NYO(ナショナル・ユース・オーケストラ・オブ・グレート・ブリテン)50周年
Elgar 威風堂々 作品39第4番ト長調
Rossini ソワレ・ミュージック(ブリテン編)
Debussy 交響的素描「海」
Holst 組曲「惑星」より「木星」
Sibelius 交響詩「大洋の女神」作品73
Gershwin パリのアメリカ人 以上 ナショナル・ユース・オーケストラ・オブ・グレート・ブリテン CarlTON 15656 92002 $2.99。 日本にもジュネス・ミュージカル管弦楽団があるように、イギリスにも若人のオーケストラがあるんですね。こうしてちゃんとCDにして売り出すのも立派な姿勢ですが、ブーレーズやススキンドのような一流の指揮者が振っているのにも注目。 レジナルド・ジャックスというひとは聞いたことがありませんが、威風堂々はいかにもイギリスらしい曲で顔見せ。この辺りでは、まだ微笑ましい素人の演奏です。 往年の巨匠ススキンドが、ブリテンの楽しい「ソワレ・ミュージック」を録音してくれていたのは嬉しい限り。この曲は、LP時代セラフィム1000シリーズでアーヴィング(だったかな?)の指揮で出ていて、お気に入りでした。ここでのNYOは、かなり技術的に練り上げられて立派な演奏ぶり。 そして、このCDの目玉〜ブーレーズの登場。既に60年代にNPOと「海」を録音してしてましたが、こんなライヴ録音もあったとは驚き。この人は、アンサンブルを洗練させることにおいては超一流の腕前で、素人の演奏とは思えないかなりの仕上がりです。ライヴゆえ、緻密さは少々落ちるが、勢いと熱気は感じさせます。いつもながらの明快な指揮ぶりに、最後は珍しくアッチェランドもかかり、観衆の熱狂も凄い。 「木星」もイギリスものの代表選手。「海」よりいっそう演奏は洗練され、この団体の成熟を感じさせます。録音のせいもあるのでしょうが、音に厚みが増しています。
エルダーはウィッグルスワースと並んで、イギリスの期待の星。「大洋の女神」はシベリウスのなかではマイナーな曲で、ワタシは初耳でした。タピオラや後期の交響曲に通じるような幻想的な名曲と思います。 「パリのアメリカ人」もかなりノリノリの演奏ですが、若人ながらそこは紳士の国のオーケストラ、いまひとつ上品さが過ぎるというか、生真面目さも感じさせてしまう。(管楽器のスウィング感が足りない)技術的にはかなりのもんですよ。上手いもんです。 全曲で74分、そうとうに楽しめます。音の状態は年代相応ですが、放送用録音からかなりよい状態のものが選ばれていて貴重。国内盤じゃ、まず発売されない一枚でしょう。
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