「ウィンナ・ワルツ覚え書き」〜新たな展開(第10集)音楽を聴いてこそのCDでして、集めることは主眼ではない・・・のは当たり前。マイナー道に少々走りすぎたかな、と少々反省して、いくつか処分をした件は数回前に更新をしました。その後、ロベルト・シュトルツの怪しげな4枚組もオークション処分したのは、所謂ポピュラー系の編曲ものがつまらなかったのと、12枚組入手を視野に入れていたから・・・でも廃盤とはっ!無念。中古格安での出会いを待ちましょう。 それなりに長くサイトを継続していると、ワタシ如き無為無策で人生をそれなりに乗りきってきた者でも、”音楽嗜好の変遷”が記録として残されます。この<"ウィンナ・ワルツ覚え書き"シリーズ>など代表例。”その後”の入手経過雑文を少々。 ● ニコラウス・アーノンクール/コンセルトヘボウ管弦楽団(1986/87年)・・・「ジプシー男爵」序曲/ポルカ「陽気に」/ポルカ「浮気心」/「ウィーンの森の物語」/「エジプト行進曲」/「ウィーンのボンボン」/ピツィカート・ポルカ/ポルカ「電光と雷鳴」/「美しく青きドナウ」/「こうもり序曲」(TELDEC WPCS-21030)・・・オークションにて”まとめてナンボ!”的落札(競合なし)をしたもの。(総経費込@350ほど)単発で見掛けたら買うことはなかったでしょう。以前から気になって一度聴きたかったもの。発売当初FMで聴いてエキセントリックな印象だったはずだけれど、メリハリいきいき楽しい演奏に聞こえるのは聴き手の感性の変貌か、時代の変化か。リズムにキレがあり、オーケストラに厚みとコクがあり、メカニックも非常に優秀。ユーモアにも欠けていなくて、安易で緩くて雰囲気で聴かせる方向(それも悪くないが)の拒否なんでしょう。個性の明確な刻印、主張です。ウィーンのオーケストラ出身のアーノンクールは、けっして異端の表現を目指しているわけでない。 けっこうBOOK・OFFで出会いがあって、有名どころ数種(本場・ウィーン・フィルばかり!)入手できました。堕落したかな? ● 2003年元旦のニューイヤーコンサートはニコラウス・アーノンクール/ウィーン・フィルのライヴ。ネットで検索掛けるとDVDは引っかかるが、CDは出ていないんですねぇ、もう。一連のライヴも消耗品なのか。リズム明快、ティンパニや打楽器の迫力、キレ、金管の爆発も素晴らしい精気に溢れます。皇帝円舞曲のラスト、金管とティンパニが叫ぶと”Bruckner?”と見まがうばかりの充実サウンド。エキセントリックではなくて、惰性に流されずに新鮮なる表現を旨としていると感じました。「舞踏への勧誘」(超駄訳也。「踊りませんか?」でしょうが)ハンガリー舞曲第5/6番もサービスして下さって、格調高く、タメだって下品にならない。あちこち馴染みの作品が、まるで楽器編成を変えたかのように聴き慣れぬパートが突出して効果を上げます。お決まりのラスト「美しく青きドナウ」「ラデツキー行進曲」も存分に美しく、”ウィーン訛り”がちゃんとある・・・ ● 大ベストセラーであり、一時は(現在でも)クサるほど中古で出回った「2002年NEW YEAR CONCERT」〜小澤征爾/ウィーン・フィル(@250税込)・・・この価格だったら聴いてあげないと。喝采盛大だけれど、途中団員による各国語による「新年ご挨拶」に於いて、日本語が一際大きな反響あったのは日本よりのツァー観客大動員があったことの証明でしょう。神経質に細部アンサンブルを整え、間が足りず、優雅ではないし、”自然なリズム感”とも言えない。が、生真面目で一生懸命、オーケストラ・コントロールに優れて集中力があり、悪くないなと感じました。ポルカが中心で(CD一枚分収録だから、実際はいろいろ演っているんでしょ)その溌剌とした勢いは魅力だから、選曲も適切です。 ● 金沢にて@250購入した「ニューイヤー・コンサート1989年」〜カルロス・クライバー/ウィーン・フィル・・・「加速度円舞曲」の熱気浮き立つような推進力、「こうもり」序曲の疾走する勢い・・・月並みな賞賛だけれど、快速(これは体感的に)躍動推進熱気ノリノリ、すべて揃った勢いを感じて痺れます。馴染みのアツい「こうもり」序曲、粋で颯爽とした「芸術家の生活」、晴れやかで華やかな「春の声」、リズムに乗った「美しく青きドナウ」・・・でも、収録の過半数はポルカなんですね。それがいかにもクライバーに相応しい。こんな著名な演奏に感心しているようではアカンな、すっかりメジャー路線に(安易に)馴染んじまったか・・・堕落か。
こんな雑文を認(したた)めている間に、一本更新いたしました。 ● J.Strauss ウィンナ・ワルツ集(カラヤン/ウィーン・フィルハーモニー1946〜48年)・・・100円ショップ・ダイソーのCDだけれど、バカにできませんぞ。ちゃんと一枚一枚大切に聴いてあげないと。 (2008年11月21日)
<"ウィンナ・ワルツ覚え書き"シリーズ既出>
● ウィンナ・ワルツ覚え書き
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