Bizet/Shcedrin編 バレエ音楽「カルメン」組曲
(ウラディミール・スピヴァコフ/モスクワ・ヴィルティオージ室内管弦楽団)


OLYMPIA OCD108 Bizet/Shcedrin編

バレエ音楽「カルメン」組曲

ウラディミール・スピヴァコフ/モスクワ・ヴィルティオージ室内管弦楽団/アルメニア国立室内アンサンブル/打楽器アンサンブル

「ディオニソスのフレスコ画」

アレクサンドル・ラザレフ/ボリショイ劇場ソロイスツ・アンサンブル

OLYMPIA OCD108  1984年録音  $5.99にて個人輸入

 以下のコメントからほぼ10年経過。ワタシは”モノ”に執着しない性格(飽き性?)だし、棚中のCDはどんどこ入れ替わって、かつて【♪ KechiKechi Classics ♪】に載ったCDも、かなりの比率で処分済。

 じつは最近、RCA 09026-63308-2アーサー・フィードラー/ボストン・ポップス管弦楽団(1969年/初演2年後)を聴く機会があって、滅茶苦茶オモロいリズム躍動!、多種多様な打楽器とリズム、サウンドの色彩を堪能いたしました。フィードラーはバランス良い響き、リズム感の良さ、極上のオーケストラを率いて絶好調、ライト・クラシック専門かと思ったら、こんな硬派な録音もあったとは(しかも音質が素晴らしい)・・・そして、このCDを思い出しました。ちゃんと(珍しく)棚中に生き残っておりました。

 このCDは入手当時は珍しいものだったんだけれど、現在は入手可能。ようやく録音情報もわかりました。久々の拝聴は、以前とはずいぶん印象が変わりました。馴染み深い旋律は弦楽器と打楽器のみで表現され、リズム感の躍動+打楽器の多彩かつ強烈、ユーモラスな響きが華を添える素晴らしき名曲。冒頭のさわさわとした静謐なる弦にチューブラーベルが絡む冒頭からゾクゾクするほど魅力的。

 前回はこれ以外聴いていなかったから、なんの不満も出るはずはない。じゃ、9年を経てどーなの?彼(か)のフィードラーは印象深かったですよ。こちらスピヴァコフは弦の編成が小さく、怜悧でクールというか、鋭くて冷血、細身のサウンドです。それが悪いとかなんとか、じゃなくて、そういった個性。打楽器はモウレツに正確なリズム、キレ味+迫力抜群。フィードラー盤にはユーモアを感じたものだけれど、まさに現代音楽のテイストに溢れて機能性抜群であります。

 思いっきり大衆的旋律のBartokみたいな感じか。本家「カルメン」の大衆性を完全に拭い去って、硬派なリズム、サウンドの色彩は打楽器のみで作り上げる、といった作品です。演奏は正確で”無表情”(作品の本旨に似合っている)、「ファランドール」〜「闘牛士の歌」のド迫力にも文句なし。でもね、ワタシはフィードラーの賑々しい愉悦に惹かれました。ま、こちらの冷たい個性も捨てがたい。45分、多種多彩なる打楽器の饗宴を堪能いたしました。名曲ですね。もっと多くの人々に聴いていただきたい作品也。名曲。全曲じゃないが、生演奏でも聴いたことがあるのが自慢です。

 「ディオニソスのフレスコ画」って、なかなか聴けない作品でしょう。静謐、神秘的、幻想的な室内管弦楽(ほとんど室内楽)作品。旋律は荒唐無稽だけれど、緻密な集中力を感じさせ、色彩感は管楽器の細かい音型+微妙な打楽器(トライアングル?鈴?チェレスタ?)にて付加されております。起承転結はなく、各パートの不安な、融け合わない和音が12分ほど継続いたします。上手いオーケストラですね。ラザレフのボリショイ時代(1987-95年)だろうから、1990年前後の録音でしょうか。今となっては貴重な音源です。

(2011年4月29日)

 たしかFMで岩城さんとOE金沢の演奏(たしかDGに録音していたはず)を聴いて知った曲と思います。ワタシのサイトは市井のド・シロウト音楽ファンの域を超えないものだけど、けっこうアマ・オーケストラの方々が連絡を下さいます。女性は少数だけれど、なぜかやたらと打楽器奏者が多い。(原因不明)

 ワタシ、打楽器には縁もゆかりもない人生を送ってきたことはたしかだけれど、実演では目立ちますよね。カッコ付けることも可能か?事実カッコ良いし。本物のフラメンコ・カスタネットなんか見たこともない(というか、先日初めて見せていただいたけど、さわっていない)

