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音楽日誌

このサイトを生み出しているメインPC/北斎の赤富士+Puffyがお気に入り。左側の黒いのがCD棚(の一部)となります。

●2008年3月某日

今月も本日で一区切り。いろいろ動きがあって、一筋縄ではいかない変化を楽しみましょう。たくさん音楽を聴き、遊び、それなりにお仕事をした。トラブルもいっぱいあった、ということです。今朝、ケータイに転送されたメール数件、ほとんど旧担当分だけれど、処理余裕。なんか出勤するのがウキウキ、気分盛り上がってきましたよ。

昨夜のオークション締め切り、【♪ KechiKechi Classics ♪】読者力で一気落札有、件の”(一部)不吉な落札人”は事前警告をして24時間経過したところで再メール、結局返答がなかったのでキャンセルとさせていただきました。これでウィレム・ヴァン・オッテルロー13枚組入手による、総量枚数抑制の辻褄が合いました。でも、一ヶ月後に90枚ほどの到着が待っているんだけれど・・・商売じゃなくて、自分が聴かなくなったCDを音楽愛好家に安く譲る、というのが趣旨故、最低価格で一件落札があれば良いんです。でも、昨夜一件イヴリー・ギトリスの日本録音は3,000円を超えちゃって申し訳ない。日本録音とか、日本人録音はものによって高値が付くことが多いみたいです。固有のファンの存在+再発不如意で入手難だからか。

昨日聴いた音楽(あまり聴いていない)は、Mahler 交響曲第2番ハ短調「復活」〜オットー・クレンペラー/フィルハーモニア管弦楽団(1971年ロイヤル・アルバート・ホール・ライヴ)第1/2楽章・・・史上最遅の演奏として有名らしいが、ワタシにとっては激安ボックスもの入手したら入っていた音源というだけのこと。なんせ怪しいレーベルだから音質云々しちゃいけない。テンポ遅い速いの論議ともかく、非常にスケールの大きな、立派な演奏であることに間違いなし。

で、残りはクレンペラー/コンセルトヘボウ管弦楽団/アムステルダム・トーンクンスト合唱団/カスリーン・フェリア/ジョー・ヴィンセント(1951年ライヴ)・・・こちら最速「復活」で著名な録音らしいが、テンポ故の異常な感触はそうないんです。もともと英DECCAで復刻されていたライヴだと思うが、例のDOCUMENTS10枚組(XXL/ 203184)という几帳面なる復刻主義者には評判悪いレーベル故、これも音質云々コメント不可(ま、あまりよろしくないか、と)。20年後のライヴに続けてもほとんど違和感のない、迫力と集中力でした。

Reger ロマンティック組曲〜ウィレム・ヴァン・オッテルロー/レジデンティ管弦楽団(ハーグ・フィル/1956年)・・・甘美な旋律は、思いっきり濃密に演ってほしいが、これも「Mozart 変奏曲」同様清冽で、明快素直な演奏です。エエ作品ですね、Schrekerの「ロマンティック組曲」を連想しました。

それなり充実した一日だったが、体調がよくないなぁイマイチ。風邪でもひいたか。困るなぁ、こんな時。新旧お仕事二股掛けているし。気持ちは張っているんだけれど。

Schrekerの「ロマンティック組曲」を連想しました〜なんて、ほんまか?通勤で聴いたのが、ウーヴェ・ムント/低部オーストリア・トンキュンストラー管弦楽団(ウィーン/1988年)・・・確認したら、ちょっと、かなり違う。記憶違いだな。Regerはもっと都会的に洗練された味わいの旋律であって、Schrekerはもっと怪しい、洗練されない隠微な雰囲気満載・・・なのは演奏者の個性でしょうか。あんまりすっきりと整った演奏じゃないんです。ひたすら怪しい。録音はエエですよ。

(本日ここまで)


●2008年3月某日

今朝も寒いが結露が出るような季節から抜けております。桜花を見にいきたい。咽がちょっと痛いのは持病か?でも、体調悪くありません。運動不足で喰ってばかりだから、ちょっとダイエット意識しないと。昨夜テレビCMを見ていて、嗚呼キョンキョンはいくつになっても美しいな、と思う反面、声が老けちゃったな、若者の声じゃないことに(ちょっと)哀しさを覚えました。

BRILLIANT 92215/CD6 14枚組4,396円にて購入Bach ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタBWV1027/1028/1029+前奏曲とフーガ イ短調BWV894〜ジョン・ドーネンバーグ(ガンバ)/マルコム・プラウド(cem)(1991年)・・・(一般)ネット検索していて自ら2006年10月に聴取していることを発見。記憶なし。”ガンバの不器用な響きは好きだけど、このCDはオン・マイクが過ぎて、響きに繊細さを欠くのか?それともポータブルCDプレーヤーとの相性問題か”とのコメントが残っていたけれど、昨夜の聴取(メインの真空管コンポ)ではなんら(音質含め)違和感なし。敬愛する大Bach では苦手な作品だったが、これはLP以来の再会いが悪かったのでしょう。現代楽器では作品の味わいが生かされないのか。リズムが重すぎない、軽快素朴な味わいが好ましく耳に響いたものです。もちろん音質も極上。

Reger モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ〜ウィレム・ヴァン・オッテルロー/レジデンティ管弦楽団(ハーグ・フィル/1957年)・・・このオーケストラは素直でクセの少ないサウンドだと思います。こどもの頃、LP時代からの好みの作品であって、曰く”天上の清明さを誇る我らがヴォルフガングの旋律に、少しずつ隠微、かつ怪しげなエッセンスが入り込んで、聴き進むと倒錯した悦び、みたいな”。これは清涼で晴明な味わいそのまま生かされた演奏でした。

アーノンクールの2003年ニューイヤー・コンサート、あちこち摘み聴き再聴。リズムに切れがあり、テンポのタメも適切でクサくならんのです。とても楽しんだけれど、イヤホンでの聴取より音質が落ちる印象有。TEACのS-300というスピーカーは”音源の個性をそのまま表出する素直さ”とのこと(?)でして、これはライヴ故の不如意さの反映なのか。いずれ、音楽に対する感銘に影響を与えるほどでもなし。

マンションでゴロゴロしていても仕方がないので、小雨降る肌寒い中を女房と「さくら夙川」へ。オークションで落札されたCDを郵便局で出して(一件、クロネコ・メールで出そうと思っていた分をメンドーなので一緒に出したら100円以上高い!)川沿いの桜は曇り空に映えない〜が、美しいものです。阪急夙川迄歩いて梅田へ。昼食は寿司をおいしくいただきました。

昼からはぼんやりテレビを眺めてうつらうつら・・・無為無策なる休日は充実しておりません。


●2008年3月某日

花冷えの週末休み。いつものように早朝覚醒してネットをボンヤリ拝見していると、クラシック関連サイト(ブログ)ご同輩(ほんまに同世代)に異動が多くあるようです。ワタシは職場内の任務変更のみだけれど、主戦場を神戸→金沢に遷しました。職場を早期退職され、自分なりの新しいお仕事を模索される人、所属する会社が(自分の意志ではなく)変わる方、単身赴任される方・・・様々の出発。今朝の朝日新聞のコラム「格差社会批判〜日本人さえよければいいのか」(森千香子/南山大)〜鋭い視点ですね。目を覆うばかりの”格差”が話題に上ることになったことはともかく、底辺を支える外国人労働者は声も上げられない・・・

製造業は海外移転したが、移転できぬサービス業などはそうやって”疑似海外移転”効果を上げているそう。戦後の復興でも、じつは在日外国人の支えが不可欠だったそうで、”格差論議”が”日本人のみ”(正確に言うと男性日本人のみ/女性だって抜けている)に向けられているのはおかしいじゃないか、と。

三重県のバス中で、ケータイを使う男性を注意し、逆ギレされ締め上げられた挙げ句死亡へ〜これかなりのご年輩同士でして、最近若者より、ヴェテラン・サラリーマンや、やや高齢女性の車中マナーが悪いことに気付いておりました。列車中にて着信があったら、いったん「ただいま出られません」モードにして下車してから返信したらよろしい。野口先生の「超整理法」は古典的名著だけれど、既に”電話の拘束/束縛”についての警鐘を鳴らしていらっしゃいました。当時、ケータイは普及していなかったんだけれど、結局”拘束/束縛”が場所時をかまわず!状態に至っただけなんですね。

若者は主に経済的理由なんだろうが、車中ではメールじゃないですか。移動中のヒマつぶしかなんか知らんが、皆一斉にディスプレイを睨んでいるのは異様な光景ながら、車中通話よりずっとマナーはよろしいと思います。

諸富祥彦「生きるのがつらい。」(「一億総うつ時代」の心理学/平凡社新書)・・・書籍は購入したっきり、読書量はずいぶんと落ちている・・・今月読んだ増井武士「迷う心の『整理学』〜心をそっと置いておいて」に一脈通じて、もう少し普遍的でオーソドックスな内容と思います。なんせ”貧困をバネに”とか”努力が報われる”とは言い切れぬ悩ましい時代じゃないですか。”結婚出産だけが女性の幸せではない”という価値観が広がったことは僥倖かも知れないが、当の本人はそれで幸せになったのか?つまり、価値観が揺れ動いているんです。鬱病のチェックシートでは、ワタシは「早朝覚醒」が引っ掛かったものの、他のポイントはほぼセーフみたい・・・だけれど、他人事ではない、と痛感したものです。じつは、こうしてぐだぐだ「音楽日誌」を続け、自分を吐露しているのが精神的にはエエらしい・・・

オーディオのことは門外漢なんだけど、世評/ポータブルCDプレーヤー(パナソニック)+イヤホン(SONY)/メインの真空管(エレキット)/ダイニング用安直オーディオ(TEAC)にて、各々印象がかなり変わることは気付いておりました。録音個性と機器の相性もあるみたい。英DECCAのマルチ・マイク録音(1950年代ステレオ黎明期を除く)は、ダイニング用安直オーディオ(おそらくはこれが、最近の普及用機器に近いのではないか)によく映えて聴きやすいですね。

Mahler 交響曲「大地の歌」〜ジョージ・ショルティ/シカゴ交響楽団/ミントン(ms)/コロ(t)(1972年)・・・ショルティの演奏はどれも好みから外れ、一連のMahler 演奏も同様。但し、巨大なる編成のオーケストラの威力を楽しむには効果的であることに間違いなし。金管のクールな技巧に驚愕し、二人の歌い手も同様の姿勢で芝居っけ少なく、作品の味わいが客観的に、わかりやすく爽快に表現されていると思います。ショルティのMahler は第9番以外ほぼ揃っているので、嗜好が変化しているのか?確認必要です。

早朝より三連発音楽。Mahler 交響曲第1番ニ長調〜ベルナルト・ハイティンク/ベルリン・フィル(1987年)・・・お気に入りハイティンクだけれど、ベルリン・フィルとの相性はようないかな?との個人的感触有。ちょっとキツ過ぎ〜との記憶だったが、きょうはそれほどの違和感なし。ただし、じわじわ沸き上がるような憧憬みたいなものは感じませんね。とにかくオーケストラは滅茶苦茶上手い。そして生真面目。

BRILLIANT 8818 10枚組オークション諸経費すべて込3,990円ほどSibelius 交響曲第2番ニ長調〜ユーリ・テミルカーノフ/ソヴィエット国立アカデミー交響楽団(1985年ライヴ)・・・骨太剛直、朗々と鳴り渡るSibelius だけれど、荒涼たる粗野な響きが個性的な演奏となります。内省的で繊細な世界とは異なるが、意外と違和感のない厳冬のシベリアみたいな、それに負けぬエネルギッシュな立派な演奏。フィル・アップはBritten「ヘンリー・パーセルの主題による変奏曲とフーガ」(1967年ライヴ)・・・解説が入らないと、教育音楽ではなくちゃんとした芸術作品として堪能できます。テンション高い、強靱な響きです。

これにて「テミルカーノフ10枚組」(BRILLIANT 8818)ようやく全部聴けました。続けて聴くには少々味が濃すぎるが、個性的な演奏が続いてタップリ楽しめました。

Saint-Sae"ns 交響曲第3番ハ短調〜アンドレ・クリュイタンス/パリ音楽院管弦楽団/アンリエット・ロジェ(or)(1955年)・・・この人は録音技術に恵まれなかったなぁ、ステレオかどうか別にしても音質がぱっとしないんです。ふっくらとムリのない優雅な表現、なのだろうが、この作品にはもっと音質的な効果を望みたくなりました。残念。

転居一周年を迎え、夫婦とも疲れが出ているのか、ワタシは終日外出せずウツラウツラ(二時間ドラマ再放送見ても、居眠りで筋も犯人も分からない)、女房は体調不良で休んでおります。本日締め切りのオークションだけれど、(一部)不吉な人(かなり評価厳しい)が入札しているなぁ、無事取引成り立つでしょうか。相変わらず不人気CD残しつつ、次の出品をしておきました。


●2008年3月某日

昨夜は会議後金沢にて上司とともに4人で痛飲。酒も料理も旨いですねぇ、ご当地は。チームに異動してきた若い者に無事第一子誕生祝杯のため。奥様は息子と同い年ででっせ、若いなぁ。若いって素晴らしい。大阪までの帰りは皆でビールを飲みながらだったので、音楽聴けず。会議内容含め、上々のスタートです。本日、昨年担当先ラスト引継商談、でもけっこうお仕事継続しております。今朝、サイト定例更新済み。

通勤時+大阪〜金沢迄しっかり音楽聴けました。(ワタシのみ禁煙席のため)Brahms 交響曲第1番ハ短調(1966年)/ハイドン変奏曲(1964年)〜ジョージ・セル/クリーヴランド管弦楽団・・・この人は録音技術に恵まれなくて、これも音質が少々気になる第1楽章の開始。速く、厳しい集中力に聴き手は、居たたまれなくなるほどの切迫感を強要されます。いつものことだけれど、名手揃いのクリーヴランド管各パートの個性を表出させない、アンサンブル優先のバランスを誇りました。第2楽章アンダンテの静謐な世界を経ると、やがて音質云々は忘れ去って、色彩を優先させない全体がひとつの楽器のような世界を堪能できるように・・・ハイドン変奏曲は作品とセルの(謹厳実直)個性が似合っていないような?ちょっと面白くない感じ。

フィルアップがハンガリー舞曲第17〜21番〜ユージン・オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団(1957年)という珍しい音源であり、豊満豪華な響き、聴かせ上手を愉しんだけれど、我らがSONYはん、いつもながらCDのコンピレーション発想がおかしいでっせ。

