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音楽日誌

2009年8月粟津温泉のホテルにて
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●2009年9月某日

本日明日明後日と北陸方面出張、本日でクールビズ終了なので、ネクタイが必要です。当面のお仕事実務は乗り切っている(つもり)だけれど、午前中会議(というか、研修というか、来年度の準備というか)出席して、昼から東京本丸担当と打ち合わせ、夕方にはJR北陸線に乗って小松へ。月度替わりの【♪ KechiKechi Classics ♪】 更新の準備がなにもできておりません。金曜の定例更新の原稿にも手付かず、ヒジョーにマズい。エラそうにもったい付けて「休止宣言」もクソもなくて、ガソリンが切れて静かに止まっていくみたい・・・

昨夜、Vivaldi 協奏曲集「四季」(ドレスデン版)〜フレデリコ・グリエルモ(v)/ラルテ・デ・ラルコ・・・NAXOSで聴いたので録音詳細情報や版のことはよくわからない。子供の頃からイ・ムジチで聴きすぎて、「今更・・・」的感触も正直あります。アーノンクールを嚆矢とした過激派演奏もいくつか聴いたけれど、初耳ほどの感銘はない・・・「ドレスデン版」とは楽譜由来の正当性はわらかぬが、驚くほどの管楽器付加(小鳥の歌をピッコロ?で担当するのは予測できるが、ホルンは予想外の効果有)で多彩なんです。表現そのものは”過激派”で、テンポの揺れやら装飾音たっぷり、リズムの切れ味たっぷりのもの。けっこう楽しい!ええ勉強になりました。

で、気になったこと・・・「ドレスデン版」への言及を求めてネット検索していたら、上記同じ音源への言及ありました。Guido(1675-1728)の「四季」によるスケルツォ・アルモニコ、という珍しい作品がフィル・アップされているんです。もちろん、言うまでもなくVivaldiより馴染みはない(初耳だ)し、やや技巧に走って、もっと旋律に歌謡性があれば、とも思うが、充分新鮮な感触を得ました。ところが、検索で行き着いたブログ言及ではVivaldiの引き立て役であり、駄作である、と。信じられぬ。

これはクラシック音楽ファンにありがちの悪しき保守性であり、”馴染んでいなければ、即ち駄作”というネット上に散見される事象であります。かつての記憶では「四季」作品8/1-4に対して、作品8/5-12は駄作である(とんでもない!名曲)との言及、Gershwinの「ラプソディ・イン・ブルー」は名作だけれど、「ピアノ協奏曲へ調」はどうでもよい、某若手のBeethoven のヴァイオリン協奏曲は見事だけれど、フィル・アップであるBernstein「セレナード」はどうでもよい(これだってヴィヴィッドな名曲!)・・・旧態に安易に馴染み、新規なものに心を閉ざすのは音楽ファンにとって哀しき現象であります。

(在小松ホテル)借りているサーバーが不調らしく、更新不可。いずれ、明日10月向けの原稿にはまったく着手できておりません。いつものようなお仕事をこなして、夕方チームメンバーを伴って新大阪へ〜ぎりぎりで雷鳥に間に合わず、次のサンダーバードで金沢〜小松戻り。ホテルに入ったあと、(寂しい)駅前辺りで一年ほど前に入った呑み屋でおいしい魚、たっぷり日本酒いただきました・・・ダイエットはどーなった?

これで苦痛だった9月終了。でもサーバー不調でメンテ中とのこと、更新はもちろん閲覧も不可。


●2009年9月某日

昨夜は借りているサーバーが不調だったみたいで、【♪ KechiKechi Classics ♪】 アクセス不能〜に気付いたのは、「音楽日誌」更新がアップ不能だったため。今朝は快復しているようです。久々じゃないのかな?涼しくなって雰囲気はすっかり秋、本日はどんより曇り空+小雨模様でクールビズもそろそろ終了です。ネットで「医龍(2)」の最終回を見ていたので、少々寝不足ながら睡眠は順調です。

昨夜、渡瀬恒彦、伊東四郎という黄金コンビで2時間ドラマがあったが、エラく長いな、と思ったら3時間だったのだね、映画並(もっと長い?)だ。荒唐無稽でもかまわないんだけれど、少々ダレ気味。筋立て、展開も粗っぽく説得力を欠くし、細部のツメも全然ダメ。主たる登場人物である人気ロッカーが、全然歌がヘタクソなのに閉口しました。女性陣も配役が弱い。時間の浪費。但し、大分県日田市の風情は美しかったな、九州・博多時代になんども訪問しているし、2度ほど宿泊したこともある。

今朝、F.Couperin 「趣味の融合、または新しいコンセール」〜コンセール第5番ヘ長調〜ムジカ・アド・レーヌム(2004年)拝聴。この7枚組はどこを聴いても楽しさ満載で、馴染み薄いフランス・バロックの楽しさを堪能させてくださる優秀な古楽器アンサンブルであります。


●2009年9月某日

毎度のことながら番組改編期のテレビはいっそうオモロくなく、結局、新しいクールもどんどんツマラなくなっている感じ。経費節減は理解できるし、クイズ番組も悪くないが、どこもクイズばかり、というのはどーなんでしょう。結局、昨夜は遅くまでネットにて「医龍(2)」を見ておりました。画質はショぼいが、好きなだけ無料で見られる!(違法なのか?)というのが凄い時代になったもんだ。坂口憲二、小池徹平、佐々木蔵之介以外、ほとんどフツウありきたりのキャラじゃないのが素晴らしいアク。

堺市長選、橋元知事推薦候補が「相乗り」候補を破る〜って、これが当たり前の感覚なんじゃないの?反省すべきは地元の民主党であり、これから新市長の手腕が問われます。10月1日付け高級官僚天下りストップとの記事〜総論賛成で各論に至るとなにもできないんじゃないか?との揶揄よそに、けっこう政治の動きはオモロいんじゃないか?前原さんは、八ツ場ダムに続き、JAL経営問題でたいへんですね。先日、”仮に、継続する経費=中止する経費であっても、ムダなものは作らない”と書いたけれど、中止する経費が上回っても、これから政策を考えれば中止する、とのこと。いずれ旧態勢力はなにも言う資格はないんじゃないか。

DECCA 4801226  12枚組3,852円更に▲ポイント引き500円ほど?Bach 平均律クラヴィア曲集第1巻〜アンドラーシュ・シフ(p)((p)1986)・・・この12枚組は得難い価値を持っているが、正確な録音日程クレジットがないのは手抜き製品。(調べりゃ良いんだけれど)(昨年2008年)購入時”素朴な呟きのような音色なんだけど、けっこう細部表現がゆれて(いじって?)浪漫的な演奏方面か・・・”と、違和感があった記憶有。この作品に限って言えば、リヒテルの強靱な個性やタッチが刷り込みだったかも。昨日来、CD2枚分しっかり聴いて静謐なる感銘が押し寄せました。力まず、粛々諄々とした柔らかい説得力充分。チェンバロとは異なった魅力なのは当然だけれど、ずいぶんと耳あたりのよろしい世界も悪くないんじゃないか。

では、ブルーマンディ(でもないな)に出掛けて参ります。

昨夜は寝不足だったんだけれど、なんか久々にフツウの体調のような・・・午前中はかなりの(いやな)汗をかいたんだけどね。お仕事はぼちぼちかな?壊れた”ハヤシシステム”は、ちゃんと一週間前の状態に復旧していただけるそう。明日で今月分の作業クールはいったん終了。明後日より出張です。

Beethoven ピアノ・ソナタ第7番ニ長調 作品10の3〜スヴィァトゥスラフ・リヒテル(p)・・・例の87枚組には、時にこんな著名演奏家の録音が含まれているんです。(由緒はわからんが。音質もそう悪くない)閑話休題(それはさておき)名曲ですよねぇ、これ。しっかりとした芯を感じさせるタッチで、ヴィヴィッドな表現になっておりました。

続いて、ピアノ・ソナタ第8番ハ短調 作品13「悲愴」〜ドゥブラフカ・トムシック(p)・・・この人は廉価盤に多く登場するが、けっこうしっとり感銘深く、立派な演奏です。このサイトにいくつか言及がありました。


●2009年9月某日

英DECCA 473 813-2 7枚組アリシア・デ・ラローチャ逝去。享年85歳とのこと。遺された録音はもちろんだけれど、写真で拝見する限りながら、若い頃から晩年まで気品漂う容姿が魅力的です。世代は順番交代だから仕方がないけれど、自分が若い頃から馴染んだ音楽家がどんどん冥界に逝って仕舞うのは寂しい限り。今朝からChopin 24の前奏曲 作品28(1974年)拝聴しておりました。最近、マルタ・アルゲリッチの天衣無縫なる演奏に感心したばかりだけれど、こちらは優しくも瑞々しい美しさが名残惜しい。この人はテクニックも安定しておりました。

お恥ずかしい話だけれど、久々彼女の7枚組を取り出したら、Lisztのピアノ・ソナタ ロ短調(1975年)が収録されておりました。先日の更新で「Lisztは苦手中の苦手代表選手だから、この作品は棚中このCDしかない」と書いたばかりなのに・・・情けない。

Schumann 幻想曲 作品17/幻想小曲集 作品12/パガニーニの奇想曲による6つの練習曲 作品3〜イエルク・デムス(p)(1960年代後半録音)・・・13枚組、誠実で希有な価値を持つ全集と評するのに吝かではないが、やはり技術的には少々厳しいんじゃないか。もともと大好きな作品だけれど、幻想曲 作品17にはゴージャスな柄の大きさが不足して、幻想小曲集 作品12はリズム感がおかしい?(「飛翔」を聴いて、若い頃にFM放送を聴いて愕然とした記憶が蘇りました)

これよりスポーツクラブへ出掛けましょう。ゴロゴロしていても仕方がない。

女房殿は再就職に伴って健保組合が替わったので、ともに法人契約のスポーツクラブ通いもそろそろ最後、日曜のボディ・ヒーリングは壱時間コースなんで苦しいんです。んもうヘロヘロ、帰宅したら身動き取れず。起きあがれないほど。こりゃ毎日通ったら凄いカラダになるだろうね、きっと。

来週の【♪ KechiKechi Classics ♪】 更新原稿未着手。しかも今週末は2泊3日北陸の旅であります(準備がほとんど必要ないし、当日もお付き合いが70%なので気分はラク/問題は体調のみ)。

Mozart レクイエム ニ短調 K.626〜ペーター・ノイマン/ケルン室内合唱団/コレギウム・カルトゥジアヌム/ダイアナ・モンタギュー(s)/マイケル・チャンス(ct)/クリストフ・プレガルデイエン(t)/フランツ=ヨゼフ・ゼーリヒ(b)(1991年)・・・大好きな作品、稀代の名曲だけど、ここ数年掛けて同一作品はかなり処分いたしました。と、いうのも、このケルン室内合唱団の集中力、リズムのキレ、アンサンブルの精緻、コントロールが半端ではない水準故、他の演奏は安易に聴けない・・・そんな状態に至ったから。おそらくは古楽器系の器楽アンサンブルなんだろうが、ほとんど超絶的な声楽技量に圧倒され、伴奏なんてどーでもエエ!ってな感じです。

聴き進めると、あまりの完璧なる整い方に少々冷たさを感じるほど。逆に、音質演奏技量ともかなり落ちるが、妙に無垢な精神性を感じさせるフェルディナンド・グロスマン盤(少年合唱団が入っている)を懐かしく思い出したものです。


●2009年9月某日

昨日夕方、職場より連絡有、職場のあらゆる作業合理化の元データファイル(通称”ハヤシシステム”)を破壊した、とのこと。いくつか悪条件が重なったと類推されます。で、本日これより”様子見”で休日出勤(禁止されているんだけれど)、おそらくは完全修復に一週間以上掛かるんじゃないか?と類推しております。ちょっぴり壊れた、くらいだったら壱時間か?

