Brahms 交響曲第3番ヘ長調/セレナード第2番イ長調
(エイドリアン・ボウルト/ロンドン・フィル/ロンドン交響楽団)


FIC ANC-29 600円で購入 Brahms

交響曲第3番ヘ長調 作品90

ロンドン・フィル(1971年)

セレナード第2番イ長調 作品16

ロンドン交響楽団(1978年)

エイドリアン・ボウルト

FIC ANC-29 EMIの非ライセンス(駅売海賊)盤 600円で購入

 このCDとのお付き合いも既に15年以上、正規ライセンス盤全集3枚組を入手していたが、音質的な不満、CD製品としても仕上げの粗雑さを感じて、全体在庫整理計画に伴って処分済。この駅売海賊盤だけは生き残っておりました。あきらかにこちらのほうが音質が(少々)明快(ま、音質の件は安物オーディオだからあてにせんで下され)、+(お気に入り)セレナードも収録されております。

 既にこのサイト中で千度繰り返してきたが、駅売海賊盤の存在意義はなくなりました。御大カラヤンの1970年代交響曲集38枚組(DG録音)が英国アマゾンで注文したら、新品送料込5,182円でっせ。そんな時代です。この原稿執筆時点、駅売海賊盤は80本+【オーマンディと カラヤン】のところに12本、記事が【♪ KechiKechi Classics ♪】 に残っているが、既にそのうち30枚は処分済。棚中残はざっと120枚かな?この類はオークションでも、なかなか処分しにくいんです。いくら安くても。

 最盛期在庫の1/3へ。おお!人生になんたるムダな出費〜とは言い切れぬ愉しみたっぷり、20年分ほど与えてくださいました。1990年前半迄は「1,000円が廉価盤」基準だったんです。クラシック音楽CDオークション出品を見ていると、その価格相場感覚から抜け出ていない人が未だ多い感じ。閑話休題(それはさておき)・・・

 室内楽やピアノ作品だと寂寥の親密感たっぷりのBrahms だが、交響曲ならエラそうで、大柄に過ぎて敬遠することが多いんです。聴く機会はひじょうに少ない。ここ最近、ナマ演奏会を敬遠している一因が選曲にあって「BEETHOVENBRAHMS」+「Tchaikovsky」の交響曲ばかりであること・・・そりゃ、Vaunghan WilliamsとかElgarじゃお客は入らんでしょうが。

 NMLで、英NIXA/PYEの旧録音(1954年)が聴けるんです。音質が気になって新録音全集を処分したはずなのに、旧いモノラル録音でも全然気にならぬ、ヴィヴィッドで躍動する音楽を堪能いたしました(勝手な言い種だ)。で、こちら晩年の1971年録音はどーなんだ?

 わずかにテンポは遅くなっているが、ほとんど変わらぬ”ヴィヴィッドで躍動する音楽”。気分的な問題か、新録音の方が悠然としたスケール感が加わっているような気がしますね。基本ストレート系で飾ったところが少ない、剛直で悠々たる演奏であります。第1楽章「アレグロ」は、弓をいっぱいいっぱい引き絞って、一気に飛び出したような喜びに溢れます。アンサンブルは良く整っているが、悠然たる幅が感じられて神経質さとは無縁〜明るく、重苦しくはない。

 第2楽章「アンダンテ」には練り上げられた静けさがあって、この交響曲の白眉第3楽章「ポコ・アレグレット」(さようならをもう一度)は甘さ控え目。ま、思いっきりトロトロに仕上げていただいてもいっこうにかまわない。でもね、この甘美なる名旋律はあまりに纏綿と歌うと重苦しくなりすぎることでしょう。さらりとまっすぐな表現がちょうど似合う。ロンドン・フィルって熱演時、たまに”響きの薄さ”を感じることがないでもないんだが、ここではそんなことは微塵も感じさせぬ充実集中ぶり(ハイティンク時代でしたっけ?)

 終楽章の熱気、勢い、に何らの疑念もなし。思わぬ中盤のアッチェランドも不自然ではない。やがて最終盤に向け、いや増す熟達の落ち着いた味わいは、ワタシのBrahms 敬遠症を癒して下さいました。

 セレナード第2番イ長調 作品16は、意外とお気に入りなんです。編成にヴァイオリンを欠いて、地味な印象はいっそう強まりました。”交響曲第2番ニ長調をいっそう優しく、上機嫌に仕上げたようなテイスト”というのがワタシの基本認識。Mozart をイメージすると、ずいぶん大柄な”セレナード”だが、交響曲ほど肩肘張らず、気楽に、ゆったりと味わうべき作品なのでしょう。上機嫌なるBrahms おじさんであります。

 こちらロンドン交響楽団に替わったが、筋が通って芯があって・・・というスタイルは何ら変わらない。

(2009年6月12日)

【♪ KechiKechi Classics ♪】

●愉しく、とことん味わって音楽を●
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written by wabisuke hayashi