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音楽日誌

千歳空港の喫茶店

●2006年10月某日

高校での世界史履修問題が世間を騒がしているが、あれはかなり以前からの”暗黙の了解”みたいなものだったのでは?と思います。”決まりを守ること”と”実態”が大きく乖離していて、付け焼き刃で”履修”させたとしても、今年の3年生にはエラい迷惑なことでしょう・・・昨今の”いじめ隠蔽体質”とか、”父兄が弁護士伴って学校に文句を付けに来る”とか、どっちもどっちで教育現場も崩壊状況なのか、と背筋が寒くなります。学校に行くのも、先生にもたいへんな時代になったな、これは時代や社会の反映か、と思います。息子はもう大学卒業だけれど、なんとかここまでまともに育ってくれた、との感慨も深い〜”学歴成績一流”とは言い難いが。女性にあまりモテないのは親譲りか。(教育問題とは関係ないか?)

流石に休みなしは少々キツい〜昨夜は寒く少々寝冷え気味でもあります。でも、今朝も元気に起床!Dvora'k 交響曲第9番ホ短調「新世界から」〜ラファエル・クーベリック/ウィーン・フィルハーモニー(1956年)〜ステレオ極初期の「ぼわん」とした洞穴の奥から鳴っているような音質(国内盤LONDON KICC 8101だからか?)だけれど、演奏はストレート系のアツく、少々間が足りないくらいの若々しい勢いでした。(第1楽章提示部繰り返しなしは残念)ベルリン・フィルとの1973年録音も文句なく立派な演奏だけれど、ワタシ個人の嗜好としては、クーベリック+ベルリン・フィルの組み合わせは少々強面に過ぎると感じます。「新世界」は、憧れとか前向きの希望とかそんなテイストが大切〜まさにそれがここにある。

VOXBOX CD5X-3609人様のブログを拝見して、ああ、自分も持っていたっけ、と、Mozart ピアノ協奏曲第20番ニ短調K.466〜イングリット・ヘブラー(p)/カール・メレス/ウィーン交響楽団(1958年)・・・往年のVOXとしては意外とまともなステレオ録音也。ワタシがLP時代愛聴してきたMozart !といえば彼女のPHILIPS全集でして、膨大に集めてきた協奏曲集(こればかりは意識して購入してきた)に飽きたらず、機会があればCD購入したい・・・との乾きを少々癒す旧録音(第19番も有)でした。

微笑んだような自然なるニュアンスが極上であって、弱すぎず、強靱に叫ばず、余裕の歌がゆったり虚飾なく、瑞々しく歌われます。その巧まざる陰影の深さに感銘深く、これは極上の浪漫であります。第2楽章「ロマンツェ」に於ける抑制とニュアンスの細かさには比類がない。カール・メレス(久山恵子さんの師匠筋らしい)のバックも思わぬ好演であって、伴奏の域を超えた立派なもの。

さ、頑張っていきまっしょい。本日明日は「論文」(性に合わん・・・)を数本上げなくっちゃいけない。今週は休みが多いし、明日は健康診断で半日つぶれます。サイト更新用原稿が切れてきているので、ゆっくりしたいな、と思います。


●2006年10月某日

やはり睡眠の質がよろしくない。でも、体調も精神的にも上々であります。今朝も腹筋30回+体操実施。ホテルの件だけれど、昨夜、ちょっと空気が澱んだ感じがあったので、エアコンを入れてみたら、これがカビ臭い〜あわてて止めました。建物の作り、部屋や廊下の調度は立派だけれど、(昨夜も言及した)水回り、エアコンすべて旧いですね。これで(作りは簡素だけれど、清潔で設備充分)新しいビジネスホテルより少々高いのはいかがなものか・・・朝食は無料だったが、味内容はフツウです。

だから空いていて、予約ができたのか。中途半端な設備投資で、経営は継続できるのかな?せっかくの駅近くである”地の利”を生かせていない。先日、奈良での出産時の脳疾患発生に対し、”たらい回し”で悲惨なる結末に至ったことが報道されていたけれど、医療は崩壊しつつあるんですね。例えば、産婦人科医/小児科医の不足・・・妊婦が減り、子供が減れば、そりゃ商売的にはたいへんでしょう。それに、医療事故に対する厳しい指弾(貴重なる我が子だもの)もあるそうです。

昨日の朝日新聞では、麻酔医も悲惨なる労働実態だそうで、「フリー麻酔医」が登場している・・・つまり、あまりに激務だから常勤の病院を辞めてしまう。麻酔医が不足するから、臨時雇いの麻酔医の時給単価が上がって結果的に「フリー麻酔医」が成り立つことになる・・・たしか、救命救急医療の医者も不足しているんじゃないか。地方都市〜もっと田舎だと、いよいよ医療条件が薄くなって、しかも「救命救急医療」的な「総合的」な医療対応が必要だろうし、そりゃけっこう大変だろうと思います。「Dr.コトー診療所」に憧れるのは、そのアンチテーゼだ。

視察3件〜クルマにて送り迎え付き〜うーむ、頑張っているんだけどね、そうとう数字落ちております。原因が(表面的には)よく見えない感じ。来週、その対策で相談があって、高松にて打ち合わせ〜いずれ、なんらかの実効策を(多面的具体的に)出さなくっちゃいけません。速度遅きJR四国の列車に揺られて帰宅いたしました。岡山迄行かず、途中乗り換え(相対的)地元駅にて下車。重い荷物(含むノートパソコン)両手に抱えつつ速歩自宅まで十数分も、「トレーニングだ」と思えば全然ツラくはない。連続酒席+(かなり抑制したとはいえ)試食もあって、本日昼には(念願の)徳島ラーメン喰っちゃったし、あと健康診断まで二日・・・本日明日と(付け焼き刃)ダイエット復活!当然断酒。せめて、夕方早風呂でくつろいでおります。

山田真哉「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?〜身近な疑問からはじめる会計学」(光文社新書)・・・言わずと知れたベストセラーであって、山田さんは未だ30歳の若さ。具体例がとてもわかりやすく、まさに日常素朴な疑問から出発して「会計学」の端緒が開かれました。「キャッシュ・フロー」がわかりやすかったな。自分の経験では、出張申請した途端、翌日に口座振り込みがあり、実際の支払い(交通費、ホテル代、酒席代)はカードを使うことが多いから、「バブル銭」が貯まるんです。これは翌月初に引き落とされるが、出張は延々と続くから「バブル銭」でありながら、営業をしている限り「キャッシュ・フロー」は崩れない・・・バブルが弾けるのは引退後か?

LONDON POCL-3665 中古2枚組500円也Rachmaninov 交響曲第3番イ短調〜ヴァルター・ヴェラー/ロンドン・フィルハーモニー(1975年)・・・これで2枚組全集完了でして、イメージとしては(当然)第2番と同じく弦の歌+金管の爽快なる爆発が魅力です。スイス・ロマンド管との第1番ニ短調(1972年)が一番厳しい評価(アンサンブルの質がかなり落ちちゃう)となったが、購入時の興味としてはこのオーケストラを一番聴いてみたかったんですよ。異質というか、関係なさそうな演奏団体の録音って興味あります。

BRILLIANTのエフゲニ・キーシン(p)4枚組(92118/1,280円にて購入。11歳〜17歳のライヴ音源)より、Liszt「森のざわめき」「軽やかさ」(1983年5月23日)「愛の夢第3番 変イ長調」「ハンガリー狂詩曲第12番 嬰ハ短調」「超絶技巧練習曲第10番 ヘ短調」(1989年2月26日)/Schumann「交響的練習曲 OP.13」(1989年2月26日)「アベッグ変奏曲 OP.1」「献呈 Op.25」(1983年5月23日)を・・・イヤホンで聴くと、音の粒が粗く、しかもかなりのオン・マイクでヒステリックなイメージとなります。定位もおかしい。これ要注意でして、イヤホンで聴いた方がよろしい音源(例えば、音量レベルがかなり低いとか、ある種の歴史的録音とか)もあるし、部屋で鳴らしたほうがよろしいこともあるんです。

これは後者。11歳の子供とは思えぬ超絶的な技巧には存分なる”音の芯”を感じさせました。イヤホンで聴く限り、輝かしく、明るく、前向き・・・そして、やかましさが気になったが、自宅で再聴すれば、その躍動と細部への配慮に気付かされます。まったく素晴らしい。個人的な嗜好としてLisztは少々威圧を感じて苦手方面だけれど、Schumann「交響的練習曲」(これは17歳)に至っては、雄弁なる推進力+余裕の表情付けににぐうの音も出ない。驚くべき天才であります。


●2006年10月某日

(在松山ホテル)昨日朝一番の地元取引先との打ち合わせは、内容宿題の重さと、その”重さ”を共有できる関係に考えさせられ、有り難くも思えます。そのまま、クルマで迎えに来てもらって松山へ。準備の直前にとてもおいしい(回転)寿司で昼食。この水準が岡山にはないんだな。

松山での試食+学習会の自己採点は80点也。内容が少々欲張りすぎだったのと、準備手順で少々不備はあったけれど、反応は好評で信頼関係はちゃんとつないだと思います。チーム・メンバー(含む「バカス」〜相変わらず、途中別件トラブル発生・処理エエ加減で説教)も”よう働いた!”的満足感はあったみたいで、夜のご苦労さん会も楽しく、おいしくいただきました。

ホテルでは相変わらずあまり眠られず。これから早朝より今治〜新居浜まで、途中数件寄りつつ移動。別会場で、同じ取り組みです。夕方終了後、ワタシのみ(JRにて)徳島に移動・・・遅く到着予定。これは、”顔見せ”、”激励”、”視察”活動であって、若い者の休みをつぶす程の価値あるお仕事ではない。

移動時間には音楽を聴けると思います。

今回のツァーの二日目、新居浜場所はさすが、前日の段取りの慣れもあって順調でした。かなり大受け!3人のマネージャーは(我らと一緒に)連続出席だけれど、雰囲気の良さに上機嫌でした。嗚呼、サラリーマンとして最高の幸せですね。当初の予定通り、クルマにて坂出駅で降ろしてもらってJRで徳島まで・・・三連続だけれど酒飲んじゃいました。ま、一人だから(ホテルにていただいた)朝日新聞を熟読しつつ早々に辞去。徳島のホテル事情の改善は遅々として、今回のスケジュールが確定してからネットで予約したが、なかなか希望通りの水準のところは取れませんね。

きちんと改装リニューアルは済んでいるし、サービス水準も悪くないが、水回り(とくにトイレがウォッシュレットがない!)の形式がいかにも旧い。自分の感覚としては少々値も高い。ネットの接続はあるけれど、シロウトでは使えませんよ、簡単には。ちょっとフクザツな手順が必要でした。

クルマ移動中は若い者の好みのCDに合わせていた(ハードなラップも悪くないが、ワタシは美しい旋律が好き)から、Rachmaninov 交響曲第2番ホ短調〜ヴァルター・ヴェラー/ロンドン・フィルハーモニー(1973年)・・・アシュケナージの録音が出てから隅に追いやられたような音源だけれど、英DECCAの美しいアナログ録音共々、ずいぶんと楽しみました。

横流れの旋律(とくに弦)の悠々たる歌、パンチが効いて爆発する金管。ロンドン・フィルがこのような作品に馴染んでるとは思えないが、甘すぎず、濃厚に過ぎず、イヤホンを耳に掛けたらいきなり清廉な雰囲気に気持ちがよろしい。で、続いて、交響曲第1番ニ短調〜こちらスイス・ロマンド管弦楽団(1972年)が担当であって、オーケストラの響きの違いが興味深い。

スイスのフランス語圏ジュネーヴのオーケストラはアンセルメの録音で馴染みだけれど、これもRachmaninov とは少々縁が薄いと思います。まさに馴染みの薄く、頼りない響き。管楽器はピッチが少々怪しく、しかも前のめりでリズムが正確ではない。弦は鳴りが足りず、時に大音量の爆発ではヒステリックの響くのは録音の問題だけではないでしょう。結論的に、上手いオーケストラではない・・・が、これは作品との相性だと思います。一昨日、BOOK・OFFにて購入したCD(LONDON POCL-3665 中古2枚組500円也)

明日朝、ゆっくり。視察です。でも貴重なる休みはツブれました。来週、しっかり休みますよ。


●2006年10月某日

連続酒席とはいえ、昨夜は8時半のバスに乗って帰って、「Dr.コトー診療所」をちゃんと見たし、そうハードでもありません。ファイターズ優勝しましたね。すっかり北海道に根付いたみたいで、「地方ではジャイアンツの放送しかないから、皆ジャイアンツのファンになる」という図式は消えつつあります。ローカルな個性、多彩な嗜好は素晴らしい。毎日に腹筋、体操、ダンベルは短時間でも欠かさないこと〜出張中でも、これは気を付けております。だから体調まずまず、なにより精神的に良好!昨夜は友情というか、信頼関係をしっかり確かめ合いました。今朝、これからバスにて地元取引先と打ち合わせ、そのままクルマで拾ってもらって松山へ。ちょっと準備が心配です。

NAXOS 8.553303 700円更新絡みやBBSの書き込み関連から連想して、Kuhlau(1786-1832 デンマーク)フルート5重奏曲第1番ニ長調/第2番ホ長調/第3番イ長調(作品51)〜エイヴィント・ラフィン(fl)/キム・シェイレン(v)/ビャルネ・ボィエ・ラムスッセン(va)/ゲオア・スヴェンセン・アンダーセン(va)・ラース・ホルム・ヨハンセン(vc)(1995年)・・・Weberと同年の生まれであり、Beethoven に憧れていた、とのことだけれど、もっと親しみやすく、旋律は優しげで多彩でした。ヴィオラが2台というのは、中声部に厚みを持たせたということであって、陰影に富んで大柄な音楽であります。故国デンマークの演奏家達は、雄弁で流麗なる技巧を誇って、とくにフルートが豊かででした。(不遜なる意見だけれど、我らがMozart のフルート4重奏曲より楽しめるかも!?)