サイトは一本追加更新、なんとか実施。

10時過ぎに職場に出掛け、机上の宿題をいくつか消化。上司が珍しく出てきていて、いくつか資料(求めに応じて)拠出し、件(くだん)の壊れたデータの様子を見ました。出ているエラーは「複数の使用者が変更を加えています」とのことで、(ACCESS)データ更新時途中に他の人が開いた、という証言を裏付けしているが、おそらくは(遠くなった)サーバー・アクセスが一時途切れたことと重なったんじゃないか。個別のデータテーブル、クエリは無事なので、そっくりデータを移行して別なファイル名で保存、問題のデータを削除した上で元の名前に復旧させる、といった手順を考えました。

いずれ、なんとかなりそうなので、昼で終了〜帰宅いたしました。昼からゆっくりいたしましょう。

ずっと気分がよろしくない。直接の要因は咽の腫れだろうが、もう少し広げて要因を考えると(3年掛けてリバウンドした)体重増、その結果による肝臓数値の悪化、そして高血圧なのでしょう。夜眠りが浅い(昨夜も途中覚醒があった)ので、昼寝をちょっとしたが、寝起きがよろしくない感じ。元気で旨いもん、酒を呑むためにはダイエットをしなくては!現在、全然呑みたくないもんね。

DECCA 467 818-2  8枚組総経費込みで3,800円ほどStravinsky バレエ音楽「火の鳥」(全曲)〜エルネスト・アンセルメ/スイス・ロマンド管弦楽団(1955年)・・・既に著作隣接権消滅して、NAXOSでも聴くことが可能な音源です。音質的には驚異的な水準であって、奥行き、広がり、けっこうな鮮度を誇ります。演奏はメルヘンな雰囲気があって、悪くない・・・が、オーケストラが上手くないのだな、現代の耳で聴けば。聴くに耐えぬヘロ演奏ということじゃなくて、アンサンブルの緻密さが全然足りんのです。各パートは(シロウト耳だって)弾けてないのがわかるし、それにサウンドに迫力が足りない。最晩年に優秀なオーケストラで再録音したのも理解できます。おそらく3大バレエ全部録音したかったんだろうな、もうちょっと寿命があれば。

NDRCD5010  6枚組2,929円Wagner 楽劇「神々の黄昏」第3幕〜ヴィルヘルム・フルトヴェングラー/イタリア放送ローマ交響楽団/フラグスタート(ブリュンヒルデ)/ズートハウス(ジークフリート)/グラインドル(ハーゲン)/ヘルマン(グンター)他(1952年5月31日)・・・翌年の全曲録音前の第3幕のみ録音。フルトヴェングラーのWagner評価は様々のようだけれど、LP時代よりけっこう馴染んでいて、音質乗り越え壮絶な迫力、フラグスタートの強靭な歌声がびんびん心臓に響きます。これでもっと体調がよければ万全なんだけどね。


●2009年9月某日

予定変更し、宿泊せず昨夜遅くに金沢より帰阪。夜の(ご当地)講演会が早めに終了したので、上司と雑談しつつ戻って参りました。朝、いつものサンダーバードに乗ろうとしたら、電光掲示板に当該の列車案内がありません・・・北陸先方面で故障があって、列車の配車不能とのこと、この時点で11時からの会議対応不能となり、あちこち電話掛けまくって中止のお詫び入れ。一本遅い雷鳥(混んでました!)にて壱時間ほど遅く到着、ゆっくり昼食摂って昼からの会議のために上司と合流。目次(題目)しか打ち合わせしてないとは思えぬ阿吽の呼吸で報告分担、成果も薄かったが、問題も出ず、無事乗り切ったといったところ。

じつは、体調不良も極まった、といった感じで、一昨日祝日出勤資料作成時もずっと大汗かいてました・・・ここ数週間の症状で、暑くないのに、暑さを感じていないのに、ずっと大汗状態。熱はないのだね。昨日の金沢往復も同様の状態継続。ドリンク剤飲んで乗り切った感じ。耳鼻咽咽科(毎週咽の調子が悪く点滴)+最近は左膝のリハビリに通っているけど、本日半日空いたし内科に相談に行こうと考えております。エエ病院(医者)に当たると良いのだけれど。

PHILIPS  400 074 2  290円昨日移動中(待機中)聴いた音楽。Stravinsky バレエ音楽「火の鳥」全曲〜コリン・デイヴィス/コンセルトヘボウ管弦楽団(1978年)・・・西ドイツ製、トラック分けなしのCDだから、20数年前のものか。6年ぶりの聴取だけれど、お気に入り作品であり、数多くの演奏を聴いてきたつもりが、これが一番だな。オーケストラも録音も最高!穏健でバランスがよろしく、細部まで明晰でありながら、自然な、暖かいサウンドと表現に胸打たれます。打楽器など凄い迫力なんだけど、それが鋭利に響かない。メルヘンよりシンフォニック、といった感じかな。結論的にはコンセルトヘボウの音に酔いしれました。

Bach マタイ受難曲BWV244〜ヴィレム・メンゲルベルク/コンセルトヘボウ管弦楽団/アムステルダム・トーンクンスト合唱団/ザンハルスト少年合唱団,/カルル・エルプ(福音史家/t)/ウィレム・ラヴェッリ(イエス/b)/ジョー・ヴィンセント(s)/イローナ・ドゥリゴ(a)/ルイ・ファン・トゥルダー(t)/ヘルマン・シャイ(b)(1939年ライヴ)・・・数日前”摘み聴き”したのでちゃんと再聴。LP時代、廉価盤一枚物の抜粋の音質に閉口した記憶有。オリジナルの様子はわからないが、NAXOSの復刻は成功していると思います。会場の奥行き空間がちゃんと認識可能。

器楽声楽とも分厚い響き、恐るべき詠嘆の表情付け、ルバート、劇性の強調・・・どう考えても時代錯誤だし、くどいし、恣意的だし、響きは濁るし、といった演奏だけれど、それでもこの異様なる雰囲気+説得力はなに?もともと(どんな演奏でも)日常気軽に聴ける作品ではないが、なんかとてつもない現場に立ち会ってしまったような、とんでもない体験をしちゃった〜的演奏であります。歴史的録音はネットでデータが拾えるんです。.mp3→.wavファイルにデコードすれば、CDRに焼けますから、ぜひ多くの人々に聴いていただきたい。

ああ、そういえばコンセルトヘボウ管弦楽団連続だったな。エエ音だ。バイエルン放送交響楽団と並んで一番好きなオーケストラであります。

朝一番から、この間の症状、現在掛かっている病院、処方されているヤク、詳細記入して、更に血液検査持参して某医院へ。肝臓数値の(やや)悪さ(これはずっと自覚有)、血圧が高め(これは深刻に考えないといけないかな)、ひどい汗は糖尿病の可能性があるそうだけれど、今回はその検査結果持参できなかったが、前回までの健康診断迄は問題になったことはない。

心身状況(不眠気味とか)、職場人間関係、残業休日管理(ほぼ良好)も記入したが、そのお医者はあまり興味ないみたいで、結果的に期待外れか。但し、安易に投薬指示をしないところが潔い。当面、重篤な症状は隠れていないようです。まずはダイエットか。

更に整形外科で左膝リハビリ・マッサージ実施(本日の担当はヘタクソであった)〜夕方からの(超・流行の)耳鼻科の順番取りした段階で、お仕事意欲喪失。いくつか気になる残務ないではないんだけれど、来週でも間に合うっしょ、ということで最低限の作業お願いをケータイで指示して、お休み決意。昨夜も出張帰り列車中、凄い汗でしたもの。ハードな出張内容(準備も含め)にオツカレ気味。


●2009年9月某日

これより金沢行き。連続会議対応(主催/報告たっぷり)、ノートパソコンは持参しないことにしました。オークションもやめちゃったし、メールなんて滅多に来ないし、文書執筆も苦痛になりつつある今日この頃・・・心身共の体調原因だろうか?それとも厭きてきたのか。鳩山さんの国連演説で話題になっているが、相変わらず週刊誌は醜聞狙いでどーしょーもない記事取り上げております。田中美絵子さんは「おっぱい議員」と題名を付けられ、こんどは叔父が無銭飲食!って、本人の努力や資質になんの関係があるんだろうか?

昨日、昼食時に産経新聞を読んだけれど、明確に「アンチ民主党政権」を打ち出していて、この間の動きをすべて批判しておりますね。なにごとも旗幟鮮明がよろしい(主張内容の是非は別として)。「八ツ場ダム」の件は、連日テレビで報道されているが、どうも”主張”が鮮明ではない。前原さんの政治主義主張さておき、この件は立派な姿勢だと思いますよ。国策に翻弄された住民の気持ちは理解できるし、できる限りの補償はするべきだけれど、建設は中止です。仮に、継続する経費=中止する経費であっても、ムダなものは作らない、自然を残す、ということが重要なんです。

テレビ放送は”客観報道?”、当該住民は全員、100%継続を望んでいるんでしょうか。政府施策に明確に疑義を挟む産経新聞の姿勢のほうが潔い(繰り返すが、主張内容の是非ではない)。

Berg 叙情組曲より3つの小品/「ヴォツェック」断章/「ルル」組曲〜ジュゼッペ・シノーポリ/シュターツカペレ・ドレスデン(1997/8年ライヴ)・・・この辺りの音楽は大好きで、ドレスデンのクール・ブルー系のサウンドが作品によく似合っております。Mahler 〜Bergへ、いずれシノーポリの得意な作品であって、難解でも晦渋でもない、美しくエキゾチックな旋律がたっぷり愉しめました。惜しい人を亡くしたな。

これより金沢に出発。音楽ちゃんと持参しましょう。


●2009年9月某日

これより出勤。どんより小雨模様です。たんなる休日留守番ではなく、明日(早朝出立)の定例金沢での会議資料は上司と項目だけ打ち合わせてあって、内容作成には全然着手できていない。連休がなければとうに終了している月次の定例作業もそのまま。つまり真面目に、集中してお仕事しなくっちゃいけない!という、当たり前のことであります。こんな日に限って、なんか大きなトラブルが起きそうな気がする・・・

Bach ヴァイオリン・ソナタ第1番ロ短調BWV1014/第2番イ長調BWV1015/第3番ホ長調BWV1016/第4番ハ短調BWV1017〜ルーシー・ファン・ダール(v)/ボブ・ファン・アスペレン(cem)(1999年)・・・作品としては少年時代からの馴染みだけれど、もうほとんど現代楽器では聴く意欲を失いつつあります。(シトコヴェツキーの演奏は立派だ!)Bach 旋律の表現は多様であって、現代楽器で浪漫的な世界実現も可能でしょう。事実、素晴らしくメロディアスであり甘美であります。古楽器の演奏技術の洗練、素朴粗野な味わいとと両立して、聴き応えがあります。

さて、できるだけ早く帰宅できるよう努力いたしましょう。いつものことだけれど。

ほら、やればできるでないの。明日の会議の資料準備(かなり膨大)、他連休前に残した残務、連休中に発生した諸作業、すべて完遂。職場にはほとんど誰もおらず、電話も数本のみ、メール少々。出勤して自覚したが、まだ体調は万全ではない・・・いやな汗をかいております(連休前と同じ症状)。明日から泊まりがけで金沢へ。

北海道の母親に電話してみたけれど、先日救急車で病院に運ばれた父親は即快復し、「無事快復した旨記者会見を開かねば」と言っているらしいが、ちょっと弱ってきているみたい。北海道の田舎に引っ込んでいるが、病院や買い物など便利な札幌に戻らざるを得なくなったんじゃないか。いずれ、立派な長男がいるんだから、その判断に従うことになるでしょう。

BBSの指摘にて「Macだと時に文字化けする」とのことでご指導通り、「meta http-equiv="Content-type" content="text/html; charset=Shift_JIS"」をこの「音楽日誌」に入れてみました。それと、なんか知らぬうちに要らぬタグが入っていた?(検索すると40本ほど)ので、すべて消しました。油断するとあかんね。

(通勤に音楽持参せず)帰宅して、Delius 春初めてのカッコウを聞いて/河の上の夏の夜/夜明け前の歌/「ハッサン」より「間奏曲」「セレナード」/ラ・カリンダ/去りゆくつばめ(以上1968年)/間奏曲(「フェニモアとゲルダ」より1956年)/楽園への歩み(1965年)*/イルメリン前奏曲*/夏の歌*(以上1966年)〜ジョン・バルビローリ/ハレ管弦楽団/ロンドン交響楽団*・・・罰当たりだけれど、主に音質問題であまり集中できない。どれも極め付きのお気に入り作品であり、トマス・ビーチャムの演奏に心酔していたんだけれど・・・体調なんだろうか?

