Sibelius 交響曲第2番ニ長調
(ヘルベルト・カラヤン/フィルハーモニア管弦楽団)


Sibelius  交響曲第2番ニ長調(ヘルベルト・カラヤン/フィルハーモニア管弦楽団)(PIGEON DISK)GX-249
Sibelius

交響曲第2番ニ長調  作品43

ヘルベルト・カラヤン/フィルハーモニア管弦楽団(1960年EMI録音)

ヴァイオリン協奏曲ニ短調 作品47

ヘンリク・シェリング(v)/ロジェストヴェンスキー/ロンドン交響楽団(1965年PHILIPS録音)

(PIGEON DISK)GX-249  中古250円にて購入

 2005年12月学生さんのSibelius を聴いたら、すっかり感銘の渦に叩き込まれて、この作品との出会い(まさにカラヤン/フィルハーモニア管弦楽団)を思い起こしたものです。未だにカラヤンの正規録音は入手する機会はなく、この駅売海賊盤(の激安中古)しか所有しておりません。あとで気付いたが、このCD(エエ加減復刻)はモノラル収録なんです。間違いなく元々ステレオ音源でして、もしかしたらLP時代モノラル盤が存在して、その板起こしか。たしかにあまり(期待ほど)よろしくない、どんよりとした音質であります・・・

 ・・・と、思ってきて再聴したが、優秀録音とは言えぬが、そこそこの自然なる奥行きもあってそう聴きづらくはない。音楽の様子もよくわかります。演奏の様子は以前と変わらず、あとは聴き手(=ワタシ)の好みの問題でしょう。ま、以前ほどのアレルギーはなくてそれなりに楽しんだ、ということです。

 カラヤン流スタイリッシュで流線型であることはともかく、スケール大きく堂々たる「シンフォニックな」演奏に仕上がっております。つまりBeethoven やらBrahms と同様な方向でSibelius を捉えている。絶賛される方は多いと思いますよ。例えば、ザンデルリンクがこんな方向か。もっと(うんと)無骨だが。「どれを演ってもカレー味」〜ワタシはいつも揶揄するけど、ま、好みですから。

 いや、それにしても隅々まで”カラヤン臭”に充たされてますね。旋律細部の”シナ”、レガートを基本とする各パートの受け渡し、疾走する部分での流れるようなスムースなスピード・アップ、サビでのオケ全力動員の効果的なこと、耳当たりの良いわかりやすさ・・・若い頃はそんなこんなすべてに反発してきたけど、たった現在(いま)聴けば、嗚呼、こんな指揮者の個性を明確に刻印できる人が何人いるだろうか。目隠ししたって「カラヤン!」って即わかることって大切かも、そんな妙な感慨に耽ってしまいました。

 そんな個性を拝聴しつつも、やはりこれはワタシの好みではない。おそらくマナで聴けば、その圧倒的な盛り上がりに感動すること必至だろうが、響きが豪勢豪華過ぎ。もっとフレージングは清潔で、オケの響きは清涼冷涼誠実であって欲しい。オケが分厚く、上手すぎるのもよろしくないかな?(勝手な言い種だ)しかし、この時点、ワタシはカラヤンのSibelius を聴ける状態に間違いはない。

 シェリングは清潔だし、上品だし、Sibelius にピタリ!の完成度でしょう。熱血情熱系ではなく、あくまでクールで丁寧な仕上げ+ロジェストヴェンスキーの奔放なバックで支えます。(↓数年前のワタシは勝手なことを書いているが)ひとつの理想的な味わいを以て胸に迫ります。そういえばロジェストヴェンスキーの交響曲全集(2005年に)とうとう復活しましたね。

 それにしても「駅売海賊盤」で二種ダブり買いとは・・・少々トホホですな。

(2005年12月23日)