Beethoven 交響曲第5番ハ短調〜シュミット・イッセルシュテット/ウィーン・フィルハーモニー(1968年)・・・昨日のヴァイオリン協奏曲(シェリング)の流れで、そのまま途中まで。LP時代大きな権威を誇った交響曲全集であって、まったくオーソドックス、リキみのないスケールを誇って、だからこそ21世紀の耳にも盤石たる存在で旧さは微塵も感じさず、飽きさせない。奇抜、耳目を驚かせる表現皆無であって、テンポの揺れも最低限にウィーン・フィルの豊かな響きを生かしております。こんな強い音楽を楽しめるようになったのは、精神的に少々昂揚しているからかな?

日曜まで出張です。いちおうノート・パソコン持参しましょう。ラストはJRで一人帰岡なので、CDも持参しないと。


●2006年10月某日

ずっと音楽を心より楽しめる状況ではない。現状(この場合、仕事内部運営)を乗り切るには粘り強く、継続するしかないし、もとよりお客様との関係で基本的に上手くいっていて、大問題になる前に食い止めている(〜それが可能なうちはセーフか)からマシなほうなんでしょう。内部運営にしても、たった一人(バカス)がブレーキになっていて、全体としては”回っている”わけだから。ほんま、試練やで。

でも、体調万全!精神昂揚!ダイエット苦戦・・・本日は、メーカーさん、地元取引先と定例商談があるけれど、基本、明日よりの松山での二日連続行事(+日曜まで徳島滞在)の準備(自分のは出来ているから、全体の点検)であって、夜に(自分が直接担当していない)最大取引先の実務担当幹部と内々うち合わせ(上司了承済み/連続酒席は健康診断前に少々不安だけれど)。ちょっと、宿題は大きそうな予感あります。

Vivaldi 協奏曲集「四季」作品8-1〜4〜ピーナ・カルミレッリ(v)/イ・ムジチ(1983年)・・・たしか、フェリックス・アーヨ(新旧)、ロベルト・ミケルッチ盤に続く4度目の録音だったか。Vivaldiはけっして嫌いな作曲家ではないけれど、ちょっと聴き過ぎちゃったかな、子供の頃から。カルミレッリは名手に間違いないし、溌剌として明るい響きにイタリアの陽光を感じることは可能だけれど、ワタシは(マリナー/アカデミー/ラヴデイ(v)1969年との出会い以来)自由なるヴァイオリン・ソロ装飾音とか、多彩なる通奏低音の活躍は必須と考えるものです。少々、オーソドックス過ぎ・・・なのか、やがて行き着くところまで行っちゃって、戻り来るべき安寧の地なのか?

DECCA 467 892-2 8枚組中古1,650円Beethoven ヴァイオリン協奏曲ニ長調〜ヘンリク・シェリング(v)/シュミット・イッセルシュテット/ロンドン交響楽団(1965年)・・・低音の効いた堂々たるオーケストラに乗って、ヴァイオリンは高貴で滋味であります。格調高く、味わい深く、安定しているが技術のみが表面を湖塗することはない。シゲティ、グリュミオー・・・”Beeやん苦手”とワタシがこの作品を愛するのは、素敵な演奏に多く出会っているから・・・でしょう。

夕方、ちょっとしたトラブルがあったが、たいしたことはありません。但し、定時から酒席を約束していたから、お客様が到着して慌てました。昼からの商談先外出中、(ケータイに連絡を受けて)明日からの愛媛県勉強(試食)会用の紙皿、カップなど購入して職場に戻って袋を渡したら、ナントそのメーカーは「バガス」であってチーム内で大受け!でした。ほんまのバカスには、朝小一時間、じっくりゆっくり静かに説教済み。(千度やっても効かない)

酒席の面々とは一年ぶりかな?飲んだのは。様子はかなり予想と当たっていて、けっこう楽しかったですね。やっぱり、人生で大切なのは友人ですよ。昼間、外出時、ちょっとだけサボってBOOK・OFFへ。書籍数冊とCD計4枚入手。そのウチの一枚は馴染みのものでして、ロベルト・シュトルツ/ウィーン交響楽団/ベルリン交響楽団のウィンナ・ワルツ名曲集(DENON COCO-6774 1966〜1971年)←かなり以前のエエ加減なるコメントは図書館で借りた音源だったんですね。@250入手〜出会いです。買わいでか。

車中での聴取のため、イメージ変化はあること前提で、けっこう仕上げがラフというか、洗練された粋ではない。もっと、場末の大衆的な”似非ゴージャス風”なる味わいは・・・けっして嫌いではありません。ウィンナ・ワルツは時々聴くと楽しいですね。数年前、ちょっと集中的に聴きすぎて、以来しばらく疎遠になっておりました。(● ウィンナ・ワルツ覚え書き/● (続)ウィンナ・ワルツ覚え書き/● (続々)ウィンナ・ワルツ覚え書き/● (益々)「ウィンナ・ワルツ覚え書き」〜独逸編/● (とうとう)「ウィンナ・ワルツ覚え書き」〜亜米利加編(これにて完結))2003年のことか。


●2006年10月某日

本日、昼からお客さま取引先(ひとりのみ五月蠅型傲慢タイプ=アホとも言う〜含む)を集めて詳細定例資料説明会有。これは東京・本丸の優秀テクノクラート作成のものであり、更に我が職場の手練れの専任担当が加工したもの・・・だけれど、そいつが法事で休みを取っているため(理論構築には弱い)ワタシが長時間説明するもの。既に、昨年一年間経験済みだけれど、最初のウチは前日眠れないほど緊張しましたよ。

ワタシは基本態度がでかくて(明るい)傲慢系だろうが、自分を必要以上に大きく見せること(虚勢を張る)や、人を攻撃することによって自分を相対的に立場を向上させる(んなこと、ありえないが)ことは絶対にしません。だから、本日結果的にエエ加減なる報告にブーイングがあったとしても、それはワタシの実力の結果であることは間違いなし。覚悟しております。ま、出席者大多数は日常信頼関係に支えられ、ワタシのエエ加減不備報告を皆でフォローして下さることでしょう・・・淡い期待をしております。

昨日一昨日と硬派Bergのオペラばかり聴いていたので、ノーミソ切り替え・・・Brahms 交響曲第2番ニ長調〜クリスティアン・マンデール/”ジョルジュ・エネスコ”ブカレスト・フィル(1995年)再聴。じつは、一週間前程前に、ギュンター・ヴァント/北ドイツ放送交響楽団(1983年旧録音)を聴いて、その強靱なる硬派サウンドと推進力に驚愕、やっぱ力量あるオーケストラの魅力は絶大でっせぇ・・・と感慨深めていたところ。

マンデールの全集は先月集中的に聴いていて、ゆったりとしたテンポ、細部入念なる(しつこいくらいの)描き込み、薄い響きのオーケストラに評価は揺れ動いて、昨夜の感想は、う〜ん、これはこれでエエじゃないか。表現としては濃厚方面だけれど、ヴァントほどの厳しい印象がなくて、聴きやすいと思います。但し、オーケストラに洗練が不足するのは事実だけれど。

今朝、Beethoven チェロ・ソナタ第3番イ長調 作品69/第4番ハ長調 作品102-1/第5番 作品102-2〜アナトーリ・クルステフ(vc)/ボヤン・ヴォデニチャロフ(p)・・・これは、BRILLIANTのBeethoven 名曲集に含まれるもので、録音情報、演奏者情報ともに不明(名前から類推してルーマニア辺り?)ながら、すいすいと鼻歌でも歌うかのような軽快なる表現であります。ロストロポーヴィチ/リヒテルの深淵巨大なる演奏で(子供の頃から)馴染みの作品だけれど、なんと親密で懐かしい演奏か。

昼からの会議報告はしどろもどろ・・・ま、予想通り皆でフォローして下さいました。感謝。しかし、我がチームの「バカス」が夕方連続してド・チョンボ(ここ数日連日だ)〜更に自分の責任ではない!と強弁して、他の関係者や派遣さんに責任を負わそうとするので一喝!とにかくお客様との関係を治めて、関係各部署へお詫び、フォロー実務の指示点検を終え、若い者と派遣さん(なんせ、毎日フクザツな実務していただいているし、怒りを収めないと)連れて飲みに行きました・・・(奢りで)嗚呼。ダイエット台無しで、しかも明日はもともと酒席だし〜どんより重いなぁ、精神的に。

試練ですよ。逃げません。やることやって、納得するまでなんとか努力するしかない。


●2006年10月某日

ひとまずは「光」環境整いました。作業一段落へ。厳密に言うとあと一台(出張用)、そして無線LANの設定が残っているが少々難題・・・ま、あわてません。本日、これから山口へ。事務所へ夕方戻って、明日の会議資料印刷(読み込みも)あります。昨日は、お仕事的にさっくり進んだ、いろいろ進展が感じられた、というところ。先日酒席で暴れた「バカス」(バカでカスの造語)は、「深く反省しております」と正式にお詫び有。日常、お仕事関係あるがなかなか私的にお話しできない職場のやつに、久々いろいろ状況伺うが、わかってないね、全然。視野が狭い。明後日、一番大きな取引先の実務担当者(ワタシの直接担当ではないが、親しい関係)が夜訪ねてくるが、その理由がうっすらと見えてきました。

今朝、Berg 歌劇「ヴォツェック」(一枚目のみ聴取)〜ヘルベルト・ケーゲル/ライプツィヒ放送交響楽団/合唱団/テオ・アダム/ライナー・ゴールドベルク(1973年ライヴ)・・・以前聴いたときの感銘が蘇らないのは、今朝の体調故でしょう。昨日の「ルル」(ステファン・アントン・レック盤)には相当痺れたが、音楽の様子がずいぶんと異なる・・・のはシロウト耳にも理解できます。音質も極上〜こんな恐ろしい音楽は体調万全にて拝聴すべきなのでしょう。

本日、いつもより30分早く出発なのでここまで。帰宅は早い予定。山口往復では音楽を聴きましょう。

山口での商談を順調に終えて、おいしい回転寿司をいただき(山口の寿司は極上です!)チームのメンバーは無理矢理直帰させ(残業対策)自分のみ明日に迫った会議の資料印刷〜あとは明日午前中籠もって資料の最終読み込みです。ま、細かいトラブルはいろいろあるけれど、大きくなる前に先手を打ってなんとか収めております。早々に帰宅。

無線LANの(Wep=暗号)設定、ラストの出張用ノート・パソコン設定に着手した時点で(膨大に時間を喰った)OSのアップデートやら、クリーン・インストゥールは必要なかった!ことが判明〜でも、もう遅いで・・・とにかく「光」到着三日目にして、安定した環境が出来上がりました。う〜む、劇的に速くなった・・・という感じがしないのは旧式無線LANの性能故か?でも、新たな出費最低限で済みました。時に、こんな新しいもの(今回は「光」)に挑戦するのも大切なことです。

岡山-山口新幹線往復でしっかり音楽聴けました。Berg 歌劇「ヴォツェック」〜ヘルベルト・ケーゲル/ライプツィヒ放送交響楽団(1973年ライヴ)へ再挑戦・・・ああ、エエですね。ハードな辛口音楽、そしてケーゲルの(ライヴとは思えぬ)精緻なる表現と爆発、強靱なる切迫感。ひりひりと傷口が痛むような怒りの連続ワザ。録音極上です。20世紀って、こんな悲惨なる音楽を聴かなくっちゃいけない時代だったんですね。ギターと合唱の妙竹林なる掛け合いなんか、んもう最高!ヒステリックなジンタもね。(BerlinClassics 0020682BC 2枚組1,490円にて購入)

ARTE NOVA 74321 87070 2 2枚組790円 セクシー!こうなりゃ!とことんBerg 歌劇「ルル」(オリジナル2幕版)〜ステファン・アントン・レック/テアトロ・マッシモ(2001年ライヴ)/アナト・エフラティ(s)/ドリス・ゾッフェル/テオ・アダムほか・・・このCDは知名度的には弱いが、驚くべき完成度だと思います。音楽はいっそう甘美であり、ヴィヴラフォーンですか?それが効いてますね。オンマイクで歌手やら、各楽器の定位が不明確(やや平板で小編成に聞こえる)ながら、かなりの鮮明なる音質と重低音(腹に響くティンパニ!)を誇ります。シチリア州パレルモのマッシモ歌劇場は、来日したこともあるみたいだけど、所謂イタオペの伴奏水準イメージを遙かに超えた集中力に感心します。ラスト、変奏曲とアダージョ(ルル組曲)に至って痺れました。「ルル」って、容姿が重要ですね。アナト・エフラティは写真で見る限りずいぶんとセクシー。

こんな破壊的かつ官能的な音楽ばかり聴いていると、Mozart 辺りに言及不能となりました。


●2006年10月某日

新しいネット環境、デスクトップ・マシンにて初更新であります。昨夜は、その後、女房用ノートとデスクトップ・マシンの設定をいろいろしていたけれど、ネット接続異様に遅く、ついにはブラウザ表示できず・・・なんのためにカネと手間掛けて「光」にしたの?状態。やはり、超旧型無線LANの責任か。嘆いても後悔しても、覆水盆に返らず。よくよく見ると、ウィンドウズ・アップ・デートを(勝手に延々と)やってるのだね。そのダウンロードで通常ネット活動ができないみたい。とにかく、その完了を待って、セキュリティ・センター設定を「自動更新せず」(通知のみ)に変更しました。

デスクトップ・マシンの無線LANは一番型式が旧いせいか、Wepの設定が上手くいかない(かった)し、ファイヤウォールを有効にするとつながらない!いちいち「復旧」 作業が必要だったが、いろいろいじっているうちに「起動即つながる」ように回復いたしました。女房ノートには「XP」は重いみたいで、そのうち「Me」辺りに変更したい・・・が、そうするとたしかドライバの自動認識ができなかったような・・・?やや寝不足状態も楽しいものです。これが趣味であります。