念のため、Vaughan Williams トマス・タリスの主題による幻想曲/グリーン・スリーヴスによる幻想曲〜ジョン・バルビローリ/シンフォニア・オブ・ロンドン(1962年)・・・絶品。言うことなし。練り上げられた、まったり甘美な歌に溢れて文句なし。これは音質も良好でした。


●2009年9月某日

祝日。休みラスト。人様より一日早く、明日より出勤(留守番役だけれど、待ったなしのお仕事溜めている)。一昨日はご近所の焼鳥屋へ行き、昨日は夕方スポーツ・クラブ(一昨日と同じメニューなのに、何故かもの凄くハード!)経由お好み焼き屋へ。いずれアルコール控え目です。【♪ KechiKechi Classics ♪】 サイト更新用原稿にはまったく手付かず、この(音楽への精神)意欲の落ち込みはいったどういうことなんでしょう。

昨夜、テレビにて映画「おくりびと」拝見。封切りの時、女房殿は行ったがワタシはご遠慮申し上げました。なんせ題材が題材なもんで(先入観含め)。結論的に題材の”重(苦し)さ”は想像通り、旧いスナック(旧喫茶店?)、レコード、NKコーポレーションの怪しい建物、消えゆく日本の伝統的民家、寂れた銭湯、庄内の自然と空気、人々の懐かしさ、そして清涼なる音楽・・・筋立ての緻密さ、演技陣の見事なこと、そこはかとないユーモア・・・驚くべき完成度でした。主人公若夫妻の心証風景の揺れ(広末涼子ちゃんはエエ女優さんになった)はもちろんだけれど、余貴美子さんの存在感はワタシの嗜好(大ファン!)でしょう。峰岸徹さんはほんまに故人になっちゃったな。

働きに出た女房が、服とバッグ、ベルトが欲しい(就職の度の恒例行事)とのことで、梅田へ。ほんまはワタシの秋冬ズボン、カッター、靴、ベルトもピンチ(=よれよれになってきた/サイズ的にも)なんだけど、方向性を決めただけで何も買わず。スポーツクラブに行く元気はあっても、人混みの繁華街に出掛ける体力は衰えておるのだね。昼飯喰って帰ってきました。

Haenssler cd93.040 2枚組オークションにて総経費込810円Wagner 楽劇「ニーベルングの指環」〜管弦楽抜粋〜エーリヒ・ラインスドルフ/南西ドイツ放送交響楽団(1984年)・・・「ヴァルキューレの騎行」から始まって、「ジークフリート」からはちょっぴり、あと大部分は「神々の黄昏」から著名なる「ラインへの旅立ち」「葬送行進曲」そして終曲へと続く48:31・・・とは、2009年6月の記録であります。2枚組810円入手というのは、けっして高くないのだけれど、ケースが割れて届いたのと(これはワタシもずいぶんとあちこちご迷惑を掛けたので仕方がない)、先日店頭処分500円で目撃したのがちょっと悔しい・・・(ケツの穴の小さいこと!)閑話休題(それはさておき)

昨日来聴いている「リング」管弦楽抜粋だけれど、”正確であり、クールであり、繊細。細部入念に描き込んで構成感にも欠けないが、激情とか情熱とか揺れ動き、みたいなものとは縁遠いかも。でも、こんな演奏こそ長く、飽きずに聴けるんじゃないか”との当時のコメント通り、ドラティ、セルに負けぬ充実した、立派な演奏であります。この人はオペラの出身なんだな、歌がないのが不思議な臨場感があって、オーケストラもとても上手い。おそらくは自身の編曲であって、全曲切れ目なく演奏されるのも効果的です。

Bach マタイ受難曲BWV244〜スティーヴン・クレオバリー/ケンブリッジ・キングス・カレッジ聖歌隊/ブランデンブルク・コンソート/ロジャー・コーヴィー=クランプ((t)福音史家)/マイケル・ジョージ((b)イエス)/エマ・カークビー(s)/マイケル・チャンス(ct)/マーティン・ヒル(t)/デイヴィッド・トーマス(b)(1994年)・・・もちろん全曲聴いた訳じゃないが・・・でも、希有なるナマ体験もして馴染みの作品であります。NAXOS 8.110880-82  3枚組2,080円メンゲルベルク畢生のライヴ(1939年)に永遠の価値を認めるに吝かではないが、あれは罪作りじゃないか。(自分にも)

圧倒的に感傷的であり雄弁、濃厚なる悲劇〜この刷り込み影響は凄いですよ。古楽器派のワタシが、このスティーヴン・クレオバリー盤を”薄味”と感じますもの。Bach の声楽作品って、楽器編成から想像も付かないほど巨大なる宇宙を感じさせるけど、この「マタイ」は身の丈に、親密に感じますもの。歌い手に(懐かしい)カークビーとか、マイケル・チャンスが参加していたんですね。凄く好きな方向なんだけど、なんだか、ちょっとだけ物足りない・・・

件のメンゲルベルク、2枚目をちょっとだけ聴きました。いや、凄い。ド迫力。音質乗り越えて臨場感たっぷり、聴き手の胸を締め付け、打ちのめします。「歴史的録音」って、時にこんなものと出会っちゃうから、困るんです。


●2009年9月某日

祝日。休み。

昨日は義父の法事に息子も来ており、昼食後、450ccのバイクにて駅まで送ってもらいました。学生時代より原付に乗っていたけれど、事故は一度もないようだし、お仕事で使うクルマも含めけっこう安全運転みたいだね。昼からの墓参りはご遠慮したが、なんか、やたらと眠くて体調があまりよろしくない(いつものとは少々違う?)感じで、移動列車中、そして帰宅してからも昼寝しておりました。

昨夜、ドラマ「官僚たちの夏」最終回拝見。城山三郎の原作を読んでいないから、純粋に歯応えのあるドラマとして、そして1960年代高度成長時代の”政治と官僚”について、ちょっと考えさせられる内容でしたね。時、あたかも政変の時期であって、脱・官僚の流れとどう対比して考えるのか。所謂、日本が元気だった頃「三丁目の夕日」官僚版として、あのころには矜持ある立派な官僚がいた、と読むべきか?それともたんなる時代錯誤なのか。ま、女房殿はイケメン俳優勢揃い(高橋克実を除く)で喜んでいたけれど。いずれ、日本はまだ貧しく、皆前向きのエネルギーがあった・・・と感じます。

LONDON 417 775-2 @250Wagner 楽劇「ラインの黄金」より「前奏曲と神々のワルハラへの入城」/楽劇「ヴァルキューレ」より「ヴァルキューレの騎行」/「ヴォータンの別れと魔法の火の音楽」/楽劇「ジークフリート」より「森のささやき」/楽劇「神々の黄昏」より「夜明けとジークフリートのライへの旅立ち「/「ジークフリートの葬送行進曲」/「神々の自己犠牲」〜アンタル・ドラティ/ワシントン・ナショナル交響楽団(1975年)・・・ドラティには「オランダ人」の全曲録音があるし、けっこうWagnerを得意にしていたのかも。じつは購入5年ほど?当初、オーケストラの音色がツマらないな、といった印象でした。

その後、曲がりなりにも本場の全曲ものを聴く機会があって、歌の入らない抜粋ものからはますます疎遠に〜こうして再聴の機会を得ると、英DECCA往年のアナログ録音は見事な雰囲気があるし、ややさっくりしてはいるが、ツボを抑えた立派な表現となっておりました。オーケストラの弱さ云々は気にならず、モダーンで明快、充分迫力ある演奏と感じました。どの作品も好きだけど、ここ最近は「森のささやき」の啼き交わす鳥の声がお気に入り。

Gala/SONY 500693 2 @250Wagner 楽劇「ラインの黄金」より「前奏曲と神々のワルハラへの入城」/楽劇「ヴァルキューレ」より「ヴァルキューレの騎行」/「ヴォータンの別れと魔法の火の音楽」/楽劇「ジークフリート」より「森のささやき」/楽劇「神々の黄昏」より「夜明けとジークフリートのライへの旅立ち「/「ジークフリートの葬送行進曲」と「終曲」(以上1968年)/楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲/楽劇「トリスタンとイゾルデ」より「前奏曲」と「愛の死」(1962年)〜ジョージ・セル/クリーヴランド管弦楽団・・・これは(正規盤ながら懐かしいジャケット・デザインじゃないのが残念)かつて紅顔の美少年だったワタシが、ココロ震わせて聴いた一枚であります。(マイスタージンガー、トリスタンを除く)

これも、じつはバイロイト全曲聴取以来、ちょっと敬遠しつつあったもの。理由は上記と同様+ジョージ・セルの明晰な(過ぎる?)表現に少々違和感があったため。(音質もあまり良好とは言い難い)それにクリーヴランド管弦楽団って、オーケストラそのもののサウンドというか、色、味わいはさほどにお気に入りじゃない、作品を選ぶとも感じておりました。見直しのキッカケは1954年ニューヨーク・フィルハーニックとの「マイスタージンガー」前奏曲であって、”剛毅なスケールと推進力にぐうの音も出ないほどに打ちのめされ”たこと。

この人は雰囲気で聴かせない!人なんだね。細部曖昧さ皆無、峻厳で贅肉の欠片もない。この無駄を削ぎ落とした集中力に入り込めば、辛口で色気のない演奏にも魅力爆発の発見がありました。

ワタシは移り気であり、カッコ付ければ”マルチタスク”人間でして、お仕事も数種同時進行して消化していくし、音楽然り、そして読書然り。吉田桂二「家づくりの知恵」(角川ONEテーマ21)・・・おお、リンク先には読者レビューがまだないですね。内容豊富、たんなる居住のノウハウにとどまらず、その歴史的経過、文化人類学に及ぶ豊富な内容(しかも、実例付き、実用的)で、安易なる読み進みを許さぬ濃〜い内容であります。戦中に若い働き手がいなくなって山が荒れ、木材は輸入に頼るようになった。輸入木材にもいろいろ問題はある(材質、そして伐採される側の環境問題など)が、戦後、植林された品種の誤り、そして高度成長に向け、やはり若者は重労働の山仕事をしなくなった・・・家の作りよう、門構えで地域の交流に変化が生まれる・・・話題は吉田兼好〜江戸時代を経過し、現代に至ります。

北海道の親父がまたひっくり返ったそう(倒れたわけではないが)だし、自分もこの環境悪い貸しマンション(社宅扱い)から(いずれ)脱出しなくっちゃいけない。いろいろ考えちゃう秋の休日です。


●2009年9月某日

本日、義父の三回忌。亡くなって丸2年経ったのだな、ずいぶん昔のような気がします。ちょうど岡山から大阪へ異動となり、女房はお仕事を辞めなくっちゃいけなくなったが、実家から近くなって父親の最期迄面倒を看たのは人生の巡り合わせでしょう。息子もちょうど大学卒業して大阪に就職、爺さんの葬儀に最初から最後までつきあったのも良い経験になったはず。当時、ワタシはお仕事環境の大変化、我が儘放題だった前職から、お仕事大苦戦で憂鬱なる体調悪化の毎日でした。

それから2年、いろいろあったが、再び”我が儘放題”のお仕事に至っております。あっと言う間?でも、凄く時間が掛かったような、苦しくも濃密なる経過。そういえば当時、入魂の”欠礼葉書”を作成(在りし日の爺さんが、小さかった孫二人を抱いた写真付き)、読み手の涙を誘ったっけ。

昨日、久々のスポーツクラブは楽勝!と思ったら、今朝起きたらカラダ中が痛い(とくに上半身)。”ボディー・ヒーリング”というのはくせ者なんです。ヨガのコース(かつて2回のみ経験)よりラクなんだけど、ちゃんと、じわじわ効いている・・・らしい。継続せんとあかんね、真面目に。

Tchaikovsky 交響曲第5番ホ短調〜エフゲニ・ムラヴィンスキー/レニングラード・フィル(1960年)・・・どんな経過があったのかは知らぬが、西側のDGで(これはウィーンにて)録音されたもの。ワタシが子供の頃から絶対的な存在だった記憶があります。もちろんLP時代からお気に入りでした。10年ほど聴いていなかったかも。駅売海賊盤だけれど、LP時代と同印象の音質〜必ずしも鮮明とは言い難いが、妙に存在感がある。第1楽章から入魂の研ぎ澄まされたアンサンブル+集中力を誇ります。所謂”暑苦しくも濃厚なる露西亜”とはイメージを異にする洗練されたサウンド、かな?と思っていると第2楽章辺りに至って、期待の野太い金管が徐々に耳に迫ってきて期待は高まります。ホルン・ソロは名手ブヤノフスキーですか?びろびろの激甘ヴィヴラートこそ”待ってました!”と声を掛けたいところ。

鋭利な切れ味、緊張感は時代の産物だったのか。かつて(けっこう長期に渡って)Tchaikovskyを苦手としてきたが(妙に気恥ずかしい旋律)すっかり快復いたしました。但し、ラストまで大爆発サウンドに耐えられる気力体力が必要です。

