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音楽日誌

2007年12月京都・清水寺界隈

●2008年1月某日

ウチの会社も絡んだ大事件は昨夜来のニュース番組、今朝の新聞にも一面デカデカと載っていてエラいことです。お仕事不満グズグズ言ってられるのも、ちゃんとお給料が出ているからであって、人生なかなか安閑と過ごさせて下さらないもの。上手くクリアした団塊の世代がうらやましい・・・ように見えるだけで、本質は別なのでしょう。不祥事事件連続しました。自分の”どんより感”など小さい小さい〜。

昨夜、再びボーズのウェーブミュジーックシステムにオークション入札参加し、敗退しました。贅沢するな、しばらく(動く限り)TEAC CR-L600でガマンしろ、という(貧乏)神の啓示也。じつはKENWOODのスピーカー(HARD・OFF調達)を付けているんだけれど、これがかなりの薄っぺらい音質でもあるんです。カーゾンのGriegをダブり入札してしまったCD、無事(残念ながら?)昨夜(2枚まとめて)落札できました。ところが(予想通り)送料が高くてCD一枚分の金額+決済手数料でしょ?ま、それなり安いかな?といったレヴェルか。そろそろ次の(棚中在庫)出品を検討しないと。

昨日届いたCD、Bartok 舞踊組曲/ハンガリアン・スケッチ/ルーマニア民族舞曲〜ジョージ・ショルティ/シカゴ交響楽団(1981/93年)・・・昨夜のロンドン交響楽団との旧録音と作品をだぶらせないで聴きました。一般にショルティを好んで聴くことは少ないが、このBartokには”「味わい系」クソくらえ!”的筋肉質アンサンブルが強靱で快感であります。ある意味金属的な響きもここでは決まっております。いやぁ、Bartokってほんま楽しい。昨年購入したアンドルー・デイヴィス/サラステ辺りの2枚組と再比較楽しみです。

今朝、Mussorgsky/Ravel 組曲「展覧会の絵」〜ユージン・オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団(1973年)・・・オーケストラが滅茶苦茶上手く、その意味合いは(上記)シカゴ交響楽団との個性とガラリ異なって、豊満豊穣スムースな輝きに溢れております。期待としてはド派手絢爛豪華艶々な世界だったが、表現は真っ当(ケレンみがない)だし、ムリムリなところなくさらさらと流れて、意外とツマらない?のではなくて、聴き流してしまう感じ・・・(ここで時間切れ)

重大トラブル処理臨戦態勢取りつつ、一方で日常溜まったお仕事消化〜いつにも増して体調悪く、ノーミソの動きも鈍い。おそらくは一時間くらいで消化すべき作業にいったい何時間掛かっているのか?なんせ、なんども途中作業ストップされるので。これから前途多難だなぁ、自分自身の問題さておき。ちょっと残業つきあってきました。仕方がない。

昨夜、帰りに日本酒を買ってきて、ケチって安いのにしたら案の定”薄味”〜なにが端麗じゃい!お米、麹の濃厚な味わいがないとスカみたい。

・・・てなバカ言いつつ苦渋のスタートとなった2008年1/12消化しました。早よ、春よ来い!


●2008年1月某日

体調はそれなりだけれど、スッキリはせず。休みたいが、そうもいかない(いつもの)精神状態です。昨夜は某CDセットの落札狙ったが、競合があったので即あきらめ、女房了承でボーズのウェーブミュジーックシステムも入札参加したが、これもあっと言う間に値が吊り上げられて断念・・・逆に、ああこれは持っていなかったな、と入札した(こんなのに限って落札できるでしょう、きっと)CDが棚中より出現!Grieg ピアノ協奏曲イ短調〜クリフォード・カーゾン(p)/エイヴィン・フィエルスタート/ロンドン交響楽団(1959年)・・・LP時代より馴染みの録音であります。

DECCA 460 994-2  2枚組1,890円(!)クリフォード・カーゾンはお気に入りのピアニストであって、6年くらい前?に集中的に購入していたことを失念しておりました。(この1曲のみダブり)これは気高く、爽快クールな空気を感じさせる演奏であって、技巧の正確さが表面を湖塗しないデリカシーと知性がありました。終楽章の詠嘆の素晴らしさ、バックの音楽に対する敬虔なる姿勢含めまさにヴェリ・ベスト。これは渋谷HMVにて2枚組1,890円(!)入手となっていて、一枚目には(定番)Tchaikovsky(ショルティ/ウィーン・フィル1957年)/RACHNANINOV第2番(ボウルト/ロンドン・フィル1955年モノラル)が収録されます。孤高のピアニストであり、録音に対しても厳しい姿勢を保ったカーゾンにしては、ずいぶんとポピュラーな(おそらくは会社の意向)録音と思います。

しかも豪腕ショルティでしょ、バックが。英DECCA初期のデリカシーに欠ける音質+同様なる遠慮会釈なきオーケストラに、知的に抑制を利かせたピアノが絡みます。バランス決してよろしくない。まだ、RACHNANINOVのほうがずっとピアニストの個性に似合っていて、両録音ともやや違和感ないでもないが、カーゾンの知的怜悧なソロは聴きものでありました。

本日も粛々とお仕事消化・・・だけれど、ワタシの勤め先自体に大きな事件(取引先の不正?事件)が発生していて、不正ではないのだけれど、消費者に対して重大なる問題が!マスコミでも既に取り上げられております。昨年来続くな。世間の事件も含めいつも思うのだけれど、”偽”は以前から存在して発覚しなかっただけなのか?それとも、厳しいコスト切り詰めの中、やむなく最近実行したものなのか・・・いずれワタシはエラいさん(経営責任者)でもなく、(偶然)直接の担当でもない〜ある意味ラッキーなのか?事態は深刻なんだけど。まず体調改善が優先です。

オークションにて落札したショルティのBartok(新録音のほう)2枚組到着しておりました。で、へそ曲がりのワタシはまず旧録音を棚中より取り出し・・・Bartok 管弦楽のための協奏曲/弦楽器、打楽器、チェレスタのための音楽〜ジョージ・ショルティ/ロンドン交響楽団(1963/65年)・・・この著名なる作品(前者)との出会いはこの演奏でした。中学生でっせ、生意気な。フィル・アップは「舞踏組曲」で1,200円の輸入盤でした(札幌のヤマハにて購入との記憶も鮮明)。刷り込みです。ストイックでかなり凝縮されたムダのない(やや強引な!)演奏であって、後年カラヤンの豊満壮麗(ゆるゆる?)スケールとの違いに驚いたものです。苦手方面の指揮者だけれど、ここではなんの違和感もない〜当たり前じゃん、これでこの作品をノーミソに刻んだんだから。アンサンブルの集中力は強烈です。「弦チェレ」も同様の切迫感有。音質も優秀(駅売海賊盤だけれど)。シカゴ響との比較が楽しみです。ライナーとの比較もね。

RCA 74321 886852 2枚組1,000円+オークション諸経費だったかな?昨夜のSibelius (クレーメルのヴァイオリン協奏曲)続編コメント忘れておりました。Sibelius 交響詩「エン・サガ」「タピオラ」「悲しきワルツ」〜ユッカ・ペッカ・サラステ/フィンランド放送交響楽団・・・これは不遇である1980年代のスタジオ録音(RCA)であって、FINLANDIAレーベルから出た1990年代レニングラードでのライヴが、最初っから廉価盤で出た(演奏上の評価も高かった)から、忘れ去られた旧録音集の一部となります。ワタシは2枚分ほど購入、探しております。

昨日も触れたようにクレーメル/ロジェストヴェンスキーのサウンドは圧巻熱血(ソロはクールだけれど線は細くない)でして、こちらぐっと繊細、神経質、荒涼とした危うい雰囲気はいかにもSibelius に相応しい。鳴らないオーケストラだって、(やや難解なる)作品には相応しくて、ちょっとドキドキしながら聴いちゃいました。


●2008年1月某日

今朝「音楽日誌」サボりました。パソコン/オーディオ部屋が寒い、落札されたCDの送付梱包がある、(暖かい)リビングのコンポのオーディオ調子いっそう悪くCDが音飛びする、お仕事がオモロくない(これは関係ないが)・・・じつは昨夜オークションCD落札計6枚ほどして、そのウチの一件(2枚組)が、いざ落札してみると送料がちょっと高い、簡単決済が使えず振り込み料が少々掛かる(セブン銀行はネット決済便利でしかも相対的に手数料は安いが)結果、新品とほとんど価格が変わらない〜ことに気付いたけれど後の祭りです。これで傷だらけのCDだったら目も当てられん。ま、300円と思って出品したら希に、望外1,000円くらいで落札されることもあるし、元よりたいした金額消費ではないし。

さて、”購入した枚数分だけ処分する”原則崩れつつあるので、また棚中在庫放出を検討しないと。このところ”云々が売れん”とブツクサ言っていたけれど、結局全部買い手が付きました。ありがたいことです。なんせワタシは良心的出品者(自称)ですから。本日、取引先を呼んでのお仕事行事はまぁまぁ大過なく、なんとかクリア〜状態でした。体調相変わらずどんより。

SONY SRCR 9209帰宅して、Sibelius 交響曲第2番ニ長調〜レナード・バーンスタイン/ニューヨーク・フィルハーモニック(1966年)・・・ほんまは全集が欲しいくらい、これはFM放送で聴いて以来お気に入りの”アツき”演奏(だったはず)なんです。久々の聴取は、ほぼ記憶(期待)通りの爆発と迫力に間違いないが、音質悪くありませんか、コレ。今更彼に”北欧の清涼”など期待していないが、アンサンブルの粗さが目立つ録音なのか、その辺りはちょっと気になります。続く、交響詩「フィンランディア」(1965年)/「トゥオネラの白鳥」(1973年)も特筆すべき、おおっ!と身を乗り出すような演奏でもない、ちゃんとした、それなり立派な(明るく、元気な/でもオーケストラが美しくない)演奏〜に聞こえるのは聴き手の体調故か。

もう一丁Sibelius ヴァイオリン協奏曲ニ短調〜ギドン・クレーメル(v)/ゲンナジ・ロジェストヴェンスキー/ロンドン交響楽団(1977年)・・・これはたしかオイロディスクのウィーン録音であって、ワタシの所有CDはRCAのもの。もともとユッカ・ペッカ・サラステのSibelius 旧録音が欲しくて2枚組購入したら、トップにこれが収録されておりました。薄味で鳴らない(でも、それこそ清涼なる味わいがある)フィンランド放送交響楽団とは違和感バリバリだけれど、それはそれとして濃密かつ充実しきった、しかし表現としてはクールなクレーメルのヴァイオリンが(たっぷり)愉しめます。ロジェストヴェンスキーのバック(この人は、やたらとこの作品の伴奏を担当している!)は、たっぷり豊満骨太にオーケストラを鳴らせて、ストレス発散系演奏であります。エエですね。


●2008年1月某日

さて、重苦しい月曜の開始、寒さいっそう募って、体調も万全とは言い難い。予測と見込みの付きがたい事象に翻弄されるのでしょう。なんとか心身ともの健康を回復しないと。お隣・大阪府知事にて橋下弁護士圧勝。ま、あの故・ノックだって(当時は)圧倒的人気でしたからね。若い、ということはエエことだと思います。

今朝、Mozart 交響曲第35/40番〜ヘルベルト・カラヤン/EIARトリノ管弦楽団(イタリア放送トリノ交響楽団のこと?1942年)・・・意外と有名な録音で、あちこち復刻を見掛けます。「当時34歳、才気煥発、いきいきとセクシー濃厚な味わいは、後年巨匠として名を為すことを予感させます」との3年前の(自らの)コメントが残っていて、颯爽流麗とスタイリッシュなところはこの当時から変わらず+若々しい躍動が好ましい。

Scho"nberg 「浄められた夜」〜ユージン・オーマンディ/ミネアポリス交響楽団(1934年)・・・オーマンディって、こんな昔からちょっとモダーンな大作を録音していたんですね。表情付けが細部まで配慮行き渡って語り口が上手い。音質乗り越え、表現としては現代に生き残るべき立派なもの。豊満だけれど、後年のフィラデルフィアとはちょっと違うのは当たり前ながら、当時のこのオーケストラも実力あったようです。

嵐の前の静けさか、仕事は(ひとまず)それなりにクリアして明日行事の本番を迎えます。早々に帰宅できました。体調もそう悪化していない。

昨夜、テレビをぼんやり見ていて、39歳4人の子持ちデビュー木山裕策さんの「home」に痺れました。昨夜から何度繰り返し聴いたことでしょう。名曲、名唱。真面目すぎて歌い手に華が足りないとか、平井堅にスタイルが似ているとか、勝手な論評は可能だけれど・・・泣けました。売れていただきたい。40歳前に家族を抱えて新世界に挑戦!応援します。元気もらいました。


●2008年1月某日

気分が悪いことはないのだけれど、明らかな風邪症状(くしゃみ鼻水)で身動き取れません。それでも昨夜は久々女房と(岡山時代は常連だった)「大吉」(ご近所と歩数分に存在する)へ。チェーン店は基本嫌いなんだけど、これだけは別格でなんせ20数年馴染んでいるから安心できます。エエもんです。本日も寒い。

