Vaughan Williams イギリス民謡組曲/ノーフォーク狂詩曲第1番/
グリーンスリーヴス幻想曲/タリス幻想曲(エイドリアン・ボウルト/ロイヤル・フィル1953年)
Vaughan Williams
イギリス民謡組曲
ノーフォーク狂詩曲第1番
グリーンスリーヴスによる幻想曲
トマス・タリスの主題による幻想曲
エイドリアン・ボウルト/ロイヤル・フィルハーモニー
Vanguard VRS1098 LP音源をネットよりダウンロード 1953年録音
NMLでも聴けます
2009年辺りよりパブリック・ドメインとなった歴史的音源は、ネット経由フリーでダウンロードできるようになりました。もとより、21世紀に入ってから激安CDボックスが次々と出たのも、同じ理由でしょう。ワタシは数年掛かって9割方棚中歴史的音源処分を実施〜した件は、千度このサイトで言及済。音質を気にするようになったこと+いつでも聴こうと思えば聴けるワイといったところです。一方で「協奏曲100枚組」みたいなものを買い足しているから懲りていないんだけれど。
2010年には自主CD化に明け暮れ、その件「音楽日誌」に掲載したら、同好の士が「こんなサイトもありますよ」と凄い自由自在音源ダウンロード海外サイトを(9個ほど)ご教授下さいました。病膏肓に至る(やまいこうこうにいたる〜趣味道楽に入れ込みすぎて手がつけられなくなる状態を表す言葉)自主CD化は加速しております。更に各々「リンク」が張っているじゃないですか、珍しいLP初期音源専門に上梓しているサイトも発見いたしました。日本に生を受けて50有余年、日本語一筋に精進してきたのでインターナショナルな言語駆使不如意。しかし、クラシック音楽だったら西班牙語でも理解できる!不便はない、と断言できます。なんせひたすら激安輸入盤ばかり追い求めてきましたから。そこで入手できたのがコレ、Vanguard VRS1098音源。
類似の選曲にてボウルトは再録音を繰り返しております。この辺りの作品は、まさにワタシのツボ。いったい何枚何種棚中にCD存在するのやら・・・数えたこともありません。
馴染みの作品ばかり。彼のロイヤル・フィルとの録音は珍しいような気もするけれど、後年のステレオ録音とイメージ寸分違わない(いろいろ聴く意味ない、ってか)。音質もかなり良好、作品を味わうのになんの不足もなし。「イギリス民謡組曲」の剽軽な親しみやすさ、のんびりとした楽しさ最高〜ほんまに「ワタシの好きな曲」ベスト・ワンにしたいくらい。第1曲 行進曲「日曜日には十七歳」(March - "Seventeen Come Sunday")/第2曲 間奏曲「私の素敵な人」(Intermezzo - "My Bonny Boy") /第3曲 行進曲「サマセットの民謡」(March - "Folk Songs from Somerset")より成っていて、英国人だったら誰でも知っている歌ってる〜おそらく、そんな旋律なんでしょう。英国には縁も縁もない日本人(=ワシ)でもホンワカ懐かしいですもん。わずか10分、ボウルトはユーモアたっぷり、骨太、かつ、しっとりと表現して下さって文句なし。
「ノーフォーク狂詩曲第1番」〜切なく、もの哀しくも静謐な作品だなぁ。ノーフォークって英国東部の州らしいけど、寒々しいところなんでしょうか。途中溌剌とした行進曲風に盛り上がって、この辺りが元気なのは、気力体力充実を意味しているのでしょう。ボウルト当時64歳。こんな鬱々と後ろ向きの旋律は、日本じゃ人気ないことでしょう。なんどかこのサイトでも言及しているが、木管の節回しは日本の民謡を彷彿とさせます。
「グリーンスリーヴスによる幻想曲」〜これは小学生、ほんのこどもの頃からのお気に入りです。泣けるほど美しい、胸に染みる旋律は希、と断言したい。弦の編成は小さく聞こえます。バルビローリの纏綿演奏が印象深いが、ボウルトの淡々とした歩みも味わい深いもの。「タリス幻想曲」だって同じくらい価値のある作品だと思うが、知名度は少々低いでしょうか。生で聴くと興味深いですよ、バンダ(別働隊)+ヴィオラを先頭に弦楽四重奏が絡む、複雑な幻想曲。こちらのほうが長い(15分弱)から、たっぷり詠嘆の世界を堪能できるんです。ボウルトは弦の表情を自在に変化させ、剛直に(纏綿に非ず)呼吸深く歌うんです。
ロイヤル・フィルの弦は絶品です。艶々とか、もの凄く整って揃っている、とかじゃなくて、表情の変化が多彩なんです。ボウルトの手腕なのかな。ビーチャムの薫陶か。 (2011年2月25日)
【♪ KechiKechi Classics ♪】 ●愉しく、とことん味わって音楽を●
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