【♪ KechiKechi Classics ♪】に登場する音源が”マニアック”なのかどうか、自覚はないんだけれど、往年の評価の定まった音源登場機会が増えていると思います。上記、ムラヴィンスキーだって50年前でしょ?評価もクソもあるかっ!状態の昔か。かつての”名盤”が激安で登場しているというか、それとも、聴き手の世代も一巡して、むしろ新鮮なる存在になってしまったのでしょうか。で、引き続き、”往年の名盤”登場。

EDEL LC06203   1959年録音 11枚組3,290円Beethoven 交響曲第9番ニ短調〜フランツ・コンヴィチュニー/ゲヴァントハウス管弦楽団/ライプツィヒ放送合唱団/ヴェングラー(s)/ツォレンコップ(a)/ロッチュ(t)/アダム(b)(1959年)・・・これも50年前録音。LP時代からお気に入りでした。fontana盤を2枚購入しておりました。(ローティーン時代/現代の貨幣価値+子供にとっての出費を勘案すると壱万円?相当か。そりゃ大切に聴きまっせ)草臥れ中年に至って、CDは安くなるし、自由になるカネはできたけれど、肝心の感性が摩滅しました。2001年の更新が一番旧いから、その頃にはボックスセットを購入していたのでしょう。

結論的には、思ったより、記憶(想像?)よりずっと良かった、ということです。誠実であり、熱狂ではなく、手堅くオーソドックス。同時期に世界を(日本も)席巻したカラヤン全集とは対極にあるようなジミな演奏です。CD購入当時、音質がすかすかと感じたのは、おそらくオーディオ問題だったのでしょう。昨夜のちょっとした改善の成果か、さほどに悪い音質には聞こえない。(臨場感は足りないかも知れないが、なんせ50年前でっせ)押し寄せる感銘ではないが、聴き馴染んだ作品を過不足なく、立派に仕上げて下さって、それなりの満足感+手応えはちゃんとある・・・

弦主体のジミなサウンドが、痺れるほどの燻し銀に至っているか、と問われると、ちょいと色気も雰囲気も足りないんでないの?と答えざるを得ない。でも、こんな原点帰りの飾らない演奏は壱時間10分、しっかり最後まで手応えを感じて聴き通すべき価値はあるんです。


●2009年9月某日

よく眠れ、いつもよりちょっぴり寝坊してサイト更新もう一発(なんとか)実施。一度通して聴いて、更に部分確認しながら、集中して壱時間は必要なのだね。心身共の体調維持が大切。かなり快復しました。ここ数年のパターンである、お休みに寝込むのは勘弁して欲しい。さて、連休をたっぷり充実させなくっちゃ。

音楽は時間の限り聴くようにしているつもりだけれど、全部が全部「音楽日誌」にコメントがあるワケじゃない。印象が確定しないものもあるし、時間切れで棚に仕舞って忘れちゃうものもあります。なんせお仕事でも、朝一番に解決したことは夕方には忘れている・・・未聴CDは棚中に溢れかえっている(はずだ)が、聴いたことさえ忘れている!取り出して音楽が鳴り出したら妙に馴染んでいる、時にはネット検索して自らのコメントが出現することもありますもんね。

YedangClassics YCC-0105今朝は、Bach 2台のピアノ協奏曲ハ短調 BWV.1060/ハ長調 BWV.1061/ハ短調 BWV.1062〜ラリッサ・デドワ/ミハイル・ヴォルチョク(p)/ウラジーミル・アルトシュレル/レニングラード室内管弦楽団(1987年)/ピアノ協奏曲イ長調 BWV.1055〜タチアナ・ニコラーエワ(p)/サウリス・ソンデツキス/リトアニア室内管弦楽団(1983年)・・・まったく同じ内容のものがMELODYAから出ていて(MELCD-10-00211)、いかにも混迷の露西亜音源らしい。ニコラエーワともかく、デドワとかヴォルチョク、アルトシュレルという指揮者も初耳です。古典派の音楽では「オリジナルがどうの」とか論議が盛んだけれど、Bach の場合現代楽器で演奏しても、それはそれで別な普遍的価値を維持できるんです。全然別な芸術作品として、その個性、味わいを堪能可能。

リズムは旧態として、現代楽器特有の”重さ”はあるし、だいたい大Bach の音楽に固有の色(強弱ニュアンス、ルバートなど)を付けるのは至難の業。いや、付けるべきではないのか。表現は素直で”フツウ”なんだけど、実際はけっこう(演奏家には)難物な作品なのかも。馴染みの作品を現代のスタイルで演奏して、充分歯応えのある魅力を引き出しております。キビキビとした躍動という点では。ニコラエーワのほうが雄弁であります。

久々に西宮北口のスポーツクラブへ。ボディ・ヒーリング(ソフト・ヨガみたいなもの)は一ヶ月ぶりくらい?本日より、メニュー、音楽とも新しくなっているせいか、それとも空気が秋になっているためか?汗のかきかたが以前と全然異なります。ゆっくり昼飯を喰って、BOOK・OFFで書籍10冊ほど仕入れて帰宅〜前(真夏)よりずいぶんとラクだわ、と思ったら、激しい睡魔が!やはり効いているんですね、カラダに。すっきり昼寝いたしました。昨夜はちゃんと眠ったのに。

Schubert 交響曲第8番ロ短調「未完成」〜ロイ・グッドマン/ハノーヴァーバンド(1988〜90年録音)・・・この辺りの著名作品も古楽器が心証にフィットするんです。茫洋としたスケールではなく、親密で飾らない歌が望ましい。

Mendelssohn 交響曲第3番イ短調「スコットランド」〜ヘルベルト・カラヤン/ベルリン・フィル(1971年)・・・苦手系の作品、ということで、カラヤン全集を入手後、ほかのCDはかなり処分いたしました。1970年代カラヤンの録音は、いずれも音質の濁りが気になる・・・ま、ワタシのオーディオ・システムは全然ヘロなので、きっと再生が難しい音源なんでしょ、と類推していたら、ほんまにそうなんだそうです。耳あたりよろしく、熟達の流麗表現なんだけど、大音量で響きが濁る、弦の弱音で線が細くなり過ぎ・・・ワタシの苦手を克服して下さるほどの感銘は伺えませんでした。終楽章の迫力はたいしたものだけれど。

石原俊「いい音が聴きたい〜実用以上マニア未満のオーディオ入門」(岩波アクティブ新書)・・・アマゾンの読者レビュー評価は真っ二つ。こちら音源入手でさえ【♪ KechiKechi Classics ♪】なのに、オーディオ機器には投資意欲まったくなし、超・初心者故充分参考になりました。マニアにはボロカスでんな。興味はあるが、絶対に値引きしないから買えない「BOSE WAVE MUSIC」から話題は始まって、おそらくは”そもそも論”から「マニア」には相容れない、児戯にも等しい著作に見えたのでしょう。電源の方向さえ理解できんかったが、とぐろを巻いていたオーディオ・ケーブルをさっそく始末し、スピーカーの位置を少々動かしてみました。

だからどなの?といった程の参考書であります。


●2009年9月某日

昨日は飛び込みの緊急作業が出てきて、結局ほとんど思った作業進捗できず、午後より外出。行事会場にて旧知の人と落ち合って再会、夕方ホテルまで送ってしっかり呑みました。体調は大丈夫。ワタシが担当から離れて以降の取引先の状況やら、人事をいろいろ教えていただきました。この不況下、どんな経緯があったのか?退職された方も。トップ変更の確執から、別なところに出向されたりということも。人脈の広い方で、その場でばんばんケータイで電話するんです〜「ある人と大阪で呑んでいて・・・替わるね」、もしもし、と名乗る前に「はやっさん!」とわかって下さる方もいて、とても嬉しかった。広島に行かなくっちゃな、お仕事用事なくても。

明日から連休、そしていきなり明けて金沢取引先との会議なので、その準備を本日一気に仕上げます。というか、ほんまはとっくに準備終わっていたはずなのに、ぎりぎりまでずれ込んでしまった。そういえば昨夜呑んだお相手はワタシより下の世代だけれど、マラソン→トライアスロンに進出したそう。4人の子沢山であり、長男で親と同居しているんです。これから10年が経済的にたいへんだ。高校3年生の娘さんが彼氏を連れていてきていて、(自分以外の)家族と馴染んでいるのが気に食わない、とぼやいておりました。エエ家族みたいですな。ワタシはメタボ状態からの脱却目指さなくっちゃ。

Mozart ピアノ協奏曲第19/17/25/18番〜クリスティーネ・ショルンスハイム(fp)/ブルクハルト・グレッツナー/新バッハ・コレギウム(BC-0013872)・・・棚中数種揃っている古楽器演奏中、もっとも硬派で緊張感に溢れた演奏でしょう。速めのテンポ、軽妙軽快、といった先入観をうち崩す、しっかりとしたリズム感とアクセントであり、素朴とは言えぬ集中力たっぷり。聴き慣れた現代楽器ではないから、印象は鮮烈であります。これが旧東独逸系過激な古楽器演奏スタイルだ。(ちなみに、Bach の協奏曲も素晴らしかった)

サイト定例更新の日だけれど、一本のみ実施済。本日お仕事乗り切ってから善後策を考えましょう。

当初の狙い通り、ほぼ満点のお仕事の出来であり、もうちょっと欲張れば20点くらい不足かな。昨夜の酒が祟っていて、しかもかなり集中して作業もしたし、歯も欠けているし、ということで(業務指示の一環である)”早帰り”実行(いずれワタシに残業手当など付かないんだけれど)〜まずは歯医者へ。油断するとそこから弱っていくからね。そして左膝リハビリへと向かうが、連休前ということもあり、電気+レーザーのみでマッサージは断念(値段は同じなのだね)、で、(更にいつもの)耳鼻科へ。あまりの評判に遠方から来る人もいるらしく、貼り紙曰く「せっかく遠方からいらっしゃっても、既に他の医院にてなかなか治らないものは一朝一夕には改善しない。別途予約を取ってください」旨〜つまりババ混み状態。

帰宅は9時半でっせ。職場歓迎会だった女房殿は既に帰宅しておりました。とにかく連休へ。ラスト一日は留守番なんだけど、ここで一気に資料を仕上げましょう。

F00L-59022/24   14枚組3,150円通勤音楽は、Mahler 交響曲第9番ニ長調〜ジョージ・ショルティ/シカゴ交響楽団(1982年)・・・この録音はもちろん初耳、旧録音も聴く機会を得なかったので、ショルティの「第九」は初体験であります。これで先月購入した全集全部(ちゃんと)聴いたけれど、1970年〜10年余、ショルティは成熟していった、ということでしょう。メタリックであり、強靱であり、正確、硬派、細部まで明確明瞭(いつものシカゴ交響楽団サウンド!)だけれど、ちゃんと聴き手のココロを揺さぶる懊悩やら感情やら、そんなものが文句なく伝わってきます。1970年頃の第5/6/7番での表層ばかり磨いた、ムリムリ強引表現とは桁が違う。

優秀なる技量が、正確に指揮者の意図を伝えた、ということなのでしょう。第3楽章「ロンド・ブルレスケ」の壮絶な爆発は期待通り、木目の質感こそワタシの嗜好だけれど、真反対のきらきら(ぎらぎら?)サウンドでも作品の詠嘆は揺るがない。音質も極上。


●2009年9月某日

体調はかなり快復傾向、ということにしておきましょう。本日、お仕事中期スケジュール組み立ての完遂を狙います。昨日、昼飯を喰っているときになんかちょっと硬いものがあったような気が・・・歯の一部が欠けている、というか、なんども埋めた左前歯の一部が取れていることに今朝気付きました。急いで歯医者に行かなくっちゃ。子供の頃の虫歯オン・パレードで、社会人になってから総治療して現在は虫歯なし、但し、欠損やら歯並びは酷いもんですけど。日常歯磨き熱心で、歯周病もありません。歯石も定期的に取っておりますし。

昨夜、NMLにてBach 管弦楽組曲第2/4番〜鈴木雅明/バッハ・コレギウム・ジャパン拝聴・・・先のブランデンブルク協奏曲では少々生真面目過ぎが堅苦しかったが、こちらは最高!第2番 ロ短調 BWV 1067のウェットな曲想は少々苦手なんだけど、まさに日本人のためにあるほの暗いメロディ、湿度も密度も高い集中力がぴたりツボにはまっている。第2楽章「ロンド」に於ける付点リズム解釈って、初耳のような気が・・・スウィングするリズムが効果的であって、前田りり子さん(エラい別嬪はんでんな/名前もよろしい)のフルート技量も驚くべき充実でした。第4番ニ長調 BWV 1069のいきいきとした華やかさも魅力充分。

