原点


 まだ真犯人はわからないが「炭そ菌」がUSAで猛威を振るっています。WTC問題は、アフガニスタンへの「報復攻撃」、日本の「後方支援」問題を遙かに越えて、ダイレクトに景気に悪影響を与えています。狂牛病問題も、やや迷走気味で牛肉の店頭売り上げは昨年対比20〜30%、焼き肉屋さん、ステーキ屋さんもガラガラとのこと。(つまり、ワタシも行っていない。もともとあまり肉は食べないほうだから)

 マイカル倒産後、岡山市では一番若者が集う「ビブレ」(ワタシが通うスポーツ・クラブもある)から、テナントが次々と抜けていきます。お気に入りの有名雑貨店もいつのまにか消えました。ワタシとは縁の薄い若者のファッション店だけれど、なくなってしまえば若者は集まらなくなるのは当たり前。

 ここ数年稼ぎ頭だったIT関係の大企業が、久々大赤字で「一時帰休」など始めました。様々な事象が個別の地域、国境を越えて、今までの概念では想像が付かないほど影響を与え合う驚き。戦争の形態そのものが「21世紀型」で、20世紀の戦争は(ある意味)景気に良い影響を与えていたはずなのに、これほど不況に拍車を掛けるのも驚くばかり。平和への道はなんとか見つけだしたいものです。


 閑話休題。

 そもそもこのサイト開設の原点はなんだったのか、と最近考えました。「クラシック音楽廉価盤CD推進協会(RSS)加盟のお勧め」にワケのわからんことを書いておりますが、ようはするに、「名前が通っていて、高いCDがすべて素晴らしいの?」「ワタシが子供の頃から買ってきた、安くて無名な演奏家でも充分感動できますよ」「CDの価格と音楽は比例するどころか、反比例することさえ有。少なくともC/Pでは話しにならない」という趣旨だったはず。

 欧州では、日本の感覚では想像が付かないほど、オペラ・ハウスが多く存在します。ドイツでは「演奏会専門のオーケストラ」は少ないという話しを聞きました。いわゆる「東欧」(ロシアを含めても良い)でも、演奏会は多く開かれていて、日常的に音楽が親しまれているとのこと。それが音源化され、ましてや東洋の外れの日本迄届くことは滅多にありません。

 USAでは野球が愛されていて、市民はAAでもAAAでも地元球団を熱心に応援しているとのこと。おそらく欧州のオーケストラにも、似たような事情が存在すると考えられます。まず、音楽はナマが基本(鮮魚やビールと同じ)。やれベルリン・フィルだ、ウィーン・フィルだ、と有名どころだけ値段の高い缶詰(=CD)を狙うのは、ブランドものばかり「一点豪華主義」で買い漁って、失笑と軽蔑を買っている一部日本人と同じ姿勢かも知れません。

 ここ最近、少々事情が変わってきまして、「有名どころ」のCDも安いんです。ワタシはケチなので、「無名で安い」CDは買うが、「無名で高い」のは買えません。そこで「有名で安い」のも買うようになりました。で、当然ですが「有名で安くて、しかも素晴らしい」CDは少なからず存在する。当然、感想文も増えます。で、最近、hayashiは「マイナー道を捨てたのか?」と。「隠れ切支丹」〜「転び伴天連」になったのか、と。

 一番好きなオーケストラは?と訊かれたら「コンセルトヘボウ」と答えるでしょう。(ナマで聴いたことはないが〜月並みでしょう?)でも、アイルランド響とか、ニュージーランド響とか、ヴェストファリャ交響楽団、ボーフム響、なんてのも、それはそれで楽しめます。音楽(に限らず、なんでもそうだけれど)は「個性=違い」こそ重要なのです。最近「オーケストラの技量問題」等という言葉を安易に使いすぎて、「未知の無名なる音源」に対する愛情表現が薄れておりました。

 ま、たしかに安易な方向に走っている自覚はありまして、ノヴォシビルスク交響楽団とか、トビリシ響を手に入れる努力はしていないのも事実。ベルリン・フィルの口もきけなくなるほどの圧倒的迫力とか、ウィーン・フィルの柔らかな奥行きに安易に逃げていた傾向は否定できません。男は誰でも美人が好きなんです。カラヤンは叶姉妹だと思うが、あれはあれでなかなか凄いものです。(なにが?)

 もうひとつ、「歴史的録音」の有無を言わせぬ「時代の個性」の廉価盤本格普及も影響が大きい。音質云々が吹き飛んでしまって、録音さえ単なる技術的問題ではなく、個性なのだと痛感しました。(バルビローリ/ハレ管によるElgar〜1947年録音〜を聴きながら)

(2001年10月27日)   


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written by wabisuke hayashi