(続々)欲しいCD、そして宿題など
■「欲しいCD、そして宿題など」(2004年5月)
■(続)欲しいCD、そして宿題など(2005年5月)・・・特別にその続編、ということでもありませんが、ワンパターンでいつも同じことを繰り返している自覚もあるので一応確認、という意味です。
ワタシは「安ければ、買っておく。そして聴く」というCD音源への姿勢だけれど、失敗も沢山あります。つい数日前も、Verdiオペラの歴史的録音を(みごとなボケで)ダブり買いしました。
Verdi「仮面舞踏会」(セラフィン/ローマ歌劇場1943年 315円)/「トロヴァトーレ」(サバーニョ/スカラ座1930年 210円)を「エエ買い物したわい」と、帰りに聴いてきた(妙にしっくり胸に響いた・・・)が、しっかり(別レーベルで)存在するではないか。ワタシはこの辺りの著名歴史的録音に疎くて、別な指揮者との記憶混同しておりました。損害被害膨大CD4枚計535円也。いちおう音質確認した上で、どなたかにあげましょう(涙)。(2006年2月「音楽日誌」より)言い訳だけれど、このCD・・・ネット通販で、職場ご近所中古屋さんで見掛け、散々悩んで(一度は通販に注文出して、挙げ句キャンセル)あきらめて、東京出張したら「激安在庫処分」に現物あるでしょう。これは”Kechi之神の啓示”か、と。(その間に自分の棚を点検せい!)で、いちおう帰宅するまでに一通り楽しんだ挙げ句、同一音源発見!(何度目の過ちか?失敗から学べないことを人は”アホ”と呼ぶ。ビンボー神の啓示であった・・・*更に数日後、4枚のダブりを発見!ボロボロです)このときに同時に購入したのが、1990年頃、知名度を気にしない、渋い嗜好の音楽ファンに愛されたBeethoven 交響曲全集〜ヤーノシュ・シャンドール/ハンガリー・フィルの残り2枚/5枚でした。(@315*2枚分)「Beeやん苦手と公言する罰当たり者が何故?」ということだけれど、ワタシはBeeやんと仲直りしたいんです。小学生6年生のクリスマスに聴いた「第九」「運命」〜オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団(LP2枚組2,500円!)の無垢なる感動よ、もう一度!澱みきって、草臥れたハートに生命(いのち)の泉よ蘇ってくれ!(ちょっと大仰だったか)ということであります。
じつは交響曲第5/4番(GES-20001)、第3/8番(GES-20002)、第7/1番(GES-20002)〜購入平均単価300円程度で揃えてきて、素朴で真正面なる演奏はそれなりに気に入っていて、残り発見に気を付けていたんです。(一度、どれか一枚同じものをダブって購入した記憶も有。残確認間違い)で、おそらくは10年スパンくらいで揃った・・・ということが問題ではなく、揃ったらやっぱり聴くでしょ、ということが大切なんです。
久々の「第九」(15 905)「田園」「第2番」(これはナマで聴いたばかり。ああ、「第九」も年末聴いてましたね。15 903 各@315)は、けっこうココロに染みました。やや、収録音量レベルの低い録音でもあり、オーケストラそのものの”鳴り”もよろしいとは言い難いが、けっこう正統派というか、ヨーロッパの歴史(東欧に間違いないだろうが、中欧の歴史の影響をちゃんと感じさせるような)誠実な演奏が胸を打つんです。揃った、ということではなく”聴いた”、”楽しんだ”という宿題を果たしたつもり。
で、「宿題」の件だけれど、世間では大人気のShostakovich 交響曲第5番ニ短調・・・ワタシはこの作品をやや苦手としていて、こどもの頃にLPで聴いたコンドラシン/モスクワ・フィルの感動が蘇りません。これは純粋に自分の嗜好でして、これだけ高く”名曲”として高く評価され、演奏機会も多い作品に対する理解不足であるのは自明の理であります。で、アンチェル/チェコ・フィル(1961年)を再聴したが、やはり(作品的に)ピン!とは来ない・・・宿題は終わってない。(その後・・・更新までに、怪しげCDを意外と堪能いたしましたが・・・)
Debussy 歌劇「ペレアスとメリサンド」〜これはかなり以前からセルジュ・ボド/リヨン国立管弦楽団の録音(1978年)で聴いてきたが、はっきり言って様子がわからなかった。そのうちアンゲルブレシュト盤(1962年ライヴ)の価格がこなれたら購入しようかな、とも考えていたけれど、ここ最近、抑揚の少ない、つぶやくような、妖しく静謐なる世界がすっかり快感になってきましたね。ノーミソ空にして、いつまでも聴いていたい・・・
このCDの隣に、Mozart 「COMPLETE Mozart EDITION VOL.13」〜「STRING TRIOS & DUOS」PHILIPS 422 513-2(2枚組)がありました。(c)1991年。値札が残っていて3,000円(税抜)!しかも(うっすらとした記憶では)中古じゃなかったのか。装丁が立派、詳細解説書は(封入式ではなく)別添で、現在ならプラケース5枚組、紙パックなら10枚は入ろうかという厚み。
ワタシは、6つの前奏曲とフーガK.404a(Bach 平均律、フーガの技法、オルガン・ソナタからの編曲)〜グリュミオー(v)等の演奏(1973年)はLP時代からお気に入りでした。ぶん聴いていなかったな。CD時代になったら、ぜひ座右に置きたかった音源だった記憶が・・・購入当時の相場(おそらく1990年代前半)もあるけれど、自分にとって「3,000円出しても惜しくはない」音源だった、ということです。
なのに、その存在さえ失念する有様・・・お恥ずかしい限りです。「高い、安いではない!」なんて、いつも書きつつ(結論的に安いCDばかり購入しているが)自分の原点を忘れてしまっては仕方がない。情けない。ほんまの宿題は”誠実に音楽を聴く”ということにほかならない。「どの音源が欲しい、探している」とガツガツするのではなく、ほんまの宿題は・・・青い鳥は自宅のCD棚に有、ということですな。
ココロ空しゅうして、心身共に体調万全で音楽に対峙したいものです。ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロのトリオはジンワリと部屋に響き渡りました。(そして数日後、ワタシは通販で”凝りもせず”新しいCDを注文したのでした・・・)
(2006年3月4日)