郭公を聞いて/夏の夜の川の上)/夜明け前の歌/歌劇「フェニモアとゲルダ」間奏曲/歌劇「イルメリン」前奏曲/日没の歌〜トマス・ビーチャム/ロイヤル・フィル/モーリン・フォレスター/ジョン・キャメロン/ビーチャム合唱協会・・・通勤時間は短いのでCD一枚分、帰りに残った分を聴くことになります。朝、何を聴いたのか帰りには忘れているんですね(う〜む、ノーミソ機能問題?)控え目に切々としたチェロ・ソロが静かに歌う旋律が・・・数分後、「イルメリン」であることを思い出しました。

日没の歌〜初耳だったかな?乾いてささくれ立ったココロにじんわり染みこみました。英国の合唱作品って、Handel の「メサイヤ」以来の伝統なのか、滋味深くも聴き応えある作品に一杯出会えます。30分、しっとりと黄昏て帰宅いたしました。「春、初めての郭公を聞いて」(名訳!題名)では密やかに郭公が啼き、田園風景が広がります(脳中に/実際は通勤途中尼崎の工場街だけれど)。音質だって、ずいぶんとよろしい。

ワタシは「究極の名演!」「他はもう要らない」的音楽生活とは無縁だけれど、出会いは重要だと再確認いたしました。ワタシのDeliusとの出会いは、このビーチャムなんです。そしてヴァーノン・ハンドリー/ロンドン・フィル(CDは入手していない)。NAXOSの幅広い品揃え、啓蒙活動に敬意を表するに吝かではないが、フレッドマン/ニュージーランド響(1994年NAXOS/処分済)では少々説得力に欠けるな、と痛感しました。

ようやくもう一本、定例サイト(なんとか)追加更新。ま、自分なりの決め事ですから。一昨日煙害車中で読了した藤沢周平「霧の果て〜神谷玄次郎捕物控」(文春文庫)・・・短編8本収録されており、馴染みの人情ものとは少々毛色の異なる、ハードボイルドな味わい有。筋書きが良く練り上げられていてオモロいですね。子持ちの若後家・お津世との関係も、本来ユーモラスであるべきなのが、せいぜい全体を覆う陰惨で暗い印象を少々緩和させるくらいの役割しか果たしません。一気読了、藤沢周平は人気でBOOK・OFFでも105円では入手できないのが残念。

Walton オラトリオ「ベルシャザールの饗宴」〜ジェームス・ロッホラン/ハレ管弦楽団/合唱団/マイケル・リッポン(br)(1973年)・・・かなり以前よりアブラヴァネル/ユタ交響楽団盤で聴いていたはず(録音がよろしくなかったのかな?)だけれど、印象一変!というか、こんな凄い作品だったのかっ!的感慨有。英国の合唱作品って〜滋味深くも聴き応えある作品に一杯出会えます、と今朝書いたばかりだけれど、まさにその通り。イスラエルの民の苦悩と勝利、みたいな陰影あるものではなく、全編祝祭的華やかな昂揚に充ちて壮大爽快劇的!合唱音楽の神髄を堪能させて下さるような名曲!(「!」多過ぎ!)

ロッホラン/ハレ管は先日、Brahms の交響曲全集を処分しちゃったが(喜んでいただいたそうです/メールいただきました)、合唱団とも絶好調でして、マイケル・リッポンの節度ある表現も好ましい。音質も良好。35分(途切れないから)一気聴き!嗚呼、楽しい。


●2008年4月某日

昨日夕方金沢発のサンダーバードは(春休みのせいか)禁煙自由席が一杯で、空いている喫煙自由席に座ったのが大間違い、少々の出費惜しんで(指定席に移るのもメンドーであった)煙害に苦しんでおりました。ワタシの純白無垢なる肺胞がダメージ受けたかも。ありゃ異常でっせ、どー考えても。それでも弁当喰い、藤沢周平を読み、音楽を聴き、【♪ KechiKechi Classics ♪】の直しをしたりしておりました。今朝、定例サイト更新しようと「作業中フォルダ」(原稿在庫+書き掛け置き場)見たら、完成稿が一本しかない・・・迂闊でした。本日お仕事乗りきったら執筆努力いたします。

