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Mahler 挫折編(第10集)
贅沢三昧 ●駅売名曲海賊盤情報(?)■第5集■(Mahler 作品集)
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●贅沢三昧Mahler 辛苦編前回更新より、一年ほど経過してしまいました。ワタシは安物CDばかり沢山集めてきたが、「嗚呼、こうこれは充分に聴いた。もう聴かないかも知れない」「喜んで聴いて下さる人に譲りましょう」〜と、オークションにてずいぶんと処分しました。2007年4月岡山→大阪への転居もそれに拍車を掛けて、平均単価@300、ボックスセットものだったらもっと安く出品したら、ちゃんと引き取り手が現れました。(【♪ KechiKechi Classics ♪】の読者力も大きい、と類推)
単品もかなり処分したが、全集もかなり処分しちゃいました。
●クラウス・テンシュテット全集(ロンドン・フィル。「大地の歌」含む EMI 7243 5 72799 2 5 1978-1986年録音 テンシュテット・メモリアル・エディション/12枚組 8,990円で購入税抜)・・・”これは正直、個人的に”もっとも聴く機会の少ない”Mahler となっております。それは(例えば)音質やロンドン・フィル・サウンドへの嗜好問題もあるけれど、「テンシュテットの表現は明晰で神経質、そして切迫した悲劇みたいなものを感じさせます。ひとつひとつの旋律に魂を込め、一ヶ所たりとも流した表現など存在しない・・・」(「大地の歌」の感想)・・・感動はするけれど、聴くこと自体に胸が痛む・・・ということ”、とかつてのコメントもありました。
3,700円で売れました。感謝。ちなみに交響曲第1番〜テンシュテット/シカゴ交響楽団(1990年ライヴEMI TOCE-3321)も、そのあまりに壮絶で厳しい姿勢に耐えられず処分済み。(400円)
●エリアフ・インバル/フランクフルト放送交響楽団(BRILLIANT9200515枚組4,980円入手)は、そのあまりの暗鬱さ、神経質さに耐えられませんでした。これは5,500円の値が付いたから、何故か黒字出てますね。相場が動いているのが要因でしょうか。そうとうの優秀録音であるらしいことは想像できるが、ワタシのヘロ・オーディオではその全貌を再生できません。
●モーリス・アブラヴァネル/ユタ交響楽団の全集も処分いたしました。ワタシは誠実で少々ダサい演奏を愛しております。しかし、どうしても聴く機会が減ってしまって、場所取りだし、入手困難だし、ということでどなたかに喜んでいただこう、という趣旨でした。4,600円で落札されましたよ。購入価格の約8割でして、散々楽しんだ挙げ句の結果だから後悔はありません。
・・・で、この「贅沢三昧Mahler 挫折編」の趣旨は「売りました」「売れました」ということじゃなく、「聴くべき音源の精査」であります。リファレンス(参照の基準)は、やはり●ラファエル・クーベリック/バイエルン放送交響楽団(DG 429 042-2 西ドイツ製)10枚組(壱万円以上したと思う)でしょうか。そしてあと、●ベルナルト・ハイティンク/コンセルトヘボウ管弦楽団の旧全集。こうした飾りの少ない、暖かいオーケストラのサウンドが素直に響く演奏が最近好みなんです。
ほか、最近●Mahler 交響曲第7番ホ短調〜ヴァーツラフ・ノイマン/ゲヴァントハウス管弦楽団(1969年頃?)先日待望の入手いたしました。期待に違わぬしっとりジミなオーケストラの響きを生かして、オーソドックな味わい絶品。この作品の白眉とされる第2/3/4楽章の「夜の歌」(=セレナード/Scho"nbergを連想させる)の落ち着いた雰囲気はもちろん、怪しい第1楽章、ノーテンキな終楽章さえバランス良く瑞々しく鳴り渡って過不足がない。これだったら(ワタシにとって)掟破り1,055円でも後悔ありません。
柴田南雄先生の「グスタフ・マーラー」(岩波新書)は、Mahler を愛する者の必読文献だと思います。この価値は変わりませんね。