そんなこんなで終日外出もせず、音楽もほとんど聴けず。Berg 歌劇「ルル」〜ステファン・アントン・レック/テアトロ・マッシモ(2001年ライヴ)/アナト・エフラティ(s)を少々・・・壮絶陰惨な音楽に痺れました。Mozart 歌劇「ドン・ジョヴァンニ」〜ヨーゼフ・クリップス/ウィーン・フィル/シエピ(1955年)少々・・・嗚呼、とうとう全曲入手できた、という感慨有。おっと、時間です。


●2006年10月某日

・・・ここまで10行ほど書いてエディター落ち/もちろんそんなときに限って保存してない・・・(気を取り直して)昼間は季節外れ的けっこうな日差しだけれど、朝夕はけっこう冷えます。Yahoo!BBのADSLは昨夜で契約切れだけれど、未だルーターを外してなくて、今朝試してみるとつながります・・・そんなもんでしょう。そろそろ電話回りをお掃除しないと。

昨日、松本和将「トワイライトコンサート」を堪能いたしました。会場までクルマで数十分、演目の予習(女房向け)ということで、車中CDを楽しみましたよ。NAXOS 8.550209Mozart ロンド ニ長調K.382/ピアノ協奏曲第23番イ長調K.488〜イェネ・ヤンドー(p)/マティアス・アンタール/コンチェントゥス・ハンガリクス(1991/1989年)・・・過度に演奏者の個性を表出するのではなく、(バックも含め)作品の持ち味を素直に生かした中庸なる演奏です。技術的に安定し、仕上げはきわめてていねい。録音も上々。スリム・ボックスで再発されないものでしょうか。ワタシは(もちろん)買わないが。

一際地味な存在の全集だけれど、全11枚(初期作品、ロンド、K.242〜但し、2台用に編曲版、K.365もすべて収録)得難いものだと思います。引き続き、Chopin ピアノ協奏曲第2番ヘ短調 作品21・・・なんと19歳青年の作品也〜イディル・ビレット(p)/スタンコフスキー/スロヴァキア国立フィルハーモニー(コシツェ)(1991年)・・・トルコの名手ビレットは、Chopin 作品全集をNAXOSに残しておりますが、ワタシは協奏的作品(2枚ですべて揃うため)を除いて既に処分してしまいました。

タッチが硬質で、少々叩き過ぎの印象が気に喰わなかった。ここでは冷たい感触のピアノが、残響豊かな録音に包まれ、幻想的な味わいが悪くないと思います。演奏会の感想にちょっとだけ触れたが、「珠玉のような甘美な旋律が延々と続くんです。聴き手はそれを素直に楽しめばよろしいのでしょう」。昨日のナマ体験を経、ワタシはこの作品が”わかる”ようになりました。ほかのCDも取り出してみましょう。

さて、「光」無事開通するでしょうか。楽しみです。

午前中、工事有。「光」はそう簡単につながらず・・・So-netとNTTと二つの会社が絡んでおるから、お客様IDとパスワードはどれにどれを入れたら良いか?状態で、とにかくつながらない。恥ずかしながら、NTTに問い合わせたらなんと!別途「お客様IDとパスワード」があって、それは書留にて送ったはずだ、と。んなもの来てないですよ、岡山中央郵便局に電話したらなんとか探して下さいました。ようやく夕方再配達して下さって、接続・・・

体感速度はまぁまぁかな?そりゃケーブルで接続しておりますから。問題は、無線LANでして、なんせ激安で購入した旧式(未だ「光」が存在しない頃発売)であり、しかも既に存在しない会社(PERSOL?)でサイトもないし、つながるのかどうか。さらにはせっかくの「光」なのに、仮につながったとして旧式無線LAN故で(以前並の)速度だったら意味ないよね。ま、もともとご町内に電話局があって、ADSLでもそれなりの速度だったんですけどね。つながらなかったら、いっそう悲劇だ。(覚悟の上だけれど)

で、すったもんだの挙げ句、超旧型無線LANもつながりました・・・が、更新していないXP、2000は「光」のセットアップが使えないんです。だからOSのバージョン・アップ(またはクリーン・インストゥール)に時間が掛かりました。重くなるので、非力なマシンには入れたくないんですよね、ほんまは。女房用ノートにXP+AVG(ウィルス対策ソフト)は少々きつい。リビング・コタツ上ノートが、結局ほとんどなんの手も加えずにそのまま使えましたね。

メインのデスクトップは、データ類/設定ファイルすべて別ドライブに残してあるので、クリーンでOS入れ直しました。根性入れて設定し直さないと。いやぁ、こんな設定はほんまノーミソの鍛錬というか、集中力とストレス解消になります。あちこち散らかしたので、お掃除しないと。


●2006年10月某日

昨夜、現場視察後、広島市内北部の安居酒屋でお取引先(ごく親しい)担当と酒席〜先行き不安を募らせている状態を励まし、自分なりの見通し(けっして安易ではなく、厳しい現実含め)展望をアツく語りました。遅く新幹線にて帰宅。タクシー代少々含め自腹出費有・・・たいしたことないですよ。

ことし亡くなった吉村昭「漂流記の魅力」(新潮社新書)・・・1793(寛政5)年、遭難した若宮丸(仙台藩)はロシア領に漂着、辛苦の末10年後、世界一周の経、4人は無事帰国〜いやぁ、壮絶ですよ。乗組員同士での内部分裂、既に(同じく漂流の挙げ句)ロシアで暮らし通訳をしていた日本人との微妙な関係。通商の道具として日本を訪れたロシア船+帰還員に対する幕府の冷たい態度・・・飛行機なんかがなかった時代、言葉も、食べ物も大変だったことでしょう。

Tchaikovsky 交響曲第6番 ロ短調 作品74「悲愴」〜オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団(1960年)・・・こども時代からの馴染みの音源であって、SONY Classical MYK37768  1960年録音このサイト初期の更新文書は情緒的で読むに耐えません。

弦の響きが豪華で厚くて、木管の美しさ・巧さは舌を巻くほど。金管の鳴りも輝かしいが、少々軽過ぎか。テンポは常に適正
・・・なるほど。陰影とか、入念なる旋律表現の味付けではなくて、カラっとしてストレート系のエエ演奏でした。現在の耳で聴くと、録音だってなかなかのものですよ。木管の美しさ、ってクラリネット、フルート、ファゴットですね。Tchaikovskyも(かつて)苦手系の作品群だったが、ここ最近素直に叙情的な旋律を楽しめるようになっております。室内楽やピアノ作品を聴いていきたいですね。

Mozart ピアノ協奏曲第20/21番〜フリードリヒ・グルダ(p)/アバド/ウィーン・フィルハーモニー(1974年)・・・購入15年に及ぶ昔馴染みの駅売海賊盤であって、LPレコード板起こしなんでしょうか。久々、ヘッドホンで確認するとバックのウィーン・フィルの響きが時に濁ります。グルダのMozart 、と言えばピアノ協奏曲第21/27番〜スワロフスキー/ウィーン国立歌劇場管弦楽団(←これもモウレツに楽しい!)を連想するけれど、こちら自在なる旋律付加変更はなくて、滋味深い音色は落ち着いて、端正オーソドックスであります。

これぞ、座右に永く常備すべき演奏でしょう。6年ほどお世話になったYahoo!BBのADSLは本日で契約切れ、明日よりSo-netの「光」がやってきます。別に現状ネット環境になんの不満もないが、新しいものにはいろいろトライヤルをしてみないと・・・WndowsのOSも「ビスタ」とかなんとか、新しいのが出るらしいが、無理して変更する必要もないが、とにかく試してみる・・・そんな姿勢が重要かと思います。

午前中、久々スポーツクラブへ。更に持病の病院へ。夕方、女房が音楽会に行く(ご招待なし)というので、出掛けましょう。そろそろルーターを外さないと。


●2006年10月某日

あれ?昨日はなんのお仕事したんだっけ。昼から内部打ち合わせをしたのはたしかだけれど、小一時間ほどだし、午前中、夕方辺り、とんと記憶がない。やる気も出ない。早々に(なんたって残業抑制指示が厳しいし)チームの若い奴と(ちょっとだけ)飲みに行って、他の酒席チームより合流せよ、とのケータイ連絡あったが、振り切ってバスにて帰宅。「Dr.コトー診療所」感動しましたよ。配役の妙、島の絶景、柴咲コウの苦悩/魅力・・・息子の私立中学の学費のために必死で働く父親(時任三郎)の姿には思い入れひとかたならぬ・・・って、ワタシはさほどでもなかったが。

ワタシの元上司は若い頃からエリートコースまっしぐらで、常務まで上り詰めたが、病状がかなり厳しいらしい。今年の始めまで岡山で時々親しく飲んでいた、別部局系の幹部(今年の異動で大躍進!役員待遇へ)は、なんと!メンタルヘルス問題で休業、挙げ句に閑職にまわった、とのこと。先週の東京会議で、あちこち本丸・東京の動きを見たり聞いたりしたけど、なんか悲惨で(そりゃ、我ら地方・現場系もたいへんではあるけれど)ワタシ(個人)はなんと楽しく、毎日のびのび悠々と生きていることかっ!〜本日、終日広島現場回り・・・てな、現場密着型お仕事スタイルを確立したのがワタシの偉業(異形?)であります。

DOCUMENTS 223603-321  10枚組1,770円Tchaikovsky ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調〜ヴァン・クライバーン(p)(1934年〜)/ピエトロ・アルジェント/スイス・イタリア語放送管弦楽団(1962年ライヴ)・・・1958年チャイコフスキー・コンクールで優勝、当時東側であったキリル・コンドラシンを伴ってアメリカに凱旋帰国、彼のレコード(Tchaikovsky/Rachmaninov の協奏曲)はミリオン・セラーであったそうな・・・このライヴは、いけいけどんどんで大人気だった頃の録音であります。スタジオ録音だって、その眩しいほどの輝きに希望を見出すこと文句なしだけれど、音質(モノラルだけれど、なんとなく広がりを感じるような・・・)含め、こちらの演奏だって充分に楽しめます。

明るく開放的で、明快なる骨太タッチ、熱気と推進力、前向きな希望と活力・・・現代社会に失われてしまったもの、すべてがここに具現化されていて、物質的豊かさってなんだ?このCDが新品@177である、ということくらいか。肝心の聴き手がすり切れてしまっては仕方がない。フィル・アップは幻想序曲「ロメオとジュリエット」〜ストコフスキー/スイス・イタリア語放送管弦楽団(1968年ライヴ)・・・86歳のご高齢爺さんの余技じゃないですよ。大見得たっぷりのテンポの揺れもピタリ!決まっていて、スケールが大きい。このオーケストラらしからぬ、アクたっぷりで鳴りもよろしい。

Bartok 「管弦楽のための協奏曲」〜クリストフ・フォン・ドホナーニ/クリーヴランド管弦楽団(1988年)・・・ここ数日、断片的ではあるが繰り返し確認しております。なぜ”繰り返し”か〜つまり、ようワカラんのです。先日のショルティ/ロンドン交響楽団(1963年)だったら、キツ過ぎ!強面!恐怖!とか文句言いながらも、その手応えは充分だと感じましたよ。でも、ドホナーニは”ようワカラん”・・・良く整って、破綻のない、録音だって良好なる演奏に間違いはないが、それがどうした!的印象です。困った。

サイト定例更新済み。本日、広島往復は短時間ながら音楽は聴けるでしょう。いつもより一時間早く出掛けて、帰宅遅くなります。一週間が終わりました。


●2006年10月某日

来週中盤にある(我がチーム主催の)お客向け会議の準備手つかず。当初、詳細資料専門の説明する担当がいたんだけれど、急遽出席できなくなり、自分がやることに・・・資料読み込み必要です。明日、終日広島だし、週明け月曜は定例ミーティング、会議前日は山口だし、本日しか時間は残っていないか。昨夜も眠りが浅い。昨日、ほとんど音楽聴いておりません。

EMI 7243 5 68733 2 2 アニー・フィッシャーは美しいですねここ数日の”落ち穂拾い”を〜Schubert 即興曲 変イ長調/ヘ短調(D.935)(1960年)/Beethoven ピアノ・ソナタ第8番ハ短調「悲愴」/第14番嬰ハ短調「月光」/第32番ハ短調(1958/59/61年)〜アニー・フィッシャー(p)・・・1914年〜1995年ハンガリーの女流。亡くなる少し前に来日していたはずで、テレビで気品ある姿を拝見した記憶もあります。Schubert ともかく、Beethoven は好んで聴く作品でもないが、音質やや不備状態乗り越え感銘を受けたものです。

Schubert のとつとつとした懐かしさ、「悲愴」は、先日聴いた宮沢明子さんの親密暖かい演奏との印象比較になるが、こちらスケール大きく、孤高の輝きを誇ります。技術的に明快十全であって、端正上品であり、厳つい表情を作りません。リキみはなくて、芯がかっちりして重心は低い。流れは極めて自然・・・Beethoven ソナタ中では比較的馴染みの作品3曲だけれど、かつて聴いた中でのヴェリ・ベストと感じました。

哲学的であり、晦渋であり、Bach の深淵を連想させる第32番ハ短調ソナタ(1961年)は、少々音質が落ち、やや散漫な印象有。

おっと、時間切れです。


●2006年10月某日

いつもなら昨夜、ちょっとに飲みに・・・的職場の雰囲気だったが、それを振り切って帰宅、女房お付き合いで遅くなるらしいし、ほんのちょっとだけ夕食を摂って、早々に就寝しました。相変わらず寝付きはよろしくないほうだけれど、健康的です。体重、ターゲット・ポイントに戻りつつあります。秋の健康診断まであと2週間、予定ではあと酒席2度ほどのはず、今週は久々の土曜スポーツクラブも敢行して万全の調子で迎えたいもの。但し、(直前)来土日は出張です。