棚中(過剰)在庫CDの処分もそれなり進んだけれど、日常まったり楽しむ程度の物量とは言えず、まだまだ処分必要と自覚しております。しばらく聴いていないカール・シューリヒト関係のセット物を取り出して眺めておりました。(「1」/「2」コメント有。2003年)これだけでもけっこうなボリューム。Tre'sor/FTS 0106-3 3枚組1,990円その中より、「カール・シューリヒトの芸術」(3)(Tre'sor/FTS 0106-3)Beethoven 荘厳ミサ曲 作品123〜ハンブルク北ドイツ放送交響楽団/ベルリン聖ヘドヴィッヒ大聖堂合唱団/シュターダー(s)/カヴェルティ(con)/ヘフリガー(t)/レーフス(b)(1957年)・・・主に後半のみ(部屋が寒いので)。怪しげ音源だけれど、明快な音質でとても聴きやすい(モノラルだけれど、なんとなく広がり有)。もとよりお気に入りの作品であって、感銘一際深いもの。

華やかで明快、爽快で明るい。響きが濁らず、軽快かつ祝祭的な響きが支配して、この人の個性が発揮されております。声楽の充実は言うまでもなし。

続いて、Brahms 交響曲第1番ハ短調〜カール・シューリヒト/スイス・ロマンド管弦楽団(1953年)が収録され、これは「VIRTUOSO 94003」とダブり買い。アンセルメのBrahms は未聴だけれど、おそらくクール怜悧なものであろうと想像されます(ちゃいますか?)。これはクリアでコシのカルいサウンドを前提としつつ、モウレツな推進力と、燃えるような情熱が支配するアツき演奏であります。コンサート・マスターが引っ張るヴァイオリンがモロに(個性的な節回しで)聞こえます(ソロの部分に限らず)。第2楽章のすっきりとした落ち着き、終楽章に向けて重厚さを旨としない爽やかな昂揚が続きました。

体調絶不調だなぁ。明日からどーしょう?床にふせって快復を待ったが、なかなか改善せず。午前中、Faure ピアノ四重奏第1番ハ短調〜ロベール・カサドシュ(p)/カルヴェ弦楽四重奏団(1935年)/Franck 弦楽四重奏曲ニ長調〜プロ・アルテ弦楽四重奏団(1933年)・・・室内楽は、その曖昧模糊とした音質さえ、戦前の妖しげ濃密甘美なる空気に感じることがあるからありがたい。

月末+定例サイト更新が迫っているが、原稿執筆不如意状態継続しております。ぼんやり音楽系ブログ眺めているとMahler 交響曲第2番ハ短調「復活」〜ユージン・オーマンディ/ミネアポリス交響楽団(1935年)のコメントが〜おお、このCD持っていたな、ちゃんと聴いたろうか?とんと記憶がない・・・Googleにて「復活 オーマンディ ミネアポリス」検索掛けたら、我がサイト出てきました・・・しかもトップで。(記憶雲散霧消状態)件の(達人)サイトでは「終楽章のアンサンブルが厳しい/とく合唱が」とのコメントがあったので、あわてて終楽章33分確認したが、ワタシの粗雑な耳ではそんなことは気にならず。音質問題乗り越え、豊満なる響きと虚飾の少ないオーソドックな解釈が立派だと思います。

それにしても2番目に旧い録音、しかもライヴでしょ。立派なものです。ちなみに一番太古録音はオスカー・フリートとなります。


●2008年1月某日

昨日は酒席の誘いを振り切って(なんせ年明けから一度もお付き合いしていない/風邪っぽいので)地下鉄からJRに乗り換えようとホームに上がったら「15分遅れ」とのこと。溜まった乗客でごった返しておりました。で、阪急に変更〜相対的最寄りの駅からバスにて帰宅。自宅で赤ワイン(東京ホテルで飲んだチリ産/半分残り分)いただきました。銘柄を暗記する意欲がないので、ミディアム・ボディのものとまぁまぁの価格狙いで。珍しくケータイ(お仕事専用)に電源入れていたので、転送されたメールお仕事2件を更にgmailに転送、今朝一番で処理しておきました。お仕事メールはセキュリティ問題で、職場の決まったパソコンでしか見られないようになっているが、な〜んの意味もないね。ひたすら不便なだけ。

締め切り未だの出品オークションCDは早期終了させました。最低価格一件入札あればOK。先日4,000円(全諸経費込)で落札した「テミルカーノフ」10枚組、ぐっと安く出品されているのを見て少々ショック(後悔なし)じつは、その落札だって締め切り直前に10円アップでさらわれた(油断していた)直後のものだったんです。人生そんなもの。

寒いでんな。夏の暑さに耐えきれず、冬の寒さに完敗。春よ来い。今朝、DOCUMENTS 231752Schumann クライスレリアーナ/こどものための3つのソナタ 作品118〜イエルク・デムス(p)(1974年)・・・ちょっと間をおいて再聴。未だ全13枚中半分も聴けておりません。オリジナルのNuova Eraより音質が劣る、とのコメントも存在するが、なんせこの価格(2,000円でお釣りがきた)ですもん。デムスには20年程前のFMにて集中的に聴いた記憶があって(Mozart 、Bach 、そしてSchumannのライヴ)技術的にかなり厳しいだけではなく、ある種節回しのクセが気になったものです(記憶曖昧)。以前にも言及したが、例えばクララ・ヴュルツ/ベルント・グレムザー辺りで馴染んできたSchumannは鮮やかな切れ味だったんです。その先入観か?デムスはその辺りでは少々弱いかな?とも感じたが、すくなくともクセは感じない。暖かくて、素直。こういったスタイルのほうが飽きが来ないのかも。

ワタシにとっての「クライスレリアーナ」は、ルービンシュタイン(1964年)であって、世評は与り知らぬが、胸が潰れるような鮮やかな悲劇を感じさせて下さいます。デムスはもっと穏健で、フツウな感じ。「こどものための3つのソナタ」はこのCDで初めて聴いた、平明なる旋律でした。

いつものようにヤボ用で取引先へ短時間〜行って良かったミス未然に発見。どーしてもっと早く気付かなかったか?自分のノーミソ硬化が気になります。ボケか?悪循環か。ついでに風邪の病院行きお薬いただき。オークション先週終了分の到着を確認出来ほっとし、今朝早朝に早期終了させた2件のうち1件早速連絡有、先ほど送付しておきました。さて、次の出品をどうするか。

SUPRAPHON 58C37-7724→25 定価5,800円也!朝からSmetana連作交響詩集「わが祖国」三昧(たまたま)。まず、ヴァーツラフ・ノイマン/チェコ・フィル(1975年)は「高い城」「モルダウ」のみ。かなり以前1982年東京ライヴを所有していて、若かったワタシは”なんかスカみたいな演奏”と感じたものです(とっくに処分済/アホ)。これは昨年2007年12月頃オークションて「バルク買い」(送料込)したものに含まれていたものだけれど、ジワジワじんわり滋味深い響きに痺れたものです。暖かくも穏和、良く整ったアンサンブルはけっして洗練方面の表現ではないが、盤石なる自信と愛と懐かしさを感じさせるオーケストラのサウンド。録音だって極上です(初期ディジタル録音らしい→後述、ウソ)。

取引先〜病院回り途中で聴いたのが、ラファエル・クーベリック/ボストン交響楽団(1971年)〜ほぼ全曲聴取。オーケストラは上手くて、強靱な燃えるようなサウンドだなぁ。リズムの刻みが明快で、メリハリと歌心最高!はっきり言って「シャルカ」以降の4曲って聴く機会は少ないが、嗚呼どれも名曲じゃん、懐かしい旋律目白押し!を実感させて下さいます。録音もよろしい(弦がダンゴになってますか?)帰宅後更にヴァーツラフ・ターリヒ/チェコ・フィルによる(一部針音も床しい)1941年録音を確認。

現在、4曲目「ボヘミアの牧場と森から」迄聴き進んでおります。1954年録音が有名なのだろうが、これだって(音質含め)情熱とか祖国愛とか、日本ではちょっと気恥ずかしい迫力に溢れて圧倒されました。


●2008年1月某日

寒くって、オーディオ/パソコン部屋(北向き)に入ったのが数日ぶり、なんとか定例サイト更新。昨夜は風邪症状本格化寸前にて早々に就寝したが、幸いよく眠れて今朝快方です。さて、本日は昼前に取引先と定例会議、昼から戻って来週行事の準備となります。きっと(昨日来のお仕事結果)トラブル処理が舞い込むんだろうな。散々なる一週間也。自分の実務能力の後退を実感。

今朝、Sibelius 交響曲第2番ニ長調〜セルジウ・チェリビダッケ/スウェーデン放送交響楽団(1965年)・・・集中できていないし、特別な感慨もありません。グラマラスで語り上手な表現か。北欧の清涼、といった方向ではないな。先日の続きでTchaikovsky 交響曲第6番ロ短調「悲愴」〜エフゲニ・スヴェトラーノフ/ソヴィエット国立交響楽団(1967年)・・・途中まで。後年の円熟に比べると喰い足りない〜との世評 らしい(未聴)が、これはこれで粗野な熱気があり、オーケストラがよく鳴って悪くないと思います。なんせ未だ39歳、若かったんでしょうね、彼も。

お仕事自体は粛々と(それなりのトラブルもクリアしつつ)灰色の作業膨大に消化〜これは視点がアカンのだな。夕方より体調悪化、明日は観念して病院へ行きましょう。くしゃみ鼻水が止まりません。

斉藤道雄「希望のがん治療」(集英社新書)・・・これはとても評価が難しい著作ですね。浅く、都合のよいところだけを読みとれば現代医療の成果を全否定することになります。基本、近藤誠医師と近い立場のようであり、ワタシもおおいに共感するところも有。なにより、実践例が豊富で読み物として説得力もタップリ。ガンの集団検診をしても致死率は変わらない、乳ガン切除術が確立する前と現在でも完治率は変わらない、30年を経、世代構成で計算し直せば進歩はなにもない・・・代替医療は怪しげ自然食品のみ脚光を浴びてしまうが、神髄は異なる視点にあるのではないか。

現代科学への過度の信頼でも、一方でいや増す魑魅魍魎ばりに跋扈する「占い」「スピリチャル」「エセ新興宗教」でもない、もっと柔軟なる考えがあるということです。歯ごたえある一冊。読ませる構成と、筆致が素晴らしい。実際に近代医療に見捨て去られた人々の快復のお話です。

オークションで落札されたぶんは無事到着。売れ残ったCDも無事入札がありました。激安完売です。また大売り出ししないと。


●2008年1月某日

寒いし、咽痛いし、職場では重いお仕事(+ちょんぼ詫び)待っておるし、で、出勤したくないが、そうもいかないのがサラリーマンのツラいところ。引退まで9年残っているし、老後も見通し暗いし、とにかく生きて、暮らしていかなくっちゃ。飯島裕一「疲労とつきあう」(岩波新書)によると、ご老人の”よく眠れない”との実態調査では”よく眠れる”人と差はなかったそうです。ワタシもそうかも。眠れなくても気にしないことにしましょう。

「私たちは20世紀に生まれた」という素晴らしきブログがあるが、ティオリエのGershwin(1987年)への言及があったので、ワタシも1994年録音(aura 174-2)で確認。GERSWINのピアノ・ソロ演奏価値云々できるほどの判断力は持っていないが、軽快で粋な雰囲気を楽しみました。そのまま映画「デリシャス」のサウンド・トラックの抜粋が収録されていて、これもいつもの賑々しい華やかな世界を堪能いたしました。(現在はDOCUMENTS10枚組にて入手可能)

できれば、それなりの達成感を以て帰宅したいものです。では、行って来ます。

一日中、机にかじりついてディスプレイと睨めっこ、頭痛に苦しみ、灰色のお仕事をこなしてます。ああぁ!オモロないわ。なんのためにお仕事しているのか。もちろんカネのため・・・だけれど、喜んで下さらないと、誰かが。文句ばっかり言うなよな〜と体調ますます悪く、思わず愚痴っちゃうワタシ。ほんまのビョーキ寸前。


●2008年1月某日

本日の東京会議は昼過ぎで終わったので、早めの便に替えていただきました。3時間の節約。風邪気味。やや熱有。明日からまた苦しいお仕事です。逃げられんなぁ、その前に(今の担当から)クビかも。

そういえば定例東京会議仲間が、ここ半年で大ダイエットに成功(地元大学のダイエット・プログラムの研究らしい)〜お相撲さんみたいだったのに、ウエスト85cmに!立派。ワタシも精神鍛え直しだなぁ。

Rimsky-Korsakov交響組曲「シェヘラザード」/「ロシアの謝肉祭」序曲〜ウィリアム・ボートン/フィルハーモニア管弦楽団/ブラッドリィ・クレスィック(v)(1988年)・・・珍しい音源ですね。これも先のセットと同じNIMBUS録音でして、音量ボリュームが小さい。イヤホンだからその辺りの不自由はクリアできたが、全体として神経質かつ大人しい印象でした。この作品はもっと派手派手しく、華々しく、艶々で演って下さるのが相応しい作品なんでしょう。吉幾三「酒よ」の旋律激似の「ロシアの謝肉祭」も同様。盛り上がりがない、というかスマートで小さくまとまった感じ。

 


●2008年1月某日

(在東京ホテル)今朝早かったので「音楽日誌」サボりました。昨日は”徳俵”と呼んだけれど、今日はとうとう土俵を割りました。もともとの要因は相手先なんだけど、完全にご立腹で上司に散々叱られました。う〜む、2008年も大苦戦確定か。もう営業のお仕事から引退させていただいて、別なお仕事探すか?・・・それとは別に、商品供給元取引先が偽装をしていたことが発覚して一大問題!(既に夜逃げ状態)ワタシの直接担当ではないが、十数年前からよく知っている(元担当でした/営業マンのケータイは既に解約されている)ところなんです。