Sibelius 交響曲第2番ニ長調(1975年)/第3番ハ長調(1971年)〜クルト・ザンデルリンク/ベルリン交響楽団・・・この人は何を演奏しても”立派な独逸魂”みたいな結果になっちゃって、ちょっと棚中より取り出すのには敬遠気味なんです。(処分するまでには至らないが/先日Brahms 交響曲第1番拠出したか)世評高いSibelius 全集でも、分厚く重い響き、がっちり構成して下さって私的違和感はカラヤン並。ここでもシンフォニック重戦車のようなっ!そんな感触。雄弁、濃厚、こんなスタイル日本では人気でしょうなぁ、なんせBBBB(全部独墺)人気の国だから。ま、けっこう楽しく聴きましたよ。(ワタシはBritish/Barbirolli/Bartok/Boulezだな)

SCRIBENDUMSC12/CD3 4枚組1,990円Debussy 「イベリア」「海」「牧神の午後への前奏曲」〜シャルル・ミュンシュ/フランス放送管弦楽団(1966年)・・・懐かしの「コンサート・ホール・レーベル」録音也。LP時代からお気に入りでした。が驚くほどの(意外な)優秀録音であって、定位が時に異常だけれど奥行き、打楽器の存在感などはっ!とするほど鮮明です。演奏はもちろん、リズムがヴィヴィッドに躍動するもの。オーケストラも華やかで上手いですね。著名なる「海」はワタシにとって少々鬼門であって、世評高いものをいろいろ聴いてもピンっ!とこないことが多いんです。リファレンスは聡明明快で感情移入のないブーレーズ旧録音となります。ミュンシュだって、うねりと起伏ある立派な演奏だと思いますよ。オーケストラの華やかな響きも魅力。音質もかなり良好。ボストン交響楽団(1956年)盤ってどんな演奏だったかな?LP以来聴いておりません。この作品は譜面問題がややこしいそうで・・・ちゃんとお勉強しないと。

「牧神」はたいてい、どんな演奏にも共感できるんです。即興的であり、オーケストラの雰囲気たっぷりに歌うが、これは何故か少々音質が落ちました。

ちょっと職場で不快なこと有〜冷静に考えれば自業自得なのでしょう。ややヘコんだけれど、気分を変えて謙虚で行きましょう。昨年度一年間お世話になった取引先とラスト商談二往復。職場でも充実した忙しさでしたね。明日の定例野暮用なくなりました。久々のなにもない土曜日也。昨夜飲み過ぎであり、昼も豚カツ定食がっつり喰ってしまったことを後悔しております。通勤+列車移動中にたっぷり音楽聴けました。

PHILIPS VPO-008 中古@390Mussorgsky/Ravel 組曲「展覧会の絵」〜アンドレ・プレヴィン/ウィーン・フィルハーモニー(1985年ライヴ)・・・この作品は大好きだから、ぎょうさんCD持っていて、なかでもお気に入りはこの一枚。SONYのイヤホンは絶好調でして、マイルドな会場残響がリアルに捉えられます。どこにもムリがなく、余裕で鳴り渡る柔らかい響きに酔いしれましょう。記憶にある限り、もっとも美しいウィーン・フィルと確信。異形なるデフォルメ、リキみ、絶叫とは無縁の優しい世界が素敵です。これが求めていたものなんだな。続く「ラ・ヴァルス」も同様で、終了後の感極まった聴衆の「ブラーヴォ」にも納得。

Bruckner 交響曲第9番ニ短調〜カール・シューリヒト/ウィーン・フィル(1961年)・・・久々の聴取であり、LP時代からお気に入りでした。な音質だったとはっ!ディジタル世代のプレヴィン盤には及ばぬものの、これだって充分説得力ある音質・・・なにより、演奏が素晴らしい。シューリヒトには端麗辛口といった印象があり、全体にすっきり見通しの良いことに間違いない。しかしこの”弦の泣き”はどういうことでしょう。よくよく聴けば、細部入念なる味付け〜それもけっこう濃いじゃないですか。暑苦しくも重厚なサウンドじゃないけど、薄っぺらい表現じゃないんです。いやぁ、すんごい名曲ですなぁ。

Brahms ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調〜スティーヴン・コワセヴィッチ(p)/ヴォルフガング・サヴァリッシュ/ロンドン・フィル(1993年)・・・先月入手した7枚組ボックスより。これは不思議な音質でして、茫洋として奥行きと深みがあり、広がりはあるが各パートの定位が不確かなんです。もしかして、これが正直な会場聴取なんじゃないか?いつも聴いている”優秀録音”とはマルチマイクの成果なのかも。(それはそれとして録音芸術の成果だと思うけど)時に、響きの厚みに於いて不満を感じることもあるロンドン・フィルだけれど、ここではエエ感じでしっとり鳴っております。気品があって内省的に落ち着いたピアノ、サヴァリッシュのバックは入念を極めます。この作品はお気に入りだけれど、かつて聴いた中でもヴェリ・ベスト。


●2008年3月某日

相変わらず早朝覚醒、でも、きょうは金沢往復列車で居眠りできますから。たっぷり音楽持参しましょう。体調はまぁまぁ。眼が疲れているな。オークションは本日一発目締め切り2件、「名伴奏者クリュイタンス」出品は痛恨だけれど、テスタメント・ボックスで一部ダブり所有なのと、音質がよろしくなくて聴く機会が少ないんです。フツウにどこでも入手できると思うんだけれど、香港在住ガイジンさんより「送付可能か?」と(たどたどしい/おそらく自動翻訳の)日本語で質問があったのには驚きました。二日後の締め切り分、相変わらず評価芳しくない方が最高値を付けていてちょっと不安。そういえば「スピーカー入札は間違いだったか?」と悩んでいたら、無事他の方が高値更新して下さいました。

CHALLENGE CC72142/CD3 13枚組諸経費込6,500円ほどで入手昨夜、Ravel 高雅で感傷的なワルツ(これも悪訳だ/1954年)/「ダフニスとクロエ」第1/2組曲(1953年)/Mussorgsky/Ravel 組曲「展覧会の絵」(1957年)〜ウィレム・ヴァン・オッテルロー/レジデンティ管弦楽団(ハーグ・フィル)・・・どれも(他の録音も)コンセルトヘボウでの録音となっていて、このオーケストラは「アムステルダム定期演奏会」みたいなものがあったのでしょうか。ダイニング・コンポ聴取ということもあって、前2作品は響きにコクを欠き、淡彩で大人しい印象有。「展覧会の絵」も似たような感触で開始したが、やがてオッテルローの語り口の上手さ、熱気を帯びて盛り上がっていく見事な集中力を感じさせました。但し、もの凄く上手いオーケストラ!というわけでもないが。音質印象もあるから、別途、再聴で印象変わるかも知れません。

Brahms 「運命の歌」/交響曲第1番ハ短調〜ジエイムズ・レヴァイン/ミュンヘン・フィル/合唱団(1999/2003年ライヴ)・・・OEHMSの12枚組ボックス(OC509)は録音情報を探すのにリーフレット探索がたいへん!会場の問題なのか、録音技術なのか、それともミュンヘン・フィルのそのもののサウンドなのか?どれも響きが乾いて潤い不足を感じます。レヴァインは現役売れっ子指揮者で世評も高いから一応聴いておこう、といったところだけれど、統率力、アンサンブルのまとめ方には秀でたものがあると感じます。CDの収録としてこの一枚の選曲は良くできておりますね。合唱曲は荘厳で気高い雰囲気が良く出ており、交響曲は良くまとまっているが・・・今ひとつの個性発揮を期待したところ。 いずれ早朝、ボリュームを抑えての聴取なので即断できません。

オッテルロー/レジデンティ管弦楽団のRavel 、早速メイン・コンポにて(ややボリューム上げて)再聴。期待通りの印象一変!1950年代、ややオン・マイク気味ながら優秀なるモノラル録音であって、細部の表情付けが入念繊細であることが理解できました。レジデンティ管は華やかな厚みやら多彩な響きではないにせよ、やはり淡彩だけれど品があって、そこが個性であり、美点でもあるのでしょう。まさに「上品でセンチメンタルな」演奏。


●2008年3月某日

早朝覚醒の悪癖出。体調そのものは悪くなくて、気持ちは張っております。既に職場は次の仕事に移管しつつあり、席も移動済みだけれど、取引先への引継ご挨拶が(すべては)済んでおりません。定例の月次作業連絡分、いきなり新人の名前でメールで送ったら即折り返し電話有、トラブル発生か?と思ったら(またまた)「替わるの?」との残念そうな声有〜一年間トラブル続きで心身共に体調崩れそうなほど苦しんだものだけれど、ここ最近、すっかり落ち着いた関係になってましたからね。感慨深いものです。

DECCA 473 110-2] 5枚組3,000円Berlioz 幻想交響曲はずっと苦手系作品(のワリに一杯CD棚中に有)だったが、ここ最近なぜか?けっこう楽しく聴けるように・・・ここ数日、部分ちょろ聴きながら比較対照を愉しんでおりました。エドゥアルド・ファン・ベイヌム/コンセルトヘボウ管弦楽団(1951年)・・・前任のメンゲルベルクに比べ、端正オーソドックスな表現ながら線の太い推進力を感じさせ、どの演奏もほぼお気に入りです。豊かなオーケストラの響きを生かして、スケールの大きな演奏に仕上がっておりました。ジョン・エリオット・ガーディナー/革命的浪漫的管弦楽団(1991年)・・・これは購入数年、スカみたいな?響きと思っていたけれど、古楽器による切りつめられた粗野な響きがようやく理解できるように。なんといっても第2楽章コルネット大活躍がお気に入り。かつて聴いたことのないような新鮮なるサウンド満喫しました。ワタシの貧弱なオーディオから類推しても、じつは優秀録音であることを発見。

そして昨夜、ウィレム・ヴァン・オッテルロー/レジデンティ管弦楽団(ハーグ・フィル/1959年PHILIPS録音)を拝聴。13枚組ボックスは現役で入手可能です。(HMVより更に2,000円ほどお得に入手出来/ワタシの価格相場から言えば清水の舞台から飛び降りるような・・・)切れ味と集中力を感じさせる颯爽と立派な演奏+音質も悪くない(ステレオ)ことに驚いたけれど、レジデンティ管弦楽団(ハーグ・フィル)の技量も見直しました。いくつか旧知の録音から、響きに芯を欠く弱いオーケストラ、との先入観を打ち破る快演也。この人は不遇だったなぁ、オーストラリアに行った挙げ句に交通事故で不慮の事故死だったし。オランダではどーして母国の指揮者には冷たいのか。仏蘭西でもそんな傾向か。

ざわざわとした一日にであり、忙しいのかヒマなのか?ワカらんような毎日です。気付いたことは、仕事の要領が悪い奴が残業になっていて、遅くまで残るのがパフォーマンスになっている(古典的旧式)サラリーマンが存在する、ということです。お仕事ばりばり合理化しまっせ。明日は金沢にてエラいさんと会議往復。商談(商売)に非ず。

通勤音楽は、Bruckner 交響曲第8番ハ短調〜ベルナルト・ハイティンク/コンセルトヘボウ管弦楽団(1969年)・・・旧録音全集ボックスより。虚飾のない表現のまま成熟し、スケールを増すのはこのあと(ディジタル録音時代か?)であって、未熟さが目立ちます。録音の加減か?(左右広がり強調しすぎ)弦の表情がカタく、管とのバランスがよろしくない。テンポ設定は目的があってのことだろうが、最終楽章の速さに説得力は少々不足気味・・・それでも金管の奥深さ、精一杯の咆哮でも響きがマイルドで濁らないこと、長大なる第3楽章「アダージョ」は天国的に美しい〜これはこれで充分堪能いたしました。


●2008年3月某日

お仕事トラブルというほどのことはないが、引継がいろいろたいへん(異動者に説明しつつ、実際は自分でやっている)なのと、いよいよ新しいお仕事のほうの作業開始で、なにも着手せぬまま早くも矛盾ばかり見えてくる・・・のが鬱陶しい。昨夜は歓迎会・・・急速に職場内での位置付けが(良くも悪くも重い方向に)変化しているのを実感しております。オークションだけれど、日曜の郵便局出し分がそれなり遠方なのに翌日到着とのこと。10日前落札即入金したCDが昨日ようやく到着。出品分では異様に評価の悪い人が入札しているのを発見(困ったな)して、この人は複数IDを使用しているらしい〜もしかして以前(一昨年)数回取り引きした人かな?住所を知っていたので、先に商品送付したら一切連絡も入金もなく、ま、安いものだしエエかな?と諦めていたらまた入札有、ようやくまとめて支払ってもらった記憶もあります。その次は落札しても返答がなかったので、こちらよりキャンセル手続き・・・世の中にはいろいろな性格の人がいるものです。

EMI 724356976122  2枚組諸経費込みで850円ほど?昨日(ようやく)到着したCDは、Elgar 交響曲第1/2番〜ベルナルト・ハイティンク/フィルハーモニア管弦楽団(1983/84年)・・・著名な録音で、いつでも買えると思っていたら廃盤みたいですね。あちこちネット検索しても出てこないことに気付いたところにオークション出品を発見。競合あったので(深追いする性格ではない)期待していなかったが、結果2枚組430円(送料180円)にて落札出来。諸経費を更に含んでも充分な価格でしょう。やや盤面に細かい傷はあったが、感謝。

さっそく交響曲第2番 変ホ長調を拝聴したが、ボリューム小さく聴き流しもかかわらず、メリハリがあって非常にわかりやすい。この人はムリムリ強引な表現する人じゃないし、英国音楽としての含羞抑制矜持を感じさせつつオーケストラがとても上手いとの手応え有。パソコンにらみつつぼんやり聴いていても、おおっ!とスピーカーに惹き付けられる〜ちゃんと集中して再聴いたしましょう。

忙しく、ざわざわと落ち着かない一日、でもこれを充実というのでしょう。でも疲れました。急速に自分のスタイル(データ検索システムの構築とか)に仕上げているが。JRと地下鉄の定期購入。ああ一年経ったんだな、こんな日が来るとはその時は想像も付かなかった〜感慨深い。通勤に音楽持参したが、大当たりで幸せでした!