 せめて、「カスタネットが活躍する音楽CDでも紹介しましょうかね」ということで、行き当たったのがコレ。スゴいっすよ、迫力が。ある日、CD棚の奥から出現!って、バブル後期の円高の時期に購入したはず。ジャケット絵の女性が愁いを含んでセクシー。

 「カルメン組曲」の初演は1967年4月20日。シチェドリンの妻でであるマヤ・プリセツカヤというバレリーナのための作品とのこと。現代曲としては出色の人気曲だけれど、初演は失敗だったらしい。(これ本家オペラ「カルメン」と同じ運命か)弦楽器、ティンパニと4つのグループ(なんの楽器かは良く知らない)という特異な編成。

1 序奏、2 ダンス 、3 間奏曲1、4 衛兵の交替、5 カルメンの登場とハヴァネラ、6 情景、7 間奏曲2、8 ボレロ、9 闘牛士、10 闘牛士とカルメン、11 アダージョ、12 占い、13 フィナーレの前3曲。誰でも知ってる歌ってる、というくらい有名な旋律だけれど、雰囲気が並じゃない。

 主旋律が全て弦で演奏されるでしょ?色づけや派手派手しくも激しいリズムはすべて打楽器で表現されて、ゾクゾクしますよ。ちょうど、オペラにおける歌手を打楽器に置き換えた感じね。序奏からして安らかな弦に、あれなんていうの?NHK歌合戦の鐘みたいなので主旋律が歌われて、まるで「夜明け前」みたい。有名なる主旋律にはタンバリン、弦のピツィカートにカスタネット(+コレなんだろうね風楽器)が情熱的、鈴もトライアングルも乱入。

 間奏曲1は木琴(シロフォンっていうの?)でしょ、衛兵の交代はシロウトにイメージしやすいように小太鼓+大太鼓、で、なんか原曲微妙に変えていて、リズムを途切らせて、合いの手(なに?あのユーモラスなポコポコいう音は)が入ります。

 ま、もっとも有名なる「ハヴァネラ」〜これはフラメンコ・カスネット大活躍ですよ。(繊細かつ微妙)当然。そういう場面ですからね。ヴァイヴがエキゾチックでもある。(これ個人的な感想だけど、次々と様々な打楽器が旋律を引き継いでいくというのはScho"nbergを連想させます。こちらのほうがずっとポピュラーだけど)

 「ボレロ」って「ファランドール」のことなんだけど、速いテンポで木琴(?シロフォン?)やら大太鼓やら、小太鼓の激しいリズムやら聴いているとドキドキします。で、だめ押し「誰でも知っている歌ってる」(2度目か)「闘牛士の歌」〜これ、音の合間はすべて打楽器で埋めるぜ!という決意で鳴ってますね。これに慣れると原曲が物足りなくなる。

 アダージョも原曲より派手。(NHKのど自慢の鐘鳴りっぱなし)フィナーレはね、デル・モナコの涙の絶叫を思い出しますね。なんやら木琴の主旋律が妙にユーモラス。Shcedrinは歌い手の熱狂ではなくて、リズムの緊張感で最後の山場を作るんですね。

 このモスクワ・ヴィルティオージ室内管は超絶技巧でっせ。バルシャイ/モスクワ室内管の衣鉢を継いで完璧アンサンブル。間奏曲2の濃密かつ充実しきった美しいアンサンブルを聴くと、ただただ圧倒されるばかり。「闘牛士とカルメン」の、おぞましい味わいも出色の緊張感。(ヴァイヴが悩ましいの)

 ああ、久々に真剣に一枚聴いちゃった。ああ、そういえばラザレフさんね(最近どこ行ったのか)、神秘的、かつわかりやすい曲で、充分楽しめました。でも、「カルメン」組曲の刺激が強すぎ。もしかしたら「打楽器大活躍」系音楽の最高峰か?


 このCDは手に入りにくいと思うので(聴いたことはないが)一枚紹介しておきます。

8.553038 / NAXOS Classics
シチェドリン1932〜 (SHCHEDRIN)
●「カルメン組曲」(ビゼーのオペラによるバレエ音楽)
オーケストラのための協奏曲第1番「お茶目なチャストゥシュカ」
■テオドレ・クチャル指揮/ウクライナ国立交響楽団

どこでも手に入ります。おそらく1,000円弱。でも、演奏の保証はない。(2002年12月15日)


で、この文書を更新したら、BBS書き込みなどでいろいろとご指導をいただきました。その辺りをまとめます。


【♪ KechiKechi Classics ♪】

●愉しく、とことん味わって音楽を●/FONT>
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written by wabisuke hayashi