Bruckner 交響曲第7番ホ長調(ハース版)
(ハインツ・レーグナー/ベルリン放送交響楽団)
Bruckner
交響曲第7番ホ長調(ハース版)
ハインツ・レーグナー/ベルリン放送交響楽団
DEUTSCHESHCALLPLATTEN TKCC-30618 1983年の録音 1,000円(税込み)で購入
2002年再聴。Brucknerはほとんどお気に入りの曲ばかりだけれど、第7番のノーブルな美しさは出色でしょう。このCDを取り出して気付いたけれど、ずいぶんとこの曲は聴いていない・・・・・と、思ったら、1992年ライヴのチェリビダッケ/ベルリン・フィルばかり聴いていて、レーグナーの演奏とはあまりに違っていて連想できなかっただけなんです。
第8番より2年前の録音だけれど、金管の絶叫時に音が割れてうるさく思うことも有。つまり、録音は悪くはないが、高音が少々刺激的なのはマスタリングの関係でしょうか。記憶通りのストレート推進系演奏で、テンポは速く、装飾が少なく、贅肉がほとんどない演奏でした。(個人的にうらやましい)
Brucknerのキモはスケルツォです。ここのリズムが元気良くて、ハズむようでもあり、(録音の関係か)そうとうに金管が活躍して頑張ってくれているのが好ましい。細部が粗っぽい演奏ではないのですが、この楽章は「荒々しい躍動」と評価してもおかしくないし、野性的な魅力を感じました。
第1楽章、そしてこの曲の魅力を不動のものとしている「アダージョ」には「化粧系色気」皆無。陶酔に充ちた極上の和音を思い入れタップリに表現したいところだろうが、素朴で元気いっぱいで・・・というのはBrucknerの原点だから、これも悪くない。叱られるかも知れない比喩だけれど「男性的」(それも飾らない、地方出身の体育会系〜少々融通が利かないガンコさ有)演奏なんです。
オーケストラは元気が良くて、カッチリとした芯を感じます。「極上のテクニックとアンサンブル」とは質的に異なるし、「異様なくらいの艶」もないでしょう。だけれどBrucknerにはとても似合っていて、聴いていて素朴な歓びを感じる響きなんです。まとまりにくい終楽章だって、考えすぎじゃなくて音楽する楽しさに溢れて気持ちがよろしい。
第8番に比べると、やや粗野さが前面に見えるけれど、迫力はこちらが上です。「神秘なる精神性」みたいなものとは無縁、Brucknerはこれでも充分魅力的。以下、昔の恥ずかしい文書も以下にそのまま掲載。レーグナーは2001年に残念ながら亡くなりました。 (2002年3月22日)
レーグナーは最近も読響に来ていますか?最近、どうも消息を聴かない。Berlin Classicsでは、かなりCDで復活していますね。
これは1992年に国内盤で出された1,000円盤です。新星堂のシリーズと併せて、5〜9番まで揃えました。(何故か4番は買っていない)当時はBrucknerのCDが高くて、これが一番安かったはずです。CDでは、私が最初に買ったBrucknerの一枚でしょう。
1983年なのに、まだアナログ録音。それは良いのですが、まだCDへのデジタル・リマスターに不慣れなためか、ヴァイオリンとトランペットの高音が割れます。残念。
演奏はすこぶる面白い。「なんやねん」という人も多いでしょうね。
速いテンポ。全曲で59分。早いだけではなくて、良く云えばストレート勝負、悪く云えばあまりに工夫が足りない。荒れ球でときどきナチュラルにシュートする。(たまにテンポが揺れる)オーケストラの音色は洗練されないが、軽量ではない。
ホルンと木管はわりと良い音で鳴っていますね。音楽の流れとしての「ノリ」や力強さは、なかなかで悪くないと思うのです。トータルの響きも薄くなくて、「それらしい」音になっています。
でも、この演奏は細部の旋律の繊細な歌、とか、静謐さに欠けます。なんとなく、いつも落ちつきがなくて、ガチャガチャしてうるさい感じ。
テンポはほとんど揺れないのですが、素朴な味わいはあって、私はそう嫌いな演奏ではありません。ハース版はアダージョの一番盛り上がるところで打楽器が入りませんが、けっこう感動的な演奏に仕上がっていると思います。
スケルツォは、レーグナーの体質にあっていて、圧倒的なゴリゴリとした迫力で最高。いつも思いますが、「スケルツォこそBrucknerのキモ」ですからね。ここを乗り切れば合格です。
旧東側のベルリン放送交響楽団って、なかなか古臭い音がして面白いですよね。録音はたくさん残っていて、指揮者によってずいぶん印象が変わって聴こえます。
ドイツ統一後は苦労していると思うんですが、新しい録音は出ているのでしょうか。数年前に来日したときはシュナイトが指揮していましたが、現在の指揮者はいったい誰かも調べておりません。
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