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岡山フィル第21回定期演奏会


2003年2月23日(日)PM3:00〜岡山シンフォニー・ホール

Bizet
交響曲ハ長調

Shcedrin編
「カルメン」組曲より

アントニオ・アソンロ・スペイン舞踏団
指揮 山下一史 ソプラノ 塩田美奈子さん(s)

岡山フィルハーモニック管弦楽団

 入り口で招待券を2500円で譲っていただきました。(その、おばさん商売か?タダなのに)岡山のプロ・オーケストラである岡山フィルに前回行ったのは、2000年2月でした。ずいぶんとご無沙汰。創立10周年記念らしくって、意欲的なプログラムが楽しみでした。シンフォニー・ホールの一階が新星堂になっていてCDを眺めていたら、ギョッとするくらい厚化粧のお姉さんがお隣にいて、スペイン舞踏団の人なんですね。

 お客は2000人弱くらいかな?けっこう入ってました。なんやら一階の右ロビー席の奥で、舞台が見にくかったので、勝手に二階ロビー席前方の空き席へ移動。対面に、チェロやらバスやら打楽器グループがよく見えます。つまり低弦右配置。

 若手のホープ山下さんの指揮ぶりは、エネルギッシュ。Bizetの交響曲は、古典的な均整の取れた、旋律が美しい曲です。岡山フィルは、女性が半数以上を占めるみたいだし、全体にメンバーが若い。女性の服装は素敵だな。チェロの中程にいらっしゃった方は、男装でしたね。とても似合っていました。第一ヴァイオリン中盤の女性はミュールを履いてましたね。

 このオーケストラ、響きが素直で軽快、クセがないんです。いわゆる室内楽編成+αくらいの2管編成で、曲も曲だし爽やかで気持ヨロシ。アンサンブルは緻密で繊細、流れも良いが、チカラ強さには足りない感じ。でもね、オーボエの女性ソロがとてもよく歌って美しい〜というより、味わいある節回しでちょっと個性的なんです。ホルンの見せどころもあるんですが、もっと思いっきり豪快に吹いていただいてもよろしいかと、そんなことも思いました。

 シンフォニー・ホールはちょっと響きすぎで、音に芯が感じられない場合もあるんですが、上方の席では聴きやすい。


 で、20分の休憩後「カルメン」。オーケストラ後方に一段せり上がって舞台がしつらえてあって、抽象的なバック模様+テーブルと椅子配置。で、団員舞台に登場・・・・「?」管楽器も出てくるじゃないの。Shcedrinの「カルメン」って、弦(コントラバスなし。正確にいうと一名途中で登場)+打楽器(5名)+ハープのハズでしょ?そういえば、プログラムには塩田美奈子さんの名前もある。

 とにかくチューブラーベルの主旋律で、弦がさわさわとしたバックを付けながら素敵な音楽(イントロダクション)開始。(「伊東家の食卓」のチューブラーベルの叩くところがおかしい!との話しが理解できなかったが、トンカチで一番上を叩くのが正しいんですね)ええっと、打楽器は、ティンパニ(4つ)、大太鼓、小太鼓、トライアングル、マリンバ、ヴァイヴ、鉄琴(?)、グロッケンシュピール、カスタネット、なんやら「ち〜ん」となる小さな鐘みたいなもの、タンバリン、なんかまだあったみたい。持ち替えで忙しそう。

 ところがね、前奏曲がフル・オーケストラで続きます。ん?これShcedrinじゃないよね。で、ワインレッドに輝くスカートに片肌も露わな黒いタンクトップ風衣装で、七人の美しい女性登場。+イケ面男性二人。ほぼ全員日本人かな?これがまぁ目にも鮮やかだし、バンバン足を踏みならして抜群の迫力でドキドキしちゃう。

 で、御大アントニオ・アロンソ登場〜ええオトコでっせぇ、婦女子はたまらんでしょうなぁ。有名なる「ハヴァネラ」が始まりました。ここはShcedrin版では、もっともカスタネットが活躍するところ・・・・・のはずが、これ通常管弦楽版になっていて、カスタネットは出てきません。塩田美奈子さんはこれまた深紅のドレスでカルメンを演じて絶唱。なんと清楚な歌声。痺れました。

 どうも塩田美奈子さんの歌が入るところは、通常版になるみたいなのね。プログラムにはなんの説明もないけれど。で塩田さんがカルメン、アントニオ・アロンソはドン・ホセという劇仕立てになっていて、雰囲気あります。演奏も良いけれど、スペイン舞踏の迫力に目は釘付け状態。

 打楽器五人組は持ち替え楽器で八面六臂の大活躍だけれど、途中のカスタネットは「柄付き」でしたね。それもチョロリとしか出てこない。ヴァイヴとタンバリンが効果的だなぁ。それとマリンバのお姉さんは、あれなんていうのマレット?叩き棒ね、四本持って格好いいの。

 カスネットはなしかぁ、なんて思っていると「カスタネットの歌と踊り」開始。あれ、どこで鳴っているの?と思ったら、舞台上の踊りのお姉さんで、まずひとり、つぎ二人、と、どんどん増えていって7人全員フラメンコ・カスタネット、しかも振り付きで演奏してくださいました。そこに塩田さん登場。彼女もカスタネットを叩きながら歌います。そして、ドン・ホセの誘いを拒否してカスタネットを投げつけて終了。(ここ塩田さん衣装変更。ピンクだったかな?計3回)

 しかも、トランペット二人がわざわざ舞台から一旦出て、ソデから吹くのも嗜好凝らしてますね。

 フィナーレ、激情したドン・ホセが塩田カルメンを刺し殺して終了。Shcedrin版をベースにしながら、オペラの筋を追えるように工夫してありました。いや、はっきり言って大好評。アントニオ・アロンソの踊りがピタリと決まると、思わず喝采。塩田さんの熱唱が終わるやアツい拍手。ひさびさ、とことん楽しめる演奏会でしたよ。これで2500円は高くないぜ。


【♪ KechiKechi Classics ♪】

●愉しく、とことん味わって音楽を●
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written by wabisuke hayashi