Mahler 交響曲第5番 嬰ハ短調
(レナード・バーンスタイン/ニューヨ-ク・フィルハーモニック)
Mahler
交響曲第 5番 嬰ハ短調
レナード・バーンスタイン/ニューヨ-ク・フィルハーモニック/チェンバース(フレンチ・ホルン)
海賊盤(CBS) ECC656 1963年録音。1,000円で購入(処分いたしました)
CBS/SONY 66DC 5129〜31 第5/9/1番3枚組(有り難きいただきもの/定価6,600円!也)
2005年、ありがたくも正規盤をプレゼントしていただきました。当初、演奏の印象は(駅売海賊盤と)あまり変わらんな・・・詳細録音の件も含め、そのうちじっくり聴きましょう、と思いつつ数年経過。2007年も押し迫った12月、なんやかんやで旧録音全集が揃いました。音楽は嗜好品だから各々の好みがあって当然だけれど、自分の印象が揺れ動くことには(時に)閉口いたします。今回、この馴染みの粗削り熱血演奏に(初めて)深い感銘を得ました。
数年前のコメント↓とは(字面上は)ほとんど変わらんのです。整っていること、技術が正確であることがすべてとは思わぬが、アンサンブルが精緻でないのは(おそらく)誰でも理解可能。骨太な明るい響きはいつものニューヨーク・フィルだけれど、例えば金管ソロの荒れ、弦のアンサンブルのズレ、耳当たりの悪さ・・・これはバーンスタインが編集を許さなかったせいですか?以前のワタシなら、この辺りがとても気になったものです。ところが!
長年付き合った成果か?その”粗さ”を”勢い/熱気”が凌駕して、不快でないどころか、拝聴すべき個性と感じられるように。前のめりに急いた第1楽章はもちろんのこと、かなりバラバラな演奏印象の第3楽章「スケルツォ」でも、粗野で賑やかなるな迫力として好感を以て受容できました。表面の磨き上げより、流れと勢いを重視した結果か。
第4楽章「アダージエット」は、以前から賞賛の対象でしたね。「とことんエッチにノーコーに演やってくれていて、ここ文句なし」と。細部熱狂的に情念を込めて、バーンスタインの鼓動が伝わるように揺れ動き、思わせぶりな「間」も「吐息」も存在します。厳密に言えばピッチが時によろしくないが、それは勘弁していただきましょう。数多い名演奏を生んでいる楽章だけれど、この演奏こそひとつの典型としてノーミソに焼き付いて離れない。
終楽章、前向きな希望に溢れた光が見えます。弦も管もアンサンブルはやはり、キッチリとは整っていないでしょう。”盤石”ではなく、お尻がムズムズするようにそわそわ浮き立った雰囲気が幸せ。バーンスタイン未だ40歳代の壮年ですもんね。大団円にきっちりまとまり付ける、そんな感じじゃないんです。こんな陽気な熱気溢れて、落ち着かない結末もエエじゃないか。
音質のことは自信がないけれど、「音が乾いており、残響少なく、奥行きも足りない」という基本線ともかく、正規盤(と言っても1988年のCDだけれど)では自然さが不快ではない。音質印象というのはバカにできないものです。駅売海賊盤は処分済みなので、比較対照は不可能ですが。 (2007年12月28日)
2004年再聴です。じつは、昨年(2003年)末より、同じニューヨーク・フィルだけれどワルターの「復活」(1957/8年録音)を繰り返し聴いていて、その関係で聴き比べにしたもの。録音当時、このオーケストラは完全にバーンスタインの手中に収められていて、熱狂的な人気を博していた時期のはず。数年前(1999年頃?)のコメントでは「アンサンブルが粗い」「録音が悪い」といった印象〜と。なるほど上手いこと言ってますよね。我ながら。
「音が乾いており、残響少なく、奥行きも足りない。結果、アンサンブルに甘さがあるところが目立ちます」とも。う〜む、数年後のワタシもその通り感じました。ワルター「復活」の録音だって盤石とは言いかねるが、数年後のこちらはうんと落ちます。アンサンブルの水準もね。「冒頭のちょっと震えるトランペット」〜これ問題あるんじゃないの?この間、アバド/シカゴ響(1984年〜滅茶苦茶オーケストラが上手い!)なんかタップリ聴いちゃったからですか。
