STRAVINSKY バレエ音楽「春の祭典」(ショルティ/シカゴ交響楽団)
パガニーニの主題による狂詩曲(フィードラー/ボストン・ポップス管弦楽団/ワイルド(p))
STRAVINSKY
バレエ音楽「春の祭典」(1974年録音)
ジョージ・ショルティ/シカゴ交響楽団
RACHMANINOV
パガニーニの主題による狂詩曲 作品43
アーサー・フィードラー/ボストン・ポップス管弦楽団/アール・ワイルド(p)
Lily ELD15(当然英DECCA/RCAムリムリな駅売海賊盤) いくらだったかなぁ・・・800円くらい?
2003年再聴。20世紀中ではショルティ/シカゴ響というのは「ブランド」だったので、数年前のワタシには正直反発がありました。いまや、そういった先入観もなく虚心になって音楽を聴ける時代に。ワタシも日々ますますこだわりを捨て、自由なる気持ちで「春の祭典」を聴くようになりました。
2003年9月にオーディオを配置している部屋の模様替えをした結果、コンポの音が変わりましたね。(もともとたいした音質じゃないが)1974年アナログ最盛期の英DECCA録音は極上で、こんな細部まで明快に〜各パートの旋律のお尻が跳ね上がったりするところまで〜聞こえた、というか、知ったのは初めてで新鮮でした。オケがとにかく上手い。
どんな細部も忽(ゆるが)せにせず、明快に、きっちり、しかも余裕を持って演奏されていて、STRAVINSKYならこれは効果的です。ま、モントゥーやらアンセルメなんかの”味わい系”も好きですよ。(アンサンブルがかなりアバウト)あらゆる旋律が理論的知的に構成されるブーレーズ(3種有)こそワタシのお気に入りだが、ショルティ盤はそれと似て、じつはまったく異なります。
「立派すぎて、決まりすぎて、スリルがない」〜数年前のワタシの感想です。いや楽譜にはこう書いてある、その通りひとつの音も曖昧さなく、おそらくは世界最高水準の技量で表現していただけば、ちゃんと音楽の本質は表現される。そんな証明を見ているようで、素直に快感でした。みなさんの一流のワザ、とくと拝見しましたよ。
シカゴ響は金管ですね。金管らしい金管。独墺系のマイルドな金管ではない、かといってロシアの強烈なる泥臭い金管とは異なって、都会的かつパワフルな煌びやかな金管。位置関係やら、響きの違いが明快に聴き分けられる打楽器群。マルケヴィッチの1959年録音が有名でしょ?フィルハーモニア管だって一流で、彼の激しい叩き付けるようなリズムは魅力的だったが、シカゴ響にはまだまだ余力がある。(録音の問題もある)
後半に行けば行くほど、脂がのってテンションに磨きが掛かります。知的ではない〜なんていう批判が当たっているかどうか別にして、あまりむずかしいことを考えずに「音の快感」に浸るのも悪くない演奏でしょう。堪能しました。
●
「パガニーニ変奏曲」とのカップリングはムリムリで「海賊盤」ならでは。いまとなっては、ワイルド(1915-2001)の珍しい録音に価値が出てしまいましたね。CHESKY録音の全集とは別録音。もしかしたらCDはコレしかないかも。(このCDだってもうよほどじゃないと探せないはず)期せずして、上記ショルティの演奏に一脈通じるものを感じました。
再聴は、以下5年前と寸部変わらず。ペナリオ(1924〜)の雰囲気にも似て、明るい希望に満ちて、さ、バンバンいきまっせぇ、的演奏。いえいえこの曲にはもっと憂愁の味わいが・・・なんてぶつくさ言っている間にも曲の勢い止まりません。ああ、上手いね。その上手さがクール過ぎたり、強面いっぽうだったりしない。そのままエンターティメントの快感となります。
これが本場(なんの?)の演奏なんです。(2003年10月11日)
能力開発音楽鑑賞法(15)「ストレス解消」だそうですから、かなりのシリーズで出ていた海賊盤。一時よく見かけました。大学教授風のウサン臭いおじさんが、妙齢の女性の脳波をとっている曰くありげな写真付き。
これはおそらく1990年代前半に購入した一枚。この豪華で珍妙な曲、演奏家の組み合わせ。ショルティはDECCA、フィードラーはRCAの録音。フィードラーは懐かしいけど、ショルティはレギュラー盤でまず買う気はしない。
ショルティは70〜80年代のメジャー中のメジャーだったこともあって、正規のCDはほとんど所有していません。この録音は「誘惑の遊技」で第3トランペットが吹き損ねていて、マニアには有名だそうです。ワタシはマニアではないので、その辺りにはなんの興味もなし。
こういう曲は上質なオケで聴くに限ります。シカゴは巧い。おそらくいままで聴いた「春祭」のなかでは、一番のオケの力量。もう完璧の迫力とアンサンブル。
出てくる管楽器はすべて完璧に鳴りきって美しい。激しい打楽器の迫力と、全体のバランスも最高の決まり方。全曲で30分切っているんですが、「早い」印象はありませんね。細部まできっちりと表現されていて、豪華でありながら緻密で引き締まって、勢いもあって、スタンダードとして価値ある演奏。
ワタシの先入観と思いますが、立派すぎて、決まりすぎて、スリルがないなぁ。ブーレーズの知的な演奏とは対極にある肉体派(体育会系)の演奏、とでも云えましょうか。ある意味都会的で、原始の粗野なエネルギーから縁遠い。(ブーレーズもそうですけど)小澤の旧盤(同じCSO)に比べると、貫禄とかあちこちのキメ方とか、断然格は上です。でも感心はするが、感動はしない。(ワタシがすれっからしだから?)聴いていて爽快なのはたしか。
もっと虚心になって、充実しきった音のみに集中すべきなんでしょう。第2部の後半なんか、ほんとうに凄い迫力なんですが。最後の最後までパワーは落ちません。音質最高。
「パガニーニ変奏曲」とのカップリングはなんとも云えませんね。おそらく1960年頃の録音ですが、音質はまぁまぁの水準。
いつものようにロマンティックで濃厚な旋律が楽しめる名曲ですが、ワイルドのピアノは「バリバリ」といった感じの勢い勝負のノリ。精密さ、とか、しみじみとした情感、とはかなり縁遠くて、荒削りながら迫力もテクニックも充分。いかにも一昔前のアメリカのヴィルティオーゾ、といった味わいが楽しめますね。早いところでのスウィング感も最高。
フィードラーの演奏はいつもオーソドックスで、しっかりとした厚みもあって満足できます。ボストン・ポップスの主たるメンバーはボストン響から参加しているのでしょうが、上手いもんですね。シカゴとはまた味わいが違っていて、暖かくてもうすこしソフト。合わせものでも完成度高し。
聴きどころの第20変奏曲は、いかにも往年のハリウッドの恋愛映画風で(安易で)最高です。ウットリしちゃいます。好きです。(1998年)
【♪ KechiKechi Classics ♪】 ●愉しく、とことん味わって音楽を●
▲To Top Page.▲
|