音楽日誌
2005年5月 ご近所さんのクルマ。ワタシにはこんな趣味はないが、カッコ良いと思いますよ。
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2005年7月某日


さて、結果的に第1次夏休みラスト。(お盆には出張が入っているし)きょうはスポーツクラブへ行きましょう。いつまでもゴロゴロしていられない。体調かなり改善。  
ものごとにはすべて「正負の法則」が働いているのというのは、我が妻の意見である。驕れるものも久しからず、春の夢のごとしなのだけれど、苦しいこと不幸なことも長くはつづかない。諸行無常こそこの世の真理で、つづまるところ平凡がよいということなのだ。結局はみんな同じなのだから、あんたもそんなに無理をしないで、平凡を人生の至上の価値として生きなさいというのが、我妻の私に対する意見である。(立松和平)

今朝の朝日新聞に載っていた名文です。行動する作家、立松和平の言葉として読まないと、たんなる保守的後ろ向き、ありきたりな年寄りの繰り言に思えるが、生きる知恵として、艱難辛苦を乗り越えた結論としての説得力が深い。「苦しいこと不幸なことも長くはつづかない」・・・そうだよな。

ぼちぼち楽しんでいるHaydnのピアノ・ソナタ全集。今朝は第21/20/26/4/31番〜福田理子(fp)(2000年録音)にて。作品の違いなのか、楽器によるものなのか、先日聴いたホーフランドより繊細な表現、粒ぞろいな響きが楽しめました。ほとんど初めて聴く作品ばかり故コメント不可能だけれど、(一時相当に凝った)Scarlattiのソナタ集の愉悦を連想しました。屈託なく、楽しげであって、短い楽章が延々と続いてゆったりとした気分となる・・・全集は既に見掛けないよう(BRILLIANT 99671 10枚組)だけれど、ショルンスハイム(fp)の全集はまだ入手可能なはず。ワタシはこの全集消化で精一杯です。唯一(素晴らしき)神崎さんのサイト詳細紹介がありました。

朝、一転俄にかき曇って雷雨〜薄ら寒い気候となりました。水不足続く四国には朗報ですか?しつこくしつこく Vaughan Williams 交響曲第5番ニ長調〜バルビローリ/ハレ管弦楽団(1944年)・・・数度聴いたはずの音源だけれど、記憶がほとんどない。音質の不備乗り越えて、纏綿と甘美な節回しが永遠の価値を持っておりますね。第3楽章「ロマンツェ」こそ白眉。後年1962年フィルハーモニア管との再録音も聴いてみたいもの。

気候の変動激しく、CDもいつになく大量に購入・・・聴取追いつかず状態はいつもながら7月は過ぎ去りました。明日から8月です。一年が風のように過ぎ去っていくこと・・・唖然とするばかり。

2005年7月某日


本日も終日室内で静養・・・それでもかなり体調整ってまいりました。昼寝もタップリ。夜の眠りが浅いワタシとしては大切な儀式なんです。サイト用の原稿蓄積に苦戦しているが、これは同じ録音を2度3度と繰り返す集中力と、興味が維持できるか、という問題・・・本日、Sibelius 交響曲第1/5番〜バルビローリ/ハレ管(1957年)を堪能しましたよ。それこそ何度繰り返しても、その詠嘆と泣きの表情に飽きない・・・素晴らしき芸術。

しつこくVaughan Williams 「ロンドン交響曲」(交響曲第2番)を繰り返し聴いております。同じくバルビローリ/ハレ管(1957年)は、ヘンリー・ウッド盤に負けず劣らず自信に溢れた語り口に説得力が濃い。再度、昨日のオウェイン・アーウェル・ヒューズ盤を確認すると、弱音が抑制されすぎて、表情としては淡彩に過ぎる場面がないではない・・・そんなことを感じました。いずれ、同じ作品を続けて聴ける集中力が戻ってきた、ということですね。

ここ2週間ほど、主にサイト上の画像サイズの調整をしていて、のべ300ファイル以上は修正しているかな?(気付く度、「テキスト一括変換ソフト」で実施)その関係で、初期に更新した原稿(ジャケット絵スキャナで取り直し作業も)を読み返しております。Paganini ヴァイオリン協奏曲第1番ニ長調〜カペク/ミュンヘン交響楽団/チェルコフ(v)再聴。少々カタい音質ともかく、精力的バリバリ弾き進む迫力はかなりの実力者と見ましたね。さっさと更新済。

更にその関係でTartini ヴァイオリン協奏曲ニ短調〜シゲティ(v)/ゲール/管弦楽団(1937年)・・・これは盤石の自信に溢れた得意の演目であって、少々ガンコな彼の表現にも説得力が深い。Mendelssohnヴァイオリン協奏曲ホ短調〜ナタン・ミルシテイン(v)/ワルター/ニューヨーク・フィル(1945年)・・・シェリングの上品な演奏も素敵だったけど、いつもながらの禁欲的・背筋きちんと伸びた、端正な表情がまったく素晴らしい。ワタシ、ナタン・ミルシテイン大好きです!いつ、なにを聴いても彼には裏切られたことはない。

同じCDに収録されていたVieuxtemps ヴァイオリン協奏曲第5番イ短調〜ハイフェッツ(v)/サージェント/ロンドン交響楽団(1947年)・・・今更なんのコメントが必要でしょうか。彼のヴァイオリンは技巧云々じゃなくて”天衣無縫”なんです。さらさらと、ひたすら音楽だけが流れていく・・・いずれも太古録音ながら、音の状態は予想外に良好で不滅の価値を持った音源でしょう。

Mussorgsky 「禿げ山の一夜」/Borodin 「だったん人の踊り」〜バレンボイム/シカゴ交響楽団(1970年代後半)・・・生真面目できちんとしたアンサンブルです。まだ若かったせいかな?特別な面白みとか、味わいみたいなものはありませんね。(BOOK・OFF@250入手の一枚。いちおうなんでも聴いてみる、といった姿勢です)夜、女房と焼鳥屋に行きました。気分は既に夏休みか。

2005年7月某日


夏バテじゃ、なんだ、と言いつつ、昨夜は職場の仲間と情報交換会(実体はたんなる飲み会)って、コレけっこう重要なことなんです。体調どんよりしているけど、ワタシはどんな体調悪化の時でも、いつも見た目元気一杯だからいけない、誤解されちゃう。昨夜、お願いされた諸作業いちおうこなしたので、本日休みいただきます。昨夜も眠り浅く、今朝も肩凝ってますが、これは運動不足か、精神の疲れか。洗濯して、トイレ掃除して、掃除機掛けて(最近、家事は滅多にしない)・・・サイト定例更新。

もう更新しちゃったけど、Spohrのヴァイオリンとハープのためのソナタ ト長調〜ラングドン(v)/ウェブ(hp)(2000年)を聴いております。29分の大作であり、素朴に躍動する旋律がWeberを連想させ、終楽章のわずかな”暗転”で曲調に彩りを添えるところはMozart を連想させます。ソロ同志がお互いを見つめあうような親密な味わいがあって、これは希有な感動に間違いなし。

運動不足も良いところだけれど、スポーツクラブ(職場近く)に出掛ける気分にもなれず、これからご近所今村宮へ参拝(徒歩一分)してきます。ストレッチ体操程度ですな。

やはり体調優れず、ほぼ終日じっと動かず。こんな時には音楽にも集中できず、本も読めない。終日どんより、ボンヤリ状態。やはり体調万全で、後ろめたくも”サボる”快感!が一番ですね。ほんまに体調不良じゃお話しにならない。単なる夏バテであることを祈るばかり。Vaughan Williamsという(著名なる)英国作曲家をワタシは気に入っております。アンドルー・デイヴィスの全集が激安である、との情報にココロ動き、在庫確認しております。そういえば、既に中途半端な文書を認(したた)めたこともありました。

・・・う〜む、2年経過してほとんど前進してませんね、いえ、在庫がということよりも聴き手の進化の問題か。ああ、ジャッド/ニュージーランド響の管弦楽作品集が出色でしたね。「ロンドン交響曲」(交響曲第2番)はお気に入りのひとつでして、オウェイン・アーウェル・ヒューズ/フィルハーモニア管弦楽団(1988年)再聴しました。数年前のワタシは相変わらず曖昧なことを書いているが、これは驚異の優秀録音。繊細で囁くような弱音の配慮と、奥行きあるオーケストラの響きは目眩がするほどの香気が漂う・・・演奏は、穏健抑制が利いたもので、やや神経質にまでアンサンブルを整えたものであり、詠嘆さえ清涼で、清潔そのものの魅力でした。(第2楽章「レント」は馴染みの「グリーンスリーヴス幻想曲」を想起させる味わい有。ホルンに泣けます)

Vaughan Williams「ロンドン交響曲」(交響曲第2番)〜ヘンリー・ウッド/クィーンズ・ホール管(1936年)HISTORY 204555-308 40枚組5,680円これがヘンリー・ウッド/クィーンズ・ホール管(1936年)になると、同じ作品とは思えない(事実一部カットがあるらしいが)劇的雄弁な旋律の激情迸(ほとばし)って、もの凄い浪漫的な説得力がありますね。”わかりやすさ”では、圧倒的にこの太古録音に軍配が上がって、音質の不備が弱点になっておりません。(この録音はたしか初録音ではなかったか?)・・・でも、ヒューズ盤の魅力には驚くばかり。

バルビローリ/ハレ管による1957年の録音も入手済みで、既に何度か聴いているが、「これまたずいぶんと違う演奏だ・・・」程度の集中力です。ゆったり心身共の回復を待ちましょう。

2005年7月某日


大学卒業20数年・・・また、例の夢を見ちゃった。おそらく延べ数十回目〜「全然授業に出ていなくて、とうとう卒業のメドが立たない・・・」〜絶望的な気分。ちゃんと4年で大学は出ていて、卒業証書もありますよ。授業にほとんど出ていないのは事実だったけど、スポンサー(両親)の関係上”ちゃんと卒業”は凄いプレッシャーでしたね。大学で学んだことは、利害なき友人の大切さ、本をたくさん読むこと、物事を見る価値観の醸成・・・かな。今になって思えば、若いってほんますばらしい、(千度言うが)「なにもなかったけど、すべてがあった」と感じます。

荒川じんぺいさんは大好きでして、数年前「パソコンで森暮らし〜52歳からの電脳生活日記」にすっかり感心したものです。電子機器を使いこなすって、こういうことなんだな、と。昨日、読了したのが「僕は森へ家出します」(中公文庫)〜山小屋完成が1990年頃だから、バブル時期か、曰く言い難い「ココロの故郷回帰」みたいなものかな?これから先の、森生活+更には「電脳生活」への事始めの記であります。じんぺいさんの温かい人柄が伝わります。