本日の研修は30名くらい参加だけれど、皆立派に見えたな。あかんたれはワシだけ〜に思えちゃう。

五反田BOOK・OFF覗きました。3ヶ月ぶりか。2枚ほど気になる@250CDあったが、”どーしても自分に必要か?”と自問自答して断念。ここ最近読書意欲失せ、全身疲労、眼精疲労酷く、これは鬱病一歩手前か?との自覚有。で、飯島裕一「疲労とつきあう」(岩波新書)購入・・・刀削麺喰いつつ、ちょっとだけ読みました。曰く、”夢中になって、寝食を忘れて読書をすれば疲労は感じないが、いついつまでに感想文を書け、と強制された途端、それは苦痛と疲労となる”旨ありました。

・・・これってサイト更新に似ていません?もともとメモしながら音楽を聴くととても深まる、【♪ KechiKechi Classics ♪】みたいなシガないサイトでも、人様に見せるべき文書ならそれなりの検証も必要となって、それは自分の成長を促して下さったのでしょう。でもさぁ、ここ数年苦痛なんだよね、サイト更新が。ワタシはケータイ嫌い(変化なし)のパソコン好きだったのに、電源を入れる意欲も失せがち・・・

ま、食欲ありますから。最近、酒を呑みたいなとも思わなくなったが、きょうは自棄酒気分で、でも飲み屋に行く気もなく、スーパーで(チリ産)赤ワイン買って部屋で飲ってます。食欲有(=体重増)未だ喰いモンの味はわからんことはない。

久々にポータブルCDプレーヤー持参しました。Tchaikovsky 交響曲第4番ヘ短調/第5番ホ短調〜エフゲニ・スヴェトラーノフ/ソヴィエット国立交響楽団(1967年)・・・意外と良い録音で、但し広がりはあまりない。金管の粗野な響きはたしかだけれど、まともで真摯な演奏を楽しみました。ま、ワタシは基本”爆演系”嗜好じゃないので。後年の演奏はそうとう凄いらしいじゃないの、聴いたことはないが。(帰宅後追加。第5番第2楽章のホルンソロがビロビロ劇甘でエエですねぇ、痺れました)


●2008年1月某日

今朝、お仕事ちょんぼフォローに思い悩んで、朝の「音楽日誌」サボりました。眼も痛かったし、正確に言うと音楽もまともに聴いていない、というか愉しめる心境ではない〜ま、無事、なんとか、青息吐息でクリアしました。徳俵というか、首の皮一枚つながった感じ。明日から久々、数ヶ月ぶりのまともな東京出張(+研修)です。なんせここ2回は前泊バス中でしたから。出張費用は浮いたけれど、カラダぼろぼろになるし、とにかくトンボ帰り状態でしたから。一ヶ月眠っていたミニ・ノートパソコン(最近職場のノート・パソコン〜誰も使っていない〜が絶好調なのでそればかり)取り出して充電しております。ホテル用のLANカードがない・・・ので少々慌てたが、パソコン関連雑品入れているダンボール奥底より出現しました。

(んなこと言いつつ)昨夜は「エイリアンVsプレデター」を堪能し、こりゃぜひ続編も見たいな、と決意も新たに。安田さんより演奏会ご招待有、Mahler の第9番だしぜひ行ってみようと決意しました。オークションは思いの外確実に売れたが、ホグウッドのMozart が売れ残ったのは意外〜人気ないのか。もう一回値下げして出品しようかな。

NIMBUS NI 1749/1Tchaikovsky 交響曲第5番ホ短調〜ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス/ロンドン交響楽団(1987年)・・・随分と久々の聴取となります。NIMBUSのCDは時に音量収録が低くて、様子がよくわからないこともあるが、ヴォリュームさえ上げればちゃんとした音質であることが理解可能。最近、Tchaikovskyアレルギー完全克服し(リッカルド・ムーティのお陰か?)、先日のテミルカーノフの爆演「悲愴」も(たっぷり)楽しんだものです。

ずいぶんとまともにアンサンブル整って美しく、静かにバランス良く鳴り響く演奏であって、忘れ去られるには惜しい音源でした。”通向き”かな?つまり、アクとか大爆裂個性をはっきりさせた演奏ではない。まともでオモロくない、という評価もあり得る。

他、テミルカーノフのプロコフィエフ(1981/80年ライヴ/ソヴィエット国立交響楽団)の粗野な響き、Elgar 交響曲第2番 変ロ長調〜レナード・スラットキン/ロンドン・フィル(1988〜92年)こちらはちゃんと英国黄昏の憂愁を感じることが可能・・・ちょっとコメントする時間足りません。


●2008年1月某日

ここ最近体調が余りよろしくないことも含め、活動範囲が狭くなっております。クルマがなくなったことの影響も多いし、お仕事大苦戦、出張先激減、ナマ演奏にも疎遠(せっかくの都会居住なのに)、CD漁りはもっぱらネット上になってしまいました。こんなことでは老後は孤独だな。人脈の広がりもなにもなくなっちまった・・・昨夜ケータイにメールが転送されており、大きなトラブル発生。明日クリアすべき方向ははっきりしているので、本日はとにかくゆっくりしましょう。本日締め切りのオークションは、かなり入札有〜理想的な「最低価格一件のみ」状態で、それで良いと思います。

CD購入は結果として枚数頻度はあまり落ちてはないが、在庫整理を心掛けているので、「安けリャな〜んでも、いちおう」みたいな衝動はなくなりました。オークションにて初期NAXOS22枚計1,000円(送料別)が出品されており、数枚かつて所有の懐かしいものだのだし、未聴分数枚興味も有(いくつかは廃盤)。でもねぇ、所謂著名なる作品は既にかなりの枚数を所有して、処分に入っておりますから。金額の多寡ではなく、もちろん収納場所問題はあるけれど、なにより人生に残された時間は短いですから。諦めました。

で、音楽は(昨日のトスカニーニ以来)全然聴いていない・・・昨夜二時間ドラマを愉しみました。(ここ最近ハズればかり)森口瑤子は大ファンなんです。タイプだなぁ。それにしても野際陽子はドラマ出過ぎ。この人も大好きだけど。

終日こたつで過ごし、時に居眠りし、オークションの行方を眺め、サイトの誤字表記間違いを発見し、修正。そしてテレビ三昧。精神的には完全に閉塞状態〜あかんなぁ。音楽聴いたのはちょっとだけ。Mozart 歌劇「コジ・ファン・トゥッテ」K.588〜シギスヴァルト・クイケン/ラ・プティト・バンド(1992年ライヴ)一枚目のみ。これは昨日のトスカニーニ「魔笛」の反動でして、ちゃんとした音質でMozart の歌劇が聴きたいな、ということで。それにワタシ、けっこう古楽器派ですし。爽やかで、楽しげなるヴォルフガングの旋律堪能。「古楽器」といっても様々で、オランダ系の連中はけっこうふっくら歌って、痩せぎすにならないのが良いと思います。歌い手は全然知らないが、若々しく溌剌とした雰囲気が無条件に喜ばしい〜Mozart の歌劇全曲が棚中に揃って、いつでも取り出せるというのは夢のようです。

明日より精進潔斎して、トラブル処理に邁進いたしましょう。


●2008年1月某日

きょうは午前中取引先とヘヴィな商談2発(東京本丸同行)。できれば病院に間に合わせて血液検査するつもりなので、今朝から食事を抜いております。願わくば昼から完全オフになることを祈る!

BRILLIANT 8818 10枚組オークション諸経費すべて込3,990円ほどテミルカーノフ10枚組ボックスは3枚目へ。BRILLIANTも少々値上がり気味でオークションでのそこそこ価格に感謝しましょう。露西亜を中心とした収録+αで、ありきたりのBBがほとんどない(Beethoven 交響曲第8番ヘ長調1969年のみ)というのもエエ感じです。Shostakovich 交響曲第13番 変ロ短調「バビ・ヤール」〜ユーリ・テミルカーノフ/国立アカデミー交響楽団(ソヴィエット国立響とは違うのか?)/セレツネフ(b)(1983年ライヴ)・・・難解晦渋根暗な作品であって、聴くのに根性必要な作品也。吉松隆さんの解説が詳細(切り口も新しい)です。

で、結論的にこの演奏たいへんにわかりやすい。所謂”爆演”であって、エグい金管のヴィヴラート(の突出!)、弦の静謐繊細な歌わせ方の上手さ、リズム感のメリハリ明快なこと、声楽扱いの巧妙なこと・・・ま、いつもの”難解晦渋根暗”に間違いない旋律なんだけど、妙にこだわりなく朗々としていて、”爽快”(!?)です。これはテミルカーノフの成果なのか、それともバルシャイ、ロジェストヴェンスキー、コンドラシン〜いろいろ聴いてきた成果なのか。この辺りの音楽が聴けるようになると、棚中死蔵CDも生き返ってくる・・・かも。

フィル・アップがSHICHEDRIN 管弦楽のための協奏曲第2番「鐘」〜テミルカーノフ/ソヴィエット国立交響楽団(1976年)でして、こちら遠慮会釈ない破壊的爆発を伴った10分ほどの作品。初耳だけれど、爽快なる金管/打楽器の絶叫を愉しめます。鐘(チューブラーベル?)は神秘的。両作品とも音質まぁまぁ。

女房共々風邪症状悪化しております。午前中の商談は想定の範囲内で新たな宿題が発生し、依頼ごとの抜けを罵倒され(濡れ衣/んなメールなんて来てねえよ!)途中、病院へ寄って血抜き、昼食摂って(いやいや)職場に戻りました。で、2時間集中して作業、更に電話要請があって企画書の再々修正提案(猛スピード)マスター/データ作りメール入れて、更にヤマトさんに集配頼んで帰宅しました。休みは休まないと。

HISTORY ”Mozart  DELUXE” 205179-302こたつでまどろみつつMozart 歌劇「魔笛」全曲〜アルトゥーロ・トスカニーニ/ウィーン・フィル/ウィーン国立歌劇場管弦楽団/アレクサンダー・キプニス(b)/ヘルゲ・ロスウェンゲ(t)/ジュリエ・オスヴァート(s)/ジャルミラ・ノヴォトナ(s)/ヴィリ・ドムグラフ=ファスベンダー(br)/ドラ・コマレク(s)/ヴィリアム・ヴェルニク(t)他(1937年ザルツブルク・ライヴ)・・・かなり厳しい音質と考えるべきか、この時代のライヴならば驚異的と表すべきか、悩ましいところ。NAXOSにてCD復刻されていて(現役かどうかは不明)ネット上で試聴も出来ます。(ワタシのはHISTORY ”Mozart DELUXE”より)

たしか大物評論家U氏がクソミソに(これ以上ない!といった激烈さで)論評してた演奏であって、ま、音楽は嗜好品ですから。かなり速いテンポ、メリハリはっきりとした集中力であって、音質状況乗り越え、その個性の刻印ははっきりと確認できます。リズム感の良さ、ノリ、旋律の歌だって明快で美しい。ライヴだから歌い手にあちこち不備があるようだし、グロッケンシュピールが半音低いのも、なんかおもちゃみたいな効果になって悪くないと思います。155分たっぷり堪能いたしました。でも、ふだんはやっぱりもっと音質条件のよろしいCDで聴くよね。


●2008年1月某日

寒さはきょうが底、との天気予報です。きのう職場で服用したバファリンが効いたせいか体調かなり改善。本日明日と今週あともう少し、なんとか乗りきりましょう。今朝、定例サイト更新実施。

TELDEC WPCS-6060  1,000円で購入昨夜は早く帰宅したので、いろいろと音楽聴けました〜”音楽を聴く”という行為は時間の余裕だけで決まるものではないが。Mozart 交響曲第39番 変ホ長調K.543〜ヨゼフ・カイルベルト/バンベルク交響楽団(1960年)・・・5年ほど前の感想では、「音質演奏ともにガチャガチャ・スカスカ」→「不思議に悪くない」となっております。楷書の生真面目な集中力を前提に、粗野で洗練されないオーケストラのアンサンブルを磨き上げない(録音もよろしくない)から、耳当たりはよろしくありません。愉しむには聴き手に(少々)根性が必要でしょう。

Mozart 協奏交響曲 変ホ長調K.364〜ジル・シャロン(v)/ユーリ・ガンデルスマン(va)/アマティ室内管弦楽団(1996年)・・・一連のBRILLIANT全集中の音源より。知名度的には低いが、オランダの実力派です。名曲を名曲として、タップリ堪能させて下さる豊かな演奏。音質も極上。昨日よりの流れで、Mahler 交響曲第9番ニ長調〜ブルーノ・ワルター/ウィーン・フィル(1938年)・・・ワタシの所有は”駅売”っぽいもの(ジョイサウンドKC-1037)だけれど、これが驚くべき良好な音質であって(もともとのEMI盤はLPで、そしてFMでしか聴いたことはないが)聴き知って馴染んだ作品ながら、いままで体験したものとは一線を画す極上演奏。約一時間だからテンポは速めか、そんな印象は与えないけれど。

ウィーン・フィルが美しい・・・その意味合いは、戦後ステレオ録音時代のものとも、1952年の「大地の歌」とも少々違っていて、もっと渋く儚く、黄昏たような味わい深くて、先入観なのかなぁ。表現そのものは、さっぱりストレート系なのにじわじわと寂寥が深まる、といった感じ。大時代的な、濃密浪漫てんこ盛り方面じゃないと思います。(ここで時間切れ)

