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音楽日誌

2006年5月香川県豊浜SAにて
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2006年6月某日

蒸しますね。これが正しい梅雨時の気候か。これから雨になるらしい。なんとかサイト定例更新済み。青息吐息というか。

BBCMUSIC BBCMM82一昨日聴いたFaure ピアノ四重奏曲 ハ短調を「ま、なんでも、どんな演奏でも良いんですよ」と書いたばかりだけれど、ロンドン・シューベルト・アンサンブル(1998年)で確認。これが妙に”不足感”有。技術的にどうの、ということではなく、それこそ「”香り”が・・・」的問題であって、よく整った演奏ではあるし、旋律の魅力も変わらないけれど、ずばりツマらないか。フィル・アップのFranck ピアノ五重奏曲ヘ短調(1997年この作品はもっとエッチ!)も、同様の(あまり称揚しない意味での)穏健派演奏でした。

ワタシの隠れた愛聴盤である、「ENGLISH STRING MINIATURES」(NAXOS全部で4枚有)〜第1集はデヴィッド・ロイド・ジョーンズ/ロイヤル・バレエ・シンフォニア(1996年)。いや、もう、これは見事に知名度がなくて、ジミで、そして懐かしい穏健旋律の宝庫であります。ほとんど近現代英国の作品ばかりであって、John Rutter / Frank Cordell / George Melachrino / Roy Douglas / Cecil Armstrong Gibbsほか・・・マイナーもの博覧強記!オトコと自称しているワタシだって初耳ばかり。ちょいとザラついた弦楽アンサンブルも、艶やか雄弁ではない素朴方面、作品の味わいに似合っております。(団体名がシブいですね。もともと、それが聴きたくて購入したと記憶)

では、行って来ます。なにごともなく、粛々と週末を迎えられますように。


2006年6月某日

さて、今週はあと地元活動のみ。さすがに少々お疲れ気味ですな。オークション(前言翻して継続)は(さすがに今回は)ほとんど入札入らず、やはり価格だけじゃないんだな、と、商売のオモロさを感じております。売る方はさっぱりだし、けっこう諸経費も掛かっちゃうのに、眺めているとけっこう欲しいものがあって思わず落札(800円+振り込み費用=1.000円程か?)・・・前々回オークションで売れ残って処分断念した、ベルティーニ/ケルン放響のMahler 交響曲第1〜5番の続編、第6番イ短調(1984年)・・・ベルティーニは研ぎ澄まされたアンサンブルの集中力が特徴だと思うが、神経質な印象は与えない。録音の関係もあるのか、鋭利な威圧感系の演奏ではなくて、暖かくもオーソドックスに落ち着いた味わいでした。”恐怖の終楽章”的切迫感ではなく、バランスの良いスケール感。

Warner 2564 61730-2昨日少々不本意な聴き方だった、Ralph Vaughan Williamsは交響曲第1番「海の交響曲」〜アンドルー・デイヴィス/BBC交響楽団/合唱団/ルークラフト(s)/ハンプトン(br)(1994年)・・・一時間を超える茫洋としたスケールを誇る作品であって、”穏健派千人の交響曲”風作品です。かつて大洋を乗り越え、世界を制覇した英国人の誇りを感じさせる勇壮な作品!数日前、ハンドリー/ロイヤル・リヴァプール・フィル/合唱団のCDを処分していたのは、演奏の質問題ではなくて、”何種類も聴かないだろうな”という意味合いでした。アンドルー・デイヴィスの印象はやはりジミでして、ワタシは未だハンドリー盤の呪縛から抜けておりません。

ちなみに、昨日の交響曲第9番ホ短調・・・途中まで再聴しております。暗鬱と辛気くさい旋律が(逆に)魅力であって、どんよりと灰色の光景が浮かぶような作品であり、演奏。かなり、ごりごりとした鈍い爆発もありました。やはり、ワタシ好みの音楽に間違いない。第2楽章の暗鬱たる躍動感、サキソフォーンの怪しげな音色も魅力的。

正直なところ、まったくお仕事の意欲が沸かない。さまざまなお仕事上の軋轢は真正面から立ち向かって、それなりの動きとした(つもり)が、終日創意的作業ではなく、調整作業ばかりで、これは自分の性格に向いていないんです。ま、いいや、来週まで作業的時間の余裕あるし。明日は職場主催の行事でたくさんのお客を迎えるけれど、自分が主体じゃないので肉体労働半日、そのあと現場回って一週間終了。蒸し暑くて、ようやく夏が近い。

EMI 7475928 2枚組800円+振り込み料通勤では、Mahler 第6番イ短調〜ベルティーニ/ケルン放送交響楽団(1984年)・・・第1/2楽章を再度。ヘッドホンだと印象変わりますね。だけれど、感想は変わらない〜研ぎ澄まされたアンサンブルの集中力が特徴だと思うが、神経質な印象は与えない。録音の関係もあるのか、鋭利な威圧感系の演奏ではなくて、暖かくもオーソドックスに落ち着いた味わい〜であります。

で、帰宅して、同作品第3/4楽章〜エリアフ・インバル/フランクフルト放送交響楽団(1986年)・・・これは音質が極上ですな。ウチの安物オーディオでは弱音の解像度に問題が出るけれど、パワフルな部分での鮮烈な奥行き感、鮮度に文句なし。打楽器類の定位の良さ、各パートのニュアンスの変化がわかりやすい。演奏は少々分析的というか、クールな佇まいを崩さず、入念でありながらどことなくサバサバしたような・・・でも、エエ演奏です。

そういえば、先日処分したスヴェトラーノフのMahler 全集、HMVで注文しようかな?と思ったら「完売」とのこと。ま、エエか、慌てなくても。これも運命というか、出会いの妙というか縁なのでしょう。


2006年6月某日

岡山での「生き埋め殺人事件」犯行は、息子と同い年なんだな。著名整形外科医者の娘誘拐事件とともに、テレビではそれ一色のニュース報道です。猟奇的事件ばかり発生しているような気もするが、これで(ほんのちょっとだけ)旧聞な事件(秋田の事件とか)は、あっと言う間に忘れ去られるのか。犯人の母親は(顔は出ないが・・・当然ワタシと同世代)冷静にテレビのインタビューに答えてますね。けっこう、家族関係はちゃんとしているみたいで、少々ショックです。

これから地元・松山の取引先へ向かって、一緒に現場回り。夜、少々遅めに帰宅予定。体調万全です。

帰宅しました。4店舗ほどしっかり現場回って、更に実務的な打ち合わせ+某担当との些細なトラブルというか、こちらが信頼を裏切るような行為があったので、そのフォローをしてきました。後者のほうが大切かな?上司との関係では、前者じゃないと出張許可が下りないが。

帰りのバスまで小一時間あったので松山駅前BOOK・OFFへ。CD在庫はまったく見るべきものはなくて、書籍を3冊ほど・・・さっそく(敬愛する)林望先生「パソコン徹底指南」(文春新書)・・・既に出版5年を経て、実態に合わなくなっている(例えば現在では一般家庭でも”BB常時接続”が常識に/ワープロ専用機は消滅しました)が、内容的にはまったく古びない、っていうか、これ以前に読んでました。彼は”MAC派”だけれど、パソコンが何に向いていて、どう使うべきか、「パソコンでは文書は薄っぺらになる」論の完全論破、危ういデータ保存の在り方(Ctrl+Sで頻繁に保存するクセを付けるようになった)、キーボードタッチの大切さ、すべてこの本のおかげです!改訂して強く再販を望む。

今朝、ホテルで読んだ「産経新聞」のコラム(誰か忘れたが)で「10億円稼いで、どうする」(みたいな内容)は、ちょっと痺れました。ホリエモン、村上ファンドの罪状ともかく(ひとまず別論として)一攫千金を狙って実現・・・その挙げ句はなんなのか。ヒルズに住んで、旨いモン喰って、女子アナと合コンして・・・そんなもんか?ビル・ゲイツは引退して、世界の医療/教育問題の改善を目指す慈善団体の活動をするという。これこそが真の金持ち、というか、かつての日本にはそんな気骨のある(社会還元する)人がいたらしい。カネはないと困るけど、多すぎてもビンボー症のワタシには使い切れない、ということですか。

ECHO INDUSTRY  CC-1017/18  2枚組 2,000円で購入帰り(+移動途中)もしっかり音楽聴きました。Mahler 交響曲第2番ハ短調「復活」〜メータ/ウィーン・フィルハーモニー(1975年録音)・・・えへへ、じつは一枚目聴いている最中はショルティ/ロンドン交響楽団とばかり思っていて、2枚目に差し替える時に気付いたもの(お恥ずかしい)。意外と柔軟で軽快な演奏だなぁ、ロンドン交響楽団絶好調に艶やかに鳴っているじゃない・・・なんて、ね。この音源はワタシと「復活」との出会い音源でして、世評に反発して(かつての)ワタシはこの演奏を少々厳しくコメントしておりました。

曰く、”呼吸が浅く、尻が軽い。完成度は高いが、まだ成熟が足りない。懊悩・苦悩が感じられない”と。ちょっと厳しすぎますね。ずいぶんと久々(4年ぶり)に聴いた感想は、若さの勢い(メータ39歳)と優れたオーケストラ・コントロールに驚くばかり。まるで、”売れている歌手”のようなノリノリの充実がこころよい・・・もちろん録音も最高です。

Faure ピアノ四重奏曲 ハ短調〜ユボー(p)/ガロワ・モンブラン(v)/ルキアン(va)/ナヴァラ(vc)(1969年)、弦楽四重奏曲ホ短調〜ヴィア・ノヴァ弦楽四重奏団(1970年)・・・嗚呼、良いですね。やはり仏蘭西方面の遣る瀬ない、優しい旋律は性に合っているみたい。かなり以前に、あまり知名度のない演奏を称揚していたけれど(エエ加減なコメントだ)、ま、なんでも、どんな演奏でも良いんですよ。フランスの名手達には、”香り”がありますね。

じゃ、こんどは英国へRalph Vaughan Williams 交響曲第9番ホ短調/「ヨブ記」(舞踊のための仮面劇)〜アンドルー・デイヴィス/BBC交響楽団(1997年)・・・激安(1,990円)全集は昨年2005年夏に購入したが、未だ全部身に付いているわけじゃないんです。動きの少ない、けっして激昂しない穏健静謐なる旋律は好みだけれど、全集中各作品の個性の違いを味わえる、自らの音楽理解水準ではありません。BBC交響楽団はずいぶんとジミな響きに感じるが、ワタシはバス中で眠ってしまいました。

ラスト、Brahms 交響曲第2番ニ長調〜エルネスト・ブール/バーデン・バーデン南西ドイツ放送交響楽団(録音年不明)・・・ヘッドホンで聴くと、これも録音ひどいですね。定位滅茶苦茶、楽章ごとに音質が変わるし、ほとんど右だけで鳴っているようなところも有。演奏は冷酷非情であり、アンサンブルは整っているのに乱暴な印象があります。ニュアンス豊かに表現していただきたい”田園風作品”のはずが、正確に、筋肉質に、クールに表現され、異質個性的なBrahms であります。

持参したCDは全部聴きましたね。


2006年6月某日

昨日は、6月数値締まって(いちおう)パーフェクト予算達成・・・しかし、上司との軋轢(理想論と、現実主義=ワタシ)がビミョーに不快です。人生の生き方、仕事の哲学、手法に正解はなくて、もう6年現行のお仕事を積み重ねてきたワタシが”絶対、正しい”とは言い切れない。お取引先と積み重ねてきた盤石の信頼関係や、複雑なる作業手順+合理化のワザも上司から見れば鬱陶しいだけの可能性も有〜今年で部署替えをしていただきましょう・・・とここ数年、毎年お願いしているような記憶もあります。切り口は新しい方が絶対によろしい。

いつも思うが、人生には(本人の努力とは無関係な部分での)波風、潮目があるでしょ。ウチの職場は短絡的な判断を下さない、佳い職場だと思うが、それでもこれだけ数値が苦戦続きだと、5年スパンの過去の流れを知らぬ上司は不満だろうな。お客との関係も”それが現在あって当たり前のもの、前提”と見えて、努力の積み重ねの結末であることは理解できないだろうし。いずれ、変化を好むワタシが保守化しちゃいけないので、変わるべきかと思います。次のお仕事探しましょう(転職するワケじゃないが)。

そんな”大殺界”(じつは全然なんのことやら・・・天誅殺でもいいけど)時期でも、お仕事内外の人間関係を楽しむこと、健康を回復すること、楽しく音楽を聴くこと・・・お仕事はたいせつだけれど、すべてではないのは当たり前のこと。

昨夜は、カラヤン/ウィーン・フィルによる戦後間もない旧い録音・・・100円ショップダイソーCDで確認。Mozart の2枚(交響曲第33/39番+クラリネット協奏曲+アイネ・クライネ・ナハトムジーク)があって、音質乗り越えさっそうと若々しい、一方で既に後年のスタイリッシュなスタイルが確立された演奏を堪能しました。ああ、200円(+税)でこれだけ楽しめるのなら、サイト用原稿にしてもエエかな?と思ったら2年前に既に更新済みでした・・・