BBC CRCB-6038昨日、広島往復で聴けたCDは2枚のみ。Grainger「ブリッグスの定期市」(テナーをソロに、無伴奏合唱がバックに付く、美しい作品。ほんの4分弱)+Delius「ブリッグスの定期市」「イルメリン前奏曲」「ノルウェイ組曲」「夏の庭園にて」「ダンス・ラプソディ第2番」〜アシュリー・ローレンス/BBCコンサート管弦楽団(1974年)・・・サイト内検索するとちゃんとコメントが残っていて、

「ブリッグの定期市」の件。一般にDeliusの「(副題)イギリス狂詩曲」が有名だけれど、その前にGraingerがテナー(ここではガース・ロバーツ)と合唱団(BBCシンガーズ)との美しい作品に仕上げております。(その両曲を配慮ある収録)元々は彼が録音・採譜した英国リンカーンシャー州の民謡らしい。例示が安易だけれど、「グリーンスリーヴスの雰囲気」と思っていただければ、そう違和感はない。(その道の専門の方には叱られそうなコメントか。この2曲が1974年のライヴ)
・・・残りDeliusの4作品(1974年スタジオ録音)は、少々細部アンサンブルの緻密さが足りないような気もするが、淡彩で素直な演奏だと思います。
とのこと。前回以上の感銘がちゃんとありましたよ。この辺りの(ジミな)音楽、そして(ジミな)演奏は、未だ食事が肉や揚げ物中心の若者には理解できないでしょう。精神的に枯れていかないと・・・(ジョーダン)

EMI 7243 5 67099 2 8Grieg 劇音楽「ペール・ギュント」第1/2組曲、IPPOLITOFF-IVANOFF「コーカサスの風景」作品10(ハリウッドボウル交響楽団)Debussy「小組曲」、Delius「春、はじめてのカッコウを聞いて」(コンサート・アーツ管弦楽団)/フェリックス・スラットキン(1952年)・・・ワタシは親父の方のスラットキンを大の贔屓にしていて、米CAPITALの復刻が安く出ていると喜んで入手しております。正確に言うと、1950年代の「明日という字は明るい日と書くのね」的(これを理解できる人はそれなりの年代)希望に溢れ、ゴージャスなサウンドが大好き。

当然モノラルだけれど、残響豊かで瑞々しい録音、厳格なる精神性とか、晦渋な哲学とか、陰影、そんなものとは無縁に、ひたすら音楽を楽しむ姿勢。ワタシは、音楽を聴き始めた原点を見るような感慨に襲われました。

これから(少々歩いて)バスにて取引先へ。エエ運動。会議2発〜いつもの”体当たり”です。つまり入念なる準備などしていない・・・既に化けの皮は剥がれてますから。

会議は粛々と、和気藹々と乗り切りました。上司と帰り「十割蕎麦」の店堪能。午前中、一気に二つも会議消化したらすっかり疲れてしまって、昼からお仕事やる気なし・・・で、早々に帰宅するか、酒でも、と思ったが、チームの連中の作業がいつまでも終わらない。「こうやってやるんだよ!」とやって見せたらキリがなくて、ズルズル残業・・・仕方がないね。


●2006年10月某日

なんかどんよりしてますね、精神的に。体調は悪くないし、大きなトラブルを抱えているわけでもないが、先行き〜数年後+αの(自分が直接関わっている/もちろん全体とも連関している)お仕事課題の重さ、困難さ、そして世代的に「もう外されるかも?閑職に追いやられる」といった漠然とした不安・・・嗚呼、自分って実力ないな、的悩みが根底にあるのかも。謙虚なふりして現実・期待から逃げちゃいけないよ、というところかな。

Mozart ピアノ協奏曲第24番ハ短調/第22番 変ホ長調〜エドウィン・フィッシャー(p)/デンマーク王立歌劇場管弦楽団(1954年ローマ・ライヴ)・・・10枚組ボックス中でも注目すべき音源だけれど、音質もう一歩・・・状態変わらず。ま、それなりに聴ける水準です。おそらくは交響曲第35番ニ長調「ハフナー」と同一コンサートだろうが、交響曲ほどの特別な感慨はありません。「歴史的録音だから」という判断基準はなくて、エドウィン・フィッシャーのピアノそのものへの理解不足なのでしょう。Beethoven 、Brahms 、Schubert 、Bach 、そしてMozart と、かなりの数量のCDを聴いてきたはずだけれど、ワタシの理解力では「!」という瞬間は(未だ)やってきません。お勉強、努力、集中力不足だ。

Rimsky-Korsakov交響組曲「シェヘラザード」の棚中発掘を続けているが、番外編としてチェリビダッケ/シュトゥットガルト放送交響楽団(1982年)音源をMD中より発見〜1975年盤はCDで所有しているが、テンポいっそう遅く、呼吸深く、細部表現入念ではあるが、基本表現は一緒ですね。自分の個性にサウンドを染めあげる点で、ワタシはカラヤンをいつも連想しちゃいます。

本日、自宅〜広島+在来線乗り換え往復計3時間半を有効に使って音楽を聴きましょう。但し、夕方戻ってうち合わせ2本+資料作りが少々重くて(今から)憂鬱です。

「一日ひとつ、美しいものに出会えれば充分幸せ」と数日前に書いたけれど、佐川芳枝「寿司屋のかみさん、エッセイストになる」(講談社文庫)・・・この人の著作は三冊目かな?新幹線車中で目頭が熱くなって、なんど本を(いったん)閉じたことでしょうか。

「そこそこ書ける人はたくさんいるんです。だけどそれを続けられる人は少ないんですよ・・・続けるのも才能のうちなんですけどね」
「店の仕事がないのだから、空き時間はたっぷりあるのにまったく気力が出ない・・・寿司屋の仕事の合間をみて書くから楽しいので、さあ、時間はたっぷりあるから好きなだけ書いていなさいという状態になると、お手上げなのである」
「作家になるには一日に十分でもいいから机の前に座ってものを書くことです」
「『八百屋がクラシックなんて・・・』先生がふんっといった調子で言ったので、ひどく傷ついたという」「三十年も前のことなのに、その悔しさは忘れられません」
このニュアンス、前後がないとわからないんだなぁ。「文は人也」という(ツマらない)名言があるけど、その通りでして、女将さんの人となり、大づかみで素敵な大将が眼前に浮かんできて、幸せになりました。

素晴らしい、美しい日本語です。本日、来月の講演依頼一件有。高知にて見学ツァーのコーディネートの(やはり来月)依頼有。来週に勉強会の本番(松山/新居浜)が迫っているし、頼りにされることはありがたいことです。ああ、来月神戸へ行事出席出張も正式に決まりました。


●2006年10月某日

さて、ブルーマンディの始まり〜って、そう憂鬱でもなし。土曜に出勤して諸作業は(ほとんど)終了しておりますから。ええっ、と、本日朝一番で資料作って午前中会議、昼から高松へ会議対応、明日広島へ商談、明後日地元で連続会議、その次が内部会議、週末はまた広島で現場回りだったかな?週末、ネットを「光」に切り替えへ・・・別に現在のYahoo!BBのADSLでも全然不便はないけれど、経済的ムリのない範囲でいろいろ変化を求める、というのは大切なことなのでしょう。「愚直に継続」+「常に過去を否定」を両立しないと。ま、いろいろやってみましょうね。結果、混乱があってもそれはそれで(その混乱自体を)楽しむことにしましょう。

そういえば、ダブりとなったMozart 歌劇「魔笛」〜フリッチャイ/RIAS交響楽団(1954年DGの正規盤)オークションで無事売れました。購入金額と同じ。こんなパターンだとかねてより所有の単品CDが、激安ボックスで再購入!というのも気楽なんだけどね。そういえば、Beethoven 交響曲全集棚卸し追加は、さすがBeeやん!的反応がBBS上でありましたね。あの(サイト掲載)行為は「自戒」+「ノーミソ記憶減退コンピューター代替」のつもりなんですが・・・

で、昨日は(意味もなく続編として)Rimsky-Korsakov交響組曲「シェヘラザード」を棚中発掘やってました。この作品、けっして嫌いではないが、さほどに入れ込んでいるわけでもなし、知らぬ間に粛々と貯まっていた20種類発見!(まだあるかも)「ワシ、一杯持っているけんね」的自慢ではなく、なんでこんなに?ちゃんと聴いてあげましょうよ、的感慨と反省の毎日であります。少しずつ”摘み聴き”しながらコメントまとめておりました。

1967年録音 TESTAMENT SBT12 1281 CD12 12枚組7,000円にて購入おそらく全部一度は耳にしていると思うが、過半はどんな演奏か記憶になし。ひとつだけコメントすると、ルドルフ・ケンペ/ロイヤル・フィルハーモニック/アラン・ラヴデイ(v)(1967年録音 TESTAMENT SBT12 1281 CD12 12枚組7,000円にて購入)・・・Disky Communiction2枚組を(BOOK・OFF二束三文)処分して、このボックスを(満を持して)購入したが、マスタリングの違いか、これほどの鮮明なる音質だったとは!堂々として浪漫的な説得力深い演奏であります。ビーチャム以降のロイヤル・フィルの全盛期はこの時点か、オーケストラは絶好調の緻密さと華やかさ、迫力を以て燃えております。ラヴデイのヴァイオリンは(特別)魅力的。続く、WEINBergER 歌劇「バグパイプ吹きシュヴァンダ」〜「ポルカ」「フーガ」もまったく同様の感銘がありました。

では、行ってきます。

いつものような様子で一日は進み、昼から夕方まで高松〜先ほど帰ってきました。昨夜はよく眠れたはずなのに、なんか疲れが・・・職場の若い者、優秀な奴、そして社外の人脈から各々相談というか、打診というか、ケータイが会議中に飛び込んできたり、で、落ち着きません。まとまったお仕事進捗はなかったな。明日、広島。夕方戻ってうち合わせ2件+α。久々、体重減量傾向で嬉しいな。

NIMBUS NI 5322高松往復マリンライナーは、往路若い者と語らっていたので音楽聴けず。帰りのみで、某新書(女房が買ってきた新しい本)を眺めたが、まったくツマらない・・・Rachmaninov 交響曲第2番ホ短調〜尾高忠明/BBCナショナル交響楽団(ウェールズ)にて。1991年録音。お気に入りの作品であり、ぜひ露西亜風濃厚なオーケストラと表現で楽しみたい・・・って、アレクサンダー・アニシモフ/アイルランド・ナショナル交響楽団(1997年)(←やや知名度弱い)でもけっこう楽しんだものです。尾高さんの演奏はずいぶんジミだったような記憶もありました。

いやはや、これがたしかに地味だけれど、滋味とでも評価したいような粛々とした味わい。まさに日本人的奥床しさを湛えて、静謐な深淵が広がりました。第3楽章「アダージョ」が甘美の極みだろうが、ここの抑制効果も出色。第2/4楽章は金管ぱんぱか大爆発したいところだけれど、ウェールズのオーケストラは派手派手しいサウンドを誇ることもなく、ノーテンキに煽らない。好きですよ、こんな演奏。続く、「ヴォカリーズ」はいっそう名残惜しい。エエもん聴きました。

一日ひとつ、美しいものに出会えれば充分幸せでしょう。


●2006年10月某日

いつものように定時起床。秋晴れです。最近土曜が潰れてスポーツ・クラブへ行けなかったので、本日は行くつもり。昨夜2時間ドラマ、東ちづる、中村梅雀という最強の、これはエエ組み合わせですねぇ。華のある女優さんと、三枚目で地味な演技派の個性、犯人役の国生さゆりも存在感(陰のある美人)ありました。山村紅葉って、先日(テレビで)細木数子にいじめられていたみたいだけれど、ほんまにワン・パターンでオモろくないですよね。

PHILIPS 420 890-2宮沢明子さん(p)のCDを久々取り出して、さっくりと安易にサイト用原稿へ(未更新)。暖かくて、鋭くならないピアノの響きを堪能。今朝からDvora'k 交響曲第7番ニ短調/第8番ト長調〜コリン・デイヴィス/コンセルトヘボウ管弦楽団(1975/78年)・・・第9番ホ短調「新世界」(1977年)は、”上品で澄んだとことん「フツウ」の世界”、”「バランス感覚の美」でしょうか。金持ち喧嘩せず、みたいな雰囲気”〜との自らコメントを付けたが、このCDではどうもピン!と来ないのは、聴き手が早朝でぼんやりしているからでしょう。また、機会を改めて。

結果的に終日、自宅でゴロゴロ(スポーツ・クラブへは行かず)、うとうと、二時間ドラマ再放送(名取裕子はほんま素敵だ/同世代です!)を眺めながら無為無策に過ごしました。ちょっと精神的にヤバいのか、それとも「ゴロゴロ、うとうと」しているから精神的に弛緩するのか・・・音楽にもほとんど集中できておりません。夜、女房と(いつもとは別の)ご近所焼鳥屋(チェーン店/メニューがもう少し多彩)へ。

SONY (28DC 5055) 中古500円Mahler 「大地の歌」〜ブルーノ・ワルター/ニューヨーク・フィル/ヘフリガー/ミラー(1960年)再聴・・・ワタシにとって「大地の歌」とは(いずれ)ワルターなんです。この間、コロムビア交響楽団との録音を楽しんできたが、やはりニューヨーク・フィルは音の厚みや深みの桁が異なりますね。明るすぎるとの批判はあるだろうが、これだけの鮮明なる音質で楽しませて下されば文句なし、でしょう。ヘフリガーの端正、真面目、一直線の表現にワタシは胸を打たれました。

ワタシは事務所や自宅に籠もっているのが苦痛なほうの性格だし、様々なる世情(野次馬的)興味やら”袖擦り合うも・・・”的行動人種だと自覚しているが、それでも最近どーもぼんやり気味・・・大脳皮質前頭連合野活動停滞気味であります。そういえば、数日前「今時ネット環境もない」といつも愚痴をこぼしていた指定宿(ホテル)が改装なって、部屋でLANが使えるようになっておりました。(翌日の都庁横格式高いホテルは当たり前)指定宿は(有り難いことに)朝食(カフェテリア)無料だけれど、朝、見事な和服着こなした妙齢女声群が食事を摂っておりました。あの軍団はなに?仲良しみたいでもなく、けっこう個々別々に座っておりましたが。もっと世の中の些事細々万事興味津々!でないと、ね。