DG 474250-2  2枚組中古500円2003年元旦のニューイヤーコンサートはニコラウス・アーノンクール/ウィーン・フィルのライヴ。ネットで検索掛けるとDVDは引っかかるが、CDは出ていないんですねぇ、もう。一連のライヴも消耗品なのか。リズム明快、ティンパニや打楽器の迫力、キレ、金管の爆発も素晴らしい精気に溢れます。皇帝円舞曲のラスト、金管とティンパニが叫ぶと”Bruckner?”と見まがうばかりの充実。エキセントリックではなくて、惰性に流されずに新鮮なる表現を旨としていると感じました。「舞踏への勧誘」(超駄訳也。「踊りませんか?」でしょうが)ハンガリー舞曲第5/6番もサービスして下さって、格調高く、タメだって下品にならない。あちこち馴染みの作品が、まるで楽器編成を変えたかのように聴き慣れぬパートが突出して効果を上げます。お決まりのラスト「美しく青きドナウ」「ラデツキー行進曲」も存分に美しく、”ウィーン訛り”がちゃんとある・・・

Elgar 交響曲第1番変イ長調〜ハイティンク/フィルハーモニア管弦楽団(1983年)・・・指揮者のマジックでオーケストラの響きはくすんで、鈍く輝くのですね。楷書であり、細部まで丁重に描き込んで、大きな呼吸は繊細です。スケール、迫力にも不足しない。今朝、ボウルト盤(1976年)の剛直骨太、濃い墨の筆字で仕上げたような演奏にも感銘深かったが、ハイティンクの自然体、練り上げられた円熟も素晴らしい。通勤電車中で陶然恍惚としておりました。

帰宅したら高知より「小夏」到着。瑞々しくて優しい甘さが香りました。名指揮者ウィレム・ヴァン・オッテルロー(1907〜1978)/ハーグ・フィルの13枚組到着しておりました。CD在庫は一生懸命の処分にも関わらず、総量で減りそうにありません。出品分はかなり入札が入っているようだけれど、肝心のSchubert 12枚組に買い手が付きません。これが動いて下さらないと、枚数の辻褄(総量抑制)が合わないんです。


●2008年3月某日

突然の体調不良より一週間経過。本日は大丈夫でしょう。いよいよ週次のお仕事サイクル開始。実質上前のお仕事引継中で、たくさん諸作業引きずっているとはいえ、急速に主体を移管しないといけません。昨夜、ネットで高知の小夏発注〜というか、オークションのシステムを上手く使ってますね。自宅と北海道に送ってもらいました。親父の好物なもので。CD出品分は順調な入札状況〜Schubert のボックスものが人気ありませんが。意外だな。安いんだけど。

Qdisc 97014Shostakovich 交響曲第10番ホ短調〜ベルナルト・ハイティンク/コンセルトヘボウ管弦楽団(1985年ライヴ)・・・馴染みの薄さという点で、Beethoven 以上に苦手としてる彼の(一連の)作品となります。これも暗鬱が支配する、好みから外れる作品ながら、なんせオーケストラが豊満で美しい。たしか、ムラヴィンスキーの強靱にメリハリある演奏(1955年ライヴだったか?)に驚愕した記憶があったけど、作曲家と当局の政治的経過とか、ソヴィエットという国家とは無縁の「20世紀の名曲」としてわかりやすい表現となっておりました。

Beethoven 交響曲第3番 変ホ長調「英雄」〜ユージン・オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団(1961年)・・・じつはオーマンディの交響曲2枚組まぁまぁの価格でオークションで出ておりまして、入札悩んで本日締め切り。Beeやんの交響曲はまだまだ過剰在庫で処分継続している身なので、安易な行為は慎まなければ!でも、この「英雄」はストレート系、虚飾も、表現上の過多もなく、明るく豊か、爽快なる演奏でした。ほんま全編瑞々しい。音質だって良好。こんなに「英雄」を堪能したのは久々・・・”ウラニアのエロイカ!”みたいな、そんなものばかり好んで聴く嗜好はないんです。


●2008年3月某日

TEAC CR-L600部屋でゴロゴロしていても仕方がないので、スポーツクラブへ行くつもり。ダイニング用コンポであるTEAC CR-L600の音が酷すぎるのは、勝手にスピーカー(HARD・OFFにて数年前に購入分/KENWOODのおそらく安物)のせいと決めつけ、昨夜オークションに入札してみるが、それもやはり安物であったか?と少々後悔気味。メインで使っているTEAC S-300(スピーカー)は、ネット検索してみたらあちこち話題になるくらいの著名なC/P製品だったんですね。(知らず)既に15年以上愛用していると思います。いずれオーディオはキリがないし、知識も興味もほとんどありません。

昨日、ある発見を。マイヤー・フレッドマン/ニュージーランド交響楽団によるDeliusの管弦楽作品集(1994年/NAXOS)は既に6年ほどの付き合いだけれど、”線が細すぎてなにを言いたいのかさっぱり?”状態にて棚中に眠っておりました。で、久々再聴(ぼんやりと)していたら2曲目が「ブリッグの定期市」(イギリス狂詩曲)じゃないの。主題はリンカーンシャーの民謡でして、市の立つ日にしか恋人に会えない、といった切ない旋律なんです。馴染みの、大好きな作品〜なのに、演奏そのものが(おそらくまったく)アウトなんでしょう。さらさらと静謐淡彩な作品なんだけど、大きな呼吸、リズムが明確じゃないと、作品そのものの香りが立たない・・・英国音楽も難しいものでっせ。

オーケストラつながりで久々Bruckner 交響曲第6番イ長調〜ゲオルグ・ティントナー/ニュージーランド交響楽団(1995年)・・・亡くなって話題にならなくなったのか、評価が定まったのか。初(うぶ)な音楽愛好家であった十年前のワタシは、新録音で出るたび胸をときめかせて彼のCD全集を集めていたものです。やがて(ここに引用したくないほど)自分なりの評価に混迷を深め、BOOK・OFFに叩き売り、中古屋で再度見掛けて(愚かにも)再購入・・・これが線の細い、淡彩なオーケストラを率いて清涼な味わいに溢れた演奏なんです。威圧、爆発とは無縁の、枯れて優しげなるBruckner。馴染みの作品も新鮮に響いて、それは作品表現の個性と実感できました。一時間厭きさせず、あっと言う間に過ぎ去ります。時を経、聴き手の成熟を待っていたのか。

Durufle 「レクイエム」〜ミシェル・ピクマル/シテ島管弦楽団/アンサンブル・ヴォカール/アンリ(br)(1961年版/1994年録音)・・・弦、オルガン、ハープ、ティンパニ+3本のトランペット+合唱+バリトン・ソロ・・・テキストはFaureと同じだそうで、グレゴリオ聖歌に和声付けをした作品とのこと。幻想的で美しい、平易な作品でして、誰でも一度聴けば魅了されることでしょう。演奏の世評ともかく、ココロ洗われる音楽也。他、グレゴリオ聖歌の主題による4つのモテット 作品10/スケルツォ 作品2*/天にまします我らが父よ 作品14/アランの名による前奏曲とフーガ 作品7*を収録。*はエリック・ルブランの見事なオルガン・ソロとなります。ラストはBach より霊感を受けているのは明らか。

オークションにて無事落札された(大量の)CD、さきほど郵便局まで散歩がてら出してきました。この間、EMIライセンス廉価盤であるDISKYのボックスものは次々処分しちゃいました。どうも商品的に仕上げが雑で、音質的に不満もあったんです。で、バルビローリ/ウィーン・フィルのBrahms 交響曲全集3枚組もオークションに出そうかな、と念のため確認〜交響曲第1番ハ短調(1967年)・・・これが、もう、なんとも堪らぬ〜(池波正太郎風)纏綿ゆったりとした歩み、切迫感の緩い甘美な歌、鋭角に激昂しないサビ。終楽章は少々力強さに不足を感じないでもないが、これは売り払うわけにはいかぬ価値ある存在!と再確認いたしました。

Pugnani(プニャーニ)序曲ニ長調/五重奏曲ヘ長調/ハ長調/イ長調/序曲 変ロ長調〜アンサンブル・ラストレー(1993年/SYMPHONIA SY 93S21)・・・珍しいCDでしょ、先日BOOK・OFFにて入手したもの。屈託のない明るい旋律と素朴な古楽器の柔らかい響き・・・エエですね。こんな素敵なCDをBOOK・OFFに放置してはいけませんな。

4月下旬に90枚!到着を待っているCDなのに、またオークションで衝動入札!即決しちゃって、在庫抑制計画はどうなった?ということで、またオークションにCD出品しておきました。油断するとすぐ増殖するから困っちゃうね。


●2008年3月某日

酷い不眠状態で、仕方がなく深夜起き出して音楽聴いております。新しいお仕事に興奮しているのか。安易な発想だけれど、Bach ゴールトベルク変奏曲〜ロザリン・テューレック(p)(1998年)・・・ゆったりとしたテンポ、乾いた情感と明快なるタッチ。1914年〜2003年の生涯、最晩年の録音だけれど技術的に曖昧さは一切ありません。サイト内検索によると「結論的に84歳の婆さんには衰えの欠片もない」「”グールドに影響を与えた”(音の粒だち、スタッカート奏法?)とのことだけれど、なるほど、ゆったりトツトツとして透明静謐明快なる世界が広がって、ワタシは彼女のBach が大好き」との自らのコメントが残っておりました。(ネット検索にて発見/彼女の平均律も素晴らしい)古楽器好きのワタシが、どーしてBach だとピアノで聴く機会が多いのかは理由不明。

昨日、オークションにて落札CD一枚到着(懲りていない/珍しいものではなく、たまたま目に付いたので)Scho"nberg 室内交響曲第1/2番+「浄められた夜」〜ハインツ・ホリガー/ヨーロッパ室内管弦楽団(1986/92年)・・・作品的に大好きなものでして、もとよりあまり録音が少ないので、安く見掛ければ欲しくなるんです。快速テンポ、情感を排した精緻な表現が、作品の混沌(カオス)を鮮明に際立たせるような凄い演奏です。なんせ、旧いホーレンシュタイン盤が刷り込みなので。あれは浪漫の名残が勝って、作品の混沌(カオス)を混沌(カオス)的に表現して、大時代的感触がありました。ま、オーケストラの技量が全然ちゃう、ということでしょう。(音質も)

BRILLIANT 99373/1Bach カンタータ第198番「候妃よ、さらに一条の光を」BWV198〜ぺーター・ヤン・リューシンク/オランダ・バッハ・コレギウム(2000年)・・・2ちゃんねる辺りでボロカスに書かれている全集より。作品そのものが、まず美しい旋律に充ちていること。ワタシは、アンサンブルがややラフであっても古楽器による粗野で素朴な響きを好みます。但し、ボーイ・ソプラノや少年合唱団の不安定さは気にされる方もいらっしゃることでしょう。心洗われました。(全集分入手後のスリム・パック再発売を恨みます)

休日出勤までもう少々音楽を・・・Enescu ルーマニア狂詩曲(1995年)/組曲第2番ハ長調(1994年)/第3番ニ長調(1996年)〜クリスティアン・マンデール/”ジョルジュ・エネスコ”ブカレスト・フィル・・・唯一の旧知である「ルーマニア狂詩曲」だと、流石にオーケストラの薄さ弱さが少々気になります。組曲の歌謡的な美しい旋律は(やはり)”やや常識的なDebussy”を感じさせるもの。Enescu4枚分入手もこれにて終了。どれも忘れ去られるには惜しい魅力を感じたが、強烈な個性とか”キモ/売りどころ”が弱いのか。いずれ4枚総経費込1,400円ほどで、新しい音楽経験の幅を広げて下さったことに感謝。

朝一番に取引先へ引き継ぎ商談。一年間失敗で叱られてばかり、最近ようやくコツとかツボ(手の上手な抜きかた)を掴めてきたところだけれど、昨日に続いて残念がって下さること。終わりよければすべて良し、としましょう。ほんまは事務所に戻って、いろいろと次の段取り準備が必要なのだろうが、休日出勤は午前中にて打ち切り。そのまま帰宅。音楽生活ではここ最近、音質をますます気にしていて、ここ数日思い悩んだElgar 交響曲第2番(スラットキン)をダイニングのコンポ(TEAC CR-L600)で確認。これがドーショーもない。先日購入したイヤホン(SONY2,480円ほど)がとても快調なので、その対比を狙ったが想像以上のひどさでした。MONNYさえ潤沢なら!別途買い換えたいところ。

DG DG 429 042-2  10枚組(購入価格失念 1990年頃壱万円以上したと思う)移動中に聴いたMahler 交響曲第2番ハ短調「復活」〜ラファエル・クーベリック/バイエルン放送交響楽団/合唱団/マティス(s)/プロクター(a)(1969年)に心底痺れました。まず練り上げられたオーケストラのマイルドな響き、そして音質に。購入既に17年を数える昔馴染みのCDであり、リファレンスでもあるが、SONYイヤホンでの細部迄各パートの様子が鮮明に聞こえる感銘深いもの。コントラバスは後方やや左、第2ヴァイオリンが右手の対向配置か。金管はいくら咆哮しても浅薄なる喧しさを伴わない。木管の表情も、奥行きある打楽器の位置関係も鮮明です。もとより優秀オーディオをウリにした録音ではないと記憶するが、ジミで艶消し、柔らかくも暖かい響きに酔いしれます。やや速めのテンポ、表現はほとんど虚飾なくストレート、緊張感と集中力そして情熱に溢れたもの。ライヴは凄い熱気との噂だけれど、この録音セッションだって充分なアツさでっせ。

バイエルン放送交響楽団って、なんて美しいオーケストラなんでしょう。

更にオークションに追加出品。処分するものへの言及は避けたところだけれど、今回はテストケースとしてカラヤンのTchaikovsky交響曲3枚(駅売海賊盤)300円で出品してみました。反応はいかがなものでしょうか。


●2008年3月某日

ウチの職場は本日より新年度=お仕事のお正月となります。新人が正式に赴任し、職場内も席移動。引き継ぐほうも引き継がれるほうも、全然実質できていなくて、非常に不安です。取引先に合わせた属人的な作業になっちゃっているんだな、+ワタシがあるゆるヴェテランの技を駆使して日常作業合理化したから次の人は大苦戦するでしょう、きっと。申し訳ない。昨夜、女房と外食に出掛けたが、鮮度最悪+意外と料金高いという大失敗也。オークションは、地方の方がごっそりまとめて入札して下さって、いくらネット通販時代とはいえ、文化的不如意な居住地にCDが嫁に行く、というのは意味があって嬉しいものです。

体調良好。年度も席も担当も変わってもしばらくやることは変わらない、どころか、倍になるのだけれど。好物の土佐文旦、スーパーで見掛け一年ぶりの賞味に満足。今朝、なんとか、青息吐息でサイト定例更新。

Elgar 交響曲第2番 変ホ長調〜レナード・スラットキン/ロンドン・フィルに再トライ〜やはり”音”が気に喰わない。たしか1980年代ラスト辺りの録音だけれど、妙に金属的で、英国音楽に期待したい(ややどんよりしても)しっとりウェットな味わいから離れます。ワタシ自慢の真空管アンプ(いただきもの)でもそう聞こえるんだけれど、これはオーディオ機器の相性なのでしょうか。それとも体調か。今朝、作曲者/ロンドン交響楽団(1927年)にて再確認・・・(もちろん)音質的に充分なものではないし、世評も高くはないが、ワタシにはしっくり馴染む味わいがあって作品への嗜好を自覚いたしました。スケルツォの推進力が素晴らしい。

先日、Holst 組曲「惑星」〜エイドリアン・ボウルト/ウィーン国立歌劇場管弦楽団(1959年)のコメントをネット上で検索していて、偶然”全編クソミソ/ぶった切り”サイトに出会いました。その中の俎上に乗っていたのが、ペトリ・サカリ/アイスランド交響楽団によるSibelius であって、曰く”オーケストラが非力で話しにならない”(比較対照はコリン・デイヴィス/ボストン交響楽団だったか?)〜じつはどのサイトだったが、もう記憶もないのですが。で、ワタシの耳がちょっと評価甘かったかな、と、念のため(久々)聴いてみました。