今朝、Bizet 「カルメン」組曲第1番〜フリッチャイ/ベルリン放響(旧西)、「アルルの女」組曲第1/2番〜ライトナー/バンベルク交響楽団、Dukas「魔法使いの弟子」〜フリッチャイ/コンセール・ラムルー、Honegger ピアノ協奏曲〜マルグリット・ウェーバー(p)/フリッチャイ/RIAS交響楽団・・・いずれも1950年代の珍しい録音だと思います。音質もたいしたことはない(モノラル)し、全体としてやや堅苦しくジミな演奏でして、ま、偶然に入手しなかったら聴かなくても支障はない・・・的音源でしたね。但し、Honeggerの作品は(もともと作品がお気に入り、ということもあり)後半、ジャズのテイストも感じさせる洒脱な演奏・作品と感じました。

2005年7月某日


久々、エアコンの要らない爽やかな夜だったが、肝心の体調は絶不調。休みたいくらいだけれど、昨日出先から、ウチのチームの派遣さんからの「帰ったらこれお願いしますね」という指示をいただいているので、まずは出勤必須。仕方がない。「ここ数ヶ月テレビ宣伝(某システムキッチン)に使われる音楽の出典が思い出せず・・・」と音楽日誌に書いたら、「ビゼーの「アルルの女」の中の一曲「メヌエット」ではないでしょうか?」とのご指導有〜嗚呼、そうですね。所謂大昔からの「通俗名曲」(=死語)でして、ここ最近ほとんど聴いてませんでした。

ビーチャム/ロイヤル・フィル(1956年)を確認したが、作品も演奏もエレガンスで、ゆったりシミジミ楽しさ胸に染みちゃう。心身共にMahler だ、Brucknerだ、みたいな心境になれなくて(もちろんBeethoven なんて!)求めていたのはこんな音楽だったなぁ、と・・・なんだろう、この異様なるカラダの重さは。(実際、オーヴァー・ウエイトだけれど)

今朝の朝日新聞、読み応えのあるコラム2本。「決める?決めない?’05『選択』考〜(中)希望のゆくえ『職就かず夢見続けたい』」。以前も書評だったかな?「自分探すな、仕事を探せ」という傑作標語(真理!)があったが、それなんだな。先日、取引先の親しい人たち(ここ4年くらいの知り合い)と飲んでいて「はやっさんって、ばっちり先読んで粛々と、お仕事固めていきますよね」〜・・・?〜とーんでもない!毎日が「大喜利」みたいな人生でして、とにかく舞台に立つこと(レギュラーメンバーであること)が前提であって、あとは次々出される「お題」に、如何に受けるネタで即興即答できるか・・・そんな毎日でっせ。

「夢に向かって努力しないのは、いつまでも夢を見ていたいから」・・・いつまでも若くはないぞ!とおっさんが説教しても、当の若者には聞く耳持たんだろうね、自分もそうだったから。もう一本「それぞれの岐路〜35歳定年説(中)」これは18歳で希望溢れて田舎から出てきた、レジ打ち女性の悲惨な結末であります。世代的に人を使う方の立場になったが、正直「人を育てる」なんて余裕、現場にはないっす・・・無能無策、要領悪く、口先だけ達者なワタシを育てて下さった諸先輩に(今になって)深く感謝。いや、まだ育っていないか、ハラ回り以外は。

Mahler だ、Brucknerだ、みたいな心境に・・・と言いつつ、昨晩、Bruckner 交響曲第7番ホ長調(ハース版)〜レーグナー/ベルリン放送交響楽団(1983年)を久々拝聴。驚くべき快速、素朴、明快、ストレートであって、もったいつけたスケールとは無縁の”アツい”演奏であります。一般的に名演奏とされるBrucknerからは異形なスタイルだろうが、いや、もう最高です。ノリノリ。

体調イマイチで早々に帰宅しました・・・って、ここ最近ほとんどド・残業してません。ま、名人ですから、そつなく諸作業消化(+一足先に家族サービスで休んでいる奴のフォローとか)するのは。数ヶ月先の提案書も一気作ってお客に案内しました〜って、資料じっくり読み込んでいると、お勉強になりますね。

クーベリック/バイエルン放響(DG 429 042-2 西ドイツ製)10枚組。ずいぶん以前に購入したもので、壱万円以上はしたと思います。帰宅したらMahler 交響曲第2番ハ短調「復活」〜クーベリック/バイエルン放送交響楽団/合唱団/マティス/プロクター(1969年)・・・これ、いったいなんでしょうか。ハイティンクの穏健派方向でもあり、しかし、いっそう質実であり、素朴であり、凝縮した緊張感が驚くべき水準。いや、もうバイエルン放響の奥深い響きはコンセルトヘボウとは意味が異なって、やや地味であっても誠実で暖かい・・・しかもリズム感が素晴らしい。(とくに終楽章が印象的)

”タメ”とか”煽り””詠嘆””威圧”は必要ないんだな、ムダな動きは少なくて要所をピシリ!と締めて、過不足ない充実感。女声二人は、おそらくはかつて聴いた「復活」中、最良のオーケストラとの相性を誇ります。金管が鈍く輝きながら、まるで「ドイツの森」(行ったことないので勝手に想像の世界だけれど)奥深く木霊するよう。ホール残響が自然な極上録音。

9/11(日)に、神戸で六甲フィルハーモニー管弦楽団の「復活」無料演奏会があるんだけど、ナマ体験要望いや増すばかり。

2005年7月某日


先週から連続で高知へ。今回は、諸視察のコーディネーター・引率案内・接待係でございます。台風接近だけれど、東に逸れた(東京方面の方々申し訳ございません)ため、天候も良好。なんか、もう滅茶苦茶疲れ果てました。どうしてかな?音楽を聴く意欲も起きない。ノートパソコン持参したけど、案の定ホテルにネット環境なし。老舗有名全国チェーン(ふだん泊まるホテルより当然お高い)が、こんな大名商売していて大丈夫なんだろうか。部屋のグレードだって、エアコン空調だって「並の下」だし。おそらく早晩経営危機に陥るだろうことを、ここに予言させていただきます。

小澤/サンフランシスコ響の「新世界」(1975年)を山口のBOOK・OFFで購入したのが、昨年2004年7月22日となっております。(250円)ちょうど一年ほど前ですね。その頃の「音楽日誌」によると「涼やかな爽やかさは感じるが、まだ印象がまとまりません」とのこと。小澤40歳壮年時代の録音であり、作り物っぽくない自然な響き、録音はむしろ素朴でした。あちこち、かなり念入りな表現やら時にテンポダウンが見られるが、基本さっぱりとした「涼やかな爽やかさ」はその通り。しかし、正直なところ”おもしろくない”演奏か。

例えば、ボヘミア郷愁の響きでもなく、新世界・アメリカの希望や爆発(馬力!でもいいや)勢いでもない、繊細に入念に表現され、抑制されたものでしたね。でも、こんな方向を好む人も多いかも知れません。「謝肉祭」序曲も同様。表現としての物足りなさは募って、なんせ元気の良い作品じゃないですか、もともと。

2005年7月某日


夏バテ(但し、食欲落ちず)+運動不足で肩凝ってます。本日の予定は午前中、昼からの定例会議用資料作り・・・数値が悪いとリキ入りまへんな。昼からの会議を途中で抜けて、お客様を高知へご案内(先週行ったばかりなのに)。その後、今週は出張ありません。やる気も出ません。

昨夜、Bruckner 交響曲第9番ニ長調〜ハイティンク/コンセルトヘボウ管弦楽団・・・なんと1965年の録音は、旧全集中第3番ニ長調(1963年)に継いで初期のものだけれど、既に優秀なオーケストラの響きを存分に生かす、素直な表現が胸を打ちます。録音だって、そう不満はない。コンセルトヘボウの魅力(響きの厚み、コク)が素のまま味わえて、痺れますね。激昂しない。煽らない。ムリがない。でも、弱くない。こんな演奏が聴き飽きないんです。(9枚組6,468円後悔せず。ようやくカードで落ちました)

Massenet 管弦楽組曲第1-3/4-7番〜ジャン・イヴ・オッソンス/ニュージーランド交響楽団(1994年)・・・ようやく2枚聴き終わったが、この辺り(1842〜1912年フランス)の音楽に慣れていないのか、それとも表現の問題か、美しい、と感じる瞬間と、ほとんど気が抜けたように思われる部分とに、印象が分かれました。第5組曲「ナポリの情景」はとても楽しいですよ、賑々しくて。まるで「パリの喜び」みたい。録音問題かも知れないが、このオーケストラは時に、静かな部分で気が抜けたように感じることがあるんです。

さて、出張にノートパソコンを持っていくか、悩むところ。お仕事で使う可能性もあるが、今回はホテルがお任せなのでネット環境があるかどうか・・・?あ、そうそう忘れないウチに書いておくが、ここ数ヶ月テレビ宣伝(某システムキッチン)に使われる音楽の出典が思い出せず、いらいらしております。Tchaikovskyなのかな?Prokofievとばかり思って、昨日「ロメオとジュリエット」(アバド/ロンドン響 1965年)をひっくり返していたけれど、違いましたね。爽やかな演奏ではあったが。

2005年7月某日


午前中、床屋さんに行って来て、あとはそのままずっとぼんやり、冷房の効いた部屋でうつらうつら状態。たっぷり昼寝もしました。奥野正男「邪馬台国発掘」(PHP文庫)を読んでいたら、やや記憶有・・・サイト内検索したら2004年11月に(21世紀図書館)読んでましたね。ダブり買いか、本でも。他のサイト(BBS)で話題となっていた、Dvora'k 交響曲第5番ヘ長調を、コシュラー/スロヴァキア・フィル(1970年代録音)で確認。

恥ずかしながらこの全集(BRILLIANT)購入数年後、初めてこの作品の作品の魅力に目覚めましたね。なんという懐かしく、親しみやすい旋律、第2楽章のもの哀しくも、途方に暮れたような心象風景、溌剌とした第3楽章「スケルツォ」・・・終楽章は少々完成度が若いですか?スロヴァキア・フィルの素朴で洗練されない響きも魅力的。引き続き(昨日購入した)Kalinnikov劇音楽「ボリス皇帝」〜ヤンチョヴィチ/ブダペスト交響楽団(1989年)・・・これは珍しい作品でしょう。(MARCOPOLO 8.223135)

交響曲で馴染みの親しみやすい旋律連続するが、アンサンブル的には少々厳しいか。ほかにはスヴェトラーノフが録音しているらしいが、贅沢言っちゃいけませんな。250円だったし。

2005年7月某日


猛暑ですな。エエことです。夏はこうじゃないと。ご近所BOOK・OFF新規オープンしたので、行って参りました。NAXOSは@250(MARCOPOLOも)というパターンらしく、2枚ほど挨拶代わりに購入してきました。