Brahms 交響曲第2番ニ長調(カラヤン/ウィーン・フィル1948年)引き続き、Brahms 交響曲第2番ニ長調〜カラヤン/ウィーン・フィル(1948年)を・・・ゆったりとしたテンポで、語り口の上手い、しかも若々しい清涼さも、スケールちゃんとある爽やかなエエ演奏ですね。いろいろ問題のあるダイソーCDだけれど、選球眼が必要なのと、音質へのこだわり(初心者に劣悪歴史的録音は厳しくないか?)を捨てれば、聴けるものもある、ということです。

これから(どんより曇りの中)山口へ。広島経由松山へ(泊)。明日は松山で売り場視察・・・気分が晴れませんな。まるで梅雨時の空みたい。

(広島発スーパージェット経由/在松山ホテル/ヒマです)このホテルはネット環境がむずかしくて、閲覧自由自在だけれど更新が難航・・・といった状態なんです。雨は上がって、山口へ。朝のひかり自由席は空いていて、お隣は同世代の精悍な痩せ形サラリーマン風、お洒落なサスペンダーでノー・タイ、お仕事終えて帰るのかな?くつろいで淡麗グリーン・ラベル+ミックス・ナッツで飲ってました。うらやましい。

山口のお取引先は数日前に移転していて、立派なビルでした。滞りなく商談終了して、知り合いと雑談していたら(以前から打診があった)講演依頼正式に有・・・8月上旬、これは業務じゃないのでアルバイト(交通費だけだけれど)、でも業務で身に付けたノウハウ知識を活用するということですな。(土日ツブして)来週、博多で短時間の講演があるけれど、これは昼からお休みとって、日帰りとんぼ返りだけれど。内容は(時間の長短はあるけれど)ほぼ同じ。

ほか、徳島の取引先のご担当が異動になった、という連絡が入ったり(これは実質リストラなんです。ほんまは駆け付けて、慰めてあげたいんだけどなぁ、長い付き合いだし)、地元、岡山のご担当から相次いで”ご報告”入ったり・・・で、職場内部のごたごた(じゃ、ないな)悶々とした雰囲気(自分の気持ちの持ち方だけれど)とは裏腹に、事態は動いております。

移動時間は長かった(明日の帰りも長い)ので、たくさん音楽も聴けたし、本も読めましたよ。追悼・岩城宏之さん、ということで「オーケストラの職人たち」(文春文庫)・・・いつもなら、裏方さんの”目からウロコ”的活躍に感心するだけなんだけど、嗚呼、彼はもうこの世にいないんだな、と思うと少々泣けました。音楽に限らず、社会というのは経済原理だけで動いているのではない!ということを実感。カルロス・ゴーンは、サッカー・チームを手放さなかったですよ。ん?もっと大きな”経済原理”かな?

福田直子「大真面目に休む国ドイツ」(平凡社新書)・・・ワタシはドイツの音楽と白ワインは好きだけれど、ほかはあまり興味なし・・・って、これは題名と内容は全然違っていて、”ドイツの光と陰”みたいな現代ドイツ生活の詳細分析となっております。ま、ドイツの生活経済現状も悲惨で、アホも沢山おる、いうことですな。晩婚化、未婚者の増加、離婚の増大=少子化もちゃんと有。日本も悲惨や!と思いがちだけれど、各々歴史や国民性、文化もあって一概に結論は出せません・・・もんの凄く辛辣な一冊!楽しみました。

この著作の中に「ドイツの貴族」という項目があって、法律的には既に「貴族」は存在しないとのことだけれど、実際はずいぶんと社会的には実在していて、それは「フォン」というミドル・ネームでわかる、とのこと。ヘルベルト・”フォン”・カラヤンですか?あれは、本人が勝手に名乗っている、という噂を聞いたけれど。パスポートに”フォン”はなかった、というのはほんまか?

音楽、行きます。まず、Sibelius 管弦楽作品集/「白鳥姫」組曲 作品54、「ベルシャザールの饗宴」作品51、二つの小品 作品45、舞踏的間奏曲「パンとエコー」作品53〜ヤルヴィ/エーテボリ交響楽団(1985年)・・・馴染みの旋律、ということでもないが、清涼で声高に叫ばない静謐サウンドがワタシの好みなんですねぇ。Sibelius の作品だったら、とにかく(値段が合えば)買う、ということであります。

Tchaikovsky 交響曲第4番ヘ短調(1977年)/イタリア奇想曲(1966年)〜カラヤン/ベルリン・フィル・・・数年間にBOOK・OFF@250入手した駅売海賊盤だけれど、こんなにカンドーするとは、なにか自らの内面に大きな変化が生まれているのか?ベルリン・フィルの圧倒的かつ余裕の技量、鳴りっぷり。ロシア風のアクは一切なくて、インターナショナルな雄弁を誇って、挙げ句、終楽章のティンパニの迫力に打ちのめされました。イタリア奇想曲も同様・・・艶々しないジミ目なDG録音にも好感が持てます。

PRELUDIO PHC 1133/34 2枚組1,000円Schubert 八重奏曲ヘ長調 作品166〜パスカル弦楽四重奏団/ランスロ(cl)/クールジェ(hr)/オンニュ(fg)/ロジェロ(cb)(1961年)・・・お気に入りの作品であり、演奏もであるけど、初めてヘッドホンで確認すると録音がひどいですねぇ。広がりも、奥行きもほとんどない・・・でも、クールジェのホルンの明るく、エッチなヴィヴラートを聴いているとシアワセになります。延々と続く(いつ終わるの?的)夢見るような旋律だって、やっぱりシアワセ・・・(コメント不能)

Ravel ボレロ、逝ける女王のためのパヴァーヌ、スペイン奇想曲、ダフニスとクロエ第2組曲〜ミュンシュ/パリ管弦楽団(1968年)・・・凄い!何度聴いても、いつ聴いても。あらゆる部分でのテンションの高さ、オーケストラの華やかな響き、「ボレロ」では掟破りのアッチェランド(シロウトは真似しちゃいけまへん)・・・これは”仏蘭西的”というより、独逸方面の構築に即興的なノリを加えたようなテイストで、こりゃ心臓に悪そう・・・そんな心配しちゃいます。大興奮。

Beethoven ピアノ協奏曲第1/2番〜ケンプ(p)/ライトナー/ベルリン・フィル(1961年)・・・やはり、ワタシはへんだ。苦手系の作品、ケンプにさほどの入れ込みもないはずなのに、いたく感銘が・・明快なる煌びやかなピアノに間違いはないが、もともと華麗なる技巧が売り物の人じゃないでしょ。いわゆる標準的な演奏家かも知れないが、Beethoven 初期作品の魅力をわかりやすく提示して文句なし。バックもジミだけれど、着実な、かっちりとした演奏で好感が持てました。


2006年6月某日

じゃじゃぶりの雨。ただでさえ気分が萎えている月曜日なのに、いっそう鬱陶しい気分募るばかりか。久々の出勤で、そう切羽詰まった用件はないはず。先週あちこちに罵詈雑言(メールで)ぶちまけてきたから、その反応も楽しみにしましょう。もう、言い訳弁明一切しない。粛々とお仕事こなして、人品卑しい下衆(げす)の勘ぐりは無視することにしましょう。エエ勉強になりましたよ、今回は。

バルト・ファン・オールトのMozart のピアノ作品(全集)は6枚目へ。ピアノ・ソナタ 第1番ハ長調K.279/第2番ヘ長調K.280/第3番変ロ長調K.281+12のピアノ変奏曲ハ長調K.179+サリエリの主題による6つの変奏曲 ト長調 K.180(2004年)・・・演奏云々はコメントできません。フォルテピアノの溌剌とした、清潔な響きがひたすら快い。

ECHO INDUSTRY ECC-602 中古333円にて購入/駅売海賊盤ですんまへん!Mozart 交響曲第34(1966年)/35(1959年)/36番(1966年)〜ベーム/ベルリン・フィル・・・保守的だ、安易な嗜好だ、と言われようとも、これは小学生だったワタシの原点(第35番17cmLP)なんです。細部まできっちり表現した真面目なアンサンブル、少々おカタい無骨表現、ずっしりと重いリズムを堪能しました。今朝、Beethoven 交響曲第9番ニ短調〜エーリヒ・クライバー/ウィーン・フィル(1952年)を第1楽章のみ。これはLP時代所有していたけれど、その良さはさっぱり理解できませんでしたね。当時、フルトヴェングラー(1942年)やカラヤン(1962年)の”巨匠風”演奏に慣れた耳には、ずいぶんとフツウっぽく聞こえたものです。

現在なら、その素晴らしい音質も含め、充実し、豊かでオーソドックスな推進力がはっきり理解できる。暖かく、芯のしっかりとしたウィーン・フィルが美しい。


2006年6月某日

昨日、夜中より午前中に掛けて、一気サイト用原稿3本出来。Mozart /Mahler /歴史的録音辺りです。つまりは「音楽日誌」執筆に入れ込みすぎて、エネルギーがそちらに吸い込まれている、ということか。もっと素直に、気軽に更新を心掛けましょう。但し、あくまでワタシの縄張りの範囲で。オークションの件、二日経っても落札者から返事が届かない方が二人分あります。心配だな。オークションで中途半端収集裁けたものを、全集ネット注文はもう少し冷静に、様子見ることにしました。

岡山はどんより曇りがちだけれど、九州四国地方では大雨らしい。明後日から山口〜松山出張なので少々、お得意さまの様子が心配です。終日どこにも出掛けず、夕方4時くらいから(家で焼く)ピザ+生ラムの炒め物+(昨日残り物&もともといただきもの)赤ワインでテレビ(恐竜時代C.G.+カムチャッカ半島の活火山探検)眺めながら陶然・・・エエじゃないですか。

サイト更新ネタは別として、聴いた音楽は(珍しく)Beethoven 交響曲第5番ハ短調〜J.E.ガーディナー/レヴォリューショナル・エ・ロマンティーク管弦楽団(1994年)・・・ああ、いつの間にかこの先鋭的な録音も、10年以上経ってしまって感慨深いもの。滋味深く、安定した技巧を誇るこんな演奏なら、ワタシの”Beeやん苦手”意識も一掃され、しっくりと耳馴染み良い、という事実。威圧感なく、強面にならず、神経にヒリヒリ突き刺さることもない溌剌颯爽とした世界を堪能できます。昔馴染みの(著名)演奏家の豪快録音は、なかなか楽しむ勇気が出ません。

PASTPERFECT(TIM) 205825-303/2Debussy 弦楽四重奏曲ト短調(1931年)/Ravel 弦楽四重奏曲ヘ長調(1936年)〜カルヴェ弦楽四重奏団にて。さっくり粋に演奏していて、想像されるような濃密な浪漫方向表現ではない。淡々とした表現なのに、得も言われぬ官能と色彩の世界はあって、あくまで抑制と粋な風情を崩さない。そして、緊張感も、芳香もちゃんと存在します。世間の音楽ファンの方々には申し訳ないが、Beethoven よりこちらの室内楽のほうがずっとワタシの嗜好にピタリ!状態であります。音質だって、音楽の様子はすべて理解できる水準・・・って、ワタシはオーディオを語る資格はない粗忽者だけど。

更にRavel 「序奏とアレグロ」(1938年)が・・・これは名手リリー・ラスキーヌ(hp)/マルセル・モイーズ(fl)/デレクルーズ(cl)が加わって、色彩感はいや増すばかり。


2006年6月某日

昨日の病院通いにカコ付けてプチ連休。サッカーで休んだんじゃないですよ、ブラジル戦に興味はなかったし。オークションは次々連絡が入り、残りは3人のみ。メールは週末くらいにしか見ない、という人もいるだろうし、こんなもんでしょう。売れ残ったARTENOVA 743121 98338 2Mozart 歌劇「ドン・ジョヴァンニ」〜ベルトラン・ド・ビリー/ウィーン放送交響楽団/シネ・ノミネ合唱団/クワンチュル・ヨウン(ドン・ジョヴァンニ)/レジーナ・ショルク(ドンナ・アンナ)/ハイディ・ブルンナー(ドンナ・エルヴィラ)/ジェフリー・フランシス(ドン・オッターヴィオ)/ウリッツィオ・ムラーロ(レポレルロ)/ビルギッド・シュタインバーガー(ツェルリーナ)/ラインハルト・メイヤー(マゼット)/ラインハルト・ハーゲン(騎士長)2002年録音を確認しております。

ワタシの”オークション出品パターン”だけれど、これは演奏・録音に問題有、ではなく、「三部作」がまとめて(格安で)発売されたので、ダブりを避けようとしたもの。速いテンポ、緊張感あるアンサンブル、歌い手は知名度的に弱いのかも知れないが、日常聴きになんらの問題もない爽やかな演奏と感じます。但し、ワタシに歌劇云々のコメントは不可能だけれど。3枚組800円でも売れんのか?歌劇は未だ一般に広がりが足りなくて、知名度低いと買いにくいのかな?ラルフ・オットー/コンチェルト・ケルンによるBach 「クリスマス・オラトリオ」は、”こりゃ売れないだろうね”と予想して「2枚500円」にて出品したが、なんと26入札あってびっくりしました。

これもエエ演奏なんですよね。でもね、ワタシはこの作品を一年に一回、12月にしか聴かない。そして、CDは5種類以上所有していて、頻度的に処分しようか、そんな考えで出品したものです。”オークション売れ筋”は予想できないな。でも、@400〜500というのは適正価格と思うんだけれど。違いますか。

女房とエアロ・ビクス。途中落札されたCD送付、されなかったCD+この間溜まった書籍をBOOK・OFF処分へ。オークションはまた一見落札していて、先ほど連絡有。ほんまにラクですね、入札も決済も、あとは商品到着を待つのみ・・・ま、カネさえあれば、ね。処分する方は件数が多いと荷造りとか、送付作業とかややたいへんだけれど、それでも「メール便」とかとても安くなりました。

Mozart 歌劇「ドン・ジョヴァンニ」〜ベルトラン・ド・ビリー/ウィーン放送交響楽団を引き続き聴いております。ワタシは意外とこの作品に馴染んでいなくて(ベーム/プラハ国立歌劇場1967年盤を事故で失ったし)、せいぜいクリップスの抜粋か・・・と、思ったら、それさえ棚中に埋もれて行方不明。ド・ビリーの表現は後半に行くほど快調みたいで、古楽器的躍動に溢れて、歌い手も(往年の名手表現ではないのかも知れないが)ラスト、アツい感動がありました。やはり、「三部作」注文するか?

