健康こそ


 正直、持病もあるし、左膝の靱帯は一本切れたまま。ふだん日常生活に不自由ないくらいの元気な生活は送っているが、2月は風邪と激しい咳と、尿管結石の発作(今回は2時間くらいで釈放)で、ほぼ一ヶ月くらい苦しみました。当たり前の話しだけれど、健康はすべての基本です。あす、ほぼ一ヶ月ぶりにスポーツ・クラブで汗を流す予定。

 体調が悪いと音楽はまともに聴けない。ステレオのある部屋は寒いので、茶の間のコタツに埋もれて、ラジMD/CDで聴いたりしていました。でもねぇ、集中力が落ちているし、あんまり楽しめない。仕事を休んだのは二日間だけだけど、休日も外出するどころか、なにもする気にならない。料理もしばらくしていない。

 HPの更新は定期的だけれど、これ、じつは原稿のストックなんです。この原稿執筆時点、一ヶ月ぶりの出張から帰ってきたところだけど、じつはヤバイ本を読んでしまって少々黄昏ている感じ。山崎章郎さんの「病院で死ぬと言うこと」「続 病院で死ぬと言うこと」「ここが僕たちのポスピス」「僕のホスピス1200日」〜いずれも文春文庫から出ている有名な著作。

 ワタシは医療ものは守備範囲で、とくに文庫になっている「ガンもの」はほとんど読んでいるはず。もともと、こういったものには興味はあったけど、1999年に親父が胆嚢ガンになってからは、とくに傾倒しましたね。(当の親父は全快して元気いっぱいだけれど)高校時代からの親友である医者には「どうしてもダメだったら、苦しませず、安らかに逝かしてくれ」とお願いしたこともあります。

 「病気を治して、人を殺す」みたいなことはあってはならないし、「Quality Of Life」という言葉もだいぶ普及してきました。日本人の言霊思想のせいか、「もうダメだ」みたいなことは触れてはいけなくて、結果、当人の晩年が滅茶苦茶になるようなことはまだ多いのでしょうか。山崎先生の「最後の日々を充実して暮らせる」ホスピスは素晴らしい取り組みと思います。人の生命の尊さ、輝かしさに涙が出るような名著でした。

 ワタシとしては、死んだら葬式なし(献体もよろしい)、焼いたら散骨〜そうだなぁ、海がいいなぁ〜してほしい。でも、葬式で故人の好きな音楽を流すのは良いかも知れませんね。フォーレのレクイエムが多いのかな。ワタシだったらMozart が希望。でも、なにもせず静かに消えていくのはもっと好ましい。

 ふだんはナマ臭い男なので、こういう黄昏ぶりは似合いません。いっぱつ楽しい音楽でも聴いて、気分を変えましょう。そもそも今回の不調も「朝食が不味い」ことから発覚していました。鋼鉄の胃袋で、なんでもおいしくいただく、これこそが健康のバロメーターでしょう。食欲の湧く音楽、そんなのあるでしょうか。

 と、いうことで安易にTelemannの「食卓の音楽」(連想力が貧弱)。Orchestra Of The Golden Age(NAXOS 8.553725)の演奏は、やや期待はずれでアンサンブルが少々緻密さに欠ける?録音も乾き気味。でも古楽器の素朴で、軽やかな感じはあって、ま、いいじゃないですか。あと、Bach のカンタータでも聴けばバッチリでしょう。バロック辺りは、たいてい楽しくて元気回復の妙薬なんです。(2001年3月3日)

   


以前の「近況」→2001年2月2001年1月2000年12月2000年11月2000年10月2000年9月 2000年8月(その2) 2000年8月  2000年7月 2000年5月  2000年4月 1999年12月 1999年11月 1999年11月(2) 1999年10月 1999年9月 1999年8月 独言 ♪ Classic Music Air Check Collection & Jacket Collection


【♪ KechiKechi Classics ♪】外伝へ ありがたきお言葉のメールはこちらへ迄メール宛先  「本で聴く音楽」


【♪ KechiKechi Classics ♪】

●愉しく、とことん味わって音楽を●
▲To Top Page.▲
written by wabisuke hayashi