「自宅より歩いて10分」BOOK・OFFが先月移転してから、縁遠くなりました。7年前、岡山に転居したとき、偶然ご近所にBOOK・OFFがなかったら、人生変わっていたかも知れませんね。数日前、渋谷での酒席終えて五反田のホテルに向かったついでに「五反田西店」に寄ったが、やはりなにも買う気は起きず・・・というか、たまたま出物がなかったのか、それとも自分の興味の衰退なのか。

それとも疲れただけでしょうか。肉体的ではなく、精神的に。さ、明日からまた日常のお仕事です。ドラマは自分で作らないと。


●2006年10月某日

毎日がお休みみたいなもんだけれど、本日は真面目に(週末)出勤で、しかも宿題も有。目覚ましもなく、いつもとまったく同時間に起床〜いつもの体操+腹筋30回は既にかなり続けております。サイトは一日遅れで定例更新。東京出張毎度、新幹線往復計7時間もあるので、音楽+読書(昨夜記載済)楽しみました。ま、居眠りも多かったけど。飛行機移動のほうがやや拘束時間が少なく、腰の悪い人なんかは快適だろうが、時間が細切れになって面白くないと思います。

DOCUMENTS 223486 10枚組1,780円まず、Mozart 歌劇「フィガロの結婚」〜エーリヒ・クライバー/ウィーン・フィル/ウィーン国立歌劇場合唱団/フィガロ:チェーザレ・シエピ(b)/アルマヴィーヴァ伯爵:アルフレード・ペル(br)/伯爵夫人:リーザ・デラ・カーザ(s)/スザンナ:ヒルデ・ギューデン(s)/ケルビーノ:スザンヌ・ダンコ(s)(1955年)・・・往年の名盤・名配役ですな。待望の全曲入手であって、音質は50年前とは俄に信じられないほどの明快なステレオ。先の「コジ」(1955年ベーム)同様、歌手の存在感圧倒的で骨太であります。伯爵よりフィガロのほうが貫禄あるとはっ!女声二人は文句なく気高く、可愛らしい。父クライバーの躍動する推進力に乗って、ウィーン・フィル(ここでは特に弦の深みが印象的)がとことん美しい。

Mahler 交響曲第5番 英ハ短調〜スヴェトラーノフ/ロシア国立交響楽団(1995年)・・・ぽってりと肉付き良く、微妙に(時に異様に)テンポが遅くて粘着質なる演奏であります。泥臭い感じはないけれど、特に金管の存在感が骨太であって、どんより濁った大河が緩〜く流れている・・・風不思議な演奏。存分に迫力あるが、どこか醒めているような、安易に推進しないような個性・・・悪くないと思いますよ。録音は良好だけれど、ヘッドホンで聴いていると楽器の位置関係が?状態で、低音が左からばかり聞こえてくるような感じ。そして金管の爆発は右奥から。分離強調しすぎな録音かな?
* BBSにコメント有り「この全集では、オーケストラはヴァイオリンが両翼(対抗)配置になっているようです。具体的には、左からVn1,Va,Vc,Vn2で、コンバスは左奥です。金管はご指摘のとおり、右に集まっていますが、トランペットとトロンボーンに比較すると、ホルンが引き気味に感じます」とのこと。ヴァイオリンの”泣き”がよく理解できる録音だと思います。

Bach ブランデンブルク協奏曲全曲〜イル・ジャルディーノ・アルモニコ(1997年頃)・・・ワタシはFMエア・チェックで彼らの演奏(ライヴ)を数曲既に聴いていて、そのノリノリの推進力とアクロバティックなテクニックを楽しんだものです。Vivaldiでは、シンプル明快なる旋律に無理矢理激辛味付けを施したような不自然さを感じさせたが、そこはBach 。どんなに快速で突進しても音楽の造形が崩れない。突然のストップやら、勝手な旋律の引き延ばし、テンポダウンなど許されない。全速力で駆け抜け、突然の転調に胸が痛むほどの感動がやってきます。どの作品も秀逸なる仕上がりだけれど、地味な存在である第6番変ロ長調が(意外にも)古雅な味わい+リュートの色付け出色の安らぎでした。

Beethoven 序曲「レオノーレ」第3番/Mozart 交響曲第29番イ長調/Brahms 交響曲第4番ホ短調〜オットー・クレンペラー/デンマーク王立歌劇場管弦楽団(1954年)・・・ちょっと音質がヒステリックで気になるかな?レオノーレのアンサンブルは硬質で見事なものだけれど、優雅なMozart では表情が強面過ぎて楽しめません。アンサンブルもやや乱れがちか。Brahms は文句なしのスケールと筋肉質を誇って、モダーンな集中力を感じさせるもの。音質故の誤解と連想かも知れないが、トスカニーニ+浪漫芳香か。このオーケストラは、やはり時に洗練されない大爆発がやってくるのも楽しみでした。

集中してお仕事こなしました。たまには真面目にお仕事ちゃんとしないと、ね。立派な講演、現状への厳しい認識、不足する我が実力に鬱々としていたけれど、職場でいろいろ諸作業をこなして(トラブル処理含む)いると気分は(些少とはいえ)晴れるものです。資料作成もOK。土曜だし、ということで早々に帰宅。秋晴れ日和也。

この間コメントを漏らしていたけれど、Rachmaninov ピアノ協奏曲全集〜ミハエル・ルディ(p)/マリス・ヤンソンス/サンクトペテルブルグ・フィル(1990/92/93年 BRILLIANT 7794/1/2 EMIのライセンス盤  2枚組ナント580円)・・・廉価盤は作りが粗雑である、との話題もあったが、たしかにこのCDも2枚目の表記が間違っておりました。(内容は問題なし)もとよりお気に入りの作品ばかりだけれど、まずヤンソンスのバックが極上!これほどの完成度と、美しさとは滅多に出会えないのではないか。濃厚な甘美さたっぷりだけれど、センスはモダーンで、かつての”暑苦しい露西亜風”とはずいぶん印象が異なります。

ピアノも同様。軽いとか、素っ気なくはないが、適度な濃度と糖度が支配して、しかし鈍重なる世界と無縁の推進力。テクニックに不足はないが、空虚なる表層の響きではない、耳当たりの良い爽やかさが支配します。聴き疲れしない。ワタシの刷り込みはリヒテルだろうが、あの奥深さ、底知れぬ重さとは別世界の、若々しい快さ。全曲聴き通すのもあっと言う間でっせ。


●2006年10月某日

2泊3日の連続会議講義研修こなして帰宅。別になんの問題もない、非常に深い学習をし、交流し(酒席で上司の上司より、こんこんと説教有〜ありがたいことです/翌日、他の部署の仲良しと情報交換。散財しました)、粛々と消化したが、ココロの奥底にどんより淀んだ不安があります。あまりに大きな宿題(問題意識)の重さに慄(おのの)き、精神的に逃げているのかも知れません。後半の会場が新宿だったので、帰り途中(短時間)新宿ディスク・ユニオンに寄ったが、CD購入の意欲も湧きません。少々精神的に落ち込み状態か。お気楽地方都市在住ドブ板営業サラリーマンがなに悩んでいるんだよ!体重増加傾向也・・・これは試食をいろいろしたので(お仕事で・・・と言い訳)。

本は3冊読了。黒岩重吾「古代浪漫紀行〜邪馬台国から大和王権への道」(講談社文庫)・・・1993年は少々旧いかな?松本清張もそうなんだけど、「邪馬台国=九州説」なんです。ワタシもそう、というか、どういうわけかほとんど「九州説」しか読んだことがない。学会では「畿内説」が有力らしいが、ほんまでしょうか。これは講演録みたいだけれど、論旨(類推の根拠)明快で、語り口もとてもわかりやすい。吉野ヶ里遺跡に、また行きたくなりましたね。

渡辺利夫「種田山頭火の死生〜ほろほろほろびゆく」(文春新書)・・・なんとなくどんよりしているところに、こんな本読んだら止めでっせ。ほとんど小説風に彼の生涯を描いていて、その破壊的な生活(酒浸り)ばかり描くから、ただの酔っぱらいか?アルコール依存症(含むココロの病)か、とも読めるが、途中から句集を出版して名声は上がっていたんでしょうね。それにしても壮絶な人生だ。

ほろほろほろびゆくわたくしの秋
和田秀樹「大人のための勉強法〜パワーアップ編」(PHP新書)・・・続編ですな。趣旨は良く理解できるけど、前著の実践編というか、具体化というか、そんな感じ。ま、いくつになっても意欲的に学びましょう。

明日もお仕事。元気出しましょう。定例更新は、明日。


●2006年10月某日

昨日は休刊日だったので、今朝の朝日新聞に「結局は核保有国として北朝鮮と付き合っていく」旨掲載されておりましたね。(昨日の自分と同じ見通し)アメリカは無為無策でアジアに無関心(イラク問題で精一杯)、心配なのは北朝鮮の”核”(ほんまかな?はともかく)により、ドミノ式に東アジアが核の無法地帯に至ること(だって技術的には皆作れるから)、北朝鮮が危うい国家に”核”を売り飛ばすことでしょうね。

一方で、セ・リーグはドラゴンズ優勝!落合監督感涙!パ・リーグは勝ち上がったホークスがファイターズに挑戦!みたいな、平和な報道されております。そんなもんでしょう。杞憂(杞の国の人が、天が落ちてこないか憂いたという故事より、取り越し苦労の意味)しても仕方がないのか、それとも危機はそこまで来ているのか。

BRILLIANT 92633/35/36/37昨日の「ドン・ジョヴァンニ」ラストまで(CD3枚目)聴きました。馴染みの作品のはずなのに、「フィガロ」の旋律が堂々と出現して少々驚き。柄にもなく歌い手に少々文句を付けたが、ワタシはもとより古楽器支持派であって、クイケンの(どちらかというと穏健派)表現も素直に楽しめました。少々小粒だけれど、ライヴの雰囲気を楽しめば良いんです。音質上々。盛大なる拍手有。

昨日、松山道中で聴いた音楽の続き・・・Vivaldi 協奏曲集「四季」作品8-1〜4+8/9〜イル・ジャルディーノ・アルモニコ(1994年?)・・・激しいリズム、変幻自在なる音色(時にワザと汚い音+音量押し殺し)、快速快活リズムを基調としつつ極端なるテンポ変化、間の取り方、激しい強弱の対比、嗚呼ワタシはいつの間にか、こんなに遠くまで来てしまった感慨が深い。昔馴染みのアーヨ(v)イ・ムジチ(1959年)の旧き良き時代を懐かしむ、ということではなくて、むしろこんなオーソドックス演奏が新鮮である!という厳然たる事実。

通奏低音のファゴット、テオルボ、ポジティヴ・オルガンの美しさは絶妙です。ヴァイオリン・ソロも滅茶苦茶上手い・・・以前にも同じことを書いたが、ありきたりな素材を、思いっきり激辛にムリヤリ味付けしたみたいで、やり過ぎかよ!的印象・・・こんな演奏で若い世代は「四季」に馴染んでいくんでしょうか。

VIRTUOSO 94008  4枚組1,790円カール・シューリヒトによる「Mozart ・セット」(VIRTUOSO 94008  4枚組1,790円)より、交響曲第23番ニ長調K.181/162b〜ウィーン・フィル(1956年)/交響曲第35番ニ長調K.385「ハフナー」〜ロンドン交響楽団(1965年)/交響曲第36番ハ長調K.425「リンツ」〜パリ・オペラ座管弦楽団(1964年)・・・リンツはコンサートホール・レーベル音源だけれど、SCRIBENDUM「イアン・ジョーンズ・リマスタリング」ボックスに含まれないもの。音質は意外と聴きやすいものでしょう。どの演奏も羽のように軽いさっぱりタッチを基調としつつ、テンポが微妙に揺れて浪漫の薫りが高い。どのオーケストラ、ということに限らず自在な旋律の節回しが優雅で響きはけっして濁らない。細部迄仕上げは極上。

貴重な、永く聴き続けるに値する音源です。では行ってきます。いつもながら東京指定宿では(今時)ネット環境整わず、更新不可。定例更新も帰宅後となって、少々遅れます。


●2006年10月某日

人と飲んだりするときには、政治、宗教、人種問題には絶対触れないように気を付けているし、その方面に(悪気なく)話題が及んだら、それとなく話題を変えるように工夫しております。思想信条は自由ですから。でも、人の話を聞かない、遮る、そういう人とは絶対にお話ししたくない・・・って、北朝鮮が核実験強行の話題。「これで北朝鮮は完全に孤立した」「いっそうの経済制裁を」みたいな論調一色で、こう言っちゃなんだけどほんまにそうだろうか?

客観的には、日本は安全の脅威にさらされているのだろうが、次は「核を使う」ということでしょ?この段階(核実験)では、中国は石油パイプラインを止めていないみたいだし、北朝鮮へ送金停止!と言ったって、第3国経由したらそんなもん意味ないし、結局、「核保有国」として勝手な発言を続けていくだけでしょう。なんせ「オウム真理教が国を作っちゃった」みたいなところらしいし。その国の運命は、国民自身が決めることしかできない。他国が云々しても仕方がないんです〜いかにお隣が迷惑していても・・・安倍さん就任早々難儀なことですなぁ。外に明確なる敵が出来ると、内政は楽ですか?

