今更「四季」Vivaldi ヴァイオリン協奏曲集 作品8「和声と創意への試み」より「春」「夏」「秋」「冬」(1〜4) Vivaldiの「四季」はお好きですか?こども時代に散々聴きすぎた(イ・ムジチ/アーヨ盤)せいか、滅多に聴きたいと思わないし、そうだなぁ、年に一度くらい聴けば良いほうでしょうか。名曲と思います。でも、食傷気味。Beethoven の交響曲より気楽に聴けるが、喜んで、自発的にCDを購入しようとは思わない。 Vivaldiそのものは、意外と好きでけっこうCDは買うんですよ。セットものが安いから、ついでに「四季」が付いてくることも多い。結果、なんや知らんうちにけっこう「四季」だらけになってしまって、時々「こんなのも持っていたのか?!」(いつものことだけれど)状態。棚に眠っている「四季」の棚卸しをしましょうか。お盆だし。(関係ないか)でも、そんなに珍しいのはありません。 (追加) 捜し物をしていたら、もう一枚出てきましたので・・・・。(情けない) ジークハルト(cem)/シュトゥットガルト室内管弦楽団/ライナー・クスマウル(v) MEDIAPHON LC6616 録音年不明 890円にて購入 (ほか2曲収録) クスマウルって、ベルリン・フィルのコンマスでしょ?(もう辞めたかも)気高くて、上品で素敵なヴァイオリンです。技巧的には申し分のない高水準。例えば「冬」第2楽章「ラルゴ」の速いテンポ、サラリとした味わいも、あちこち顔を見せる即興的なフレージングも申し分なし。集中力あるアンサンブルだけれど、イタリアの味わいから遠いのは当たり前。もっと知的で、ややクールでしょうか?神経質と呼んでも過言ではない。 「愉悦感」みたいなものには欠けるが、繊細でワタシ好みの演奏でした。(2001年10月19日追加) イ・ムジチ合奏団/アーヨ(v) 海賊盤(PHILIPS) cta クラシック・コレクション 59 1959年録音 フツウの電気屋にて330円で購入 言わずと知れた名盤中の名盤。往年の大ベストセラー。アーヨの「イタリアの太陽」を思わせる歯切れの良さに(いまでも)感銘を受けます。録音も良好。1960年〜70年代に来日した室内管弦楽団は、すべて「四季」の演奏を強要された、という因縁を作った録音。いまとなっては、あまりに平和すぎる演奏ときこえるが。その後の、イ・ムジチ歴代の「四季」CDは所有しておりません。 Charlin TKCZ-79202 録音年不明 500円(中古〜フリーマーケットだったかな?)で購入 イ・ムジチのリーダーを務めたこともあったはずの(?)イタリアの名ヴァイオリニスト、グッリの演奏。この人のヴァイオリンは、ウェットな味わいもあって絶品です。アーヨに負けない魅力。イ・ムジチに比べれば少々アンサンブルの水準が落ちるかも知れないが、立派なものです。よく歌うイタリア系の演奏で、個性をを期待しなければ完成度は高い。 やや音の劣化が気になるが、往年のシャルラン録音の名残があって、奥行きとか空間を感じさせます。 ティトフ/サンクトペテルブルグ「クラシック音楽スタジオ」管弦楽団/グルツ(v) FELISSIMO FMCD0003 録音年不明 中古で@480で購入 この辺りになると、珍しいかも。2000年にHDC Classicsとかいうレーベルでロシア系無名演奏家のCDがたくさん出ましたが、その音源を使った通販が存在したらしい。(FELISSIMOって女性ファッションなんかの通販の会社のはず)デジタル録音だから1980年から90年代の録音でしょう。音質良好。 演奏はソロの表情が硬くて、線も細いのが気になります。リズム感もイマイチ、臨時編成のためかあまり鳴らないオーケストラで、珍しさだけが取り柄でしょう。 バウムガルトナー/ルツェルン音楽祭弦楽合奏団/シュナイダーハン(v) DG 447 346-2 1960年頃録音? 2枚組 1,000円で購入 これは「ANTONIO Vivaldi」というコンピレーションものの2枚組に入っていたもの。フツウ、カラヤンの旧録音を収録するのが筋でしょうが、なぜかこんな録音が入りました。(ありがたい)溌剌としたアンサンブル(少々奥行きが足りんが)、なによりシュナイダーハンのヴァイオリンが雄弁で、ソロ主導型のあまり普段聴けないスタイル。でも、ソロはゾクゾクするほど音色に色気があって、個性的で美しい。 ワタシの数少ない「四季」体験の中でもトップを争う出来。ま、イタリア・バロック、といった雰囲気ではなく、生真面目さが身上でしょうか。録音良好。
ストコフスキー/ニュー・フィルハーモニア管弦楽団/ビーン(v) FIC(DECCAの海賊盤) ANC-11 1966年録音 667円で購入 手持ちの「四季」の中では、これが一番好きなんです。大編成で、旋律を優雅に歌わせて、ゴージャスで、聴いたことのないような内声部も堪能できる。「イタリア・バロック、といった雰囲気ではない」といえば、こちらのほうが、いっそうそれらしくない。はっきり言って、これほど楽しい演奏はなくて、浪漫的にフレージングを引き延ばす味わいなんか、最高です。 チェンバロがやたらと鮮明だったり、ハッとするほど通奏低音のチェロ(ソロ)が明快だったりと、いかにもつくりものじみていて、それも悪くない。ヒュー・ビーンは明快なソロで、これも名手でしょう。騒音に満ちあふれた現代の「四季」はこれだ!(少々うるさいが) BRILLIANT Classics 290413 録音年不明 5枚組 2,600円くらいで購入したうちの一枚 音質、演奏とも最悪の演奏。この人、来日したことがあって、テレビで見たことがありました。立って演奏していて、楽しげな禿頭が印象的だったが・・・・。残念賞。 ピノック/イングリッシュ・コンサート/スタンデイジ(v) BRILLIANT Classics 99416 1978年録音 8枚組 2,680円で購入したうちの一枚 旧録音。ワタシの手持ちでは唯一、作品8を全曲聴けるのがありがたい。もちろん古楽器だけれど、いま聴くと信じられないほど穏健派演奏で、ものすごくフツウの演奏ぶりに驚くばかり。完成度は高いが、時代の流れに感無量です。いまや、かつてオールド・スタイルと揶揄された演奏こそ、むしろ新鮮であることの驚き。(カラヤン、ストコフスキー、オーマンディ・・・など) ・・・・・・・・ちゃんと探していないが、思いつく手持ちの「四季」はこれくらいでしょうか。LP時代はアーヨ盤とオーマンディ盤(これ一度CD化されたらしい)を所有していて、カセットで(有名な)アーノンクール(ハルノンクール、なんて呼ばれていた時代)、ビオンディ(旧録音)をFMから録音していたけれど、現存せず。これ以上買うつもりもないし、この曲、滅多に聴きませんから。 作品8は全部で12曲あって、「四季」の4曲より、残りの8曲のほうがじつは楽しい、ということを知っていますか?上記、ピノック盤もよろしいが、ワタシのお勧めはバンファルヴィ(v)/ブダペスト・ストリング盤です。(2001年8月15日)
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