いつもいつもの愚痴だけれど、サイト用原稿在庫尽きております。で、ようやく一本某CDについて(苦しみ抜いて)執筆したが、ようはするに集中力を失っている、ということですな。それと、同一音源を(細部繰り返し)聴き続けることが苦しい・・・楽しみでやっているサイトだから、しがない原稿書き一本に数時間掛かっても、それは”楽しみ”ということにしましょう。どんな録音・演奏も、同じように素晴らしく感じるということもある。

Mozart 交響曲第40番ト短調〜エーリヒ・クライバー/ロンドン・フィルハーモニー(1949年)・・・これは往年の英DECCAの名録音であって、驚くべき鮮明なる音質であります。いえいえ、それ以上に古典的端正なスタイル+秘めたる浪漫、情熱を感じさせて、久々に著名なる作品に新たなる光を当てて新鮮でした。特別に大仰なる表現やら、変化ワザがあるわけでもないが、暖かい勢い有。これは父クライバーのマジックですな。(DOCUMENT 222355-354 CD1)

BOOK・OFF処分ついでに、一枚CD購入しちゃいました。Mozart 「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」ト長調K.525(1968年)/セレナード第9番ニ長調K.320「ポストホルン」(1969年)〜ジョージ・セル/クリーヴランド管弦楽団(SONY SBK 48266)・・・セル晩年の(相も変わらぬ)厳しくも引き締まった演奏ですね。とくに「アイネ・ク」の演奏は、やや大柄な編成+強烈な集中力で、ワタシには少々キツ過ぎか。「ポストホルン」のほうは同様の方向でありながら、楽曲に対する敬虔なる姿勢が、やがて”厳しさ”乗り越えて、”美しさ”に昇華していると感じました。表面を磨くことを旨としない、真摯な美か。


2006年6月某日

お休みいただいて、病院3ヶ所ハシゴしました。もんの凄くお金が掛かって、こりゃボーナス出ないと病院も行けまへんなぁ。半年前、”視野に異常が・・・”と診断され、再検査したが今回は無罪放免。しばらくぶりの歯医者も、問題なし。歯石取って、磨き上げていただきました。但し、ヤニが付いている・・・というのは、煙草は吸わないから赤ワインが原因でしょう。これでまたしばらく頑張れる。第2次オークション出品は流石に不調か、と思ったが最終日一気に入札入って、前回同様の7割ほどの落札。いちおう今回はこれにて店仕舞い。サイト読者にも感謝します。次回は半年後くらいか。

Mahler 交響曲第7番ホ短調 ショルティ/シカゴ響 1971年録音ワタシはMahler を好んでいて、なかでも交響曲第7番ホ短調は(世評とは裏腹に)ずっとお気に入り・・・出会いが良かったのか。先日、バーンスタインの録音(1965年)を聴いて、その粗削りな魅力を垣間見たが、ショルティ/シカゴ交響楽団(1971年)で第4楽章「夜の歌U」(この楽章こそ、白眉!)を追確認。(それにしても駅売海賊盤ばかりだ・・・)

「わかりやすい演奏だと思うが、とんでもカンチガイ方面か?でも、演奏としての完成度抜群!」・・・とはかつての自らの感想だったが、とくにかくシカゴ交響楽団が滅茶苦茶上手い。各パートの研ぎ澄まされた技量と、洗練されたアンサンブルの集中力の精華。英DECCAの録音技量もそれに華を添えているのだろうが、透明かつクリア+強靱なる響きにココロ奪われ、それだけで感動を呼びます。でも”摘み聴き”だから・・・例えば、終楽章なんかとてもヤバい演奏だった記憶もあります。「個性」とは比較対照すべき事象ではないと思うが、少なくとも耳当たりの良さに於いて、バーンスタイン盤とは雲泥の差か?


2006年6月某日

昨日広島行きは時間を勘違いして、早く到着しすぎてしまいました。で、関係者+非関係者(顔見知り)数人と相継いで雑談。その後の商談は早めに終了し、チームの若い者の商談終了を待っていたら、旧知の幹部が「何時までいる?飲みにいこか」と誘いがあって、断る性格でもなし、2時間ほど楽しく、思い出話も含め談笑しました。ま、現状の厳しさ分析なんかもしっかり交流したけれど。お誘いがある、というのも有り難いものです。

帰りは遅い新幹線中、談笑しながら帰ったので音楽聴いてません。で、行きの行程のみ〜Mahler 交響曲第5番 嬰ハ短調〜テンシュテット/ロンドン・フィルハーモニー(1978年)・・・巷間話題になり勝ちの録音問題はそう気にならず(なんせ激安密着型イヤホンだし)悲壮なる決意に充ちた入魂の表現!バーンスタインのような”ネアカ”ではなく、全編悲劇的な集中力と爆発で魅了する演奏だと思います。但し・・・ロンドン・フィルとの相性は如何なものか。金管の迫力は聴きものだけれど、弦の響きが全体に溶け合わず、薄いイメージがあるのは(やはり)録音のせいか。この人は、もっと長生きして、例えばコンセルトヘボウとか、バイエルン放響、シカゴ交響楽団辺りとの再録音を望みたかったところ。(1988年ライヴは聴いたことはありません)

Qdisc CD12Mahler 交響曲第6番イ短調〜ハイティンク/コンセルトヘボウ管弦楽団(1968年ライヴ)・・・テンシュテットとは対照的な味わいの演奏でしょう。劇的でも入魂方面でもない、淡々粛々と過不足のないオーソドックス系の表現。地味で、ほとんど恣意的な個性を表出しない、一見面白みのない演奏か。だけれど、オーケストラの豊かで奥行きのある響きがまことに快くて、全76分爽快な気分で聴き通せました。音質的にも盤石とは言えぬ放送録音と思うが、ロンドン・フィルと続けて聴けば、その技量の違い、余裕は一目瞭然・・・というか、作品の相性でしょうかね。そういえばハイティンクは、かつてこのオーケストラのシェフもしていて、その音源はなかなか復活しませんねぇ、残念。

凄い雨だけれど、これが梅雨なんでしょう。本日は内部打ち合わせのみなので、そう思い悩むことはありません。

少々不快なる事象が(内部で)発生して、すっかりやる気なくしました・・・ま、若いやつの面倒を少々見て、残業してから帰りました。凄い雨でして、いつもバス停から田圃の畦を越えて我がマンションまで到達するんだけれど、ほとんど冠水状態・・・大型の鮒が跳ねていましたね。命の躍動か・・・明日休みにして、目医者歯医者連ちゃんします。


2006年6月某日

第2次オークション出品分はぼちぼち状態で入札が入っているが、いちおう今回で出品は休止だな。ま、ボーナス出たのでその座興みたいなもの、ということで。その作業に追われて、音楽への集中も弱まり勝ち。音楽の聴き方への姿勢、安ければ買う、という基本姿勢に揺るぎはないけれど、やや著名音源(=実際はそう興味はない、事実聴いてみてもさほどに感興が沸き起こらない。オークションでも入札はない)を買いすぎたか、と反省しております。BOOK・OFFのお世話になるしかないか。やはり、音楽人生裏街道をまっしぐら!的嗜好を貫こうじゃないの、ということです。

スヴェトラーノフのMahler 全集を買える状態となりました。つまり、数年前@500で入手していた第1/3/5/6/7/10番が、ほぼ購入金額でオークション処分成りました。(実際は諸経費でかなりのマイナスあるが、そのぶん聴いてますから)ところが人間の心理状態とはそんなシンプルなものじゃなくて、そういえばアブラヴァネル全集をしばらく聴いていないな、とか、テンシュテットへの嗜好がいつも揺れ動いていたっけ、タバコフ全集は一度聴いたっきりだなぁ、(第3番のみない)デ・ワールトをちゃんと聴いておかなくっちゃ・・・等々、思いは千々に乱れます。

VANGUARD 08 4010 71昨日のバーンスタインに続いて、Mahler 交響曲第7番ホ短調〜モーリス・アブラヴァネル/ユタ交響楽団(1964年)・・・知名度的には下がるが、同時期のアメリカで全集録音が粛々と進んでいたんですね。前者との違いは明瞭でして、もっと柄が小さく親密、アクとか作為感の少ないもの。オーケストラの力量的にはニューヨーク・フィルの骨太さ、リズムのスケールに及ばないが、誠実で正直なアンサンブルも悪くはない。怪しげな作品・・・的印象の第7番だけれど、しみじみとした味わいは、むしろ好みであります。カッコ良さとか、盛り上がりには欠けるけれど、第2〜4楽章の内向的な作風に似合っていると思います。音質も悪くはない。

本日は広島(方面)往復なので、音楽たっぷり聴けると思います。


2006年6月某日

オークションのほうは出品すると同時に、落札もしていて、先週のMozart 「嬉遊曲とセレナード+舞曲集」23枚など大きな成果だと思うが、”他の人は絶対買わない!”と想像される数枚、落札しております。それは”駅売海賊盤”〜出品中比較的安いけれど諸経費がいろいろ掛かるから、ほとんど”自分なりのマニアックな楽しみ”のために・・・ということになります。昨日届いておりました。

Mahler 交響曲第2番ハ短調〜ショルティ/ロンドン交響楽団/ハーパー(s)/ワッツ(a)(1966年)は、AV JAPAN AC-3007(英DECCAの海賊盤)を(レシートによれば)2004年9月15日BOOK・OFF高知駅前店にて@250入手済み、但し、これは2枚目(第3〜5楽章)のみだったんです。で、この度AC-3006(一枚目第1/2楽章)を300円(諸経費別)で入手!目出度い。一般にワタシはショルティのムリムリな威圧感に少々敬遠気味だけれど、この「復活」の集中力には少々感服、というか、体調良好時には、その硬質なる緊迫感を楽しめる、と感じていたんです。ひとまず”全曲揃い”目出度い。今朝から全曲楽しんでおります。

FCD-321-322 ある意味稀少盤・・・だけれどもう一件、Mahler 入手。交響曲第7番ホ短調〜バーンスタイン/ニューヨーク・フィル(1965年)+「亡き子をしのぶ歌」(ジェニー・トゥーレル(ms)1960年)・・・バーンスタインの旧全集は、第1/3/4/5/9番が手許にあって(有り難いいただきもの)、アンサンブルの仕上げが粗い”熱血入れ込み系”演奏を必ずしも好んではないが、やはりブームの先陣を切った演奏に敬意を表してぼちぼち聴いてみたいな、と。これがナント「FIC(エフ・アイ・シー)」のFCD-321-322つまり駅売海賊盤2枚組。未だに見掛ける「ANC」ナンバーより以前に出ていたものらしく、ワタシは初めてその存在を知りました。落札800円(諸経費別)也。

やや粗野なアンサンブルで、細部明快に表現していて(微細パートの様子もわかる/例えばギターとか)粘着質+アツい表現に間違いはないが、立派な交響曲として仕上げる意欲を感じました。難解なる作品だけれど、ずいぶんとわかりやすい。それにしても、この辺りのニューヨーク・フィルのアンサンブルは少々いただけませんね。録音が乾燥気味なのは、正規盤じゃないから安易な評価を下せないが、ま、第5番だって結局正規盤で確認してもそう変化はなかったから、こんなものなんでしょう。

午前中、諸作業さっくりこなしつつ昼から地元取引先へ。和気藹々と(エラいさんとの)会議を終え、更に商談2発〜我らがチーム2年ぶりに予算達成し感慨深いが、ワタシ以外のメンバーはぽかんとして(なんのことやら)わからんみたいです。そのまま、帰宅。女房外食で、フロ入って残り物喰いつつ(やはり残り物の)赤ワインで陶然・・・半分居眠りしつつHolst 組曲「惑星」〜カラヤン/ウィーン・フィルハーモニー(1961年)を。

ずいぶんとスタイリッシュで、カッコ良い演奏だと思います。一年前の自らの感想では「大柄で自信満々のカラヤン節炸裂、オーケストラも録音も(やや不自然ではあるが)美しい・・・でもさ、これ英国音楽の抑制とか含羞とか、そんな雰囲気ではなくて、良くできたヴィルティオーゾ作品的扱いか。ワタシには細部が少々雑な印象にも聞こえます」と。ああ、上手いこと言ってますね。ボウルトと並んでこの作品を大衆的にした殊勲者か。ストコフスキーもあったっけ。