やっぱり体調よろしくない。風邪が治りきってないというか、新たにひいたか。昼から異常に眠く、現場視察を口実に職場を出たが、電車中で意識を失って眠りこけてしまうくらい。で、予定を切り詰めて早々に帰宅しました。大丈夫か?ワシ。食欲はあるんだけれど。

今朝の音楽のコメント続き。Mozart セレナード第10番 変ロ長調K.361(370a)「グラン・パルティータ」〜ウィルヘルム・フルトヴェングラー/ウィーン・フィル(1947年)・・・これは名曲中の名曲。50分に及ぶ目眩く陶酔の世界。久々の聴取(じつは2種類のCDを持っている)久々の聴取だけれど、音質非常によろしいですね。(HISTORY 205165-302/Mozart DELUXE40枚組)フルトヴェングラーのMozart !といえば「ドン・ジョヴァンニ」や「交響曲第40番短調」やらのデモーニッシュで緊迫感溢れる表現を連想するが、ここでの清明素直な世界はいったいなんなのか。ほとんど自然体で指揮者の個性を刻印する方向ではなく、オーケストラの名人にすべてを委ねている・・・それは成功していると思います。これぞ、ウィーン・フィルのふくよかで柔らかい魅力爆発。

この2枚組のもう一枚はカラヤンとなります。Mozart 歌劇「フィガロの結婚」序曲(1946年)/セレナード第13番ト長調K.525「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」(1949年)/交響曲第33番 変ロ長調K.319(1946年)/アダージョとフーガ ハ短調K.546(1947年)/フリーメイスンの葬送行進曲 ハ短調K.477(1947年)〜ヘルベルト・カラヤン/ウィーン・フィル・・・おお、先のフルトヴェングラーとほぼ同時期の録音ではないか。ダイソーの100円盤とかなりダブっているが、たしか原盤供給は同じ会社だったはず(なのに、音質やらピッチが異なる)。

これも音質は予想外に悪くなくて、若々しく引き締まったカラヤンの演奏が楽しめます。「アイネ・ク」は、かつて「最近見られなくなった大編成で豪勢な演奏」とのコメントを付けたが、そんなことはない。交響曲第33番だって、十数年後の第40/41番を聴いた耳には、ずいぶんと軽快清潔に響きます。アダージョとフーガ ハ短調K.546って、Shostakovich 交響曲第5番第1楽章にクリソツ。


●2008年1月某日

寒いなぁ、あと一ヶ月はこんな気温か。朝の早いワタシはいつも朝食後、パソコン/オーディオ部屋に移動して音楽を聴きつつ「音楽日誌」認(したた)めたりするが、最近コタツ購入後は朝から”コタツ用ノートパソコン”です。本日で当面のお仕事トラブル(ではないな)調整完了したいところ。それにしても、なんか年中体調いまいちで余生はこんな感じなのか。体力の衰えを自覚します。

HISTORY 205246-303Mahler 交響曲第5番 嬰ハ短調〜ブルーノ・ワルター/ニューヨーク・フィル(1947年)・・・これはLP時代からお気に入りでした。まるのはこれのみ)であり、当時から、そして現在に至るも”ようワカラン”演奏であります。61分ほどだからテンポは速いのだろうが、急いた切迫感というものはなし。ニューヨーク・フィルの技術は安定してアンサンブルは整っており、カドの取れた穏健派中庸の表現と感じます。HISTORYのやや怪しげな復刻音源(もともとはCBS録音)であって、あくまでここでの聴取印象だけれど、残響少なくこぢんまりとした感じ。最近、その熱狂を見直したバーンスタイン旧録音(1963年)や、ワタシの嗜好とは外れるショルティ/シカゴ交響楽団(1970年)にだって、もっと”衝撃”がありました。

う〜む、なんかツマらん。

順調にお仕事消化して(じつは帰りに一個失念していたことを思い出したが)昼から取引先へ。思ったよりずっと早く商談は終わってしまって、そのまま帰宅しました。どうも風邪が本格化しそうで、この寒さは応えます。昼なんか雪がちらついていましたもん。今週は土曜までお仕事なんです。オークション出品分、苦戦ですね。人生、思うようには進まない。落札分到着したばかりなのに、次の入札が気になります。きっと落とせないだろうな、と予想。

先日言及した(消息を絶った)伯林こんの氏、じつは彼の地でパソコン故障らしく、怪しげなローマ字で(現地インターネット・カフェより)BBS投稿有。貴重なるヨゼフ・カイルベルトのディスコグラフィのURLも教えて下さいました。そういえば正月にクラシック音楽サイト関係者で呑んだときに話題になっていたけれど、やはり日本はマニアックなる指揮者演奏家フリークの集合地らしい。カイルベルトだって、正規録音がすべてすんなり入手出来るワケでもない。”細部へのこだわり”(=神は細部に宿る!)は日本の伝統なのでしょう。

帰宅してから、今朝のMahler 印象に納得できず、まず「アダージェット」〜ブルーノ・ワルター/ウィーン・フィル(1938年)確認。ウィーン・フィルは美しいが、意外とさらりスムースな表現であって、”噎せ返るような浪漫!”ではない。テンポ速め。時代の熱っぽさはありますよ。で、再度、ニューヨーク・フィル(1947年)で第4/5楽章を再聴。やはり音質が乾いて残響少なく、明るくすっきり素直な(強面ではない)印象を得ました。それが悪いということじゃないですよ。「アダージェット」はウィーン・フィル盤を上回る速度(7:36)だけれど、急いた印象はありません。メンゲルベルク(1926年)が7:15ですから。そちらは妖しいポルタメントと、噎せ返るような濃霧が立ちこめておりました。


●2008年1月某日

夢見悪く、熟睡できない・・・のはいつものこと。ここ数日寒いですね。今週は土曜までお仕事。明日、職場で(やや趣旨不明の)飲み会があるけれど、取引先にて夕方迄商談、体調問題と料理が苦手”串揚げ”(好き嫌いはないが、さすがに油モンは〜)であるという理由にてご遠慮、職場(自主的であっても)行事を自分都合で回避というのは初めて?どんどん出不精になるワタシ。

昨日到着はもう一組、レナード・スラットキンのElgarであって、これも彼のCDを一枚も所有していない(聴いたこともない)ため。ちょっとだけ聴いてみたのは、Elgar ヴァイオリン協奏曲ロ短調〜ピンカス・ズッカーマン(v)/スラットキン/セントルイス交響楽団(録音情報クレジット不親切/1988〜92年?)・・・深夜、音量低く聴いたためか、ズッカーマンのヴァイオリンが薄く、細い印象有。セントルイス響も英国音楽に相応しい渋い響きとは感じない・・・ワタシのリファレンスはドン=スク・カン(v)のNAXOS盤だけれど、ソロの個性はもちろん、ポーランド放送交響楽団も”それ”らしいサウンドになっていたはず・・・ボリューム上げて再聴必要です。

今朝、Shostakovich 交響曲第1番ヘ短調(1966年)/第5番ニ短調(1981年)〜ユーリ・テミルカーノフ/ソヴィエット国立交響楽団・・・いずれもライヴで昨日のTchaikovskyよりずっと音質がよろしい(というかマシ)。ま、ダイニング・コンポで音量も抑え気味だからエグいロシアン・ボンバーを堪能できる条件ではないが、それでも才気間髪なる第1番に相応しいキリリとした推進力(28歳の録音)に驚き。著名なる第5番は第1/2楽章の貫禄と迫力に感心しつつ、第3楽章「ラルゴ」辺りで聴き手が疲れました。

時と場所を改めて再挑戦いたします。

大きなトラブル水際で堰き止め、めでたい。問題は発生せず、誰の成果にも賞賛にもならない。終日、粛々とお仕事したが、何をしたのか既に記憶なし。今年のスローガンは「耐える/待つ/動かない」だからこれで良いんです。いくつかの懸案事項の解決(宿題少々)は明日の商談に持ち越して、早々に帰宅しました。夕食を摂りつつ、昨夜今朝の宿題完遂。Shostakovich 交響曲第5番ニ短調(1981年)〜テミルカーノフ/ソヴィエット国立交響楽団・・・第2楽章〜ラスト迄。作品そのものをそう気に入っているわけもないが、しっかり聴いてみて、立派な集中力演奏ということです。昨日の「悲愴」(キーロフ劇場管弦楽団1983年)よりずっとマシだけれど、やはりよろしからぬ録音です。

Elgar ヴァイオリン協奏曲ロ短調〜ズッカーマン(v)/スラットキン/セントルイス交響楽団のほうは、ヴァイオリンが”薄く、細い”のではなく、抑制が充分に訊いたオトナの演奏でありました。”渋い響きとは感じない”とコメントしたセントルイス響だって、繊細な響きじゃないの。ヴォリュームを上げると、涼やかに奥行きがあってエエ録音ですね。


●2008年1月某日

さて、たっぷり3日間無為無策なる休み消化して、自らを叱咤激励して職場に向かいましょう。先週かなりの準備を完了しているので、今週は見込み通りのお仕事進捗になって下さるはず・・・

SONY SMK 46251今朝、Mendelssohn 八重奏曲 変ホ長調 作品20〜マールボロ音楽祭メンバー(1965年)・・・トップはジェイミ・ラレード/アレクサンダー・シュナイダー(v)辺り。前中期浪漫派の音楽は交響曲以外はOK、という嗜好があって、ワタシは夢見るような旋律を愛します。カザルスに代表される、マールボロ音楽祭一連の録音は骨太でアツい勢いを感じさせ、そしてアンサンブルは緻密ではない。(プラド音楽祭も同様)ライヴみたいな味わいだけれど、ニューヨークのスタジオ録音でして、どういった流れなんでしょうか。でも、音楽祭の賑々しい雰囲気はそのまま維持しておりました。

更にBruckner 交響曲第5番 変ロ長調〜ハインツ・レーグナー/ベルリン放送交響楽団(1983年)・・・1992年発売の国内盤であって、既に15年を超えるお付き合いCDであります。テンション高い速めのテンポ、ものものしい貫禄より勢いと熱気重視の演奏は大好きです。久々、途中迄の聴取だけれど、アンサンブルの集中力にも驚きました。感銘深い、興奮させてくださる立派な演奏です。

会議が遅くなって、思ったことの半分くらいでお仕事終了。ややトラブルがあったし、会議でも(なんせ持ち分の数値が悪い)ぱっとしないが、ま、どんよりするほどのことでもない。明日で当初狙いのお仕事進捗に戻します。やや疲れ、程度の体調也。帰宅したらオークション落札CD計14枚無事届いておりました。すべて諸経費込みで@400弱だから、そう安いワケでもない。

その中のひとつが「ユーリ・テミルカーノフ」10枚組(デザインのショボさ、最高)でして、なんせ彼の指揮は一度も聴いたことがないから興味はありました。ところが最近BRILLIANTはんも値上がり気味で、頼みの東京出張時の激安店(新橋)も閉店、それでオークションで”やや安”を見つけ入手・・・といったところ。

で、さっそく”もっとも音質が悪い”と噂の一枚目、Tchaikovsky 幻想序曲「ロメオとジュリエット」/交響曲第6番ロ短調「悲愴」〜ユーリ・テミルカーノフ/キーロフ劇場管弦楽団(1983年)・・・これは凄い!大絶叫大爆発の所謂”爆演”であります。かなりメリハリがはっきり、音質のせいばかりではなく響きは濁って洗練されず、しかし表現そのものは先鋭であって、ある意味カッコ良い。音質さえガマンすれば、序曲も交響曲もその多彩な表現の変化、流れの良さ、語り口の上手さに厭きることなく心酔できる・・・元気良くないと聴けないが。

第3楽章の甘い旋律は速めのテンポで颯爽として、終楽章の”泣き”もモダーンに決まっております。ところがキーロフのオーケストラは粗野なんですよね。あちこち突出するパート(とくに金管/打楽器)はいかにもむき出しの露西亜。


●2008年1月某日

エレキットTU-894/1998年博多から転居する時、友人から無料で譲り受けたもの。真空管は2度ほど交換昨日は結果的に良い天気になったが、寒さ募って夕方女房と焼鳥屋に出向く迄どこにも出掛けず。訳あってCDプレーヤー(MARANTZ CD5001)を分解したり、今シーズンさぼっていたアンプを真空管(エレキット TU-894)に替える作業をしておりました。いずれ安物オーディオを息長く愛用(アンプ/スピーカーは15年選手くらいか)しているが、音の印象はガラリ変わるんです。DENON PMA390-U(トランジスタ)はネットで検索しても自分のサイトばかり出てくるが、C/P抜群の安定した音質を誇り、真空管(エレキット TU-894)は時に音源の神髄をストレートに表現して、喜んだり、がっかりしたり・・・冬場の楽しみであります。

出会った音源(主にCD)はできるだけちゃんと聴いてあげて、できればサイトに上梓しましょうと8年余、自分が更新していることを失念していることも増えました。Brahms 交響曲第2番ニ長調(ベルリン・フィルハーモニー)/第4番ホ短調(ハンブルク州立フィルハーモニー)〜ヨゼフ・カイルベルト(1962年)・・・この一枚、TELDEC WPCS-6050 1,000円(税込)2005年に再コメントしていたんですね。ひさびさに聴いて、嗚呼エエな、無骨で不器用で、とくにハンブルク州立フィルがその思いを(いっそう)深めて下さる味わい有。で、世評を確認せん、とネット検索したら自分のサイト出現はもちろんだけれど、【♪ KechiKechi Classics ♪】の引用がいくつか出現することに驚愕。その引用元(=自分の文書)に記憶がない・・・のも情けない。(かつてカイルベルトの詳細なるディスコグラフィを作っていた伯林こんの氏は、社会人となって忙しいためか、最近更新さっぱりです。件のディスコグラフィもリンク切れ残念/祈・復活!)