いまや世界はつながっていて、経済情勢(株価とか)に影響を与えているみたいだけれど、一見、日常はこともなく進んでおります。昨夜、古畑任三郎+SMAPの楽しい長時間ドラマ堪能。三谷幸喜はほんまに状況設定やら目の付け所、話の展開が上手いですね。SMAPも演技が上手なのに驚きます。(ワタシと同世代である戸田恵子はいつ見ても素敵)本日これから松山日帰り出張〜いつもは泊まるんだけれど、スケジュールの都合で・・・無味乾燥です。ま、往復5時間、しっかり音楽を聴きましょう。今朝は定例資料提出のため30分早く出勤です。明日から東京へ2泊3日の会議+研修連続也。そして土曜出勤して残務整理+(先週予定ふっとんだ)資料作り。

DISCOVER DICD 920234今朝、Josef Suk 弦楽セレナード 変ホ長調〜オルドジヒ・ヴルチェク/ヴィルトゥオージ・ディ・プラガ(1993/94年)・・・清明な旋律であり、知名度ともかく稀代の名曲でしょう。(高名なるヴァイオリニストのお爺さんか?1874-1935)この団体は”弦のチェコ”との世評を裏切らない、立派なアンサンブルであって作品の価値をいっそう高めております。DISCOVERレーベルは最近見なくて(倒産してKOCHに吸収されたはずだけれど、KOCH/DISCOVERに変更後のものも最近拝見しない)、中古で見掛ける度に入手するよう努力しております。

Mozart 歌劇「コジ・ファン・トゥッテ」(ベーム/ウィーン・フィル1955年)・・・すっかり気に入って、楽しく全曲消化しつつあります。以前にルネ・ヤコブス盤(抜粋)に言及しており、BRILLIANT全集担当はクイケン(1992年)なので、馴染みの現代楽器による演奏は手持ちCDはこれだけとなります(歴史的録音でフリッツ・ブッシュ盤はあるけれど)。なんせ、数多く聴いているわけではないし、もとよりワタシに歌劇演奏の良し悪しなど判断できるはずもなし、ま、とにかく楽しくてウキウキしながら楽しんでおります。

言語はわからないが、筋は知っているし、我らがヴォルフガングの音楽については言わずもがな。音質は驚くほど良好(1955年のステレオ!)だし、往年の名手達揃えた歌手が皆味が濃い!ウィーン・フィルのまったりとした暖かさも出色・・・最高です。悪いのはジャケット・デザインのセンスのみ・・・

で、急ぎこれから出勤出張します。帰りは遅くなります。日帰り出張はツラいですね。

無事帰って参りました。昼はけっこうな気温だけれど、朝晩は充分に秋であります。商談としては順調だったが、件(くだん)の我がチームのアホ(反省中)の取引先との評判いよいよ悪く、自分としての正念場というか、これをクリアするか、できればアホも更生させたい・・・試練だなぁ。

和田秀樹「大人のための勉強法」(PHP新書)・・・再読のはずだけれど、サイト内検索で出現しないからコメント忘れか。でも、内容的にも記憶はほとんど薄れていて、但し「ほんまの頭の良さとは?」みたいなことには共感があります。ワタシは基本「ノウハウ」とか「ハウツー」ものには興味ないので、時代とともに変遷する知識のあり方、基礎知識の重要性+実践での流用方法の発想、視点の柔軟性の大切さ、どれもとても共感できます。つまり、ウチのチームのアホは学歴は高い(国立大出身だ)が、失敗に学ばず、過去の(チンケな)成功体験から抜けられない、人の迷惑が理解できない・・・とはこのことか、と。

Mozart 歌劇「ドン・ジョヴァンニ」〜ようやく念願のクリップス/ウィーン・フィル(1955年)全曲を入手したので、その予習としてシギスヴァルト・クイケン/ラ・プティット・バンド/コレギウム・コンポステラウム/ヴェルナー・ヴァン・メヘレン(ドン・ジョヴァンニ)/フーブ・クレッセンス(レポレッロ)/クリスティーナ・ヘーグマン(ドンナ・エルヴィラ)/エレーナ・ヴィンク(ドンナ・アンナ)/マルクス・シェーファー(ドン・オッターヴィオ)/ナンシー・アージェンタ(ゼルリーナ)/ナンコ・デ・ヴリエス(マゼット)/ハリー・ヴァン・デル・カンプ(騎士長)・・・1995年サンチャゴ・デ・コンポステラ(スペイン)でのライヴを。(時間の関係で2/3枚分のみ)

優秀でリズムが躍動するくすんだ古楽器の響き、ライヴ故の臨場感溢れる空間・・・故に、やや散漫な印象もありました。なにより、ここ数日聴いていたベームの「コジ」(1955年)に於ける往年の名歌手の印象あまりに強烈な存在感で、こちら最近の人々はいかにも線が細い。時代が違って、スター不在?とか、飛行機であちこち八面六臂の活躍はエエけれど、しっかり劇場に根差して・・・みたいな育成ができなくなっているのか。

一枚目、序曲はともかく、とくに女声(とくに低いほう)が出ていない。古楽器のノリも足りないような気がしたが・・・やがて、管弦楽声楽とも熱を帯びて第1幕終了では観客の熱烈なる声援と拍手に至りました。第2幕以降は快調です。未だ最後まで到達していないが・・・CD3枚目は21分ほどの収録で贅沢であります。(BRILLIANT 92633/35/36/37)

ほか数枚CDは聴いているが、明日朝時間があればコメントしましょう。早朝より2泊3日で東京会議消化也。


●2006年10月某日

昨夜は休日だったが、夜お付き合い有〜というのも、ウチの商品を実演販売しにわざわざ名古屋から駆け付けて下さったので、取引先とともに感謝の気持ちということです。酒席が続いて、体重も最低ラインに戻せないので、健康のためにも自粛したいのだけれど、思うようにいかない。ワタシは日本酒が好きだけど、翌日の体調は焼酎(チューハイに非ず。ジュースですよ、あれ)のほうがよろしいようですね。

最近、休日もぼんやり過ごしてしまって、音楽に集中できておりません。それでもいくつかは聴いていて、Beethoven ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調「皇帝」 作品73(1961年)/ピアノ・ソナタ第32番ハ短調 作品111(1963年)〜ウィルヘルム・ケンプ(p)/フェルディナント・ライトナー/ベルリン・フィルハーモニーを・・・苦手苦手と逃げてばかりもいられない作品であって、技術的キレを前面としない(衰えが見られる?)ソロながら、細部弾き崩しはないから好感が持てます。威圧感がないのがよろしい。ライトナーのバックは、カラヤン壮年期のベルリン・フィルとは思えぬ引き締まった、むしろジミな響きが誠実であります。往年の評価高き名盤だけれど、(傑作ラスト)ハ短調ソナタともども滋味味わい系演奏であって、いずれワタシは”新機軸を発見!”に迄至らぬ粗忽者であります。

223548-321 CD8思わぬ拾いもの!「デンマーク王立歌劇場管弦楽団」10枚組ボックス(DOCUMENTS 223548)より、CD8から数曲を。Dukas 「魔法使いの弟子」〜ピエリーノ・ガンバ・・・録音時期不明ながら良質なるモノラル録音であって、アツく、元気良い演奏を聴かせて下さいます。リンク先にあるように、未だ活躍中。ワタシにとってはルッジェーロ・リッチ(v)の伴奏で小学生以来の馴染み(他、イタリア・オペラ系序曲の録音が残っている)となるが、その録音はナント!10代であった(ほんまか?)とのこと。デンマーク王立歌劇場管弦楽団って、けっこう爆発的な迫力演奏することがあるみたいですね。

同じCDより、Mozart 交響曲第35番ニ長調K.385 「ハフナー」〜エドウィン・フィッシャーの指揮は、1954年ローマでの録音。ツァーでの収録でしょうか。第1楽章を繰り返していて、8:25掛かりました。スケールの大きな重量級演奏であって、しかも終楽章の快速ぶりが際立ちます。音質、やや苦しいが鑑賞に差し支えるほどでもない。(CD9には弾き振りの協奏曲が2曲有)

数日前、他の方のサイト絡みでちょっとだけ触れたKorngold ヴァイオリン協奏曲ニ長調〜ロン/ラズモフスキー・シンフォニア/ツウ(v)(1995年)・・・ま、サイト初期の更新はあまりに無内容というか、甘美なる旋律との出会いに感動はしているが、ヴェラ・ツウの頼りなげでゆらゆらしたヴァイオリンの魅力に言及がない。恥ずかしいことです。

Bach チェンバロ、フルート、ヴァイオリンと弦楽のための協奏曲イ短調 BWV1044〜ジャコテ(cem)/エッガー(v)ヘラー(fl)/フェルバー/ヴュルテンベルク室内管弦楽団(1970年代?)を久々確認。一昨日聴いた、前奏曲とフーガ イ短調BWV894(マルコム・プラウド(cem))で、旋律が同じ(第1/3楽章。ちなみに第2楽章はオルガン・ソナタ ニ短調 BWV547より編曲)と気付いたため。穏健派現代楽器による素晴らしく瑞々しい演奏でした。フェルバーのバックは驚くべき誠実水準です。


●2006年10月某日

昨日、朝女房は広島の息子のところまで(掃除に)行くとのことで、駅まで送ってもらいました。が、出発直前、ポータブルCDプレーヤーの電池在庫が切れていることを発見!コンビニやらキヨスクでクソ高い電池買うのはいやだし、ということで、24時間営業ご近所ディスカウントストアにて単三アルカリ10本170円也購入してぎりぎり間に合った・・・移動中の音楽+読書は楽しみですよ。(ダイエット気にしなかったら+酒という手も有)

Stravinsky バレエ音楽「春の祭典」(1975/76/77年)「ミューズの神を率いるアポロ」(1972年)〜カラヤン/ベルリン・フィルハーモニー・・・かつて、ワタシはこの演奏を厳しく評価していたけれど、最近日和っているというか、ま、上手いオーケストラだし、迫力あってエエんちゃうの、的安易な楽しみ方しております。この作品って、指揮者の個性によって「聞こえる内声部が異なる」という楽しみがあるんです。例えばティンパニ、木管、もの凄くエエ音で鳴っていて、アンサンブルだってなんらの問題もない・・・が、ビミョーに手慣れたまとめ方というか、やっぱり”カラヤン節”一色かな、と感じます。「ミューズの神を率いるアポロ」の弦は文句なく深く、セクシーで、これは最高かも知れません。

Bach ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタBWV1027/1028/1029+前奏曲とフーガ イ短調BWV894〜ジョン・ドーネンバーグ(ガンバ)/マルコム・プラウド(cem)(1991年)・・・いわゆるチェロ・ソナタだけれど、大好きBach 中では少々敬遠気味の作品でした。CDは先日、今井伸子(va)盤を処分して、残る手持ち在庫はレナート・ローズ(vc)/グールド盤だけか。ガンバの不器用な響きは好きだけど、このCDはオン・マイクが過ぎて、響きに繊細さを欠くのか?それともポータブルCDプレーヤーとの相性問題か。でもね、ト短調ソナタがお気に入りの躍動する暗い旋律であることを思い出しました。前奏曲とフーガ イ短調BWV894〜これって、三重協奏曲イ短調 BWV1044と同じ旋律じゃないですか。

FIC ANC-153 英DECCAの海賊盤ナント650円也Bartok 管弦楽のための協奏曲(1963年)/弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽(1965年)〜ショルティ/ロンドン交響楽団・・・子供の頃から聴いていた演奏であって(但し、LPでは「舞踊組曲」がフィルアップ)、強靱な推進力を誇る演奏を聴いていると、その恐ろしさがまざまざと思い出として蘇りました。テンション高く旋律煽ってますね。もっとクール怜悧淡々でええんちゃうの?聴いていてとてもツラい(神経を逆なでする)が、これは立派な完成度の高いものに間違いはないでしょう。録音も旧くなりません。

ばたばたの日帰り東京ツァーだったが、新橋キムラヤへは寄りましたよ。で、狙いのもの+予定外のCDも購入したが、帰宅してHMVを確認すると通販のほうが安かった・・・ま、40円ほどだけど。

狙いものCDとは、DOCUMENTSのMozart 10枚組〜「コジ・ファン・トゥッテ」(ベーム1955年)/「フィガロ」(エーリヒ・クライバー1955年)/「ドン・ジョヴァンニ」(クリップス1955年)/「魔笛」(フリッチャイ1954年)・・・残念ながらフリッチャイ(これだけDGモノ録音)はダブり買い。さっそく「コジ」一枚目確認するが、いずれも生誕200年を記念した英DECCA意欲的な(初期)ステレオ録音であって、まぁまぁの音質です。

デラ・カーザ(s)/ルートヴィヒ(ms)/クンツ(br)/デルモータ(t)・・・って、ワタシみたいに声楽方面に馴染み薄目の人でも知っている名前ですよね。デラ・カーザは可愛らしい声であり、男声人はユーモラスかつ貫禄充分であることはなんとなく理解できる・・・ウィーン・フィルは弦はもちろんだけれど、クラリネットの茫洋とした音色がとても素敵でした。ベームはこの作品を得意としていて、数回の録音のウチのベストではないそうだけれど、1974年盤を不慮の事故で失ったワタシとしては、んもう嬉しくて嬉しくて。「フィガロ」と「ドン・ジョヴァンニ」は抜粋(しかも駅売海賊盤/今回購入分だって正規盤じゃないけど)でしか聴いたことがなかったので、楽しみに聴きましょう。

予定外のCDとはデンマーク王立歌劇場管弦楽団10枚組でして、なんせサミュエル・レヴィソン指揮によるLumbye(ハンス・クリスチャン・ロンビー 1810-1874)幻想曲「夢の光景」なんて1907年録音でっせ。見知らぬ指揮者、作品(おくにものか?)も多くて、しかも一番新しい録音で1954年のエドウィン・フィッシャーとかクレンペラーとなります。でもね、デンマーク国王フレデリク9世の録音なんて興味深いですよ。安易な馴染みばかり聴いていても、前頭連合野衰退するばかりですから!

