Gershwin 「ラプソディ・イン・ブルー」
(プレヴィン(p)/コステラネッツ管弦楽団)


Gershwin 「ラプソディ・イン・ブルー」(プレヴィン(p)/コステラネッツ管弦楽団) Gershwin

ラプソディ・イン・ブルー
ピアノ協奏曲ヘ調
「キャット・フィッシュ・ロウ(ポーギーとベス)」より5曲

プレヴィン(p)/コステラネッツ/彼の管弦楽団

CBS MBK46270 1960年録音  800円

 2005年再聴。もう7年ほど前の以下の文書は少々感傷的ですね。ワタシはパソコンやらネットは大好きだから「Google」検索で、たったいま聴いている音楽(へのコメント)をよく検索します。(自分のサイトが出てくるのは微苦笑もの)有名な「ラプソディ」はともかく、さすがに「ピアノ協奏曲ヘ調」への言及は相対的に少ない。で、似たような収録のCDを聴いて「まったくツマらない作品」とのコメントを発見・・・ああ、またこの人だ。以前にVivaldiの協奏曲作品8-5〜12(有名な「四季」に続くもの)でも、同じようなことを書いていらっしゃった。

 自分のサイトに何を書いても自由だけれど、「人の嗜好は様々」「意見の多様性は民主主義の基本」と日頃主張するワタシでも、これは看過できませんね。誹謗中傷であり、音楽の悦びを広げる作業とは無縁の乱暴なるコメントでしょう。「云々の理由でワタシの好みから外れる」とか「まだ作品の真価を発見できない」ことはあります。この方のパターンは、有名知名度の高い作品と一緒に収録されている、やや知られていないほうの作品を「ツマらない」と一蹴することなんです。なんという浅薄なる音楽の聴き方!冒涜。閑話休題(それはさておき。文章が汚れる!)・・・

 ワタシはこのCDを聴くたびに、嗚呼、音楽って楽しい、という原点みたいなものを感じます。学生時代〜若い頃は現在ほど「クラシック音楽」に入れ込んでいなくて(ずっと聴いてはおりましたが)、それでも「ラプソディ」は聴きたくて1,200円で購入したLP。「ポーギーとベス」(ディスコグラフィによるとプレヴィンは参加していない)は収録されなかったが、それがこの演奏でした。軽快、ノリノリ、熱気、華やかな技巧、明るさ、すべてが揃った希有な体験。プレヴィン当時31歳〜ジャズの気鋭として有名だった時代。録音も極上。(唯一の弱点はカットがあることか)

 これ以上のコメントは思いつかないが、以下蛇足。「ラプソディ」はGrofe編曲だそうで、本来もっとチープで気易くて、カルい味わいだったらしいですね。このシンフォニック・ジャズ風アレンジも存分に楽しいが、原典のスピリットみたいなものは残して欲しい。素敵な旋律だし、ピアニストの腕の見せ所!的奮闘で一般的に立派に(浪漫的に!)演奏し過ぎちゃう、それが時に、活力やら勢いに水を差すことになりかねない・・・このCDは、粋で鯔背なイケ面兄ちゃんがカッコ良く、スマートに演奏してます!的味わいに溢れて(後年のプレヴィン再録音/再々録音含めて)他とは一線を画しました。

 それにしては協奏曲ヘ調のモウレツなノリ!(表現ともかく)以下に書いたとおり、有名なる「ラプソディ」の興奮がそのまま30分に延長されて堪能できる、と思って下され。(こちらのオーケストレーションはGershwin自ら、とのこと)正直なところ、手持ちニブリー(p)/スタインバーグ/ピッツバーグ響(MCA)で聴いたら「別な曲?」と見紛うばかり。最近購入した、リシェ(p)/マーシャル/ベルリン放送交響楽団(2003年)では、歯応えのある、モウレツなスピードと重量感で押し寄せるオケ、「ジャズ・テイストのクラシック」としてではなく、「20世紀のピアノ協奏曲 VOL U」と題したように、近現代の前衛的音楽としての硬派で明快な演奏でした。

 「ポーギーとベス」だって、お気に入りで手許に何種CDがあるだろうか。これは既に「クラシック」となった魅惑の旋律です。時に欧州地方オケでの録音を聴くことがあるが、味わいが違いすぎて少々驚くこともあります。これはコステラネッツという(アメリカにて)驚異的な人気を誇った指揮者の実力を思い知らされる熱気、リズムの良さ。

(2005年3月25日)

   


 「念ずれば通ず」・・・・・・・日頃ひときわ神仏に対する敬意薄いワタシが、心から「運命(さだめ)」感じ入ったCD。(演歌みたい)

 「ラプソディ」は、中学校の音楽室にあったバーンスタイン/コロムビア響のLPに一発で痺れて以来のLoveLoveな曲。高校〜大学時代ロック・ミュージック方面へと集中していたワタシも、この曲は別格扱いで、当時1,200円で出ていたこのプレヴィンのLPを愛聴しておりました。

 プレヴィンは3回この曲を録音しており、いずれも世評高いもの。中学生だったワタシはプレヴィン/LSOの新録音(当時)を生意気にも買っていました。(2,000円。現在の体感では20,000円か)高校を出るとき、持っていたLPは全部売り払ってしまって「もうクラシックは止めだ」と決意したのに、回帰を促した1枚がこの曲。

 その後LPとの悲しい決別の時、「またいつの日にか再会を」との決意空しく、幾年月。

 それは1997年の秋、日曜日の博多・天神の街角でプレヴィンの「ラプソディ」のピアノを頭の中で鳴らしながら「嗚呼、いい演奏だったなぁ」と溜息を付きながら入ったヴァージン・メガストア。「800円均一在庫処分」のカゴの中で、ワタシをひっそり待っていてくたれた可愛いCDよ。再会の歓喜。

 このときプレヴィンはジャズ畑の人だったし、30歳そこそこの若さもありました。やや早めのテンポで、軽やかで輝くような弾むリズム。これしかない!と思わせるノリのよさ。LP時代に愛聴した思い、記憶の中で鳴り続けた音楽にに寸部の間違いもありません。

 コステラネッツの伴奏は、こういう曲にはピッタリの明るさと上手さ。この人はモノラルLP時代に「猛烈に売れた、一家に一枚あった」との話しを聞いたことがあるので、世代的にはワタシの両親くらいの人たちのお馴染みでしょうか。録音が良好なのも驚き。

   「協奏曲」も凄い。

 まさに本場(あまりこんな表現使っちゃまずいか)もん、ガーシュウィンに絶対必要なスウィング感に満ち溢れています。物憂い雰囲気のスローなところと、高揚しつつテンポを上げて行くところの見事なノリ。「ラプソディ・イン・ブルー」に負けない楽しさが30分続きます。

 「ポーギーとベス」からの数曲はLP時代には入っていなかったもので、ピアノなども入った自由な配列となっています。みんな知ってるガーシュウィンの名旋律の数々。


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written by wabisuke hayashi