1997年に国内盤が出て以来、本国ではCD復活しておりますか?ワタシ、棚中にはBeethoven /Reger6枚組は揃えてあるけど、Brahms /Brucknerはそれ以外拝見したことがない。Brucknerに至っては「ユズッテクダサイ」との(英語にて)独逸人からのメールをいただいたこともありました。

真空管アンプに似合った音源というのも存在するのでしょう。上記カイルベルトもそう。それとも気分のせいか。Schubert 交響曲第9番ハ長調〜フランス・ブリュッヘン/18世紀管弦楽団(1992年)は昨年(2007年)8月オークションにて入手(3枚諸経費込み700円ほどにて/定価3,000円也)したものだけれど、”ピン!と来ない(猛暑のせいですか?)”と第1楽章で止めてしまったもの。で、今回はラスト迄楽しく聴けました。正直、やや苦手作品なんです。

第1/3/4楽章で繰り返し有。この際、第2楽章も(しつこく)繰り返して欲しかったが、緩叙楽章ではしつこ過ぎるかな?ワタシ、基本古楽器大好きオトコ故、マッケラス/エイジ・オブ・エンライトゥンメント(啓蒙時代管弦楽団)の薄っぺらく軽快な響きが好み!で、このブリュッヘン盤は所謂”古楽器臭さ”が相対的に少なく、かといって(フルトヴェングラーに代表される)浪漫派系演奏(少なくとも日本では)圧倒的人気風潮では軽視され、嫌われ、評価されず、一方で過激硬派古楽器派からも人気は出ない・・・のかも。(ピッチの低さに違和感ある人もいるでしょう)

つまり、素朴な味わい残しつつ、暖かく厚みのある軽快サウンドであり、そして終楽章は圧倒的快速で締めくくる・・・「終楽章は速すぎて、弾けていない」との評価も見かけたが、そうですか?これも”一糸乱れぬ近代管弦楽アンサンブルの精華!”の呪縛か。終楽章をだらだら演っていたら締まらない、とのブリュッヘンの深慮遠謀だと思います。18世紀管弦楽団、コクがあってエエ音で鳴ってます。たしかライヴですよね。

この間の売れ残り含め、オークション再出品しております。出品理由はいろいろで、例えばADAM バレエ音楽「ジゼル」〜カラヤン/ウィーン・フィル(1962年)は名盤と思うが、ワタシにはアナトール・フィルトラーリ/ロンドン交響楽団(1959年全曲MERCURYの名録音/カラヤンのは短縮版全曲)という稀少盤が手許にあるんです。作品聴取の頻度から考えて、この作品2種は必要なし、という判断でした。それにしても、ここ最近売れ行きが極端に悪い。不況への予感か。人生と同じように”波”があるのか。

Grieg 叙情小曲集 作品12/38/43/47〜アイナール・ステーン-ノックレベルグ(ノックレベリ)(p)(1993年)・・・ワタシの大のお気に入り作品であり、Grieg全集14枚組に含まれる一枚。その入手によってバラーシュ・ショコライ(p)の3枚(NAXOS)をオークション処分しました。(一年前はオークションにてそんな地味な作品もちゃんと売れた)ショコライは自在なる配置だった(それも悪くない)が、ノックレベルグは作品番号順でして、その一枚目。それこそいくらでも”叙情的”に表現できる、甘く懐かしく、儚い旋律連続だけれど、意外とさっくり、むしろ淡々と飾りの少ない地味な演奏に(むしろ)好感が持てました。これは冬の音楽だなぁ。それとも猛暑の中で涼むのに良いのか。(11枚目4枚目のコメント有)

昨夜(いつも通り)睡眠不如意であったこと、外は寒そうということで、終日お籠もり。断続的に音楽を聴き、サイト用原稿を貯めておりました。オーディオ環境を変えたときには苦手作品にトライ、というがチャンス〜Beethoven ピアノ協奏曲第3番ハ短調〜ウィルヘルム・バックハウス(p)/シュミット=イッセルシュテット/ウィーン・フィル(1958年)・・・これぞ定番中の定番/世評高い決定盤であります。(2005年に8枚組全集を1,650円BOOK・OFF入手)50年を経た録音としては極上、冷静に聴けば並の水準か。

エエ演奏ですね。ずいぶんと久々の聴取印象は”ジミ”であって、ベーゼンドルファーの響きは滋味で味わい深いが、技巧的にはやや難が感じられて、これはその後のテクニシャン多数排出比較の印象でしょう。盤石で落ち着いた味わいがあって、躍動やラッシュに欠けるが、往年の名匠達にそんな方向は期待しません。面白味がない、というのばそうなんだけど。ちょっと苦手克服の第一歩也。


●2008年1月某日

やや暖冬っぽいとはいえ、肌寒い雨模様。どこにも出掛ける意欲は沸きません。「CD在庫総量制限」の自主原則に則って、オークションにて落札した数量は売りさばきたい・・・ところが、この時期は音楽愛好家も出費不如意なのか@300円でも売れないものが出てきます。もとよりマニアな収集のため、一発ツボにはまれば高額競合にならぬこともないではないが、たいていはマニアック過ぎて一般市場では人気がない、どころか知名度まったくなし。(でも、先日はバーンスタイン/ウィーン・フィルのBrahms 交響曲第1番ハ短調正規盤が売れ残った/逆にポピュラー過ぎて皆持っているの?)

売れ残ったらちゃんと聴いてあげる、音源との出会いは縁ですから。

CONIFER CLASS 7050Copland 「市民のためのファンファーレ」/バレエ組曲「アパラチアの春」(1944年原典版)〜デニス・ラッセル・デイヴィス/セント・ポール室内管弦楽団+Bernstein 「キャンディード」序曲〜エリック・カンゼル/ロチェスター・ポップス管弦楽団+「ウェストサイド・ストーリー」(ポップ・アレンジ5曲)〜アルフレッド・ゲルハルト/プロムナード管弦楽団(録音年不明)・・・「市民のためのファンファーレ」は「料理の鉄人」のテーマ音楽であり、名曲「アパラチアの春」は13人の演奏者による室内楽であります。デニス・ラッセル・デイヴィス(1944年〜アメリカの指揮者)は最近Bruckner録音などで知名度は上がっているが、キャリア的に知名度低い実力派です。ここでも知的に整って抑制の利いた(少々地味な)演奏は悪くないと思います。それにしても安寧に充ちた名曲!マーサ・グラハムの命名らしいけど、「Spring」は春ではなく泉だ、という諸説もあり。いずれも旧き佳きアメリカ開拓時代の良心、みたいなものがひしひしと伝わります。

エリック・カンゼルは「1812年」の名録音(演奏に非ず/1978年シンシナティ交響楽団)で有名だけれど、この人、いつも演奏に元気がない?と思うんです。ロチェスター・ポップス管弦楽団との録音は貴重だけれど、演奏そのものは想像通り。ラスト「ウェストサイド・ストーリー」を聴いて、思い出しました。これで「このCD売り払おう」と決意したんですね。所謂”ムード・ミュージック”也。アレンジも演奏も悪くないと思いますよ。まったくの個人的嗜好問題です。(オークションは終了したが、興味有る方はご一報下さい)

昨夜のNHK「シリーズ 最強ウイルス 第1夜 ドラマ 感染爆発〜パンデミック・フルー」〜力作でしたね。内容的には文句なし。新型インフルエンザの脅威に警鐘を鳴らし、政府官僚組織の無力さ(だって厚生労働省だもん/例の)を浮き彫りして、しかもドラマとしての筋立てにも優れている。三浦友和はNHK向けだなぁ、母親を死なせた老父(地方を守る医師でもある)に反発し、大学の教授選に破れ、妻を脳腫瘍で亡くし、やる気を失って中小病院の副院長に納まっている・・・という設定のワリに、もとよりまともっぽいし、”劇的変化”が浮き彫りされない。もっとアクの強い俳優希望。おひょいさんがエエ味出してたな。父・石五郎(佐藤慶)もね。

Bruckner 交響曲第8番ハ短調(ハース版)〜ゲンナジ・ロジェストヴェンスキー/ソヴィエット国立文化省交響楽団(1984年ライヴ)・・・YedangClassics YCC-0047数ヶ月前に聴いていて「結論的にまるで納豆にウスター・ソースをかけたような、もしくは壮大なるBrucknerの偽物を見せられたような違和感有」との当時のコメントだったが、やはり聴き手の心身の調子でイメージ変わりますね。だから人様の嗜好を云々しちゃいけない。派手派手しい、金管の絶叫が説得力に聞こえないわけでもない。メリハリある軽快な爆発が、快感に思えなくもない。全78:46は早めのテンポだろうが、それ以上にさっくりとした、こだわりのない陽気な演奏に感じます。そのスタイルに(今朝はあまり)嫌悪感なし。

ワタシが一押しの第3楽章「アダージョ」(26:36/これもテンポ速め)だって、今朝は素直に愉しめました。


●2008年1月某日

体調相変わらずで、風邪症状再来かな?ちょっと咽が怪しい。なんせ(いつも)睡眠不如意なもので、昨夜(ツマらぬ二時間ドラマ見限って)早々に就寝したが、早朝覚醒はいつものこと。これから(毎週恒例)お仕事野暮用にちょっとだけ出掛けましょう。雨模様が鬱陶しいが。

昨夜〜今朝に掛けてGershwin連続。ラプソディ・イン・ブルー〜レナード・バーンスタイン(p)/コロムビア交響楽団(1959年)・・・言うまでもなく(おそらくはもっとも)著名なる録音であって、バーンスタインの体臭が色濃く反映したもの。先月アール・ワイルド盤を聴いたときには(バーンスタイン旧盤に)保留条件を付けたけど、刷り込みって恐ろしいですね。なんせこの演奏で出会って(中学校一年生)散々馴染んだから、久々の聴取に思わず身を乗り出しちゃいます。コロムビア交響楽団のバックがゴージャスで華やかでゴキゲン!ピアノは物憂い雰囲気があって、表現は入念繊細です。やや定位に問題あるが、録音も抜群の奥行きと鮮度を誇ってギョッとするほど。

”ジャジィなノリに不足する”という評価もあるようだけれど、こどものワタシは”これがシンフォニック・ジャズか”と納得しておったのです。カットがかなりあるけど、(当時)これしか聴いていなかったから、こんなもんだと思っておりました。ま、作曲者自演の録音は短縮版で、もっと短いが(SP収録の関係でしょう)で、今朝からそれを確認しておりました。

Gershwin ラプソディ・イン・ブルー〜ガーシュウィン(p)/ポール・ホワイトマン管弦楽団(1924年)・・・これもGrofe編(いろいろあるらしい)なんだけど、編成の小さなジャズバンド版です。これは軽快(薄っぺらい?)ノリノリの演奏でありまして、元々のテイストは現在聴かれるような、あんな立派なものではなかった、ということなのでしょう。ピアノ・ソロはまさに疾走する!といった勢いにあふれた即興的なものだけれど、実演はもっと凄かったとの噂。

続いて「パリのアメリカ人」〜作曲者/ヴィクター交響楽団(1928年)・・・これも演奏録音年代を考慮すれば、ずいぶんまとも(音質も)というか、響きやや薄く、軽快なる演奏に間違いなし。先月、バーンスタイン/RCAヴィクター交響楽団(1949年)の躍動する推進力に感心したが、ニューヨーク・フィル(1958年)だって(もちろん)Good!厚みのある明るい響き〜これも刷り込み也。

取引先に行き、所用を済ませて帰宅途中BOOK・OFFへ〜狙うべき価格帯(@250)の在庫は増えていたけれど、結論的にムリして購(あがな)うべきものでもなし、と判断しました。@750だったらいくつか魅力的なものはあったが、値下がりを粘り強く待ちましょう。


●2008年1月某日

早朝に目覚め、懸案の定例サイト更新実施。なんせせっかくの在庫原稿をパソコンの設定ミスで全部消してしまったので、落ち着かない平日の合間を縫って書き貯めました。先日、(老舗)ネット関係者と呑んだとき「読者の反応がない」(ブログほどの軽快さがないのか)ことをお互いに嘆いたけれど、これも時代の流れなのでしょう。「鈍感力」を鍛えて、粛々と自分の楽しみとして愚直に継続したいものです。本日、お仕事は締め切りの諸作業一気に仕上げて、昼から商談へ。そのまま帰宅予定。なんとなく勢いが付いて、オークションで2件計14枚のCD落札をしてしまいました。体調イマイチで職場飲み会不参加の為浮いた財源分でしょう。(結果的)棚中不良在庫(とは失礼なる言い種だけれど)を処分せんとあかんなぁ、最近売れ行きが悪いが。