”バルビローリ盤(この人が初演でしたっけ?)よりわかりやすいかも”〜と安易なるコメントしたのが、金沢滞在中。VAUGHAN WILIAMS 交響曲第8番ニ短調〜ジョン・バルビローリ/ハレ管弦楽団(1961年ルガノ・ライヴ)帰宅後確認いたしました。君子豹変朝令暮改、ハンドリーの清涼清潔潔癖表現(これだって感動的!)とは180度異なる、鮮やかな陰影と詠嘆に充ちた個性的に”わかりやすい”演奏也。時に茫洋としてつかみ所のない〜と感じられるVaunghan Williamsをとことん味付けして、隈取り鮮明に浮き上がらせるマジック!ひとつの録音(この場合ハンドリー盤)をきっかけに、音楽の姿が見えてくる・・・貴重な経験です。

昨夜、煙害車中で聴いた音楽・・・Handel ハープ協奏曲 変ロ長調/Dittersdorf ハープ協奏曲イ長調/Francaix ハープと管弦楽のための六楽章の詩的な遊戯〜ユッタ・ツォフ(hp)/レーグナー/シュターツカペレ・ドレスデン(1973年)・・・これは(たしか)1993年発売と同時に購入した国内(1,000円)盤です。馴染みの一枚であり、サイト更新済みと信じていたけれど検索しても出現せず。Handel はMozart と並んでハープ作品の両横綱的存在〜って、厳つい力士的作品ではなく、もっと楚々とした作品です。ドレスデンのしっとり瑞々しいサウンドに酔いしれました。Dittersdorfもそう聴く機会はない素敵な作品だけれど、近代フランスのFrancaixが粋なんです。

Berg 「ヴォツェック断章」「ルル〜アダージョ」/Webern パッサカリア作品1/弦楽合奏のための五つの楽章 作品5/管弦楽のための六つの小品 作品6/管弦楽のための五つの小品 作品10/交響曲作品21〜ヘルベルト・ケーゲル/ライプツィヒ放送交響楽団(1965/1977年)・・・こういった切りつめられ、研ぎ澄まされた厳しい音楽は、まさにケーゲルの十八番。きりきりと神経を逆なでするような、怜悧で非情なサウンド続きます。精神的なテンション高くないと聴けないが、昨夜の列車は環境悪すぎました。でも、深夜に煮詰まって聴く音楽じゃない。(危険です)

(ここで時間切れ)


●2008年4月某日

(在金沢ホテル)昨日朝、大阪ー金沢間の自由席特急券の残が一枚足りない・・・と不安になっていたけれど、勘違いであったことを確認〜気持ちの上では6,000円某浮いたような?ま、昨日のBOOK・OFF散財+昨夜ネット・オークションでの落札(+飲み屋の旨いもの代)の言い訳にしております。それに(いくら金儲けではないとはいえ)この間の在庫CD処分で小銭が貯まっておりますから〜というのも自分への言い訳也。

先日、Deliusの管弦楽作品(フレッドマン/ニュージーランド響/1994年NAXOS)をどうしても気に入らずに処分(300円良心価格宣言)、昨日入手したのがトマス・ビーチャム/ロイヤル・フィルによるステレオ録音2枚分(1,350円/BOOK・OFF入手としては極めて高い相場!自分なりに)でも、現役では入手できない状態(一枚ものだったら有)だったんです。

収録は交響詩「丘を越えて遥かに」/そり乗り(冬の夜) /ブリッグの定期市/「フロリダ」組曲/マルシュ・カプリス/ダンス・ラプソディー第2番/夏の夕べ/2つの小オーケストラのための小品(春、初めての郭公を聞いて/夏の夜の川の上)/夜明け前の歌/歌劇「フェニモアとゲルダ」間奏曲/歌劇「イルメリン」前奏曲/日没の歌(1960年前後の録音/英EMI CDS7475098/モーリン・フォレスター/ジョン・キャメロン/ビーチャム合唱協会) モノラル音源だったらNAXOSでしっかり入手できるのにね。今朝、一枚目を確認。

特別な、香り立つような静謐かつひんやりとしたサウンド、起伏の少ない穏健旋律を、痺れるような感動に導くには特別なるマジックが必要なんです。隈取りの濃い、個性的な各パートが色気をぷんぷんさせては台無しな音楽。自慢のSONYイヤホンで確認すれば、時に「ぶ〜ん」といった低音ノイズが乗ったりするが、驚異的良質な音質で澄み渡った空気が表現されました。最高!