サイトをちょっとだけ更新して、昼からは居眠り(With”火曜サスペンス劇場”再放送)。真野あずさって素敵ですね。昨夜からぼちぼち聴いていたのは、引き続き英国音楽。RVW 「すずめ蜂」(アリストファネス喜劇のための組曲)〜序曲、第1間奏曲、台所用品の行進曲/グリーンスリーヴスによる幻想曲/トマス・タリスの主題による幻想曲/「舞い上がるひばり」〜クリストファー・シーマン/ロイヤル・フィル/ジョナサン・カーニー(v)(←この人ってヴァイオリニストだったのね。1994年録音)。

”WASPS”は(慣れていないせいか)それなりに楽しめたが、残りお気に入り作品勢揃い!いっぱい聴いておるせいか、味が薄いというか、ずばり”ない”くらい。正直全然オモロくない。オーケストラの響きや表現が濃厚であるだけでは、英国音楽はダメだろうし、もちろん逆だから良いとも限らない・・・

2005年7月某日


気持ちは張っているつもりだけれど、さすがに疲れが溜まってきて今朝は異様にカラダが重い。トータル数値の見込みやら展望は厳しい(ほとんど諦め、状態だ)が、お仕事上(内外)人間関係は悪くないし、懸案事項が澱(おり)のように沈殿して・・・ということはほとんどないから精神的ストレスは少ないと思いますよ。きょうは久々、外出する用事はないし、机の上清掃(様々な発見が発掘されるであろう・・・)、スケジュール調整をしなくては。明日は断固休み。スポーツクラブにも行きたい・・・今晩から行こうかな?明日、2件目のご近所BOOK・OFF開店。

出張移動中に読んだ本〜橋本正次「犯罪科学捜査」(宝島社新書)・・・読み始めて即、既読本であったことを発見。(でもラストまで読みました)記憶力低下のこのごろだけれど、過半記憶があって自分にとって興味深い内容だった、ということです。スーパーインポーズとか、復顔技術、人骨分類、民族的特徴、ビデオに映ったカラダの一部から身長を類推したり・・・犯罪も国際化しているから、こういったお仕事もどんどん新しいスキルが必要なんですね。

今谷明「象徴天皇の発見」(文春新書)・・・これは驚くべき切り口の歴史書であって、題名からてっきり戦後の新憲法のお話しかと思ったら(事実そこから話題は始まっている)、その源流は旧く平安時代の「幼帝擁立」にあることから解き起こして、血で血を洗う王権簒奪(お隣中国の歴史が物語る)ではなく、穏健に権力移行がされる歴史(摂関政治、院政、そして武家による実権)のなかで「象徴天皇」が醸成されてきたこと、結果として新憲法上の「象徴天皇」が国民に受け入れられ、定着したこと・・・なるほど。

「絶対主義的天皇制」もそうだけれど、ここ100年明治からの「富国強兵」「近代化」で生まれた価値観が横行してますね。もっと、日本古来というか、大きな歴史的視野で現状を捉える必要があるのか。

Mahler 交響曲第1番ニ長調〜デ・ワールト/オランダ放送フィルハーモニー(1993年ライヴ)・・・今朝、聴いたけれど印象散漫でした。オフ・マイクな録音と言うこともあって、自宅オーディオでは相性悪いのか?それとも自らの集中力問題か。(きっとそうでしょう)ヘッドホンで聴いたほうが細部様子がわかるみたいです。

事務仕事は好きではないが、消化は猛スピードであります。早々に作業はこなして、職場近くのスポーツクラブへ。ちょうどエアロビクスが始まるところだったが、なんか台を使った複雑そうなクラスだったのでご遠慮、一時間がっちりバイクやりました。エアコン効いたフロアとはいえ、そうとうな汗まみれに・・・300kcal消化して、爽やか。一週間終了。

通勤バス往復で聴いた音楽は、Elgar 「エニグマ」変奏曲〜メニューイン/ロイヤル・フィル(1994年)から・・・細かい配慮、金管の大迫力、これはほんまに美しい世界だけれど、全体として音質が金属的にカタい印象有。それとこの人って(いくつか聴いた範囲だけれど)ややリズムの呼吸が浅いような、スケールが少々小さいような気もしますね。続く、「朝の歌」作品15-2・・・これは泣けるような美しい旋律。

序奏とアレグロ ト長調 作品47/弦楽セレナード ホ長調〜ワーズワース/ロイヤル・フィル(1994年)・・・これも万感胸に迫る名旋律だけれど、例えばアンドルー・デイヴィス、そしてバルビローリの名残惜しいような芳香漂う表現に慣れているせいか、少々さっぱり過ぎか。弦楽セレナードのほうは、さらりとしたほうが味わい深い。ラスト、威風堂々第1番〜リチャード・クック/ロイヤル・フィル(1996年)・・・これは全然ツマらなく、元気がありませんでした。

2005年7月某日


夕方、岡山に戻って机の上ぐっちゃぐちゃも省みず、最低限の処理をしつつ、資料を携えて地元取引先へ。(いつもながらの)長時間商談(有意義であった)+月曜からの(またまた!だ)高知行きの最終調整打ち合わせ。月次の実績締まったが、予想以上に数字ボロボロでして、う〜む。毎年試練ながら、ここ4〜5年個人的には絶好調維持してきたのに、ほんまに試練でんな。しかし、体調も気力も充実。まだまだ大丈夫。

東京往復で聴いた音楽・・・どうも記憶が薄い。半分くらい寝ていたからか、集中できていなかったせいか。Britten(ヴァンスカ)/Walton ヴァイオリン協奏曲(ベリンカンピ)〜アジザン(v)/コペンハーゲン・フィル(1996/7年)・・・様子がよくわかりませんでした。Bartok 管弦楽のための協奏曲/弦楽器、打楽器、チェレスタのための音楽〜ラハバリ/BRTフィル(1990年)・・・これはオーケストラが少々軽量気味とはいえ、ずいぶんとしっかりとした、緊張感のある演奏ぶりに感心いたしましたね。

Mahler 交響曲第4番ト長調〜デ・ワールト/オランダ放送フィルハーモニー(1993年ライヴ)・・・ああ、これは細部入念な刻み込みと、ほとんど恣意的強引ムリムリな表現は存在しない、しかも、このオーケストラはコンセルトヘボウではないから、そこを頼みにするわけにもいかぬ・・・が、この静謐なる説得力はなんたることか。まことに地味で、声高に叫ばないが、じわじわと・・・って、コレはハイティンクの世界に近くないですか。マルギオーノ(s)の暖かい声質はいつ聴いても素敵です。

Haydn ピアノ・ソナタ第7/47/23/27/52番〜ホーフランド(fp)(2000年)・・・これはBRILLIANTの全集10枚組(99671)より。数人のピアニスト、いずれもフォルテピアノによる新しい録音です。ちょっと敬遠気味な作品集だったが、中古1,270円(10枚で税込)だったので購入、お勉強のつもり。これは驚くべき陰影に富んだ、新鮮な旋律が続きました。数種使い分けられる楽器は、微妙な響きの差異が楽しめます。聴き進むウチに「穏健なBeethoven 」的幻影が見えてきました。

2005年7月某日


早朝の新幹線で東京へ。どうせ会議時間が延長になるだろう、と予想して後泊の手続き取って、かつての職場の(異動した)仲間と約束していたけれど、これが大失敗。会議は予想より壱時間も早く終わり、さっさと帰岡できたのに、もう約束しちゃったし、で予定は変えられない。会議はしょうもない(サボっても大過なかった)し、酒場では奢らされるし・・・で散々!

今朝は朝一番の新幹線で岡山へ。職場ではお客3人待っていて、ワタシの運転で即伊豫の国川之江へ。メーカーさんへの表敬訪問だけれど、工場見学は滅茶苦茶暑いんです。更に(お客とともに)高知へ。数件訪問して、ちょっとだけお食事してきたところ。明日、更に数件訪問して、岡山に戻ったら地元のお客様と商談です。自業自得とはいえ、ハード。どうもスケジュール管理がうまくいきません。(川之江の寿司は旨かった!)

聴いたCD、読んだ本は職場の机の上に置いてきたのでコメントできず。また明日。

2005年7月某日


無為無策のまま、本日祝日休み。心身共にぐったりしております。明日から、帰ったばかりの東京へとんぼ返りで会議のため早朝出立。なんかツカれてきた。日本女子バレー、キューバに惜敗!残念だったな、エエとこまで行っていたのに。

昨日、新規オープンした(相対的近所の)BOOK・OFF初訪問(もっと近所に再来週オープン予定がある)。クラシック売り場では「NAXOSは安い」という知識があるらしく@250でした。以前から気になっていたMassenet管弦楽曲集(ジャン・イヴ・オッソンス/ニュージーランド交響楽団1994年)など計4枚購入=税込1,000円+本数冊入手。

その中にSpohrのピアノ・トリオ第2/4番(ハートリー・ピアノ3重奏団1994年)という、珍しい作品の一枚がありました。SpohrはWeber(この人も大好き)と同年生まれ(1784年)の作曲家だけれど、聴かれる機会が少ないのは残念。2曲とも、たおやかで懐かしく楽しげ旋律連続して、のんびりしっとり得難い魅力でした。こういったものを系統的に、しかも安価に出し続けて下さるNAXOSに感謝〜って、誰かが処分した中古だけど。

Spohrの作品って数枚手許にあったよね、ということで(相対的に)有名なヴァイオリン協奏曲第8番 イ短調 作品47(かつて「劇唱の形式で」と呼ばれた)〜マルガリータ・カラフィローヴァ(v)/ステファノフ/フィルハーモニア・ブルガリカ(SOUND SOUNDCD2003 録音年不明ディジタル初期か)を久々。これは7年前ほど?アメリカからの通販で入手したものか。これがオフ・マイク過ぎて、音楽の様子がよくわからない。バックは緊張感薄く、響きも美しくないもの。ヴァイオリンは良く歌っているようだけれど、やや線が細すぎるか・・・やはりハイフェッツですか、この曲は。

で、その後にDittersdorf(1739〜1799年) ヴィオラとコントラバスのための協奏交響曲ニ長調〜ミンチェフ(va)/ラドゥカノフ(cb)/タバコフ/ソフィア・ゾリスデンが収録されて、こちらはとても楽しい。コントラバスって生き生き躍動してくださるほど、巧まざるユーモアを振りまいて下さいます。演奏録音ともこちらのほうが優秀でした。

女房、大阪の実家から戻って参りました。両親もだんだん年老いてきて、心配も増えるばかり。女子バレー、中国との最終戦残念でしたね。久々、菅山の跳躍を見られて楽しみ、興奮しましたよ。どんよりした野球より絶対に楽しい。未成年のアイドル・グループ・メンバー飲酒泥酔問題で、菊間アナ処分(当面出勤停止)へ。彼女ってほんま不運ですね、いろいろと。今回は退社だろうか、なんとか応援してあげたいですね。フリーで大活躍してして欲しい。

