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吉例【♪ KechiKechi Classics ♪】2010年勝手に各自アカデミー賞を投稿する勝手連

ここ数年、大々的に募集してきたが肝心のワタシが元気を失いつつあって、募集ご遠慮。そうしたらありがたいことに「勝手連」が投稿して下さいました。感謝。遅れてもよいのでよろしかったら、ということで。

■2009年
■2008年
■2007年
■2006年
■2005年
■2004年
■2003年


■Britchov

言い出しっぺが書かないと投稿しにくいですよね。という訳で勝手に投稿。

■北海道生活満喫、音楽でも
今年も音盤購入やコンサートのために内地に出ることを極力控えてきたのですが、道内だけで30回ものコンサートを楽しむことが出来ました。そのうち半数が帯広・十勝地方であり、札響のほかプダベスト祝祭管も来演。アップビートとかち音楽祭で内外の一流アーティストによって室内楽を堪能。札響は上半期定期会員に。エリシュカによるドヴォルザークや小品集、尾高忠明のデュリフレ、マーラー等が佳演。PMFの音楽監督にファビオ・ルイジが就任、「ボエーム」とブルックナー7番で強い印象を残しました。温泉を浴びてからコンサートを聴くという合わせ技ができるのも地方ならでは。

■シューマン・イヤー
地元音楽祭での室内楽や、ジェラール・プーレ、安永徹による2番ヴァイオリンソナタの競演ですっかり馴染みに。シューマンの室内楽は交響曲のように充実していて聴き応えあり。交響曲については愛聴している「ライン」を高関健/札響と秋山和慶/中部フィルで、2番をシュテンツ/N響で楽しみました。ピアノ協奏曲は三輪郁/秋山/中部フィル、室内楽的に寄り添うような美演。

■ブラームスのヴァイオリンソナタをじっくり堪能
10月に仙台へ赴き、クラシックフェスティバルにてブラームスのヴァイオリンソナタを集中して聴きました。1番を川久保賜紀、2番を西江達郎、2&3番を松山冴花でお腹一杯になった翌週、帰省先名古屋からの寄り道で札幌にて安永徹による2番ソナタ、、、と聴き尽くすことができました。よく歌う松山冴花、淡々として滋味深い安永徹の演奏が特に心に残りました。

■拾い物のオペレッタ

邦人によるオペレッタを3本観ましたが、名古屋での公募出演者によるカールマン「チャールダーシュの女王」は期待せずに行ったものの出色の出来でした。元応援団長の演じるボニ役が抜群に面白くて舞台を引っ張りました。シルヴァ役の女性も熱演で、目頭の熱くなる名舞台。ピットは斎藤一郎指揮するセントラル愛知響、昨年読響帯広公演でご一緒したホルン奏者と再会を果たしました。「ボエーム」は2本。3月はアンドレアス・ホモキの演出。ボヘミアンから成り上がれるのは男性のみで、ミミもムゼッタも低階級に生きる女性であることをまざまざと見せ付けられましたが、あまりに斬新な演出で涙が引っ込んだまま。7月はルイジ/PMFによる演奏会形式での上演。饒舌なオケが素晴らしい。ソリストは小柄な外人のロドルフォの声が小さくて残念でした。

■今年もホルンを吹いた
2月に代々木におけるウィーン・オフでJ.シュトラウスの「春の声」、「ドナウ」、「ラデツキー」をピアノとともに演奏。「春の声」は上手くいったのでは。7月は札幌にてホルンのキャンプに参加、プロオケ奏者からホルンアンサンブルの指導を受けました。一部の曲に4番ホルンを割り当てられて、ヘ音記号さえまともに読めないのにE調で書かれた譜面に悪戦苦闘。その他大勢ではありますが時計台ホールに初出演しました。

■マイレージ
単身生活の帰省に飛行機を使うためマイレージを貯めているのですが、夏休みの日程が家族とずれたため、その前半にマイレージで15年ぶりに沖縄へ。生憎の台風で殆ど何もできませんでしたが、旧友たちと旧交を暖めました。帰路は大阪に降り立ち、高校の同級生と卒業以来28年ぶりに再会。これも懐かしかった。更にマイレージを使って嫁さんを帯広に招待。花畑牧場では田中〇剛に遭遇。中札内村の観光農園にあるドイツ風100uの貸別荘でのんびりしました。2年後のリフレッシュ休暇にはマイレージで欧州旅行ができるよう、せっせと貯めたいと思っています。