じつは十数年前、上記数曲収録された”駅売海賊盤”(1,000円だったか?666円か)入手しておりまして、これは処分しましょう。200円くらいで。

幕内秀夫「40歳からの元気食『何を食べないか』」(講談社+α新書)・・・これは実践的でエエ書籍ですねぇ。欧米式の”栄養学”基準だと、どうしても脂肪の摂りすぎになりがち。”一日30食”はムリ。ドレッシングやマヨネーズたっぷり掛かったサラダやヨーグルト中心の食生活だったら、和食でご飯をちゃんと食べたほうがずっとマシ。男性に便秘が少ないのはご飯を多く食べるからだ、とのこと。減塩だって、日本の伝統食である漬物は醗酵食であって、スナック菓子の塩分と一律に論議されるべきではない・・・

本日の行事は昼からであり、本来本日午前中訪問すべきところは、昨日中夕方に済ませたのでゆっくりしております。チェック・アウト時間ぎりぎり迄ホテルで粘って音楽などを楽しみ、現在マクドナルドでコーヒーを喫しているところ。(更新は帰宅後の予定)

三度目の訪問にして気づいたけれど「石川県立音楽堂」(OE金沢の本拠地)は駅隣接なんですね。次回商談日程が決まったので、ちょうどその日に演奏会がないか見てきたが残念、練習日みたいでした。客演指揮者とか、ソロとか、演目とか、凄く魅力的なコンサート揃っております。少なくとも一年通うから、きっとナマに接する機会あるでしょう。呑んだくれて泡銭消えるより(きっと)ずっと有意義。

じつは昨日BOOK・OFF取得もうひとつの成果はVAUGHAN WILIAMS 交響曲全集(ヴァーノン・ハンドリー/リヴァプール・フィル)7枚であって、以前より2枚ほど単発で所有していて、他の全集(三種ほど)購入したのを期に処分済だったもの。演奏や録音に不満があったわけじゃない。

で、早速、交響曲第2/8番(1992年)を・・・この人はアンサンブルの精緻さ、構成力に於いて見事な実力を発揮していると思います。オーケストラはお国ものに対する誇りを感じさせ、しっとりと清涼かつ充分な洗練と迫力有。ま、Vaunghan Williamsの音楽は時に聴き手を行方不明に誘い込むことないでもないが、とてもわかりやすい。第2番「ロンドン交響曲」は馴染みのビッグ・ベンの鐘も鳴るが、第8番ニ短調がこれほどわかりやすく、素直に聞こえたのも初体験か。バルビローリ盤(この人が初演でしたっけ?)よりわかりやすいかも。

行事会場に重い荷物を預けて、駅周辺探索続行〜昼食。セントラル・スポーツを発見、ここは法人契約が使えるんです。次回訪問迄に利用券を取り寄せておきましょう。昨夜に続いておいしいお魚を昼食にいただくが、さすが日本海!といった鮮度であります。そば屋も多いんですね。観光地としての洗練は京都に似るが、個性は様々。20年近く前に何度も訪問しているが、当時は若かったし、なんといっても金がなかった・・・(かな?)こりゃ、女房と一緒に訪問せにゃならんな。

使うかどうかは別にして、大阪〜金沢の高速バスもあって安いでんすね。(往復7,000円)私用とか時間に余裕があるときは検討課題かも。ようやくお仕事と遊びの歯車が噛み合いだした・・・そんな感触あります。

体調はほぼ回復いたしました。


●2008年4月某日

さて、とにかくやや快復傾向で朝にて迎えました。(途中覚醒有)きょうはちょっと暖かくなるようです。金沢に行って参ります。準備不充故、さて結末どーなるのか。体調変化も含め。出張用自腹ノートパソコン持参します。もちろん音楽も書籍もたっぷり。