Mozart 協奏交響曲 変ホ長調K.297b(ロバート・レヴィン編)〜ネヴィル・マリナー/アカデミー室内管/ハインツ・ホリガー(ob)/オーレル・ニコレ(fl)/ヘルマン・バウマン(hr)/クラウス・トゥーネマン(fg)(1983年)・・・楽器編成ともかく”決定盤”とされる世評高いものであり、名人ソロと溌剌軽快アンサンブルに間違いなし。しかし慣れというのは恐ろしいもので、クリラリネットとフルートの音色交代にどうも据わりが悪い。クラリネットって一種茫洋と落ち着いて、ノンビリした味わいあるじゃないですか。フィル・アップはオーボエ協奏曲ハ長調K.314〜ハインツ・ホリガー(ob)・・・ワタシとこの作品との出会いは小学生時代、ホリガー/シュッタトルマイヤ/ミュンヘン室内管弦楽団(当然LP/西ドイツ輸入高級銀レーベルのアルヒーフ)であって、ちょっと軽妙なる彼の音色印象はそのままでした。

当初の見込み通り、お仕事粛々と進行し、昼から取引先へ商談。かなりの難題残っているが、意外や和気藹々と話し合いは進みます。年末年始の数字は悪かったなぁ、がっかり。思惑通りにそのまま帰宅しました。途中下車してBOOK・OFFに寄りたかったが、雨模様なので諦めました。(来週にはオークション落札分CDが届くだろうし)

EMI 7243 5 67299 2 6    5枚組2,280円也BOOK・OFF在庫で気になっているCDには「フィンランディア」が含まれていたはず〜ということで、帰宅次第Sibelius 交響詩「フィンランディア」〜ジョン・バルビローリ/ハレ管弦楽団(1966年)・・・ところが音質異様にぱっとせず、あまつさえ”音飛び”が!ダイニングのコンポはあきまへんなぁ。メインのオーデイオに戻したら、ちゃんとした瑞々しいサウンドじゃないの。ハレ管ってSibelius になると特異なる充実度を誇っていて、バルビローリは”ツボ”にはまった指揮ぶり。なんとも言えずしっとりしております。「カレリア組曲」「ポヒョラの娘」「悲しきワルツ」「トゥオネラの白鳥」「レンミンカイネンの帰郷」・・・躍動、金管のド迫力、リズムの切迫感、オーヴァーな詠嘆・・・

明日、朝一番で野暮用こなして、とにかく三連休であります。嗚呼、2008年1週/52(51)週分終わった。心安らかに、ゆったりと音楽を愉しみたいもの。


●2008年1月某日

フツウに出勤して、お仕事計画通り消化してはいるが、どうも体調優れず。今朝はサイト更新用の原稿優先して「音楽日誌」執筆サボりました。お仕事中、発熱を感じたので早退しようと思ったが、結局定時で帰宅。どこかに寄ったり、飲みに行ったりする意欲も起きず。

SCRIBENDUM SC001早々に帰宅し、残っていた(安)赤ワイン飲みつつ音楽聴きました。Dvora'k 交響曲第9番ホ短調「新世界より」〜ルドルフ・ケンペ/トーンハレ管弦楽団(1971年録音)確認。うむ、これもなかなかエエではないか。颯爽とした躍動だったらロイヤル・フィル(1962年)のほうが上だろうが、フルートの音色が太くて重い、第2楽章のシミジミとした語り口、最終楽章盤石のラッシュも堂に入ったものでしょう。オーケストラの響きがちょっと”おとな”ですな。どちらが上かというのは少々コメントに苦慮、好みの問題です。


●2008年1月某日

寒いのぉ。北海道出身のワタシであり、学生時代”京都の底冷え”(しかも家の造りが華奢/暖房器具安易)を経験しているワタシは、理屈では”たいしたことはない”と理解しております。でも、変温動物が身動きできなくなるような、そんな(精神的)感触有。昨日、帰宅してから”お仕事段取り”一日勘違いしていた?と思い当たりました。もしかして一日分余裕かも。未だ、惚けております。

今朝から(昨夜の続き)Stravinsky 「ペトルーシュカ」(1990年)/「花火」(1990年)/「春の祭典」(1989年)〜エリアフ・インバル/フィルハーモニア管弦楽団聴いておりました。(寒さこらえて)メインのオーディオ機器で聴いたほうが、鮮明なる録音を堪能できます。

ややデッドで自然で鮮明な音質。オーケストラの技術は正確であって、良く歌っているし、サウンドの質感によそよそしさはなくて、基本クールな表情ながらなんとなく親しげです。サイボーグ的ではなく、ちゃんと血が通っている。正直、気に入りました。「春の祭典」1947年版ってどこが違うの?)「ペトルーシュカ」のリアルな音像はヘッドホンを使うといっそう効果的だし、演奏だって細部入念な味付けとリズム感に不足はない・・・でも、どこか不機嫌というか、ワクワクするような遊園地の喧噪ではないような気もしないでもない・・・不満という程じゃないが、もう少し聴き込まないと。
とは、数年前の感想。細部まで考え抜かれ、計算され、味付けされ、洗練された表現。

クール知的な演奏ならばいくらでも存在する(ブーレーズが大代表)が、作品に対して斜(はす)に構えているかのような、一歩引いたような印象ありますね。洗練されているが、響きが多彩ではない。基本、地味な方向か。いずれ、とても興味深いもの。「火の鳥」同様、「春の祭典」最終版の打楽器群の鮮明なる迫力はたいしたものです。

では、お仕事行ってきます。そういえば昨日朝は濃霧でJR大遅滞でしたっけ。

一日勘違いしていたお陰で、本日飛び込んだお仕事もちゃんと消化できました。(出来の良さともかく/書類届けていただいたらミス?を指摘されました。ま、こんなもんでしょ)ネットで注文したコタツ届きました。小さめ。昨シーズンまで使っていた大型家具調タイプは岡山に捨ててきたんです。これで今冬数ヶ月保たせましょう。


●2008年1月某日

寒い。いつからこんなにお仕事が楽しくなくなったのか。マズいなぁ、この状況。”基礎実務を粛々と消化出来るようにすること、パフォーマンス個性を第一義としない”〜とにかく耐え忍ぶしかない時期か。

Mozart 協奏交響曲 変ホ長調K.297b(ロバート・レヴィン編)〜ネヴィル・マリナー/アカデミー室内管/ハインツ・ホリガー(ob)/オーレル・ニコレ(fl)/ヘルマン・バウマン(hr)/クラウス・トゥーネマン(fg)(1983年)・・・待望の入手。作品詳細の意義はネット情報で引用させていただきます。旧来の版でも大好きな作品だけれど、出始めよりFM放送で散々馴染んだ演奏〜だったのに、肝心の聴き手の調子がよろしくなくて、「ああ、いつもとソロの担当が違う」程度の感想しか出ないのが情けない。

今朝聴いた、Tchaikovsky 組曲第3番ト長調 作品55〜ステファン・ザンデルリンク/アイルランド・ナショナル交響楽団(1992年)・・・これもピン!と来ない。終楽章「主題と変奏」はナマで聴いたことのある作品で、鮮やかなヴァイオリン・ソロ(ここではオードリー・パーク)に感銘を受けた記憶があったのに・・・

とにかく、なんとか自らを叱咤してお仕事に出掛けましょう。

夜は女房が遅くなる(親戚のところへ)ので、知り合いとでも、ひとりでも飲んで帰っても良いんだけれど、早々に帰宅しました。作業進捗80%でトラブルはなし。先行きの不安も(いまのところ/それほど)なし。昨夜は職場数人で飲んだらしいが、ワタシは体調が優れないのでしばらく自重です。

TELDEC 0630-18964-2 2枚組1,090円Stravinsky バレエ音楽「火の鳥」(1911年版/1989年録音)〜エリアフ・インバル/フィルハーモニア管弦楽団

ややデッドで自然で鮮明な音質。オーケストラの技術は正確であって、良く歌っているし、サウンドの質感によそよそしさはなくて、基本クールな表情ながらなんとなく親しげです・・・「火の鳥」は(自分なりの)評価に苦しむ、というか、まず録音がとても鮮明で驚きます。これは、英DECCA系やや人工的華麗でもなく、PHILIPS系ホールトーンを生かした中低音重視路線とも違う。やや残響少な目、あらゆる楽器の定位が明確で、打楽器の音の立ち上がりが、はっ!とするくらいクリア。ところが響きに、色気が妙に足りない。知的に計算されているし、アンサンブルも緻密。迫力にも欠けるものもないが、どうも不機嫌というか、さきほどの録音状態とも関係するのか、色気が足りない。でも、これは拝聴するに足る個性を感じさせて、しばらく聴き続けてみようと思わせる魅力もあります。「CLASSICちょろ聴き(34)」より)
帰宅してリビングのミニコンポで聴き始めたら、前半は収録音量が小さくて聴き取れない・・・が、ボリュームを上げ、やがて音楽の流れが見えてくると、神経質に緻密な演奏の様子が理解できました。打楽器の強烈さは特筆すべきものでしょう。上記コメントは2年ほど前のものだけれど、ネットで検索して発見〜つまりすっかり失念していたもの。音楽はエエ加減に聴き流しちゃツマラんな。早く春が来て、オーディオ部屋が暖かくなることを祈るばかり。(この部分、何故か復調なったノートパソコンにて更新)

追加。続くStravinsky 「幻想的スケルツォ」 作品3のきらきらとした響きの楽しさ、最高!作曲者の自演とさっそく比較してみましょう。13分ほどの作品です。インバルの棒裁きは鮮やか。


●2008年1月某日

2年弱という短い命でした。原因不明だけれど、ハード的な問題でしょう/帰宅して試しに起動してみたらなんら問題なく?動きます先週金曜の出勤は佳き予行演習であって、本日より本格的お仕事再開となります。寒く、眠く、そして倦怠感有。昨夜、好不調の波を乗り越えてきたノートパソコンは、ついに起動しなくなり、運良く起動しても即落ちる、という状況に陥りました。ダメか?と思ってから一ヶ月、様々手を尽くしてきて2008年を迎え、これで納得です。ジャンクとしてオークションに出品しましょう。

Haydn 交響曲第94番ト長調「驚愕」〜バリー・ワーズワース/カペラ・イストロポリターナ(1988年)/Brahms 交響曲第1番ハ短調〜ヤッシャ・ホーレンシュタイン/ロンドン交響楽団(1962年)・・・拝聴。Haydnは(かつて)馴染みの演奏であり、これは至極真っ当な、飾りの少ないバランス感覚があって名曲を過不足なく堪能させて下さいます。Brahms にほうは、厚みのある金管をみごとに捉えた録音が素晴らしく(ケネス・ウィルキンソン率いる英DECCAチーム)、ホーレンシュタインの表現はあちこち、ここぞ!というタメが決まっていて、驚くほど立派でした。モントゥー時代のオーケストラですな。先日来、「のだめ・カンタービレ」にてサワリが流れていたけれど、久々全曲を楽しく、満足して聴いた感触有。

ビミョーに楽しくないお仕事だけれど、トラブルがないだけマシと考えましょう。人生こんなもんですよ。体調いまいちで、声にリキがない、かすれております。昨夜ギブ・アップしたノート・パソコンだけれど、今朝試しにスイッチを入れるとスムースに起動します・・・何故?帰宅して、たった今現在もそれで(なんら問題なく)「音楽日誌」更新しております。なんだろう?ウィルスでないことはAVGでフル・スキャンして証明済。

平日はサイト用の原稿に手付かず、というか、音楽をゆっくり楽しむ気分ではありません。夕食摂りつつ、オーボエ協奏曲集(BRILLIANT 99525)ぼちぼち聴いております。BELLINI(変ホ長調/クアランタ(ob))/MRACELLO(ニ短調/グレッツナー(ob))/Albinoni(ハ長調/ウィリアムス(ob))/LEBRUN(ハ長調/レンチェル(ob))・・・多様な演奏家による寄せ集めもここまで徹底すればたいしたもの。クアランタの演奏が(バックも含め)少々弱いが、他はしっとり静かで素敵な作品/演奏ばかり。


●2008年1月某日

昨年大晦日にメール便送付したオークションのCDが、一週間経って未着と連絡有(2件)。3度目の経験だけれど、ヤマトさんにメール出しておきました。上手い具合に見つかればよいが・・・肝心の”売れ残り”は入札さっぱりです。昨日6枚購入したから、6枚減って下さらないと在庫調整ができません(自分で決めた勝手なルールだけれど)。

吉廣紀代子「恐くないシングルの老後」(朝日新書)・・・昨年2007年刊の新しい著作。これも題名と内容が異なります。売るための編集者の意向だろうか。非婚を選択した女性取材の”その20年後”だけれど、対象が少々”特殊”じゃないか。かなり強烈な主義主張、行動力、経済的な自立、人脈ネットワークをもった女性ばかりになるのは、レポートとして世間に出すには仕方がないのかも。「こういう選択もある」ということでは参考になるが、ほとんどの市井の人々は日々を何とか遣り過ごそうと懸命で、出たとこ勝負なのでしょう。間違いなく両親の介護があって、そして自らがその世界に飛び込んでいくこと。漫然と未対策の人々(含むワタシ/次男次女、ある意味理想的夫婦なため)への警鐘になるかもしれないし、ごく一般的なキレイごと、ありきたりなノウハウでないことは救いでしょう。