NAXOS 8.554387 中古@380の愉悦也Sibelius 交響曲第6番ニ短調〜ペトリ・サカリ/アイスランド交響楽団(2000年)・・・燃えるような入魂演奏であって、オーケストラの弱さなど微塵も感じさせない、清涼さを超え厳しい北国の自然環境を連想させる「銀河鉄道交響曲」也。ワタシはコリン・デイヴィスも大好きだけれど、ボストン交響楽団盤と甲乙付けがたい、むしろサカリ盤の誠実さに軍配を上げたい感じ。”オーケストラが非力”とは感じる暇(いとま)なし。

さて、新しい環境の変化を楽しんできましょう。

一日なにをしていたのかな?状態。断続的に引き継ぎ、日常業務/トラブル消化、そして夕方より取引先へ引き継ぎ商談へ。にこやかに和んだ雰囲気で「はやっさん、凄い信頼関係ですね!」とのご意見は、ラスト故のお愛想でしょう。明日も引継商談。お次の仕事の雰囲気は(ちょっとだけ)わかったが、実務作業量の全貌が見えません。来週の出張は泊まりだとの指示があって、先ほど金沢のホテルを予約したのは一年ぶりじゃないかな?東京本丸の会議宿泊は指定だったし。取引先より(ご近所の自宅へ)早々に帰宅。ほんまはいろいろあるんですけどね。

昨日聴いた音楽の落ち穂拾い〜Dvora'k 交響曲第9番ホ短調「新世界より」〜ユーリ・テミルカーノフ/ソヴィエット国立交響楽団(1968年ライヴ)・・・30歳の若い録音也。すこぶるメリハリと詠嘆に充ちた”爆演”だけれど、ロジェストヴェンスキーのような異様な感触(大勘違い未開の新世界?)はありません。オーケストラの響きが骨太に脂っこいが、表現は雄弁であります。歯応えがあって、凡百なる通俗名曲とは言わせぬ説得力有。但し音質はいまいちか。Ravel 「逝ける女王のためのパヴァーヌ」「スペイン狂詩曲」〜テミルカーノフ/ソヴィエット国立アカデミー交響楽団(1976年ライヴ)・・・音質はぐっと改善され、オーケストラのアンサンブルに繊細さを増したのは指揮者の熟練か、それともオーケストラが異なる?(ようワカラん)さらさらとした”カルさ”は求め得ないし、骨太の雄弁な表現は(やはり)あちこち顔を見せるが「露西亜でお仏蘭西?!」的違和感はほとんどありません。けっこう愉しめました。

本日移動中の音楽。Elgar 序曲「南国にて」/交響曲第1番 変イ長調〜レナード・スラットキン/ロンドン・フィル(1988〜1992年)・・・SONYのイヤホンだと極上に練り上げられた英国サウンド、ちゃんと広がりました。金管の壮麗なる爆発も快感。聴き手を茜色に染める黄昏に連れていって下さるのがElgarの魅力であり、それは間違いなくこの録音に存在しました。非常にていねいに、細部迄配慮の行き届いた入念アンサンブルの完成度に感銘一際深い・・・で、帰宅後、交響曲第2番 変ホ長調に三度トライ!

結論的に、この録音と我がORION DBF7000(DVDプレーヤー/CDプレーヤー代替)の相性が悪い、ということなのでしょう。先ほどの(イヤホンで聴いた第1番の残響耳に残って)”極上に練り上げられた英国サウンド”は類推可能でした。ようやく感動に辿り着いた!


●2008年3月某日

本日休み。同世代の音楽愛好家仲間のサイト(ブログ)を拝見していると、ほんま皆お仕事大苦戦されていて、自分はほんま恵まれているな、と感じます。下痢は止まり、通常食に戻っているが、やたらと”屁”が出ちゃう。まだ完調ではないということです。薄ら寒い祝日の朝、ちょっと寝坊しました。突然の食中毒(?)に倒れた日に送付したオークションCD、なんと沖縄迄二日で到着という新記録を生みました。しかも、緩衝材なし簡易包装でも4枚分無事に。(クロネコ・メール便)なんせ出来るだけ安く出品し、送料も抑制して、との配慮のつもりだったが、ケース割れが数件あってご迷惑を掛けたし、最近は「緩衝材有」(厚み的に割り増し料金となる)を選択していただくこともあります。入札前から「そんなもん配慮するのが当たり前だろう」と、少々お怒りっぽい質問を受けたりしました。(文句あるんなら入札するな、とは本音)

ケース割れ到着は100%申し訳ないが、買う側の立場として、いざ届いてみると盤質状況、ケースの汚れ(割れはともかく)に驚くことしばしばです。もっとも気になるのは煙草の脂(ヤニ)ですな。なんとなく薄汚れていて、ティッシュで拭ってみると茶色いんです。それに送料明示していなくて、いざ落札してみるとCD一枚梱包料込340円取られたこともありました。(割れても良いからそのまま80円で送ってくれ、と要望したがアウト)現在、支払い決済後5日経って、送付連絡もなにもないまま未着が一件あります・・・ま、慌てませんが。

昨夜(珍しく)Beethoven 交響曲第5番ハ短調〜ロジャー・ノリントン/ロンドン・クラシカル・プレーヤーズ(1986〜88年)・・・脳髄から痺れるような感動か、と問われるとちょっと考えちゃうが、かなり知的興味をかき立てられ、愉しめる演奏でありました。繰り返し(第1楽章/終楽章)を実行していること(これはワタシの嗜好なんです)、粗野で素朴、ややチープなサウンドが威圧感を与えないこと。一方で、ここ最近のノリントンの円熟(あまり熱心に聴いてはいないが、ストレート系の虚飾ない表現が生む説得力の凄さ)に比べ、やや手探り状態であり、古楽器としての技術的成熟、アンサンブルの集中力にやや不足する・・・のは時代的に仕方がないのでしょう。価格的にも、演奏の質的にも全集のセカンド・チョイスとして座右にあるべき存在と感じました。

PILZの「EGRシリーズ」より「EAST GERMAN PIANISTS〜A POTRAIT IN MUSIC」(442082-2)@480同世代の立派な実践家でいらっしゃる「アマオケホルン吹きの音盤中毒日記」を拝見していると、「SchumannN ベートーヴェンの主題による変奏曲形式による練習曲」の記事が載っておりました。これはイエルク・デムス全集に収録されない稀少作品だったとは・・・(既に店仕舞いした)PILZの「EGRシリーズ」より「EAST GERMAN PIANISTS〜A POTRAIT IN MUSIC」(442082-2)中、アンネローゼ・シュミット(p)の演奏として収録されます。ワタシも10年以上のお付き合いで、同好の志は珍しいCD持っているもんですねぇ・・・「ライプツィヒのピアノ工房で作られたブリュトナーのピアノ」とのこと。馴染みの交響曲7番第2楽章の主題から自在に、幻想的に発展させていく名曲。

やはり他のブログを拝見していて、ああ、アリシア・デ・ラローチャ(p)をしばらく聴いていないな・・・Chopin 練習曲集 作品24/子守歌 作品57(1974年)/ピアノ協奏曲第2番ヘ短調〜セルジュ・コミッシオーナ/スイス・ロマンド管弦楽団(1970年)・・・ワタシ、Chopin はあまり好んで聴く機会は少ないが、優しく、暖かい風情に打たれちゃいました。叩き付けるような鋭角なタッチ皆無、手は小さいそうだけれど、技術的な不足は感じたことがないし、鋭利な技巧ばかりが表出することもありません。とくに協奏曲の甘美な旋律に酔いしれました・・・

ああ、そういえばサイト更新用原稿が滞っておりました。なんとかせねば。


●2008年3月某日

昨夜、自分のチーム配属になる若者が到着したので、夜お付き合い・・・といっても、体調が体調なのでウーロン茶のみ、ほとんどなにも食べずに、状態。ここ二日のカロリーはほとんどスポーツドリンクで補っている感じ。倦怠感はないんだけれど、断続的な下痢症状(出るものはほとんどないが)続いており、夜は一時間おきにトイレ通いです。本日、取引先とラスト定例会議。あと個別ご担当と引継商談の日程取るのみとなります。本日夕方、席移動予定。

そんなこんなでお仕事は日常生活に戻っているが、声に張りがない自覚有。音楽を愉しめるような状態でもなし・・・通勤でEnescu 交響曲第3番ハ長調/演奏会用序曲イ長調(民族音楽の性格をもった主題による)〜クリスティアン・マンデール/”ジョルジュ・エネスコ”ブカレスト・フィル(1995/96年)・・・交響曲は3楽章制であり、終楽章に女声合唱団が入ります。これも全体に平易、かつ幻想的な旋律が連続して、Debussyを連想させる味わい有。作曲者の名を冠したオーケストラは誇りを持って、立派に演奏していると思います。

ショウもない話しだけれど、新しく購入したイヤホン・コードの長さが中途半端で扱いに困っております。延長コードを足すと長すぎる。今週締め切りのオークションは入札状況順調ですね。送付分、ぼちぼち到着の連絡も入っております。ここ最近、到着の連絡やら評価がないのが増えているような?送ったりきり、連絡がないのは無事問題なく届いた、ということに理解しておきましょう。

午前中、取引先との会議中胃腸の調子は治まっていたので、昼食から通常食としました。完全回復とは言えぬまでも、ほぼ快復宣言。昼から職場に戻って年度末の処理など。夕方より職場内場所移動。ちょうど一年だな、転居までは10日ほどあって一週間新幹線で岡山より通ったものです。いろいろあったが落ち着くものだな、と感慨深い。新しい仕事はまったく五里霧中なんです。さて、どーなるか?

明日、休み。土曜は出ることになっちゃいました。引継も兼ねて。

RCA 82876 60389 2 4枚組オークションにて総経費1,580円ほどで入手今朝、朝食も摂れずに聴いた音楽はElgar 交響曲第2番 変ホ長調〜レナード・スラットキン/ロンドン・フィルハーモニック(1988〜1992年/ちゃんとしたクレジットはどこかにないのか)・・・お気に入り作品であり、ようやく二種目の演奏を入手したもの。これが全然愉しめない・・・のは体調故でしょう。困ったものです・・・1月に聴いたときにはけっこう感動したはずだけれど。


●2008年3月某日

昨夜、ほぼ一時間おきにトイレ行き。それでもじょじょに症状治まって、今朝はおかゆをいただきました。24時間ぶりの固形物摂取也。これでお仕事には行けそうだけれど、まともな食事はまだまだ自粛です。

PHILIPS 422 700-2/422 703-2  1987年録音 5枚組7,500円(税抜)で購入今朝はMozart 。管楽五重奏曲 変ホ長調K.452〜ブレンデル(p)/ホリガー(ob)/ブルンナー(cl)/トゥーネマン(fg)(1984年)+クラリネット・トリオ 変ホ長調「ケーゲルシュタット」K.498〜コワセヴィッチ(p)/ブライマー(cl)/アイアランド(va)(1969年)・・・こんな作品聴いていると(たった今体調ともかく)春だな、ノンビリと明るく希望に溢れているな、と感じます。名手達の演奏になんの疑念もない・・・が、それにつけてもこのCDの価格の高さよ・・・PHILIPS 422 700-2/422 703-2 5枚組7,500円(税抜)。当時@1,500は廉価盤だった、ということです。もの凄くガッチリとしたプラケース+別添の分厚いリーフレットは”贅沢品”として必要な意匠だったんでしょう。しかし、演奏者を調べるのにはそれ別途を探さないといけないし、録音情報は更にその巻末へ。不親切だなぁ。演奏者クレジットが不充分だったり、録音情報が抜けているのは現在でも状況変わらず、要らぬ解説ともかく「基本情報が一発で照合できる」というのはテクノロジーの進化や経費節減とは別だと思う(配慮の世界)ので、業界の人々の猛省を促したいと思います。

こんな文句を言えるようになれば大丈夫かな?とにかく行ってきます。


●2008年3月某日

昨日夕方、思い立ってスポーツクラブのスケジュール確認すると「ボディ・ヒーリング」(←ここのじゃないが)が間に合うじゃないの、ということで3ヶ月ぶりに女房と阪神尼崎へ。17分ほど自転車こいでからスタジオに突入したが、無茶苦茶キツい!苦しい!始まって10分ほどで気分が悪くなるほどっ!日常生活では絶対に使わないような部位の筋肉を駆使し、伸ばし、バランスを取り・・・以前は朝一番のメニューばかり通っていたためか年齢層が高かったけれど、この時間だと若い人が多いんですね、しかも、女性を中心にスタイル抜群に鍛え上げている人がけっこういらっしゃる。とにかく一時間堪え忍んで、フロ入って、数時間後には爽快な体調に至りました。今朝もカラダどこも痛くはない。よく眠れました。

昨夜、Bach ヴァイオリン・ソナタ第4〜6番(BWV1017〜19)〜ルイス・オタヴィオ・サントス(v)/ペーター・ヤン・ベルダー(cem)(1999年)・・・ワタシは”極め付き”とか”他は要らない”式論評を嫌うが、これは素晴らしき完成度の演奏です。ネットで検索すると

バロック・ヴァイオリンもここまで来た!という洗練の極北。最低限のヴィヴラート、豊かな響きは蠱惑的でさえあってセクシーであります。まるで二胡(胡弓)を連想させるような、鼻に掛かった美音であって、古楽器演奏の多様性、可能性を一気に広げるような官能の世界を堪能させて下さいました。録音極上。
とのコメントが「2ちゃんねる」に引用され〜って、引用先【♪ KechiKechi Classics ♪】でないの。ちょうど一年前に聴いていたんですね。すっかり忘れていた。

今朝、Bruckner 交響曲第4番変ホ長調〜オイゲン・ヨッフム/ベルリン・フィル(1965年)途中まで・・・燃えるような爆発と推進力、オーケストラの切れ味を感じさせる精力的演奏でした。茫洋たる牧歌的演奏とは対極にあるような世界だけれど、ワタシはこの(DG)全集中バイエルン放響との録音を好んでおります。オーケストラ上手すぎ、洗練されすぎ、クーベリックの録音でも同様の感触がありました。

Saint-Sae"ns 交響曲第3番ハ長調〜ジョルジュ・プレートル/パリ音楽院管弦楽団/モーリス・デュリュフレ(or)(1964年)・・・LP時代からお気に入りでした。音弱く、アンサンブルが粗い〜そんな記憶だったが、印象一変!豊かな残響に自然な奥行きもあってかなりエエ感じの音+ヴィヴィッドなノリに充ちた昂揚です。アンサンブルだって悪くないし、管楽器のセクシーな音色も素敵。36分フィルアップなしは贅沢だけど、これで充分。

昨夜、オークションはたっぷり売れて下さいました。追加出品した”大物”も安くしたので、入札あるとありがたいんだけれど・・・新しい、そして現行担当してはラストの一週間を意気高く乗りきりましょう。