BRILLIANT 99315Mozart セレナード 変ロ長調K.361(370a)「グラン・パルティータ」〜アレクサンダー・シュナイダー/ヨーロッパ室内管弦楽団(1985年)・・・彼は高名なるブダペスト弦楽四重奏団のヴァイオリストであり、カザルスとの親交が篤いことでも知られる音楽家であります。じつは先日オークションで落札した「23枚」中、既存所有ダブりの一枚であり、なによりワタシ最大のお気に入り作品。演奏に優劣付けること能わず!ストコフスキーで出会った作品だと思うが、このサイトでもまともなコメントは不可能でした。52分に渡る、まさに大組曲であって、陶酔の連続である美しい旋律には、サリエリならずとも(上質なる赤ワインに負けず)陶然としたひとときを約束して下さいます。オーソドックスでしっかりとした技巧に支えられた、立派な演奏。


2006年6月某日

さて気分一新して、新しい一週間を乗り切りましょう。昨夜は(女房と)飲み過ぎました。サッカー「クロアチア戦」は負けなくて良かったが、隔靴掻痒の感有。ほんまは当初、尼崎までMahler を聴きに行く予定だったが、どうも出不精状態で・・・本日夕方より高松で、明日昼から地元・岡山でお客様と定例会議だけれど、資料準備はほとんどできております。問題は、”時間”でして、出発までに(毎週の予算進捗コメント)資料+明日本部提出締め切りの書類+お客様への諸報告(これは先週失念していた)、他様々トラブルやら、いろいろあると思う・・・これをほとんど午前中にすべてこなさなくては!(しかも、自らこなすのみならず、チームメンバーにやっていただく〜これが苦しい)

オークション、落札者全員から連絡有。連絡があったところには、さっさと送付したので「まだ入金しておりませんが、届きました」とも。いいんです。昨日、第2次出品に入ったが、どんなもんでしょうか。金額の多寡はどーでもエエ、その音楽を楽しんでくださる人に!とBBSではカッコ付けたが、出品料+落札料でけっこうな金額負担になっていて、こりゃほとんど儲けはありまへんな。”無条件で引き取っていただけて、手間要らず”という点では、BOOK・OFF処分の方がラクかも知れない。でもさ、遣り取りを楽しむ、ということにしておきましょう。

とうとうサイト用原稿執筆できず。Bach ブランデンブルク協奏曲第5/6番/アイネ・クライネ・ナハトムジークK.525〜クレンペラー/プロ・ムジカ管弦楽団(1946年パリ)・・・これは驚くほどモダーンなセンスであって、筋肉質のしっかり芯を感じさせるアンサンブルでした。音質がやや貧弱であること、チェンバロが時代的に金属的な響きであることを除けば、雄弁なフルートを先頭にノリノリの楽しいBach !フレージングの末尾がかっちり切り上げられる「アイネ・ク」も立派です。

Lily KLD-28(PHILIPSの海賊盤)中古@250 Made in KoreaBeethoven ヴァイオリン協奏曲ニ長調〜ヨゼフ・シゲティ(v)/ドラティ/ロンドン交響楽団(1961年)・・・最晩年の演奏だけれど、旧録音(ワルターとの)よりやや技術的衰えは見られるけれど、立派なもんです。もとより、技術のキレで勝負する人ではなかったし、ゆったりとしたテンポで作品の(内面的な)美しさをシミジミ感じさせて下さる、ワタシの原点!でも、駅売海賊盤!@250円!ごめんよ。

では、行って来ます。

出先の高松より、それなりに遅くなって帰宅。女房は某用事にて本日不在。朝からチーム・メンバーに(しつこく)説教連続で、皆ウンザリしていることでしょう。ワタシもお疲れ気味〜はい、みんなでビデオ見てね、と会議室に集まったら、それは「セクハラ」ではなく「メンタル・ヘルス」対策でした。うむ、エエ勉強ですな。朝、早く起きて余裕を持つこと、一日の(心身ともの)疲れを毎日クリアにする努力をすること、休日でも生活リズムを崩さないこと。ワタシは睡眠の質量とも不足していて、それだけが気掛かりであります。ワタシはちょっとした合間に、よく背伸びしたり、首や肩を回したり、(スペースがあれば)下半身のストレッチしたりしているが、その行為はとても効果的だそうです。

高松は往復しっかり2時間掛かって、自宅からの職場往復時間含め、けっこうしっかり音楽が聴けるんです。激安密着型イヤホンの効果で(音質の不備さておき)しっかり騒音対策も可能。計4枚(ほぼ)聴了。最大感動物件はBach ブランデンブルク協奏曲第2/3番(1984年)〜イ・ムジチ/トゥーヴロン(tp)/コプリー(リコーダー)/ホリガー(ob)/ヴァイオリン・ソロは当時のリーダーだったカルミレッリ。ま、この作品だったら、どんな演奏でも大好きだけど、まさに現代楽器演奏の精華!的圧倒的技量の披瀝に慄(おのの)くばかり・・・いえいえ、インターナショナルな明るい雰囲気に満ち溢れ、ソロは滅茶苦茶上手い!

トゥーブロンの洗練かつ軽快なトランペットは、まるで鼻歌ですよ。マイケル・コプリー(ケンブリッジ・バスカーズですな。懐かしい)は小技の効いたスウィングであり、カルミレッリの美音はひとつひとつの旋律に”入魂の涙”的ヴィヴラートが・・・なにより、リズム感が溌剌としてノリノリ、通奏低音を担当するチェロのパンチとメリハリに聴き惚れます。「古楽器だ現代楽器だ」論争無意味!(残り時間切れで第4/5番聴けず。残念)こんなに音楽に、心底感動したのは久々か?

R.Strauss 交響詩「英雄の生涯」「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」〜マイケル・ティルソン・トーマス/ロンドン交響楽団/ブランシック(v)(1986年)・・・オーケストラが威圧感のない素直な響きだし、ティルソン・トーマスの解釈も奇を衒ったところのない、悠々と余裕のあるもの。現代の英雄は飄々としているんでしょうか。ぎらぎらとした”英雄色を好む”的演奏ではなく、すっきりスマートで、おそらく世評はそう高いものではないと思います。ワタシは、こんな方向がとても気に入りました・・・というか、この演奏だったら素直に聴けちゃう。

NAXOS 8.553125 中古@250Massenet(1842-1912)管弦楽組曲第4-7番〜ジャン・イヴ・オッソンス/ニュージーランド交響楽団(1994年)・・・Bizetの「アルルの女」とか、あの辺りを連想すると似ているかもね。専門的なことはわからぬが、旋律の作り方が不思議で粋な魅力に溢れ、おそらくはその地方の旋律が題名になっているのでしょう。「ナポリの風景」とか「アルザスの風景」とか。「おとぎの国の風景」のラスト「バッカナーレ」の、大衆的冒険活劇風物語!的旋律は何処発なのか?演奏は、やや(アンサンブル、リズムとも)緩いのかも知れないが、ベルリン・フィルとかシカゴ響で聴くような音楽じゃないと思います。充分楽しい。新しい発見ありましたよ。

さて、問題はMahler 交響曲第1番ニ長調〜ハイティンク/ベルリン・フィルハーモニー(1987年)・・・ワタシはハイティンクの大ファンだけれど、一連のベルリン・フィルとの録音だけはどうも馴染めません・・・彼の自然体の暖かさ、みたいなものが滲み出ないで、オーケストラの(冷たい)機能性ばかり目立っちゃうような?しかし、最終楽章に至って、いつもはやかましいだけ(に感じる)の音楽が、表面を湖塗しない、かなりザラついた響きで深みを感じさせました。もう少しか?この演奏に目覚めるまで。


2006年6月某日

オークションは予想以上に入札されて、送付作業に追われているが、一日経って連絡をいただけない方が3名・・・締め切りぎりぎりにじわじわ10円単位で入札が入るのがオモロくて眺めていたけれど、終了後できるだけ早く連絡差し上げるのが礼儀と思ってメールしたが、音沙汰がない。ま、一日くらいですから。ワタシはこういった実務作業に関しては”イラチ”なんです。いや、なんでもか。

昔、読んだ本だったか、「製造業の合理化に比べてホワイトカラーの業務はあまりに前進していない」旨載っていた記憶があります。既にそれから10年は経過していて、現在ほどコンピューターやネットの普及は進んでいなかったはずで、ところが事態は遅々として改善していない。我がお仕事チームの日常作業ぶりを拝見していると、作業優先順位(=手抜き。到達見込みの見切り)とか、一度苦しんだ事項の工夫改善(コンピューター作業に限らず、もっとシンプルな)とか、お仕事終了時間の自分なりの制限目標(何時で終わらせて飲みに行くぞ!サッカー見るぞ!デートするぞ!何でもOK)とか、これが全然出来ていない。メリハリが足りない。30秒仕事に5分掛け、30分仕事に5時間掛けちゃう。(そんなときは実際に、眼前でやってみせます)

更に、イレギュラー/トラブル/ミス(んなこと、毎日じゃないですか)に弱い。臨機応変に柔軟に修正、次善の策を考えられない。困難を逃げてしまって、事態を悪化させる・・・これが、我がチーム最若年28歳だったらエエですよ、修行中の身だし(彼にとって一番重要なのは、彼女を口説くことだ!)。40過ぎたヴェテランがぶつくさ言うなよ!(と、愚痴をサイト上で激昂させてしまう説教中年の悲哀)・・・ワタシはさっさと帰宅して音楽聴いたり、サイト更新したり、スポーツクラブへ行ったり、2時間ドラマの再放送を楽しみたいんです。だから、お仕事にも気合いが入る!閑話休題(それはさておき)

先日オークションにて入札したMozart 「嬉遊曲セレナード全集」(BRILLIANT 92627/1-23)は、正確には「+舞曲集行進曲集」であって、詳細調査の結果、既存手持ちCDとのダブりは、著名なる「グラン・パルティータ」K.361(370a)〜アレクサンダー・シュナイダー/ヨーロッパ室内管弦楽団(1985年)と、セレナード ニ長調K.203〜ジル・シャロン/アマティ室内管弦楽団(1996年)の「CD1枚半分」であることが判明。傷は浅いぞ!いくつか聴き進めた全体感想は、得難い作品収集(どれも楽しい!)であること、一枚のCD中に異なる演奏スタイルが混在していて、やや違和感があること、でしょうか。

Mozart の嬉遊曲とセレナードは、十数年を掛けてぼちぼち収集してきたが、作品知名度的に中古盤/廉価盤で出現しにくいものもあって、虫食い状態あちこち抜け渇望感があったんです。ことしに入って8枚ほど入手していたけれど、さきにこの23枚に出会っていれば過半は購入しなかったかもね。人生とは出会いの妙ですな。

Mozart カッサシオン ト長調K.63/変ロ長調K.99〜フローリアン・ヘイエリック/マンハイム・プファルツ選帝候室内管弦楽団(2002年)+嬉遊曲ニ長調K.251(第11番)〜ブルクハルト・グレッツナー/新バッハ・コレギウム・ムジクム(ライピチヒ 1989年/以上BRILLIANT 92627/3)・・・ヘイエリック/クアプファルツのコンビはすっかり馴染みとなり、ザラリとした触感+さっぱりとした旋律表現が素朴であります。グレッツナー(この方、オーボエ奏者であったような?)のほうは、やや厳格なるアンサンブル(現代楽器でしょう)を誇って、生真面目なる演奏スタイルだけれど、これとてヴォルフガングの魅力を減じるものではない。

RCA 77536-2-RV 中古525円5月東京出張時にコレギウム・アウレウムのCDを数枚入手していて、Mozart セレナード第4番ニ長調K.203「コロレド」+行進曲K.237(189c)(コンサートマスター;フランツヨゼフ・マイヤー(v)1983年)・・・我らがヴォルフガングには「気がすすまぬお仕事だった」旨だけれど、そんなことは(後年の音楽愛好家には)微塵も感じさせぬ、一点の曇りもない愉悦に溢れた楽しい作品!旧来風穏健なる表現に、やや素朴な楽器の響きをプラスし、抑制された浪漫風余裕の表現がまったく気持ちよろしい。彼らの表現(使用楽器)は”折衷的”だそうだけれど、できるだけCDを集めたいものです。録音は極上の瑞々しさ。


2006年6月某日

お休み。サイトは昨日定例更新済みだけれど(例の如く)在庫が払底していて、できれば週末休みでいくつか書き貯めておきたいもの。集中力が必要なんです。平日は疲れているし時間はないし、週末は精神が弛緩してどうもいけない・・・出張外食(+酒)続きで体重増加傾向か。今朝、頑張ってスポーツクラブへ行って参りました。しっかりカラダを動かして、たっぷり汗をかいて参りました。

昨日ちょいと触れた日垣隆「敢闘言〜さらば偽善者たち」(文春文庫)の件、重要なるコメント漏れ有。1993〜2002年迄の執筆であり、初期の頃は未だバブルの余韻あった頃か、”優秀なる著作は旧くならない”という見本のような、立派な内容です。物事を単層に、表層に見ないで複眼で見ること。流言を真に受けず裏付けをとること。発生した事象には複雑なる要因が絡み合っているんです。日本は俳句短歌+キャッチフレーズ(コピー)文化であって、”一言(いちげん)にて言い得て妙”〜誰でもそれで納得文化の側面がある(それも時に悪くない阿吽の呼吸か?)から気を付けないと。

