岡山フィルハーモニック管弦楽団 第30回特別定期演奏会2006年10月1日(日)PM 3:00〜岡山シンフォニー・ホール Mahler 交響曲第8番 変ホ長調 「千人の交響曲」
指揮: 広上 淳一 /合唱指揮: 佐々木 正利 おそらくナマでは一生に一度くらいしか出会えない作品故、3,000円でA席を取っていただきました。支払った金額を遙かに凌駕する素晴らしき演奏会でした。いつものことだけれど、CDを数回聴いたくらいでその作品を理解したなんて、片腹痛いわ!発見はたくさんありましたよ。会場満員。千人ならぬ400人ほどの演奏陣容か。 楽器編成にオルガン(ここでは残念ながら電子オルガン)が含まれることはCDでも理解できます。でもね、ピアノ、チェンバロ、チェレスタ、マンドリン迄入っているとは!第1部、第2部、各々ラストには舞台向かって右上にトランペット4本、トロンボーン3本のバンダ(別働隊)が登場し、第2部ラス前には(舞台向かって)左上より「天女の声」(第3ソプラノ)が響きます。座席指定の関係でバンダの活躍はじっくり拝見できたが、天女は声と聴衆の視線でしか確認できず。(終演後、彼女にも盛大なる拍手有) 第1部はややテンポ速めであり、声楽5部は全力で出ずっぱり。CDでは時に、混沌と混乱の渦に混迷してしてまうこともあるが、ナマならば合唱と管弦楽のバランス、組み合わせの妙に感心するばかり。声楽ソロは舞台上に7人(一人は天上にいるから)だけれど、ちゃんと役割分担があるんです。これは視覚で確認しないと理解できない。 第2部前半って、静かで緊張を強いられる世界だし、旋律的にもジミで(やや)面白みが足りないと思うでしょ。でもね、ここを乗り切ると圧倒的感銘がやって参ります。広上さんは、微妙なテンポの躍動、各パートのバランス、内声部の強調、合唱の微細なる味付けを施して八面六臂の大活躍。岡山フィルは、技術的には万全だけれど”色”(個性/灰汁?)が足りないかな?合唱のコントロール、存分なる声量、繊細なる色彩で文句ありませんね。自分のパートがやってくると、勇んで立ち上がるのも視覚的に魅力であります。 第2部終盤戦、合唱が、管弦楽が全力で大爆発!そこでオーケストラは沈黙し、合唱のみが継続され、そこに荘厳なるオルガンが流れる・・・これは希有なる感動経験であります。ワタシのナマMahler 経験は、残すところ第3/4/7/9番となりました。音楽の秋は深まります。 (2006年10月1日)
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