終日ぼんやりして、スーパーブルー飲んだり居眠りしたり、(時に目覚めて)テレビ見たりしていたので、あんまり音楽も聴いていないし、サイト原稿もほとんど進まず。昨日からぼちぼち聴いた音楽は・・・

Wagner 「マイスタージンガー」第1幕への前奏曲、「タンホイザー」序曲、「ローエングリン」第3幕への前奏曲、「オランダ人」序曲、「トリスタン」前奏曲と愛の死〜クレンペラー/フィルハーモニア管弦楽団(1960年)・・・数日前の続きでございます。その時、同時に聴いたショルティ/シカゴ響の明晰クリアな演奏にも感心したが、やはりクレンペラーは凄い!音質いまいち(ワタシのはFICの駅売海賊盤だから確証はないけれど)ながら、エレガンスなフィルハーモニア管は深みを湛え、諄々と説得力が深い。

重くはないが、ひとつひとつの旋律が(それを担当する各パートも)入魂であって(ホルンの粗野な響き!)、ショルティとは明晰さ(体育会系)の意味合いが異なります。これがベルリン・フィルだったらどうだろう・・・?フィルハーモニア管という素直で、機能的なオーケストラだからこその幸せな指揮者との融合だったのか。いや、あのガンコ爺さん、どんなオーケストラでも自分の自由にしたかも知れません。

しつこくRachmaninov ピアノ協奏曲第2番ハ短調聴いてます。久々、ヴァーシャリ(p)/アーロノヴィチ/ロンドン交響楽団(1976年)で。ああ、エレガンスで繊細な良い演奏ですね。「ピアノの音色が繊細で、きめ細やか、いわばChopin 方面の味わい」・・・なるほど。

2005年7月某日


女房は実家に帰っております。とくになにをするというのでもなく、ぼんやり・・・状態で、昨夜の女子バレーボールの対ブラジル戦は残念でした。「ソフトはなんでも1,980円」〜ソースネクストの渡辺社長「映画は制作費に何百億円掛かっても、DVDは一律価格じゃないですか」と。なるほどねぇ。8月にリナックスを発売するとのこと。試しに購入して使ってみたいが、以前「Lindows」で挫折したからなぁ。

Schubert 交響曲第9番ハ長調〜ペーター・マーク/フィルハーモニア・フンガリカ(1969年)を。昨年2004年、CONCERTOROYALE3枚組(206241-360)に「第1/2楽章のみ収録」で閉口したものだけど、この度、QUADROMANIA4枚組(222165-444)が924円だったので、第3/4番ダブり覚悟で購入・・・結果として全集揃いました。音質的にやや不備はあるけれど、金管が明るく威圧的にならない、木管も良く歌います。弦が洗練されない、なんて文句付けることは可能だけど、テンション高く、重苦しくなく、飽きさせない演奏でした。テンポの変化が自然で、とても気持ちの良いもの。(第8番ロ短調「未完成」も同様に楽しげ)

ティントナーのBruckner全集は第6番イ長調〜ニュージーランド交響楽団(1995年)へ。これはリキみのない、素直な演奏でとても楽しめました。これが全集中、もっとも初期の録音でして、その後年々体力集中力が落ちていったのか、充実したテンションと流れの良さを感じます。威圧感なく、金管が充実して、オーケストラの知名度から連想されるような弱さなし。後期作品では地味で人気が低いようだけれど、最後まで楽しめました。どうして一時、この演奏に耐えられなくなったんだろうか?リズム感が少々緩いように聞こえないこともないけれど。ボンガルツ盤(1964年)を聴いたせいだったからか。

RCP-106 (QUADROMANIA 222195-444「The English Mastres」にも収録)休日早朝決起して、持ち帰り仕事(メール4件、コピー5枚分)一気壱時間消化してお客様にメール送付。ファックス環境は自宅にないので、印刷物はスキャナで画像化して送付・・・芸が細かいね。(昨日のビールのツケだ)裸で洗濯しつつ、音楽聴きつつ・・・Holst 組曲「惑星」〜ヴァーノン・ハンドリー/ロイヤル・フィル(1993年)を。どこにでも売っているRPO音源だけれど(315円で購入)、これはとても立派な演奏です。金管の粗野な迫力、なにより自国の音楽に対する揺るぎない自信に溢れて、堂々とスケールが大きい。コリン・デイヴィス/ベルリン・フィル盤(1988年)は、恐るべきオーケストラの充実と怒濤の重量感に驚き、少々の違和感(というか、”禁じ手(やりすぎだよ)”風感想)があったものだけれど、ハンドリー盤はぴたり!納得のフィット感有。(QUADROMANIA4枚組でも聴けます)

続く「セント・ポール組曲」は、楽しげに躍動する弦楽作品だけれど、フィナーレ「グリーンスリーヴス」の旋律乱入にはいつも爽快な感動を覚えますね。Bruckner 「テ・デウム」〜カラヤン/ウィーン交響楽団/リタ・シュトライヒ(s)ダグマール・ヘルマン(con)エルンスト・ヘフリガー(t)ハンス・ブラウン(b)/ウィーン楽友協会合唱団(1952年プラハ・ライヴ・・・ペルージャとの説もある)Archipel盤では「音質良好」となっている(ほんまかいな)が、我らがQUADROMANIA盤(222210-444)ではお世辞にも”良い音”とは言えず。

演奏は大柄でまったりしたカラヤン節であり、声楽ソロは立派・・・しかし、(カラヤンお気に入りの)ウィーン楽友協会合唱団(アマチュア合唱団でしょ?違いましたか)の絶叫口調は少々気品に欠けます。でも、合唱に云々できるほど聴き込んでませんから。作品的にはすっかり気に入って、ラスト「フーガ」に、交響曲第7番「アダージョ」の旋律が垣間見えたら、駄目押しの感動が押し寄せました。もっとちゃんとした音質で楽しみたいな、と(自宅棚)在庫を探したらケーゲル/ライプツィヒ放響/合唱団(1979年)が出てきました。(他にもあるのかも知れないが、記憶がない)

これは禁欲的な集中力を感じさせ、硬派な魅力に溢れます。合唱はうんと繊細で、表情付けが細やか。エエ演奏です。

2005年7月某日


さて、これから出勤(取引先直行)時間まで出張中聴いた音楽のメモでも・・・(定例更新は一日遅れでなんとか実施)Chopin 夜想曲全集〜ディノ・チアーニ(p)は半分ほど聴いたのかな?1973年のトリノ・ライヴは収録年代を考えると、少々音質ぱっとせず散漫な印象でした。かなり自由自在気ままで繊細な味わいはありそう・・・だけれど、集中できてません。

WIENAWSKI ヴァイオリン協奏曲第2番ニ短調〜スターン(v)/エフレム・クルツ/ニューヨーク・フィル(1946年)/Dvora'k ヴァイオリン協奏曲イ短調〜イダ・デンデル(v)/ランクル/ナショナル交響楽団(ワシントン)(1947年英DECCA録音)/Glazunov ヴァイオリン協奏曲イ短調〜ハイフェッツ/バルビローリ/ニューヨーク・フィル(1934年)・・・ムリムリな収録の一枚(TIM 205696-303)だけれど、どれも演奏録音ともピカイチでした。スターン26歳のWIENAWSKIはCBSの音源ですか?豊満で余裕の技術だけれど、爽やかさが溢れます。スターン後年のステレオ録音はほとんど聴いていないが、1950年代のMozart にも同じ感銘を受けました。エフレム・クルツも懐かしいですね。

イダ・ヘンデルのほうは現役CD(と同じ音源)。涼やかで凛とした表情、流麗で柔らかい音色、滑らかなテクニック・・・いわゆる浪漫的な演奏方向だけれど、センスはずいぶんと現代的です。ハイフェッツのGlazunovは3枚目?もしかしたら4枚目(新録音に非ず)の所有でして、彼の十八番(おはこ)作品。最初っから最後まで、ぐいぐいと前のめりの勢いが続いて息も付かせぬ集中力。彼に技巧云々するのは失礼です。

QUADROMANIA 222114-444Brahms 交響曲第4番ホ短調〜スワロフスキー/南ドイツ・フィルハーモニー(オーケストラ表記はエエ加減)を。「継ぎ接ぎだらけ、ロボットのようにフレージグがギクシャクして・・・」みたいに、訳知り顔に(どこかの評論家が言ったことをそのまま)コメントされる方がいらっしゃるが、そうでしょうか?よろしからぬステレオ録音、流麗スムーズとは評しがたいオーケストラの技量、がっちりと硬派で洗練されないアンサンブル、響き。抜群の耳当たりの悪さだけれど、妙に芯がしっかりしているというか、ガンコ開き直り系演奏か。わりと楽しみました。

ラスト、Bruckner 交響曲第5番 変ロ長調〜ティントナー/ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団(1996年)を。この録音こそ、ティントナー全集の絶賛(当時)の入り口であり、のち混迷の淵にはまってしまった問題の一枚なんです。やはり、時間と経験が必要だったのか、納得の演奏でした。金管が高らかに鳴り続けるが、表情付けは非常に素朴でして、ムリなテンション・アップがほとんどない。あちこちのハーモニー、旋律に特別な表情付け(もしくは演奏者の特異な音色、個性)がほとんど存在しない。それを「ツマらない、ショボい」と感じるのか、「自然体で気持ちがよい」と感じられるか・・・の違いでしょう。

虚心に集中すると、見えてくるものがたくさんある・・・そんな演奏でしたね。

2005年7月某日


なんとか大過なく、お客様との出張、そのまま東京での会議をこなして帰って参りました。帰りの新幹線は混んでましたね。明日から三連休だから。しかし、ワタシはお仕事です。体調は無事、回復いたしました。

移動行程の1/4くらいはお客同行だったし、音楽にはあまり集中できず・・・それでも数枚聴きましたが、その件は明日。それより本がオモろかったな。渡辺実「大鏡の人びと〜行動する一族」(中公新書)・・・時は平安末期、栄華を極めた藤原道長を最高潮として、それへ至る藤原北家一族の悪どいばかりの行動力、策略、一族同士の戦い、暗躍を描き出して興味津々。この時期の描写として、「栄華物語」、「枕草子」の清少納言、「源氏物語」の紫式部、さらには「蜻蛉日記」の藤原道綱母・・・各々の筆者の興味により、誇張されたり、事実が触れられなかったりするが、情報は補完しあって時代が生き生きと描かれました。

筑紫哲也「ニュースキャスター」(集英社新書)〜ニュース23の誕生秘話、「損失補填」問題、「オウム真理教ビデオ事件」、多くの危機を乗り越えながら、TBSの看板ニュース番組へと育っていく様子、筑紫哲也の”こだわり”・・・彼の話し口調は流麗とは言い難いが、文章はみごとに説得力が深い。もう70歳ですもんね、次の世代の硬骨の士、民主主義をカラダで守っていくジャーナリストは育っておりますか?

