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通俗名曲は如何?


 「通俗名曲」なんて呼び方、最近ありませんよね。その筋の「通」の方々が「まだそんな平易な音楽聴いてるの?」なんてやや鼻につくような風景も思い浮かんで、不快な感じもあります。「a popular excellent piece of music」になるのかな?英語では。2002年4月にワタシのサイトに掲載した「クラシック名曲小品集(フィードラー)」辺りが該当するかも知れない。

 Borodinの名作「中央アジアの高原にて」〜これも悲しい運命(通俗名曲の代表格?として軽視される)をたどっていて、BBSでも一部話題になりました。ワタシはMozart の「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」が大好きで、小学校5年生の時にこの曲に出会ったのがすべての始まりでした。母親にねだって買ってもらったのがミュンヒンガー/シュトゥットガルト室内管の17cmLP。

 中学生の時、音楽室にあったのがショルティ/イスラエル・フィルの演奏(もしかしたら、現在では貴重)で、集中力が異常にハイ・テンションで、フレージングの区切りがバッサリ!といった演奏だった記憶があります。社会人になって購入したのが(ありがちで申し訳ないが)ワルター/コロムビア響の優雅な演奏。これは、ある意味標準ですね。

 あ、その前(おそらく中学生時代)にセラフィム1000シリーズで、コリン・デイヴィス/フィルハーモニア管のLPを買っていて、ずっと愛聴しておりました。先日CDで再会したが、感激はまったく薄れない。若々しくて、溌剌とした指揮ぶりでした。数枚のCDが手元にあるはずだが、あまりに馴染みすぎて真剣に聴く機会が少ないし、正直「さあ、アイネ・クを聴こうかな!」なんて、改めて決意することも滅多にありません。

 「通俗名曲」の悲しき運命でしょうか。でもね、この曲は難しいんですよ、ちゃんと演奏するのは。正直、オーセンティックな楽器編成で聴いたことがないし、クリティカル・エディションでちゃんと聴いてみたいものだが、廉価盤では手に入らないもツラい。「どんな演奏でも感動するが、ある意味どんな演奏でも満足できない」作品。弦楽器のみで演奏される、交響曲のような偉容を誇る名作中の名作。

 父さんMozart の「おもちゃの交響曲」ってあるでしょ。あれ、誰でも知ってるようで意外とCDは売っていないもんですね。ワタシは小学生時分にカラヤン/フィルハーモニア管の17cmLP(裏は「モルダウ」)で楽しんだ想い出も懐かしい。これも先日、中古屋さんでローラ/リスト室内管(HNGAROTON HRC066)で手に入れたが、鄙びた愉悦感がたまらない魅力。

 それを「通俗名曲」の一言で片づけるのも乱暴ですよね。Suppe'という人がいるでしょ?19世紀のウィーンで活躍したオペレッタの作曲家だけど、序曲「軽騎兵」(〜考えてみれば、これもへんな言葉だ)「詩人と農夫」辺りが有名で、これまたやや軽視されるタイプですよね。

 彼の作品ばかり9曲集めたCD(LASERLIGT COCO-78340 300円だったかな?)がありまして、なかなか楽しめるんですよ。ヤーノシュ・シャンドール/ハンガリー国立歌劇場管弦楽団の演奏(1987年録音)〜って、その筋の音楽には期待させる演奏家。初めて聴くような旋律も沢山あって、新鮮です。眉間にシワ的音楽ばかり聴く必要はない。

 FICの海賊盤だけど、「BEST OF VIOLIN」(EX-150)というのが手元に有。想像通り「ツィゴイネル・ワイゼン」「序奏とロンド・〜」(リッチ)、「クライスラー小曲集」(シェリング)、その他、イダ・ヘンデル、グリュミオーなんて豪華コンピレーション・アルバムで、お気に入りなんです。もし「通俗名曲」なんてレッテルのみで、こんな素敵な中古CD(しかも250円)を見逃したら一生後悔しまっせ。

 ま、軽音楽なんていう言葉も死語っぽくなったし、もとより音楽に軽重などあろうはずもなし。「音楽に貴賤なし」と先人の言い伝えにもあるし、「天は音楽の上に音楽を作らず、音楽の下に音楽を作らず」と福沢諭吉も学生達に教えました。(ウソ)これ、流行歌(はやりうた)でも、まったく例外ありません。

 ・・・・な〜んて言っちゃって、じつはこの文書、Webernの協奏曲 作品24(メータ/イスラエル・フィル 1995年ライヴ)なんか聴きながら書いているんですよ。いやぁ、難解な音楽でして、ポツリポツリと音が散乱していて参りました。いや、それも音楽。とても楽しい。(2002年7月5日) 


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written by wabisuke hayashi