リンゴだけで、蒟蒻だけで、または断食のみで健康なるダイエットなどできるワケないじゃん。某特殊でクソ高い”酢”だけ単体で飲んでいたって、それだけで健康にはなれません。(あれは成分的に、フツウの安い酢とそう大きく変わりませんよ。アミノ酸が多いくらいか)紅茶キノコはいまどこに?(そんなことは、この著作には書いていなくて、ワタシが勝手に連想しただけ)

RCA 60178-2-RG昨日移動中聴いた音楽の続きを。Mahler 大地の歌〜フリッツ・ライナー/シカゴ交響楽団/ルイス(t)/フォレスター(con)(1959年)・・・まず、録音が驚異的に上質なこと、オーケストラの技量が文句なく優れていることに驚かされました。アンサンブルに集中力があって、重い。しかし、フレージングにムリがなくて、後年のショルティ盤(1972年)より、各パートのニュアンスが自然かつ入念と感じられます。フォレスターには圧巻の貫禄があり、ルイスの素直で、暖かい歌いぶりにも好感が持てました。

昼から、一週間前に出したオークションCDが次々と落札されたので、その連絡と荷造りに追われておりました。もとより金額の多寡など問題ではないが、意外なるものに入札が競合するおもしろさ有。最近BOOK・OFFの値付けに疑問を感じることも多い(買い取り価格ではない)ので、”楽しみ”としてぼちぼち継続しようかな?いろいろ”世間相場”(というか、非常識なものもある)が勉強になります。

昨日聴いた音楽の(更に)追加。Bruckner 交響曲第9番ニ短調〜ゲオルグ・ティントナー/ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団(1997年)・・・ティントナーの一連の演奏は、聴くたびに評価が揺れ、アンサンブルの緩さに耐えきれなかったり、逆に妙にシミジミと感服したり、で悩ましい。この人はオーケストラがどこであれ、響きが華麗にならないんです。この演奏は少々大人しめ(迫力不足)ながら、過不足ないオーケストラの実力で悪くないのではないか?と感じました。なんやかんや言いつつ、時に取り出すBrucknerであります。

DOCUMENT 223489-321/ABach オルガンのための6つのトリオ・ソナタ集BWV525-530〜ヘルムート・ヴァルヒャ(or)(1947/1950/1952年)・・・オルガン演奏なんてどれを聴いても同じ、的粗忽な感慨を抱いてきたが、ヴァルター・クラフトと、このヴァルヒャ旧録音を並行して聴くウチに様々なる感慨が・・・厳つく、重く、そして、とてもわかりやすい。旋律的にはむしろ軽快な作品だと思うが、ヴァルヒャの手に掛かると細部まで忽(ゆるが)せにしない几帳面なる表情が前面に出て、聴き手の背筋を伸ばしました。いわゆる現代のテクノロジー的水準では(もちろん)ないが、音質になんらの不満も存在しません。オルガンの豊かな会場音が響き渡りました。

出張移動中ラストはBeethoven 交響曲第3番 変ホ長調「英雄」〜クーベリック/ベルリン・フィル(1971年)・・・先月購入したての印象では、第2楽章「葬送行進曲」があまりに重苦しい、と。優秀な技術+洗練と厚みを誇るオーケストラを率いてクーベリックは楷書の表現であり、心の内に秘めたる情熱を感じさせる立派な演奏!に間違いなし。しかし、罰当たりなワタシはこんな正統派Beethoven が胸に重いんです。聴いていて疲れちゃう。例えばハーノーヴァー・バンド(1987年)とか、コレギウム・アウレウム(1976年)辺りの、軽快で愉悦感溢れる演奏〜そんな傾向が個人的好みである事実に過ぎません。


2006年6月某日

今朝は爽やかな天候ですね。この時期にしては、やはり涼しいのか、そうでもないのか、雨が少ないのか、フツウなのか、難しい空模様だ。これから松山日帰り往復対応。

昨日、(偶然)ネット検索で発見したDimmler、Winter、Tauschのクラリネット音楽「マンハイム楽派その4」〜イルジー・マラート/マンハイム・プファルツ選帝候室内管弦楽団(1994/95年)・・・久々確認したが、どうひっくり返って聴いても(ソロ・バックとも)”現代楽器”ですな。ヴィヴラートが美しく、アンサンブルも洗練されて、逆にややノンビリ牧歌的な作品に似つかわしくない、モダーンな演奏スタイルであります。Winter(1754ー1825)のヴァイオリン、クラリネット、ホルンとファゴットのための協奏交響曲 変ロ長調は、Mozart 協奏交響曲変ホ長調 K.297b(名曲!)に、とてもよく似ておりますね。それはともかく、わずかの間にこのオーケストラは宗旨替えして古楽器団体に変化したのか?はたまた別団体なのか。または折衷団体で、演奏スタイルが古楽器系に揺れたのか?

BRILLIANT 92627/1古楽器?のほうのフローリアン・ヘイエリック/マンハイム・プファルツ選帝候室内管弦楽団(2002年)は、嬉遊曲ニ長調K.135/変ロ長調K.137/ヘ長調K.138+ニ長調K.334(第17番)・・・飾りがないというか、素っ気ないくらいの淡々とした演奏です。星の数ほどある著名な演奏に慣れていると、肩すかしを喰わされたような、そんな気持ちになるかも知れませんなぁ。Mozart の”天衣無縫の天才”を実感させる前3曲は、さっくりとさっぱり薄味に仕上げられ、著名なるK.334「メヌエット」も快速テンポが快い、というか、潔し。

アンダンテのヴァイオリン・ソロは古楽器かなぁ?ずいぶんと纏綿と、美しく歌って、そこはかとないヴィヴラートも纏綿とセクシーだけれど。

松山より帰って参りました。日帰りはキツいですね。会議対応やら、始まる迄の雑談も和気藹々と有意義でした。が、一見些少なるトラブルが発生していて、ワタシは長い目で信頼を継続していく上で重要なる桎梏と理解して、少々悩ましい・・・チームの若い者から(悩みの)メールが来ていて「真正面からお詫びし、次善の策を打つしかない」と返事しておきました。なにからなにまで上手く行く人生など、つまらないではないか。

日垣隆「敢闘言〜さらば偽善者たち」(文春文庫)・・・著者は同世代であり、ワタシは大ファンであります。モウレツに辛口評論であって、「私憤を公憤に変える?それが偽善の始まりだと言っている」・・・うんうん!そうなんだなぁ、あくまで”自分が憤懣やるかたない”と感じたことを、実名と具体例(しかも、あくまで自らが体験したことに限定)で批判して、その先を予見することのあっぱれさ。様々な嫌がらせ、恫喝、脅し、そのストレスたるや想像を絶するものがあるけれど、その対象たるや旧守派権力系に限らず、労働組合やら政党、同業のフリージャーナリストに迄(ご近所クリーニング屋もあるけれど)及んで驚くばかり。

これだけの”言いたい放題”を許した「エコノミスト」誌も立派だし、数年後に全項目振り返ってコメントして、”その後”が興味深い。「私憤」だから3人の子供達のことも頻繁に出てきて、ま、同世代だし、よ〜くわかります。これは、久々に座右に置くべき一冊に出会いました!

(コレ、時代劇テレビ「剣客商売」見ながら書いております。週末の疲れをしみじみ解きほぐして、味が深い。原作を読むと、配役にはいっぱい不満があるんですけどね。筋書きがクっさくて最高!)

松山バスでの往復はずいぶんと時間を喰うし、帰りは少々(渋滞で)遅れました。持参したCDは全部聴きましたよ。安物密閉型イヤホンもそう悪くない。Mahler 交響曲第3番ニ短調〜ガリー・ベルティーニ/ケルン放送交響楽団/グヴェンドリン・キルブルー(con)/ボン・コレギウム・ヨゼフィヌム少年合唱団/バイエルン放送合唱団/ケルン放送合唱団(1985年)・・・なんのムリもない、暖かいオーケストラの響きに支えられて、自然体の音楽が響き渡りました。無為無策に見えて、じつは曰く言い難い味わい有。クーベリックをリファレンスとするワタシとしては、自然体に流れるがままの94分に痺れました。

Mozart 変奏曲集K.264/353/354/352/398〜バルト・ファン・オールト(fp)(2001年)・・・前回東京にて衝動買いした14枚組だったが、得難い存在ですね。無条件幸福ヴォルフガングの音楽+素朴な躍動充ちる古楽器の響きに魅了されて、これも幸せな移動時間を楽しめたものです。


2006年6月某日

5月とは対照的に空梅雨気味だったが、ここ高知は大雨で航空便欠航しております。夜に掛けて大雨になるらしい。ワタシ個人的には本日午前中の商談なく、昼から岡山に戻るのみ。用事がなければそのまま帰るんだけれど、明日、松山とんぼ返りで会議対応があって、その資料ができていない。ま、小一時間の作業だろうが。あと、ほかいろいろと消化すべき作業もあるでしょう。

明日、女房誕生日なので、なんか買っておかないと機嫌悪化させる可能性もあるし、どうしようかね。

高知での商談を無事終えて、昼過ぎ帰岡。明日の出張資料準備やら、残務整理、チームメンバーのご相談とかフォローとかしつつも、ほぼ定時でお仕事を打ち上げてバス上の人に〜エラく混んでましたね。雨は上がりました。連続酒席(中一日空けたが)外食連続、いつものブランシリアル+野菜ジュースという朝食パターン崩れたせいか、有意の差で体重増加が認識されました。反省します。明日からまた自粛しましょう。先日の健康診断結果が返却され、肝臓数値圧倒的改善!めでたい。この調子を維持、増進したいもの。

オークションは順調に推移していると思うが、どうも自分の入札が先行しますなぁ。BRILLIANTの”Mozart 大全集”は、過半を順繰り集めたあとに出現したのでガックリきたが、比較的抜けている「嬉遊曲セレナード全集」(BRILLIANT 92627/1-23 ほんまに全集かどうかは知らぬ)23枚分を分売して下さったので2,800円にて落札〜諸経費込みで3,500円程度だから@150程度か。(但し、裸、というか、紙パックの単体収納袋のみ。潔いがさすがにワタシ以外入札者はいなかった。現在までに一枚のみダブり発見)

BRILLIANT 92627/2さっそく、ぼちぼち聴き始めているが、いきなり悩ましい・・・”この楽団”、古楽器っぽいが、ほんまにそうなのか?”この楽団”とは「マンハイム・プファルツ選帝候室内管弦楽団(マンハイム)」でして、Google検索を掛けると記憶あるページが出現・・・これは現代楽器だった(?)・・・閑話休題(それはさておき)フローリアン・ヘイエリック/マンハイム・プファルツ選帝候室内管弦楽団(マンハイム・プファルツ選帝候室内管弦楽団との訳も存在する)の演奏は、4つのオーケストラのためのノットゥルノ ニ長調(セレナード第8番)K.286 (269a)/音楽の冗談 K.522/(そして傑作)アイネ・クライネ・ナハトムジーク ト長調(セレナード 第13番)K.525(2002年 92627/2)

やや粗野で勢いある古楽器(系)演奏でして、「ノットゥルノ」には夜の静謐な安らぎを感じさせ、「音楽の冗談」の(仰け反るような)愉しさ受容には、聴き手に知的な水準向上が必要であり、「アイネ・ク」には無条件なる黄金のバランスが存在します。ここ最近、大家の演奏に馴染んでいたためか、最初のウチは”やや仕上げが粗雑で柄が小さいか”と思ったが、いえいえ、いかにも小味で親密で、”粗野で勢いある” というのが(おそらくは)正しいでしょう。


2006年6月某日

昨日午前、机上下大混雑魑魅魍魎状態一掃!を目指したが、あちこち頼まれ仕事やら(緊急)資料作りとかで、状況変わらず、そのままクルマにて松山へ出発。夕方より商談連続だけれど、さっぱりこなした、というか、事前に資料送付調整済んでいたし、むしろチーム・メンバーの助言とかフォローに尽力いたしました。いろいろな人に声を親しく声を掛けられて、有り難い。

音楽聴かず・・・だけれど、敬愛する岩城宏之さん心不全で死去とのこと。小学生の時にナマで聴いているし、彼の著作はオモロかったなぁ、どれも。1960年代のBeethoven 交響曲全集が欲しいなぁ、激安で再発されないか。

出発前に昼飯を喰っていたら、ケータイに取引先より札幌視察旅行のコーディネート+同行を要請される・・・ダメモトで上司に(メールにて)相談したら、意外にもすんなり了承(こんどの上司は、もの凄くケチなんです)有。7月末、北海道行き〜但し、地元・岡山での最大の企画(起死回生の大セール)の直前なので”とんぼ返り”となります。8月には仙台出張があり、再来週にはハードな博多日帰り講演旅行有。動き出てきております。今月は(ずいぶんと久々)前年・予算とも達成しそうで、苦しい状況から一筋の光明が見えつつあるか・・・

本日、高知へ。昨夜はアルコール抜き。チーム・メンバー持参のノートパソコンに”スパイウェア”対策施しておりました。皆、どすけべサイト見過ぎやで。


2006年6月某日

昨夜はそんなに飲んだかかなぁ。今朝に至るも女房が「酒臭い」とのこと。出費も相当〜もとより覚悟のうえだけれど。本日(ありがたく)ボーナス出。松山〜高知へ出張。オークションは順調に入札増えているみたいです。頭痛なので以上執筆終了。