上の文書更新してトイレへ。尾籠な話しだけれど、かなりの下痢でして急激に気分悪くなって、せっかくの新しいイヤホン持参する意欲出て来ず。職場までの移動中症状どんどん悪化し、尋常ならざる吐き気に帰宅を即決意、週次報告書+いくつか溜まったメール仕事やっつけて地下鉄の人へ。ところがお隣がサリー姿も優雅な印度女性であり、強烈ターメリック芳香にいつもなら食欲沸くところだけれど、込み上げてくるものが・・・梅田駅のトイレにぎりぎり間に合い・・・大阪市交通局の皆様申し訳ございません。今朝いただいたものは、すべて出ちまいました。

這うように最寄りの駅より自宅マンションへ。体調激悪にて起きていられません。トイレへ通う回数もカウント不可。本日より新たなお仕事に通いだした女房のご帰還を待って、ご近所医療機関の検索開始。ヴェテラン医の見立ては「食中毒」ではないか、とのこと。そういえばこの「音楽日誌」にも、「胃が重い」との自覚ありましたもんね。てっきり運動不足かと、昨日はムリしたが揺り返しが出たか。脱水症状にて点滴受け〜まったく食欲なく、お茶ばかり飲んでいたけれど、スポーツドリンク系統が良いとのこと。一眠りし、お薬飲んで、ちょっと一息ついたところです。食事関係固形物はまだダメらしい。でも、こうして起きていられます。

ムリせず、ダイエットのチャンスだな。明日より、ほんま休めんし。(きょうだってダメだったが/背に腹は代えられぬ)

LONDON POCL-3665 中古2枚組500円也体調悪く病院待合室にて(持病の)耳鳴り(き〜んと常に鳴っている)に乗って音楽が・・・脳内より沸き出るのはRachmaninov 交響曲第2番ホ短調〜ヴァルター・ヴェラー/ロンドン・フィル(1973年)にて確認・・・立派な押し出しのはずが、やや耳を素通り気味なのは体調故でしょう。それでも甘く優しい第3楽章「アダージョ」に癒されたい・・・


●2008年3月某日

相変わらず睡眠不如意、早朝覚醒の性癖出ております。でも体調自体は悪くない感じ。明らかに精神的な改善が見られます。オークションは”【♪ KechiKechi Classics ♪】読者力”かな?かなり入札あったので、引き続き大物出品しました。なんせ、4月下旬に計90枚分届くことになっているし、昨夜狙いの2枚組を良心的価格にて落札できたり・・・で、とにかく”CD在庫総量抑制政策”遂行のため。

先月聴いたRachmaninov 交響曲第2番ホ短調〜ユーリ・テミルカーノフ/ソヴィエット国立交響楽団(1977年ライヴ)を(激甘旋律)第3楽章「アダージョ」のみ再聴。オン・マイクでオーケストラのクセある響きがモロに表出されるが、それこそがこの演奏のキモなのでしょう。所謂露西亜風アクのある、夾雑物がたくさん混じったような各パートの(クラリネットとオーボエはかつて聴いたことのないような)音色。しっかり”芯”のある、骨太に洗練されないサウンドに価値があるんです。表現そのものは意外とモダーンなのかな?

naive V4937  @750/素晴らしく芸術的なデザイン也(先日東京五反田BOOK・OFFでの@750成果)Mahler 交響曲第6番イ短調〜ベルナルト・ハイティンク/フランス国立管弦楽団(2001年ライヴ)・・・最近、シカゴ交響楽団との5度目の録音が話題となっているが、これって既に廃盤になっているんですね。これは彼の円熟ぶりをそのまま収録した録音であって、慌てず、騒がず、自然体であり、オーケストラの柔らかい(ヤワい?)響きをそのまま生かした美しい演奏です。特別なことはなにもしていないのに、ジワジワ感銘が沸き上がるような、作品の真価をストレートに、虚飾なく表現して下さって、結果驚くべき完成度に。エキセントリックな威圧感皆無。フランスのオーケストラがMahler に似合っているかは少々疑問ながら、ワタシの嗜好としてはベルリン・フィルとの一連のスタジオ録音より、好ましく感じたものです。(但し、第6番1989年は聴いていないが)世評も高いですね。

今朝、比較用にコンセルトヘボウとの1968年(スタジオ録音)を取り出したが、テンポやや速め、急いた切迫感と落ちつかなさが同居しているような演奏と感じます。作為的でないストレート系表現は路線だし、オーケストラの厚みたっぷりマイルドな響きも魅力だけれど、全体に”味が若い”。こちらも(音質含め)悪くないが、円熟とはこういうものか〜という感慨深い変遷でした。

Brahms チェロ・ソナタ第1番ホ短調/第2番ヘ長調/Schumann 「民謡風の5つのヴァリアント」〜アネル・ビルスマ(vc)/ランバート・オーキス(p)(1995年)・・・どんな楽器を使っているかわからない(1701年ストラディヴァリウスに間違いないが、ガット弦なのか?)が、豊かで渋い音色に”弱さ”はありません。例えばロストロポーヴィチに代表される色気あるヴィヴラートではないけれど、抑制され、節度ある表現が浪漫派の作品として説得力充分。とくに第1番ホ短調って、名曲だなぁ〜やはり中年オトコの悲哀溢れる後ろ姿が眼前に浮かびます・・・数日前、アントニオ・ヤニグロ(vc)/スコダ(p)の歴史的(貴重な)録音を格安処分したのは、この素晴らしき演奏+もう一種ヘレ・ヤン・ステゲンガ(vc)/アントルモン(p)(2000年)の録音が棚中に存在するから〜という理由でした。


●2008年3月某日

昨日のお仕事は引継も流れてしまい、取引先に出掛ける意欲も出ず、引き継ぎ用資料作成+データ整理+トラブル処理にて終了。、”全体お別れ会”に突入するが、体調最悪〜早々に帰宅いたしました。”胃腸が重い自覚”というのは今朝、出るべきもの相当量放出されほぼ快復しております。良かった。快食快便には一点の曇りもなく自信があったのに、昨日は喰い合わせ問題か?珍しくリズムが崩れておりました。眼がちょっとだけカユい、少々鼻水っぽい・・・というのはとうとう花粉症デビューか。たしか、毎年この時期、ちょっとだけおかしくなるんです。

オークションは、ジャン・フルネの「幻想」を無事知り合いが入札して下さり、ほか、じわじわ売れているが完売にはほど遠い感じ。昨日、通勤音楽はERATO WPCS-21106 @500Mozart 行進曲ニ長調K.249/セレナード第7番ニ長調K.250(248b)「ハフナー」/第6番ニ長調K.239「セレナータ・ノットゥルナ」〜トン・コープマン/アムステルダム・バロック管弦楽団(1988年)・・・先日ナマ体験の後、ギル・シャローン(v)/アマティ室内管(1999年)のCDで復習したが、じつは手持ち中これが一番のお気に入りなんです。ぶりちょふさんは「古楽器聴くと気分悪くなるのはピッチが低いせい」とのことだけれど、ワタシは元より絶対音感ないし、柔らかく鄙びた響き、快活なリズムを愛しております。

このダイナミックな躍動の要因は?先日の演奏会ではティンパニなかったですよね。冒頭の行進曲から元気良く、粗野な太鼓がガンガン効いているんです。オランダ系古楽器の人たちは旋律をふっくらと仕上げて、痩せぎすではない豊かな響き一杯。全編愉悦に充ちて、賑やかで楽しい「ハフナー」!最高。「セレナータ・ノットゥルナ」だって、なんかツマらん作品だな、という愚かなる思い払拭させる擬バロック的作風堪能させて下さいました。録音も極上。

Enescu ラプソディ第2番/交響曲第2番〜クリティアン・マンデール/”ジョルジュ・エネスコ”ブカレスト・フィル(1994年)・・・これも平明で美しい旋律の佳曲也。メリハリとか変化に乏しい感じはあるけれど、さすが名ヴァイオリニストが作った作品の感触があって、弦を中心にした幻想的な旋律頻出します。こういった録音の少ない作品を楽しむことは、音楽聴取の幅を広げる基本でしょう。音楽に浮気は大切なんです。

これから取引先に定例野暮用。半年に渡ったお役目も本日にて(公式には)終了でして、来週以降は引継乃至アルバイトの意味となります。

早々に(頼まれごと含めて)終了、女房に連絡取って西宮の「吾光」でおいしいうどんをいただきました。うどんが細くてヤワヤワ、でもダシが絶品なんだな。その場で作って下さる「田舎巻」も最高!とても”懐かしい”味。喰い過ぎました。

移動中音楽を聴こうと思ったら、右チャンネルが聞こえません。「Panasonic SL-J905」とうとうイカれたか?と、思ったら、イヤホンみたいですね、要因は。あとで買ってきましょう。BOOK・OFFに寄ったが、CDは購入せず。新書6冊のみ。

すっかり春めいて、こんなに体調快調なのは久々。もうずっと、こんなどんよりした体調のままかな?と不安に思っておりました。昼からゆっくり二時間ドラマ再放送(森口瑶子の大ファン!)〜ゆっくり、いろいろ音楽聴きました。

Mozart ピアノ協奏曲第25番ハ長調K.503〜カルメン・ピアッツィーニ(p)/ミハイル・ガントヴァルク/レニングラード・ソロイスツ(1990年)・・・これはテンション高い、ストレート系の演奏です。デリカシーに不足するわけではないが、ニュアンスやテンポの変化で聴かせる方向ではない。ひたすら明るく、元気よく、アツいんです。ガントヴァルクのオーケストラも上手いっすよ、ヴィヴラートたっぷりの浪漫とはほど遠く、かといって最近の古楽器系表現でもない。溌剌として、喜び溢れます。やや高音が刺激的だけれど、優秀録音。

Mozart 交響曲第36番ハ長調K.425「リンツ」〜ペーター・マーク/フィルハーモニア・フンガリカ・・・1960年代の録音か。リズムとフレージングの的確なこと、ゆったりとした歌心。この人はメジャーなオーケストラに恵まれなかった人だけれど、これは希有な、立派な演奏です。後年の録音も同様の魅力であったことを思い出しました。


●2008年3月某日

熟睡感なく早朝覚醒の悪癖、胃腸が重い自覚あってこれは酒席連続のツケでしょう。二日空けて本日、他のフロアも含めての全体お別れ会(引退者の送別含む)也。ほんまは取引先訪問したいんだけれど、本日は引継断続的にあります。オークションのほうはそれなりの入札も売れ残りも有、といったところ。昨夜、追加出品しておきました。”CD総量維持”目標のはずが、到着予定の半分も処分できておりません。金額の多寡ではありません、最低価格で引き取っていただければ良いんです。妙な競合で価格が釣り上がるのは本意ではない。今朝、サイト定例更新済み。随分と暖かくなって参りました。

Enescu 管弦楽組曲第1番ハ長調 作品9/弦楽合奏のための2つの間奏曲 作品12〜マンデール/”ジョルジュ・エネスコ”ブカレスト・フィル(1993/95年)再確認。美しく、親しみやすく、静かな旋律連続と感じたが、如何でしょうか。世評や知名度に関係なく、自分なりのお気に入りを見つけるのも音楽の醍醐味でしょう。お気に入りのウィンナ・ワルツ集に新しい一枚追加・・・J.Strauss 皇帝円舞曲/トリッチ・トラッチ・ポルカ/南国の薔薇/喜歌劇「ジプシー男爵」序曲/アンネン・ポルカ/酒・女・歌/ポルカ「狩り」(マックス・シェーンヘル編)〜ヘルベルト・カラヤン/ベルリン・フィル(1980年)・・・この録音の存在は知らなかったな。演奏は想像通りのゴージャスかつリズムの緩いものであって、レガート奏法が散漫な印象を与えます。涼やかなサウンドにも違和感有。処分候補?いえいえ、もう少し様子見ましょう。選曲はなかなかよろしいと思います。

LIVECLASSICS LCB-074 @500Mozart ピアノ協奏曲第23番イ長調K.488(1980年ライヴ)/第21番ハ長調K.468(1976年ライヴ)〜クリフォード・カーゾン(p)/ラファエル・クーベリック/バイエルン放送交響楽団・・・これはちゃんとしたレーベルで別途出ていたような?音質も良好、カーゾンの楷書・背筋が伸びた明快なピアノには一点の曖昧さもなし。スタジオ録音よりアツく疾走する印象があって、それはとくにハ長調K.468の速いテンポに感じられます。素晴らしいノリ、これぞ保留条件なしの音楽の悦びを堪能・・・先のカラヤンのウィンナ・ワルツとの違いでした。

増井武士「迷う心の『整理学』〜心をそっと置いておいて」(講談社現代新書)・・・う〜む、ちょっとワタシの興味範疇から外しちゃったなぁ。例えば強迫神経症で悩んでいる人にとっては、まさにそれをクリアすべく実践的なノウハウ(マニュアル)になっていて、凡百な一般論ではないのだけれど、逆に一般論として参考になるものでもないような?でも、読みやすかったですよ。ワタシには使えないだけ。


●2008年3月某日

在東京・五反田ホテル。それなりちゃんと眠れました。本日帰宅後に昨夜購入したCDを楽しむことになるが、Holst 組曲「惑星」〜エイドリアン・ボウルト/ウィーン国立歌劇場管弦楽団(1959年)について、ネット検索してみました。すると某サイト(初訪問)にて「金管が全然あかん」とのコメント発見。ふむ、そんなんだったかな?すると、この団体はフォルクス・オーパのオーケストラである可能性強まったかな、と思います。(1953年ロンドン・フィルとの録音も存在するそうですね)

閑話休題(それはさておき)、久々、”クソミソ文句タレ・オン・パレード!”のパターンを見たな、といったコメント連続。ま、ワタシも時にそんな方向ないでもないが、そちら全編そんな感じ。ほんまに音楽を楽しんでいるの?と不思議な感慨に浸りました。超豪華豪腕オーケストラ+一糸乱れぬ整ったアンサンブルのみが賞賛対象になっちまいませんか?