なんか、ごちゃごちゃで響きが濁って、いやもう勢いだけでっせ、この際、みたいな演奏です。正直、この時期のニューヨーク・フィルってかなり問題有、というか、出来不出来に差があったのかも知れません。泣き叫んで、これでもか!というくらいクドく絶叫して、テンポも激しく揺れ、第1楽章から聴いていて「この演奏は破綻しているのではないか?」との疑念も生まれました。縦線も全然合ってません。細部の仕上げが粗っぽい。
第3楽章のホルンは「ジェイムス・チェンバース」とクレジットされるくらいだから、野太い迫力魅力爆発です。やや遅めのテンポで堂々としてるが、なんとなくバラバラな印象は否めない。「アダージエット」はいいですね。まるで官能的な映画のサウンド・トラック(音の粒が少々粗い)みたいな味わい横溢して、主役である男女のカラみと吐息を連想させるような濃密なる雰囲気。いや、とことんエッチにノーコーに演やってくれていて、ここ文句なし。
終楽章のアンサンブルってヨレヨレじゃないですか?でも、勢いと熱気は最後まで途切れません。これは元気で若かったアメリカの時代の証言なんでしょう。バーンスタインのMahler 旧録音は、ほか第8番くらいしか聴いていないかな?音の状態は駅売海賊盤故でしょうか。どなたかご教授下さい。(2004年4月9日)4・5年くらい前の文書はそのまま以下に有。
バーンスタインはメジャーな存在だったので、あまり興味はありません。60年代迄の録音は好きですが、CBSが廉価盤に不熱心なもので。
もうずいぶん稼いだでしょ?バーンスタイン1,000シリーズ(なんだったら800円でも)の系統的な発売を心より望みます。
NYPO時代のバーンスタインといえば「アンサンブルが粗い」「録音が悪い」といった印象がありますね。でも、なんか「ワタシが世界の正義だ」時代のUSAの勢いを感じました。「情熱」です。「新世界/未完成」(バーンスタンのド・アップの顔写真がジャケット)の兄のLPは、隣で聴いていたワタシも虜にしてしまうほどの勢いがありました。(いま聴くのは恐いけれど)
いや、凄い演奏ですね。冒頭のちょっと震えるトランペットから、強烈な入れ込みと熱狂で、全曲どこかしこと、入念にえぐり取ったよう。頻出するテンポの揺れのショック。まだバーンスタインが若々しくて、強引で、そこも魅力的。マーラーゆかりの名門オーケストラですからね、気負いも感じられます。
アンサンブルの表面を整えることよりも、明らかに指揮者の主張と個性を優先させた演奏で、充分拝聴すべきアクの強い個性となっています。もしかして、オーケストラが上手くないのかも知れない。迫力や重量感はタップリだけど、デリカシーに少々欠けるかも。音色は明るい。
有名な「アダージエット」が最高で、息詰まるよう。しつこく濃厚な表情付けがクドく、緊張感を呼んで凄い。聴いていて疲れます。無個性で表面だけを整えたような、凡百な演奏は見習って欲しい。しかし、好き嫌いは分かれるでしょう。
「オマエはどうなの?」と訊かれると困る。正直云って、この演奏は少々引いてしまう。(数多いバーンスタイン・ファンの皆様、ごめんなさい)
録音はいまひとつ。音が乾いており、残響少なく、奥行きも足りない。結果、アンサンブルに甘さがあるところが目立ちます。同じ「入れ込み系」でも、テンシュテットなんかもっと精密だと思うのですが。激安海賊盤の音源としては、ウィーン・フィルとの「大地の歌」はよく見かけますが、他の曲も登場して欲しかったところ。
【♪ KechiKechi Classics ♪】 ●愉しく、とことん味わって音楽を●
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