では、行ってきます。


●2009年9月某日

昨夜は眠れなくて困ったが、これが本来の姿であって、むしろ快復傾向なのでしょう、きっと。微熱有、肩はばりばりに凝っているが。本日は昨日出張の宿題完了、上司との定例(評価)面接〜これがメンドーというか、鬱陶しくて、まともにちゃんと自己申告書も書いたことがないのが出世が遅い(現状充分満足しているんだけれど!)最大原因である、と親しい友人に指摘されたものです。(それに今の上司は信頼できない)面接シートを半日も一日も掛けて書いているのがいるけど、ワタシ5分くらいですもん。エラくなってお江戸で人の3倍働くのが幸せなんだろうか?与えられたお仕事は、どこでも、なんでも、すべて、喜んで、ちゃんとやりますよ。文句言ったことはありません。

ドリンク剤飲んでしっかりやるぞ。本日最低気温予測が18度だから、もう上着は必須。朝刊で週刊誌の宣伝を眺めたが、酷いもんだね、有象無象のゴシップネタばかりで。ああいうのを喜ぶ風潮が大勢なんだろうか。哀しいな。鳩山夫人の前夫なんて、なんで今頃出てくるの?恥ずかしい。

Chopin 24の前奏曲 作品28/Rachmaninov 10の前奏曲 作品23〜ヴィクトリア・ポストニコヴァ(p)(1988年ライヴ)・・・こんなCD持っていたとは・・・ラフで雑然として、まとまった印象が持てない演奏。とくに前半、Chopin がようワカラん。後半、Rachmaninov のほうが骨太で、勢いあるスタイルが似合って聴き応えありました。もっとちゃんと聴かなくっちゃ。同じく、Chopin 24の前奏曲 作品28〜マルタ・アルゲリッチ(p)(1977年)・・・これは圧巻の演奏であって、ヴィヴィッドで変幻自在、きらきら目眩く個性の輝きに充ちて自由奔放!に見えるが、細部の彫琢、全体構成の完成度は類を見ない。

ちょっとヤバい演奏だね、ほんま、現代の若者風に言えば。他が聴けなくなっちまう。

暑くもないのにやたらと汗をかく、首にタオルを巻いてお仕事に励んでいたら「はやっさん、顔真っ赤ですよ」との周りの声有。押し寄せるお仕事の段取りを考える余裕もなく、ひたすら机上阿鼻叫喚状態を消化し続けました。昼に本場インドカレーを喰ったら、ちょっぴり快復傾向、課題の整理も見えてきて、上司との面接も大過なく遣り過ごし、結果的にかなりのお仕事進捗出来。熱はないが、いやな汗が(ずっと)出ていて、自慢の”鋼鉄の胃袋”も少々不調の自覚あります。

で、明日は昼から取引先行事に出席(ちょっぴり)、そのまま岡山時代の親しい取引先と酒席・・・だけれど、大丈夫か?

里中哲彦「まともな男になりたい」(ちくま新書)・・・ここ一週間くらい、ずっと行きつ戻りつして、様々なる味わい深い「警句」を噛み締めておりました。引用が多すぎて、著者の曰んとしていることは理解できるが、印象は散漫になりがち。「成功と幸福とを、不成功と不幸とを同一視するようになって以来、人間は真の幸福が何であるかを理解し得なくなった」(三木清「人生論ノート」)快楽は人を不幸にする。ラスト辺りを読んで思い出したのは、先日新聞で読んだ乳ガンと闘っている主婦が、娘とフツウの暮らしをしたい、それが最大の願いだ、とあったことを思い出しました。別な書籍だけれど、不治の病を宣告されたとき、見慣れた外の風景が神々しく輝いて見えた、という話しも。


●2009年9月某日

体調いっそうよろしくなく、昨日の会議(3本連続)も青息吐息、自分の報告分で途中窒息しそうな感じになりました。いつもは寝付きが悪い、眠りが浅い、途中覚醒状態なんだけど、”起きていられない”状態。しっかり眠れる、というのもカラダの自然なる要求なのでしょう。いつもの風邪(インフルエンザではない、と思う)とはちょっと雰囲気が違っていて、咽はちょっとだけの痛み、微熱(ほとんどなし)、全身倦怠(気分悪い)・・・このくらいか。本日は金沢往復(5時間)、日帰り、ツラいっすよ。今週なんとか乗り切れるか?連休は寝たきりか。ほんまに体力が落ちていて、日常業務をこなしているのが不思議なほど。

音楽はほとんど聴いていなくて、Mozart 9つのピアノ変奏曲 ハ長調 K.264 (315d)「ドゥゼード(Nicolas Dezede)の音楽劇『ジュリー』より『眠れるリゾン 』」/12の変奏曲 変ホ長調 K.353(300f)「フランスの歌『美しいフランソワーズ』による」/12の変奏曲 変ホ長調 K.354(299a)「私はランドール」/8つの変奏曲 ヘ長調 K.352(374c)「グレトリの歌劇『サムニウム人の結婚』の合唱曲『愛の神』による」/6つの変奏曲 ヘ長調 K.398(416e)「パイジェルロのオペラ『哲学者気取り、または星の占い師たち』の『主よ幸いあれ』 」〜バルト・ファン・オールト(fp)・・・古楽器の素朴なサウンドを堪能するほどの体調ではありません。個々の旋律の変化をしっかり聴き取り愉しむほどの体力が残っていない・・・

では、出発。

とうとう上着で金沢行き、往路は死んだように眠って到着、昼食後、バファリン+ドリンク剤にて取引先へ移動。今回の症状は鼻が詰まったり、声が枯れたりしていないからフツウに見えたことでしょう。和気藹々と商談終了し、少々宿題もいただき、帰りも半分ほど眠って”やや不調”程度の状態・・・食欲が落ちていないから大丈夫かな?

LONDON F00L-59014/17  14枚組3,150円 定価40,000円!音楽は往復しっかり聴きました(ほぼ意識失っていたけれど)。Mahler 交響曲第6番イ短調/「さすらう若人の歌」〜ジョージ・ショルティ/シカゴ交響楽団/イヴォンヌ・ミントン(a)(1970年)・・・これが最高!唯一無二、といった賞賛をネット上で拝見したことがあって、その時は駅売海賊盤でしか聴いていなかったし「ふ〜ん」程の感想でした。つまり、全然共感できなかった。きょうは体調悪かったし、剛腕強力華々しい金管の爆発がとても、いっそうツラい。陰影とか苦悩とか、そんなものとはまったく無縁のスポーティ(ノーミソも筋肉でできている!)的凄い演奏。メカニック的には”最高峰”かも。でもね、この作品が持つ底知れぬ恐ろしさ、みたいなものは感じませんね。シノーポリとか、バーンスタイン(新録音のほう)、テンシュテット辺りを思い出すと別作品に思えるほど。

Mahler 交響曲第3番ニ短調〜ジョージ・ショルティ/シカゴ交響楽団/女声合唱団/グレン・エリン少年合唱団/デルネッシュ(s)(1982年)・・・以前所有していたのはロンドン交響楽団との旧録音(1968年)だったので、こちら初耳でした。ショルティも熟練していくのだね、”剛腕強力華々しい金管の爆発”といえばそうなんだけど、表現の空虚さとかムリムリがずいぶんと抑制され、長大なる作品をけっこう自然な流れで聴かせて下さいました。(旧録音も良かったが)表現的にはけっこうストレートでして、第5楽章少年合唱団による天使の歌声(例の”ビム・バム”とハミングする)部分も、ずいぶんとさっぱりしてテンポが揺れません。大好きな最終楽章が万感胸に迫らないのは、おそらくは体調のせいでしょう。


●2009年9月某日

体調いっそうよろしくなく、昨日は昼から寝込んでしまいました(もちろんスポーツクラブ断念)。女房殿は「昼寝したら夜眠れなくなる」というが、ふだんから夜眠りの良いほうもでないし、夜は夜でそれなり、いつもよりちゃんと眠れる・・・休みたいところだけれど、本日の会議は自分担当のところが多いし、明日金沢(日帰り)出張の準備ができてない。つまり明日も休めない。そういえば上司面接とか、来客とか、連休明け会議の資料準備とか、スケジュール目白押しで入れておりました。朝夕はかなり涼しくなって参りましたね。季節の変わり目は体調維持が難しい。

音楽もほとんど聴いていなくて、Scarlatti ソナタ集(16枚目)K.230〜243〜ピーター・ヤン・ベルダー(cem)(2003年)を聴いたのみ。36枚の全集は大物であって、一枚一枚、十数曲ずつの個性を聴き分けるには根性も技量も全然足りないが、少なくとも音楽が鳴り響いている間は至福の時間であります。懐かしく、わかりやすい旋律、躍動するリズム感、生き生きとした情感・・・

昨夜は食欲落ちていたけれど、今朝は戻っております。なんとか乗り切れるかな?


●2009年9月某日

よく眠れました。数日前からちょっとだけ風邪っぽいんだけれど、新旧問わず恐ろしいインフルエンザではないことを祈りましょう。雨模様だったし、終日どこにも出掛けず、本日は天気も回復したし、先週サボったスポーツクラブへ行こうかな。

音楽は相変わらず、”ちょろ聴き”状態。MENDELLSSOHN 劇音楽「真夏の夜の夢」より(1967年)/交響曲第4番イ長調「イタリア」(1962年)〜ジョージ・セル/クリーヴランド管弦楽団・・・前者は聴く機会の少ない浪漫派音楽では例外的なお気に入り作品だけれど、「イタリア」含め全然愉しめない一枚・・・まず音質がよろしくない(駅売海賊盤で云々しちゃいけないが!)、敬愛するセルの表現が厳しくも硬派過ぎ、とても窮屈な印象ばかり・・・クレンペラーはずいぶんと聴いていないな、とてもよろしかった記憶はあるんだけれど。

Mahler 交響曲第7番ホ短調〜エミール・タバコフ/ソフィア・フィルにて第1/2楽章(1989年)・・・知名度、世評さっぱりのCAPRICCIO 79043 15枚組 2,817円(税込送料込)全集だけれど、作品に相応しいスケールと優秀な録音を誇ります。かつての自らの評価は辛口だけれど、久々の聴取は耳あたりも良く、オーケストラが軽量であっても妖しい作品の味わいを貶めることなく、充分に愉しめました。それにしても第2楽章「夜の歌」第3楽章「スケルツォ」第4楽章「夜の歌」に室内楽的静謐な旋律サウンドはほんまに素敵。

レナード・バーンスタイン/ニューヨーク・フィル(1985年)にて第2楽章〜終楽章まで。前回聴取時にはぴん!とこなくて、そのまま放置しておいたもの。ソフィア・フィルがいくら好演しても、こちら本家のサウンドの厚み、重さ、アクセントリズムのメリハリとは比較できぬ貫禄有。旧録音でも感じたが、不安定で怪しげなる作品を、立派な交響曲に構築しているんですね。もちろんこちらの方が、いっそう重く、遅く、大きく、そしてアンサンブルの集中力も増して、完成度が高い。音質も良好。前回とは印象変わっ感銘がありました。

交響曲第6番イ短調(1988年ウィーン・フィル)と続けて聴いたのが、よろしくなかったのか。そちらの感銘が大き過ぎたのか。

THE 50's THE50-18(2枚組) 890円久々、”ダブり”発見の件。Rachmaninov ピアノ協奏曲第3番ニ短調〜ウラディミール・ホロヴィッツ(p)/ライナー/RCAヴィクター交響楽団(1951年)を入手したのは昨年2008年9月24日(RCA 7754-2-RG)、待望の入手!だったはずが、昨夜、同じ音源を棚中より発掘。2004年に「THE 50's」という2枚組シリーズを入手していて、音楽日誌にもちゃんとコメントがありました。曰く、”これは音質も良好(カーネギー・ホール)だし、堂々たるスケールと細部まで緻密な技巧、セクシーな表現横溢でその完成度には舌を巻くばかり。(カットがあるらしいが、この録音は”カットが少ない”そう)”と。

う〜む、専門の方に伺いたいが、こりゃやはり惚けの一種でしょうか。ダブりは基本オークションで処分したはずだったのにな。


●2009年9月某日

途中覚醒、2度寝うつらうちら状態。起床時の体操欠かさず、休日は更にヨガの所作をちょっと付け加えます。バランスが悪い自覚あるので。「規矩(きく)によって生きる」とは今朝読みかけの書籍に載っていたもの。曰く、直接の意は「コンパスとさしがね」転じて、寸法や形、 考えや行動の規準とするもの、手本、規則のことだそうです。それに鼓舞され、【♪ KechiKechi Classics ♪】定例更新を今朝一本追加。毎週金曜日には2本原稿更新、毎日「音楽日誌」更新という、自分なりのこだわりを貫きましょう。ここが崩れると、ぜ〜んぶ、なにもかも逝ってしまいそうなので。

