Respighi 交響詩「ローマの噴水」「ローマの松」
エルネスト・アンセルメ/スイス・ロマンド管弦楽団


AILE DISK  GRN-596  250円で購入 Respighi

交響詩
「ローマの噴水」
「ローマの松」

エルネスト・アンセルメ/スイス・ロマンド管弦楽団

AILE DISK(英DECCAの海賊盤) GRN-596 1963年録音  250円で購入

わずか30数分の収録。でも250円だから許しちゃう。この曲、優秀で馬力あるオケでバリバリ派手派手しくやって欲しいが、アンセルメの「ツボ」を押さえた演奏は悪くない。やや怪しいパートはあるものの、全体に華やかで、品が感じられる。これは貴重な個性で、消え去ってしまったものでしょうか。録音の良さもあるんだろうな。オケがよく鳴って、モウレツに盛り上がって楽しい。「CLASSICちょろ聴き」より)
 千度言い訳して醜いが、道義的な問題有海賊盤が@250にて魅力・興味ある音源が中古屋に出現すると、(こっそり肩をすぼめつつ)レジに行ってしまう。ちゃんと音源として音楽を聴ける(これこそがじつはディジタル媒体の大問題)と言う喜びに浸ってしまいます。ワタシはアンセルメ盤でこの名曲に出会ったワケじゃないが、これほど楽しんだ演奏は正直、稀。各曲、ちゃんと4つずつトラックに分かれているのもありがたいご配慮ですな。(当たり前だが、そうでない正規盤も有)

 ネットで検索して某サイトで偶然見掛けたが、オーディオ条件の整ったレコードでは筆舌に尽くしがたい魅力ある音質だそうで、CDではそれは再現できない、とのこと。ましてや駅売り海賊CDなんて・・・という比較も出来ず(素直にこの音質で)感動しているワタシは幸せ者でした。演奏は上記「ちょろ聴き」に言い尽くされているようで、”優秀で馬力あるオケでバリバリ派手派手しく”系ではないのは一目瞭然。

 例えばもっとも盛り上がるべき「アッピア街道の松」での”オケがよく鳴って、モウレツに盛り上がって楽しい”のは事実だけど、剛力威圧推進系じゃない、もっと華やかで上品、良い意味であまり機能的過ぎず、上手過ぎない。手持ちライナー/シカゴ響(1959年)の圧倒的緻密機能的アンサンブル(これも文句なく爽快だが)とは別世界の、やや緩い粋(いき)、みたいなものが感じられて、つまり味わい系の代表か。

 スイス・ロマンド管は(フランス語圏)スイスのオケだが、現代では消え去ってしまった、腰のカルい、厚ぼったくない、粘着質ではない、やや怪しい音程のサウンドを誇って特有の匂いと味と気品があります。「噴水」は夜明け、朝、昼間、黄昏、の部分から成っていて、静謐な部分(「夜明けのジュリア谷の噴水」「黄昏のメディチ荘の噴水」)での奥行きとか深みは(サウンド的に)少々不足気味でしょうか。「朝のトリトンの噴水」「真昼のトレヴィの噴水」の金管の爆発は涼風を感じさせる、ブルー系の響きでした。

 「ローマの松」はナマで演奏を拝見する機会を得たが、手の込んだ複雑多岐に渡る楽器編成とワザの世界なんですね。(「ローマの噴水」もそうかもしれないが、実演に接したことがない。残念)華々しくも目映い日差しを感じさせる「ボルゲ荘の松」で始まり、怒濤の軍隊行進「アッピア街道の松」で終了する、4つの部分から成る異形の交響曲みたいなものか。「カタコンブ(墓ですか?)付近の松」の荘厳厳粛な味わい、「ジャニコロの松」における幻想的な歌もセクシー。

 最後の山「アッピア街道の松」の件は、既に先に触れました。演奏評価は人それぞれで、各々尊重すべきなことは前提として、ワタシはバティス盤より、こちらのほうが楽しめると思うんです。含羞と抑制があって、初めて大爆発も生かされる・・・というか、リミッター外した爆裂エネルギーに、もうワタシは心身共に付いていけない・・・というのが正直なところでしょうか。目映いイタリアの陽光を感じさせる名曲だと思います。

(2005年2月11日)


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written by wabisuke hayashi