昨夜の続き、Tchaikovsky ピアノ協奏曲第1番 変ロ長調〜リヒテル(p)/ムラヴィンスキー/レニングラード・フィルハーモニー(1958年)・・・子供時代の刷り込み影響は偉大であって、快速テンポはムラヴィンスキーの意向なのか。強靱かつ熱っぽい打鍵に曖昧さは一点もなく、陰影ニュアンスの変化にも不足はない。レニングラード・フィルにとっては十八番(おはこ)の作品でしょう。すさまじい集中力で最終楽章を乗りきりました。

で、リヒテル(p)/カラヤン/ウィーン交響楽団(1962年)・・・も再度確認。こちらの演奏との出会いも中学生時代だから、やはり子供時代の刷り込みとなります。当時は(ムラヴィンスキー盤に慣れていたから)テンポの遅さに仰け反った記憶もあります。なんせ音質がよろしい。会場の空気が見えるほど。ベーゼンドルファーかな?リヒテルの打鍵は相変わらず強靱明快そのものだけれど、落ち着いた滋味深さが感じられます。

カラヤンのバックを見直しましたね。ウィーン交響楽団の技術は優秀だけれど、各パートの個性は不足気味で、逆にカラヤンの(レガート)表現が”甘さ控え目”になっておりますね。これがウィーン・フィルとかベルリン・フィルになると、ホルンとか木管とか、もちろん弦にも色気主張がタップリ出て伴奏としては如何なものか?的印象になるでしょう、きっと。リヒテルの変幻自在のソロにぴたりと付けて、出しゃばらない。クサるほど聴いてきた名曲だけれど、ヴェリ・ベストか。

今朝、Mahler 交響曲第3番ニ短調〜レナード・バーンスタイン/ニューヨーク・フィル(1961年)・・・長大なる作品故、第1楽章のみ。こんな時期に意欲的な録音をしたものです。おそらくは定期演奏会の流れなのでしょう。正規のステレオ録音としては最初じゃないのか。音質も良好。(モノラルでは誰の録音があったんだろうか?)賑々しい前のめりのアツさがあって、ニューヨーク・フィルのアンサンブルも快調。この作品は「ニ短調」となっているが、全体に明るく希望に充ちた旋律が続いて、若く精力的なバーンスタインに似合っていると思います。

では行ってきます。

(在金沢ホテル/新しくて美しい)実質上の金沢デビュー。体調なんとか維持、商談は久々、ほんまに楽しかった。こんな準備不足を反省すべきであって、次回はもっと真面目にやりますっ!前回訪問時目星を付けていた通り、ご当地BOOK・OFFに(待ち時間中)訪問〜予想通り(CD)出物有。あきあまへんなぁ、地元音楽ファンは油断大敵。なんのために”在庫抑制計画”実施しているのか?と悩みつつ自己抑制しつつ8枚(のみ、我慢して)購入・・・反省します。夜、ちょっとだけエエもん喰ったことも。

朝、サンダーバードで直行したが、しっかり音楽聴けました。Schubert 弦楽五重奏曲ハ長調 D.956/ヴァイオリンと弦楽のためのロンドイ長調 D.438〜ヴェラ・ベス/ジョディ・ガトウッド/リサ・ラウテンバーグ(v)/スティーヴイン・ダン(va)/ケネス・スロウィック/アンナー・ビルスマ(vc)(1991年)・・・この時期で古楽器演奏の洗練もここまで到達していたんですね。ヴィヴィラート少な目、柔らかいガット弦の響き+颯爽としたモダーンなリズムと語り口が魅力。ワタシの馴染みはヴェーグ弦楽四重奏+カザルスの巨魁なる演奏だけれど、こちら古雅なサウンドながら爽やかさぐっと増量。夢見るような美しい旋律の泉。

「ロンド」は良く知った旋律だなぁ、と思ったら、アンリ・テミアンカによる歴史的録音だったんですね。往年の名手には申し訳ないが、技術的な向上は歴然也。

Haydn 交響曲第45番嬰ヘ短調「告別」/第55番変ホ長調「校長先生」(1962年)/交響曲第92番ト長調(1950年)/Schumann 「マンフレッド」序曲(1954年)〜オッテルロー/レジデンティ管弦楽団(ハーグ・フィル)・・・1972年まで常任指揮者をしていたのに、メジャーレーベルへの録音はこの辺りが(ほぼ)ラスト。清涼かつよく整ったアンサンブル、生き生きとしとしたリズム感が素晴らしいHaydn也。この類の作品はオーケストラの技量がモロですからね。Schumannは少々音質が落ちるが、これもわかりやすい明快な表現です。