2005年7月某日


今朝も曇り。本日午前中から三重県山中〜京都〜東京で会議2泊出張です。体調維持大丈夫か?週末戻って。土曜日一件商談+お取引先と打ち合わせ有。月曜祝日後、再度東京で会議(夜、異動した元職場仲間と旧交を暖予定)〜翌早朝戻って四国方面へお客と同行・・・自業自得ですな。スケジュール組んだときは体調万全だったんです。定例更新、少々遅れる予定。今回出張先にはネット環境がないのでパソコン持参せず。

昨夜、Bach 「音楽の捧げもの」〜パイヤール室内管メンバー(1974年) にて・・・少々情緒に流れがちの演奏ではあるが、ワタシはこの作品が大好きです。トリオ・ソナタの旋律に痺れ、六声のリチェルカーレにはWebernの音楽が脳裏に木霊して妖しげな世界にトリップします。ここ数日、Rachmaninov ピアノ協奏曲第2番ハ短調〜アシュケナージ(p)/コンドラシン/モスクワ・フィル(1963年)を何度も聴いております。これも小学生時代からのお気に入りの作品。

同時期の(あまり評判のよろしくないらしい)Tchaikovskyのほうもワタシはとても気に入りました。ようはするに、基本素直で明るい演奏だけれど、内部奥深くに憂愁の味わい+わずかな粘りとコクを感じるということです。ワタシの基本(出会いも。特にRachmaninov は)リヒテルとなるが、底知れぬ剛直さ、重さ(鈍重に非ず)、漆黒の闇を思い起こすと、正直CDを取り出す気持ちが萎えます。

アシュケナージなら何度でも聴きたい!プレヴィンや、ハイティンク(未聴)との録音のほうが評価高いようだけれど、ワタシはコンドラシン/モスクワ・フィルのバックにひとつの理想を見ましたね。基本のセンスは西欧的なものだけれど、そこはロシアのオーケストラ、やや洗練されない骨太の灰汁(あく)のようなものが感じられて、サウンドに奥行きと(日常ならざる)個性が楽しめました。

では、行ってきます。そういえば、昨夜、分解清掃後、パソコンは快調です。

2005年7月某日


今朝もどんより曇り。真夏の雰囲気じゃない。どうもカラダが重いですね。今朝もメインのAthlonXP1700+マシン、立ち上げて2回フリーズしました。3度目立ち上げると「Windowsは深刻なエラーから回復しました」・・・って、そんなに深刻なの?このマシン。購入2年でっせ、たったの。それ以外はまったく安定してるけれど。なんだろう。こんどの休みに分解して大掃除してみようかな?CPUにホコリでも溜まっているのか。

Bruckner 交響曲第7番ホ長調〜ティントナー/ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団(1997年)〜残り2楽章の件。第3楽章もそうだけれど、最終楽章に至っていっそうテンションが低い(そうでもないかな?)というか、煽り不在の演奏ですね。例えば一連のヨッフム(最晩年除いて)は、ほんまにガンガン雄弁に煽って”アツい”演奏ですよね。そんなのに慣れていると、ティントナーはスカみたいに聞こえるかも。そう、”慣れ”ですか。薄味のほうが素材の味がよく見えるし、カラダにも良いに決まっている。ハース版なので、第2楽章に派手な打楽器は入らない〜この楽章はほとんど静謐清明な境地で、物足りないくらいだけれど・・・

昼から地元取引先と打ち合わせに出掛け、そのまま帰宅。体調悪いんです。今月に入って日照時間はわずか16時間〜ビヤホール全滅とのこと。風邪なのかなぁ、明日から出張なのに。しばらく前、「修理してね」と依頼されていたノートパソコン、ハードディスクを入れ替え、セットアップ・ディスクも無事入手〜回復いたしました。ワタシがふだん自宅で使っているノートパソコンより新しい型なのに、随分と遅い・・・って、メモリが32mbしか入っていないんですね。いちおう義理果たしました。

デスクトップ・マシンは、立ち上げるとまたそのままフリーズするので、筐体を開けてCUPクーラーの清掃・・・それなりに埃が詰まっていて(前回ほどではないが)いちおう症状治まってます。キーボードのほうは「T」と「ー」のキーの反応がよろしくない。購入わずか壱年半なのに、4,158円もしたのに。

今朝から+帰宅してからもBruckner 交響曲第7番ホ長調〜ブロムシュテット/シュターツカペレ・ドレスデン(1980年)を確認。世評高い、各地各所激賞的録音のはずだけれど、正直ワタシはピン!と来なかったんです。きっと優秀録音なのだろうが、拙宅安物オーディオとの相性悪いのかもしれないし、オーケストラの素敵な響きを充分に生かした演奏とも思えない・・・ティントナー盤との比較に取り出したCDだけれど、まだその真価模索中、お勉強中状態でした。

体調問題、聴き手の動揺もあって、サイト用原稿蓄積滞っております。もう在庫ほぼありません。

これはワタシの性癖でもあるのですが「これが決定盤!」「不滅の名演奏!」「これがあれば他のCDは全部なくてもOK」(焚書坑儒?)みたいなこととは縁がないんです。まず、なんであれ作品そのものの味わいを楽しむこと、と考えております。
これはワタシが他の方のサイトBBSに書き込んだことでして、このサイトの基本姿勢かも知れません。

聴いたCD、演奏に優劣を付けることが主眼ではなく、どれだけ音楽を楽しめるか〜原点に還って、なんとか更新を続けましょう。

2005年7月某日


今朝もしとしと雨模様。7月も中旬だというのに、今更梅雨の盛りかよ!薄ら寒く、湿度も高く(洗濯物が全然干せん)、体調不良継続。通常パターンは週末体調悪く、週明けお仕事開始と共に回復!なんだけど、今朝も肩が凝ってます。いかにも昼くらいから頭痛が来そうな感じ有。本日明日とじっくり職場で諸作業調整・机上整理整頓でその後、怒濤の出張・・・おお会議出張の資料作成もあったな。全然精神的テンション上がっておりません。

いやぁ、女子バレー最高ですねぇ。タイの思わぬ善戦(サーブが凄い)で苦戦したが、逆転勝利。オリンピックからメンバーチェンジしたが、世界最小最強のセッター・竹下健在!菅山別嬪!(現在足故障中ベンチにて)宝来絶好調!メグとカナは怪我で欠場残念。リベロの櫻井って青木さやかに似てませんか?

しつこくMahler 交響曲第9番ニ長調〜タバコフ/ソフィア・フィル(1991年)〜第1〜3楽章を再確認。遅いテンポ、ていねいなる仕上げ、やや大人しく、個性不足だけれど、清涼なる素直な味わい、ヘロ演奏ではありませんね。情念とか熱情とか、詠嘆とか、そういう方向じゃないけれど。オーケストラの響きそのものが薄かったり、残響過多の録音(音質そのものは優秀です)で、様子がよくわからない、というのはあるかも知れません。

終楽章はコンドラシン/モスクワ・フィル(1964年)で・・・この作品の日本初演はこの人でしたっけ?(1967年)隈取りのはっきりとした、充実した、アツい演奏です。”ロシア風”泥臭い表現ではなく(金管のヴイヴラートともかく)て、センスとしては西欧方面であり、どろどろ入魂系でもないんです。タバコフのぼんやり、優しい世界とはずいぶんと違う・・・

職場でも数人体調崩している人がおりました。やはり天候不順のせいか。帰宅して、Mahler 交響曲第9番ニ長調・最終楽章〜タバコフ/ソフィア・フィルで再確認。清明な心境でゆったり、静かに歌われます。洗練されない響きであり、艶とか、包み込むような奥行きは感じられないが、作品の魅力は充分に堪能できました。(全88分)第10番「アダージョ」(1989年)も同様・・・激昂せず、飾らず、地味な世界は控えめに、延々と継続されました。(26分ほど)

(ここまでデスク・トップのメインマシンは2回フリーズ〜どういう症状なのか)ほんまは印象中途半端のまま放置されているデ・ワールトのMahler に移行するつもりだったが、正直食傷気味でもあります。再会を果たしたティントナーのBrucknerに邁進いたしましょう。交響曲第7番ホ長調〜ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団(1997年)へ。←数年前のワタシはエエ加減なこと書いてますな。静謐で抑制が利いて、美しくも素直な演奏です。第2楽章に官能を求めると大外れだけれど、上記(例えば)ソフィア・フィルほどの技術的な弱さやら響きの濁りはない。やや大人しすぎ、枯れすぎの感もないではないが、(途中まで聴いた印象では)たしかな存在感を主張する演奏に間違いはないかない・・・(もう寝ます。残りは明日)

2005年7月某日


気温低めだけれど湿度高い、小雨乃至どんより曇り気味で不快・・・ワリとよく眠れましたが、体調いまひとつか。本日、昼からご招待ピアノ演奏会(女房同伴)ここ数日、メイン・マシン急に落ちたり(一度だけだけれど)、ブラウザ立ち上げ後30秒ほどでフリーズ、にっちもさっちもいかず強制電源切って再立ち上げ(2度目は大丈夫)、とか、高価メカニカル・キーボード「T」のキーの反応鈍い・・・些細なことが気になるもんです。

Mahler 全集消化し、Brucknerも着々・・・となると、さすがに少々精神的食傷気味でして、Sibelius の静かな管弦楽作品(チャールズ・グローヴス/ロイヤル・リヴァプール・フィル)流しながら、医療ものの本(石川恭三先生、三輪和雄先生)など読んでます。久々にWagnerの管弦楽作品でも聴いてみようかな、と、取り出したのはクレンペラー/フィルハーモニア管弦楽団で「リエンツィ」序曲/「ローエングリン」第1幕への前奏曲(1960年)/「パルシファル」第1幕への前奏曲(1961年)。

ワタシは独逸歌劇を日常楽しむような根性も知識も嗜好も持ち合わせていないが、「リング」は数度一通り聴き通してベルリンこんの様ありがとう)おります。(かなり以前だけれど。当たり前じゃ、手許に4セット全曲盤存在する)管弦楽作品は少年時代セル/クリーヴランド管の「リング」(管弦楽抜粋)ですっかり心酔していて、それ以来別格で楽しんでおりました。

クレンペラーは、清廉素直なオーケストラの響きを生かしながらも、それにコクを注入したような、芯のある演奏でしたね。クレンペラーって、そんなに沢山聴いていない(とくにステレオ録音時代)が、ほとんど何を聴いても感心し、感動保証の立派な演奏ばかりであります。引き続き「オランダ人」序曲/「タンホイザー」序曲/「マイスタージンガー」第1幕への前奏曲/「トリスタン」前奏曲と「愛の死」〜ショルティ/シカゴ交響楽団(1977年)を確認。いつも芳しくない評価をしてしまうショルティだけれど、この明晰さ、明るさ、テンション高いオーケストラのアンサンブルは出色の魅力でしょう。ワタシはクナッパーツブッシュやら、フルトヴェングラーでWagnerに馴染んでおりませんから。

