駅売名曲海賊盤余話■第9集■駅売海賊盤2009年展望
駅売名曲海賊盤情報(手持ち集成)■第1集■ 多くの音楽ファンから”鼻つまみ”的話題の「駅売海賊盤」話題より一年経過。サイトは自分のために作る、とは野口悠紀雄先生の言葉だけれど、こうして振り返ってみると感慨無量であります。相変わらずBOOK・OFFにて在庫は見掛けるし、ホームセンターでも懐かしい姿を見せる(1,000円で!)けれど、21世紀は完璧に”廉価盤の時代”となってしまいました。その存在価値を失ったんです。激安(@100〜200とか)で正規ボックスものが入手できるようになったから、10年以上前に入手した「駅売海賊盤」が”逆ダブり”になったりしました。時代は「データ」だから、音源をメモリー・オーディオ的なものに取り込んでしまえば海賊もクソもないかも。(ワタシは旧いタイプの人間だから手を出していない/時間の問題かな?)図書館で借りて自家製海賊盤CDを作ることさえ(これはやっちゃいけないよ)時代遅れになりつつある・・・ オークションでは駅売海賊盤を正々堂々と1,000円!出品している大カンチガイも存在するけど、ワタシもいくつか@100〜150程で出品してみたら、けっこう売れました。でも、カラヤンのSibelius 交響曲2枚分はダメだったなぁ、しっかり聴きましょう。 昨年2008年、Mahler の交響曲全集3セットも入手したし、ということでジョージ・ショルティの駅売海賊盤(第9番除く/旧録音中心)9曲14枚を@1,480円出品(難有)したら、年末にちゃんと買い手が付いて棚がごっそり空いたものです。感慨深い。ちゃんと楽しんで下されば、と願います。金額の多寡ではない、若い人が少ない出費で音楽に馴染んでいただきたい、ということです。(計算してみたら購入金額はのべ合計7,250円であった・・・これが人生也)これ以降、そろそろ”バルク・セール”検討するか。
Mahler 見事なものですよ。 前回ぼちぼち駅売海賊盤は入手している旨、カミングアウトしたが、さすがにもうネタが尽きました。処分が先行する時代になっちまったなぁ、ワタシに残された人生の時間は短いんです。その後一年間で入手した駅売海賊盤CDは一枚のみ・・・ ◆Bach 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第1/2/3番〜アルトゥール・グルミュオー(v)(1961年/エール・ディスクGRN-513@250)・・・これは高貴できらきら輝くような凄い演奏です。厳格でジミなBach ではなく、華やかなる脂粉が舞い上がるような世界。「シャコンヌ」は人類の根元的な悩みを凝縮したような宇宙だけれど、それさえ華麗な衣装をまとっているヴァイオリン。豊満で瑞々しい、濁りのない音色。たっぷり残響溢れて音質最高。これはやはり正規盤をいつか入手すべきものなのでしょう。 サイトでは更新は続きます。存在が海賊であっても、音源の価値には変わりありませんから。でも、もう新たに購入することはきっとないでしょう。駅売海賊盤は、CDが贅沢品であった時代の産物だったのでしょう。大切なのは今も昔も聴き手の真摯な姿勢であります。
・・・と、ここまで書いて逡巡。駅売海賊盤にて愛聴してきたCDが、オークションにて正規盤がそれなり価格で出現・・・さて、どーする?問題の対象は、アンセルメのDebussyとジョー・ジ・ウェルドンのGrieg(しかも2枚分全部)。前者は落札しました(散々、駅売海賊盤でばかり聴いてきたし/アンセルメは結局、正規盤を入手)。後者は入手困難な音源ごく一部含みます。でも、結論的に入札止めました。カネの問題ばかりじゃありません。 じつは、件の駅売海賊盤のケースを開けてみたら、寄せ集め音源一枚(T15P-856)封入してあって、例えばゲーザ・アンダの協奏曲(第1楽章1963年/遅いテンポで素晴らしい貫禄)、カラヤン/ウィーン・フィルの「ペール・ギュント」(3曲1961年/非常に美しい)、ロス・アンヘレス(s)の「君を愛す 作品5-3」(1964年わずか2分半の陶酔/貴重音源)、ギーゼキング(p)の叙情小曲集(8曲1956年/貴重音源)にプラスして、ジョージ・ウェルドンの音源が数曲ダブって収録される・・・ 寄せ集め音源はもう止めた、と思っていたけれど、コレ、正直なところ痺れました。 (2009年1月16日)
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