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いかさ第九の会「2005年第九演奏会」


2005年12月23日(金)PM3:00〜笠岡市民会館ホール 2,000円

Beethoven

交響曲第9番ニ短調 作品125

杉本 賢/岡山交響楽団/いかさ第九の会合唱団/柴田久美子(s)伊藤宏恵(a)田中誠(t)秋山啓(br)

 「いかさ第九の会」演奏会におじゃましたのが、2001年とはずいぶん前ですね。ことしの冬は寒さひときは厳しく「第九演奏会」の存在は認識していたけれど、ぐずぐずしていたとことろに「高級外車にて送り迎えいたします」とのありがたい(同行の志からの)メールが!う〜む、正しき日本人の風習を墨守推進する者として、断るわけにはいかぬなぁ。

 笠岡市は岡山県海沿い西の外れ、広島県との県境であり、カブトガニで有名な街であります。(それがどうした)「いかさ第九の会」は歴史ある団体らしく、おそらくは全国に存在する「第九の会」とは横の連絡もきっとあるのでしょう、地元里庄少年少女合唱団「たんぽぽ」はもちろん、「淡路島ベートーヴェン第九の会」「なにわ第九を歌う会」「東かがわ第九を歌う会」「なにわ第九を歌う会」「川之江あじさいコーラス」「アンデ・フロイデ・ナゴヤ」など各地から応援も駆けつけ、合唱団総計約150人以上の壮観!(男女比率1:4。がんばれ男声陣!しかもやや高齢化が進みつつある・・・)

 オーケストラは岡山市が誇るアマオケ岡山交響楽団+団員指揮者(馴染みの)杉本さん。会場は初めての笠岡市民会館で1200人くらい入りそうな立派な、いかにも昔懐かしい感じの立派なホールです。7割ほどの入りか?・・・ホルンに乗って、弦が印象的なフレーズを紡ぎ出しました・・・ああ、あかん。残響がほとんどない。奥行きがない。低音が響かない。各パートが混じり合わない。管楽器は「各々勝手に吹いている」みたい。(各フレーズの旋律受け渡しは、まるでSHOENBergだ)

 前回「いかさ第九の会」演奏会で、印象的なリズムの切れ味と、絶妙なる間合いを堪能させて下さったM女史のティンパニが音に迫力がない。細かいミスタッチが妙に際だってしまって、全体としてサウンドが乾いております。さすがに杉本さんは、速めのテンポでオーケストラを叱咤激励します。「テンポは会場で変わる」とはフルトヴェングラーの言葉だけれど、まさにその通り。この残響状況でゆったりテンポでは音楽が保ちません。

 それでも最終楽章、全力の声楽陣の奮闘の成果で「喜びの歌」はアツく会場を揺るがせました。ああ、ツラかった一年が終わって行く。「高級外車」同行の志は「Beethoven 交響曲第9番ニ短調を聴きに行ったんじゃなくて、”第九”を楽しんだ、という感じ」との感想だったが、言い得て妙ですな。なんだかんだ言わずに、日本人なら「第九」で年越し。これが正しい道です。

「日本の暮れ、第九の春」
(2005年12月23日)


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written by wabisuke hayashi