Mozart 歌劇「コジ・ファ・トゥッテ」K.588抜粋(ヤコブス)Mozart 歌劇「コシ・ファ・トゥッテ」K.588(第1幕からの抜粋) 全6曲収録 ヤコブス/コンチェルト・ケルン/ケルン室内合唱団ゲンス(s)フィンク(s)ギューラ(t)ブーネ(b)/スパニョーリ(b)ほか
harmonia mundi SP 054 無料配布 21分収録。無料サンプルを配るくらいだから、有名な録音なのか?と思って検索しても出てきません。音楽日誌が出てきてガックリ。「1999年リリース」と書いてあるから、その少し前の録音でしょうか。(1998年3月でした)だいたいワタシがオペラのネタなんかあるわけないじゃない。「女はみんなこうしたもの」〜こんなことを書くと女性軍に叱られる。ワタシ、ベーム/ウィーン・フィル盤を所有(1974年録音。聴いているとはいえない水準)しております。 序曲ですか?これは知ってまっせ。いやぁ、リズムがハズんでいるし、木管群がひょろひょろしていて、ユーモラスでおもろいっすよ。やっぱり古楽器は新鮮で好きだな。なんかオツにすまして、ピタリとしたアンサンブル、みたいなものとは無縁でよろしい。この味わいは合唱「楽しきかな軍隊生活は」に生かされていて、やたらと元気がよろしい。ハズむ、というより、ハジケるような、という表現が似合っているかも。合唱は恐るべきアンサンブルの水準。 フィオルディリージとドラベラの二重唱「ご覧なさい、妹よ」〜朗々と、しっとりと歌われる場面のはずだけれど、さっぱりと素朴で静かな伴奏。(これは現代楽器の演奏で慣れているだけでしょう)お姉さんの歌も清楚です(小粒でもある)よ、妖艶なる年増・ヤノヴィッツ辺りで馴染みですから。時に管弦楽の隙間から漏れ聞こえるフォルテピアノの味わい深いこと。ファゴットの細かい動きが楽しいですよね。 ドン・アルフォンゾのアリア「言いたいけれど、勇気が出ない」〜パネライの芝居っけタップリの記憶があるでしょ?なんか生真面目な学者風(老哲学者というより、学究肌の理系教授風〜失礼)か。ちっともおもしろくないね。 フィオルディリージ、ドラベラ、フェランド、グリエルモ、ドン・アルフォンゾの五重唱「ああ神よ! この足は」〜これ整然とした雰囲気だけれど、来るべきドタバタを予感させるような味わいがほしいところじゃないの。背筋は伸びていて、これは逆に歌にユーモアが足りない。上手いんだけどね、歌とはそんなもんじゃない。 で、先ほど触れた「楽しきかな軍隊生活は」は溌剌として、とても楽しい。こういう行進曲風な場面は歌劇に必ず付き物なんですか?このCDラストは五重唱「毎日手紙をくださいね」〜ああ、別れにふさわしい静謐さと清潔さがあるじゃない。〜これがラストになっていて、しっとりと切なく、名残惜しく、やっぱ残り全部買って聴いてね、と呼びかけます。(誤解か?)別な意味で、ずいぶんと寂しい演奏ではあるけど。 残念でした。この無料CDをいただいたオトコはKECHIで、レギュラープライスの新録音なんか買うはずないじゃない。4年経って、この全曲CDもなかなか売っていないみたいだしね。(2003年9月26日) (加筆)harmonia mundi KKCC422-4 で全曲出ていましたね。いまでも入手可能かは不明。いくつかサイト上で言及もある。歌手陣は若手の俊英、とのこと。
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