2006年6月某日

さて、新しい一週間〜やっぱり体感的には月曜お仕事開始でしょう。5時にけっこう揺れて目覚めました。大きな被害はなかったようだけれど。ワタシは(短時間)バス通勤だけれど、JRでは線路点検保守でダイヤ乱れるだろうな。今晩は、我らがチームの(ボーナスの出ない)派遣さん激励自主的(と、言いつつ誰も断れない)飲み会(年2回定例。半分ワタシ財源負担)也。明日より四国方面商談の旅、連続。机仕事の山(ピーク)は本日となります。

「贅沢Mahler シリーズ」ぼちぼち思い出したように更新しているが、感想いただいたので(勝手に)付加更新。音楽の好み、楽しみ方は各々個性的でよろしいと思います。オークションのほうはちょっとだけ入札が入りだして、ウォッチ・リストもほとんど入っているので、締め切り前にはかなり動きがあるのでしょう。売れる前に、気になるものを入札してしまって(本日入金なのに)昨日既に発送して下さったそう。頑張って聴かなくては。

Bach のオルガン作品だけれど、少しずつ勉強しております。「オルゲル・ビュヒライン」(オルガン小曲集ですか?BWV599-644)は、まずケヴィン・バウヤー(or)盤(1995年NIMBUS NI 5457/8)にて。もともとあちこちの自作の引用(またはその逆。他人の作品の旋律引用もあるのかも)があるらしいし、これは素晴らしく透明清涼なる合唱が冒頭に(ワン・フレーズ分)入るんです。録音も含め、安らかで優しいオルガン、合唱の集中力に感銘・・・余計な話だけれど、比較対照で「イエスよ、我が喜びBWV610」と「同作品モテトBWV227」を、ハンス・マルティン・シュナイト/レーゲンスブルグ大聖堂合唱団(1973年)を聴いたら、ちょっと愕然として思わずオークション行きを決意〜けっして、ヘロ演奏というワケではないが。

更にヘルムート・ヴァルヒャ(or)(1950/52年)で確認したら、その孤高の厳しさに驚いたものです。

BRILLIANT 93025 CD2Mozart では待望の入手であった、バルト・ファン・オールト(fp)によるピアノ(ソロ)作品全集(14枚組 BRILLIANT 93025)より、まず2枚分、ソナタ第13番 変ロ長調 K.333 (315c)/幻想曲ニ短調K.397/ハ短調K.396/ソナタ 第10番 ハ長調 K.330(300h) (1997年)、ソナタ第17(16)番変 ロ長調K.570/幻想曲ハ短調K.475/ソナタ第14番 ハ短調 K.457/アダージョ ロ短調K.540/ソナタ第18(17)番ニ長調K.576 (2000年)確認。ワタシは「Mozart 無条件幸福」オトコなので、演奏の優劣などコメントしがたい。ましてや、ワタシのソナタ全集のリファレンスはグレン・グールドだから、もとより好みがねじ曲がっております。

フォルテ・ピアノは、現代楽器の前身という意味ではなく、独自の個性を以て、ニュアンス細かく古雅に響き渡りました。幻想曲ハ短調K.475/ソナタ第14番 ハ短調 K.457〜この辺りが(あえて言うなら)もっとも好みの世界であって、柔らかく揺れる旋律が軽快なノリで表現されました。

BRILLIANT 99416 久々、Vivaldi「四季」・・・滅多に聴く機会のない作品であり、カラヤン以来か?トレヴァー・ピノック/イングリッシュ・コンサート/サイモン・スタンデイジ(v)(1978年CRD旧録音)にて。ほとんどかそけき・・・的繊細かつオーソドックスな世界になっていて、華麗な装飾音とか、過激なるデフォルメとは無縁な穏健派古楽演奏でした。とてもゆったりとした気持ちで、こういうのが長く楽しめる演奏なのか、と感じ入ったものです。

あとカラヤンのSibelius ・・・おっと、出勤時間でした。


2006年6月某日

昨日、予定通り朝一番にてスポーツクラブへ行き(70歳くらいと思しき”新人”参加!偉い)、昼からはひたすら”オークション”出品をしておりました。いろいろとエラそうなことを言っていたが、わずかの間に宗旨替え〜エエ加減なもんです。【♪ KechiKechi Classics ♪】の読者も、ぜひ入札を!

数日前、メールにて

マーラーの8番の勉強と思って未聴だったEduard Flipseとい う人の指揮するロッテルダムフィル(1954年ライヴ)を聞いてみ ましたが マーラーを演奏をするというより祝典カンタータを演奏して いるような素直で率直な表現に感動しました。録音も当時としては、超 優秀です。この録音は、商業録音として最初期のものかもしれません。 Scribendumから出ているモリスの10番にカップリングされた演奏です。
・・・との読者コメント有。

昨年2005年11月の「音楽日誌」にて

エドゥアルド・フリプセ/ロッテルダム・フィルによるMahler 交響曲第8番変ホ長調(1954年6月3日オランダ音楽祭ライヴ)は、モリスの第10番(クック版)とともにCD化されているが、声楽陣情報が不明(掲載されず)でした。ネットで偶然発見(旧いLPの販売らしい)したが、 A..クッパー、H.ザデク(s)/R.フェーエンバーガー(t)/ロッテルダム・フィル合唱団(少年合唱団はわからない)とのこと。蘭PHILIPSの録音で、アドラー盤に次ぐこの作品の旧い録音らしい。特別な感慨ある演奏とも思えないが、フリプセの名前を冠した指揮者コンクールもあることだし、オランダでは愛された往年の名匠なのでしょう。
との自らのコメントあるが、肝心の演奏は?とんと記憶がない。で、早速確認いたしました。(オークション作業の合間に)

これが、大仰なる合唱の表情が濃厚過ぎて、この大曲には(ワタシ個人的嗜好では)もっとも相応しくない、混沌怒濤阿鼻叫喚の混迷に至って聴きづらい。これはあくまで嗜好問題でして、このコメントを下さった方は学生時代から合唱のスペシャリストであり、グロスマンの「ヨハネ受難曲」にて「悪くないですよ、慣れですよ、慣れ」という的確なる教育的指導を下さった方だから、ワタシが間違っている可能性も高い。

ARIOSO 105-CD1第1/6/8/9/10番「アダージョ」を含む4枚組1,654円。お買い得! で、口直しというか、ミトロプーロス/ウィーン・フィルハーモニー/ミミ・ケルツェ(s)ヒルデ・ツァデク(s)ルクレティア・ウェスト(a)イーラ・マラニウク(a)ジュゼッペ・ザンピエーリ(t)ヘルマン・プライ(br)オットー・エーデルマン(b)/ウィーン少年合唱団/ウィーン国立歌劇場合唱団/ウィーン楽友協会合唱団(1960年ライヴ)を久々・・・いやぁ、仰け反りました!LP時代(劣悪音質怪しげ盤)からのお付き合いだけれど、ゆったりとしたテンポ(約79分)、音質条件乗り越え(想像よりずっと状態はよろしいが)これほど細部の明快さとスケールがバランスして、暖かな喜びと冷徹なる集中力に溢れたアンサンブルには、そう簡単には出会えないでしょ。

交響曲第6番でも感じたが、センス的に非常にモダーンであって、弟子筋であるバーンスタインとはまったく方向が異なります。むしろブーレーズに一脈通じるような・・・(あちらには浪漫の欠片もないが)そんな感想をもったものです。

CBS/SONY 66DC 5129〜31 第5/9/1番3枚組・・・その弟子筋の演奏を・・・Mahler 交響曲第1番ニ長調〜バーンスタイン/ニューヨーク・フィルハーモニック(1966年)を。ま、一番人気の人だし、現在のMahler 普及の先駆けとなった録音だけれど、ワタシは(新録音も含め)ほとんど真剣に聴く機会を得ておりません。(基本的にはSONYはんが廉価盤には熱心でなかったことと、聴き手の天の邪鬼性格による)これは、有り難くも”いただきもの”

録音がいまいちなこと、アンサンブルの肌理が粗い(オーケストラが上手くない?)ことに気付きます。あとは好みの問題でして、前のめり熱血入れ込み系若々しい表現でOKか、ということになりましょう。静謐繊細な部分にまで、入魂のアツい熱気が感じられて、これは得難い個性と集中力か。やや落ち着かないが、あえて言うならテンシュテットの方向に近いでしょうか。ワタシは後年の録音もほとんど聴いたことがないし、まだまだお勉強中であります。


2006年6月某日

昨夜遅く、飛行機にて帰宅。女房殿、宇都宮へ出張で不在。体調、そう悪くない。本日、(馴染みの)スポーツ・クラブへ行くが・・・

長野茂「日常ながら運動のすすめ〜フィットネスクラブ無用論」(講談社プラスα新書)・・・これは良い意味で”優れたノウハウ本”ですな。この方はダンベル体操の提唱者でもあるらしいが、日常の細切れ時間のみならず、仕事中、出張移動時間中、会議中、在宅中でも気軽に出来て、効果ある「ながら運動」を教えて下さいます。いいですね。ワタシはスポーツ・クラブは気分転換に必要だと思うが、こうしてスケジュールが立て込んでくると間が空いてしまう・・・疎遠になり勝ちになるのも事実。昨日来、結構空港待合室やら、機内でも試してみました。

メールにて「密閉性を高めたイヤホン〜壱万円ほど」お勧めあったが、ビンボー症のワタシにはツラいもの。んなカネあったらCD30枚ほど買えまっせ・・・と、言いつつ華のお江戸には電気屋がたくさんあって、イヤホンの品揃えも並じゃないピンきり揃ってます。ま、完全密着じゃなくても、通常のインナー・タイプよりより密着度が増していてばエエじゃないか、ということで、3,000円ほどで・・・と、これにも手が出ないKechiなオトコ也。一番安い780円じゃなんだから、980円(品質同じで巻き取り装置付属)購入。「EXCEL SOUND」とかいう怪しげブランド品。

・・・う〜む、(中くらいの)失敗か。巻き取り装置は必要なかった、というか、むしろジャマ。耳への密着度が高まった分、低音がよく響いて小さな音量もよく聴き取れました。メール御指南では「地下鉄の中でためしてみると、案内放送も聞き取れない程の遮音効果」(高級品ですな)とのことだけれど、こちら安物では、ちゃんと羽田空港案内も聴き取れます。問題は音質でして(予想していたけれど)高音が伸びないのと、音の粒が粗い・・・音楽の印象ががらりと変わります。

harmonia mundi RUS 288 134 中古@500Mahler 交響曲第5/6番〜スヴェトラーノフ/ロシア国立交響楽団(1995/90年)を楽しんだけれど、聴き疲れのしない渋い響きに・・・って、安物密着型イヤホンの成果(?)でしょうか。刺激的威圧的金管がくぐもった世界に変貌していて、しかもいつもより中低音が豊かに・・・ま、いつも使っていたイヤホンもあるし、状況によって使い分けましょうか。第6番は以前のコメントに尽きるが、第5番は、思いの外清涼な響き・・・だけれど、微妙に粘着質な旋律のタメがあって、まったりと重く、金管のアクも楽しめます。全集への渇望はいや増すばかり。

どうせ聴きこなせないのに・・・でも、新規購入の意欲を失ったらもう精神的にアカンから、と言い訳しつつBach !ヘルムート・ヴァルヒャ(or)オルガン作品10枚組購入(1,480円)。永遠の初心者であるワタシは、まず著名なる作品が含まれるCD4へ。プレリュードとフーガ(ドリア調) BWV538/トッカータとフーガ ヘ長調 BWV540/トッカータとフーガ ニ短調 BWV565/プレリュードとフーガ ホ長調 BWV566/トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調 BWV564/パッサカリア ハ短調 BWV582(1947/50/52年)・・・ほとんどコメントを付けることなど不可能なる崇高なる音楽だけれど、謹厳で孤高、ヒリヒリと胸が痛むような劇性かつ真摯な世界を感じました。辛口で、禁欲的〜もとよりそのような音楽なのかも知れないが、北ドイツ(見たことも行ったこともないから想像の世界だけれど)の厳しい風土気候が反映している・・・のかどうかは知らないが。

引き続き、ロバート・クラフト(or)で、「わが喜びなるイエスよ」 BWV610 /「神のひとり子なる主キリスト」BWV698 /「われとともに神の慈しみを讃えよ 」BWV613/ 「汝のうちに喜びあり」BWV615/「主なる神、いざ天の扉を開きたまえ」BWV617/「神よ、われを助けて遂げさせたまえ」BWV624/「アダムの堕落によりすべては朽ちぬ」BWV637/「人はみな死すべきさだめ」BWV643/「ああ、いかにはかなく、いかにむなしき」BWV644/「尊き御神の統べしらすままにまつろい」BWV642/「主よ、われ汝に望みをいだけり」BWV712/「これぞ聖なる十戒」BWV635/「天にましますわれらの父よ」BWV636/アッラ・ブレーヴェ ニ長調BWV589/ペダル練習曲BWV598/フーガ ト短調BWV578/「いざ来ませ、異邦人の救い主よ」BWV699/「神の子は来りたまえり」BWV703/「キリストをわれらさやけく頌め讃うべし」BWV611/「イエス・キリストよ、讃美を受けたまえ」BWV697/「高き空よりわれは来り」BWV701/「全能の神に讃美あれ」BWV704/「われらキリストのともがら」BWV710/「イエスよ、わが喜び」BWV713/「尊き御神の統べらすままにまつろい」BWV691/「尊き御神の統べらすままにまつろい」BWV690/「われはいずこにか逃れゆくべき」BWV694(CONCERTOROYALE 206204-360 CD1)を。