さて、これから会議。飛行機の便に間に合うためには少々時間がタイトなんです。

会議ラスト抜けて早い便で神戸に戻ってきました。これといった急ぎの用件もメールに入っていなかったので、そのまま帰宅。理想のパターンだな。東京出張は疲れる・・・って、きっと北陸行脚もたいへんなんだろうなぁ、岡山時代は連日連夜超ハードな出張こなして+酒席までつきあっていたんだけれど・・・もうあきまへん。

MCA MCD80099 @750で、待望のHolst 組曲「惑星」〜エイドリアン・ボウルト/ウィーン国立歌劇場管弦楽団(1959年)早速拝聴・・・おお!なるほど。何故十数年前の(若き)ワタシが見切って処分したか類推可能ですな。某サイトにて仰せの通り「金管が全然あかん」〜ミスタッチ連続で、まるでライヴみたい。アンサンブルのテンションが時々続きません(=よれよれの箇所も)。それよりなにより、なま暖かい全体サウンドが作品と似合っていなくて、演奏者はこの作品初体験だったんじゃないか。金管は(あちこちぽろぽろ落ちていることはともかく)妙にマイルドで丸く、ヴァイオリン・ソロも神妙すぎ。

でもね、750円の出費を後悔しておりませんよ。まず録音がよろしい。以前の旧MCA盤でもこうだったのか?今回入手のMCA MCD80099(1996年発売)でのリマスタリングの成果か。非力なオーケストラがムリして音を絞り出して〜みたいな苦しさはなくて、オーケストラが作品に慣れていないだけだろうと思われます。(ミスタッチ/アンサンブルの乱れ緩みさておき)オーケストラはそれなりに鳴り切って、虚飾のない骨太表現とマイルド豊かなサウンドが絡み合って、充分”聴かせる”音楽になっておりました。当時、馴染みの少なかったであろうご当地に、英国音楽の普及を狙ったものでしょう。

カラヤンがウィーン・フィルで「惑星」を録音するのが、この2年後。それは大ブームとなったが、録音の鮮度、作品の味わい表出という点でもボウルト盤のほうがずっと好みでした。(カラヤン盤は処分済)

オークションは今晩締め切りを数件迎えるが、Beethoven のピアノ協奏曲集(ブルーメンタール/ハンゼン)の幻の名盤に買い手が付きません。知名度なさ過ぎか。フルネの「幻想」は、きっと既に”持っている人は持っている”状態なのでしょう。入札状況も世評を反映しております。


●2008年3月某日

これより神戸空港行きなので、時間ありません。

ARTENOVA 74321 49145 2 4枚総経費込1,400円ほどにて入手昨夜、Enescuの交響曲/管弦楽作品4枚組到着(諸経費全部込1,400円ほど)以前から存在を知っていたけれど、手が出なかったもの。一枚目、管弦楽組曲第1番ハ長調 作品9/弦楽合奏のための2つの間奏曲 作品12/交響曲第1番 変ホ長調〜クリティアン・マンデール/”ジョルジュ・エネスコ”ブカレスト・フィル(1993/95年)・・・これは期待以上の平明で明るい旋律、弦を良く歌わせた楽しい作品であることを発見。交響曲などはもっと溌剌として、輝かしいサウンドが欲しいところだけれど、いずれ作曲者の名前を冠したオーケストラは概ね好演であります。音楽聴取の幅を広げることは大切なことなんです。(ARTENOVA 74321 37314 2)

では行ってきます。

在東京・五反田(馴染の)ホテル。毎月東京に出張して7年くらいになるかな?昨年で担当お役御免と思っていたけれど、異動先で同じ担当になって一年延長〜でも苦しかったなぁ、昨年は。本日研修、明日の会議にてほんまに(この会議からは)引退です。この界隈訪問の頻度も激減することでしょう。酒席二日続いたから、今夜はラーメン喰ってBOOK・OFF訪問のみ。おとなしくしております。

精神的にやや”躁”状態なのか、未聴CD貯まって、更に一ヶ月後には90枚に及ぶ大物到着を待っているところなのに、7枚購入、しかも単価(ワタシにしては)少々お高いもの2枚含みます。(書籍は新書を4冊)今回は往復飛行機だしポータブルCDプレーヤー持参しておりませんので、音楽ネタはありません・・・但し

”少々お高いもの”購入の言い訳を。Holst 組曲「惑星」〜エイドリアン・ボウルト/ウィーン国立歌劇場管弦楽団(1959年)・・・コンツェルトハウスでの録音となっているから、ウィーン・フィルの母体ではないかも。じつは10年以上前、いちど処分しているんです。(スタインバーグのが一枚あれば良いかな、と一時の気の迷いで)その後、BBC交響楽団(1945年)の素晴らしさに気付き、1978年/ロンドン・フィル盤(横綱相撲演奏也)も入手出来、とうとうニュー・フィルハーモニア管弦楽団盤(1966年)も昨年2007年12月に出会えました。

こうなると、どーしても残る一枚をもう一度聴きたい!半年ほど前、難波のBOOK・OFFにて@1,350発売を見掛けたが価格問題(高過ぎ)で断念、オークションでも2枚セットで出ていたけれど一枚ダブるし、価格も納得できず・・・で、先ほど@750にて3度目の出会い→ギブ・アップ。

MCA MCD 80099。明日、帰宅後しっかり聴きましょう。じつは五反田BOOK・OFFにて某6枚セット購入自粛、次回訪問まで様子見ましょう、と思ったが、次回訪問の予定はないのであった・・・


●2008年3月某日

昨日は新たな(大)トラブルが発生(日中関係に関わる輸入物件絡みで商品調達ができない/クリアのしようがない)、届いたメール宿題消化+他も6割くらい消化で内部会議二本、そのまま部署お別れ会に突入したので、机上魑魅魍魎阿鼻叫喚状態のまま職場を後にしました。一日空いたけれど酒連続はあきまへん。しかも、本日異動者がひとり到着するので、おおよその第1回引継とせめてもの(簡易)歓迎会にお付き合いしなければ。来週に迫った新年度体制だけれど、なんと!上司が我らが対案を全面受け入れ!ワタシが率いる「北陸チーム」(異動ではありません。新大阪より通うんです)も現状の人員に快復、現状の作業分担も実態に近い配慮に。

今朝は何故か?犬を連れている夢を見ました。ワタシは猫派なんだけど。「北陸は月一回出張だよ」との噂大嘘で、既に4月は毎週の出張で日程埋まっております。

RCA BVCC-1028 購入金額失念800円ほど?昨日、R.Strauss 交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」(1962年)/「ドン・ファン」(1960年)/ブルレスケ(1957年)〜フリッツ・ライナー/シカゴ交響楽団/バイロン・ジャニス(p)・・・コメント途中になっておりました。今朝より一部再聴。「ツァラ」は(最晩年の)再録音だけれど、8年前よりテンポは(体感上)やや遅めになり、腰が落ち着いた印象あるにせよ、圧巻のオーケストラの輝かしい推進力と技量に不足なし。録音条件いっそう整い、世評も高いショルティ盤(1975年)との違いはなんでしょうか。いずれ強面なんだけど、ライナー爺さんのほうがストレートな魅力を素直に感じ取れるのは、LP時代からお気に入りでした。ン」の昂揚感も稀有なる経験でした。ちょっと興奮した。音質もこの時代のものとしては驚くべき良質なもの。(ウィーン・フィルとの「ティル」「死と変容」が欲しい)

バイロン・ジャニスは明るく、希望に充ち、優れた技巧が輝かしい。彼の録音を久々に聴きたくなりました。

往年の録音の音質改善に取り組んでいらっしゃる摂田さんより(更に)CD到着。ワタシが(勝手に)「音楽日誌」にサイト引用して言及していることをご容赦いただいたばかりか、ワタシの誕生祝いとしての配慮をいただきました。深く感謝。オークションへの入札は(いつも通り)いまいち状態也。

午前からトラブル続き、お隣の席の優秀なる若手が”引くくらい”(本人談)のトラブルに掛かりっきりであり、昼からは(やはり)若手の異動者(和泉元彌似でした)に引き継ぎ(準備)レクチャー、そして日常作業様々〜夜は(連続)酒席(歓迎会也)。たった今発生しているトラブルの重大性、それを粛々と消化し、克服していく快感〜安閑であることが幸せなのではない、事態の全貌が見えることが大切なんでしょう。おそらくは体調は相変わらずなんだろうが、ノーミソ前頭連合野の働きがちゃいます。たった一年で、ここまでの心境に快復できることに感謝。

帰宅したら、先週オークションにて落札したCD4枚組到着(全諸経費込1,400円程か)。明日から今年度ラスト(そして7年に及ぶ毎月の)東京会議へ早朝出発です。毎年毎年出張ついでに(経費で)北海道に帰省したからね、こんなバブルは打ち止めでしょう。なんの未練も、思い残しもなく新年度、北陸担当として新たな環境にトライ。


●2008年3月某日

新しい一週間始まりました。今週は”お別れ会”2発、一泊二日のタイトな東京出張(研修含/これにてお役ご免)あるけれど、当面の宿題終了済、トラブルもクリアで、次の体制への引継を真剣に準備しなくては。本日、上司は次期体制を正式発表するそうだけれど、当初案を変更することはないでしょ、きっと。雨模様だけれど、春への足音、体感できます。

じつはHMV通販注文したのはCD合計90枚に至っていて、”トータル在庫数量維持”の原則からすると処分を加速させないとマズいんです。人生に音楽を聴ける時間は限られておりますから。昨日、Tchaikovsky 交響曲第4番ヘ短調〜ジョージ・セル/ロンドン交響楽団(1962年)・・・露西亜風クサみとか、アクを一切感じさせない、夾雑物を排した集中力演奏也。甘さとか情緒ではなく、まさに純器楽的な、楽譜を正確に読みとった(想像だけど)筋肉質の演奏です。これを物足りないと感じるか、その逆かは嗜好の問題でしょう。ワタシは聴き馴染んだ作品が別もんに思えました。支持派であります。フィル・アップはエグモント序曲(のみ/ウィーン・フィル1969年)・・・この集中力にも文句なし。

先日、数年間のお付き合いを経て処分したバレンボイムのMozart 協奏曲旧全集だけれど、演奏が気に喰わなかったワケじゃないんです。聴くべき音源は棚中に沢山有、ということ〜Mozart ピアノ協奏曲第26番ニ長調K.537 「戴冠式」〜クリフォード・カーゾン(p)/イシュトヴァン・ケルテス/ロンドン交響楽団(1967年)・・・彼の2枚組(DECCA UCCD-6030/1)はBOOK・OFFにて大枚弐千円にて入手!それほどの自分にとっての高価値演奏だったはずが、”いろいろ聴かなくっちゃ”と考えているウチに後回しになっておりました。静謐で透明な情感、気品と矜持、抑制に充ち、底光りするような美しい音色であります。

今朝、R.Strauss 交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」(1962年)/「ドン・ファン」(1960年)/ブルレスケ(1957年)〜フリッツ・ライナー/シカゴ交響楽団/バイロン・ジャニス(p)・・・最近の現役若い演奏家指揮者の演奏風情どころか、名前さえ知らぬ状態に陥っているのは笑止千万状態ながら、ワタシにとっての”シカゴ響”はライナーなんです。ショルティでもなく、ましてバレンボイムでもない。(ハイティンクには期待あるが、20年も現役では居られぬ年齢也)1954年旧録音に比べ・・・(ここにて時間切れ)


●2008年3月某日

行って来ました、兵庫県芸術文化センター。すんごく立派なホールだけれど、オーケストラの味は未だ若過ぎか。このオーケストラは大人気で定期会員完売状態だけれど、オークションにて安くチケット入手可能であることを教えていただきました。会場サウンドも(即断禁物だけれど)必ずしも好ましいものでもない・・・のはともかく、久々の痛飲を反省。そんな無茶出来るようになったのも体調快復の証拠かな?昨夜は風呂も入らず眠っちゃいまいました。それにしても長岡〜週末利用して青春18切符、カプセルホテル利用で関西まで来ちゃうエネルギーに感服。ワタシにゃ意欲が足らんね。

KAPELLE GREATMASTER 1演奏会前にBOOK・OFFによってCD数枚購入〜冷静さを欠いていたか?懐かしさと珍しさだけで選んじゃいけない。高校生の時に「MUSIC ECHO」という17cmLP付きの雑誌があって、国内演奏家の録音を楽しんだ記憶があります。その音源だと思うが、Rodrigo アランフェス協奏曲〜ベート・ダベザック(g)(このCD表記ではペーター)/鷲見尚保/東京フィル(1971年ライヴ)/禁じられた遊び/アルハンブラ宮殿の想い出/バッハのガヴォット/魔笛変奏曲〜荘村清志(g)/ハイドンのセレナード/アンダンテ・カンタービレ〜近衛秀麿/フィルハーモニア交響楽団/白鳥〜高橋忠男(vc)/フォーレのエレジー〜マーティン・ロヴェット(vc)/G線上のアリア〜朝比奈隆/読売日本響/アルビノーニのアダージョ〜コンセール・ソンドール・・・もう、”寄せ集め名曲集”は聴かない、と決めていたんだけれど・・・近衛秀麿の演奏はとろりと甘口でした。期待のアランフェスはオーケストラが弱いなぁ。オークションに出してみるか。

LONDON MCPS400 047-2 @250Dvora'k 交響曲第9番ホ短調「新世界より」〜キリル・コンドラシン/ウィーン・フィル(1979年)・・・昨日購入したもの。先日聴いたノイマン盤(1981年)と比較して、ある意味郷愁漂う点で共通しており、情熱と迫力に於いて大きく異なります。鮮やかな陰影に富んで、旋律の”タメ”が見事に決まってウィーン・フィルは絶好調のノリであります。洗練に表面を湖塗すること旨とせず、骨太ザラリとした味わい溢れます。第1楽章提示部の繰り返しもワタシにも好ましいもの。もしかしたらヴェリ・ベストか。録音も極上。

昨日の復習として、Mozart セレナード 第7番 ニ長調 K.250 (248b)「ハフナー」〜ジル・シャロン(v)/アマティ室内管弦楽団(1999年マーストリヒト?/ロッテルダム?)・・・録音場所表記が曖昧だけれど、いずれオランダの団体演奏家なのでしょう。BRILLIANTの(旧)全集で多く演奏を担当しておりました。行進曲ニ長調K.249が収録されないのは残念。特別な表現とか、深い音色で魅了するような演奏ではないが、素直で瑞々しい現代楽器による演奏です。素敵な作品を味わうには充分なアンサンブル、音質。

昨夜の散財を悔やみつつ、ヤケでHMVに大量発注〜せめて、ということでオークションに大量出品しました。なんとか最低価格にて捌けて下さらぬか。


●2008年3月某日

昨夜、ぶりちょふさんよりケータイに連絡があったらしいが、残念ながら偶然電波不如意状態、しかもお気遣いのメールは「迷惑メール」に分類され、気付いたのが夜遅くでした。本日演奏会(ユベール・スダーン)へのお誘いで、ワタシは当初「魔笛」(大阪音大)に向かうつもりだったが、もちろん異論なし。あとは(おそくとも)午後1時半に職場を出られるか?(それまでに大トラブル決着が付いているか?)が唯一の問題です。珍しく午前中忙しいですね。昨夜、オークション計3件に参加、2件敗退しました〜というか、最低価格じゃないと買わないんです。無事入札できたCDを”云々を入手!”みたいなことをサイトに載せる趣味はないが、未聴の作品(存在は知っていた)のお勉強です。音楽聴取の幅を広げたいので。