■栃木の金田さん

昨年2010年をを回顧して遅まきながら昨年のベストを CD部門

1. パガニーニ 24のカプリス:ジェームズ・エーネス Onyx Classics

私にとってのカプリスは長いことルッジェーロ・リッチのデッカ盤でしたし、今でもそれは変わっていないと思いますが、このエーネス盤はリッチの演奏の対極にある素晴らしさではないかと思います。リッチの切れ味鋭い演奏ですが、エーネスの演奏は柔らかいながら超絶的な演奏だと思いました。

2. バルトーク ヴィオラ協奏曲他:今井信子 New Pan Classics

今井信子待望のバルトークのヴィオラ協奏曲とヒンデミットの白鳥を焼く男の録音は、期待を裏切らない出来といってよいと思います。貫禄も感じます。オーケストラは学生オケですが、技術上の問題はなく、むしろプロより熱い演奏と言えるのでは。

3. ラースロー・ライタ 弦楽四重奏曲集第3集:アウアー弦楽四重奏団 Hugaroton

バルトークやコーダーイらとともにハンガリー民謡の採集をした作曲家の弦楽四重奏曲集の第3集、残りは第2番だけ?いかにもハンガリーという曲想で親しみやすいものです。演奏は一級品。

4. ローレンス・ディロン Appendage他 Albany Records

この作曲家については殆ど知らないのですが、1959年生まれの現代アメリカの作曲家。音楽として難解なところはありません。いずれもナレーションか声楽を伴うもので、詩の意味と音楽を味わいつくすとまではいってませんけどね・・・

5. A Choral Christmas Rudolfus Choir BBC Music Magazine

パレストリーナからジョン・タヴナーまで19曲の合唱曲を16歳から25歳までの若者がアカペラで歌ったもの。いわゆるオマケのCDですけど、心洗われる演奏です。堪能しました。

本部門

1. 宮崎市定 史記を語る(岩波文庫) 東洋的古代(中公文庫)

昨年は宮崎市定を集中して読みましたが、そのなかでテーマが共通する2冊を。中身も重複しているところがありますが、これは面白いです。歴史学(歴史ではなく)の面白さを実感できる名著であると感じた次第。

2. 加藤陽子 満州事変から日中戦争へ 岩波新書

同じ著者の「戦争の日本近現代史」(講談社新書)と「それでも日本人は「戦争」を選んだ」(朝日出版社)と併せて読むとより理解が深まると思います。時の為政者と世論がどのように形成されその背景は何だったを考えるもの。善悪という視点ではなく、このような客観的な視点からの歴史が昭和についても書けるようになったということですか。

3. We Are All Made of Glue Marina Lewycka Penguin Books

マリーナ・ルーイカ(レヴィツカ?)の小説第3作目。ついに第1作のShort Hirtory of Tractors in Ukrainianは「おっぱいとトラクター」(集英社文庫)という題で邦訳がでましたが、この最新作はさらに腕をあげて抱腹絶倒。推理小説的な面白さもありなかなか楽しめます。

4. 厄介な翻訳語 垂水雄二 八坂書房

科学書の翻訳を生業とする著者の「悩ましい翻訳語」に続く翻訳語にまつわるエッセイ第2集。著者の言葉、科学、文化に対する知識に驚嘆。なるほど翻訳とは難しい仕事です。

5. おサルの系譜学 富山太佳夫 みすず書房

いつもながらこの人の博識ぶりには脱帽する。歴史と人種という副題があるように人種的偏見を進化論からポストコロニアリズムまで縦横無尽に語りつくしたという感じ。おそれいりました。

■恥ずかしながら林 侘助。再掲。

■2010年度の厳選ヴェリ・ベスト=2010年ワタシ勝手にアカデミー賞■

2月近況より ●Sibelius 交響曲第2番ニ長調〜ジョン・バルビローリ/ロイヤル・フィル(1962年)〜ハレ管との新旧録音も大好きだが、なんせこちらオケが上手い。サウンドの切れ味、リズム感の鋭さが違います。ハレ管も好きですよ。特別なマジック発生していることは間違いないんだが、改めて再聴比較したらなんとも牧歌的な”緩さ”(あながち悪くもないが)を感じさせて、技量、テンションの差は一目瞭然。