少々頭痛で苦しんだけれど、昼から【小野文子さん/安田正昭さんピアノ・デュオ・リサイタル】へ行って参りました。いや、もうこれは選曲的表現的にも圧巻の演奏会。同行した女房復習の為、(一部録音入手が困難な作品除き)CDRに焼いてプレゼントしました。

夜、Rachmaninov ピアノ協奏曲第2番ハ短調〜アシュケナージ(p)/コンドラシン/モスクワ・フィル(1963年)・・・後のプレヴィン、ハイティンクとの再録音のほうが評判よろしいよう(ハイティンク盤は未聴)だけれど、これも充分に魅力的。素直で輝かしく、しかもコクのあるピアノはもちろんだけれど、コンドラシンのバックが濃厚で良いではないか!誰だ?そこに文句付ける奴は!って、リキんでも仕方ないが。録音も極上。

明日から、また新しい一週間・・・なんか疲れが抜けません。ずっと調子イマイチで、肩も凝ってます。

2005年7月某日


体調、そう悪化していないが、微熱有。本日の岡山大学交響楽団演奏会は行けないかも知れない。明日のピアノ演奏会は、女房も行きたいと言っていたし。昼から大雨の予報です。

ハイティンクのBruckner交響曲(旧)全集は第6番イ長調へ(1970年)。感想は(良い意味で)ワン・パターンであって、ホルン(を始めとする金管)の野太く、渋く、深い響きがすべてが物語って感銘しきり。この作品は、ひときわリズムのハズむような躍動が重要であって、激昂しない、無用に叫ばない、過不足なく充実した世界に共感できます。気付いてみれば、聴取残は第7/9番のみですか?個人的には彼のMahler (旧)全集より、いっそう味わい深く楽しんでおります。茫洋たる巨大スケールとか、威圧感タップリの怒濤のラッシュ!とは無縁・・・後年の成熟にも遠いが、コンセルトヘボウという名オーケストラの響きを素直(ストレート)に生かして、作品の持ち味が生かされます。

Bruckner 交響曲全集〜ティントナー(NAXOS 11枚組 8.501104) 2,625円(税込)「出戻り買い」であるティントナーBruckner全集(NAXOS)のほうは、ベルリンこんの氏のサイトに逆引用されていて、自らの昔のコメントに恐縮気味(なに書いてるんだか?)。第0番ニ短調再聴へ。(オーケストラはアイルランド・ナショナル交響楽団1996年)充実した響きを堪能させて下さった第8番ハ短調と同時録音であり、彼の気力体力はこの年までだったか、と感慨も深い躍動と、洗練されないテンションを誇ります。オーケストラが無名であることなど、信じられないほどの説得力。

まるで正反対の音楽だけれど、Faure ピアノ4重奏/五重奏曲(VOX)のウチ、ピアノ五重奏曲ニ短調 作品89を確認。ジャクリーヌ・エマール(p)/ギュンター・ケール(v)などの演奏となります。かつての自分のコメントには、ほとんど演奏云々のコメントがないが、ピアノ4重奏よりふくらみを感じさせて旋律がひたすら甘く、美しい・・・きっと、もっと洗練された、雰囲気タップリの演奏は存在するのでしょう。そんなことに言及するのは野暮なんです。そういうことです。

しっかり昼寝して、2時間ドラマの再放送を楽しんだ挙げ句、●岡大響2005サマーコンサートに行ってまいりました。Ravel の複雑繊細な楽器編成はほんまに見物でした。

2005年7月某日


(いつもながら)風邪気味か。気温がそんなに上がらなくても、湿度が高いからエアコンを入れたり、(車中含め)当然昼間は猛暑だからエアコン入れたり・・・で結局、体調崩します。あかんなぁ。なんとか乗り切りたい毎日。お仕事意欲テンション上がりません。サイト定例更新済。またサイト用原稿在庫尽きました。週末に貯められるか?本日は特別な約束や、出掛ける用事もないはずなので、身辺整理、スケジュール調整をしましょう。

BRILLIANTのFaureの室内楽は、ピアノ四重奏曲ハ短調/ト短調〜アメス・ピアノ四重奏団(1990年)で。初耳の団体だけれど、ニューヨークでの録音、Drian原盤。これ、HMVの読者コメントで「この5枚のうち唯一不満」とコメントがあったもの。人様の評価は気にしないが、参考にさせていただき、勉強もさせていただきます。しかし”不満”とはどういうこと?たしかに”妖しげ香気むんむん漂うような”演奏ではないかもしれないが、甘く遣る瀬ない旋律はちゃんと堪能できましたよ。(なんせ、他の演奏はVOXでしか聴いたことがないせいか)

今朝から、Mahler 交響曲第6番イ短調〜タバコフ/ソフィア・フィル(1993年)聴いてます。出勤までに聴き終えるか不明(それにサイト更新しつつ”ながら聴き”だし)。この作品は全集中、もっともオーケストラの技量が問われるようなド迫力、異形なスケールを誇る作品故少々出来が心配・・・聴取順番ラスト方面に持ってきました。途中まで聴き進んだ感想としては、ぎらぎらするようなオーケストラの集中力に欠け、大人しく迫力不足・・・でも、素直で飾らずこれはこれで美しい、威圧感の薄い演奏に思えます。第3楽章「アンダンテ・モデラート」に於ける牧歌的な味わいは出色でしょう・・・。

じつは午前中諸作業こなして、やや発熱のため昼からは半(代)休・・・来週から約3週間ハードな出張続くのと、来週月火と出張外出はなくて、お仕事調整可能な見込みが立ったため・・・出張報告精算、スケジュール調整、出張申請、相手先(詳細)連絡(調整)すべて行いました。悪化しないウチに休ませてください。そういえば大雨の中、松山に夜11時頃到着したのはちょうど一週間前でした。

なんとか出勤時間までに、第6番「悲劇的」最終楽章迄聴きました。う〜む、渾身大力必要なところだから、ちょっと息切れ気味かな?通勤では、同じく交響曲第5番 嬰ハ短調(1988年)・・・先日「アダージエット」と最終楽章のみ聴いていたので、最初っから。冒頭から出ずっぱりのトランペットからなかなか優秀で、緊張感もあります。細部、アンサンブルのズレ、というより、リズムのキレとノリに弱さが散見されます。個々の楽器のソロにも少々魅力に足りない。(時にピッチも・・・少々)しかし、なかなか熱演!誠実。「アダージエット」の静謐な味わいは、先日聴いたとおり・・・

CAPRICCIO 79043 15枚組 2,817円(税込送料込)さて、タバコフ/ソフィア・フィルMahler 全集は、ラストまで到達しました。交響曲第4番ト長調(1990年)〜先日最終楽章のみ聴いたもの。静謐な作品はこのコンビに似合っていて、録音も自然な奥行きと、各楽器定位がしっかり理解できて優秀です。誠実素朴清潔路線は他作品と同じであり、但し、潤いとか余裕、タップリとした美音は期待できません。響きがやや薄いのは否めず。それでも、この作品は全10曲中、もっとも安心して楽しめるものになっておりました。(再度、いくつか確認して全集としてコメントしたいもの)

2005年7月某日


昨日、昼からチームで高知へ移動。現地で商談+打ち合わせ(2週間後、岡山のお客20人を連れて訪問の件〜コーディネーターというかなんというか)夜、みんなで飲みに行って、料理はおいしかったが支払いで少々もめました。(結局、ワタシ等の主張が通ったが)気分よろしくない。ホテルは(いつものことだけれど)エアコンが調子よくなく、空気乾燥しすぎ、咳き込んでよく眠れませんでした。(体調崩したか?)

昼から松山へ移動(表敬訪問)。音楽は聴いておりません。

瀬戸大橋は通行料金がバカ高いので、四国方面は3人組社用車で出張となります。先月届いたばかりの新しいクルマ(当然安物)でCDプレーヤーも付いているが、音質ヨロシくなく、しかも高速を走ると騒音がひどくてほとんど音楽の様子がわからない。所用で回った先に計3ヶ所偶然にBOOK・OFFがあり(うち2ヶ所が初めての訪問)、さすが手付かずの店には掘り出し物が(少数ながら)必ず有!本も4冊ほど買いましたが。

Mahler 交響曲第1番ニ長調〜メータ/ニューヨーク・フィル(1980年)を、って、現在聴取消化中のタバコフではなくて、上記云々で@250入手したもの。いかんせん(車中)オーディオ状態がどーしょーもないので、雰囲気・概要のみだけれど、オーケストラの厚みが暖かく骨太明快で、快感でした。やはりこのオーケストラは、ソフィア・フィルとは一律に比べられませんな。(でも、自宅でもっと集中して聴かないと)

帰宅して、Mahler 交響曲第7番ホ短調〜タバコフ/ソフィア・フィル(1989年)を。これは難しい作品です。第1楽章の妖しくも濃密な雰囲気は表現されず、やや集中力散漫な響きで、音楽の行方あちこち不明状態に。この作品白眉の第2/3/4楽章は、清潔な素朴さがあって悪くないなと思いました。オーケストラは非力(低音が弱い)であって、音楽の推進力が途切れる場面があり、各パートがソロで出現するときに、音色やら節回し表現に不満(セクシーではない)を感じることもあります。

この「中3楽章」には室内楽的緻密な集中力が必要でして、第5楽章「夜の音楽U」はエエ雰囲気で、それなりの美しさはあるけれどエッチさが全然足りない。第1/5両端楽章では吹っ切れたようなバカ騒ぎをパワフルに演じて欲しいが、あくまで品行方正で中途半端か。おとなしいか。でも、それはそれで持ち味だっせ。

岡山へ戻る最中、じゃじゃぶりの大雨!夕立か?夜半には止みました。けっこうな雨量はめでたいが、体調には不快。

鷲田小彌太「学ぶことの法則」(丸善ライブラリー)〜著者は現在札幌大学教授で哲学倫理学担当。題名ほどにおカタい内容じゃなくて、論旨明快で、ウヒヒといちいち肯(うなず)けることばかり。公理は「学ばなければ、学ぶ意味はわからない」(ああ!なるほど)。定理は全部で9つ有〜とくに気に入ったのは「学ぶ最良の方法は、教えることだ」(そう!その通り)「強制されたものは、最初は、すべておもしろくない」「大学時代、学んでも、学ばなくても、卒業したら、学ばなければならなくなる」・・・各々の「定理」に、すべて「証明」が示されます。

「四〇代でどんどん仕事をする、これまでやってきた方向と違うものを見いだす、というようにエネルギーをバンバン使います。そうすると、自ずと加速が付きます。これが予想外なのです。普通、五〇代は惰性で進むのに、三〇代から四〇代を学んで駆け抜けると、五〇代、思ってもみなかったようなスピードがつくのです。」〜これはワタシの人生への強烈な励ましの一冊。