ワタシは臓器提供、献体、散骨を希望しております。戒名も格式張った葬式も要りません。

Gershwin 「ラプソディ・イン・ブルー」「パリのアメリカ人」「ピアノ協奏曲ヘ調」〜アンドレ・プレヴィン(p)/ピッツバーグ交響楽団(1984年)・・・昨日@250購入したもの。1971年録音(ロンドン交響楽団)は処分してしまって、1960年のみ、お気に入りとして棚中に残っております。(これもモウレツに楽しい!)「ラプソディ」にはカットがあるんですね、やはり。今朝、ちょっと体調いまいちで音楽に集中できていないのでコメント不可。

本日は昼からの初心者用エアロビクスに出掛けるか(女房はお友達とお食事)悩んでおります。ちょっと寒いからね。

ワタシのオーディオ/パソコン部屋が寒いので、南向けリビング兼食堂(狭いマンション故)のコンパクトなコンポで音楽を聴いているんです。これは音源をかなり選びまして、ほとんどが”聴き流し”BGMへと変貌しちゃう。で、さきほどのように「音楽に集中できていない」ことになっちまう〜こんな時には”おたく”な趣味へ。昨日購入の4枚組中Mozart 交響曲第40番ト短調〜ハルトムート・ヘンヒェン/オランダ・フィルが、既存所有のヘンヒェン/オランダ室内管弦楽団(1987年)と同じか?の確認です。(タイミング表示なし)結論的に第3/4楽章がくっついているだけで、タイミングは一緒。オランダ・フィル/オランダ室内管弦楽団はもちろん別団体だけれど、「ポストホルン」演奏家探索でも似たような団体違いは存在しました。

香山リカ「貧乏クジ世代」(PHP新書)・・・興味深い分析だけれど、難解・・・というか、1970年代生まれ「団塊ジュニア世代」の”実態/考え方”に付いていけない。だから、するすると読み進められない一冊。血液型とか、スピリチャルとか説教系占い師番組の大人気も、もしかしたらこの世代が支えているのか。例の”自分探し”が好きなのもこの世代の特徴かな?この世代の家族はびっくりするほど金を持っていない、とは聞いていたけれど、エリート高収入の人々でも幸せではないんですね。個人差、個性は各々だろうが、妙に説得力あるレポートであり、一方で”出口なし”的絶望感も感じます。

昨年末送付したCD未着分、本日無事到着したそうです。よかった・・・昼から決意を込めて、スポーツクラブへ向かうが、参加したエアロビクスのクラスの複雑な仕草にまったく付いていけず、失意のウチに途中退出〜それでも良い運動になりました。次回からは初心者クラスで行きます。己の実力を知ることです。


●2008年1月某日

昨日は当番出勤であったが、久々のお仕事でもさしたることはなくて、平穏無事な一日〜っていうか、ほとんど誰も出勤してない。ちょっとしたトラブル連絡を受けて、途中(居住しているところの隣町)甲子園口界隈へ。なんども通過しているが、降りたのは初めてでして、南側はそれなりの商店街だったんですね。定時でお仕事終えて、JR尼崎へ「新春・華麗(加齢)なる親父の集い」。ここも毎日通過するが、改札口出たのは初めて。おみやげ(CD)いただきました。楽しく2時間ほど談笑して健全に帰宅。

「のだめカンタービレ」見るためですな。じつは原作漫画も、テレビドラマも見たことはなくて、昨年末再放送で初体験。ま、シロウトの俳優さんが演じているワリには雰囲気出ている、というか、素材をクラシック音楽に取った”おちゃらけ青春映画”でけっこう気に入りました。音楽の使い方がとても上手。玉木宏は二枚目でカッコ良く、変人・上野樹里は「スウィング・ガール」以来の大ファン。二人の関係も面白くて(仲がよいのだろうが、肉体関係はないみたいだ)シュトレーゼマン (竹中直人)の怪優ぶりも決まっております。

さて、これから野暮用で取引先へ少々訪問。ま、基本休みみたいなものです。ちゃんと音楽を聴いて、サイト用原稿を貯めないと。書籍も数冊読みかけのままです。

出先まで30分ほど、滞在時間15分ほどで帰宅しようか、とも思ったが、正月恒例の「BOOK・OFF詣で」今年はしていないな、と思い立って、JR西宮にて下車。移動中は(珍しく音楽)Dvora'k 交響曲第8番ト長調〜ヴァーツラフ・ノイマン/チェコ・フィル(1982年)・・・昨2007年オークションにて仕入れたもので、フィル・アップなし36分ほどの超・贅沢CD也。(定価3,300円!)録音極上、オーケストラの音色もノイマンの表現も正直というか、実直、虚飾がなくて、細部までしっかり誠実に表現して下さって、これは基準となるべき演奏であります。

久々のBOOK・OFFは成果(@250CD)ありました。そのうちのひとつ(4枚組)Reader'sDigest 0360035-E-1-CIK(1,000円也)〜収録が凝っていて、Reader'sDigest 0360035-E-1-CIK(1,000円也)

Beethoven 交響曲第5番ハ短調〜ルネ・レイボヴィッツ/ロイヤル・フィル(1961年)/Dvora'k 交響曲第9番ホ短調「新世界より」〜ルドルフ・ケンペ/ロイヤル・フィル(1962年)(以上DISC1)
Mendelssohn 交響曲第4番イ長調「イタリア」〜マッシモ・フレッチャ/聖チェチーリア音楽院管弦楽団/Schubert 交響曲第8番ロ短調「未完成」〜チャールズ・ゲルハルト(ジェラート?ガーハート?)/ナショナル・フィル/Bizet 交響曲第1番ハ長調〜シャルル・ミュンシュ/ロイヤル・フィル(1963年)(以上DISC2)
Haydn 交響曲第94番ト長調「驚愕」〜バリー・ワーズワース/カペラ・イストロポリターナ(1988年/NAXOS音源か)/Brahms 交響曲第1番ハ短調〜ヤッシャ・ホーレンシュタイン/ロンドン交響楽団(1962年)(以上DISC3)
Mozart 交響曲第40番ト短調〜ハルトムート・ヘンヒェン/オランダ・フィル(CAPRICCIO原盤か?BRILLIANTと同一1987年音源か?)/Tchaikovsky 交響曲第6番ロ短調「悲愴」〜エンリケ・バティス/ロンドン・フィル(以上DISC4)
過半が「Reader'sDigest」録音であって、LP時代に馴染んだもの。Haydn処分済みで、Mozart が違う音源ならば既存所有とダブりなし。早速、Mendelssohn 交響曲第4番イ長調「イタリア」〜フレッチャ/聖チェチーリア音楽院管弦楽団拝聴。奥行きなく、異様に左右の広がりを強調した(あまりよろしからぬ)録音です。溌剌、勢いある楽しげ演奏だけれど、なんとなく木管のピッチが怪しいような気がしますね。続く、Schubert 交響曲第8番ロ短調「未完成」〜ゲルハルト/ナショナル・フィルは音質、演奏ともぐっとまともな、バランスの良いものでした。

早速、Beethoven 交響曲第5番ハ短調〜ルネ・レイボヴィッツ/ロイヤル・フィル(1961年)聴きました。LP(全集)処分以来十数年ぶり。SCRIBENDUMのCD復刻(2004年)の評判は悪かったようだけれど、ここではかなり音質良好です。緊張感と集中力に充ちた峻厳なる、というかかなりクールな演奏でして、テンポは速め(30分を切る)。威圧感でも強面でもない。スマートで非情な快感有。第1楽章終楽章繰り返しなしは残念だけれど、それさえそんな演奏スタイルに似合って、あっという間に全曲終了いたします。

Dvora'k 交響曲第9番ホ短調「新世界より」〜ルドルフ・ケンペ/ロイヤル・フィル(1962年)・・・購入検討時「もしかしてEMI録音か。ボックスに収録されていたか?」と少々悩んだけれど、帰宅して確認すると1957年ベルリン・フィルとの録音でした。それどころかっ!トーンハレ管弦楽団との1971年録音もあるではないか。いろいろと別録音があったんですね。ベルリン・フィル盤にはあまり良い印象を持っていなかったが、このロイヤル・フィル盤はなかなかの聴きものです。まず、録音がよろしい。金管の粗野な爆発が効果的でして、穏健派ケンペらしい端正なる表現を前提に、生き生きとした躍動感がありました。この作品に相応しい憧れとか、ウキウキと昂揚する爽やかさじわじわと広がって、ロイヤル・フィルとの相性もピタリ。


●2008年1月某日

さて、本日よりお仕事始め。今月「近況」に書いたように「耐える/待つ/動かない」を旨とする一年になるでしょう。なにもしない、ということではなく基礎実務を粛々と消化出来るようにすること、パフォーマンス個性を第一義としないということあります。昨日久々のスポーツクラブでカラダの節々に少々快い痛みがあるが、体重増は正月ゴロゴロしていたツケであります。本日より、ダイエットを目指したいが、早速親父仲間の新年会有。今朝、定例サイト更新。入魂原稿4本+α(書きかけ原稿数本)完全消滅(HD誤って初期化)のため(あわてて)書き下ろしました。

昨夜、滝沢秀明がNHK正月時代劇で女形を演じる「雪の丞変化」を拝見。有名なる筋書き、歴代著名な演じ手にて繰り返された演目であります。重厚な配役(悪役)陣、美しい衣装ともかく、筋立てが粗雑で話しにならぬ2時間でした。闇太郎(二役)との関わり合いにもなんら説得力感じない。唯一、戸田恵梨香が女性の壮絶なる執念怨みを表現して秀逸!滝沢人気一筋に負ったドラマということでしょう。残念。

Mozart コロネーション・ミサ ハ長調K.317〜こんどはエルンスト・ヒンライナー/ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団/合唱団・・・以前CAPRICCIOで所有していた音源であって、一方でPILZでも出ていたような?そんな記憶もあります。音質は悪化していて、10枚組(”CORPUS CHRISTI” DOCUMENTS 231061)中の「復活」(ノイホルト)にも似たぼんやりとしたものになっているから、今回プレスの性癖かも知れません。昨日のガエターノ・デローグ盤に比べ、柄が大きいというか、歌唱にも時代を感じさせる発声であって、逆にデローグ盤のモダーンなスタイルを再確認できました。

今朝、Mozart セレナード ト長調K.525(1968年)/第9番ニ長調K.320(1969年)〜ジョージ・セル/クリーヴランド管弦楽団・・・最晩年の録音であり、厳しい集中力アンサンブルにこそ愉悦感が宿る、といった立派な演奏。この人は録音で損をしているのでは?と感じます。豊満な響きとか、ゆったりとした柔らかさ、が表面に出ない辛口演奏也。フィル・アップが珍しくて、6つのドイツ舞曲K.509/メヌエット ハ長調K.406(383f)〜エーリヒ・ラインスドルフ/ロンドン交響楽団(1975年)・・・こんな音源どこから持ってきたのか。もの凄く立派な、堂々たる演奏でありました。


●2008年1月某日

正月休みは本日で終了。明日、通常出勤。体調完璧でなく、スポーツとは無縁のまま体重増が悔やまれます。夜はよく眠れました。が、久々”例のパターン”の悪夢を見ちゃいました。(ヴァリエーションがあったが)夢の中ではワタシは卒業時期を間近にした学生になっており、馴染みのストーリーはラストの試験日程が発表されるが、どの試験を受けたらよいかもわからない、どーしょう?卒業できん。北海道の両親に叱られるなぁ・・・と、うなされて目覚める、といったところ。(昨年一年間は珍しく見なかった)ワタシ実際は、ちゃんと4年で(追試を受けて)卒業就職しているんです。卒業証書もある。

今朝方の悪夢はこれに似て、ちょっと違う(基本同じ)。やはり卒業時期間近な学生になっており、大きな駅界隈から学校に向かおうとするんです。(実際の学生時代は至近距離から徒歩通学であった/これは通勤のイメージか?)途中クラス・メイトの女の子二人組と出会うが、これが高校時代、大学時代とごっちゃになっている。ちゃんとそれなりに勉強して、易々と卒業できる人々の象徴なのか?ワタシはいつもと違う出口に出てしまい、学校までの行き方がわからない。景色も馴染みがない。多くの人々が行き交っている。

おそらく今年は卒業できそうもない。働きながらもう一年足りない単位を稼ぐか。でも、第2外国語が不得意で中国語はちんぷんかんぷん、独逸語に今更変えても間に合わないか、と悩んでいる自分に絶望している・・・卒業30年に接近しても、こんな夢を見るんですね。

Mozart ファゴット協奏曲 変ロ長調K.191/オーボエ協奏曲ハ長調K.314/クラリネット協奏曲イ長調K.622〜ステパン・トゥルノフスキー(fg)/マルティン・ガブリエル(ob)/エルンスト・オッテンザマー(cl)/ヨハネス・ヴィルトナー/ウィーン・モーツァルト・アマデミー(1989年)・・・NAXOS初期の録音であり、意外と知られていないものだけれど、いずれウィーン・フィルの主席がソロを執っております。ヴィルトナーもウィーン・フィルのメンバーだったはずだし、オーケストラもウィーン辺りの主要オーケストラのメンバーらしいから、”生粋の”演奏であります。一昨年にコメントが残っていて、これぞ座右に置くに相応しい演奏であります。端正、丁寧な仕上げであり、技巧の切れ味だけが表面に出ない。

DISCOVER  DICD 920260 1994年録音 中古@250Mozart コロネーション・ミサ ハ長調K.317/ヴェスペレ(証聖者のための盛儀晩課)ハ長調K.339〜ガエターノ・デローグ/ヴィルトゥオージ・デ・プラガ/プラハ室内合唱団(1994年)・・・主にチェコにて活躍するイタリアの巨匠デローグの録音であり、DISCOVERレーベルは活動を停止している(みたい)から最近見掛けない音源であります。オーケストラ、声楽ともすこぶる生き生きとして、集中力と躍動に溢れます。前者はハ長調という調性に相応しい明るさとスケールを備えており、後者は陰影深く多彩な変化が楽しました。「ほめたたえよ ニ短調」の劇的な旋律、「主をほめたたえよ(ラウダーテ・ドミノム)ヘ長調」のココロ洗われるような旋律の美しさ・・・

一ヶ月ぶりにスポーツ・クラブへ。本日は暦上は平日だけれどら、いつもの「ボディ・ヒーリング」(ソフト・ヨガみたいなもの)に行けました。1月からスケジュールが変わっていて、日曜の朝一番メニューはちょっとハードで、ワタシら夫婦にはムリなんです。だからラスト。じわじわとカラダをいじめて、その後の風呂の爽快なこと!

