Debussy 牧神の午後への前奏曲(マルケヴィッチ/フィルハーモニア管弦楽団)/
夜想曲(モントゥー/ボストン交響楽団)/小組曲(アンセルメ/パリ音楽院管弦楽団)


Membran 232867/CD2 Debussy

牧神の午後への前奏曲

イーゴル・マルケヴィッチ/フィルハーモニア管弦楽団(1954年)

夜想曲(雲/祭/シレーヌ)

ピエール・モントゥー/ボストン交響楽団/バークシャー音楽祭女声合唱団(1955年ステレオ)

小組曲(BU"SSER編)
エルネスト・アンセルメ/パリ音楽院管弦楽団(1948年)

Membran 232867/CD2 10枚組970円

 Membranの歴史的録音は安いし、珍しい音源をたっぷり堪能できます。ほとんどパブリック・ドメインにてネットより音源入手可能な時代となったので、ここ最近はCD購入はお休み状態。これは2010年4月入手とのメモが残っておりました。「寄せ集め」というのも悪くはない・・・というのは若い頃、カセット・テープに次々とエア・チェックしていった性癖からくる嗜好なのでしょう。

 マルケヴィッチの「牧神」には、こんな音源もあったのか・・・的感慨も深い珍しい音源也(おそらくEMI)、ちょうどステレオに切り替わる直前の時期、やがて忘れ去られたのでしょう。ベルグラード(ベオグラード)・フィルとのステレオ録音(←既に棚中に存在しない)はかつて出回っていたが、こちらオケの技量は桁違い、明晰、雰囲気で聴かせる演奏ではありません。但し、逆に少々ほんわかとした雰囲気が足りない、と感じるほどのキレ味。モノラルながら音質も良好です。

 ピエール・モントゥーの「夜想曲」は1961年英DECCA録音(ロンドン交響楽団)が有名、それには「シレーヌ」が含まれません。前年の「海」(こちらはモノラル/どちらもRCA音源)と並んで意外と知られていない、というか、入手しにくかった音源であって、リズム感の良さ、明快だけれど粋な雰囲気、オケの上手さ、明るい響き(とくに「祭」に顕著)〜三拍子揃った演奏であります。この人は、なにを演奏しても強面な力みがないのだな。「シレーヌ」に於ける爽やかな広がりも上々。音質はまぁまぁ、と言っちゃ罰が当たる、時代を勘案すればどこに文句がある?的立派な水準でしょう。

 アンセルメの「小組曲」といえば1961年録音が著名、こちらモノラル旧録音も音質的な不備をほとんど感じさせません。アンセルメの十八番かな?気怠い、生暖かい、湿度の高い風情、たっぷり。スイス・ロマンドよりこちらパリ音楽院のオケのほうが名手揃ってますよ。木管の朗々とした音色も夢見るように美しい。例の怪しいセクシー・ヴィヴラート満載のホルンも遠くで鳴っております。マルケヴィッチとは対極と言うことですよ。細部曖昧っぽいが、これほどの雰囲気満載というのも現代に消えてしまったサウンドなのでしょう。

 三者三様、個性を堪能すべき一枚也。

(2012年6月24日)


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written by wabisuke hayashi