2005年7月某日


ここ数日、カラダがえらくて、夜早々に、よく眠れます。肩が少々凝るのも気になります。本日から高知出張〜(またまた)松山へ。ちょっと今朝は肌寒いくらい。

Faureの室内楽ちょっとずつ聴いてます。彼の作品は、どれも旋律が上品で儚げですね。このサイト初期にピアノ4重奏/五重奏曲を更新したが、久々聴くのは少々怖い感じ。価格的には最近ずっとこなれていて、BRILLIANTの5枚組(92337)1,334円で入手できました。(先のVOX2枚組は当時1,550円入手。しかも税抜。現役です)「優しい歌」作品61(ウォーカー(s))はバックが弦楽五重奏になっていて、旋律の繊細さに+淡彩静謐ながら変化に富んだ色合いの変化が楽しめました。(ナッシュ・アンサンブル1980年)

タバコフ/ソフィア・フィルのMahler 全集は第1番ニ長調(1989年)へ。古今東西著名録音多数犇(ひし)めく名作故、その中で光り輝く個性を発揮するのは難しいでしょう。全体として素直・素朴・誠実な味わいはいつも通りだけれど、”いかにも弱い”・・・印象ありますね。メリハリ、オーケストラの集中力、鳴りっぷり、セクシーさ、懐かしい味わい、いざという時の大爆発・・・つまり、様子がわかりにくいかも。器用なオーケストラではない。それでも最終楽章に向けて全力で!という努力は感じられます。(第2番「復活」でもそんな感じだった)

2005年7月某日


気温は低いが、湿度が高く不快。洗濯物も干せないのでエアコンを「健康ドライ」に設定してみるとなかなか快適でした。本日、広島行き日帰り出張。広島駅付近ではなくて、どちらかというと雨量が酷かった山口県境方面で意外と移動時間も多い・・・CD持参しましょう。

さて、昨日〜今朝に掛けて確認したティントナーのBruckner・・・人様の評価の前に自分を信じるべき(そのようにしているつもり)だけれど、HMVの読者レビューでの激賞ぶりには少々驚きます。オーケストラの弱さ(技量問題と言うより、Bruckner方面の音ではないような?)、テンションの緩さ、そんなことを乗り越えて多くの支持者を獲得する秘密はなんだろう。自分の思いこみだけではなく、様々なご意見は拝聴すべきもの(悪い評価も、良い評価も)。

交響曲第9番ニ短調(ノヴァーク版 1997年録音)〜ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団・・・これは結論的に、2001年の自分のコメントでそう違いはない、と実感しました。全体として大人しい、メリハリやら緊張感、輝かしさが足りない。でも、じんわりジミだけれど柔和な表情、威圧感の少ない、美しい演奏でした。ボリュームを上げて聴くといっそう楽しめると思います。第3番ニ短調(1873年オリジナル・バージョン 1998年録音)は、第2楽章「アダージョ」に有名なる「タンホイザー引用」が聴かれるというもの。

これはインバル/フランクフルト放響(1982年)が有名で、話題にもなったが、あまりにクール明晰な響き故、ティントナーのほうがずっと良い、という愛好家がいらっしゃるんです。ティントナー盤は全77:32でテンポ遅く、響きは(一年前の第9番よりいっそう)ジミというか冴えない感じ。アンサンブルのテンションも落ちてませんか。(指揮者の体力気力低下か)期待の「タンホイザー引用」も遠慮がちで、もっとはっきりくっきり叫んでいただきたい・・・という欲求不満が高まります。

ワタシはインバル支持派(とくにBruckner)だけれど、結論的にこの第3番の緩さも楽しみました。楽譜やら版の問題に疎いワタシでも、あちこち音の景色を楽しむように、ゆったりとした気持ちでなんども立ち戻りたい・・・第2楽章(1876年版)は別途交響曲第1番ハ短調(1998年)にも収録されており、これにも「タンホイザー引用」がありますね。ティントナーが(一応)全集を残して下さったことに感謝。いっぽうで「すべての版を録音する」計画途中頓挫は残念至極(NAXOSは別な演奏家で計画遂行中〜未聴)。

Bruckner 交響曲第1番ハ短調(リンツ版)〜ハイティンク/コンセルトヘボウ管(1972年)の終楽章確認。この躍動、上滑りしないリズム、オーケストラの厚み・・・文句なし。ハイティンク旧全集とティントナーは並行して聴いていきましょう。楽しみです。

広島から夕方、岡山に戻り、取引先と30分ほど行事の打ち合わせ。しとしと雨降っていて、汗だくです。出張移動中(徒歩移動もあったので)たっぷり音楽聴きましたよ。交響曲第8番ハ短調(1887年ノヴァーク版)〜ティントナー/アイルランド・ナショナル交響楽団(1996年録音)を久々(当たり前か)。これは版が特別でして、例えば第1楽章にティンパニがない、終わり方が異なる、馴染みの旋律パートが別な楽器に置き換わっている、その旋律そのものが少々姿が違う、第2楽章にハープがない・・・(勘違いですか?)閑話休題(それはさておき)〜

恐るべき充実したアンサンブル、オーケストラのテンションの高さ(特に最終楽章)。しかし、基本は威圧感のない穏健派か。31分に及ぶ第3楽章「アダージョ」は、さすがに深みとか味わいに不足するような気もするが、全体として立派なものです。こうしてみると数年前の評価から、そう変わっていないかも。こうしてみると1996年(第8番)→1997年(第9番)→1998年(第3番)と、年々元気なくなっているような気もしますね。

Sibelius 「クッレルヴォ」作品7〜ヤルヴィ/エーテボリ交響楽団(声楽陣読めず 1985年録音)・・・全曲で70分近く、少々晦渋な作品かと思っていたけれど、キリリと引き締まったアンサンブルで清涼だし、声楽が入ってからは(言葉はわからないにせよ)いっそう楽しく聴けました。エーテボリ響って、ほんま(ナマで)はどんなんでしょうか。とても充実した響きに聞こえますが。録音も優秀。

Mendelssohn 劇音楽「真夏の夜の夢」(全11曲)〜プレヴィン/ウィーン・フィル(1985年)は、新幹線500系のぞみの騒音がうるさくて(いつもだ!揺れるし)様子ようワカラん状態でした。途中ウィンナ・ホルンの掛け合いの見事さは、はっきり認識しましたが。ラストMahler 交響曲第3番ニ短調〜タバコフ/ソフィア・フィル/ブリギッテ・プレチュナー(a)/ブルガリア国立“スヴェトスラフ・オブレテノフ”合唱団/“ボドラ・スミアーナ”児童合唱団(1990年)・・・第9→8→4→5番(「アダージエット」+最終楽章のみ)と聴き進めてきたが、これは相当に水準高いと思います。

アンサンブルはそれなりに優秀、素朴な安らぎが溢れます。第1楽章小太鼓〜冒頭ホルン回帰前のアッチェランドもアツく、打楽器大活躍!残響豊か、定位のはっきりとした優秀録音。清楚な声楽〜最終楽章のシミジミとした詠嘆まで、素晴らしき歌が続きます。難を言えば、力演の金管が時に響き濁り、ポストホルンに深遠な音色が聴かれない・・・ことくらいか。

2005年7月某日


中四国地方、一気に大雨被害へ。四国地方取水制限は解除めでたいが、薄ら寒くて、こういうときには体調崩しやすいから気を付けないと。いろいろと心身共に意欲が起きません。7月は暑くないとものは売れまへん。

昨夜、タバコフ/ソフィア・フィルのMahler を引き続き。交響曲第4番ト長調(1990年)より最終楽章(ハジャエヴァ(s))・・・この曲に限らず、全体に収録音量レヴェルが低くて、オフ・マイクっぽい残響に全体像が埋まります。この楽章に限っては、静謐な安らぎがあってソプラノも清楚そのもの。引き続き、交響曲第5番 嬰ハ短調より有名な「アダージエット」・・・これも同様の音質、奥床しい清潔さに充ちて爽やかでした。そのまま最終楽章に進んだけれど、アンサンブルは時に乱れ、テンションが続かないところは散見されるものの、素朴で前向きな表現に胸打たれれます。(一般には”ヘロ演奏”と評価されるだろうが)

2ヶ月ほど前に購入した一連の「デアゴスティーニ」付録CD〜Gluckを楽しみました。歌劇「トーリードのイフィジェニー」序曲〜ギリシア軍総大将アガメムノン(メネラオスの兄)は、帆船に必要な風を起こすため、自らの長女イフィジェニーを生け贄に捧げる〜という筋らしい。リッツイオ/カメラータ・ロマーナという匿名演奏家表記であり、演奏も少々緩いが、躍動する旋律の魅力に出会えるだけでも幸せ。このCDのポイントは、引き続き「6つのトリオ・ソナタ」(DC4-1〜6。1746年出版)+ホ長調+ヘ長調が含まれることです。シミチスコ(v)/ブラスクローヴァ(v)/アレクサンダー(vc)/ドビアショヴァ(cem)の演奏(どこの誰やねん。現代楽器)。

いや、もうこれがゆったり、優雅、シンプルのんびりだけれど、多彩な旋律で全編飽きさせません。演奏ものびのびと優雅なもの。録音の少ない作品でして、世界初録音!(2002年録音)との記事がネット上で検索されるが、こちらのほうがもっと前の録音でしょ?(しかも収録が多い)@250中古入手の新たなヨロコビ発見でした。

気分が優れないというか、頭が痛いとか胃腸の調子が悪いワケではないが、空模様と同じくどんよりカラダが重い。夕方、早々にお仕事切り上げて、お得意さまの現場訪問兼ねてさっさと帰宅しました。たんなる運動不足だったらよいが、キモチのテンションが続かないのは困っちゃう。明日、広島出張。来週、再来週と続くあちこち遠方出張の切符(ごっそり)取ってきたので、もう後には引けないぞ!