出品のほうは昨日2件の締め切りは(予想通り)無事落札され、Brahms の室内楽歴史的録音中心に追加出品済み・・・まだ動きは鈍いみたい。いつものことだけれど。

BIS CD -311 1,500円ほど(諸経費全部込)でオークション落札昨夜深夜、Sibelius 交響曲第7番ハ長調/「クオレマ(死)」/「夜の騎行と日の出」〜ネーメ・ヤルヴィ/エーテボリ交響楽団(1085年)拝聴、既に何度も聴いた馴染みの一枚をなんとかサイト用原稿に〜という趣旨だけれど、清涼にして崇高、意外と厚みもキレもある演奏に感動しつつ、いつもSibelius にコメントするのには苦戦するものです。音質極上。

サヴァリッシュ7枚組購入以来、何故かMy Brahms ・ブームとなっていて、今朝は交響曲第1番ハ短調/大学祝典序曲〜クリスティアン・マンデール/”ジョルジュ・エネスコ”ブカレスト・フィル(1996/1995年)・・・ルーマニアのコンビですな。ARTENOVA系の廉価盤としてなんども発売されている全集音源でして、チェリビダッケの弟子筋とのこと。遅めのテンポ、曰くありげに揺れ動く悠然たる表現、たしかに一脈通じるが、このオーケストラが気持ちよく朗々と鳴って下さらない・・・非力なオーケストラが必死に!といった雰囲気はあって、録音も悪くないし、それもひとつと個性と認識して楽しんでおります。序曲含め、ラストまで聴き通すのに葛藤も苦痛もありません。

では、お仕事に(休日番だけれど)行ってきましょう。さてどんな結末が待っているのか。

まず、定例野暮用で取引先へ(短時間にて)。そこで作業しながらケータイ転送メールを確認したら、昨夜の大トラブルは無事クリアとのこと。職場に戻って調整作業しようと考えていたけれど、電話のみで済みました。よかったぁ!これで昼からゆっくり演奏会三昧〜荷物(業務用ノートパソコン他)置きにいったん帰宅いたしました。春めいた日差しはラッキーの証し。


●2008年3月某日

嬉しくも目出度くもない誕生日、早朝に目覚めました。それなり元気で働けることを喜びましょう。数日前北陸往復時には音楽を愉しめない心境だったが、ちょっと安易に、昔馴染みの音楽で癒されております。代替DVDプレーヤーにて不自由はありません。

DG GCP-1012 @250Bach 管弦楽組曲第2番ロ短調/第3番ニ長調(1978年)/オーボエとヴァイオリンのための協奏曲ハ短調BWV.1060a〜トレヴァー・ピノック/イングリッシュ・コンサート/ライヒェンバーグ(ob)/スタンデイジ(v)・・・旧録音だったかな?もう30年前なんですね。各パートほぼ一人ずつ、凝縮した響き+先鋭軽快なるリズム+粗野で薄い古楽器演奏は、かつての浪漫の名残を湛えた演奏に慣れていた耳には新鮮でした。鮮度は落ちていないと思いますよ。最近ではクレンペラーやベイヌムの雄大なる演奏も”別耳”として受容しております。こんな演奏聴いちゃうと、(残念ながら)コレギウム・インストゥルメンターレ・ブルーヘンスとの”差”(技量リズム感の洗練)を痛感します。それにしても「アリア」は、Bach 最大のヒット曲のひとつに間違いない。(マゼール盤は名残惜しくもこの度処分いたしました)

Mozart 嬉遊曲 変ホ長調K.166/変ロ長調K.186/変ホ長調K.Anhang 226(196e)/変ロ長調K.Anhang 227(196f)〜ヘンク・デ・グラーフ(cl)/ジャンセン(cl)/ヴリーズ(ob)/ゾア(ob)/ティヒュイ(eh)/コート(hr)/スタインマン(fg)/ドーレマール(fg)/メルヴェ(hr)/ブールマン(hr)(2001年)・・・BRILLIANTの全集より。(演奏者表記もちろんエエ加減ご容赦)後半2曲は偽作らしい。この辺りの作品は録音はそう多くないし、単発でぼちぼち集めていたものを処分して、全集一気揃え!(バラバラに購入したが)オランダの名手達らしいが、清潔で愉悦感と躍動に溢れます。21世紀の録音でっせ、エエ時代になったものだ。

今朝、Berlioz 幻想交響曲/+死の舞踏〜ジャン・フルネ/東京都交響楽団(1983/87年)・・・あまり得意な作品ではないし、第1/4楽章繰り返しなし、第2楽章にコルネットなしも残念だけれど、粋で上品な演奏だと思いますよ。都響も良く鳴っております。一気呵成に聴き通せるほどの魅力充分・・・でも、同曲異演棚中にたくさんあるし、そろそろ愛好家に安く譲っても良い時期かも。

本日は終日外出予定。大きなトラブルさえなければ、職場には顔を出さないつもり。

・・・大きなトラブルありました。未だ継続中。とうとうサボり通しました。明日職場で決着付けましょう〜勝利の方向で。女房と「あきたこまち」で誕生日を祝いました。


●2008年3月某日

いつものようにやや睡眠不如意。体調は良好。昨日は歯が欠けてしまうというアクシデントがあって、久々に歯医者へ行きました。概ね状態は良好らしい(なんせ歯磨き熱心だから)が、これを機会に定期メンテナンスをしていただきましょう。オークションのほうはぼちぼち「無事到着」連絡入りだしているが、出品のほうはなかなか思うように”全部買い手有!”とはいきません。本日、月次定例提案書作成メド付けたいもの。すると明日がぐっとラクになっちゃう。

破壊してしまったCDプレーヤー代替DVDプレーヤー快調に稼働中。BRILLIANT 93041 3枚組1,080円苦戦しているTelemann 管弦楽組曲ニ長調TWV55:D18/ト長調TWV55:D10/ハ短調TWV55:c2/ニ長調TWV55:D4〜パトリック・ペイレ/コレギウム・インストゥルメンターレ・ブルーヘンス(2004/2005年)・・・再度挑戦。ニ長調TWV55:D18は2本のトランペット+ティンパニが活躍する快活明朗なる作品です。Bach の第3番ニ長調を連想させる(オーボエは抜け)編成だけれど、こちらには大ヒット曲「アリア」に相当する楽章がありません。ト長調TWV55:D10は弦楽+通奏低音のみで副題は「ドンキホーテのブルレスケ」(ほかにもこんな題名あったような?)緩急のメリハリがあって、悪くない・・・が、徐々に色彩と変化の少なさに、飽きを感じるのは聴き手の辛抱が足りんのか。

ハ短調TWV55:c2には2本のオーボエが加わりました。短調の旋律は一枚のCD中ではアクセントとなります。ニ長調TWV55:D4は、2本のオーボエ、リコーダー、そして2台のヴァイオリンが加わります。牧歌的な旋律+陰りのある部分との旋律もあって名曲だと思います。結論的に一昨日よりずっと手応えを感じたし、コレギウム・インストゥルメンターレ・ブルーヘンスの技量に不足を言うわけでもありません。しかし、アンサンブルの精緻、集中力、リズムの切れ、変化躍動に今一歩なのか?同じシリーズ(BRILLIANT)の「食卓の音楽」(ムジカ・アンフィオン)ではこんな不満はありませんでした。

他、Brahms 、Bartok・・・出勤時間が迫りました。

既に10日ほど前に最寄りの郵便局より送付したCDが未着との連絡有。JPにメールを出したが、到着地当該の郵便局では配達記録はないとのこと(そりゃそうでしょ)。ゆうメールは信頼していたんだけどな、初体験です。保証はないから、数日待って行方不明ならば諸手数料含め全額弁済いたします・・・ま、金額は知れているが、せっかく楽しみにしていたであろうCDが行方不明だなんて〜愕然。人間到る処青山有。昨日のCDプレーヤー破壊だって、参萬円ほどぶっ飛んだ計算だし。

お仕事はまぁまぁ粛々と進行し、上司の次期体制案をひっくり返すべく話し合いを持ったが、聞く耳持たんね、あの人は。ワシはもう覚悟できているし、手抜きと辻褄合わせの天才(自称)だし。でも、真面目な若い人たちが苦労するんだろうな、きっと。全然お仕事やる気出まへん。明日、業者の展示会〜現場回り・・・つまり、ぼほサボり。自分に相応しい誕生日也。

Bartok ラプソディ第1/2番〜ジョルジ・パウク(v)/イェネ・ヤンドー(p)(1993年)・・・先月アルト・ノラス(vc)の演奏を聴いたとき、嗚呼、この旋律よく知ってる、と思ったらこれだったんですね。適度な粗野と力感があって、洗練神経質に弱過ぎない。なんというローカルな旋律とリズムの魅力。

Brahms ヴァイオリンとチェロのための協奏曲イ短調〜フランク・ペーター・ツインマーマン(v)/ハインリヒ・シフ(vc)/サヴァリッシュ/ロンドン・フィル(1996年)・・・サヴァリッシュの7枚組はおおよそ聴いたけれど、聴けば聴くほど”味”が出る。やれロンドン・フィルが薄いとかなんとか、そんな戯れ言乗り越えて、虚飾ない素直な表現には飽きが来ないんです。とくにこの協奏曲には勢いがあって、颯爽とカッコ良い演奏でした。二人のソロは巨匠然としない若々しさがありました。

・・・件の未着CD、届いたそうです。たった今メールありました。まずは良かった。


●2008年3月某日

さて、本日明日と資料作りに専念予定、だけれど、実際は諸作業の消化に追われるのでしょう。なんとか一気に仕上げたい。ワタシのテンション維持が難しいので。オークションの動きは(相変わらず)鈍くて、これじゃ追加出品ができないじゃないか。日差しは春の接近を感じさせるが、まだ冷えますね。

NAXOS 8.555773/1995年録音(昨日出張中の音楽続き)「Finnish Orchestral Favourites」〜ヨルマ・プヌーラ(パヌラ)/トゥルク・フィル(NAXOS 8.555773/1995年録音)〜Sibelius 交響詩 「フィンランディア」/LEEVI Madetoja (1887-1947 マデトヤ)交響的組曲 作品4「エレジー」/OSKAR MERIKANTO (1868-1924)ロマンス/Valse lente/JEAN Sibelius 「悲しいワルツ」/HEIKKI AALTOILA (1905-1992)「Here Beneath a Northern Star: Wedding Waltz of Akseli and Elina 」/HEINO KASKI (1885-1957) 前奏曲 変ト長調 作品7/EINOJUHANI RAUTAVAARA(ラウタヴァーラ)「Fiddlers, 作品1」/TOIVO KUULA(1883-1918クーラ)「Wedding March, 作品3, No. 2」/ERKKI MELARTIN (1875-1937)「Sleeping Beauty (Prinsessa Ruusunea), 作品22」/AULIS SALLINEN(サッリネン)「Sunrise Serenade, 作品63」(オッコ・カム/フィンランド室内管弦楽団) /ARMAS JARNEFELT (1869-1958)「Prelude for Orchestra16. Prelude for Orchestra 」「Berceuse」Maarit Kirvessalo(v)/UUNO KLAMI (1900-1961 クラミ)「Sea Pictures: Nocturne - Song of the Watch」 /TANELI KUUSISTO (1905-1988)「Finnish Prayer」Reino Kotaviita(tp)・・・NAXOSにはイギリスの秘曲を集めた素晴らしきシリーズがあるけれど、その趣旨によく似たジミで懐かしいフィンランドの旋律連続!的一枚也。オーケストラの鳴らなさ具合がなんとも効果的で、内に籠もって弱々しい冬の陽光を感じさせる静謐な作品/演奏です。著名なるSibelius が2曲入っていて、トゥルク・フィルの技量を推し量るには、ちょうどよろしいメルクマールでしょう。

ラスト、Brahms ホルン三重奏曲 変ホ長調(ペーター・ダム(hr)/スーク(v)/ゲニュート(p))/クラリネット・ソナタヘ短調/変ホ長調(クレッカー(cl)/ゲニュート(p)以上1982年録音)・・・このホルン作品は数種のCD所有、かなり以前から聴いているはずなのに旋律に馴染みがありません。エエですね、ダムの技巧がスムースで茫洋と落ち着き有。名手ヨゼフ・スークのヴァイオリンも何とも言えぬしっとりとした味わい。ヘッドホンで聴いていると各演奏家の位置関係が不明瞭で、こんな作品の録音は難しいんでしょうね。クラリネット・ソナタがいっそう素晴らしくて、ディーター・クレッカーの音色は明るく、セクシーだと思います。音質も素晴らしい。同一作品の歴史的録音は必要ないかな、オークションに出そうかと決意させるような演奏です。

不注意にてCDプレーヤーMARANTZ CD5001を破壊してしまいました。分解してみたけれど、稼働せず・・・毎日使うものだし、早速オークションにて壱万円程度のものを入札、県内だしすぐ届くかな、と思ったら締め切り直前で他にさらわれました。ま、あわてずに替わりを探しましょう。で、テレビをぼんやり見ていたら(ほぼ使っていない)ビデオDVDが視野に〜これがCDプレーヤーに使えるはず。バッタ屋で数年前に購入したORION DBF7000。

ちゃんと聴けました。音質も悪くない・・・というのがワタシの耳の粗雑さを証明しているのでしょう。摂田さんより、歴史的アナログ音源のリマスタリング(シュミレート・ステレオ化含む)CDRいただいました。素晴らしい趣味だと思います。ワタシとは情熱の方向が異なるが、羨ましい。


●2008年3月某日

寒いですね。これより雪の金沢へ出発。睡眠不如意なので列車中居眠りで行きましょう。これから(少なくとも)一年間お世話になるでしょう。昨日は早々に帰宅したのに、追加メール(緊急度低い)一件のみ。即実行解決要望される案件数件もそれなりの物量だったが、あまり苦労の自覚なく当日中消化出来、これが熟練か。昨夜締め切りのオークション、バレンボイムのMozart 旧ピアノ協奏曲全集、無事落札されました。よく聴いたCDだけれど、まさに”聴くべき音楽の精査”か。彼のCDは意外なほど人気ない実感ありまして、今まで、そして現在も(出品分)入札苦戦であります。

PRT 25CT-2  中古@500/定価2,500円昨夜、Vaughan Williams 交響曲第2番「ロンドン」〜ジョン・バルビローリ/ハレ管弦楽団(1957年)・・・1989年発売国内盤CDであり、良好な音質に驚かされます。作曲者の意図はともかく、ビッグ・ベンの鐘が両端楽章に聞こえるし、表題からもロンドンの街の描写を印象づけます。バルビローリはまさに熟達の表現で、20世紀には保守的で起伏の少ない(つまり激しいリズムの爆発がない)音楽をわかりやすく、優しく解き明かします。ハレ管のマジック、ここでも確認できました。

今朝、Respighi 交響詩「ローマの松」(1968年)「ローマの噴水」(1968年)「ローマの祭」(1960年)〜ユージン・オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団・・・こちら1986年の国内盤でレーベルマークはCBS/SONY(定価3,000円也/500円中古購入)。これも、まったく、もの凄い。LP時代はマスタリング/盤質故か高音がキンキンと刺激的だったが、このCDでは鮮明鮮烈なる音質を誇ります。ストレート系虚飾ない表現+フィラデルファ管弦楽団の文句ない名人芸が合体して、聴き手のテンションを上げて下さいますね。アンセルメの味わい系演奏も好みだけれど、フリッツ・ライナーと並んで”物量派”の最たる成果と確信。朝から痺れました。

行って来ました金沢往復。おそらく14年ぶり。遠いなぁ・・・片道2時間半〜3時間。取引先実状をエラいさんより詳細伺う、といった短い滞在だったせいか、久々の在来線長時間列車で体調あまり良くなかったせいか、感慨沸きません。途中、琵琶湖の水面を眺め、残雪もちゃんとあったのにね。最近震えるような感動が少ないんです。ノーミソ活動が弱っているのか。でも、音楽タップリ聴けました。朝、駅までの道行き、美しい紅梅を発見。

結論的に、一番ラストに聴いたのが最高であった・・・Berg 「ルル」組曲(ベルゲン(s)1975年)/演奏会用アリア「ワイン」(ノーマン(s)1976/77年)/叙情組曲(1974年)〜ピエール・ブーレーズ/ニューヨーク・フィル・・・彼のニューヨーク時代の人気はいまいちだったらしいが、いやぁ、もう驚異的なアンサンブルの洗練に至っていて、端正クール。媚びるような作りはなにもないのに、妖しさ充満します。骨太ネアカなオーケストラだって、鍛えればここまで行けるんですな。酔いました。

移動中一番最初に聴いたのが、Telemann 管弦楽組曲イ短調TWV55:a4/イ長調TWV55:A4/ニ長調TWV55:D23/ト長調TWV55:G4〜パトリック・ペイレ/コレギウム・インストゥルメンターレ・ブルーヘンス(2004/2005年)・・・ワタシ、TelemannはBach に似て、もっと楽天的でシンプルな旋律が好きなんですが・・・この団体、管弦楽組曲2巻分計6枚(BRILLIANT)に大苦戦しております。演奏のせいか?陰影と変化に乏しい(面白みの足りない)と感じます。とにかく大Bach とは天と地ほどの違いがあって、ゾクゾクするような感慨はついぞやって来ません。体調のせいかな?