音質印象の差もあるのでしょう。ゆるゆると横流れの叙情〜的バルビローリの印象とはひと味違って、雄弁な歌とクールに引き締まったサウンドは特別な魅力でした。満足。

3月近況より ●Bach ブランデンブルク協奏曲全曲〜リナルド・アレッサンドリーニ/コンチェルト・イタリアーノ(2005年)・・・先日、古楽器演奏の先駆としてホーレンシュタインの立派な演奏を拝聴したが、時代は変わりました。新しいものがすべて正しい、より良くなるとの思想は持ち合わせていないが、数々聴いてきた名曲中、これぞヴェリ・ベスト。軽快軽妙なリズム、研ぎ澄まされたアンサンブル、古楽器の熟達した技量〜こう書いてしまうと、んなものいくらでもありまっせ!との反論が来そうだが、まるで鼻歌でも歌うようにスムース、春風のように爽やかでデリケート、そよそよ涼やかに音楽は進むんです。ヴァイオリンであれ、トランペットであれ、フルートであれ、そしてチェンバロ然り、奇を衒うこと皆無、融通無碍、音楽は自然な呼吸に至っていて、にこやかに、楽しげに美しい旋律を紡いで幸せ。エキセントリックなリキみ皆無。

PHILIPS 470 871-2 14枚組 総経費込6,600円程にてオークション入手4月近況より ●Mahler 交響曲第2番ハ短調「復活」〜小澤征爾/ボストン交響楽団/タングルウッド音楽祭合唱団/キリ・テ・カナワ(s)/マリリン・ホーン(ms)(1986年)・・・緻密で誠実、茫洋たるスケールではなく、やや前のめりの切迫感を以て、集中力と切れ味に充ちた美しい演奏です。そういえばボストン交響楽団をあまり聴いていなかった?これほどクリア精密なアンサンブルを実現していたとは・・・弱音時の洗練も特筆すべきでしょう。PHILIPSの録音技術者も賞賛されるべき自然体の音質。詳細丁寧なトラック分けも所有CD中随一のもの。

剛胆より静謐繊細を旨とした表現、ラスト、ニュアンス溢れた声楽が登場すると万感胸に迫る安寧が広がりました。ソロも合唱も絶好調。かつて味わったことのない繊細な「復活」でした。ラスト圧巻のアッチェランドは、やはり前のめりの勢いでした。結論的に2010年はMahler 三昧でして、「復活」が先月ヴェリ・ベストに計三度も登場しております。(他、バーンスタイン、ギーレン)

5月近況より ●Brahms 混声合唱、管楽とティンパニのための「埋葬の歌」 作品13/Mendelssohn 3つの教会音楽 作品23より第3曲「われら、人生のただ中にありて」/Brahms 運命の歌 作品54/交響曲第1番ハ短調〜ジョン・エリオット・ガーディナー/革命的浪漫的管弦楽団/モンテヴェルディ合唱団(2007年)・・・おお、これはライヴなのだね。「運命の歌」以外の声楽作品は初耳、先のBach 同様声楽の深遠さ、洗練の説得力に目眩がするほどの感銘有。ワタシは不信心罰当たり無神論者だが、宗教的敬虔はたしかに受容可能であります。とくに「埋葬の歌」に於けるトロンボーンとティンパニは声楽を際立たせる説得力抜群。

交響曲は、小編成かつ素朴な味わいを想像していたが、なんのことはない、荘厳壮麗なるスケールを誇って、独墺的伝統がっちり継承して驚かされました。各パートは現代楽器ではないだろうが、Bach 時代のものではない、近代に向かう変遷なのでしょう。近現代高性能オケのキレとはもちろん異なるが、古臭さ皆無。個性あるサウンド(ナチュラル・ホルン最高)として”現役”であります。技術的洗練はここまで極まった!的感想であります。鮮度抜群。

6月近況より ●アンサンブル・フリー第12回演奏会(2010年5月16日(日)尼崎アルカイック・ホール)・・・Debussy 「管弦楽のための映像」〜「イベリア」 /Mahler 交響曲「大地の歌」・・・選曲、演奏技量とも最高!プロのオケに行かず、アマオケばかりとは笑止千万とのご批判覚悟で、やはりナマ体験はなによりも大切なイヴェントであります。コメントは手抜きだが、対向配置だったんですよ。

