MOZART ピアノ協奏曲第26/5番/ロンド イ長調(ヤンドー)
MOZART
ピアノ協奏曲第26番ニ長調K537「戴冠式」 アンタール/コンチェントゥス・ハンガリクス/ヤンドー(p) NAXOS 8.550209 1991年録音(6枚組3,990円で購入したウチの一枚) ヤンドーはたいへんな実力者だと思いますね。NAXOSでベートーヴェンのソナタ全集やMOZARTの協奏曲全集、シューベルトのピアノ曲全集、最近ではバルトーク、リストの全集に取り組んでいます。Delta-Musicには、リストのピアノと管弦楽のための作品全集も残していて、向かうところ敵なし、どんな曲でも演奏可といった感じで意欲的な録音を続けています。 このひとはメジャー・レーベルには顔を出さないので、ほとんど一般には名前は知られていない。「廉価盤専門の便利屋」と、甘く見たらあきまへん。リストの全集に取り組むくらいですから、たいへんなテクニシャンであるはず。地味ながら、どれもしっかりとしたオーソドックスな演奏で外すことはありません。ワタシ自身は、めずらしくナマでも聴きました。 MOZARTのピアノ協奏曲はどれといわずお気に入りで、手元にはかなりCDがあります。飾り過ぎてもダメ、普通に弾いてもそこそこに感動する名曲ぞろいでしょう。BRUCKNER演奏に似ているようで、少々違うかも。彼の全集は複数台の協奏曲、コンサート・ロンドも含めた完全版。 「戴冠式」は後期の傑作中、ひときは地味で評価も低い。(が、ワタシは好き)ヤンドーは適正なテンポ、しっかりとした芯のある音色で、曲そのものの味わいを上手に表現しています。音色は地味〜派手さもないし、きらびやかな輝きでもないが〜無駄がない。淡々として、ヘンな思い入れもなく、クセを感じさせない。第2・3楽章での装飾音はとても楽しいもの。 第5番は初期の作品ながら、それなりの大きさを感じさせる曲。「戴冠式」に比べれば屈託のないシンプルな旋律ですから、もう少し軽快にサッパリとまとめて欲しかったところ。立派すぎる演奏か?この辺りの曲は、古楽器が相応しいのでしょうか。後半に行くに従ってノリがでてきて、楽しい演奏に間違いはありません。 コンサート・ロンド ニ長調は、ながくNHK-FMの朝の番組のテーマとして使われていた曲。他愛のない素朴な旋律に聴こえますが、じつは名曲中の名曲。聴けば聴くほど、魅了される不滅の名旋律。この変奏曲を聴いているとジ〜ンときますね。ヤンドーは早めのテンポで淡々と進めますが、途中でテンポを落としてしっとりと歌ってくれました。 バックも充分の実力。MOZARTの協奏曲って、わりとしょうもない薄い音の伴奏でも楽しめるものですが、バランスの取れた繊細なオケだと思います。派手な個性はないけれど、いい味を出してます。少々乾き気味だが、録音も聴きやすい。演奏者の個性より、MOZARTの作品をそのまま味わえて、座右に置くにははこんなのが相応しいかも。(1999年)
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