Tchaikovsky ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調
(アシュケナージ/マゼール/ロンドン交響楽団)



Tchaikovsky

ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調

アシュケナージ(p)/マゼール/ロンドン交響楽団(1963年)

バレエ音楽「白鳥の湖」作品20(抜粋)

ストコフスキー/ニュー・フィルハーモニア管弦楽団(1965年)

エールディスク GRN-522 英DECCA録音  中古250円

 ワタシは罰当たりなクラシック音楽ファンでして、苦手な有名作品が沢山あります。Tchaikovskyとも長い間相性が悪くて、続けて聴いても苦痛にならなくなったのはごく最近〜そんな中では高名なるピアノ協奏曲のみは、昔から意外とお気に入りでしたね。リヒテルで出会った影響かな?アシュケナージは、ワタシが音楽を聴き始めて以来ずっとメジャーな存在で、廉価盤もほとんど出なかったし(もちろんCDで)聴き出したのはほんの最近です。

 リヒテルの新旧盤ともお気に入りのはずだったが、どうも最近ピン!と来ない・・・なんどか聴き直したが・・・ところが、このアシュケナージ盤に(1970年頃ずっとベストセラーだった)すっかりココロ奪われました。たしか、演奏者本人はこの作品は嫌いで、仕方なく録音したはず〜だから再録音がないでしょ?(たしか、これ以前のソヴィエット時代に録音は存在したはず)でもさ、録音も鮮明だし、こんな魅力的な演奏を残して下さったから文句ありません。(激安で海賊盤中古買っちゃったし)

 ワタシのサイトBBSで誰だったか、この作品に表題を(勝手に)付けていて「傲慢」と。一理有。冒頭のホルンから満座を圧倒させるような威圧感もあるし、ピアノ・ソロは個性的でロシア風クサくも甘い旋律が雄弁に、しつこく、とことん歌うでしょ。腕が鳴るように、圧倒的な技巧で鳴らされるべきピアノの派手なこと!そうだな、ワイセンベルク/カラヤン盤辺りが典型かな?(ファンの皆様、ご容赦)

 リヒテルは「傲慢」ではないと信じたいが、30数年間付き合ってきて、さすがにワタシも少々衰えたか。往年のリヒテルさんの剛力を楽しむには、既に体力も精神力も足りません。(最近、オツカレ気味でして・・・)で、若きアシュケナージは、圧迫感もけれんもなく、瑞々しく歌って、これほど清潔で爽やかとは・・・でも「抜いた」(ヘロ)演奏じゃないんです。過不足なく、まさにバランス感覚溢れた歌心にしみじみ聴き惚れちゃいます。

 鮮やかなる技巧だが、音色やタッチが暖かく、柔らかい。恣意的なテンポの揺れが見あたらない。それでいて素っ気なさは微塵も感じさせなくて、なんか陶酔させられるような閃きやら、才能の輝きをはっきりと感じます。少なくとも彼のピアノには(指揮では時に感じさせる)濃厚なクドさは存在しない。緩叙楽章の繊細な味付けはもちろんだが、第1楽章には「傲慢」さではなく「希望」と「含羞」を表現します。終楽章のスピードは存分だが、これ見よがしの「指の運動性能誇示」ではなく、もっとていねいな旋律の味付けを重視している・・・

 マゼールのバックは理想的です。当時既に若手特有のクセとアクが表出していた時のはずだが、モントゥー時代ラストの輝きを誇ったロンドン響を美しく、ピアノとピタリ!息を合わせて絶妙。

 ストコフスキーは、往年の「フェイズ4録音」(なんかようワカランが、1960/70年にやたらと分離を強調した録音方法があった)だが、かなり音質劣化しております。彼らしい雰囲気タップリの演奏が、切れ目なく9曲選択されていて、ワタシは楽しみました。但し、あのノーブルなニュー・フィルハーモニア管にしては、少々アンサンブルがラフというか、ストコフスキーはその辺り、あまり神経質じゃなかったのかな、とも思いますね。リズム感も少々ユルいような気もする。(2004年11月13日)

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written by wabisuke hayashi