罰当たり
この時期は寒くて、空気が乾燥して、風邪(インフルエンザ?)が流行ります。天気もはっきりしなくて、洗濯物がカラリと干しあがりません。ワタシはいまのことろ(気を付けているので)セーフです。お互い健康には充分注意しましょう。
CDが極端に安くなったこと。また、ワタシは幸い(いまのところ)安定した職業に就いた中年サラリーマンであること。それなりに健康であること。借金がない(財産もない)こと。女房が浪費家でないこと。スネかじりが公立高校に通う一人息子のみであること。そしてワタシ自身が煙草にも博打(パチンコ)にも縁がないこと〜酒席はしばしば頻繁だけれど〜で、CDをかなりの頻度で購入することが可能なんです。
これは、ワタシがこどもの頃からの夢でした。ことしのワタシのWeb年賀状(一般非公開)に
〜などというワケワカラン、ある意味哲学的な自由律俳句も詠みました。幸せです。小遣い程度で目に付いたCDは手に入ります。ワタシは安いCDしか買いませんので、「これは購入して手元に置いて楽しめるのか」が残る唯一の判断基準です。でも、人間には誰でも平等に、一日24時間しか与えられないという問題が残る。 「贅沢を贅沢と感じる贅沢」
幸い偶然に、ここ一年くらい「うかつなダブり買い」は少なくなった(確信的ダブり買いは有)が、PC、オーディオの周辺に溢れ出るCDを整理していると「こんなの買っていたのか」という、驚きに打ちのめされるばかり。買ったきり忘れていたんです。記憶をたどると、数枚(組)同時に買ったウチの「本命」を忘れることが多い。「ついで組」から聴き初めて、それが思わぬ拾いものだったりすると嬉しくて、関連CDを引っ張り出して聴き比べをするんですよ。
そして「本命」は、買ったという行為の満足のみを残して、存在は忘れ去ってしまう。でも、それを再発見したときの歓びも大きいんです。「ちゃんと聴きこなせるぶんだけ買ったらいいじゃない」と、(女房を先頭に)女性からは説教されそうだけれど、それでもこの贅沢はやめられない。
ある日曜日の朝、家族もまだ眠っている頃起き出して新聞を読みながらCD/MDセット(CDラジカセのカセットの代わりにMDが付いているやつ)で音楽を聴くのが楽しみです。「なにを聴こうかな」とBOXものの箱を動かしたら、「Bach EDITION Vol.3〜Keyboard Works Vol.1」(BRILLIANT11枚組)が出てきました。2001年の正月に大阪で購入したもので4,200円と少々相場より高い。(フツウのCDより安いのは当たり前だけれど)でも、CDの高い安いは音楽の価値に関係ないんです。(だからこそワタシは安いCDを探す)買ったら絶対後悔しません。(買わなかった後悔は大きい)
平均率とか、パルティータ集、ゴールドベルク変奏曲、等々有名な作品に混じって「Keyboard Works 1700-1710」という知名度的には落ちる作品を集めた3枚組(99362/7-9)がありました。クリスティアーネ・ヴュイツ(Wuyts〜読み方いい加減)という、ベルギーはアントワープ出身の方がチェンバロを弾いているとのこと。1988年の録音。
3分から、長くても16分くらいのあまり知られていないBach の作品が続きますが、紛れもなく彼の世界に引き込まれます。例の如しで、知的な構成と旋律の多彩さが見事に融合していて、歓びがジンワリと沸き上がってくる思い。チェンバロの録音は難しいが、これは暖かくて演奏者の息づかいが感じられるような新鮮な音質でした。
「嗚呼また、なんかもうけちゃったな」と思いながら、PCラックの上に乗せっぱなしになっていたシュタルケルの協奏曲集2枚組(EMI 7243 5-68745 2 7)のふたを開けて、2枚目をプレーヤーに。これも初耳。静謐かつ精神的慰安に満ちた旋律が流れてきて、あわてて曲名を確認したら Erno" Dohona'nyi(クリストフの親父さんか?)「小協奏曲 作品22」 でした。仲良しのこどもたちが、秘密のお話を囁きあっているような繊細さ。微笑ましさ。(2002年2月3日)
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独言
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