一年は怒涛のごとく


 なんや今年は2月頃ひどい風邪にかかったり、今現在も調子よくない感じ。不眠症なかんじもある。夏場はずっと体調は悪くなかったが、どうも音楽を楽しめませんでした。秋の声を聞いて、なにを聴いても楽しくなってきた矢先、愛用のPCが突然(じつは予兆はあった)お陀仏。その復旧にはホントに苦労して、労働意欲を失いました。(これは言い訳。壊れた翌日に、PCを買えるヘソクリがあることを幸せと思わなくちゃ)

 でもね、(女房の顔色を伺いつつ)家庭は円満だったし、仕事も取引先との人間関係も順調でした。一昨日、「風邪で明日は休みます。急ぎの用事はメールにて」と入れたら、お見舞いのメールを数通いただいたりして恐縮しまいました。(自宅で仕事用のメールは見られるように設定してあるんです)PC話しはここでのメインじゃないので、音楽へと話題を変えましょう。


 今年最初のうち、ひどい風邪だったものでナマ演奏会には出遅れました。それでも、計14回(これから行く予定も含め)で月一回以上は通った計算になって、楽しませていただきました。プロは「アンサンブル of トウキョウ」だけかな?偶然だけれど、とことんアマチュアでしたね。真摯な演奏姿勢が技量を超える感動を呼ぶのはいつもどおり。やや中途半端な地方都市・岡山でもこのくらいは通えるんです。(倉敷にはウィーン・フィルも来たが・・・行くべきであったか?)

 毎日CDやMDで音楽を聴いているけれど、個人的に新境地を開いたという感じはありません。昨年後半から、歴史的録音がセットものでバカ安だったり、中古屋さんの安いCDを買うと有名な録音ばかりだったり、で、やや保守的に過ぎたという感想もある。柄にもなく「音質」(歴史的録音は別耳)が気になったり、「オーケストラの基本的技量」を云々したりして、これは精神的老齢化か?と少々不安になっています。

 あきらかに集中力が落ちていて、どうも身近に些事様々バタバタと多すぎる・・・〜なんて、一人息子が非行に走っているわけでもなし、差し迫ったリストラがあるわけでもなし、なにを悩んでいるのか?こりゃ、やはり疲れているのか。こんな時はMozart に限ります。それもピアノ協奏曲かな。

 アーノンクール/コンセルトヘボウ管弦楽団による「ルーチョ・シルラ」序曲(既に掲載済)は、久々吹き上がるような躍動感を堪能しました。吉田秀和さんの「世界のピアニスト」に敬意を表して、バックハウスのピアノ・ソナタ(Della Inc PF-9509〜海賊盤で申し訳ない。いまではオリジナルのほうが安いというトホホぶり)を聴いたら「10年前のあの感動よ、何処?」状態で少々ガッカリ。(ワタシは真面目一徹なヴォルフガング君は苦手でっせ)

 で、久々アンネローゼ・シュミット女史登場。ピアノ協奏曲第12番イ長調K414/ロンド イ長調K386/第13番ハ長調K415(EDEL 0001502CCC-3 10枚組2,590円)に心癒される土曜日の早朝。これはもうほとんど天然自然の境地に立ち至っていて、ガサツでは(もちろん)ないが、過度な思い入れや虚飾も見られません。Mozart の瑞々しい旋律をそのまま生かしたような、諄々と胸に染み行く演奏なんです。それでもハ長調協奏曲の終楽章、ふと立ち止まって、懐かしい思い出を振り返るような風情もたまらない魅力。

 明快で弾き崩しがないのは当たり前。リキみも濁りもない、力強さに欠けるわけでもない。異形なる個性はここでは必要なくて、淡々と名曲を実感させる演奏でした。躍動感とか、ハズむような、ということではないが、穏やかで平静な気分になれるピアノ。マズア/ドレスデン・フィルは控えめで(いつになく〜なんて言っちゃうとまたファンに叱られる)、誠実なバックです。


 こうして、また20世紀の避けて通れない、悲劇的なBergやWebernに帰って行ける。偉大なるBach の説教にも虚心に頭を垂れようという気持ちも回復します。そしてBeethoven にも・・・・・というわけにはいかないが、「第九」の季節になったので、日本人らしくこの音楽もしっかり聴きましょう。体調回復までもう一歩。(2001年12月8日)


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written by wabisuke hayashi