ネット時代も深化して、10年前のように、気軽に読者からの連絡は(滅多に)来なくなりました。クラシック音楽のサイト、ブログ(+SNSとかtwitterとか・・・オジサンにはようワカラん)はクサるほど存在するだろうし、特別アクティヴに接しなくても、日常気軽に”眺める(だけ)”というのも常態化しているんでしょう。寂しいなぁ。【♪ KechiKechi Classics ♪】も時代遅れで見捨てられたか。

小田嶋隆「テレビ救急箱」(中公新書ラクレ)・・・2008年の出版だから、まだ旧聞とは言い切れぬ一冊だけれど、テレビドラマのネタが半分ほど理解できない。ま、テレビ好きのワタシも見る番組は偏っているからね。ほとんど瀕死状態の現状をわかりやすく分析して、いくつか共感できるものがある。例えば売れ筋トークの”ダミ声”〜思い当たるでしょ。全部不快とは思わぬが、”この人が出てきたら絶対にチャンネル替える”というのありますもの。コマーシャルの種類で番組の終わりが予測できる、というのは、不況がいっそう進んだので、ちょっと基準が怪しいか。ほら、JAROとか、地デジとか、番宣ばかりじゃないですか、最近。ハウス食品の宣伝って異常に多くありません?(売れているのか?先の不快”ダミ声”絶叫の実例としても)

話題は逸れるが、テレビは虚構である(某●リピーの美しい笑顔!)と同時に、真実を忠実に反映していると感じます。パンツ一丁やら、ベース漫談や、醜い女性和服姿芸人やら、出てきた途端消えると思いましたもの。喜んでいる若い女性だって、あっと言う間に忘れるでしょ、売れなくなってからもずっと応援する!のなら立派だけれど。つぶやきシローよ!どこに逝った?(あればダミ声絶叫とは対極にあったと思う)

先の総選挙の件、何度も触れたが、民主党には若くて溌剌とした候補者多かったですよ。小沢さんや輿石さん、山岡さん(この人アブラギッシュ)みたいに、ちょっと旧態(然〜あくまで見た目)とした幹部もいるが、岡田さんは韓流スター並に妙齢女性に人気らしいし、鳩山さんの奥様(宝塚出身)がほんま若々しくて美しい(関係ない?いえいえ、重要なツボなんです)。麻生さんの”ダミ声絶叫”は不快そのものだし、顔相に品がないのは昔より感じておりました。国際会議で日本を代表させられない。

石川2区では、旧態勢力の代表格みたいな(実際そうだし、見た目もそのまんま)森さんが当選したが、比例で復活した田中美絵子さんのほうが絶対に良い。過去にホラー映画に出演し、濡れ場を演じていたとか、コスプレ風俗ライターをしていた、と、いかにも週刊誌、夕刊誌が喜びそうな話題が先行しているけれど、それがなんなの?若いんだし、それを笑い飛ばして立派な政治家になって欲しい!(第2の姫井由美子にはしたくない。あれとはコトの質が違う)

以上、思想信条政治指向ではない、あくまで”見た目”の話題でありました。おっと、ちゃんと音楽聴かなくっちゃ。


●2009年9月某日

今週2回、いずれも前泊付き出張にノートパソコン持参せず。もう十年以上の”習慣”を(マシン故障時以外)破ったが、”ヤバい”感じかな?若者が使う良い意味での”ヤバい”じゃなくて。5年ほど前だったか?マシンがいかれて、東京出張時間を早めて秋葉原に出掛けて購入、空白を作らないようにした記憶もあります。ここ十年ほど、溢れ出る”書きたいもの”があった(はず)〜ところがなんだい?この意欲の後退は。小型ノートは軽いものだけれど、それでも出張カバンの加重にはなります。書類を送ってしまえば、下着靴下の替え、洗面具だけだから、通常の通勤カバンで用は足りちゃう。だから安易に、身軽なほうを選んでしまう。

「音楽日誌」も定例サイト更新(本日やっと一本のみ)も、愛する音楽を骨の髄までしゃぶり尽くそう、といった趣旨だったはずなのに、音楽に対する真摯なる集中力が減退しております。今週は二日も「音楽日誌」をサボってしまった・・・体調がよろしくないのもあるんだけれど。日常生活に支障は出ていないんだけれど、意欲が落ちてきているというか、枯れてきているというか、例えば新しいパソコンやら、OSやら、ソフトなんかに全然興味が持てない。あらゆるフリーソフトを試して、これは使えるんじゃないの?との手応えを日々更新してきたつもりが、過去の蓄積(安易な慣れ)のみなってしまっているPCライフ。経済的な問題ではなく、いえいえ、限られた財源の中でぎりぎり工夫する楽しみもなくなっちゃいました。

出張移動中いろいろ音楽聴きましたよ。Mahler 交響曲第7番ホ短調(1977/78年)/第8番(1982年)〜ヴァーツラフ・ノイマン/チェコ・フィル/合唱団/プラハ放送合唱団/キューン少年合唱団/ハヨーショヴァ(s)/ニールセン(s)/ショウノヴァ(a)/ソウクポヴァ(a)/マーロヴァ(a)/モーザー(t)/モーザー(t)/シェーネ(br)/ノヴァーク(b)・・・この間、ぎんぎらぎんに強靱なショルティの演奏ばかり聴いていたせいか?静謐、透明、上品、気品、自然体、奥行き、歌、すべてに渡って個性の違いを堪能いたしました。威圧感がまるでないのだね。現代の喧噪にはショルティが似合うのかも知れないが、瑞々しくも優しい雰囲気に溢れ、怪しい第7番には夜の妖しさが漂い、第8番に於ける大編成に混沌は発生せず、抑制と秩序が前提となります。

ワタシの嗜好は基本、こちら側なのだね。チェコ・フィルの優しい音色、そして声楽のバランスは最高です。

いろいろお仕事したようで、じつは、な〜んもしてないような?そんな一日。職場は(上司も含め)雰囲気和気藹々として、ずばりユルい。当面の宿題を粛々とこなして、先行きの宿題とスケジュールを組み立てて、早々に帰宅〜ちょっと体調がよろしくないもので。左膝リハビリ、定例耳鼻咽咽科、ついでにタマに行く皮膚科までハシゴしてしまいました。職場を出るときに「左膝リハビリ行くぞ!」と話したら、お隣のチームの妙齢女性営業が「はやっさん、ワタシも膝痛いんです。一回、整形外科行ったけどダメなんです」というので、リハビリ(マッサージ)の重要性を力説しておきました。

やっぱ、週2回飛び飛び2泊の出張はキツいなぁ。もう年齢(とし)かな。

(昨日出張帰り便の音楽)Lalo スペイン交響曲〜ジョージ・セル/クリーヴランド管弦楽団/ナタン・ミルシテイン(v)(1968年ライヴ)・・・この作品、そんなに好きじゃなかったが、こりゃすっかり痺れました!由緒正しくないライヴだけれど、旧CBS(米EPIC)の録音印象と変わらぬ硬質な響き、たてノリのリズム、硬派な集中力アンサンブル。ナタン・ミルシテインはいつも通り凛と背筋を伸ばして、美音を艶々と前面にしない禁欲がある。技巧的には文句なしで、セルとの相性は抜群ですね。

あったりまえの話だけれど、「スペイン交響曲」ってスペイン情緒たっぷりのクサい旋律満載作品!これほど”決まった”演奏は稀有な経験也。


●2009年9月某日

昨夜東京より戻って、今晩金沢なんて・・・体力ともかく、精神的に少々キツい感じ。実務処理の水準ではない、お仕事の段取りで少々悩んでおります。新聞週刊誌では連日民主党への期待、揶揄、美人議員の過去を論(あげつら)って喧(かまびす)しいが、武田薬品会長退任の弁が清々しい。飄々として謙虚であり、権力に恋々としない。ワタシ如き、天と地ほどの身分の差だけれど、少なくともそういった哲学は学びたいもの。

昨日の音楽の続き。Beethoven 交響曲第7番イ長調〜コレギウム・アウレウム(1981年)・・・指揮者なし「英雄」(1976年)が評判となって続編が録音されたが、前作ほどの話題とならず、古楽器演奏は当たり前の時代と向かいます。「指揮者なし」もひとつのスタイルであって、むしろ往年の巨匠を連想させる分厚い浪漫の”アンチ”として、スリムで素朴なサウンドが新鮮だったのではないか。現在の耳で聴けば、このスタイルの演奏はいっそう洗練され、技術的な成熟+個性を加えているから、ちょっぴり”ありきたりでフツウ”であります。でも、耳あたりもよいし、やわらかい穏健サウンドは安心して聴けるもの。けっこう好きです。音質もよろしい。

RCA 74321845912/2枚組 1,020円にて入手Debussy 交響的素描「海」(1956年)/牧神の午後への前奏曲(1962年)/管弦楽のための映像(1957年)〜シャルル・ミュンシュ/ボストン交響楽団・・・昨夜クリュイタンス(の素晴らしさ)に言及したが、こちら音質が(とくに「海」が)厳しい。オーケストラはモウレツにテンション高く、アツく、輝かしく、そして上手い。音量がデカい(ように思える)。燃えるような情熱がミュンシュの身上なんでしょう。もうこれも消え去った貴重なる個性だな、と痛感したが、日常聴きするには少々苦しい録音水準です。

では行ってきます。本日もパソコンは持参したくない〜カバンが重くて。


●2009年9月某日

夕方5時の新幹線に乗れたので、けっこう早い時間に帰宅できました。会議中ほとんど居眠りしていたのはともかく、昨日、会議後上司に年度末到達見込みを出せ、と急に言われ、ちょっと出発遅れ(いつも通り)車中弁当を使い(アルコール抜き)、東京五反田の指定ホテル到着後、どこにも出掛けず。本日、昼に東京風醤油ラーメンを食したが、帰りも車中弁当・・・ほんま、せっかく花のお江戸に出掛けたのにな〜んもしていない。数年前は早めに出掛けてお友達と呑んだり、演奏会に行ったり、CDや本を探したりしたもんだけれど・・・

N700系はラクちんだな、金沢行きと時間は変わらないんだけれど、サンダーバードとは乗り心地がぜんぜん違います。でも、もう弁当はいやだな。ここ数ヶ月ひたすら移動車中弁当ばかり、明日も金沢前泊だけれど、早く出掛けてゆっくり食事したいもの。

移動中、しっかり読書(2冊)、そして音楽。評価の定まったCDばかり聴いて、ちょっと安易な選曲だったかな?

Mahler 「リュッケルトの詩による五つの歌」より/交響曲「大地の歌」〜ブルーノ・ワルター/ウィーン・フィル/カスリーン・フェリア(a)/ユリウス・パツァーク(t)(1952年)・・・LP時代よりの愛聴盤であり、現在はNAXOSの見事なみごとな復刻CDで堪能しております。なんせ音質が素晴らしい。ステレオではない、というだけで、それ以外の音質的条件はすべて揃っている感じ。艶、奥行き、会場の空気・・・ウィーン・フィルの甘美なサウンド、マイルドでありながら引き締まって充実しきったアンサンブル。パツァークは虚無的であり、無頼であって、立派過ぎないところが味わい深さ無限。

カスリーン・フェリアの声って、若い頃苦手だったんですよ。重苦しくて、濃厚過ぎ、表情キツ過ぎか・・・これが、ワタシも華麗なる加齢を重ねた成果か、比類のない気品と説得力に溢れてひたすら感銘深い。

Bach ゴールドベルク変奏曲〜ブルーノ・カニーノ(p)(1993年)・・・繰り返しを実行し、全79分を超えてCD収録ぎりぎり。軽妙であり、明快であり、自在、明晰。”晦渋、眉間に皺”とは無縁な世界、まるで踊るような愉しさに溢れた演奏です。グレン・グルードの細部考え抜かれた、緻密な集中に絶賛を惜しまないが、この”わかりやすさ”はなんという成果でしょう。全体構造がはっきり見える思い。

Ravel ボレロ/ラ・ヴァルス/スペイン狂詩曲/「ダフニスとクロエ」第2組曲/逝ける女王のためのパヴァーヌ/古風なメヌエット〜アンドレ・クリュイタンス/パリ音楽院管弦楽団(1961/62年)・・・おそらく購入15年、年季の入った駅売海賊盤、オリジナルの比較はできない(聴いたことはない)が、音質かなり良好です。これも凄い!なんという端正な官能。どこにもムリのない、スムースな流れを誇って、アンサンブルも柔軟そのもの。「ボレロ」から、各パートの色気が充満して、腕利きたちは余裕の表情であります。聴き手のほうは酔いしれ、呼吸は荒くなり、興奮の渦に叩き込まれます。

