To CLASSIC ちょろ聴き
CLASSIC ちょろ聴き(6)
Mahler 交響曲第1番〜レヴァイン/ロンドン交響楽団(1974年録音)
これ、なんというか「明るいMahler 」か。「陰影に富んで、病んだ感じ」がまったくない。かといってノー天気なアホ演奏かというとそうではなくて、歌心に充ちて、聴いていてひじょうに楽しい。オーケストラ・コントロールに優れ、LSOも快調。かなり以前の録音で、結局全集に至っていないが、これはもしかして新時代のMahler を切り開く演奏になるのかも知れません。それとも現在「巨匠」になったレヴァインは考えすぎの演奏をするのかも。(2002年3月31日)
Beethoven 交響曲第3番「英雄」〜フリッツ・シュライバー/ドレスデン州立管弦楽団
結論的に言えば、カラヤン/プロイセン(ベルリン)国立歌劇場管弦楽団による1944年5月 ドイツ帝国放送協会大ホールにての録音とのこと。音質はそれなりにガマンできるくらいの水準だけれど、演奏的には颯爽として若々しく推進力に溢れたカッコよいもの。後年のハナに付くレガートとか、表面だけ取り繕った厚化粧激甘演奏とは正反対の「柔軟なるトスカニーニ」風演奏。ストレートで燃えるような迫力を感じます。オーケストラの心のある音色も魅力的。+ゲール/ヴィンタートゥーア響の「リンツ」も収録。音の状態が大変よろしくて驚き。(2002年3月21日)
Mussorgsky「展覧会の絵」、Ravel 「ボレロ」「ラ・ヴァルス」「道化師の朝の歌」 ドホナーニ/クリーヴランド管弦楽団(1985年録音)
恥ずかしながらドホナーニは初耳。ワリと最近のクリーヴランド管もサッパリ聴いてなくて、試しに購入してみたもの。演奏はまったく予想通りで、上手くて機能的で、ストレートで〜そして味がない。いやはや困った風潮ですなぁ・・・とご隠居風な感想も出てしまう。オーケストラの技量に文句はないが、「これが今風の味わい」とは認めたくない。もっと揺れ動く心象風景、みたいのが欲しいなぁ。選曲的には配慮されていると思うが。(2002年3月16日)
Mozart 管弦楽名曲集 コリン・デイヴィス/フィルハーモニア管弦楽団/ロイヤル・フィルハーモニー(1959〜61年録音)
アイネ・クほか、歌劇序曲集をたっぷり収録。C.デイヴィスがまだ若い頃の録音で、かつて廉価盤LPで出ていたものに曲数を増量。意外とグランド・マナーの演奏。タップリと豊かで、そして溌剌と若々しい。両オーケストラとも明るい響きで、久々この類の収録では楽しめました。この人、かつて次世代の(ワルターやベームに続く)Mozart 弾きとして嘱望されていたことを思い出しました。(2002年3月16日)
Orff カルミナ・ブラーナ プレヴィン/ロンドン交響楽団・合唱団(1974年録音)
中古屋さんで安かったから買ったが、まさに予想通り。バランス良く、上品で過不足がない。美しい演奏。もともとストコで覚えた曲だし、ケーゲルを聴く機会が多いし、ということで、いかにもオーソドックスだけれど、これは意外と聴き飽きない、基礎力量の高い演奏かも知れません。音の状態はいかにもEMI風コシのないものだけれど、自然で悪くはない。(2002年3月3日)
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