イギリス管弦楽名曲集
(エイドリアン・ボウルト/ウィーン国立歌劇場管弦楽団)


MCA  MCAD29813B Vaughan Williams

グリーンスリーヴスによる幻想曲
イギリス民謡組曲
トーマス・タリスの主題による幻想曲

エイドリアン・ボウルト/ウィーン国立歌劇場管弦楽団

Elgar

序奏とアレグロ 作品47

Britten

前奏曲とフーガ 作品29

ヴィクトール・デザルツェンス/ローザンヌ室内管弦楽団

MCA MCAD29813B 1959年録音 「惑星」と合わせて2枚2,000円で購入

 2003年再聴です。このCDは(c)(p)1988だから、ワタシのCD収集の極初期の頃の一枚。LP収集にやや煮詰まっていた頃で、スタインバーグの「惑星」がCDで手に入ったので、もう一枚の「惑星」(ボウルト/ウィーン国立歌劇場管弦楽団)は売り払ってしまった、という大バカモノであった頃に購入。あれから数百円の中古盤を再度探しているけど、1,714円の正規盤は買えないや・・・・閑話休題。

 じつはボウルト/ロンドン・フィル/ニュー・フィルハーモニア管/ロンドン響によるVaughan Williams(以下、Vaunghan Williams)交響曲全集+主要管弦楽曲集8枚組(EMI 5 73924 2  3,360円)を購入しまして、少しずつ痺れまくりつつ聴いているところ。2枚目に「タリス」が、7枚目には「グリーンスリーヴス」も「イギリス民謡組曲」も収録されていて、ああ、これがほんまに横綱相撲の自然体。この曲、大好きです。LP時代はバルビローリで愛聴。出会いはフィードラー

 ま、下の数年前の文書はいつも通り、恥ずかしくて読むに耐えません。想像だけど、LP時代はVaunghan Williamsのみ3曲で一枚だったんじゃないかな。収録的におかしくないね。少々短くても。イギリス音楽、と一口で言っちゃうと語弊があるけど、おおよそ「静かに深呼吸するような音楽」「上品で真摯」「淡彩な切なさ」でしょうか。BRHAMSの世界にやや似るが、あくまで涼やかな響きが魅力。年寄り向けかな?

 「グリーンスリーヴス」〜正直、この曲に演奏の良し悪しなどあろうはずもなし。わずか5分弱の悦楽。感涙。脳髄が痺れます。このやや古い録音もなんの不満があろうか?〜って、やっぱり音の鮮度がややおちるし、ロンドン響との録音(1968年)に比べると、オケの響きに違和感がないでもない、少々温度が高いというか・・・・と、いうような文句を言うようになった数年後のワタシ。素直に音楽を楽しむには、精神に雑念が多い状態を意味していて、反省するばかりか。

 でも「イギリス民謡組曲」は、1970年録音(これもロンドン響)と比べてなんら損傷はない。これは誰でも知っている懐かしい旋律に存分に浸れること、まったくもって保証できます。素朴で、ちょっと粋で、味わい深い。そして剽軽で楽しい。

 「タリス」はね、「グリーンスリーヴス」があっという間に終わってツマらない、という人々のためにある曲なんです。だいたいWESTMINSTER(レーベル)での「VIENNA STAT OPERA ORCHESTRA」とは、フォルクス・オーパーのことを指す場合が多いとされるが、文字通りの「ウィーン国立歌劇場」でもおかしくない水準の弦の練り上げ具合が存在します。この曲、湿度の高い澄んだ空気が、広大なる青い野山を覆い尽くすような感触がある。

 残りのElgarとBrittenは演奏者が交代しました。デザルツェンスなんて、ほんとうに懐かしい。昔の廉価盤にしか登場しませんよね。ローザンヌ室内管の録音だって珍しい。これが意外なほどしっとりしていて、まったりとした気持に浸ることができるんです。

 「序奏とアレグロ」って、題名は素っ気ないが、弦楽四重奏と弦楽合奏との「嘆き合戦」なんです。正直、かなり後年になってアンドルー・デイヴィスだったかな、もっと浪漫的でタメのある演奏を聴いちゃうと、やや素っ気ないような演奏ではあります。Elgarは英国音楽中ではもっとも濃厚な味わい〜これはこれでたまらない魅力。

 Brittenはもっとセンスが現代的です。そして躍動が存在する。ずいぶんとその後CDは聴いたが、この曲はこの演奏以外聴いたこともありません。(2003年4月4日)

 以下、(おそらく)4年前の恥ずかしい文書もそのままに。


 誰でも知っている「グリーンスリーヴス」。これは本当に名曲ですよね。フルートと弦とハープだけというシンプルな編成ながら、フルートの朗々としたソロにハープが低音で絡まってくる冒頭から、切々とした弦の泣きに至るまでゾクゾクしますね。曲の印象から云ってバルビローリが一番でしょう。LP時代はちゃんと1,000円盤で出ていたので愛聴しておりました。でも海賊盤も含めてなかなか輸入盤・廉価盤で出てくれない。(2000年ついに購入!)

それを埋めて、余りあるCDがこのボウルトの素敵な1枚なんです。

 ウィーン国立歌劇場管弦楽団との珍しい組み合わせで、「惑星」との2枚セットで買ったのに、一時の気の迷いで「惑星」のみ売ってしまったバカなワタシ。きっとLPのときは、デザルツェンスの2曲は入っていなかったのだと想像します。録音は意外と繊細で、いい感じのステレオ。

 ゆったりとしたテンポで、自信たっぷりの悠々とした歌。オケの実体はフォルクスオーパー辺りでしょうか、ボウルトにかかると、立派で骨太、いきいきとしたアンサンブルになるのは不思議です。弦も管楽器も練り上げられた響きで、貫禄充分。泣かせます。

 聴く機会の少ない「イギリス民謡組曲」は、誰もが知っている懐かしい旋律ばかり次々と飛び出します。初めて聴いても「初めて」とは思わないでしょう。「タリス」の深い呼吸の見事さは云うまでもありません。こんなに楽しく、美しい演奏は貴重。

 デザルツェンスの指揮で近代イギリスの作品が2曲フィル・アップされていて、余白の穴埋めとは云えない、これもRVWに負けない名曲。

 エルガーは、現代の合奏協奏曲(たしか弦楽四重奏と弦楽器の組み合わせ)に、「泣き」の旋律がのった名曲。一つひとつの旋律をいとおしむように、ていねいに演奏しています。編成の少ないオケが清潔な響きですが、さすがにボウルトに比べると貫禄は少々落ちる。 

 ブリテンは、リリカルで現代的な味わいの曲。後半のちょっとおどけた快活なフーガが魅力的です。ローザンヌのオケは、響きが少々地味ながらわるくありません。音の濁りがちょっと気になるものの、後半のアンサンブルの技術はなかなかのもの。


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