Haydn ピアノ・ソナタ第52番 変ホ長調/第48番ハ長調/幻想曲ハ長調
/アンダンテ・コン・ヴァリアツィオーニ ヘ短調/ピアノ・ソナタ第34番ホ短調(バックハウス(p))


Haydn ピアノ・ソナタ第52番 変ホ長調/第48番ハ長調/幻想曲ハ長調/アンダンテ・コン・ヴァリアツィオーニ ヘ短調/ピアノ・ソナタ第34番ホ短調(バックハウス(p))  
Haydn

ピアノ・ソナタ第52番 変ホ長調
ピアノ・ソナタ第48番(b)ハ長調
幻想曲(カプリッチョ)ハ長調
アンダンテ・コン・ヴァリアツィオーニ(アンダンテと変奏曲) ヘ短調
ピアノ・ソナタ第34番ホ短調

ウィルヘルム・バックハウス(p)(1957年)

ピアノ・ソナタ第23番ヘ長調

ウラディミール・ホロヴィッツ(p)(1966年ライヴ)

FIC ANC-160(英DECCA録音+αの海賊盤) 中古 250円で購入

 またまた「駅売海賊盤」です。正規盤は「POCL-9926」であって、それにホロヴィッツを+サービスして下さったもの。自分なりの購入言い訳はちゃんとありまして、2005年7月19日渋谷にて1,270円入手したHaydnのピアノ・ソナタ全集(BRILLIANT 99671 10枚組全52曲/複数の演奏家・古楽器による)・・・これに大苦戦中〜フォルテピアノによる古雅な響きを愉しみつつ、どうも音楽に集中できない(陰影に乏しい?続けると飽きる)・・・コレをなんとか克服したい!バックハウスには、ソナタ第52番 変ホ長調/幻想曲(カプリッチョ)ハ長調/アンダンテ・コン・ヴァリアツィオーニ(アンダンテと変奏曲) ヘ短調の1960年ルガノ・ライヴがあって、得意なレパートリーだったんだろう、という期待もありました。

 ワタシは古楽器大好き!派だが、現代楽器の表現の幅の広さも、音楽の楽しみを広げて下さると思います。バックハウスのピアノがHaydnの時代に相応しいかどうかは知らぬが、シンプルな旋律の悦びをたっぷり堪能させて下さいました。かなり大昔のステレオ録音(しかもLP板起こし?)ながら、日常聴きに不足ある音質ではありません。

 第52番 変ホ長調ソナタは1794年、Haydn 62歳熟達した作品であって、憧れに充ちた優しくも快活なる旋律の名曲でした。バックハウスは重心低く、どっしりと芯のある推進力を誇って躍動があります。スタンリー・ホーホランド(fp)(2000年)にて比較・・・こちら頼りない、かそけきフォルテピアノだが、雅(みやび)な雰囲気と細部配慮豊かなニュアンスで聴かせます。第1楽章は繰り返しを実行しており、全曲でバックハウス14分ほどにたいして、ホーホランドは20分を越えました。

 第48番(b)ハ長調は、2楽章の短い作品。第1楽章「アンダンテ・コン・エスプレッシオーネ」はゆったりとした変奏曲であって滋味味わい深く、快活に躍動する次楽章「ロンド」へと続きます。BRILLIANT全集では故・小島芳子(fp)の担当(2000年)であって、ピッチが低いこと、テンポが遅い(バックハウスが速いのか?小島盤12分→8分!)こともあって、湿り気のあるほの暗い情感が漂いました。ハ長調?とは俄に信じがたいほど。「ロンド」も快活に躍動しない、陰影と揺れのあるもの。

 幻想曲(カプリッチョ)ハ長調は、まるでScarlattiのソナタを彷彿とさせて、前作品の「ロンド」をいっそう華々しく軽快にしたような味わい有。(これは比較対照がないので、バックハウスの表現故なのか、原曲の力量なのか判断付かず)アンダンテ・コン・ヴァリアツィオーニ(アンダンテと変奏曲) ヘ短調は、しっとり哀しみと情感を湛えた作品であり、おそらくはバックハウスは浪漫方面に解釈を振っているのでしょう。これはほとんどMozart の世界に接近していると感じます。時に寂しげな微笑みも浮かびました。

 第34番ホ短調ソナタは、Beethoven ばりの劇的な作品であり、緊張感ある両端楽章に、凛々しい緩叙楽章が挟まる構成も(旋律の姿も!)よく似ております。終楽章は陰影豊かな名旋律也。BRILLIANT全集ではスタンリー・ホーホランド(fp)(2000年)再び登場。バックハウス9分に対して13分というのは第1楽章繰り返しの結果であるけれど、やはり(バックハウスは)Beethoven に振っている表現意欲の違いもあるのでしょう。蛇足だが、小島芳子より乾いて、淡々とした印象があるフォルテピアノとなります。

 ホロヴィッツによるピアノ・ソナタ第23番ヘ長調は、しっとり浪漫的な表現であって、第2楽章「アダージョ」に於けるほの暗い甘美な旋律は(油断して聴けば)「まさかHaydn!?」的感慨に至りました。終楽章「プレスト」の晴れやか、軽やかな表情はいっそうMozart に近い。聴衆の感極まった歓声が響きました。

(2007年9月21日)


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written by wabisuke hayashi