深まる危機、不況、友情、そして秋


 だいぶ、日本のマスコミも落ち着いてきたので・・・・というわけでもないが、ここ一ヶ月考えてきたことを少々。

   WTC事件に端を発した今回の事件は、いろいろアフガニスタンへの米英攻撃というかたちで、戦争へと進展しつつあります。おそらく日本の自衛隊もこれに加わる可能性が極めて高い。論議百出だけれど、ほぼ同時期に露出した「狂牛病」問題の、厚生労働省のお粗末すぎる対応(無為無策)の露呈も生活に与える影響の大きさを考えると悩ましい〜そんなこんなの「いつの間にか秋」突入でした。

 フツウの中年サラリーマンとしては、とにかくダイレクトに不況に拍車がかかってしまうのが一番厳しい。イギリスで発生した(ちがいましたか?)狂牛病、ニューヨークで発生したWTC事件、それらがあっという間に日本に、世界の景気に影響を与えてしまう驚き。グローバリズムの実証明。このサイトでも、ニュージャージャーから事件後即連絡があったし、あのビルの中で行方不明になってしまった人たちに知り合いがいる、との書き込みもありました。深刻で、哀しい事件に間違いはない。

 USAの人々にとっては「本土襲撃」は初体験(領土では真珠湾があったが〜こんかいも同列の報道があった。この無神経ぶりにあきれる)だから、「報復」一本でまとまるのもムリはないかもしれません。でも、もっと日本は冷静にならないと。日本が、先の大戦で行ったアジアの人々への非道な行いを正式に反省し、総括することがまず先決。その上で、USAはヴェトナムで、あえて言わせていただけばヒロシマ、ナガサキでなにをしてきた?日本やヴェトナムは「報復」という理論を採らなかったし、未だに問題がくすぶり続けるアジアと日本の関係でも、少なくとも今回のようなダイクレクトな「報復」という形にはなっていないはず。

 シンプルに「戦争反対」(キャッチコピー?)みたいな結論は出したくもないが、ひとつは宗教観の対立構図に持ち込んで欲しくないこと。(ブッシュさんも工夫されているそうだけれど、イスラム教徒住民へのいじめがあるらしい)「反テロ」の踏み絵で「USAの味方か、テロリストの味方か」みたいな、これまた正反対の単純な構図にも安易に賛同しかねる、というのも本音です。

 ビンラディンとは縁遠いが、穏健なイスラム教徒も内心ではUSAに対しては快く思っていないはずです。凶悪なテロ事件についてはワタシの態度は明確だけれど、「報復」は論外。日本の自衛隊も「USAの後方部隊」として加わるべきではない。純粋なボランティア(あくまで自発的、政府の支援はあってしかるべき)としての難民支援、医療活動、客観的な取材に徹するべきと考えます。

 この事件の数日前に北部同盟のマスード将軍が暗殺されました。アフガニスタンのソヴィエット侵攻をニガニガしく思っていたワタシにとって、マスードは「アフガンの良心」だったのです。ワタシはビンラディンもタリバーンも支持しません。北部同盟への個人的な親しみも感じます。でも、他国の「特殊部隊」とやらが攻めていくのとは話しが別でしょう。タリバーンがそうであるように、将来北部同盟が「反米」に転ずる可能性もある。(武器付きで)

 「爆弾といっしょに支援物資」という発想も、受け取る側にとっては笑止千万というか、その発想自体が異常でついていけません。かつてのソヴィエットがそうであったように、USAの地上軍はそうとうの苦戦を強いられるはずです。長期化すれば、事件の発端は薄まってしまい、両者に物心両面での深い傷のみが残っていくことでしょう。戦争というのは引き際がむずかしい。そしてイスラム諸国に「不信」だけが残る。USAは「ヴェトナム」を繰り返すかも知れません。


 珍しくリキんで書いてしまったが、せっかくのHPの場なので、ここ一ヶ月思っていたことを吐き出しました。反論歓迎。WTC事件の一週間後、ニュージャージーのバークシャー・レコード・アウトレットのCDを注文したら、ちゃんと7日間で岡山まで届きました。景気後退はワタシの仕事上のお客を直撃するが、個人的にはここ半年の営業努力が実を結びつつあって、信頼関係が喜ばしい。「仕事で友情関係なんて」と、思われるかも知れないが、人間、いよいよ苦しくなるとそこら辺が頼みの綱になるもんです。

 ずいぶん長く、音楽に集中できない時期が続きました。秋の声を聴いて、また、9月の連続したナマ演奏の感動のチカラか、音楽は何を聴いてもジ〜ンと来る高揚があります。「テロ」に「狂牛病」に怒りつつ、いつもいつもの出張、残業に疲れつつ、それでも音楽はすばらしい。(2001年10月14日)   


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written by wabisuke hayashi