そのフレデリク9世/デンマーク王立歌劇場管弦楽団(録音年不明〜音質的に1950年頃?)による、Kuhlau「妖精の丘」序曲/Lumbye 幻想曲「夢の光景」「アウグスト・ブルノンヴィルに捧ぐ」/Schubert 交響曲第8番ロ短調「未完成」(223542 CD6)を確認・・・Kuhlau(フレデリク・クーラウ1986-1832)とか、さきほどのLumbyeなど初耳作曲家(もちろん作品も)がかなり含まれる(CD1の一番旧い録音も確認した)が、どれもとてもわかりやすく、親しみやすい作品旋律が多いみたいです。「夢の光景」は短い甘美なエピソードの連続であって、「妖精の丘」は雄壮な表現がスケール大きく爆発します。「未完成」に至ってはものものしい雰囲気タップリで、これはシロウトの余技水準ではありません。このオーケストラは初耳だけれど、技量的な不備はまったく感じられません。

COLUMBIA KACD-210 @250 そういえば、新幹線移動中の音楽ひとつ忘れてました。Mahler 交響曲第1番ニ長調〜カレル・アンチェル/チェコ・フィルハーモニー(1964年)・・・これこそ、粗野で草の香りが漂うような懐かしい響きが稀有な存在です。旋律表現は剛直で素っ気なくて、ヤワなところは微塵もなし。こんな野生な演奏って、最近ないっすよねぇ・・・とは2006年7月購入時の感想だけれど、まさにその通り!美しい旋律は時に詠嘆したいところだろうが、さっくりした虚飾のないもの。金管の響きがマイルドかつ粗野で洗練されず(ヴィヴラートがたまらぬ魅力!)、金属的に鋭くもなく、じつにエエ感じで鳴っております。あちこち聴いてきたけど、この懐かしい味わいは稀有な価値だと思います。

オークションにMozart 歌劇「魔笛」(フリッチャイ/RIAS交響楽団/室内合唱団1954年)の正規盤のほうを(格安にて)出品しました。さて、入札あるでしょうか。DOCUMENTS盤(223486 CD9/10)を確認しているが、音質的な不備はありません。こちら、おそらくはLP板起こしなんでしょうね。モノラルながらかなり鮮明なる音質でした。勝手知ったる馴染みの旋律ばかり登場して、台詞(雰囲気しかわからないけど)もとても楽しい。


●2006年10月某日

これから東京本丸へ日帰り。野暮用ではなくて、興味ある演題の講演を拝聴しに参ります。まさのその”演題”絡みの内容で、昨日お仕事作業予定をつぶして広島からの来客を岡山の実務担当者に引き合わせ、つなぐ行為を行ってきました。ものごとが動くときは一気だし、日常の地味な積み重ねがものを言うものです。10月の声を聞いて、身辺はやや波瀾万丈っぽいか。内容の重さに緊張しております。お陰様で来週ずっと出張連続で、来土曜に溜まった作業消化しなくっちゃいけない。

VENEZIA CDVE 04234 オークションにて5,500円ほど入手Mahler 交響曲第4番ト長調〜エフゲニ・スヴェトラーノフ/ロシア国立交響楽団/ナタリーア・ゲラシモワ(s)(1996年)・・・ゆったりめの落ち着いたテンポ、粘着質でぽってりと重みを感じさせる表現だけれど、洗練に不足しないと思います。金管の個性ある雄弁も楽しめます(第3楽章の雄大なるホルン・ソロ、ラストのティンパニ大爆発!+鋭い金管反応)。ナタリーア・ゲラシモワ(s)は、なにやら硬質で不機嫌な感じも怪しくて、悪くないじゃないの(これって原語?)。ま、メルヘンではないが。終楽章はいっそうテンポは引きずるよう。

さて、これから新幹線往復。たっぷり音楽も聴けるはずだし、本も読めるでしょう。楽しみです。

帰宅いたしました。若林靖永先生のお話サイコーでした。当面、目先の仕事をきちんとこなすこと、多少の矛盾を抱えつつサラリーマンとしては数字をやりきるしかない。が、もっと歴史的俯瞰、科学的分析予測も含め、ほんまに自分が(実戦部隊として)やっていること、これからやろうとしていることが正しい結果を生むのかどうか。真剣に考えてしまいました。評論ではなく、まさに行動する学者だ!わざわざ東京まで行ったのはムダじゃなかった・・・

長澤和俊「三蔵法師の歩いた道」(青春出版社)東京往復で読んだ本は3冊〜熟読したわけでもないが・・・長澤和俊「三蔵法師の歩いた道」(青春出版社)・・・スクロヴァチェフスキのBartok(VOX)のジャケット写真は大慈恩寺の玄奘三蔵像なんですね。ワタシは仏典関係はさっぱりだけど、シルクロード関係は大好きなんですよ。三蔵法師の徳を讃える美談(西遊記もそのひとつか)は、少々鼻白む思いなきにしもあらずだけれど、立派な人だったみたいですね。あまり深く考えず、道中(難行苦行)の様子と現在の対比を楽しんだものです。

宗像伸子「40歳からの”太らない食事力”」(講談社+α新書)・・・う〜む、よくできた本だけどねぇ・・・実例も適切、理想論に走らないところも悪くない。ま、非科学的単品健康法よりずっと正確で”使える”本だけれど、既にかなり実践して(やや挫折もして)いるワタシには、やや一般的な印象が・・・

黒岩重吾「『日出づる処の天子』は謀略か〜東アジアと聖徳太子」(集英社新書)・・・ワタシ個人的には「聖徳太子実在せず」論に傾いているが、黒岩さんは小説家としての自由な発想で「聖徳太子失脚説」を唱えます。推古女帝/蘇我馬子の権力抗争の中、高句麗派であった聖徳太子が「日出づる処の天子」書簡で隋との折衝に失敗して失脚する・・・といった、じつにわかりやすい筋書きになっております。エエですね。


●2006年10月某日

ここ数日、昼間は汗ばむほどの日差しだったが、朝晩はいっそう秋の色濃いと思います。昨夜は(一昨日不眠のおかげで)よく眠れました。ま、人間いつかは絶対に眠れるからね、つまりは生活のリズムの狂いであって、体調さえ良ければOKといたしましょう。今朝、サイト定例更新済み。本日は(当初予定外の)来客打ち合わせもあり、少々お仕事の段取り予定が苦しい感じ。もともとさほどに重い資料作りでもなし、ヴェテランは辻褄合わせましょう。「仕事を早く終わらせたい!」との願い集中力は誰にも負けない。でも、内部仕事ともかく、お客との関係はどーしょもないけれど。

SONY SBK 47 658Yahoo!BBの契約切れも近いし、ということで、オークションで久々CD購入しました。(じつは、全集唯一抜けのSibelius 交響曲第7番〜ヤルヴィ旧盤が1,890円出物有・・・う〜む・・・さすがに手が出ない)届いたのはBeethoven ピアノ協奏曲全集3枚分〜ジョージ・セル/クリーヴランド管弦楽団/レオン・フライシャー(送料込1,200円)でして、早速第1番ハ長調 作品15(1961年)聴きました。

かなり以前に、Rachmaninov 「パガニーニ変奏曲」(1957年)の演奏に感心したことがあり、また若い頃の写真のハンサムぶりに驚いた記憶もありました。ああ、Schumann/Grieg(1960年)でも同様の記憶有。(もとより苦手な・・・不遜だなぁ〜Beethoven のピアノ協奏曲だけれど)どちらかというと、ジョージ・セル狙いで入手決意したが、いやはや(いつもながらの)峻厳なる集中力、リズムの軽快なる切れ、細部明快なる筋肉質の厳しい響きが、かつてない快感を呼びました。フライシャーは左手の不調、そこからの回復で有名になったが、若い頃から十全なる技巧と、クールな表情がスムースで、暑苦しかったり、リキみはどこにも感じられず。久々、いえ実質上初めての心躍らせて、この作品を楽しんでおります。

今朝、第3番ハ短調(1961年)も確認・・・(一晩経ても)同様の感動が続きます。(比べて言及失礼ながら)念のため杉谷昭子さん(p)で再確認した(自分にとってこれがリファレンスなので)が、オスカンプ/ベルリン交響楽団(旧西)とジョージ・セルを比べちゃいけないなぁ。でも、牧歌的な味わいは悪くないと思いますよ。でも、ジョージ・セルの集中力は桁違いだ。

Mahler 交響曲第2番ハ短調「復活」〜ショルティ/ロンドン交響楽団/ハーパー(s)/ワッツ(a)(1966年)前半を聴取(先日後半のみ聴いていたので)。ワタシはMahler の複雑妖しげ甘美崇高なる旋律を愛します。それを聴いちゃうとBeethoven の旋律は思い出すだけでも違和感がある、といった先入観と思い込みに支配されてきたが、ようやくそんな刷り込みから脱却しつつあります。ショルティはいくつか残っている、旧録音の方が(シカゴ交響楽団との録音より)楽しめるかな、と個人的に思います。ショルティは、柄の大きな作品をわかりやすく聴かせて下さって、メリハリの付け方がとても上手い。

では、行ってきましょう。なんとなく精神的にどんより重い毎日であります。


●2006年10月某日

高知〜岡山(取引先経由)で帰宅。昨夜は、我がチームのアホが飲んで大爆発(出発前朝に、ぐうの音も出ないくらい詰め倒したからね)で、意味不明の大暴れをしたが、よほどプライドが傷ついたか?かつての(自らの)栄光を絶叫しておりました。ワタシは酒クセの悪い奴とは絶対に飲まない!ことを鉄則としているので、二度と飲まないつもり。不快で、夜ほとんど眠れず。せっかくの高知のおいしい料理が台無しだ。今朝、起きてきた当人は、素直にワタシに詫びておりましたが。過去の成功体験を後生大事にすることは、厳に戒めなくては。日々自分を否定することを旨としなくては。

昨日夕方、そして今朝一番で高知のお客と商談(徐々にワタシのお仕事は状況伺い、激励的なものとなって、所謂”顔役”的なものに至ってオモろくない)、昼から岡山に戻って取引先と「研究会」〜正直、まったく準備不足で、それが逆に”ふだん身につけたスキル、知識”総動員ということになって、なんとかカタチになりました。(大汗かきましたが)

明日は終日、机仕事、先々の提案書一気仕上げ!予定が、「研究会」真っ最中に、今度は広島のお取引先エラいさんから、「明日いる?相談があるんだけど。これからの進め方で」と、わざわざ来岡の意向有。受けて立とうではないか!音楽は聴いておりません。今朝まで滞在した高知のホテルにて、無線LANのスピードが異様に遅くてネットは実用に耐えませんでした。


●2006年10月某日

眠りが浅い意外は体調万全にて、本日明日高知行き、戻ってそのまま地元岡山の取引先と「研究会」です。今朝早朝よりチームの若い者は徳島先行訪問して、夜高知にて合流予定。昨日朝刊の某証券会社全面広告に、既に10年以上活躍している馴染みの女性二人組が可愛らしく載っている・・・が、そのグループ名が思い出せない・・・典型的なノーミソ前頭連合野機能の後退であって、あれ?パピーズ?ポピーだったっけ。アメリカでアニメ化されて大人気のさ・・・って、Puffyじゃないの。嗚呼!いかん。

BBSにて「全てにおいて完璧」と評されたショルティを確認せん、と棚奥をひっくり返したら、先にMahler 交響曲第2番ハ短調「復活」〜ロンドン交響楽団/ハーパー(s)/ワッツ(a)(1966年)が出てきたので、先にその後半を確認・・・エエですね。気力充実、やや強引だけれどロンドン響だっていつになく圧倒的に鳴りきって、音楽が明快、構成がはっきりしていてわかりやすい。声楽が充実(とくにソロ)していて感銘深い・・・もしかして、第8番へのアレルギーは大勘違いだったんでしょうか?

CC1089/90  2枚2,000円という高価で購入!〜ショルティのCDってほとんど駅売海賊盤で所有!すみませんで、今朝からMahler 交響曲第8番 変ホ長調〜ショルティ/シカゴ交響楽団/ウィーン国立歌劇場合唱団/ハーパー/ポップ/オジェー/ミントン/ワッツ/コロ/シャーリー・カーク/タルヴェラ(1971年英DECCA録音)第1部より聴取開始。なるほど「完璧」だ。テンションの高さ、アンサンブルの集中、声楽陣の迫力、細部まで分離して良く聞こえる艶やかなる音質・・・ここまで来ると嗜好問題だからどーしょーもないが、その威圧、迫力、煽ったような昂揚、23分絶叫状態!に(やはり)耐えられない。もしかして、ウィーン国立歌劇場合唱団への個性嗜好相性かも知れません。

でもね、先日ナマ体験しているでしょ。作品の全貌が見えてきたような気がしていて、長大なる第2部はとてもわかりやすい。長いし、静かに語りかけるような場面、多彩なる各パートの分担、呼び交わし、この辺りはとても明快でクリア。シカゴ響の技量に何らの疑念はないし、そして大詰めでの圧巻の大爆発に文句なし。やはり「全てにおいて完璧」か。英DECCA録音の艶に文句はないが、ギーレン(旧)盤の会場空間を素直に感じさせて下さるものとは質的に異なると思います。

Shostakovich 交響曲第7番ハ長調「レニングラード」〜キリル・コンドラシン/モスクワ・フィルハーモニー(1975年)・・・この作品も昔馴染みであるが故に、いっそう苦手感が強い作品也。VENEZIA盤は意外と音質改善されていると思うが、この第7番はイマイチか?(前後に英DECCA録音を聴いていたせいか)それでも、しつこい繰り返しの第1楽章から順繰りに聴き進んでいくと、最終楽章での感銘ひとしお・・・こんな大曲ばかり聴けるような精神状態になった、ということかな。コンドラシンの表現は”露西亜風”を強調しない方向だと思います。


●2006年10月某日

人事教育部より「ド残業問題」で摘発されている我が部署の状態に苦慮して、チーム内で教育的指導(罵声とも言う)を連日続けているが、ワタシは個人の技量問題は曖昧にすべきではないと思う。お仕事作業工夫して、メリハリ重点はっきりさせて合理化をしないと。昨日だって、毎日きちんと処理すべき某作業点検を溜め、その煩雑さにぶつくさ言うので、「どれ、見せてみ」と(手の抜き方/判断の仕方)お手本を実演したら5分で終了するじゃないの。なんでそんなことに1時間も2時間も掛かるの?一事が万事で、お仕事に工夫がない。失敗の教訓に学ばない(同じ間違いを繰り返す/毎度別な言い訳をする)。関連部署、我がチームの派遣さん、お取引先の作業配慮に思いが及ばない。バカみたいに電話が長い。メール、ファックスの使い方がわかっていない。(ついでに言うとパソコンも)