Elgar ヴァイオリン協奏曲ホ短調〜ピンカス・ズカーマン(vc)/レナード・スラットキン/セントルイス交響楽団・・・この4枚組はじつは優秀録音であって、ワタシのオーディオ環境では再生相性がむずかしいことは確認済。閑話休題(それはさておき)名手ズカーマンのこの演奏はなんど聴いても共感できない・・・暗鬱どんよりとした旋律を魅力的に聞かせるためには、特別なマジックが必要なんです。妙にしっとりと抑制した美音であり、それがとても鬱陶しい。つぎのチェロ協奏曲(シュタルケル)に進めません。


●2008年4月某日

肌寒い4月に入りました。酒席が続いたこと、運動不足であること、で、ちょっとだけ痛風症状(右足)出、ヤクの準備万全で症状抑えております。よく眠れて体調快復傾向〜季節の変わり目は体調維持が難しいですね。精神的には緊張感維持できて、前向きであります。明日より金沢出張なので、本日の準備苦戦予測。引継継続中であり、東京本丸からの来訪もあって、ご配慮ありがたいが(本日に限って)少々鬱陶しい。

昨日の通勤音楽は、Brahms 交響曲第4番ホ短調〜ロリン・マゼール/クリーヴランド管弦楽団(1976年)・・・数年前に入手した全集だけれど、正確な技術、各パートの個性を突出させないバランスの良さ、細部まで透徹した指揮者の指示・・・ジョージ・セルの伝統が生きており、しかも音質条件は改善されている、ということでしょう。マゼールの表現は時に恣意的なムリを感じることがあるが、この作品含め全4曲は立派な、拝聴すべき演奏だと思います。但し、ここ最近のワタシの好みは”いっそう指揮者がなにもしない/オーケストラの自由な裁量に任せる”系(少なくともそのように聞こえる)演奏に至っているので、ヴェリ・ベストではないが。

Tchaikovsky ピアノ協奏曲第1番 変ロ長調〜スヴャトスラフ・リヒテル(p)/カラヤン/ウィーン交響楽団(1962年)・・・このサイトには駅売海賊盤で更新しているが、正規盤はかなり以前に入手済み・・・だけれど、最近彼の強靱なる演奏は聴く機会が少ないんです。ほとんどBach (平均律)かStravinsky辺りのみ。作品そのものも意外とお気に入りなんだけど、どうも集中できず・・・子供の頃から興奮して聴いていたんだけれど・・・通勤持参にて再確認いたしましょう。

体調悪化。風邪だな。そういえば左奥歯上に鈍痛があると風邪症状がやってくる・・・終日、未だ要領を得ない新しいお仕事と、旧担当の困難な作業の引継に追われるが、じつは朦朧としておりました。明日の出張はどーなるのか?ご担当と初商談なのに。ほとんどまともな準備できていないし。新しいチームの作業はなにもかもカルチャーショックで、いらいらします。つまり、欲しい情報が即入手できない。ま、一年前はもっとひどかったが。

「音楽日誌」の写真には「これはなんという花ですか?2008年3月ご近所にて」というコメントを入れたが、早速メールにて情報有。「お写真、おそらく木瓜(ぼけ)ではないでしょうか?春先、梅、海棠とともに開く可憐な花ですよね。間違えていたらすみません」と。感謝。

通勤音楽は、Tchaikovsky ピアノ協奏曲第1番 変ロ長調〜スヴャトスラフ・リヒテル(p)/ムラヴィンスキー/レニングラード・フィルハーモニー(1958年)・・・これが小学生だったワタシが出会った演奏です。強靱快速・・・(ここで力尽きました)

 

【♪ KechiKechi Classics ♪】

●愉しく、とことん味わって音楽を●
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written by wabisuke hayashi