Vivaldi ヴァイオリン協奏曲集 作品8-1〜4 「四季」
(ヘルベルト・カラヤン/ベルリン・フィル/シュヴァルベ(v))
Vivaldi
ヴァイオリン協奏曲集 作品8-1〜4 「四季」
ヘルベルト・カラヤン/ベルリン・フィルハーモニー/シュヴァルベ(v)
EYEBIC CLASSIC GALLAREY ONE'S ONE (DG録音の海賊盤) ECD-50008 1972年録音 250円(中古)
かなり以前に今更「四季」という傲慢なる一文を上梓しております。(じつは続編を書こうと画策したことも有・・・断念)ま、有名なるアーヨ(v)/イ・ムジチ盤以来の馴染みの作品であります。さすがに少々食傷気味で最近、聴く機会はめっきり減りました。有名人気作品故、膨大なる中古盤、海賊盤、そのまた中古盤が巷に溢れており、格安入手に苦労はない作品。
クラシック音楽も病膏肓に至ると「晦渋破壊的現代音楽方向(=眉間にシワ)」とか「夭折した幻の演奏家秘蔵テープ復刻!」みたいなものを好む(フリをする)ようになるが、あまりムツかしいこと曰(のたま)わず、ココロ空(むな)しうしてイタリア・バロックの明るい太陽のようなアンサンブルに耳を澄ますのも悪くない。この一枚、往年のベルリン・フィル弦の代名詞であるミシェル・シュヴァルベ(1919年〜)の、数少ない貴重なるソロ録音でもあります。
最近の古楽器によるリズム強調に慣れていると、ずいぶんと”フツウ”というか、穏健派の美しい演奏でしたね。記憶ではもっと「カラヤンのエッチなレガート充満」だったハズなのに、いえいえそんなことはない。ひたすら素直で上質なアンサンブルが続いて、ちょうど良い湯加減に浸っていたい〜最近、カタが凝ることばっかりでね〜なんてジンワリとキモチがよろしくて、温々(ぬくぬく)と過ごしていたい・・・そんな演奏でしょうか。テンポや強弱の変化メリハリに乏しいとか、もっと”芸術とは爆発だ!”と考える人には縁が薄いかも。
シュヴァルベのソロはほとんど理想的・・・派手過ぎず、安物の艶ではなく、しっとり過不足なく瑞々しく響き渡って、味わい深さには比類がない。技術的には不足がないのはもちろん、小賢しい小技とか、ことさらに自己主張することとは無縁で、ムリなく自然体の姿勢を貫きました。アーヨのイタリア系、かりっとした切れ味の明るいヴァイオリンに慣れているじゃないですか、ワタシ。もっと、独逸風四角四面だったっけ?と記憶を辿っていたけれど、全然違いました。
「通俗名曲」という言葉は好きじゃないし、既に死語かも知れないが、カラヤンは一通り録音していて、どれも立派に(というか、すべてカラヤン風に味付けして)仕上げますよね。「四季」では、良い意味であまりこだわりなく、しかもアンサンブルの仕上げの完成度・磨き上げには、文句の付けようがない・・・時に疲れ果て、どこか遠くにドライブに行った時、爽やかな空気の中でそっと楽しむのに良い(ような)演奏だと思います。(いずれ、著作隣接権切れ海賊盤、しかも激安中古CDで、こんなに楽しんじゃってごめんなさい) (2005年12月23日)
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