ノートパソコン引き続き不調です。おそらくはハード的な問題であって、起動して即落ちる、ブルー画面が出現する。でも、そのうち安定して(こうして)ちゃんと動くようになります。困ったもんだ。様子を見ましょう。


●2008年1月某日

正月二日目にして既に思い悩むこと有、睡眠不如意は元旦早々昼寝のせいもあるのでしょう。食欲落ちず、どこにも外出せず、運動不足。椎名誠「活字の海に寝ころんで」(岩波新書)〜躍動する実践派エッセイだけれど、彼もとうに60歳を越えたのだなぁ、自分だって50歳だから仕方がない。彼の本はフツウあっと言う間なんだけど、(もっぱら読み手の集中力著しいダウンにて)読了に一ヶ月以上掛かってしまいました。

「辺境での食事」みたいなことが主眼だけれど、「アミノ酸の呪縛」に於ける”醤油の魔力”描写の秀逸なこと!安っぽいテレビのグルメ・リポーター(彼もお仕事だろうが)とは桁違いの”命の叫び”みたいなものがびんびん伝わります。「日本の乾杯」に於ける、宴会ビールが温(ぬる)まっていく無念さも(ビール党ではないワタシでも)よ〜く理解できる。彼は”知的理論的”文士ではないだろうが、じつは豊富な読書量と知的好奇心+行動力が説得力を作るのでしょう。

斎藤茂太「『いい人』が損をしない人生術」(PHP新書)・・・2005年の出版だから、亡くなる前年最晩年の著作(口述筆記らしい)か。ちょっとまとまりを欠く印象がありました。PHP新書らしい「説教系」であって、題名が安易というか「人生術」(内容とは全然違うなぁ)って、ノウハウに仕立てないと本は売れないのでしょう。「”親父”最後の説教」みたいな題名こそ相応しい。ワタシは「親父の説教」は大嫌いだけれど、斎藤茂太さんだったらいくらでもOK。”「うまい」とさけべば料理はうまくなる”〜はい、わかりました。家庭には権威(頑固親父)が必要なんだそうです。

NAXOS 8.111247 780円”元旦早々昼寝”の要因は、Bach ゴールトベルク変奏曲〜グレン・グールド(p)(1955年)・・・オーバート=ソーン復刻のNAXOS盤であって、比較対照として所有していた駅売海賊盤(これもなかなかの音質で、ノイズはむしろ少ないくらいだった)も昨年末オークションで処分しました。細部磨き抜かれ、表現し尽くされ、淡々と乾いた知的世界が広がります。もしかしたら手持ち音源中、もっとも聴く機会の多いものかも。この作品の逸話通り、ワタシはいつ作品が終了したことも気付かないまま、快い眠りに入っておりました。

このCDには前半にパルティータ第5番ト長調(1954年)のカナダ時代の録音が収録されており、彼の演奏スタイルは若い頃から変わらないことが理解できます。グールドの手持ち在庫は、この一枚と1981年録音の「ゴールトベルク」のみ・・・ほかすべて(のべ20枚ほど?)オークションにて処分済みだけれど、オリジナル80枚組を再購入する勇気未だ出ません。価格問題含め、時期を待ちましょう。(蛇足だけれどこのNAXOS盤ほか数枚が、新橋キムラヤでの最後の購入となりました/また気骨あるクラシックCD小売りが消えた)

Mozart 歌劇「ドン・ジョヴァンニ」〜ハンス・ロスバウト/パリ音楽院管弦楽団/エクサン・プロヴァンス音楽祭合唱団/アントニオ・カンポ/シュザンヌ・ダンコ/ニコライ・ゲッダ/マルチェッロ・コルティス/テレサ・シュティヒ=ランダル(1956年)・・・一枚目のみ。同年エクサン・プロヴァンス音楽祭での成功を受け、パリで録音セッションを別途持ったものだそうです。(噂ではライヴのほうがずっと良い、とのこと)「フィガロ」がとても良かったので、セットで再購入したのは2006年であります。現代音楽のスペシャリスト・怜悧なロスバウトとMozart というのは思わぬ組み合わせだけれど、音楽祭での10年に渡る成功の記録がこれであります。

ワタシに歌劇演奏の良し悪しなどわかろうハズもないが、男声が少々小粒?いえいえ、ロスバウトの引き締まった推進力を楽しみましょう。「ドン・ジョヴァンニ」って、夢見るように美しい旋律ばかりですし。

SONY 517494 2/2枚組1,380円(昨年末届いた)Mahler 交響曲第2番ハ短調「復活」〜レナード・バーンスタイン/ロンドン交響楽団/エディンバラ音楽祭合唱団/ジャネット・ベーカー(ms)/シェーラ・アームストロング(s)(1973/74年)・・・1958年〜1969年のニューヨーク・フィル音楽監督時代を既に終え、本格的欧州進出を果たした後の録音となります。スケール大きく、アンサンブルの仕上げも極上、恐るべき完成度の「復活」であります。旧録音(1963年)は未聴だけれど、おそらくは粗削りな熱狂→最晩年の重厚粘着質なスロウテンポの過渡期にあって、稀有なバランスを誇っているのでしょう。プレヴィン時代のロンドン交響楽団はしっとりとした響きで(少なくとも当時の)ニューヨーク・フィルより美しい響きを堪能できると思います。声楽陣も絶好調、終楽章のアツき盛り上がりにも文句なし。(唯一、音質が十全とは言えぬが)

Mahler 交響曲第5番 嬰ハ短調〜「アダージエット」(1968年ライヴ)・・・これは全曲録音とは別の、ロバート・ケネディ追悼のための演奏会収録とのこと。5年前の録音でもこの楽章は秀逸なる表現だったが、静謐と教会の残響がいっそうの荘厳さを加えております。

交響曲第8番 変ホ長調(第1部のみ)〜(1962年フィルハーモニック・ホール「リンカーン・センター開場記念公演」)ニューヨーク・フィル/ニューヨーク・スコラ・カントルム合唱団/ジュリアード合唱団/コロンブス少年合唱団/アディソン(s)/アマーラ(s)/チョーカシアン(ms)/トゥーレル(ms)/タッカー(t)/フラジェロ(bb)・・・これは想像以上の完成度であって、ライヴでここまでの昂揚とアンサンブルの集中力を実現して下さって、驚異的です。どうして、これに続けて全曲録音とならなかったのか?不思議なくらい(1968年盤より、賑々しい前のめり具合がエエかも/聴き手が元気なら)。

当時のニューヨーク・フィルって、出来不出来の幅が大きかったのか。音質も極上です。

Mahler 交響曲第2番ハ短調「復活」〜ギュンター・ノイホルト/ブレーメン州立フィルハーモニック管弦楽団/ブレーメン劇場合唱団/北ドイツ放送合唱団/ガブリエーレ・マリア・ロンゲ(s)/デローレス・ツィーグラー(a)(録音年不明ライヴ)・・・彼にはエミリア・ロマーニャ「トスカニーニ」交響楽団との1985年同作品ライヴ録音も存在するし、同じオーケストラ(ブレーメン)で第3番(1998年ライヴ)録音も存在します。得意作品なんでしょう。80分を越えるのでCD2枚分。10枚組(”CORPUS CHRISTI” DOCUMENTS 231061)購入以来3度目の挑戦也。せっかくの激安10枚組だけれど、その中でももっとも”失望した”ものとなります。

今朝、バーンスタイン盤を聴いたばかりだし、なんせ音質的に問題有。オフ・マイクで音が痩せていて、広がり狭く茫洋としている〜そこさえクリアできれば(ボリュームを上げるとマシかと思います)意外とまともな、それなりスケールも祝祭的雰囲気のある演奏でしょう。技術的な問題もない。但し、日常座右に置いて・・・という演奏とは断言できません。


●2008年1月某日

気分爽快にて新年明けました。快晴。昨夜はくじらのハリハリ鍋とかお刺身とか、ご馳走をいただいて「K-1」眺めておりました。(順当なところが勝ったな)12時前には眠くて、新年は(珍しく)熟睡中に迎えたことになります。初詣に行きたくてしょうがないが、喪中故女房に固く止められております。残念。昨日はやや体調不良で心配したが、しっかり眠って快復〜ヤクのお世話にならずに済みそう。左奥歯上下の鈍い痛みも久々完治〜やはり”熱”原因だったのか。

本日は、夜の(元旦恒例)「相棒」迄(アホ)テレビは見ないつもり。駅伝には少々ココロ動くが、あれは見出したら止められませんから。

サイト更新しつつ、年末相継いで悲劇を呼んだパソコン類の設定を楽しみたいが、雑煮を喰って(昨夜のくじらの脂によるダシ付加が秀逸)、珈琲を喫して、そして2008年音楽聴き初めは何にしましょうか?

HISTORY 205189-303/10枚組2,290円にて購入Schumann 交響曲第3番 変ホ長調「ライン」(1949年)/Brahms 交響曲第3番ヘ長調(1941年)/Dvora'k「スケルツォ・カプリチオーソ」(1940年)〜アルトゥーロ・トスカニーニ/NBC交響楽団・・・「ライン」は苦手作品の代表選手でして、2007年は一度も聴いていないし、バーンスタインの交響曲全集は購入以来一度も棚中より取り出していない・・・トスカニーニも聴く機会が少ないのは(ワタシ所有の怪しげ音源が)音質的にかなりヒステリックだという理由であります。

音楽って、その時の精神状態体調に左右されるのか、あまりよろしくない音質乗り越えこれほど「ライン」を愉しめたのは初めてかも。峻厳で集中力あるアンサンブル、颯爽とした推進力。Schumannの変幻自在、夢見るような旋律は(管弦楽作品以外だったら)大好きなんです。でも一歩間違うと、混迷の渦に旋律和声が埋没して、響きがくどくなっちまう。トスカニーニは一気呵成なる快速テンポ(30分!)で明快に聴かせます。新年早々、目覚めたぜ!

Brahms だって同様であって、期待の第3楽章「ポコ・アレグレット」(「さようならをもう一度」)もさっぱりとした表情ながら、鋼のように強靱+しなやかなる”歌”に痺れます。Dvora'kの剽軽+哀愁さえ感じさせる躍動するリズムにも文句なし。(ラストの昂揚に聴衆も思わず熱狂的な拍手有)ここまで辿り着くと音質云々はほとんど忘れております。これは聴き手の集中力問題か、2008年のMUSICLIFEはエエ出発ですな。

もうひとつ新年らしい音楽を。J.STRUASS 「皇帝円舞曲」「トリッチ・トラッチ・ポルカ」「美しく青きドナウ」〜トベルト・シュトルツ/彼の管弦楽団・・・ウィーン交響楽団(1966年)とも、ベルリン交響楽団(これは旧西の団体でしょう)との12枚組ボックス音源とも違うものらしく、ま、定評あるヴェテランにはモノラル時代からいろいろと音源があるのでしょう。あれこれ幾種類も収集すべきものでもない、しっとりまったりゆったり雰囲気タップリの音楽を愉しませていただきました。

女房は一人暮らしの母親が心配で、新年早々に出掛けていきました。ワタシは物欲もなにもなくて、出掛ける用事もなく、静かに室内にこもっております。音楽も連続して何時間も聴くほどの集中力はなく、読書も同様。デスク・トップのマシン設定はほぼ終わり、ノートパソコンに向かっております。なぜか快調。

昨年(2007年)末、衝撃の廉価で再発されたSchumannピアノ作品(全)集13枚組〜イエルク・デムス(p)(1974年)は、ネットで検索する限り、あまり話題となっておりません。(読者レビューでは高評価)既に数枚聴いていて、きょうは「謝肉祭」作品9/「アルバムの綴り」作品111/「アラベスク」作品18拝聴〜ずいぶんと抑制され、奥床しいジミな「謝肉祭」と感じました。これは数枚聴いた感想と同じものであって、きらきらと技巧を鮮やかに輝かせる演奏でもなし。比較対照で聴いた若手の溌剌とした表現にかなわないか、とも感じます。

でもね、「座右に置くべき」(外伝)に書いたように、このボックスは必要なんです。「嗚呼、あの作品ってどんな旋律だっけ?」「この若いピアニストのSchumannは鮮やかだけど、デムスではどうだっけ?」と、音楽を愛するものとして”標準”とすべき存在。「謝肉祭」はラスト少々盛り上がりに欠けるが、「アルバムの綴り」に於ける静けさ、馴染みの「アラベスク」だって抑制された味わいが素敵でした。

 

【♪ KechiKechi Classics ♪】

●愉しく、とことん味わって音楽を●
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written by wabisuke hayashi