Brahms パガニーニの主題による変奏曲 作品35(1974年)/幻想曲集 作品116(1972/73年)/二つのラプソディ 作品79(1973年)〜ペーター・レーゼル(p)・・・この人はほんまにエエなぁ。しっとりとして重心の低い、ジミなタッチ。味。強靱だけれどエッヂは立たない。テクニックは的確で正確だけれど、表層に露呈しない件は以前言及した記憶有。ボックス(edel 0002822ccc)にはBrahms が5枚揃っているんです。楽しみに聴いていきましょう。(この存在がマーティン・ジョーンズ全集をオークション処分するに至った理由のひとつ也)

Brahms 交響曲第1番ハ短調〜クルト・ザンデルリンク/シュターツカペレ・ドレスデン(1971年)・・・評価の定まった著名なる録音でしょうか。情熱が迸るような方向ではなく、しっかりと組み立てられた構成を楽しむべき”大人の、余裕の”演奏。しっとりクールな弦がベースであって、木管金管は目立たないんです。秀逸な録音とは言えない((p)1988の国内盤)が、耳あたりは悪くありません。時に控えめに響くティンパニの威力にはっとしました。

・・・あと2枚聴いております。


●2008年3月某日

しとしと雨模様の肌寒い週始め。お仕事は切羽詰まったことはないけれど、テンション上がりません。”お仕事はイヤだけど、遊びたい!”みたいな感じでもない。今週は次のサイクルの資料提案準備、引継資料作成、そして金沢デビュー〜で落ち着きません。昨日昼頃はやや春めいた日差し感じられたが、本格的”花の季節”にはちょっと間はあるような・・・一気に来るのかな?

BELART 461 243-2 @250Brahms ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調〜ゲーザ・アンダ(p)/フェレンツ・フリッチャイ/ベルリン・フィル(1960年)・・・先日、カリン・レヒナーの素敵な演奏を更新したばかりだけれど、これは驚くべき演奏です。夜遅く、ヴォリュームをそれなり絞って聴いていたんだけれど、それでも音楽の様子が細部迄よくわかり、そして”弱く”ならない。ワタシは第3楽章「アンダンテ」の静謐を愛するが、その深遠さ透明感に於いて驚くべき水準に達しております。ベルリン・フィルの厚み、アンダの抑制した表現が筆舌に尽くしがたい感銘を呼びました。

Rachmaninov ピアノ協奏曲第2番ハ短調/第3番ニ短調〜ミハイル・ルディ(p)/マリス・ヤンソンス/サンクトペテルブルグ・フィル(1990〜1993年)・・・昨夜から今朝、断続的に楽しんだもの。これはEMI録音によるBRILLIANTの廉価盤で、驚くほど良好な音質とソロ・オーケストラとも極上の演奏です。旧世代の巨匠然暗鬱重厚な世界でもなく、あまりに表層に技巧ばかり出現するものでもない。期待される露西亜風灰汁(アク?)とモダーンなセンスがバランスして、違和感もなく、甘美に不足せず馴染みを名曲をたっぷり堪能させて下さいました。2枚組全集で580円ねぇ・・・立派です。今なら1,000円か。

あまりお仕事進展はないんだけれど、昼から職場の論議を拝聴しつつ(筋違いな意見が数人存在する)所用で取引先現場へ抜け出し〜そのまま帰宅しました。一件、ケータイに用事が追い掛けてきたが、無事メールで情報連絡に成功。明日は往復JR(日帰り金沢)なので音楽の選定と書籍を準備しておかなくっちゃ。帰宅して英国音楽を少々〜この件はサイト更新ネタなので別途。

Stravinsky バレエ音楽「春の祭典」〜ジョージ・ショルティ/シカゴ交響楽団(1974年)・・・久々の聴取であり、オーケストラの威力に間違いはないが、ムダに筋肉が付いて力みが過ぎるような、強引な印象有(とくに弦)。金管は上手いが、個々に表情付け(個性を表出し)過ぎじゃないのか。世評高い演奏だし、あくまでワタシ個人の嗜好ですが。しかも駅売海賊盤だし〜いずれ再コメント必要ですね。

明日、北陸方面は雪みたいです。


●2008年3月某日

拾万円という贅沢ノートパソコンがわずか3年でダメになっちまう〜昨夜は暗澹たる気持ちでオークションに「ジャンク扱い」出品いたしました。で、なんとか個人データだけでも抜いておこうと今朝、立ち上げたら涼しい顔で(何事もなかったかのように)稼働しております。なんの不具合も不振な動きもない。どこか微細なところで接触が悪くて、ちょっとした拍子で不具合となるのか?あわててオークション出品(幸い未だ入札はなかった)取り下げました。2度目。出品料数十円の損失であります。(昨日千円拾ったが)

【♪ KechiKechi Classics ♪】へのアクセスはあまり変わらない(「履歴」に堂々とリンクしている人を見掛けたことがあるし、音楽日誌に直にアクセスしている人もいるだろうな)が、ここ数年メールは滅多に届かない・・・ところがここ数日連続して到着しております。偶然です〜という理由は内容バラバラでサイト更新内容とは無縁だから。本日はシュミット・イッセルシュテット/北ドイツ放送交響楽団によるMozart 交響曲第40番ト短調(1959年ACCORD)の「疑似ステレオ」の話題でした。オーディオには疎いが、不自然でぱっとしない音質である、ということは理解可能。久々に聴いてみようかな。(以上、件のノート・パソコンにて更新)

ACCORD 204762 購入価格失念/250円だったか?Mozart 交響曲第38番ニ長調「プラハ」/第40番ト短調〜ハンス・シュミット・イッセルシュテット/北ドイツ放送交響楽団(1959年ACCORD)・・・久々の再聴です。Syuzoさんのコメント、メールをいただいた摂田さん詳細分析によると、第40番のほうが疑似ステレオらしい。(たしかに金属的ややヒステリック不自然な響き有)

演奏的には少々真っ当過ぎというか、生真面目で即興性や躍動、愉悦感、才気に不足する演奏・・・ながら、こんなオーソドックスな表現もなかなかエエでないの。作品の味わいをしっかりストレート・骨太・虚飾なく表現して、時にこんな頑固親父がおっても良いではないか。テンポは噛み締めるように遅めで、歩みはしっかり盤石で堅苦しい。オーケストラのちょっと古風なサウンドも捨てがたい魅力。

Prokofiev 交響曲第5番 変ロ長調/組曲「キージェ中尉」〜ユーリ・テミルカーノフ/サンクトペテルブルグ・フィル(1991年)・・・昨年オークションにて入手したまま忘れていたもの。Prokofievも苦手系でして、かつてCD初期にカラヤンの演奏でますます嫌いになった記憶有、ヴァルター・ヴェラーの交響曲全集を早々に処分したのは若気の至り(10年も前だけれど、いまでは大後悔)でした。(VOXのほぼ協奏曲全集3枚組は棚中生き残っている)結果、交響曲はほとんど聴く機会を得ないんです。ナマでも滅多に演らんし・・・でもないか、あっても行かないか。

これが引き締まって洗練された強靱アンサンブル、いわゆる露西亜爆演とは一線を画す厳しくも集中力ある演奏に驚きます。オーケストラももの凄く上手い。噂ではその後、”このオーケストラはダメになった”とのことだけれど、果たして実体はどうなんでしょうか。ムラヴィンスキーというカリスマの退場、ソヴィエットの崩壊+経済危機がない交ぜ要因となって、オーケストラ運営そのものの問題だったのでは?「キージェ中尉」も同様のスタイルだけれど、こちらにはユーモアが少々足りません。録音は極上。(フィル・アップに交響曲第1番ハ長調「古典」〜セルゲイ・クーセヴィツキー/ボストン交響楽団1947年が収録されるが、素晴らしい推進力也。但し、なぜテミルカーノフの演奏を収録しなかったか意味がワカラん/RCA 74321 886 842)

昼、ネットで調査して「にしのみやラーメン本家」 へ。お隣の駅である甲子園口(西宮市)より歩いて十数分か。伊勢エビで取った、というダシがなかなかすっきり、コクのあるスープ、細麺の茹で加減も絶妙で女房も満足。この辺りはけっこう高級住宅街で、我らが大衆的な立花(尼崎)とは様子が違います。商店街は日曜のせいかほとんど閉まっていたけれど。

南木桂士「信州に上医あり―若月俊一と佐久病院 」(岩波新書)拝読。ワタシは20年ほど前(所用で)臼田町に行ったことがあり、佐久病院の立派な建物も眺めたことがあります。南木 佳士(なぎ けいし)はワタシより少々年齢(とし)上だけれど、いずれ”ポスト団塊”であり、アツき学生運動には遅れてしまった(知識としてはないわけではない)世代となります。ましてや若月俊一は戦前の治安維持法の洗礼を受けていて、筋金入りの左翼であり、住民(ここでは農村の健康管理)運動の先駆者でもあります。

医療崩壊が話題となる現在。もう十年以上前の著作だけれど、理想と経営の矛盾、浅薄なる理想論を掲げる(当時の)若手医師の反発の歴史も描かれます。キレイごとばかりではない〜その後、佐久病院はどうなっているのか。興味ありますね。


●2008年3月某日

昨年一昨年同時期「音楽日誌」を読み返しても、今年は少々肌寒い3月突入なんじゃないでしょうか。それとも自らの活動テンションの大幅ダウン体感か。春が近いことを信じて、元気で出掛けましょう。本日は職場の留守番なんです。

BBC RADIOCLASSICS CRCB-3068  243円で購入昨夜、Delius他の音楽拝聴。Grainger 「ブリッグの定期市」(ガース・ロバーツ(t)/BBCシンガーズ)/Delius 「ブリッグの定期市」/「イルメリン」前奏曲/ノルウェー組曲/夏の庭園にて(第1版)/ダンス・ラプソディ第2番〜アシュリー・ローレンス/BBCコンサート管弦楽団(1974年前半2曲はライヴ、後半はスタジオ録音)・・・2曲の「ブリッグ」は同じ旋律なんですね。なにか元出典があるのでしょう。声楽と管弦楽の違いはあるけれど、いずれ静謐穏健な世界に癒されます。数年ぶりの再会はやや聴き流し状態だったが、どれも含羞と抑制、懐かしさに溢れた旋律ばかり。BBCコンサート管はアンサンブルがややラフなんだけど、雰囲気だけはちゃんとあって、聴かせどころの”ツボ”は外していない感じ。リキまず、淡彩な響きが好ましい。このオーケストラは録音で聴く機会は少ないが、こんな正統派のレパートリーをこなすこともあるのでしょう。

昨夜までに落札されたオークションのCDは、全員連絡がちゃんとあり今朝までに梱包済み、本日送付です。ヤマト・メール便は体感的に到着は速まっている感じがするけれど、ケース割れが増えてきました。で、「送料80円だけれど、ご希望で緩衝材付き160円でもOK」とご案内すると半々ですね、ご判断は。それと、到着しました、との連絡と「評価」がない人は増えていて、ま、苦情がないのは良い知らせ、ということなんだろうが、オークションの趣旨を理解しない行為だと思います。通販業者並と考えているのでしょうか。今回出品分も、なんとか買い手が付いてくださると嬉しいんだけれど。

今朝、オークション送付情報を確認しようと、コタツにてノートパソコンを立ち上げたが絶不調。昨年末より断続的に不調で、騙し騙しここまで保たせたが、立ち上がったところで真っ暗に・・・4回目くらいにようやく起動したが、ブラウザが途中でフリーズしました。原因ワカラんなぁ。

昼からサボったろか、と油断していたら、悪魔の電話を受けてしまいました。社用車にて神戸市北部〜住吉方面回って・・・戻ったのが夕方。フロアに戻ったら誰もおりまへんで。でも、久々のドライブは楽しかった。しっかり音楽も聴けたし。

BBCMusic BBCL-4004-2 1,029円Mahler 交響曲第3番ニ短調〜ジョン・バルビローリ/ハレ管弦楽団(1969年マンチェスター/フリー・トレード・ホール・ライヴ)・・・2005年購入後数年、ちゃんと聴いていなかったが、これは驚異的な名演奏、そして録音でした。悠々とゆったりめのテンポ、細部明快詳細に描き込んで、曖昧に流したようなところは一切なし。ライヴならではのちょっとしたミスタッチないでもないが、アンサンブルの集中、オーケストラが鳴りきって信じられぬほど充実しております。目隠しで聴けば”ハレ管!?”とはまず気付かない。どの楽章も優しい歌に溢れて暖かく、そして平易。わかりやすい。明るい。楽しい。こんなエエ音、久しく聴いていなかった・・・3月はよい季節になりそうだ。

 

【♪ KechiKechi Classics ♪】

●愉しく、とことん味わって音楽を●
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written by wabisuke hayashi