ようやく3枚聴き通したが、ヴァルヒャとは別世界の暖かく、安らぎに充ちて、とても聴きやすいというか、優しい癒し系(やや陳腐化した表現か)であることが理解できます。以前、どなたかのブログに取り上げられていて、思わず嬉しくコメントしてしまったが、たしかその時の(自らの)感想は「草の香りがするような、素朴な・・・」そんなものだったはず。音質も良好(ステレオ)だし、全集録音激安で復活して下さらぬか。(そうならそうで、ダブり買いの悩み発生するが)


2006年6月某日

昨夜は、お相手が大のビール好きで少々お付き合いが過ぎました。酒は残っていないし、さほどに体調悪くもないが、ずいぶん早く目覚めてしまって超・寝不足です。昼過ぎまで名古屋、そのあと新幹線で東京まで死んだように眠り・・・と思ったら、うるさいケータイ・メールで起こされちゃう(たいした用件でもないのに)。

夕方、ずっしり重いリュックをホテルに預けて本部へ・・・重要案件の講演というか、学習会に参加。見知った人々と雑談しつつ、そのまま逃げるように早々にホテルへ。喜多方ラーメン喰って、フロ入って、出張レポート仕上げて・・・肩がバリバリに凝ってます。先月行ったスポーツ・クラブに出かける意欲も出ない。ホテルにネットの接続環境なし。とにかく、執筆だけしておきましょう。

音楽は(同行のお客とおしゃべりしたり、眠ってしまったりで)ほとんど聴けておりません。それに、新幹線の騒音がうるさいなぁ。(なんか密閉性を高めたイヤホン〜壱万円ほど〜を勧められたが・・・)Mahler 交響曲第1番ニ長調〜スヴェトラーノフ/ロシア交響楽団(1992年)・・・収録音質問題故か、弱音部分に集中できない。が、第3楽章後半の(急なテンポ・アップでの爆発)辺りから面目躍如、遠慮会釈ない金管のエッチな爆裂がやってきます。

いつもはやかましい印象の最終楽章だけれど、びろびろの金管ヴィヴラートが浮き立って妙に楽しい!帰宅したら、再度印象を確かめないと。

PHILIPS PHCP-10131 中古@250朝、時間があったので音楽聴きました。前夜ゆっくりしたので、体調快復。(いつものBOOK・OFF五反田に支店で購入した)Tchaikovsky バレエ組曲「くるみ割り人形」(小澤/パリ管1974年)/バレエ音楽「白鳥の湖」より(モントゥー/ロンドン交響楽団1962年)/バレエ「眠れる森の美女」より(ドラティ/コンセルトヘボウ管弦楽団1979〜81年)(PHCP-10131中古@250)・・・

これは”寄せ集め”だけれど、三種三様の個性が楽しめます。うむ、モントゥーの貫禄勝ち!音質だって充分、少々旧くたって。小澤とパリ管の相性はよろしいと思うが、どうも潤いと落ち着きが足りない、緻密な演奏・・・(って、バレエ音楽に貫禄とか緻密が必要かどうか?)コンセルトヘボウはエエ音で鳴ってます。

終日、会議対応。どーして、こんなに精神的に追いつめられているのか。東京の同僚のチームで、つい先週”メンタルヘルス”に一人病られたそう〜。


2006年6月某日

涼しい朝だけれど、昼には名古屋で良い気候でしょうか。風邪は治ったはず(咳も熱もなし)だけれど、肩が凝っているし、昨夜は頭痛だったからこれが怪しい。お客同行の出張だし、引き締めて行きまっしょい。

昨夜、今朝と引き続きMozart !交響曲集(中期)をいろいろ聴いて楽しんだけれど、コメントむずかしいな。先日、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」音楽祭2006の様子をテレビで(少々)見たが、交響曲第41番ハ長調「ジュピター」の古楽器溌剌躍動リズム演奏に感心しました。(演奏団体はわからない・・・調べていない)古楽器を嫌う方もいらっしゃるようだけれど、往年の貫禄演奏(あくまで録音での印象で)とは世界がまったく違う、鮮烈なる印象を受けたものです。どちらがより優れている、という論議ではないが。

harmonia mundi RUS 288 177.18 2枚組950円激安全集登場が悩ましい中途半端揃いのMahler より、交響曲第7番ホ短調〜スヴェトラーノフ/ロシア国立交響楽団(1992年)・・・ワタシの聴き方がおかしいのだろうが、極めてまとも、真面目なる演奏であって、(この作品に期待する)怪しい(妖しい?)雰囲気とか、スヴェトラーノフの代名詞みたいになっている”爆演”系でもない。 清涼なスケールを誇って、真っ当なMahler であります。異形性ばかりが喧伝され、もてはやされる風潮はいかがなものか。

さて、出張です。金曜朝一番の定例更新は不可能。体調よろしければ、その日の深夜作業いたします。

(在名古屋)数件、お客とともに視察。エエ勉強になるし、お客(のウチひとりはエラいさん)とはいっそう親しくなるし、しっかり飲んできました。でも、望んで行った大衆居酒屋のサカナは少々味が濃すぎたな。明日は、昼過ぎまで視察続けて、そのまま東京へ。


2006年6月某日

ワタシの勤め先の最高議決の総会があって、その関係で幹部異動有・・・またまた驚くべきサプライズ人事があって、若手抜擢というか、順風な手順を経ない経歴から本丸幹部へ!今年は続くなぁ、お取引先でも似たような世代交代が続いております。ワタシは岡山で塩漬け状態だけれど、ま、仕事も人生も充分楽しんでおります。昨日もグズグズとお仕事消化しつつ、夕方から(引継も兼ねて)数件メーカー商談〜そのまま若い者を連れて「お別れ会」・・・って、ほんま5年ほどお世話になった人々と(楽しく)痛飲!また酒だ。

風呂も入らず、倒れるが如く寝てしまったので音楽聴いておりません。ここ最近、BBSへの書き込みも途絶えがちなのを気にされてか、滅多に来ないメール数件有。先週更新のMozart 序曲集(ワーズワース)に関連して、

山尾敦史さんがNAXOSから選曲したモーツァル トのアンソロジー(10枚組2500円)の中にこのコンビ(ワーズ ワース指揮カペラ・イストロポリターナ)のドン=ジョバンニ序 曲と主要交響曲の1部が収録されています。うまく表現出来ませんが  ちょっとしたフレーズがイギリス式でおしゃれ。ビーチャムのモーツァ ルトの後継者ですね。交響曲は、一聴の価値ありと思います。
とのコメント有。なるほど、ビーチャムねぇ。

本日、(自ら決めた締め切りで)3ヶ月後の資料一気完成させ、夕方より高松へ商談。明日早朝から名古屋(泊)〜東京(会議)で今週は終了・・・音楽と書籍持参しましょう。

午前中、予定通り集中した作業で(昼休みもなく)一気に予定通り資料作成終了。チームのメンバーは指示通りの動きで成果を上げつつあるが、上司は(たった今現在の)実績に不満があるようで、いろいろと動きにくい。そうだろうなぁ、過去の経緯が見えないから。なんとしても数字を作り上げないと。やはり”大殺界”であって、今は堪え忍ぶべき時期なのか。昼から高松で商談〜そのまま帰宅。頭痛してます。体調はよろしくない。

林 望「東京珍景録」 (新潮文庫)・・・ワタシはリンボー先生の大ファンでして、その文章の美しさに(いつも)魅せられます。これは現代の東京(付近)に残された(または残っていた)過去の遺物的情景建築物に思いをふくらませる、マニアックな一冊。正直、札幌で子供時代を過ごしたワタシには理解できない世界なんだけど、赤瀬川原平の「路上観察」的、常人には思いつかない切り口から真実やら興味深い事象を引き出す姿勢には学びたいもの。

瀬戸大橋往復では(しつこく!)Mahler 交響曲第9番ニ長調〜ブーレーズ/シカゴ交響楽団(1995年)・・・再び。正確なる楽譜の読みと再現、表面を湖塗とするのではなく、淡々と真実が内面から滲み出てくる驚き。オーケストラの技量は、技量として表出せず、あくまで作品のために奉仕することを求められ、しかし、結果的に最善の結果を出していく真の実力者集団。あまりにクールであり、素っ気ないが、夾雑物が消え去ったような世界か。散々、美食を重ねた挙げ句、梅干しの茶漬けに行き着くようなものですか。祈!全集完成。(そういえばシカゴ響に、ハイティンクが関わる〜ポストはようわからんが〜らしい。シカゴ響が求めている指揮者は理解できます)

NAXOS 8.110850Mahler 交響曲第5番 嬰ハ短調より「アダージョ」(1938年)/「私はこの世に見捨てられ」(1936年)/「大地の歌」(1936年)〜ワルター/ウィーン・フィル/トルボリィ(トルボルク?con)/クールマン(t)・・・有名な戦前の録音だけれど、音質乗り越えてウィーン・フィル最善の時が味わえます。なんという弦の艶、妖しい木管の歌。ワルターには激烈なる表現は存在しないが、たしかに濃密なる浪漫が漂って、先の「ブーレーズ/シカゴ交響楽団」とは天地の差(あくまで個性が)であります。

これには(重苦しい)「時代」の証言を感じることが可能か。ワルターのMahler には(個人的に)別格の思い入れがあります。


2006年6月某日

涼しく爽やかな空気、ことしも空梅雨か?本日は外出出張がないので”クール・ビズ”でいきましょう。お仕事は本日、かなりの大胆な決断を迫られるが、強行するつもり。8月になんとか結果を出して、動きを作るため。いずれその責は負うつもりです。どーせ、いまのお仕事は今年度で終わりだろうから。(・・・と、3年程前から言い触らして歩いていたけれど)スケジュールにも変動あるだろうな。昨夜のサッカー「マルタ戦」〜お話になりませんな。勝つには勝ったが、試合の組み立てはボロボロ。

昨日、Bach カンタータ 「主よ,まことの神よ,われらから取り去りたまえ」BWV101/「主イエス・キリスト、真の人にして神なる汝は」BWV127/「キリストこそ わが生命」BWV 95/「わがイエスをばわれは放さず」BWV124・・・ペーテル・ヤン・リューシンク/オランダ・バッハ・コレギウム/オランダ少年合唱団/ルース・ホルトン(s)ブヴァルダ(ct)メール(t)ラムセザール(b)(2000年 BRILLIANT 99378/1)・・・一連の感想とまったく同じ。素朴でたどたどしいアンサンブル、ブヴァルダのカウンター・テナーは不安げな揺れがある〜それでも音楽の愉しさ、敬虔さに揺るぎなし。

Mahler 交響曲第9番ニ長調〜ブーレーズ/シカゴ交響楽団(1995年)・・・ワタシはブーレーズの大ファンだけれど、彼のMahler だけはあかん!と思って参りました。浪漫の欠片もなし、素っ気なく、面白みもなにもない〜ところが!ずいぶんと久々にこの録音を確認したが、(いつものシカゴ響らしからぬ)細かいニュアンスに配慮された、無表情っぽいクール正確精密なる強力アンサンブルが、思わぬ効果・・・というか、作品が本来持っている”濃厚浪漫性”がじわじわ滲み出てくる、いえ、聴き手が勝手に感じ取ることは可能なんです。ショルティとはまったく世界が違う。ある意味、自然体でした。

NAXOS 8.110029 フェリアは美しいですね 嗚呼、やっぱMahler 大好き!ということで、大地の歌〜ワルター/ニューヨーク・フィル/スヴァンホルム(t)/フェリア(a)(1948年カーネギー・ホール・ライヴ)・・・数種手許にある”ワルターの大地の歌”のウチ、もっとも音質的に厳しくて敬遠していた一枚。アセテート盤からの板起こしか。たしかに、よろしからぬノイズ充満音源から、骨太で明るいオーケストラの響き、まだ現役だったワルターの推進力、現代では消え去ってしまった無頼な迫力歌唱(スヴァンホルム1904-1964 スウエーデン出身の伝説的テナー)+馴染みの十八番(おはこ)レパートリーを濃厚に表現するフェリアも絶好調!で、楽しめました。

さ、きょうも頑張っていきまっしょい。


2006年6月某日

大阪トヨペットで対応窓口に「内部告発」したら、翌日上司に呼び出されて自宅待機・・・ご本人はたいへんだろうが、この会社も、対応委託されている弁護事務所も、もうあきまへんで。公益通報者保護法の趣旨が全然わかっていない。所謂、”コンプライアンス”ですな。一連の偽装工作、ライブドア事件、今回の村上ファンドばかりがマスコミに大きく取り上げられるが、不正行為は(一定のスパンを経ると)必ずその組織のために致命的な打撃を与えるものです。身内の不祥事には蓋、みたいな前近代的対応が跋扈する、そんな時代でないことを祈るばかり。

