Brahms 交響曲第4番ホ短調
(クリスティアン・マンデール/”ジョルジュ・エネスコ”・ブカレスト・フィル)


ARTE NOVA 74321 46493 2 (BVCC-6060) Brahms

交響曲第4番ホ短調
ハンガリー舞曲第1/3/5/6/7/10番

クリスティアン・マンデール/”ジョルジュ・エネスコ”・ブカレスト・フィルハーモニー

ARTE NOVA 74321 46493 2 (BVCC-6060)  1996年録音  250円で購入

 最初に余計な話を・・・この作品は、子供時代ベイヌム/コンセルトヘボウのLP(グロリア・シリーズ900円也)で出会った(馴染んだ)作品であり、ワタシはCDでの格安入手を狙っていて未だにその機会を得ません。また、マンデールをはじめとする「ARTE NOVA」のBrahms 録音集成のボックスはかなり以前より購入し、そして数年前ご近所BOOK・OFFにて処分いたしました。(この文書執筆時点、未だ買い手が付いていない)で、つい先日、出張先・広島のBOOK・OFFにて再会入手した一枚であります。これも何かの縁か、それとも単なるアホか。(後者の可能性が強い)

 「音楽日誌」では

オケのサウンドとして深みは少々足りないかも知れない(録音の個性もあるのか)が、良く歌って美しい、鳴りっぷりも充分な演奏として推奨できます。悠々と、やや遅めのテンポでのびのびとした旋律表現がお見事。ルーマニアの知名度低いオケをバカにしちゃいけないよ。
とのことだけれど、これはポータブルCDプレーヤー+イヤホンでの聴取結果であって、部屋のコンポだともう少々印象も異なります。それにしても、Brahms の交響曲聴取はずいぶんとお久しぶり。

 たしか、クリスティアン・マンデールはチェリビダッケの弟子筋のはずで、たしかに表現に相通ずるものがありますね。悠然と、息の長い、しつこいくらいの節回し、タメ・・・細部の彫琢。「ルーマニアの知名度低いオケをバカにしちゃいけないよ」〜とはその通りだけれど、オケそのものの素の魅力、会場音響を楽しみたい(ハイティンク/コンセルトヘボウが代表例)ワタシとしては、バカにはしていないが、必ずしも”魅力あるサウンド”とは断言しがたい。技術的な不備とか、アンサンブルのテンションに問題はない(おそらくはマンデールの努力賞)けれど。そんな贅沢言っちゃうと罰当たりますか。

 第1楽章の詠嘆は、息深く、悠然として急かない。テンポはどんどん遅くなるようであって、間も存分にとって、旋律表現の味付けの濃さは尋常ではない水準。「鳴りっぷりも充分」というのは言い過ぎで、マンデールの入念なる細部配慮で、オケは叱咤激励されているでしょう。響きそのものはとてもジミであって、それはこの場合あまり誉め言葉とはなりません。色彩に欠ける。と言うべきか。

 ホルンの無機的な旋律が、やがて無限の変化を経て美しい幻想に至る第2楽章「アンダンテ・モデラート」。抑制され、静かなテイストのまま、弦の雄弁かつ繊細なる歌に至りました。この辺りの盛り上げは上手いもんですね。ホルンには、もう少し”味”が欲しいところ。スケルツォである第3楽章は中庸のテンポで元気良く、表情も明るくテンションを維持しております。響きには、いまひとつ”芯”が欲しいところ。

 終楽章は、第1楽章同様、ゆったりとしたテンポでものものしく、足取りしっかり、たっぷり歌われます。その、個性的な表現の徹底には少々驚かせられました。微妙なテンポの揺れ、ニュアンスの徹底指示、時に止まりそうになるくらい溜息。ワタシは全曲を通して、立派な、個性的な演奏と感じました。但し、あまりに著名なる作品、そして歴代名演奏を聴いてきた耳には、最終楽章に向かって少しずつ、サウンドの洗練度合いが気になりだしたものです。こんなのは贅沢なる戯れ言なんだろうが。

 ハンガリー舞曲6曲分収録は、配慮あるフィル・アップだと思います。なかなか快調ですよ。意外と正統派でして、もっとうんとクサく、滅茶苦茶テンポをいじって欲しかったけれど。

  (2006年11月3日)


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written by wabisuke hayashi