あくまで柔和であり、自然体なのに、なんという説得力!シャルル・ミュンシュとは正反対の行きかたなのに、甲乙付けがたい魅力満喫可能・・・


●2009年9月某日

さて、本日夜から東京なんだけど、大阪より気温は5度ほど低いらしい。服装を考えないと。土曜の昼頃、職場よりトラブル連絡があってクリアできず、カネで始末付けたんだけれど、この件のまとめというか、内部教訓をどう付けるか?を考えております。どーも大きな職場改革につながる予感がある。今週はスケジュール管理(巡り合わせ)が悪くて、いったん東京〜戻って、翌日夕方にはまた金沢へ。翌日夕方職場に戻って打ち合わせ、それが終わったらもう週末でっせ。な〜んもでけん。

昨日はスポーツクラブさぼり、映画「南極料理人」を見に行きました。数ヶ月前偶然に原作を読んでいたし、原作を上手く換骨奪胎して微妙に味付け、淡々とした起伏のないエピソード連続、微細なる可笑し味満載で起承転結はない。なんとなく”家族愛”みたいなフリを付け加えているが、あれは映画化に於けるサービスでしょう。ペンギンもアザラシも、ウィルスも、誰もいない極寒の地は富士山より高度が高く、昭和基地より1,000km以上離れて男8人がふてくされて生きていくんです。食べることしか楽しみがない。黙々と、ひたすら喰う。「旨い」とは絶対に言わない。(ラストに主人公がたった一言!登場する)

巨大エビフライの話題も、ラーメン命!の件もシミジミ笑えます。熱心なラジオ体操の件も、男の気持ちとして共感がある。若い隊員が、衛星通信の電話で振られる話はリアルだけれど、KDDIのお姉さんがお迎えに来るのは筋書き上のメルヘンでしょう。封切館が少ないから、大きなヒットにはならぬだろうが、こんなオモロい映画は滅多にない!ことしのヴェリ・ベストじゃないか。

「音楽日誌」なのに、丸二日音楽への言及なし。Bach ゴールドベルク変奏曲〜ロザリン・テューレック(p)(1998年)・・・ゆったりと噛み締めるような、細部曖昧さ皆無明快な表現。これが最高。「レンブラント黄金時代の音楽」(ムジカ・アンフィオン2006年)・・・古雅な音楽、練り上げられた表現に感銘ひときわ深いが、残念ながら作品詳細がほとんどわからない・・・

さて、出張準備しなくっちゃ。

出張荷物考えていたら、大きなカバンがメンドーになってしまって、パソコソン持参やめました。一日「音楽日誌」休止いたします。


●2009年9月某日

子供の頃からのテレビ好きで、学生時代から独身時代はすっぽり抜けているが、おおよそ熱心なほうだと自覚しております。歌番組が減り、スポーツは(ほんの例外を除いて)見なくなり、最近の連続ドラマもツマらない。「救命病棟24時」は唯一気骨あるドラマだと思うし、ユースケの思わぬ存在感が素晴らしいが、筋書きが(やや)予定調和か。板尾創路がアクセントになってますね。かつての宮迫辺りの役柄か。「日本一哀しみが似合う女優」木村多江さんは相変わらず美しい。

昨夜NHK「再生の町」2回目(初めて)拝見。財政危機にあえぐ大阪近郊架空の”なみはや市”を舞台に、リアルな市民生活、議会のボス(近藤雅臣の存在感が凄い!/ドラマのキモは悪役だ)、喘息に悩む妻を抱え文化住宅に住み、”ひとり親方”として生活に苦しむ石倉三郎・・・財政一律15%カットをしながら、ニュータウン計画(旧態とした土建屋事業だな)を推進する”なみはや市”。老齢化、福祉、過去の成長体験から抜け出せぬ人々(老若男女問わず)〜主人公である筒井道隆がキャラとしてオモロくないのは、公務員としてちょうどよろしいのかも。

時あたかも政変の時期、政治は限られた財政の優先順を決める(定額給付金と地域振興券はなんという愚!)ことだから、これは時宜にかなったリアルなドラマでした。

今朝の朝日新聞も読み応え充分!「仕事力」連載の担当は藤巻幸夫(弟)でして、「守・破・離」の話題。どれだけ現状が矛盾に充ち、非合理的であっても、いったんは「守」、いまある仕事をちゃんとこなせるようになってから、初めて「破」が可能となる。これは自分の狭い、小さな経験と一致していて、前任地の岡山でも、大阪に舞い戻ってきてからも、ほんまに自由に動き、変えられるようになったのは手応え的に”3年目”から。仕事は日々変わっていくから、そんな単純なものではないんだけれど、1年目は様子見でいっぱいいっぱい(半年先に現職に赴任していた悪しきヴェテランにエエようにヤラれた)、2年目は現状への問題提起を始め(なんせ短気だから、早すぎたか?)あちこち反発モウレツに受け、3年目は発生する様々なトラブル事象をほとんど皆相談されるようになった・・・「離」はもう少しだ!

書評にも思わず読みたくなるコメント有。「ヴォーグ・ファッション100年史」〜作家の村上由佳さんが「人のすべては見た目に表れる」とは至言であります。現代の女性は誰の目も気にすることなく「ただ自分が着ていて幸せな服」を着ていると。ファッションに女性の地位や戦いが表現されている・・・

週刊ベスト10トップは、香山リカ「しがみつかない生き方」・・・今や時代の寵児である「勝間さん」(女房殿も大ファン)のアンチだそうです。朝日新聞紙上の書評は辛口であって、「アンチ勝間も幻想か」とのこと。売れているからBOOK・OFFに登場するのも早いでしょう。いずれ拝読させていただきます。

(ここからはちゃんと読んだ本の話題)三井美奈「安楽死のできる国」(新潮社新書)・・・先月だったか?英国往年の名指揮者エドワード・ダウンズがスイスの病院で不治の病に罹った奥様と一緒に亡くなられました。その病院は安楽死を実践している、とのことだったから、記事はそういう趣旨だったのでしょう。本書はオランダの安楽死容認の歴史と経緯、現実を詳細取材しており、読み手を重苦しい現実と決断に叩き込みます。

オランダには徹底した”個人主義(責任)”の歴史がある。公の売春が存在し、麻薬も一部容認されている。日本では(他の諸外国でも)考えられない事象だけれど、地下に潜っただけであり、その存在は公然の秘密じゃないですか。キレいごとを言っただけじゃ、なんの解決にもならない。オランダは「そうだったら、ここまで、という明快な基準を作ってちゃんと管理しよう」という国民的合意(歴史)があるんです。安楽死も同様であって、ボーダーが曖昧な”行為”は万国に(もちろん日本にも)存在する、だったらちゃんとルールを決めようじゃないか、と。

これだけ書くとサバサバしているように見えるが、とんでもない!なんども医者は告発され、社会的話題となり、政策の論議があり、成熟し、ここまで来ても当事者(医者にも、家族にも)懊悩が存在する。先の脳死論議もそうなんだけど、”死”とは社会的なものであり、民族の文化なんですね。

世間では「高齢化社会!」と大騒ぎしているが、日本で一番人口が多いのは団塊の世代(60歳ちょっと過ぎ)でっせ、未だ元気でカネも(相対的に)持っていて、年金の恩恵もちゃんと受けられる世代。あと10年、15年、20年経ったら、どうなるのか?財政破綻間違いないから「福祉医療予算」は切りつめる、とかなんとか、そんな安易な話じゃないですよ、きっと。


●2009年9月某日

お休み。眠いのに、夜半蒸し暑くて起きてしまいました。扇風機つけてなんとか寝直し。まだ昼は30度超え続きます。冷夏なはずだったのに、へんな天気だ。さて、休みをどう有意義に過ごしましょうか。

築山節「脳が冴える15の習慣〜記憶・集中・思考力を高める」(NHK出版生活人新書)・・・前回期待外れの書籍を読んじゃったが、これは単なるノウハウの域を超え、極めてわかりやすい、実践的な書籍。数日前(二日酔いではなく)全然集中できなくて、資料作成が遅々として進まない(=ノーミソがうまく回転していない)ことに気付きました。生活のリズムをつくること、からだを動かすこと、そして締め切りを作ること・・・そうか、ワタシは必ず朝6時(前の)起床、寝床での半ブリッジ、腰と腹筋の(カルい)体操を欠かしません。朝食を必ず摂り、朝刊を熟読し、音楽を聴く、「音楽日誌」の執筆は主に出勤する前、この習慣が良かったんだな。

残業は嫌いだし、お仕事の完了時間は定時に設定(実際は間に合わないことは多い)、短期中期の(自主)締め切りは常に余裕を以て設定しております。だらだら残業し、更に持ち帰り!というのはノーミソ集中力にとってサイテーなことらしい。不本意な、要らぬ手間ばかり掛かる定例作業は、ズボラなワタシには耐えられぬ、一年くらい掛けても絶対に手順を見直します。つまり、合理化するためにド残業は厭わない(「時間の制約」)。「できない自分をさらけ出す」なんていう手口も常用してますね。「物忘れのハヤシ」(いったん完了した作業はどんどん忘れていく)として職場では有名で、派遣さんのフォローが行き届いております。知ったかぶりは絶対しない、ちょっとズルイが、ほんまは覚えていたことも期日通りちゃんと完了報告があると、「いや、すっかり忘れていた!凄いね」とは毎日のこと。

そんな自分の毎日の「理論的裏付け」を実感させて下さる一冊。残課題は「適度な運動と腹八分目」だな。

LONDON  F00L-59010/13  14枚組3,150円Mahler 交響曲第2番ハ短調「復活」〜ジョージ・ショルティ/シカゴ交響楽団/合唱団/ブキャナン(s)/ザカイ(con)(1980年)・・・以前所有していた音源(処分済)はロンドン交響楽団との旧録音(1966年/これもエエ演奏だった!)だったので、初耳。シカゴ響との最初の録音(第5番)から10年、このコンビも成熟をしていったようで、急いた間、強引なるフレージングはそう気にならない、壮麗なるオーケストラの充実、声楽の扱いの上手さが光る演奏。とにかく金管が滅茶苦茶上手い!トランペットの高音が、弱音でのびのび天空に抜けるところなんて、滅多に聴けぬ妙技なんです。苦悩とか陰影とか、そんなものを求めちゃうと全然聴けない(以前のワタシはそうであった)演奏方向だけれど、現代管弦楽最高の精華を堪能すべき、”前向き”なわかりやすい表現であります。

若い人とか、爆演派には支持は高いんじゃないか。最終楽章「スケルツォ(荒野を進むように)」こそ壮麗なる白眉!