ワタシの不正は、エコノミー・チケットで公共交通機関出張の料金を数百円浮かしたり、職場規定で自家用車業務使用は禁止されているのに、職場までの(わざわざ)行き帰り一時間浮かすため(もしくは、そのままスポーツクラブへいくため)に(こっそり)自家用車で自宅よりお取引先へ直行直帰したり・・・(これは法令遵守問題ではなくて、事故が発生したときの内部規定”配慮”なんですけどね)、このくらいは許して下さらぬか。ああ、考えてみたら、わずかながらガソリン代は自腹か。

LASERLIGHT 15 932(14 132)昨日、引き続きBach を聴いておりました。管弦楽組曲第1番ハ長調/第2番ロ短調/ブランデンブルク協奏曲第5番ニ長調〜ヴィンシャーマン/ドイツ・バッハ・ゾリスデン(おそらく1977年録音〜DDD表記だけれど)・・・小編成による現代楽器であり、昨今の過激なる(もしくは素朴すぎる)古楽器系演奏に比べずっと穏健であり、いっぽうで時代遅れ的スケールやら重さの勝った表現でもない、まさに理想的中庸溌剌たる美を誇るもの。パウル・マイゼン(fl)/インゴ・ゴリツキ、ミュラー・ブリンケン(ob)/クリスチャン・アルテンブルガー(v)/ヨハン・ゾンライトナー(cem)独逸の名手達は、華やかではないが滅茶苦茶上手いっす。

Elgar 序曲「南国にて」(1974年ライヴ)/交響曲第1番 変イ長調(1983年ライヴ)〜ジョン・プリッチャード(1921-1989)/BBC交響楽団・・・これは、あちこちどこでも格安(中古)で見掛けるCDであって、きっと売れないんだろうと思います。もったいない!指揮者はグラマラスなタイプではない典型的な英国指揮者であって、来日したこともあるけれど(1970年バルビローリの代理。日本では)人気はなかったと思います。基本、オペラの人だったのかな?どの部分も憂愁にテイストしていて、シミジミと人生を振り返り、噛み締めるような”華のない音楽”であり演奏・・・女性には人気ないでしょうね。

音質はけっして悪くないと思うが、これもずいぶんと地味な印象があります。激昂しない、声を荒げない、諄々粛々とした世界は、終楽章で燃えるように黄昏れました。

ここ数ヶ月、ワイン、それも赤ワインを盛んに飲んでおります。もともとビールは少々苦手だったし、どちらかというと日本酒党だけれど、(なんのキッカケか忘れたが)出先でも日本酒と五分五分、自宅ではほとんどワイン・・・安いですから、というか安いのしか買いませんから。十数年前、新潟に集中的に出張する機会があって、お米に関連するメーカーさんとの大きな取引だったこともあって、”超・高級日本酒”たくさん、種々飲んだものです。(当時の社長より、大学授業風説教散々あって)一通りの蘊蓄は身に付いたけれど、それ以来”日常飲むのは知名度こだわらない地酒”(所謂二級酒。家で酒は飲まない風習だけれど)に決めました。キリがないからね。それに、ワタシは酒より「酒に合う料理」が好きなんです。

ま、焼酎は二日酔いしない、とかなんとか言うけど、飲み過ぎたらいっしょですよ。赤ワインも”美容と健康に!”とか言うけど(実際、日本酒よりずいぶんカロリーが低いらしいが)よくわからない。洋風料理はあまり好まないから、チーズ辺りで自宅でも楽しんでおります。ブランド一切気にせず!というか、わからない。覚えるつもりもなし。で、先週、500円でイタリアのSOVINI(相場ですな)を試してみたけれど、香りがなくて、酸味が強くて、味に奥行きがなくて、おいしくないんです。どんな安物、国産特売ワインでもそれなりに楽しんできたつもりだけれど、とても飲めない。(カレーにしました)

これはシロウトだから味がわからないだけなのか、それとも保存状態が悪かったのか?ポピュラーなテーブル・ワインみたいだから、誰か教えて下さらぬか。

昼、夕食をにらんでお買い物、ついでに「やまや」で2L紙パックの「BANROCK STATION」(赤ワイン)購入。安物のテーブル・ワインだろうが、ほら旨いじゃないの。(中華とは合わなかったが)やっぱり先日のSOVINIは保存状態がおかしかったんじゃないの?

宮脇檀「日曜日の住居学」(講談社+α文庫)・・・1983年の刊行、1995年の文庫化は少々旧聞か。それでも、ライフスタイル無視イメージ先行の家造り、未だに幅を利かせる”風水”とか”恵方”信仰、気骨ある職人の減少、なにより家族の崩壊・・・内容は旧くならず、むしろその方向で危機は深まっていると感じました。挙げ句、ついに21世紀は手抜き工事、耐震偽装か。

米山公啓「『健康』という病」(集英社新書)・・・これは近藤誠医師の主張とほぼ同じですね。副作用のない、そして効かない薬が横行し、要らぬ医療費増を生む仕組み。医療費として表面に出ない、健康診断、集団検診、人間ドックはほんまに必要なものなのか、が一切証明されないまま、”利権”として続いていく仕組み。そもそも”健康”とはなにか?いろいろ考えさせられる一冊です。

眉村卓「妻に捧げた1778話」(新潮社新書)・・・泣けたなぁ。余命わずかな妻へのオマージュですな。ショートショートを妻のために書きながら、貴重な時間を過ごしていったことが理解できますね。高校時代からの付き合いであり、サラリーマン時代からの回想であり、人生の戦友でもある妻への”思い”が、ひしひしと伝わりました。


2006年6月某日

お休み、レーグナーの小品集やら、その関連でデルヴォー/コンセール・コロンヌの粋で賑々しい演奏と聴き比べたり・・・ぼんやりしておりました。(ところでこのオーケストラ、現役なのか?・・・調査の結果、ローラン・プティジラールが指揮して現役でした)サイト用原稿を書き貯めないとヤバいのだけれど、「音楽日誌」さえ執筆する意欲起こらず、とにかく久々のスポーツクラベへ。エエ汗流して、少々お仕事絡みの視察一件(ほんのちょっとだけ)〜BOOK・OFFで新書3冊分購入・・・お昼は(残り物)ビーフシチュー・ベースのパスタ+小夏サラダ(寒天入り)〜美味なり。

昼からも2時間ドラマ再放送を(居眠りしつつ)・・・状態で、精神的にユルんでおります。来週はハードな月曜なんとか乗り切って、名古屋〜東京。もう少し光明というか、お仕事上の成果が見えてくると上司とか、回りを説得しやすいんだけれど・・・閑話休題(それはさておき)

BRILLIANT 99378/5Bach 、聴いてます。カンタータ 「キリストは死の縄目につながれたり」BWV4/「平安汝にあれ」BWV158 /「深き淵より われ汝に呼ばわる、主よ」BWV 131/「目を覚まして祈れ!祈りて目を覚ましおれ!」BWV70・・・ペーテル・ヤン・リューシンク/オランダ・バッハ・コレギウム/ルース・ホルトン(s)ブヴァルダ(ct)メール(t)ラムセザール(b)(2000年 BRILLIANT 99378/5)・・・いろいろと演奏水準について厳しい意見を(ネット上で)拝見するけれど、まずは誠実素朴な味わいがあって、”こんな素晴らしい音楽を、ちゃんと音にして庶民に聴かせて下さる”感謝の念に打たれます。

レコード会社の意向で強行無理なスケジュールで一気録音!した、ということらしい。 「キリストは死の縄目に・・・」がワリと有名なのかな?ワタシも以前からの馴染み作品(全体が変奏曲になっております)だけれど、やや情けないというか、自信なさげなアンサンブルと評すべきか。スケールは(いつもながら)小さめ。個性不足?(おそらくはリヒターで馴染んだ謹厳なるイメージ固定された)ワタシの先入観の責任なのか。それでもいずれ、どのCDということなく、棚から無定見に”全集”を取り出す度、同様の感動が押し寄せて、間違いなく至福の時間を過ごすことが出来ました。

「目を覚まして祈れ!〜」に於けるラムセザール(br)は端正だし、大活躍のトランペットもこぢんまりと素朴であって、オルガンの懐かしい響きがいっそうその印象を強める・・・って、どれを聴いても同じといえば同じか。あまり器用とは言えぬ器楽アンサンブルも、合唱団もワタシは大好きです。ココロが洗われます。


2006年6月某日

滞りなく高知での用事を済ませて、夕方バスで岡山迄帰還〜そのままタクシーで地元取引先へ打ち合わせ。かなりハードな宿題いただきつつ、精神的には昂揚しております。酒席が続いて(体調故か、どんなごちそうも旨いと思えない)、夜もあまり眠られず(時に咳き込んで)・・・状態だけれど、精神的には大丈夫!少々トラブルはあるけれど、屁みたいなものだし、この先、次々と(ワタシを必要とすべき〜勘違いか?)情報入ってきております。サラリーマンとして有り難き幸せ也。明日、お休みいただきます。

これは「クッレルヴォ」作品7(1985年)BIS CD-313   500円高知への往復バス中は(半分眠りつつ)Sibelius 交響曲(管弦楽作品)集〜ネーメ・ヤルヴィ/エーテボリ交響楽団(旧全集より)聴いてました。

まず、「クッレルヴォ」作品7(1985年)〜マッティラ(s)/ハンニネン(br)/(男声合唱団の団体名読めず)・・・交響曲、というのは正しくないような・・・?(閑話休題)ワタシ、大好きなSibelius だけれど、この作品のみ親しんでおりません。(数種CDは購入してある)この初期作品は、明らかに旋律のテイストが後年の著名なものと異なって、もっと親しみやすい民族的土俗的なものであって、しかも長い!(約70分)つまり馴染みの、凝縮され、厳しくムダを削ぎ落とした世界ではない。

作品に魅力が足りないことを意味しなくて、粗野な金管の爆発に強烈なティンパニも絡んで、やや仰々しい響きを楽しめました。第3楽章「クッレルヴォと彼の妹」から登場する声楽陣も、独墺系オペラの味わいとは異なって、同様なる”土俗的な”雰囲気があって、どちらかというと露西亜系っぽいか?それに幻想的な管弦楽が絡みます。(未整理な印象がある)言語のせいですか?(ここ最長の23分)この作品は、まだまだ勉強中。

交響曲第6番ニ短調/「ペレアスとメリサンド」(1983年)、「歴史的情景」作品25/66/エン・サガ(1985年)、交響曲第1番ホ短調/「フィンランディア」(1982年)・・・いや、もう最高です。この時期(1980年代)彗星の如く登場した、このコンビは恐るべきアンサンブルの集中力+骨太かつ粗野な響きに充たされて、実力はほんまモンだと思います。(ナマではいかがですか?)音質は、自然な広がり、奥行きを誇って文句なし。当時、出始めのCDは贅沢品であって「標準小売価格3,600円」とのシールが・・・ワタシは中古@500で入手したが。


2006年6月某日

さて、6月に入りました。梅雨にも入らず、気温もそう上がらず・・・で過ごしやすい気候だけれど、思いの外風邪がぐずぐず長引いて不快ですな。本日夕方から高知へ。お客様ご案内視察旅行みたいなものです。午前中は「あれしてこれして」・・・と、いろいろ頭のなかにあるけれど、いずれ余裕のお仕事でしょう。机の上をエエ加減片づけないと・・・こんなこと書いているウチに、ああ次々と用事を思い出しちゃった。

NAXOS 8.550626 ベンジャミン・チャイの抽象画が美しいシリーズです。昨日一昨日とShostakovichの交響曲を聴いているが、今朝は交響曲第6番ロ短調〜ラディスラフ・スロヴァーク/スロヴァキア放送交響楽団(1988年)・・・問題は長大静謐なる第1楽章「ラルゴ」でして、様子がとてもわかりにくい。暗鬱な20分間を過ごしていると”やっぱ、自分にはMozart がエエかな?”といった疑念ムクムクと持ち上がるります。(自分の集中力が続かないだけか?それとも演奏問題か)剽軽飄々たる味わい(やや不安げ)の第2楽章アレグロで打楽器炸裂、更には大騒ぎ馬鹿笑い風最終楽章プレストに至って、なかなかエエじゃないか、そんな気分になりました。

演奏録音とも(いつも通り)努力賞。細かい音型にて、やや流麗でないパートが垣間見られるけれど、第1楽章除いては立派なもんでしょう。Shostakovichには優秀なアンサンブルが求められるのか。バルシャイで比較してみないと。

では、行って来ます。

昼迄、それなりに一生懸命(ウソ!)お仕事して、広島よりお客さま(と、いうかごくごく親しい人)到着。ナイショだけれど、岡山駅の地下、立ち飲み屋でバス出発まで昼酒!これが念願だったんです。ま、大量に飲むワケじゃなし、高知までのバス中、死んだように寝てました。

ま、その後、メーカーさんお迎え来て、一軒視察後、高知のおいしいものをいただきました。お気楽な人生ですなぁ・・・と、いうことにしておきましょ。ヤルヴィのSibelius (旧録音)を少々聴いたけれど、その件はまたゆっくりと。明日は明日で、それなりハードなんです。

 

【♪ KechiKechi Classics ♪】

●愉しく、とことん味わって音楽を●
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written by wabisuke hayashi