Shostakovich ピアノ協奏曲第1番ハ短調 作品35/第2番ヘ長調 作品102
(ユージン・リスト)


ネットより音源入手/自主CD化 Shostakovich

ピアノ協奏曲第1番ハ短調 作品35

ゲオルグ・ルートヴィヒ・ヨッフム/ベルリン・オペラ管弦楽団/フリッツ・ヴェゼニック(tp)

ピアノ協奏曲第2番ヘ長調 作品101

ヴィクトール・デザルツェンス/ウィーン国立歌劇場管弦楽団

ユージン・リスト(p)

ネットより音源入手/自主CD化 1960年前後のステレオ録音 写真はLP時代のもの

 これは以前所有していたCDを処分して、久々ネットよりLP復刻?音源を入手したもの。検索掛ければyoutubeも出てくることでしょう。若く貧しかった頃は、とにかく安く音源入手して、幅広く音楽の見聞を広げること優先、知名度や音質後回し(これがもともと【♪ KechiKechi Classics ♪】由来 )。謙虚、真摯、音楽に対する集中力、体力もありました。似非金満後期中年に至って+CD価格崩壊+データ入手の時代にも、原点を忘れちゃいけない。Shostakovichには苦手意識が強く(とくに交響曲)未だお勉強途上、ピアノ協奏曲はけっこう数は聴いていて、エフゲニー・キーシンによる新鮮この上ない第1番が一番お気に入りとなりました。両曲あわせて40分ほどというのも、集中力体力減退気味な華麗なる加齢にはありがたいもの。他、以下このサイトにコメントあるもの一覧(記憶の確認です)。

マイケル・ヒューストン(p)/リンドン・ジー/ニュージーランド交響楽団(1994年)ちょっと残念な元気ない演奏。
作曲者自演(旧ソヴィエット録音)これは素晴らしいテクニックの冴え!クリュイタンスとの録音もよかった
ヤブロンスキー/オルティス(p)(当時)若い世代のこだわりのなさが、この作品に相応しい。
ドミトリ・ショスタコーヴィチ(p)/マキシム・ショスタコーヴィチ作曲者の息子と孫の演奏も新鮮そのもの。
リーズ・ドゥ・ラ・サール(p)ぴかぴかの若手現役にこそ、こんな作品は似合うんです。時代は”味わい系”を許さない。
 ユージン・リスト(Eugene List 1918-1985)は往年の亜米利加のピアニスト、日本じゃ知名度さっぱり、母国じゃ人気あったみたいです。VOXにたくさん録音が残って、メジャー・レーベルじゃないし、音質イマイチだったから聴く人は少ないだろうなぁ、こんな”廉価輸入盤”が(かつて)自分の縄張りだったんです。閑話休題(それはさておき)

 ピアノ協奏曲第1番ハ短調(正式名称は「ピアノとトランペット、弦楽合奏のための協奏曲ハ短調」)は27歳、若さと才気溢れる作品です。オケ名は怪しいけどベルリン・ドイツ・オペラのことか。フリッツ・ヴェゼニック(1923-)ってカラヤン時代のベルリン・フィルの首席。「熱情」ソナタ主題を引用した冒頭、短調なんだけど人を喰ったようにシニカル、ユーモラスな雰囲気漂って、途中から突っ走るShostakovichのパターンでしょう。第2楽章「Lent」も荘厳静謐叙情的なな旋律サウンド、これは素直に神妙に拝聴すればよいですか?あとは短い「Moderate」〜「Allegro con Brio」(拍子の変化がオモロい/おもちゃの徒競走+ズッコケみたい)一気呵成に突っ走って、乾いた情感を以てクールに終えて欲しい・・・怪しげネット入手音源でもかなり音質良好、リストは淡々リリカル、力みのない技巧です。ヨッフム弟は作品には慣れていなかったと想像されるけれど、まずまず整ったアンサンブル+もちろんトランペットの明朗な技巧に不満はありません。やや手探りな伴奏の合わせかた、おとなしい感じはありますね。

 ピアノ協奏曲第2番ヘ長調作品102は1957年、51歳円熟の作品。こちらにはトランペットはいないんです。「ファンタジア2000」に入ってましたよね。第1番よりいっそう楽しげ、子供向け音楽映画にも相応しい風情でしょう。第1楽章「Allegro」はあちこち眺めながらのお散歩〜やがて楽しげに、時に不安げに、元気いっぱい、どんどこ走りだす、そんな感じ。ユージン・リストはかなりノリノリです。第1番より賑々しい出足。デザルツェンス(懐かしい名前。1908-1986瑞西の指揮者)の伴奏(オケはフォルクスオーパーかな?)も予想外に立派なもの。

 第2楽章「Andante」のやすらぎの風情にシニカルな陰りはないと思います。第3楽章「Allegro」の突っかかったような変拍子はユーモラスですよね、ピアノ・ソロはひたすら明るくアツく疾走して、ユージン・リストの技術の冴えは立派です。小太鼓、ホルンも参入して”変拍子なズッコケ”は愉しさいっぱい。

 もう若い世代はLPを知らんやろうけど、これでちょうどAB面ちょうどなサイズ。LP復刻だから各楽章のトラック分けもなし。時にこんな昔の記録も悪くない。

written by wabisuke hayashi