「いま、買いに行きます」という恥ずかしい駄文更新したが、明日広島行き切符を購入した「チケット屋さん」至近に中古屋「Groovin'」があるんです。で、買いました。Bruckner 交響曲全集〜ティントナー(NAXOS 11枚組 8.501104)(→現在は番号が変わっている)〜バカにして下され、嗤ってやって下され「出戻り買い」・・・でも、2,625円(税込)だったし、これは神(Kechi之神)の啓示なんです。「目覚めよ!」「再び立ち上がれ」と。

ワタシは交響曲第5番が発売された時から、ティントナーに注目しておりました。しかし、昨年2004年3月段階では完全に煮詰まってまして、大いなる悩みに行き当たりました。(←この時点では「CDは売り払わない」となっているが、数ヶ月後にBOOK・OFFに保管場所を移しました)再購入決意きっかけはハイティンク旧全集の入手であり、タバコフ/ソフィア・フィルのMahler 全集との再会だったと思います。

まだ、全部は聴いていないが例えばハイティンク旧全集〜HMVの読者レビューでは「いまいち "ハイティンクのブルックナーは80年代の録音がとてもよいので、彼がまだオーケストラの統率すら十分できていない60年代の録音は今更いらないのではないかと思う…"」との厳しいコメントもあったが、若々しい、時にやや前のめりの勢いと、オーケストラの深い響きに(次々と)魅了されました。未熟であっても、それはそれで魅力であるという手応え。タバコフ全集も同様〜お恥ずかしい「出戻り買い」だけれど、残響豊かで、やや頼りないアンサンブルも妙にココロに染みる不思議な再会・・・そこにティントナーが眼前に忽然と出現する、驚くべき出会い。

早速、交響曲第9番ニ短調(ノヴァーク版 1997年)/第3番ニ短調(1873年オリジナル・バージョン 1998年)〜ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団を確認しました。・・・少々、長くなったのでこの件は明日に。

2005年7月某日


しとしと雨模様だけれど、気温は下がってタオルケット一枚では少々寒いくらい・・・けっこうなお湿りでございます。四国の渇水状態も、ちょっとだけ改善されたそう。(焼け石に水、状態か)

いつものように早朝目覚めて、音楽聴きながらサイト用原稿執筆。Mahler 交響曲第2番ハ短調「復活」〜タバコフ/ソフィア・フィルハーモニー/ブルガリア国立“スヴェトスラフ・オブレテノフ”合唱団/ティーハ・ゲノーヴァ(s)ヴェッセーラ・ゾローヴァ(a)(1987年)しっかり全曲楽しみました。全体にオーケストラが鳴らない(迫力に不足する。ティンパニ、金管に)、アンサンブルのテンションが落ちることもある・・・が、素朴だし、素直だし、ホールの奥行きを感じさせる音質(オフ・マイク気味だけれど)は悪くないもの〜で、けっこう楽しめましたよ。これはどういうこと?散々、なんども「復活」聴いてきて、馴染みの旋律であり、その表現方法を様々な視点で楽しめるようになった、ということですか?

ラスト「おおいなる呼び声」(クロップシュトック詩)にたどり着いて、すべてが解決したような満足感が得られました。誠実に、しっかり前方を向いて全力で演奏する姿が眼前に彷彿と・・・名曲ですなぁ。(引き続き)Mozart ピアノ協奏曲第15番変ロ長調 K.450〜ミケランジェリ(p)/エドモンド・デ・シュトゥツ/チューリヒ室内管弦楽団(1974年)を。音質(このシリーズとしては)良好方面。彼のHaydn、Mozart は演奏者の色が前面に出てしまって(つまり雄弁かつ色気有過)楽しめないことも有・・・ここでは流麗であり、軽快であり、やはり揺れるような色気もあります。

でも違和感はありませんよ。ノンビリ楽しげな作品であり、上機嫌なミケランジェリを楽しめます。Mozart 特有の「暗転」に於ける、しっとりとした表情付けは彼ならではの個性でしょう。次のピアノ四重奏曲 変ホ長調K.493(1972年)は文句なし。(ヴァレーズ(v)/ジュベール(va)ダリエル(vc))、纏綿とした浪漫系演奏であって、この作品に新機軸の美しさを発見させて下さいました。

どうも心身共に疲れていて、どんより雨模様の天候であり、気分〜朝、床屋さんに行って定例BOOK・OFFで数冊文庫本を仕入れるが、CD在庫には出物なし。が、第1期エコー・インダストリー(つまり駅売海賊盤)のDvora'k「新世界交響曲」「モルダウ」〜カラヤン/ベルリン・フィル(250円也)が、じつは1977年のEMI録音であることに初めて気付いて入手。躍動感とか夢と希望・・・ではなく、盤石のしっかり安定した”スタイリッシュ”+重い〜印象としては訳知り・完成度の高い演奏で、まさに想像通り。あとは好みですね。

ところで「駅売海賊盤」といえば、(いつもの話題で申し訳ないが)「新世界」(ケルテス/ウィーン・フィル)、Schubert 「未完成」「交響曲第5番」(ワルター/ニューヨーク・フィル/コロムビア交響楽団)の2枚がずっと見あたらない。内容的に処分するようなCDじゃないので、きっとどこかにあるんです。じつは、一時「ビニール・スリーブ」に凝っていて、やはりダメということで、プラ・ケースに戻したんですね。その時、ケース不足から「関連CD」を「無理矢理ひとつのケースに2枚収録」やってまして、どれに収納したのやら・・・記憶飛んでます。

いつか出てくるでしょう。でも、ビミョーにむずむず気持ち悪い。

2005年7月某日


いちおう顔見せのみ・・・というつもりだったのに、しっかり肉体労働しちゃいました。商売上のカネ(協賛)の件で少々(ほんの少々)不快なことがあり、ちょっと気分よろしくない。せっかくの週末お休みつぶれました。仕方がない。とても眠い・・・雨はしとしと降ったり止んだり・・・月曜休みたいなぁ・・・ムリか。

帰宅してぼんやりとアホ・テレビばかり見てちゃいけない、と先日「えい、やっ!」と購入したハイティンクBruckner旧全集(PHILIPS 475 6740)より交響曲第5番 変ロ長調〜コンセルトヘボウ管弦楽団(1971年)集中して聴きました。この曲でコンセルトヘボウ、といえばヨッフム(オットーボイレン1964年ライヴ)が有名だけれど、ワタシの好みは圧倒的に若きハイティンクですね。全体として、すっきり素直な表現であり、抑制が利いて(例えば第3楽章「スケルツォ」)オーケストラの奥深い響きが過不足なく鳴り響いて威圧感薄く、聴き手を煽らない。時に、少々のアッチェランドが落ち着かない若さを感じさせるが、生真面目な表現とオーケストラの余裕の表情がマッチして、とても美しい演奏に仕上がっておりました。気分爽快!系演奏。(録音良好)

Debussy「牧神」「クラリネットと管弦楽のためのラプソディ」「遊戯」「管弦楽のための映像」〜ボド/チェコ・フィル(1967/1977年) SUPRAPHON GEMS 2SUP 0023昨日購入のDebussy〜ボド/チェコ・フィル(1967/1977年)再度確認しております。ボド(1927〜)はチェコ・フィルとの録音をたくさん残しているみたいですね。(Debussyでは他に「神聖な舞曲と世俗的な舞曲」の録音がある)「牧神」がわずかに「名曲全集」的なCDに収録されているのみ、ほかは現在入手しにくい録音らしい。録音極上であり、繊細で肌理細かいアンサンブルだけれど、響きはそう色彩的ではない。しかし、香気が漂うような気品があって、透明清涼であり、充分に幻想的でもあります。たしか同じ組み合わせでRavel もあったはずだから、ぜひ出会いたいもの。

2005年7月某日


お仕事数値関係はともかく、お客様との関係、職場での人間関係、先への見通し、基本的な体調含め、ほとんど問題はないはずなのに、どんよりとした不安感はなんなのでしょうか?経済的ムリのない範囲で、たくさん素敵なCDを買い、地元の演奏会にもご招待されるという望外の幸せ続きなのに、胸の奥のかすかな苦渋はどうして?職場の仲間が相次いで、ココロの病に倒れたことも不安の一因でしょうか。今朝、ちょろ雨状態、暑い一日になりそうです。それでもサラリーマンは進む。しゃあない。

お疲れ気味で音楽に集中できず・・・(お気に入り)Weberから、ピアノ協奏曲(小協奏曲ヘ短調/ハ長調/変ホ長調)〜レーゼル(p)/ブロムシュテット/シュターツカペレ・ドレスデン(1984年)・・・もしかしてかなりエエかも。この作品、最初に購入したCDがケイティン盤(英DECCAだけれど、異常に音悪かったので処分済み)、ローランド・ケラー(p)/ジークフリート・ケーラー/ベルリン交響楽団(旧西/VOX)で馴染んできたが、素朴な躍動感+落ち着きが欲しかった・・・もしかしたら、その方向じゃないか・・・でも集中できてません。

Mozart コロネーション・ミサ K.317/証聖者の荘厳晩課(ヴェスプレ)K.339〜ガエターノ・デローグ/ヴィルトゥオージ・ディ・プラガ/プラハ室内合唱団/ヴェルナローヴァ(s)ベナコーヴァ(ms)スポルカ(t)ネジバ(b)(1994年)・・・これは作品も大好き、敬虔さと生への喜びみたいなものが同時に感じられて(この作品も例外なく)名作中の名作。この団体は知名度ともかく、演奏技量的に驚くべき集中力を誇っていて、声楽の充実と共に躍動感+細部のニュアンスの配慮を堪能しました。「ラウダーテ・ドゥミヌム」の清楚なソプラノには、いつでも泣けます。(申し訳ないが、先日聴いたカラヤン/ベルリン・フィル1986年ライヴ〜コロネーション・ミサ〜より、こちらのほうがずっとお気に入りです)

届いたばかりのBoccheriniの交響曲を聴こうと思った(エルクスレーベン/新ベルリン室内管1992年)が、その前にC.PH.E.Bach の交響曲を確認しましょう、と思い立ちました。(ヘンヒエン/C.PH.E.Bach 室内管1985年)大Bach 晩年の評価は「時代遅れの人」だったそうで、息子のほうが評価高かったんですね、当時は。Wq174-181の短い作品ばかりを聴いたけれど、なるほど親父の世界とはまったく異なってスピード感があって、古典の世界に接近しております。でも、脳裏に来るべきMozart が連想される(かなり個性が違うが。J.C.Bach のほうがずっと似ている)のは、ワタシの不勉強であり先入観でしょう。

本日、朝出勤して事務処理後、岡山県北へ。夕方から松山へ。(泊)

結論的に、午後11時松山着〜ジョーダンじゃないぜ。天気予報やや外れて、けっこう雨は降りました。岡山県北でも、岡山市内でも、そして四国地方でも。でも、降ったり止んだりだし、水源にたっぷりいってもらわんと。どうだったんでしょうか。少しは危機回避されましたか。明日も雨模様らしいが、めでたいことです。

そんなこんなでチームで動いていたし、音楽CD持参せず・・・と思うでしょ。久々の津山BOOK・OFF訪問(5分立寄り)で一枚@250CD入手。Debussy「牧神」「クラリネットと管弦楽のためのラプソディ」「遊戯」「管弦楽のための映像」〜ボド/チェコ・フィル(1967/1977年)・・・ちょっと貴重な音源でしょうか。社用車のカーステレオだから、ちょっと印象怪しいが、録音良好、明晰な響きであって、しかも素朴でしっかり芯を感じさせるものだった・・・はず。

明日、肉体系労働。帰宅したらゆっくり確認します。前日から疲れております。

 

【♪ KechiKechi Classics ♪】

●愉しく、とことん味わって音楽を●
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written by wabisuke hayashi