で、とにかくタイムニッヒド押させ数人で飲み屋へ。延々と説教ですよ。但し、自分の失敗談を肴に。ワタシは職場内でも、お取引先関係でも既に”理論的説得”を放棄していて、まず日常作業の信頼関係(約束は守る、時間厳守、相手が困ったこと配慮する。内部であれば失態を先頭に立ってフォローすること)を主眼としていて、”詳細分厚い資料作り”はほとんどやっておりません。必要最低限のものを出すこと、商談で相手の状況やら言い分を充分に訊き取ること。無意味なる”お願いします!”一辺倒の土下座営業はしたことはありません。

基本信頼関係なき”理論”には、誰も耳を傾けて下さらない。で、結果昨日は音楽を聴いておりません。本日、高松往復(出張に非ず外出扱いだけれど移動2時間有)だから、しっかり音楽を聴きましょう。

BBSにヴェテラン読者(K氏)より「初めて訪れる人や新規者に、もう少し柔らかく!」との(既に意味不明になっちゃった)書き込みが残っております。音楽音源に対して”文句タレ”を主眼とする書き込み者に対して、その点を窘(たしな)め(「たとえ下手な演奏でも、は余計ですね」との書き込みは残っている)たら、「余計なら、私も消えます」との児戯のような書き込み有。「消えるのに挨拶は要らないよ」(既に削除済)と返答したことに対しての、有り難き助言であります。

この類の(独りよがり)発言は、数少ないながら定期的に発生していて、ワタシは毎回はっきりさせてきたつもり(他サイトでの寛容なる管理者には驚くばかり)。BBS上で建設的な意見をかみ合わせられない人は、実生活でも同じです。これは”ネット上の特殊世界事象”ではない。千度言ってきたつもりだけれど、意見の違いが問題なのではない(上記K氏などは音楽的好みが異なるのは明白)、むしろご意見百家争鳴状態が素晴らしいんです。自由に意見を開陳すること、他の読者との流れを重視すること、そのことだけをご配慮していただきたい。

午前中、細かい諸作業を淡々とこなして、昼から高松へ。別部署の顔見知りとの立ち話も含め、商談も粛々・・・きょうは昼間ずいぶんと日差しがきつくて(朝晩涼しいとはいえ)、この気候では商売に差し支えるかも知れません。高松→岡山のマリンライナーに乗って帰ったが、途中茶屋町で各駅停車に接続があることに気付いて乗り換え〜自宅に(相対的に)ご近所駅にて下車、バス停4つ分歩いて帰宅・・・汗まみれです。

今朝、聴いたのはSchumann ピアノ五重奏曲 変ホ長調〜ルドルフ・ゼルキン(p)/ブダペスト弦楽四重奏団(1963年)・・・これはなぜか正規盤(CBS MYK 37256)と駅売海賊盤(FIC ANC-193)両方所有していて、マールボロ音楽祭(ヴァーモント)での録音だそうです。これは希望に溢れた前向きの音楽であります。室内楽の範疇を越えた、大きなスケールよ喜びに充ちた活力。ワタシにとって、Schumannは(Brahms 同様)交響曲よりも室内楽、ピアノ作品のほうがココロにフィットする・・・といった事実だけ〜演奏云々はコメントすべきでもない。

DOCUMENTS(AURA) 223602 10枚組1,990円 中途半端に揃っていた単発CDをオークション処分して再購入移動中に聴いた音楽・・・Beethoven 交響曲第8番ヘ長調/Brahms 交響曲第2番ニ長調〜ハンス・クナッパーツブッシュ/ミュンヘン・フィルハーモニカー(1956年ライヴ) ・・・ずいぶんと久々の聴取であって、鈍行列車の車窓が刻々と風景を変えていくかのようなニュアンスの変化の妙、その味の濃さ。テンポが遅いことを指摘することは簡単だけれど、”遅い”だけで深い味わい出るワケでもないでしょ。アンサンブルを整える意味合い、深呼吸のような大きなリズム感の不思議・・・いろいろ楽しめる演奏であります。

ERMITAGE系のライヴ録音は、人工的に音場の広がりを付加しているのか、広がりはほとんどないけど奥行きがあって聴きやすいもの。(先月も聴いた)Schumann 交響曲第2番ハ長調〜ジョージ・セル/クリーヴランド管弦楽団(1957年ルガノ・ライヴ)・・・笑っちゃうほどアンサンブルの集中力+峻厳さ+見事な構成+燃えるような情熱!との(先月)コメント通り、筋肉質の素晴らしい演奏です。Debussy 「海」は明らかに”お仏蘭西系”とは違和感ある、壮絶なる完璧技量で奏されるが、これもノリノリの興奮に(やがて)我を忘れて没入。アンコールのBerlioz 「ラコッツィ行進曲」大爆発に声も出ない。

Mozart ピアノ協奏曲第20番ニ短調K.466〜イヴォンヌ・ルフェビュール(p) (1898〜1986フランス)/フルトヴェングラー/ベルリン・フィルハーモニー(1954年5月15日ルガーノ/アポロ劇場)・・・この演奏も「アンサンブルを整える意味合い、深呼吸のような大きなリズム感の不思議」と、先ほどクナッパーツブッシュで感じたことと同様の感慨有。やはりワリと聴きやすい音質であり、ベルリン・フィルの弦、管はフルトヴェングラーによって魔法のように操作されました。

アンサンブルの微妙なるズレさえ、味わいを感じさせる奇跡。晩年のスタイルはかなり抑制されてはいるが、デモーニッシュな雰囲気は健在です。ルフェビュールは(もちろん録音で)あまり聴く機会のないピアニストだけれど、思いの外、端正で明晰でした。浪漫方面ではなく、神秘的な透明さでもない、フルトヴェングラーとともに、かつて聴いたことのない個性的なる”K.466”に仕上げておりました。

(平日なのに長文だなぁ、暇人)音楽を聴くキッカケってなんでしょう。CDを新たに買ったから〜じゃ、何故そのCDを買ったの?ま、衝動買いでも良いじゃないの。きっと、ココロの奥底に問題意識があるんでしょう。ワタシはあまり他の方のサイト、ブログを拝見しないほうだけれど、たまに覗くと既知の音源が話題になっていて、ああ、自分も再コメントが必要だなぁ、と思い出した音源(←うわぁ、恥ずかしい)もあります。

逆に【♪ KechiKechi Classics ♪】で話題になっていたから、というのもタマにありますよね。皆、お互いに音楽を聴くべきキッカケを探しているんでしょう。一昨日ナマ体験で感動した、Mahler 交響曲第8番 変ホ長調だけれど、かつてのアレルギーから数年間聴いていないショルティ/シカゴ交響楽団(1971年)だって、BBS上で「全てにおいて完璧です。その比類ない完成度は好き嫌いを別としてレファレンスだと思われます。曲の持つべき基本線がはっきりと(そこが好悪の分岐点か?)描かれております」とのコメントがあれば、ああ再聴しなくちゃ、と素直に感じるものです。

あまり自分の嗜好に頑迷にならず、とにかく聴いてみる、音楽の幅を広げていく、ということが大切と自戒しましょう。


●2006年10月某日

体調は悪くないのだけれど、昨夜断続的に目覚めて、いかにも眠りが浅い。以前のように途中覚醒(不眠)ということはないんだけれど。先月「音楽日誌」には「9月の声を聞くと、なんとなく涼しいような・・・」と初日にあるが、10月も同様であって、いかにも秋が色濃い。ことしは素直な季節変化ですね。ことしもあと3ヶ月(月並みだけれど)光陰矢の如し、也。大学の大先輩である有田芳生さんのブログを読んでいて、その記事関連のリンクを辿っていたっら、ちょっと個人的にどよ〜んと重いサイトに行き当たって、切ない気分に黄昏ております。

昨夜の演奏会絡みで、”予習”としてMahler 交響曲第8番 変ホ長調〜ミヒャエル・ギーレン/フランクフルト歌劇場博物館管弦楽団(1981年「アルテ・オパー」再建ライヴ)を・・・ライヴとは思えぬ奥行き、定位感のしっかりとした優秀録音、アンサンブルの集中力、クリアで細部まで端正に描き込まれたクールな表現(声楽陣の充実+正確さにも)に驚かされました。”復習”として、SCRIBENDUM SC010 ウィン・モリス/ニュー・フィルハーモニア交響曲第10番(クック版)との組み合わせ。3枚組1,990円▲ポイント引きエドゥアルド・フリプセ/ロッテルダム・フィル/A..クッパー/H.ザデク(s)/R.フェーエンバーガー(t)/ロッテルダム・フィル合唱団(1954年6月3日オランダ音楽祭ライヴ)・・・太古録音で聴くべき作品ではないだろうし、合唱団が少々絶叫気味・・・と敬遠していたものです。

ところがナマ体験後、印象ガラリと変えて、第2部の比類のない熱狂と盛り上がりに深い感動が・・・作品全体の俯瞰が出来れば、細部の傷を論(あげつら)うのではなくて、音楽の大きな流れを楽しめるようになるのか。ありがたいことです。

Shostakovich チェロ協奏曲第1番〜ヤーノシュ・シュタルケル(vc)/マルク・アンドレーエ/スイス・イタリア語放送管弦楽団(録音情報不明のライヴ)・・・マルク・アンドレーエだから1980年前後くらいの録音か、けっこうエエ音してます。ややゆったりめのテンポは余裕であって、シュタルケルの技量であればテンポ・アップはいくらでも可能だから、表現としてとしての優雅さ?狙いか・・・って、シニカルでユーモラス、とぼけた味で、この作品結構好きですね。アンコールであるBach 無伴奏チェロ組曲第2番ニ長調 BWV1008〜「サラバンド」・・・深く呼吸する高貴な歌に痺れました。

ここ数日、”苦手”(!?)Beethoven 交響曲在庫CDの虫干しして、そのあまりの(非常識なる)量目に呆然としていたけれど、気を取り直してBeethoven 交響曲第8番ヘ長調〜ワルター/コロムビア交響楽団(1958年)・・・ぽってりと豊満であり、重量感のある演奏です。重量級レスラーが軽快なるワザを仕掛けている風情もあって、重心の低い躍動感はかつて体験したことのない魅力(巧まざるユーモアにも)に溢れます。録音もエエですね。

今朝、Brahms 弦楽四重奏曲第3番 変ロ長調〜ブダペスト弦楽四重奏団(1963年)・・・憂愁の秋に相応しい、人生の黄昏風”後ろ向き”音楽か。人生の疲れ色濃い中年の身上にぴたり!でっせ。第2楽章「アンダンテ」/第3楽章「アジタート」は、若き日を振り返るような切ない「後ろ向き」旋律が甘美でした。

では、一週間頑張りましょう。今週は土曜日東京へ日帰り出張だし、日曜の夜は(お仕事上で)お付き合いあるから、お休みはないんです。


●2006年10月某日

昨夜、女房お楽しみの(常連ご近所)焼鳥屋でけっこう飲んでしまって、早々にダウン。で、早朝に目覚めてしまい、ご近所をちょっとだけ走ってきました。見知らぬウォーキングおばさんが「おはようございます!」との挨拶も爽やかなる秋。10月突入であります。

素材発信ザ・ダイソー CD-C-34 105円”苦手”と罰当たり公言しているBeethoven だけれど、ここ二日間交響曲在庫CDの棚卸し、虫干しをしております。(意味もないサイト用原稿にまとめつつ有)主にセットもの、もしくは同じ指揮者で大多数揃っているものばかり記録したところだけれど、結論的に”あほ”ですな。いったいこの膨大なる量目をどうやってこなすのか・・・(少々呆然)BGMとして聴いたのは、交響曲第9番ニ短調「合唱付き」〜ベルリン・フィルハーモニー/ブルーノ・キッテル合唱団/ブリーム(s)ヘンゲン(a)アンダース(t)ワッケ(br)(1942年 素材発信ザ・ダイソー CD-C-34 105円)

・・・世評高いバイロイト盤(1951年)はあまりピン!と来なくて、フルトヴェングラーだったらこれでしょ、とLP時代からお気に入りでした。100円CD」にはフルトヴェングラーとの表記はないけれど、間違いなく1942年盤であります。冒頭の弦のトレモロが切れているし、楽章毎に音質のテイストが変わる(いずれあまりよろしくないが)し、ティンパニ叩き過ぎ、イコライジング(LPはもっと蚊が鳴くような音質であった)し過ぎ、と文句を言えばキリはないけれど、第3楽章「アダージョ」などわりと美しいと思います(演奏もシミジミと歌って弦が昂揚する)。壮絶緊張感のある演奏であり、終楽章冒頭の”大見得”的表現も決まっております。

「喜びの歌」旋律登場の深遠、幻想的、セクシーなこと。テンポの自在なる伸び縮みの妙、テナーはまるでジークフリートであり、合唱の勇壮さは類を見ない。ラストのモウレツなる加速はいただけないけれど・・・昼から、岡山フィルMahler 「千人の交響曲」〜チケット売り切れだそうで、体操服屋の旦那が自分の分まで入手して下さって助かりました。こんな巨大なる作品、一生に何回もナマで聴けるものでもないですから。

・・・行って参りました。部屋に籠もって”音楽の缶詰”ばかり喰ってちゃいけないね。やはり酒の肴には鮮魚ですよ、ぴちぴちの。ナマ体験があって、初めてCDでの演奏意味合いが理解できます。エエ連休でした。明日から、また気持ちも新たにお仕事しましょう。

 

【♪ KechiKechi Classics ♪】

●愉しく、とことん味わって音楽を●
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written by wabisuke hayashi