2010春季展「芭蕉・蕪村 −人と書と絵−」(逸翁美術館)・・・西洋美術も悪くないが、ワタシは日本の絵が大好きなんです。

7月近況より ●大鐘稔彦「外科医と『盲腸』」(岩波新書)・・・「孤高のメス」映画化なりましたね。見に行こうかな(見ました)。おそらくはここ数年読んだ医療物中、最高の知的興味を以て集中した一冊。内容も凄いが、これが1992年の著作であること、つまり20年で現在外科医は世代交代し、医療界は荒廃し、おそらくはとんでもないことになっている、と類推できることです。日本人は異常に、あり得ぬほど「盲腸炎」(こんな病は存在しない)の手術が多い〜つまり、誤診が蔓延しているということ。もう”切らないこと”が医療界の常識になったんでしょうか。医術だけではなく、算術も手伝ってこんなことになったらしい。診立ての間違い、低い技術(それでも英語で論文書けばエラくなるのは過去のこと?)、開業医から患者を紹介される大病院ではその診断を否定できない(患者を紹介してもらえなくなるから)・・・

「エホバの証人」信者への「無輸血手術」の件も、外科医としての矜持を感じさせます。バブルの残滓があった時代でこうなのに、”失われた20年”を経、現代ではどうなったのか〜改訂版乃至続編が欲しいところです。(出ているのかな?)

DOCUMENTS 233019/10枚組1,000円8月近況より ●Shostakovich 交響曲第10番ホ短調〜フランク・シップウエイ/ロイヤル・フィル(1995年)・・・この作品はなんどか聴いたはずだが、印象に残っておりません・・・って全集入手して何十年経ってるの?(LP以来)カラヤンが好んで複数回の録音をしたのは何故でしょうか。重苦しく長大(23分)なる第1楽章「モデラート」は、意外にもクリア、すっきりとした響きでどんよりとした世界から救われております。これだったらShostakovichを聴くのも苦渋に非ず。第2楽章「スケルツォ」は、(スターリンの暴政を表現したらしい)激しい切迫感溢れる快速楽章、オケが鳴り切って金管の迫力が快感であります。

第3楽章「アレグレット」もいかにも彼らしい途方に暮れた雰囲気で始まり、旋律リズムは馴染みの乾いて無機的であり、不気味なもの。途中のホルン・ソロは「大地の歌」よりの霊感だそうです。(ほんまかいな)終楽章「アンダンテ-アレグロ」は、例の如しの暗鬱なる開始だが、木管の響きは清涼そのもの。アレグロに入ると、やや明るい(のかどうか怪しい)風情に変化して、木管や弦のリズム、アンサンブルも見事な統率ぶり、推進力も颯爽と素晴らしい。スーパーオーディオ(とかなんとか)仕様でCDにて出ているらしく、このボックス収録の一枚でも相当明快な音質と迫力。ユーザーレビューも絶賛です。

9月近況より ●Mozart セレナード 第6 番 ハ長調 K.239「セレナータ・ノットゥルナ」/嬉遊曲 第15 番変ホ長調 K.287「ロドロンの夜会 II」/セレナード 第13 番 ト長調 K.525「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」〜パトリック・コーエン=アケニヌ(v)/レ・フォリ・フランセーズ(レ・フォリオ・フランソワ)・・・各パート一人担当による、古楽器技能の粋を集めような凄い演奏。そして鮮明。自然なる録音。リズムが軽妙軽快で流れがよい。ヘンな逆説感想だが、素朴さではない、スムースに歌ってむしろ作品の流麗さが際立って感じられました。「セレナータ・ノットゥルナ」には”カデンツァ”が入るんです。但し、ソロ・ヴァイオリンじゃなくて、全体合奏で加わっていて、テンポは揺れるし、旋律の姿はすっかり変わっているし、驚きの連続。それでもオーソドックスな則は崩さない。ホルンも上手いっすよ、昔の古楽演奏から大きくイメージを変えております。

