駅売名曲海賊盤情報(手持ち集成)■第1集■1990年前後に隆盛を極め、やがて正規盤輸入盤の価格下落、CDRの普及とともに消えていった「駅売名曲海賊盤」の是非については既に明確な答えは出ていると思います。21世紀となった現在では、中古の格安物件として出現するのみ。海賊盤ならぬ「駅売名曲盤」は、PILZ系(架空演奏家名義が多い)音源、ロイヤル・フィル系(指揮者が表示されない場合も有)音源、出所不明音源(ダイソーなどが代表例)に取って代わられました。ワタシは懐かしさと、価格、なにより音源の魅力に惹かれて、後ろめたさも感じつつ、未だに中古で購入する機会もあります。今更ええ格好して、隠すことも空しい。 手持ち、けっこうたくさん在庫がありすぎて、しかも楽しく聴いてきた音源も多い。この類のサイト情報を求めてネット検索を掛けてみたけれど、「用語統一」されている訳でもないせいか、これといったものを探せません。(ありましたら連絡請う)もしかしたら、ワタシは全集としてまとめ買いした人とか、業者仕入れを除いて、一枚一枚買い貯めた「愛好家」としては、かなりの収集量になっているのかも知れません。 なんの役にも立たないかも知れないが、ここに「駅売名曲海賊盤情報」を少々まとめます。(なお、メーカーの住所などはすべて当時の情報。当然、現在は存在しないと考えられます)シリーズ情報をすべて書き写すつもりはありません。地方のホームセンターなどで現在も売られているものは、当時の在庫と考えられます。なお、正規盤との微妙な音質の違いや、一部CDの品質そのものに問題は散見されましたが、ほぼ100%現在でも聴取に耐えうる音質だと思います。(これがデジタルコピーの恐ろしいところか) まだこの時点、正規にCD化されていない時点での発売ソフトもありました(現在でも出ていないもの有)ので、LPからの板起こしの可能性も否定できません。(但し、針音は確認できず)似たような音源も多く、もしかしてこの類の元締めは同じ出所だったかもしれません。
<ベスト クラシック 50選+50(Classic)>輸入元 エコー・インダストリー株式会社 東京都千代田区六番町1-9 DG、DECCA、PHILIPS、EMIの有名音源を使用し、カラヤン、ベーム、ショルティ、クライバー、ムラヴィンスキー、アバド、クライバー、クレンペラー、アンセルメ、クーベリック、ヨッフム、ミュンシュ、メータ、マリナー、ポリーニ、アル、ゲリッチ、ルービンシュタイン、グルダ、ケンプ、等々そうそうたる演奏陣を擁したシリーズ。全50枚+追加シリーズ50枚で計100枚。 すべてほぼステレオ音源で、一番新しい録音が1978年〜ムター/カラヤンのMozart ヴァイオリン協奏曲第3/5番、ペペ・ロメロの「アランファエス」か。あと、1977年はカラヤンの「合唱」「新世界」、アルゲリッチのChopin 、ベーム/ウィーン・フィルのMozart 交響曲第40/41番、ベームのBruckner 交響曲第7番、ショルティ/シカゴ響のWagner辺りか。歴史的録音はフルトヴェングラーのSchubert 交響曲第9番ハ長調(1953年ティタニア・パラスト・ライヴ)のみ。 つまりこのシリーズ発売時点では、著作隣接権は「1979年迄の保護だった」ということですね。これが「1969年迄の保護」に改訂されたため、この会社は次のシリーズを準備します。1991年末に「二枚980円」で投げ売りされていた記憶が(手許に残ったシールも)あります。このシリーズは(例えば大阪ワルツ堂など)正規のレコード屋でも販売されており、ワタシも当初「?」状態で疑問を感じつつも購入していた記憶があります。
<ベスト セレクション(Best Classic)>先のシリーズの新シリーズ、というか、ようはするに1968年迄の音源(著作隣接権改訂対策)に差し替えたもの。例えばショルティ/シカゴ響のMahler は姿を消し、ロンドン響との旧録音になったり、バーンスタインの「大地の歌」が登場したり、フルトヴェングラー/フィッシャー・ディースカウの「さすらう若人」が顔を出します。 Beethoven の交響曲は、なぜかカラヤン/フィルハーモニア管(これもほとんどモノラル録音)が主力(第2/7番は揃わない)に。音源的にはCBSのバーンスタインが数枚流用されました。CBS音源の廉価盤は現在でも少ないので貴重ですか。スリーヴに詳細曲目解説が添付されているのも驚き。ちゃんとした内容です。
先の「ベストクラシック」と併せ、160枚存在するはずだけれど、新旧でダブり音源があるから実質120種くらいか。ワタシはざっと数えて現在70枚ほど所有〜正規音源で購入し直したものもかなりあります。(音質への不満ではない。道義的な問題です)輸入元、などとなっておりますから、どこか中国辺り?から調達したものでしょうか。スリーヴは国内印刷だと思います。日本語がちゃんとしておりますので。それでも、カルロス・クレイバー(正確にはクライバー)とか、シルヴィア・スタールコン(スタールマン)などという表記が怪しく残っております。
膨大なる200枚に及ぶシリーズで、エコー・インダストリーのシリーズ音源とかなりダブります。なんせ200枚だから、これには貴重なる音源が紛れ込んでおります。例えばStravinsky自演の「三大バレエ音楽」。シェルヘン/ウィーン響のMahler 交響曲第9番、クーベリック/バイエルン放響のBruckner 交響曲第8番ライヴ、フルニエのコンサートホール音源による「アルペジョーネ・ソナタ」。オークレールのSchubert ソナチネ集。ジネット・ドワイヤンの「無言歌集」。ヤナーチェク弦楽四重奏団による、団体名と同じ作曲家の作品、等々。 ラリューのBach フルート作品集、同じくバルヒエットのヴァイオリン・ソナタ集。ヴェンツィンガーのTelemann作品。既に正規CDで手に入らない(当時入らなかった)音源もあります。じつはFICではこの前身として既にF-301〜310(ナント参考売価2,600円表示)があって、同じ音源が後に流用されます。(代表例。ジュリーニ/ニュー・フィルハーモニア管のMozart ) このシリーズは、意外と地方のスーパーなどで在庫を発見します。おそらく系統的な「駅売名曲海賊盤」としては最大のプレスだったと想像されます。電気屋さんとなどに多く普及しておりました。500円くらいなら良心的かな。拙現在庫は68枚でした。 (追加)(P)(C)1992で「OMNIBUS SPECIAL」というシリーズが出ております。ワタシの手許にはEX-150「ヴァイオリン名曲集」(リッチ、シェリング、イダ・ヘンデル音源寄せ集め)一枚のみ。シリーズ化されていたはず。また、20世紀不滅の名演奏家という寄せ集めシリーズは充実しておりました。ANC-1001A〜1004G全50集。歴史的指揮者、ヴァイオリニスト、チェリスト、歌手、ピアニスト、ホルン、フルート、ギター、チェンバロなど、すべて一人一枚の選集となっておりました。実勢売価500円。
<The Best Classics>1989年に新宿駅近くで三枚購入したもの。定価2,800円だけれど、350円で購入。セル/クリーヴランド管で「リング」管弦楽曲集〜CBS音源に痺れたものです。その後、ほとんど見かけません。1990年頃には在庫処分をしていたのでしょうか。 (続く。2004年3月14日)
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