 最近は割高で手が出ない「海賊盤」も、中古なら安い。シェリングのヴァイオリン協奏曲はダブり買いだが、カラヤンのこの演奏は欲しかったんです。ワタシが中学生のとき、音楽室で心ときめかせて聴いた東芝の赤いレコードを思い出します。たしか「フィンランディア」との組み合わせでした。子供の頃に聴いた演奏は、ほとんど素晴らしい記憶が残っていて、ん10年経った今でもたいてい感動するもんなんです。

 ところがねぇ、ま、例外もあるわけでして、これ、心に思い描いていた演奏とは別物でした。もしかしたら別な演奏と、記憶がゴチャゴチャになっているのかもしれません。まず、録音がうすボンヤリとしてよろしくない。これは海賊盤だから、状態のよろしくないLP、オーディオ装置から勝手にCD化したかもしれないので、もともとはもっと鮮明なのかも。(どなたか正規盤を所有の方、教えてください)

 録音状態はともかく、演奏がいけてない。たしかこの録音、フィルハーモニア管とのほぼラスト時期にあたっていて、既にベルリン・フィルで旺盛な活動を繰り広げていた頃でしょう。早めのテンポ、颯爽としてスタイリッシュな流線型の演奏振りは、まさにカラヤン節。個性は明確だし、一聴、誰の演奏かわかるから凄いといえば凄い。

 フィルハーモニア管だから、北欧音楽には違和感あるような過ぎたる厚みは感じないが、節回しの隅々に迄「ド助兵衛さ」が横溢しております。(これが、DG録音の4・5・6・7番辺りになると、その色気も徹底・爛熟〜腐りかけ寸前の果実の極甘さ〜していて、タマに身を任せるのも悪くないか、と思う)上手いが、清涼感が足りない。味付けが濃すぎて、クセもある。

 北欧の冷たい空気は凛として、輝くような透明さが欲しいもの。やや雄弁すぎ、終楽章の圧倒的盛り上がりもあって、立派な演奏ながら、ワタシの好みからは大きく離れておりました。音質的に大音量で濁るのも気になります。(ベルリン・フィルとの録音は聴いたことはありません)


 ヴァイオリン協奏曲では、このCDの表記が少々ヘンででした。指揮:アンタル・ドラティ/ゲンナジ・ロジェストヴェンスキーとなっていて「複数指揮者?それとも楽章ごとに指揮者がちがうのか」(んなわけないでしょ?)なんて感じだが、わりと有名なロジェストヴェンスキーとの録音だと思います。

 これ、以前に書いた時も同じ印象だが、ロジェストヴェンスキーのバックが意外と雰囲気あるんです。(モスクワ放響との交響曲全集が格安で出ないものか?BRILLIANT辺りで)カラヤンみたいに都会的な飾りがないし、冷涼な繊細さはちゃんとあります。録音はフツウだが、上記よりはずっとマシで聴きやすいことも有。

 シェリングは完璧の技巧、音色も極上ながら、さて、この幻想的で自由なヴァイオリン協奏曲にはいかがなもんでしょうか。もっと神経質に、ヴァイオリニストの緊張がバリバリ伝わってくるような演奏か、とことん自由でのびのびとしたインスピレーションを感じさせる演奏か、そんなものを望みたいところ。優等生か。

 どこにもキズがなくて、高音の消えゆくような繊細な節回しも魅力だが、ワタシはドキドキしませんでした。足りないのは鮮度かな?ある意味Beethoven 、Brahms を凌駕する名曲と思うが、シゲティなんかは演奏しなかったでしょ?フェラスの極度に神経質な演奏、瑞々しい青春溢るるチョン・キョンファのデビュー録音、そして、音楽以外なにも聴こえないハイフェッツ〜そんな感動には少々足りないかも。

 でも、完成度は抜群で「最高名演」と評する人がいてもおかしくない立派な演奏です。以上、250円なら存分にペイするC/P。そういった意味で文句なし。(2001年12月7日)


【♪ KechiKechi Classics ♪】

●愉しく、とことん味わって音楽を●
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written by wabisuke hayashi