K.287「ロドロンの夜会 II」(こんな訳を当てはめるのだね)は、そっと密やかに優雅であって、エキセントリックなリズム強調だった古楽演奏から大きく変貌しております。ほとんど浪漫的!しかし、たしかにサウンドはモダ−ンなんです。第2楽章「変奏曲」が作品中のキモだと思うが、こんな美しい演奏はかつて聴いたことはない・・・第4楽章「アダージョ」に於けるパトリック・コーエン=アケニヌ(v)のソロも絶品!しっとり切々と歌って甘美、しかし清潔感は失わない。

ラストお馴染み「アイネ・ク」〜これも各パート一人なので、大昔聴いたウィーン・コンツェルトハウス(1950年)辺りの演奏を思い出しました。これも先の感想と変わらない。けっこうオーソドックスなんだが、モダーンで優雅。楽器の響きそのものは素朴なんだが、スタイリッシュでカッコ良い演奏。我が貧者のオーディオには、このくらいの小さな楽器編成に相性がよろしいのだな。

ARCHIV 463111-2 9枚組5,884円クーポン値引済10月近況より ●Mozart ピアノ協奏曲第16番ニ長調K.451/第19番ヘ長調K.459/第21番ハ長調K.467/第24番ハ短調K.491/第25番ハ長調K.503〜マルコム・ビルソン(p)/ジョン・エリオット・ガーディナー/イングリッシュ・バロック・ソロイスツ(1984-86年)CD2枚分・・・まさに名曲の森。ピアノ・ソロの前にガーディナー率いる古楽器オケは、涙が出るほど充実しております。単に素朴とか、柔らかい響きというんじゃなく、メリハリ+リズムのキレ、スケールに於いて目が覚めるほどの鮮度と迫力。立派な古楽系のMozart 協奏曲は数多く存在するが、オケの水準の高さは頭を抜いておりました。ちょっとチープなフォルテピアノの音色は、耳慣れたヴォルフガングの旋律を切り口新鮮に響かせます。けっこうテンポも揺れるし、しっとりよく歌うんソロなんだが、後ろ向きの浪漫とは別世界。どれも甲乙付けがたい出来だが、あえて言えばハ短調協奏曲K.491かな?彼(か)の劇的な世界が、力みなくスムースに、そして大きく表現されました。

11月近況より ●Bruckner 交響曲第5番 変ロ長調〜ギュンター・ヴァント/ケルン放送交響楽団(1974年)・・・LP時代、そしてCD時代を迎えても価格問題にて入手できなったが、これを聴いていれば、Brucknerに対する基本的考えを変えていたかも。峻厳に引き締まってスリムな響き、思わせぶりな身振り、意味のない間など存在しないストレート系であって、テンポは速め。件(くだん)のシンプルな旋律を受け持つ各パートは入魂のリキが入っていて、微妙な、ほんのちょっとした節回し、ニュアンスを基本として全体をがっちり組み立てて説得力が深い。決然としてカッコよい!これは出来る限りボリュームを上げて聴いたほうがよろしいだろうが、早朝、ボリューム低くして確認しても、そう音楽のテンションが下がったり、細部が曖昧とは感じません・・・

12月は●岳真也「吉良上野介を弁護する」(文春新書)〜これが抜群にオモロい。昔から日本人は浅野方贔屓であったし、江戸時代に流行ったフィックションでそれは定着したものなのでしょう。吉良家は名家であり、領地では名君として現在も慕われているとのこと。(ちなみに実子が藩主となった上杉でも)ことの本質がようワカランが、「殿、ご乱心!」であったみたい。饗応役の御指南に度重なる嫌がらせがあった、というのは眉唾ですね。昔から「悪役/良役」の単純な割り切りかたが好まれたのか。時代は嗜好の多様化を生んでいて、悪役にこそ魅力、というのも有じゃないか。彼(か)の悪役顔の代表、遠藤憲一なんて最近ドラマで大人気じゃないですか。もとより、上野介は悪役に仕立てられただけだが(狷介な老人役が多い)。先入観を打ち破る大切さを学ぶべき、素晴らしい一冊。

そして大賞2010年

●小さなTOPPING デジタルアンプM1(人民中国製)〜これなくして猛暑は乗り切れなかった。発熱最高の真空管アンプでは死ぬ目に遭っていたかも。

(2011年1月4日)

【♪ KechiKechi Classics ♪】

●愉しく、とことん味わって音楽を●
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written by wabisuke hayashi