昼は芦屋迄出掛けて本場インド・カレーの食べ放題(凄い汗をかきました)、さすがご当地・尼崎とは違って住民はお洒落でした。原因がわからないんだけれど、ケツの上辺りの両筋肉が痛い〜昨日のリハビリ・マッサージのせいか。昼からは居眠りしつつ二時間ドラマ再放送2本拝見。高島礼子さんの弁護士は色っぽ過ぎ。妙齢の魅力満載。筋には全然関係ないけど。

Debussy ピアノのために/子供の領分/版画/二つのアラベスク/ボヘミア舞曲〜ゴードン・ファーガス・トンプソン(p)(1989年)・・・Debussyのピアノ作品をまとめたものはこれのみ、他はほとんど処分してしまいました。(アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリの録音はいくつか愛聴しているが)これはまたずいぶんとジミな、抑制が利いた演奏であります。技術的な不備は全然ないんだけれど、色気とか華やかな妖しさとか、激しさとか、そんなものとは無縁の”美しい”演奏也。最初のうち、少々物足りなさを感じたが、聴き進むと落ち着いた味わいも悪くないな、と感じるように。


●2009年9月某日

昨日は二日酔いで終日苦しみつつお仕事四苦八苦していたのに、夕方、お隣チームのチーフ(友人)がどーしても呑みに行こうとのお誘い有。端で見ていても若いモンを率いて(我がヴェテラン・チームとは質的に異なる)激しいストレスで、ここ最近業務時間中ほとんどトラブル対応+説教で絶叫しっぱなし、愚痴を言いたいらしい。で、ドリンク剤+黒烏龍茶で迎撃、もちろん酒は抑制気味にてお話聞き役〜連日の酒にカラダも財布も少々苦戦気味です。今朝は、昨日ほどの体調不良もなく、無事、サイト定例更新済み。

久々のポータブルCDプレーヤー持参の通勤。Mozart ピアノ協奏曲第17番ト長調K.435/第20番ニ短調K.466/ロンド ニ長調K.386〜マルコム・ビルソン(fp)/ガーディナー/イングリッシュ・バロック・ソロイスツ(1985/86年)・・・優秀録音なんだけど、あきらかに自宅コンポとの相性よろしくなく、イヤホンで聴いてこそ演奏の真価がはっきりと理解可能。フォルテピアノは、現代ピアノよりいっそう個々の楽器の個性、色合いが違っていてオモロいもの、ビルソンは陰影、緩急、ニュアンス表情豊かに表現して、この間聴いている古楽器系の演奏水準から一歩抜きんでている感触ありました。ガーディナーのオーケストラが凄くて、ソロを上回る雄弁な世界はまるで交響曲を連想させるほど・・・

おっと、時間切れです。

毎週通っている耳鼻咽咽科は超人気、週刊誌なんかに「日本を救う十人の名医!」的記事ってあるじゃないですか、そんなのに出ているそうで、とにかく滅茶苦茶混んでいるんです。お仕事の段取り付けて、できるだけ早めに診察券を出したが、終わったのは夜9時近くですよ。まだ、かなり患者さんは残っておりました。ワタシは途中、整形外科で左膝のリハビリやマッサージを受けていたけれど。女性週刊誌たっぷり熟読して、芸能界に詳しくなりました。

今朝もドリンク剤で気合いを入れてお仕事開始、自分なり望みの進捗(宿題消化)となりました。明日は出勤当番だけれど、ムリヤリ休みに。きょうは暑さぶり返したな。

Stravinsky バレエ音楽「ペトルーシュカ」(1911年版)/バレエ音楽「春の祭典」〜作曲者/コロムビア交響楽団・・・ともに1960年録音とのことだけれど、前者がハリウッド、後者はニューヨークで別団体であります。もう何度も聴いているお気に入りだけれど、オーケストラがとても優秀でアンサンブルも立派です。録音もよろしい。しかし、ディジタル以降(というかブーレーズからと言うべきか?)の超精密で正確なリズム感ではなく、どことなく人間くさい、誤解を恐れずに言うならば”牧歌的”とさえ感じるほど。微妙なテンポの揺れがあって、たいへん愉しめる個性的な演奏であります。前者のゴージャスな響きは、他ではなかなか聴けない雰囲気有。

もう一発、Stravinsky 交響詩「ナイチンゲール」〜ロバート・クラフト/コロムビア交響楽団(1967年)・・・自演録音の下振りはクラフトが演っているんだ、という説があるけれど、あきらかにこちらの方がオーケストラのコントロールとか、アンサンブルのキレも質的に違う印象がありました。オペラの全曲も聴きものだったが、こちら速めのテンポで集中力緊張感たっぷり。クール。


●2009年9月某日

朝晩は涼しいが、昼間気温は上がって湿度も高い。本日の予想気温も32度とのこと。昨日は昼から職場模様替えでたいへん〜もの凄い汗をかいてしまって、夕方全然お仕事になりません。経費稟議数枚書いたくらいで、あとはプリンタのネットワークが上手くいかんとか、職場内作業手順変更の清書などで時間ツブし・・・早々にチームのメンバー一人誘ってビールを呑みに行きました。(本日頭痛+体重増の後悔しきり/9時くらいで切り上げたんですけど)今週はほんまお仕事切迫感が薄くて、ぼんやりしていることが多い・・・日常業務は淡々とこなしているようにみえるけれど。

岡山時代の取引先担当(実際はちょっとの間で、担当を降りてからもずっと仲良しだった)よりいきなりメールが届いて、異動前にお別れ会をして3年ぶり、再来週(広島より)来阪とのこと。嬉しいですね。

Mahler 交響曲第7番ホ短調〜ジョージ・ショルティ/シカゴ交響楽団(1970年)・・・第5/6/7番が1970年に録音されていて、いずれこのコンビの金属的かつ強靱なサウンドが堪能できるが、世評ともかくワタシの嗜好ではちょっとムリムリな力みがあるんじゃないか、と聞こえます。第7番は怪しい作品だと思うんだけれど、ここでは無定見でまとまりのない旋律が、そのままモロ、明快に、混乱は混乱のまま、もの凄く明るく、健康的、素直に、正確に、極上のオーケストラの技量で表現されました。う〜む、なんじゃコレ!

ロスバウト盤は怪しい雰囲気満点!だけれど、音質とオーケストラの技量に問題有。ショルティはその真逆であって、もの凄い大カンチガイ演奏かも知れないし、これを絶賛する方もいらっしゃることでしょう。


●2009年9月某日

昼間はそれなりに気温は上がるみたいだけれど、空気はすっかり秋。いつまでも暑いより、素直に秋になって下さったほうが景気には良いんですけどね。昨夜夜10時半頃、取引先のご担当(女性)よりメール有、年末企画の商品情報の確認でした。朝一番で確認して返信するが、遅うまでお仕事しているんですねぇ・・・個人請負型の職場風潮があるんだろうか、よろしくないな。女房殿は本日より出勤、緊張して早く目覚めたみたいです。この不況下、それなりのお仕事があることを喜ばなくては。しかも、切羽詰まって経済的な事由でもなく、自分の持っているスキルを社会的に生かすため、なんて。

LONDON F00L-59018/21  14枚組3,150円 定価40,000円!Mahler 交響曲第8番 変ホ長調〜ジョージ・ショルティ/シカゴ交響楽団/ウィーン国立歌劇場合唱団/ウィーン楽友協会合唱団/ウィーン少年合唱団/ハーパー/ポップ/オジェー(s)/ミントン/ワッツ(a)/コロ(t)/シャーリー・カーク(br)/タルヴェラ(b)(1971年ウィーン・ゾフィエンザール)・・・これこそ、かつてFM放送、そして駅売海賊盤(1990年代前半2枚で2,000円でっせ)で聴いてきて、阿鼻叫喚混沌の響きの絶叫に辟易した記憶鮮明です。ところが〜ワタシのようなシロウト耳にも音質の違い鮮明でして、さすが正規盤(たった今気付いたけれど14枚組定価40,000円!/購入3,150円)は細部までよく様子が見えて”阿鼻叫喚混沌”ということはない。

当たり前のことだけれど、(既に処分済みの)駅売海賊盤とは桁が違う音質。基本強靱で(ある意味)金属的なサウンドに間違いはないんだけれど、キンキンとヒステリックには響かない。細部、静謐なパートや、声楽ソロの”立ち位置”がはっきりと見えて、そう喧しくはない。作品的にはすっかり馴染んで、ナマ体験は決定的な作品への愛着に影響を与えました。

つまり、「感動した!」(引退した某元首相風)ということです。ショルティって、前のめり強引なフレージング、といった先入観があるんだけれど、そんなことはない。正確であり、余計な感情移入を廃した表現、それを優秀なるオーケストラが筋肉質サウンドにて、落ち着いた味わいにて表現しております。これは聴き手の耳の変容なのか?心身状態の反映か。それとも正規盤(当たり前だけれど詳細トラック分け有/駅売海賊盤はどうたっけ?既に記憶がない)絶好調のシカゴ交響楽団はもちろんだけれど、声楽陣が充実していて、最終盤に向けて文句ない盛り上がりがやってきました・・・。


●2009年9月某日

朝夕はすっかり涼しくて、秋の気配濃厚です。夜もよく眠れる。選挙結果の昂揚報道冷めやらず、新聞もテレビもたいへんオモロい。ひとまずは新政権を揶揄せず、冷静に見守りたいと思います。大敗した自民党への批判止みませんね。なにごとも後付屁理屈は醜いと思うが、麻生さんがCMに出れば出るほど票を減らしていることを何故誰も指摘しなかなかったのか。(ワタシはもっと出ろ!とテレビに檄!いや野次を飛ばしていた/女房度に訊いて下され)公明党のような盤石な組織動員ができる政党でも勝てないんですね。田中康夫さんは立派な政治家だけれど、関西では嫌われるタイプだと思っておりました。閑話休題(それはさておき)

LONDON  F00L-59010/13  14枚組3,150円今朝、Mahler 交響曲第1番ニ長調〜ジョージ・ショルティ/シカゴ交響楽団(1983年)・・・数日前購入した全集だけれど、この録音は以前から聴いておりました。(とっくに処分済み)この作品は全曲中でも、もっとも表現が難しいと思うんです。刷り込みは(子供時代から馴染みの)ワルター盤か、青春のもどかしい懊悩に溢れた憧憬を求めたいところだけれど、ショルティはマッチョすぎて少々方向が違うんじゃないか、と。

ところが、久々の確認では、細部が明快、オーケストラが上手くて明るい、時にやや力みが目立つとはいえメリハリがあって以前ほどの反発を感じない。強靱切れ味のあるサウンドで、わかりやすい音楽に仕上がっておりました。英DECCAのマルチマイクの成果もあるでしょう。50数分あっと言う間。心境の変化か、季節要因か。

では行ってきます。

今週あたりがユルい時間となっているが、ここで手を抜くと来週以降苦しくなるんです。残業(基本)禁止ということで、朝早めに出ているのは以前からの習慣だけれど、ノーミソがどーも上手く、活発に働かない。午前中終了予定の提案資料作りが、午後2時を過ぎても終わらない(妙に眠い)。結局、気分転換で職場作業手順やら分担変更のお仕事に変更〜もちろん、日常の定例作業は粛々と消化しております。お電話はいっぱい掛かってくるし(要件が終わればすぐに忘れちゃうが)。

明日、職場机大移動なので、身辺整理をしておりました。壱年半分のゴミ出し。一昔前の習慣(というか代々引き継ぎ)で、ワタシの机は大きく、キャスターもダブルで配置されております。でも、そんなもん要らんのだね。ほとんど”ゴミ”。もともと資料整理はヘタクソで、紙配付資料はデータでもらい直して必要分のみ保存しているし、公式の会議資料は所定の箱に置いておくと、規定の場所に保存ファイルして下さいます。でも基本、全部データ、ノーツ、そしてメール。超・整理法の熱心な実践者だから、押し出しファイリングならぬ、机上袋積み上げ方式(周りからは”伏魔殿”と呼ばれる)、課題遂行の時期が過ぎれば捨てます。データ・ファイルは便宜的なフォルダを作らんでもないが、基本”時系列”表示で事足ります。

そして、パソコンには必殺「検索」がある。ファックスはいきなり画面から送っちゃうし、日常使う商品データや取引先などすべてACCESSで検索できるようにしてあります。ここまで職場を持ってくるのに壱年以上掛かった・・・それにしても”荷物”、”書類”は少なくて、掃除したら(する前から?)引き出しもキャスター内もガラガラ。ちなみに別途書類置き場にも個人資料はありません。ウチのチームの(年齢だけ)ヴェテラン二人は、横机に資料テンコ盛りに屹立させておりますよ。懐かしい全共闘時代のバリケード風か。どれを残して、どれを捨てるかの判断、その情報は誰が持っているか、知っているか、が重要であって、自分ですべて抱え込む必要はないじゃないの。

R.Strauss イノック・アーデン 作品38〜グレン・グールド(p)/クロード・レインズ(朗読)(1961年)・・・80枚組ボックス(オリジナル・ジャケット・コレクション)を入手していないと、おそらくは聴く機会は一生なかったCDであり、作品。録音の経過はけっこうたいへんだった、とのことです。なんせ日本一筋でここまで生きてきたから、ちっとも意味はワカラんし、グールドのピアノは後半に行けば行くほど登場機会が減るし、で、安易に楽しませて下さいません。教養と知性が必要不可欠なのだね。これじゃ「音楽愛好家」ならぬ「コレクター」の世界ですな。格調高き名優の抑揚と、グールドの抑えた、しかし流麗で美しいタッチをちょっぴり味わいました。

2年ほど前に「レンブラント黄金時代の音楽(ムジカ・アンフィオン)」という2枚組を入手しておりました。曰く「・・・ほとんど読めんが、感動は保証!」〜まさにその通りでして、Jan Pieterszn Sweelinck 辺りは有名だけれど、Cornelis Schuyt を「コルネリウス・シュイト」と書いたブログを発見して絶句!これは「スホイト」と読むらしい。練り上げられた古楽器のアンサンブルを聴いていると、ほとんど陶然といたしました。題名とか作品名がいまいち良くわからない、というのは不安なものです。

音楽の真価とは関係ないのかも知れないが。

 

【♪ KechiKechi Classics ♪】

●愉しく、とことん味わって音楽を●
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written by wabisuke hayashi